JP4990417B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
リン系難燃剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物としては、例えば、特許文献1が知られている。しかしながら、リン系難燃剤をポリカーボネート樹脂に含有させる手法は、高い難燃性と、優れた流動性とを持つポリカーボネート樹脂を得ることができるが、一方でポリカーボネート樹脂が本来有する耐衝撃性が著しく低下するという欠点を有していた。
この為、さらにエラストマーを配合し、耐衝撃性を向上させる手法が盛んに試みられている。なかでもゴム質重合体と、これと重合可能な単量体とから成るグラフト共重合体、より好ましくはゴム質重合体からなるコアと、重合可能な単量体からなるシェルで構成されるコア・シェル型のグラフト共重合体を用いることで効果的に耐衝撃性を向上させることができる。(例えば、特許文献2参照)。
また、ポリオルガノシロキサン−ブチルアクリレート系ゴムをコア、アクリロニトリル及びスチレンをシェルとする平均粒径0.1〜0.2μmのグラフト共重合体やブタジエン−不飽和カルボン酸アルキルエステル−芳香族ビニル系ゴムをコア、スチレン及びメチルアクリレートをシェルとする平均粒径100〜180nmのグラフト共重合体を含む樹脂組成物も提案されている。(特許文献3〜5参照)
特に、一般的にグラフト共重合体は、ポリカーボネート樹脂と比較し燃えやすい為、ポリカーボネート樹脂にグラフト共重合体を配合した組成物は、発熱速度が著しく大きくなるという課題を有していた。これは、さらには発火時に著しく燃焼し、近くにいる人への危険性が高まるだけでなく、火災時に延焼しやすくなる為、UL94で定められている難燃性に加え、発熱速度が小さい材料が社会的に強く改良が望まれている。
また、成形の前の予備乾燥によっても着色しやすいために、良好な色相の成形体を得るためには厳密に乾燥時間を制御する必要があり、実際には連続生産性が極めて悪いという課題を有していた。
<1>ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、
難燃剤(B)0.001〜30質量部、
フルオロポリマー(C)0.001〜1質量部、
ジエン系ゴムに、(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるグラフト共重合体(D)0.5〜10質量部を含有し、
グラフト共重合体(D)が、
(i)硫黄含有量が100〜1500ppm、
(ii)平均粒径が70〜240nm
であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
<2>グラフト共重合体(D)において、ジエン系ゴム中のブタジエン由来の成分の含有率が80質量%以上であることを特徴とする<1>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<3>グラフト共重合体(D)が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の割合で含まれる、<1>または<2>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<4>グラフト共重合体(D)の硫黄含有量が、300〜800ppmであることを特徴とする<1>乃至<3>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<5>前記難燃剤として、リン系難燃剤(B−1)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、3〜30質量部含むことを特徴とする、<1>乃至<4>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<6>リン系難燃剤(B−1)が、下記式(1)で表されるリン酸エステルであることを特徴とする<5>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<7>リン系難燃剤(B−1)が、下記式(2)および/または(3)で表されるホスファゼン化合物であることを特徴とする<5>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<8>前記難燃剤として、有機スルホン酸金属塩(B−2)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜1質量部含むことを特徴とする、<1>乃至<4>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<9>有機スルホン酸金属塩(B−2)が、含フッ素脂肪族スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする<8>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<10>有機スルホン酸金属塩(B−2)が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする<8>または<9>に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<11>グラフト共重合体(D)の平均粒径が100〜180nmであることを特徴とする<1>乃至<10>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<12>グラフト共重合体(D)がジエン系ゴムに少なくともメチルメタアクリレートをグラフト重合させてなるグラフト共重合体である、<1>乃至<11>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<13><1>乃至<12>の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
<14>成形体が、バッテリーパック筐体であることを特徴とする<13>に記載の成形体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、ポリカーボネート樹脂と難燃剤とフルオロポリマーからなる樹脂組成物に特定の硫黄含有量と、特定の平均粒径のグラフト共重合体を配合してなる。また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
ポリカーボネート樹脂と難燃剤とフルオロポリマーからなる樹脂組成物に特定の硫黄含有量と、特定の平均粒径のグラフト共重合体を含有させることにより、難燃性、耐衝撃性、色相および耐変色性を著しく向上させることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂の種類に制限は無い。また、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α"−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下、より好ましくは24000以下である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜30質量部含有する。このように難燃剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
難燃剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜20質量部がより好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系難燃剤(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、3〜30質量部含有する。このようにリン系難燃剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステル類;
レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(RDP)、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート(RDX)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(BDP)、ビフェニルビス−ジフェニルホスフェート等の縮合リン酸エステル類;
等が挙げられる。
また、式(2)中、tは3〜25の整数を表すが、なかでもtが3〜8の整数である化合物が好ましく、tの異なる化合物の混合物であってもよい。なかでも、t=3のものが50質量%以上、t=4のものが10〜40質量%、t=5以上のものが合わせて30質量%以下である化合物の混合物が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は有機スルホン酸金属塩を含有する。このように有機スルホン酸金属塩を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性を向上させることができる。
また、含フッ素脂肪族スルホン酸金属塩としては分子中に少なくとも1つのC−F結合を有する含フッ素脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましく、具体的にはパーフルオロブタンスルホン酸カリウム等が好ましい。芳香族スルホン酸金属塩としては芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム等のジフェニルスルホン−スルホン酸のアルカリ金属塩;パラトルエンスルホン酸ナトリウム、及びパラトルエンスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸セシウム等のパラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩;が特に好ましく、パラトルエンスルホン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。
なお、有機スルホン酸金属塩は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フルオロポリマー(D)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し0.001〜1質量部含有する。フルオロポリマーの種類に制限はなく、また、フルオロポリマーは、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
本発明に用いるグラフト共重合体は、ジエン系ゴムに、(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるグラフト共重合体であり、(i)硫黄含有量が100〜1500ppm、(ii)平均粒径が70〜240nmであることを特徴とする。
このような特定のグラフト共重合体を選択することで、難燃性、耐衝撃性、色相、耐変色性に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られる。さらに、(B)難燃剤として、リン系難燃剤を用いた場合、前記に加え、防火性、および高温成形時における耐衝撃性も向上させることができる。一方、(B)難燃剤として、有機スルホン酸金属塩を用いた場合、さらに連続生産性も向上させることができる。
特に本発明では、ジエン系ゴム中のブタジエン由来の成分の含有率が80質量%以上であることが好ましい。すなわち、原料モノマーの80質量以上がブタジエンであることが好ましい。
フェニルメタクリレート、ナフチルメタクリレート等のアリールメタクリレート;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有メタクリレート;等が挙げられるが、なかでも耐熱性とポリカーボネート樹脂とのバランスの面よりメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。
なお、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物は1種または2種以上を使用することができる。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;
マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等);
等が挙げられる。
エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート等の多価アルコール;
トリメタクリル酸エステル、トリアクリル酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等のカルボン酸アリルエステル;
ジアリルフタレート、ジアリルセバケート、トリアリルトリアジン等のジ及びトリアリル化合物等の架橋性単量体を併用することもできる。
ジエン系ゴムの含有量が、上記下限値以下の場合は、本発明のポリカーボネート樹脂の耐衝撃性の低下、難燃性の低下を招くため可能性があるため好ましくない。またジエン系ゴムの含有量が、上記上限値を越える場合もやはり耐衝撃性の低下、難燃性の低下を招くため可能性があるため好ましくない。
(メタ)アクリル酸エステル化合物の含有量が、上記下限値以下の場合は、本発明のポリカーボネート樹脂の耐衝撃性の低下、難燃性の低下を招くため可能性があるため好ましくない。また(メタ)アクリル酸エステル化合物の含有量が、上記上限を越える場合もやはり耐衝撃性の低下、難燃性の低下を招くため可能性があるため好ましくない。
また、本発明に用いるグラフト共重合体は、耐衝撃性や難燃性、表面外観が向上しやすい点よりコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。
このような観点より、上記硫黄含有量は、200〜1000ppmがより好ましく、300〜800ppmがさらに好ましく、400〜700ppmが最も好ましい。
グラフト共重合体製造後、洗浄や粉体化等の後処理工程で上記硫黄含有成分を除去することで上述の範囲のような硫黄含有量のグラフト共重合体を得ることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、安定剤を含有していてもよい。安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂成分100重量部に対して、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。
安定剤として、好ましくは、リン系安定剤、フェノール系安定剤が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じてリン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂の色相が良好なものとなり、さらには耐変色性や連続生産性も向上する。この効果は、特に、難燃剤として有機スルホン酸金属塩(B−2)を用いたときに効果的に発揮される。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
ここでホスファイト化合物は、一般式P(OR)3で表される3価のリン化合物であり、Rは、1価または2価の有機基を表す。このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスファイト、6−[3−(3−tert−ブチル−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
フェノール系安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
滑剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、シロキサン化合物で処理された酸化チタンを含有することも好ましい。このような特定の酸化チタンをさらに含有させることにより、耐変色性、連続生産性がさらに高まる。
このような観点より上記処理量は、酸化チタン100質量部に対し、0.1〜6質量部がより好ましく、0.5〜5質量部がさらに好ましく、1〜4質量が特に好ましい。
なお、酸化チタンの含有量は通常、上記耐変色性、連続生産性改良効果と所望の色相とのバランスで適宜選択して用いる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;
ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、離型剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の例について具体的に説明する。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
酸化チタン以外の染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係るポリカーボネート樹脂及び有機リン系難燃剤、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体(樹脂組成物成形体)として用いる。この成形体の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
得られた本発明の成形体は、上述したようにポリカーボネート樹脂の優れた性質を損なうことなく、難燃性、機械物性の高い実用的な成形体として用いることが可能である。
後述する表に記した各成分を、後述する表に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上述の製造方法で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のSE100DU型射出成形機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ0.75mmのUL試験用試験片を射出成形した。
また、上述の製造方法で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のサイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、シリンダー温度280℃、及び330℃、金型温度80℃の条件でISO多目的試験片(3mm)を射出成形した。
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、上述の方法で得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
上述の平板状試験片1(1mm厚)を試験片とし、東洋精機社製「IIIC3」型コーンカロリメーターを用いて、酸素消費法にて最大発熱速度及び、平均発熱速度を測定した。なお、試験時間は300秒とし、平均発熱速度は、着火時間より60秒後までの発熱速度の平均値を採用した。最大発熱速度及び、平均発熱速度は、小さい方が防火性能が高いことを意味し好ましい。なお、後述する表中、それぞれ「最大発熱速度」、「平均発熱速度」と表記する。
上述の方法で得られたISO多目的試験片(3mm)を用い、ISO179に準拠し、R=0.25のVノッチを入れ、23℃の条件で、ノッチ有りシャルピー耐衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。なお、後述する表中、「Charpy」と表記する。
JIS K−7105に準じ、上述の平板状試験片1(1mm厚)または平板状試験片2(3mm厚)を試験片とし、日本電色工業社製SE2000型分公式色彩計で、反射法により、YI値を測定した。YI値は、黄変度を表し、この値が小さい方が初期色相が良好で、着色の自由度も高くなることより好ましい。
実施例1−1〜1−10および比較例1−1〜1−4は平板状試験片1を用い、後述する表中「初期YI」と表記する。実施例2−1〜2−9、比較例2−1〜2−4は平板状試験片2を用い、後述する標柱、「5h乾燥品YI」と表記する。
上述の平板状試験片1を、熱風乾燥機を用いて、80℃、96hエージング処理をした後に、上述の方法と同様の方法で色相評価を実施し、YI値を求めた。なお、処理前と処理後の色差(△YI)についても求めた。なお、後述する表中、「熱エージング後YI」及び「△YI」と表記する。
上述の平板状試験片2を、熱風乾燥機を用いて、120℃、168hエージング処理をした後に、上述の方法と同様の方法で色相評価を実施し、YI値を求めた。なお、処理前と処理後の色差(△YI)についても求めた。なお、後述する表中、「168h熱エージング後YI」及び「エージング後△YI」と表記する。なお、耐変色性の総合判定は、エージング後の△YIが10以下のものを「○」、10を越えるものを「×」と判定とした。
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で12時間乾燥させた後、上述の方法と同様の条件にて平板状試験片2(90mm×50mm×3mm)を成形した。
得られた試験片も用い、上述と同様の条件で、YI値を測定した。なお、5時間乾燥品との色差(△YI)についても求めた。表4、5中、「12h乾燥品YI」及び「12乾燥後△YI」と表記する。なお、連続生産性の総合判定は、5h乾燥品と12h乾燥品の△YIが3以下のものを「○」、3を超えるものを「×」と判定した。
Claims (14)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、
難燃剤(B)0.001〜30質量部、
フルオロポリマー(C)0.001〜1質量部、
ジエン系ゴムに、(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合させてなるグラフト共重合体(D)0.5〜10質量部を含有し、
グラフト共重合体(D)が、
(i)硫黄含有量が100〜1500ppm、
(ii)平均粒径が70〜240nm
であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。 - グラフト共重合体(D)において、ジエン系ゴム中のブタジエン由来の成分の含有率が80質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(D)が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の割合で含まれる、請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(D)の硫黄含有量が、300〜800ppmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記難燃剤として、リン系難燃剤(B−1)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、3〜30質量部含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- リン系難燃剤(B−1)が、下記式(2)および/または(3)で表されるホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記難燃剤として、有機スルホン酸金属塩(B−2)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜1質量部含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機スルホン酸金属塩(B−2)が、含フッ素脂肪族スルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 有機スルホン酸金属塩(B−2)が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項8または9に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(D)の平均粒径が100〜180nmであることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- グラフト共重合体(D)がジエン系ゴムに少なくともメチルメタアクリレートをグラフト重合させてなるグラフト共重合体である、請求項1乃至11の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 成形体が、バッテリーパック筐体であることを特徴とする請求項13に記載の成形体。
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