JPH1046015A - 難燃性樹脂組成物及びそれから成形されたリチウムイオンバッテリーケース - Google Patents

難燃性樹脂組成物及びそれから成形されたリチウムイオンバッテリーケース

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JPH1046015A
JPH1046015A JP8208322A JP20832296A JPH1046015A JP H1046015 A JPH1046015 A JP H1046015A JP 8208322 A JP8208322 A JP 8208322A JP 20832296 A JP20832296 A JP 20832296A JP H1046015 A JPH1046015 A JP H1046015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、機械的性質及び難燃性に優れ、家電
製品やOA機器等の各種部品、特にリチウムイオンバッ
テリーケースに有用なポリカーボネート樹脂及びそれか
ら成形されたリチウムイオンバッテリーケースを提供す
る。 【解決手段】 (A)粘度平均分子量14,000〜2
0,000のポリカーボネート樹脂92〜99重量%と
(B)ポリシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡
み合った構造を有する複合ゴムに少なくとも1種のビニ
ル単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト
共重合体及び/又はゴム質重合体100重量%中ポリブ
タジエンが50重量%以上のゴム質重合体にアクリル系
単量体をグラフトしてなる共重合体8〜1重量%よりな
る樹脂組成物100重量部に、(C)ハロゲン系難燃剤
3〜10重量部と(D)フィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレン0.05〜1重量部を配合して
なる難燃性樹脂組成物及びそれから成形されたリチウム
イオンバッテリーケース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性樹脂組成物に
関する。更に詳しくは、例えば家電製品やOA機器等の
各種部品、特にリチウムイオンバッテリーケースの成形
材料として好適な成形性、耐衝撃性、耐熱性に優れると
共に高い難燃性を有する難燃性ポリカーボネート樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂はその高い機械的
強度等の特性から、電気部品等に多く利用されており、
難燃化の方法も種々提案されている。例えばポリカーボ
ネート樹脂に、有機ハロゲン化物や有機リン化合物を配
合する方法が知られている。しかしながら、これらの方
法によってポリカーボネート樹脂を充分に難燃化するに
は、これらの化合物を大量に使用する必要があり、その
結果難燃化の目的は達成できてもポリカーボネート樹脂
本来の優れた機械的性質を損なうようになる。また、ポ
リカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に難燃剤及び難燃
助剤を配合した樹脂組成物にフッ素樹脂を併用すること
により、難燃剤及び難燃助剤の量を低減させ、機械的性
質を損なわずに難燃効果を維持することが可能になるこ
とが知られている(特開昭63−110257号公
報)。しかしながら、ポリカーボネート樹脂に三酸化ア
ンチモン等の金属化合物を配合することは、溶融時の熱
安定性を大きく低下させる点から好ましくない。
【0003】また、ポリカーボネート樹脂は一般的なエ
ンジニアリングプラスチックの中で極めて優れた特性を
持っているが、溶融時の流動性に劣る問題がある。最近
のOA機器、カメラ、携帯電話等の小型軽量化に伴い成
形品の肉厚も薄肉となってきた。このため、成形加工上
ポリカーボネート樹脂の溶融流動性をよくすることが要
求されており、従来このような場合ポリカーボネート樹
脂の分子量を下げることにより対応している。しかしな
がら、低分子量のポリカーボネート樹脂は衝撃強度等の
物性が低下のみならず、燃焼時に溶融滴下し易くなり、
難燃性の低下を引き起こす。以上の問題を解決した組成
物として、低分子量のポリカーボネート樹脂に熱可塑性
エラストマー、フィブリル形成性ポリテトラフルオロエ
チレン及びハロゲン系難燃剤を特定の割合で配合するこ
とにより、流動性の良好な低分子量ポリカーボネート樹
脂を用いた場合にも機械的性質及び難燃性の改良に効果
を発揮することが知られている(特開平7−17974
2号公報)。しかしながら、この方法では熱可塑性エラ
ストマーとしてABS樹脂を用いているために、用途に
よっては、利用し得ないという問題が生じる。例えばこ
の方法で得られる組成物をリチウムイオンバッテリーケ
ースに用いた場合、電解溶液に侵されるという問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は流動
性、機械的性質及び難燃性に優れ、家電製品やOA機器
等の各種部品、特にリチウムイオンバッテリーケースに
有用なポリカーボネート樹脂を提供するにある。
【0005】本発明者らは、上記課題を解決せんとして
鋭意検討した結果、粘度平均分子量14,000〜2
0,000のポリカーボネート樹脂に、特定のゴム質重
合体、ハロゲン系難燃剤及びフィブリル形成能を有する
ポリテトラフルオロエチレンを特定の割合で配合するこ
とにより流動性、機械的性質及び難燃性に優れ且つリチ
ウムイオンバッテリーケースにも有用なポリカーボネー
ト樹脂組成物が得られることを究明し、更に検討を重ね
て本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)粘度平
均分子量14,000〜20,000のポリカーボネー
ト樹脂92〜99重量%と(B)ポリシロキサンゴム成
分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分
離できないように相互に絡み合った構造を有している複
合ゴムに少なくとも1種のビニル単量体がグラフト重合
されてなる複合ゴム系グラフト共重合体又は該複合ゴム
系グラフト共重合体とビニル系共重合体の混合物及び/
又はゴム質重合体100重量%中ポリブタジエンが50
重量%以上のゴム質重合体にアクリル系単量体をグラフ
トした共重合体8〜1重量%よりなる樹脂組成物100
重量部に、(C)ハロゲン系難燃剤3〜10重量部と
(D)フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン0.05〜1重量部を配合してなる難燃性樹脂組
成物及びそれから成形されたリチウムイオンバッテリー
ケースに係るものである。
【0007】本発明で(A)成分として用いるポリカー
ボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であ
り、ここで用いる二価フェノールの代表例としては2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビ
スフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルフ
ァイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が
あげられる。好ましい二価フェノールは2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビ
スフェノールAが好ましい。カーボネート前駆体として
はカルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホ
ルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニ
ルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等
があげられる。ポリカーボネート樹脂を製造するに当
り、前記の二価フェノールを単独で用いても、二種以上
併用してもよく、適当な分子量調節剤や反応を促進する
ための触媒等を用いてもよい。また得られたポリカーボ
ネート樹脂を二種以上混合して用いてもよい。
【0008】かかるポリカーボネート樹脂の重合度は、
粘度平均分子量で表して14,000〜20,000で
あり、好ましくは15,000〜19,000である。
粘度平均分子量が14,000未満のポリカーボネート
樹脂では強度が十分でなく、燃焼時にも滴下し易くな
る。20,000を越えるポリカーボネート樹脂では、
得られる組成物の溶融粘度が高くなり、流動特性が低下
するようになる。本発明でいう粘度平均分子量(M)と
は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.
7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp
を次式に挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2 c [η]=1.23×10-40.83 (但し[η]は極限粘度であり、cは濃度で0.7であ
る。)
【0009】本発明で用いる(B)成分の1は、ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合
った構造を有している複合ゴムに一種又は二種以上のビ
ニル系単量体をグラフト重合させた複合ゴム系グラフト
共重合体である。この複合ゴム系グラフト共重合体を得
るには、まず3員環以上の各種の環状オルガノシロキサ
ン例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメ
チルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタ
シロキサン等と、架橋剤及び/又はグラフト交叉剤を用
いて乳化重合によりポリオルガノシロキサンゴムのラテ
ックスを調整し、次にアルキル(メタ)アクリレート単
量体、架橋剤及びグラフト交叉剤とをポリオルガノシロ
キサンゴムのラテックスに含浸させてから重合すること
によって得られる。ここで用いるアルキル(メタ)アク
リレート単量体としてはメチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアル
キルアクリレート及びヘキシルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
トが挙げられるが、特にn−ブチルアクリレートが好ま
しい。この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量
体としてはスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物、メチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステ
ル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート等のアクリル酸エステル等が挙げられ、こ
れらは単独で又は二種以上組合わせて用いられる。この
複合ゴム系グラフト共重合体中のポリオルガノシロキサ
ンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分の架橋網目が相互に絡んだ構造を有しているため夫々
のゴム成分はアセトンやトルエン等の通常の有機溶媒で
は分離・抽出できないものであり、またかかる構造を有
しているためこれを配合することにより衝撃強度の優れ
た成形品を得ることができる。この複合ゴム系グラフト
共重合体に代えてポリオルガノシロキサンゴム成分とポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分を夫々単独で
又は単に混合して用いたのでは衝撃強度の高い成形品を
得ることは困難である。ポリオルガノシロキサンゴム成
分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の割合
は、両ゴム成分の合計量を100重量%とすると、ポリ
オルガノシロキサンゴム成分10〜90重量%とポリア
ルキル(メタ)アクリレートゴム成分90〜10重量%
の範囲をとることができる。また、複合ゴムの平均粒径
は通常0.08〜0.6μm程度である。この複合ゴム
系グラフト共重合体は市販品として三菱レイヨン(株)
製メタブレンS−2001等があり、容易に入手でき
る。
【0010】別の(B)成分であるゴム質重合体100
重量%中ポリブタジエンが50重量%以上のゴム質重合
体にアクリル系単量体をグラフトした共重合体は、例え
ば特開平1−141944号公報に記載されているコア
部とシェル部からなるものであり、コアは好ましくは5
0重量%以上が重合したジエンより構成される。コアは
重合した共役ジエン単位か、又は重合したジエン単位と
芳香族ビニル化合物の重合単位との共重合体からなるの
が好ましい。適当な共役ジエンとしてはブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン等があげられ、適当な
芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、アクリル
(メタクリル)酸のエステルが挙げられる。シェルは、
好ましくは炭素数1〜6のアルキルアクリレート、炭素
数1〜6のアルキルメタクリレート、アクリル酸、メタ
クリル酸及びこれらモノマーの一種又は二種以上の混合
物(場合によって架橋剤と混合してもよい)からなる群
から選択されたモノマーの重合生成物で構成され、コア
にグラフトしている。特に好ましいモノマーはとしては
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ヘキシルメタクリレート、アクリル酸及びメタク
リル酸があげられ、なかでもメチルメタクリレートが好
ましい。このグラフト共重合体においては通常コアとシ
ェル相の比率に制限はないが、好ましくはコアが約40
〜95重量%、シェル相が5〜60重量%である一般の
MBSが挙げられる。かかるグラフト共重合体は市販品
としては呉羽化学工業(株)製パラロイドEXL260
2がある。
【0011】かかる(B)成分であるポリオルガノシロ
キサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を
有している複合ゴムに一種又は二種以上のビニル系単量
体をグラフト重合させた複合ゴム系グラフト共重合体と
ゴム質重合体100重量%中ポリブタジエンが50重量
%以上のゴム質重合体にアクリル系単量体をグラフトし
た共重合体は、単独で用いてもよく、併用してもよい。
また併用する場合には、上記2種の成分を予め混合して
から配合してもよく、それぞれ別々に配合してもよい。
【0012】(A)成分と(B)成分の使用割合は、
(A)成分と(B)成分の合計を100重量%として
(A)成分は92〜99重量%、好ましくは94〜97
重量%であり、(B)成分は8〜1重量%、好ましくは
3〜6重量%である。(B)成分の使用割合が1重量%
未満では得られた製品の衝撃強度が不十分になり、8重
量%を越えると難燃性が不十分になる。
【0013】(C)成分として用いるハロゲン系難燃剤
としては、例えばテトラブロモビスフェノールAからの
ポリカーボネート、テトラブロモビスフェノールAとビ
スフェノールAとのコポリカーボネート、デカブロモジ
フェニルエーテル、オクタデシルジフェニルエーテル、
デカブロモジフェニルエーテル、オクタデシルジフェニ
ルエーテル、テトラブロモジフェニルエーテル、ヘキサ
ブロモシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタ
ルイミド、トリス(ペンタブロモベンジル)イソシアヌ
レート、ブロム化ポリスチレン、テトラブロモビスフェ
ノールA−エポキシ樹脂等を挙げることができる。特に
テトラブロモビスフェノールAからのポリカーボネート
およびテトラブロモビスフェノールAとビスフェノール
Aとのコポリカーボネート等のテトラブロモビスフェノ
ールA系のポリカーボネート型難燃剤がポリカーボネー
ト樹脂との相溶性が優れている点から好ましく、なかで
もテトラブロモビスフェノールAからのポリカーボネー
トでその繰返し単位が2〜20のものが好ましい。
【0014】(C)成分の配合量は、(A)成分と
(B)成分よりなる樹脂組成物100重量部に対して3
〜10重量部、好ましくは4〜8重量部である。(C)
成分の量が3重量部に達しないときには得られる成形品
の難燃性が十分でなく、10重量部を越えると得られる
成形品の衝撃強度等が大きく低下するようになる。
【0015】(D)成分として用いるフィブリル形成能
を有するポリテトラフルオロエチレンは、ASTM.タ
イプIII に分類されるものである。フィブリル形成能を
有しないものでは本発明の目的は達成されない。かかる
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン
は市販品として、ダイキン化学工業(株)製ポリフロン
F−201L等があり、容易に入手できる。(D)成分
の配合量は、(A)成分と(B)成分よりなる樹脂組成
物100重量部に対して0.05〜1重量部、好ましく
は0.1〜0.8重量部である。(D)成分の量が0.
05重量部に達しないときには得られた成形品の不滴下
性が十分でなく、1.0重量部を越えると得られた成形
品の機械的性質を損なうばかりでなく、樹脂の粘度が著
しく上昇するので薄肉成形品の成形用材料として適当で
ない。
【0016】本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の目
的を損なわない範囲で有効発現量の添加剤例えば安定剤
(例えばリン酸エステル、亜リン酸エステル)、離型
剤、紫外線吸収剤(例えばヒンダードフェノール系化合
物)等を配合してもよい。
【0017】本発明の難燃性樹脂組成物を製造するに
は、任意の方法が採用される。例えばポリカーボネート
樹脂、ゴム質重合体、ハロゲン系難燃剤、ポリテトラフ
ルオロエチレン及び適宜その他の添加剤を例えばV型ブ
レンダー等の混合手段を用いて充分に混合した後、ベン
ト式二軸ルーダーでペレット化する方法等の一般に工業
的に用いられる方法が適宜用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて更に説明す
る。なお、実施例中の部又は%は、重量部又は重量%で
あり、評価は以下の方法により行った。 (1)衝撃値;ASTM D−256に従い1/8″ノ
ッチ付きアイゾット衝撃強度(kgf・cm/cm)を
測定した。 (2)MFR値;JIS K−7210に従い温度28
0℃、荷重2,160gで測定した。 (3)スパイラルフロー長;成形機:住友150U、金
型温度:80℃(アルキメデス型スパイラルフロー)、
射出圧力:1000kgf/cm2 で流路厚(2m
m)、流路幅(8mm)で流路長を測定し、流路長15
0mm以上を○、流路長150mm未満以下を×で示し
た。
【0019】[実施例1、2及び比較例1〜5]表1記
載の量で(A)ポリカーボネート樹脂、(B)複合ゴム
系グラフト共重合体又はゴム質重合体にアクリル系単量
体をグラフトした共重合体、(C)ハロゲン系難燃剤、
(D)フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレンを混合し、スクリュー径30mmのベント付き二
軸押出機[日本製鋼所(株)製TEX−30XSST]
によりシリンダー温度270℃で溶融混練し、ストラン
ドカットしてペレット化した。得られたペレットを12
0℃で5時間熱風循環式乾燥機により乾燥した。その後
射出成形機[住友重機工業(株)製SG−150U]に
よりシリンダー温度280℃、金型温度80℃で各種試
験片を射出成形し、評価し、評価結果を表1に示した。
なお、表1記載の(A)〜(D)各成分は以下のもので
ある。
【0020】1.A成分 PC−1;ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製、
粘度平均分子量16,000] PC−2;ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製、
粘度平均分子量19,800] PC−3;ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製、
粘度平均分子量22,400] 2.B成分 B−1;複合ゴム系グラフト共重合体[三菱レイヨン
(株)製メタブレン S−2001] B−2;アクリル系単量体グラフトポリブタジエン系共
重合体[呉羽化学工業(株)製パラロイドEXL260
2] 3.C成分 テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー
[帝人化成(株)製フアイヤガードFG−7000] 4.D成分 フィブリル形成性ポリテトラフルオロエチレン[ダイキ
ン化学工業(株)製ポリフロンF−201L]
【0021】
【表1】
【0022】[実施例3及び比較例6]実施例1の難燃
性樹脂組成物及び比較のためポリカーボネート樹脂[帝
人化成(株)製、粘度平均分子量16,000]96.
0%、ABS樹脂[三井東圧化学(株)製サンタックU
T−61]4.0%よりなる樹脂組成物100部に、テ
トラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー
[帝人化成(株)製ファイヤガードFG−7000]
6.0部とフィブリル形成性ポリテトラフルオロエチレ
ン[ダイキン化学工業(株)製ポリフロンF−201
L]を0.4部を混合した難燃性樹脂組成物を、実施例
1と同様な方法で1/8″×13mm×126mmの試
験片を作製し、前者をサンプルA(実施例3)、後者を
サンプルB(比較例6)とした。これらのサンプルをリ
チウムイオンバッテリの電解液中に23℃で24時間浸
漬させ試験終了後、サンプルの外観を観察した結果、サ
ンプルAでは表面変化がなく外観が良好であった。一
方、サンプルBでは、表面が溶解し外観不良が発生し
た。
【0023】
【発明の効果】本発明は、特定分子量のポリカーボネー
ト樹脂を用い、このポリカーボネート樹脂に特定の複合
ゴム系グラフト共重合体及び/又はゴム質重合体にアク
リル系単量体をグラフトしてなる共重合体、ハロゲン系
難燃剤及びフィブリル形成能を有するポリテトラフルオ
ロエチレンとを特定の割合で配合することにより流動
性、機械的性質及び難燃性に優れ、特にリチウムイオン
バッテリーケース用に好適な難燃性樹脂組成物、及びそ
れから成形されたリチウムイオンバッテリーケースの提
供を可能にしたものであり、その奏する工業的効果は格
別なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:00 27:18)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粘度平均分子量14,000〜2
    0,000のポリカーボネート樹脂92〜99重量%と
    (B)ポリシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)
    アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡
    み合った構造を有する複合ゴムに少なくとも1種のビニ
    ル単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト
    共重合体及び/又はゴム質重合体100重量%中ポリブ
    タジエンが50重量%以上のゴム質重合体にアクリル系
    単量体をグラフトした共重合体8〜1重量%よりなる樹
    脂組成物100重量部に、(C)ハロゲン系難燃剤3〜
    10重量部と(D)フィブリル形成能を有するポリテト
    ラフルオロエチレン0.05〜1重量部を配合してなる
    難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物を成形
    してなるリチウムイオンバッテリーケース。
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Cited By (13)

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