JP3457799B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物Info
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Description
脂組成物に関し、さらに詳しくは、難燃性と耐衝撃性に
優れ、且つ耐熱性にも優れたポリカーボネート樹脂組成
物に関する。
性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・
電子分野をはじめ工業的に広く利用されている。一方、
近年、OA機器、家電製品等の用途を中心に、使用する
合成樹脂材料の難燃化の要望が強く、これらの要望に応
えるために多数の難燃剤が開発検討されている。通常ポ
リカーボネート系樹脂の難燃化には主にハロゲン化合物
等が使用され、多くの場合、さらに三酸化アンチモン等
が難燃助剤として併用されている。難燃剤としてハロゲ
ン化合物を合成樹脂に配合した場合、難燃化の効果は比
較的大きいが、火災発生時あるいは焼却処理時に環境汚
染を引き起こす恐れがあり、また機械的性質を損なった
り、成形時の変色、さらに高温で長期に使用した場合の
物性低下や着色などの問題を有している。このため使用
されるハロゲン系化合物の減量化が望まれている。
例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂
に芳香族オリゴマー系リン酸エステルを混合した組成物
が、特開昭59−202240号に開示されているが、
優れた難燃性を得るためには、芳香族オリゴマー系リン
酸エステルを比較的多量添加する必要があり、そのため
機械的性質や熱的性質が損なわれるという欠点があっ
た。
系グラフト共重合体およびフッ素化ポリオレフィンをそ
れぞれ特定比率で含有するポリカーボネート樹脂組成物
が、特開平7−316409号に開示されているが、耐
熱性が不十分であるという問題点があった。また、リン
酸エステル系の難燃剤、フィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレン、鱗片状の無機充填剤および複
合ゴム系グラフト共重合体を特定比率で含有する芳香族
ポリカーボネート樹脂に組成物が、特開平7−2287
64に開示されているが、耐熱性および耐衝撃性は不十
分であった。
リカーボネート樹脂にリン酸エステル系化合物を配合す
る試みもなされているが、かかる樹脂組成物は耐衝撃性
あるいは耐熱性が不十分であり、耐衝撃性と耐熱性との
バランスにおいて問題があった。
性と耐衝撃性に優れ、且つ耐熱性に優れたポリカーボネ
ート樹脂組成物を提供することにある。
解決するためになされたものであり、その要旨は、
(A)ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
(B)リン酸エステル系化合物0.1〜5重量部、
(C)フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン0.2〜2重量部および(D)ポリオルガノシロ
キサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有し
ている複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体
をグラフト重合して得られる複合ゴム系グラフト共重合
体1〜6重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組
成物に存する。
明における(A)ポリカーボネート樹脂としては、2価
フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法
で反応せしめて製造されるものである。2価フェノール
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン等が挙げられる。2価フェノール
としては、好ましくはビス(4−ヒドロキシフェニル)
アルカン系、特にビスフェノールAを主原料とするもの
が挙げられる。カーボネート前駆体としては、カルボニ
ルハライド、カルボニルエステルまたはハロホルメート
等が挙げられ、より具体的には、ホスゲン、ジフェニル
カーボネート、2価のフェノールのジハロホルメートお
よびそれらの混合物が挙げられる。ポリカーボネート樹
脂を製造するにあたり、前記2価フェノールを単独でま
たは2種以上を混合して使用しても差し支えない。
て、分岐化剤を0.01〜3モル%、好ましくは0.1
〜1.0モル%程度併用することにより、分岐化ポリカ
ーボネートとすることができ、分岐化剤としては、フロ
ログリシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチ
ル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプ
テン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4ーヒドロキシフ
ェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−
メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α’,
α”−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−
トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロ
キシ化合物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリー
ル)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、
5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−
ブロムイサチンなどが例示される。
(溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で
測定した溶液粘度より換算)は1万〜10万であり、成
形性あるいは成形品の物性の点より好ましくは1.5万
〜6万である。これらの粘度平均分子量を持つポリカー
ボネート樹脂を製造するに際し、適当な分子量調節剤、
反応を促進するための触媒等を添加することもできる。
合物としては、下記一般式(1)で示されるリン酸エス
テル系化合物が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
独立して、水素原子または有機基を表すが、R1、R2、R
3およびR4がHである場合を除く。有機基は、例えば置
換されていてももよい、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基等が挙げられる。置換されている場合の
置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、ハロゲン、アリール基、アリールオキシ
基、アリールチオ基、ハロゲン化アリール基等が挙げら
れ、またこれらの置換基を組み合わせた基(例えばアリ
ールアルコキシアルキル基等)またはこれらの置換基を
酸素原子、イオウ原子、窒素原子等により結合して組み
合わせた基(例えば、アリールスルホニルアリール基
等)が置換基であってもよい。
有機基としては、上記の有機基から炭素原子に結合して
いる水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の基が
挙げられる。2価以上の有機基としては、例えばアルキ
レン基、置換基を有していても良いフェニレン基、多核
フェノール類、ビスフェノール類から誘導される基等が
挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位置は任意であ
る。2価以上の有機基として特に好ましいものとして
は、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフェニロールメ
タン、ジフェニロールジメチルメタン、ジヒドロキシジ
フェニル、p,p’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
であり、好ましくは1〜30の整数であり、rは0以上
の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、ただ
しrが0の場合は、R1、R3およびR4の少なくとも一つ
は有機基を表す。
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ
ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホ
スフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソ
プロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチ
ル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフ
ェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス
(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロ
ピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピ
ル)およびビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフ
ェート、R1〜R4がアルコキシ例えばメトキシ、エトキ
シおよびプロポキシ、または好ましくは(置換)フェノ
キシ例えばフェノキシ、メチル(置換)フェノキシであ
るところのビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロ
キノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェー
ト、トリオキシベンゼントリホスフェート等が挙げら
れ、好ましくはトリフェニルホスフェートおよび各種ビ
スホスフェートである。これらは単独で用いても良い
し、2種以上組み合わせて用いても良い。
リカーボネート樹脂の100重量部に対して0.1〜5
重量部である。リン酸エステル系化合物の配合割合が
0.1重量部未満では難燃性が不十分であり、5重量部
を越えると耐熱性が低下しやすい。リン酸エステル系化
合物の配合割合は、ポリカーボネート樹脂の100重量
部に対して、好ましくは0.5〜4重量部である。
有するポリテトラフルオロエチレンとしては、重合体中
に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状材料
を作る傾向を示すものである。フィブリル形成能を有す
るポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ
3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラ
フルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロ
ロケミカル(株)より、テフロン6Jまたはテフロン3
0Jとして、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリ
フロンとして市販されている。
オロエチレンの配合割合は、ポリカーボネート樹脂の1
00重量部に対して0.2〜2重量部である。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが0.2
重量部未満では燃焼時の溶融滴下防止効果が不十分であ
り、2重量部を越えると外観が悪くなりやすい。フィブ
リル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの配合
割合は、ポリカーボネート樹脂の100重量部に対し
て、好ましくは0.3〜1重量部である。
化合物の配合割合とフィブリル形成能を有するポリテト
ラフルオロエチレンの配合割合との積を下記の特定の条
件にすることが好ましい。すなわちポリカーボネート樹
脂100重量部に対する、リン酸エステル系化合物の配
合割合をb重量部、フィブリル形成能を有するポリテト
ラフルオロエチレンの配合割合をc重量部とするとき、
0.5≦b×c≦2であることが好ましい。b×cが
0.5未満であると難燃性が不十分であり、b×cが2
を越えると熱的性質、機械的性質が低下しやすい。難燃
性、耐熱性、耐衝撃性のバランスの点から、より好まし
くは、0.6≦b×c≦1.8である。
共重合体としては、ポリオルガノシロキサン成分とポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できな
いように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに
1種または2種以上のビニル系単量体をグラフト重合し
て得られる複合ゴム系グラフト共重合体である。
ル(メタ)アクリレートゴム成分ムは、いずれも1〜9
9重量%(両成分の合計量が100重量%)であり、好
ましくは5〜95重量%である。複合ゴム中のポリアル
キル(メタ)アクリレートゴム成分が99重量%を越え
ると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下しやすい。
複合ゴムの平均粒子径は、好ましくは0.01〜0.6
μmである。平均粒子径が0.01μm未満であると樹
脂組成物の耐衝撃性が低下しやすく、平均粒子径が0.
6μmを越えると、得られる樹脂組成物からの成形品の
表面外観が悪化しやすい。
すオルガノシロキサンおよび架橋剤(C1)を用いて乳
化重合により調整することができ、その際、さらにグラ
フト交叉剤(C2)を併用することもできる。オルガノ
シロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げ
られ、好ましく用いられるのは3〜6員環である。例え
ばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチ
ルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテ
トラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニル
シクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは1種ま
たは2種以上混合して用いられる。これらの使用量は、
ポリオルガノシロキサン成分中50重量%以上、好まし
くは70重量%以上である。
4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチル
シラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられ、特に好
ましくはテトラエトキシシランである。架橋剤の使用量
はポリオルガノシロキサン成分中0.1〜30重量%で
ある。
(2)〜(5)で表される単位を形成し得る化合物等が
用いられる。
ピル基、またはフェニル基、R6は、水素原子またはメ
チル基、mは1〜6の数、nは0、1または2を表す。
リロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため
有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃
性発現の点で有利である。なお、式(2)の単位を形成
し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特
に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例
としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメト
キシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタク
リロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げ
られる。
ニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメ
チルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられ
る。式(4)の単位を形成し得るものとしてp−ビニル
フェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。式
(5)の単位を形成し得るものとして、γ−メルカプト
プロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプトプロピル
ジエトキシメチルシラン等が挙げられる。グラフト交叉
剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中、0〜10
重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。ポ
リオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例え
ば米国特許第2,891,920号明細書、米国特許第
3,294,725号明細書等に記載された方法を用い
ることができる。
アクリレートゴム成分としては、アルキル(メタ)アク
リレート、架橋剤(C2)およびグラフト交叉剤(G
2)を用いて合成することができる。アルキル(メタ)
アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリル
アクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、
特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
グリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレー
ト等が挙げられる。グラフト交叉剤(G2)としては、
例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリ
ルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。
架橋剤およびグラフト交叉剤は1種または2種以上併用
して用いることができる。架橋剤およびグラフト交叉剤
の合計の使用量はポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム成分中0.1〜20重量部である。
分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和され
たポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記ア
ルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフト交
叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させ
た後、通常のラジカル重合開始剤を併用させて行う。重
合の進行と共にポリオルガノシロキサンの架橋網目に相
互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの架
橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノシ
ロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分との複合ゴムのラテックスが得られる。
とグラフト共重合可能であり、またポリオルガノシロキ
サン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
とは強固に絡み合っているためアセトン、トルエン等の
通常の有機溶剤では抽出分離出来ない。この複合ゴムを
トルエンにより90℃で12時間抽出して測定したゲル
含量は80%以上である。
量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル化合物等の各種のビニル単量体が挙げられ、こ
れらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。ビ
ニル系単量体としては、難燃性、耐衝撃性及び耐候性の
点で芳香族アルケニル化合物およびシアン化ビニル化合
物が好ましく、特に好ましくはスチレンおよびアクリロ
ニトリルである。
ゴムとビニル系単量体との割合は、複合ゴム系グラフト
共重合体の重量を基準にして複合ゴム30〜95重量
%、好ましくは40〜90重量%およびビニル系単量体
5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
ビニル系単量体が5重量%未満では樹脂組成物中での複
合ゴム系グラフト共重合体の分散が十分でなく、70重
量%を越えると衝撃強度発現性が低下しやすい。
ニル系単量体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重
合技術によって一段あるいは多段で重合させて得られ
る。グラフト共重合体ラテックスは、好ましくは塩化カ
ルシウムまたは硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した
熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離、回収
することができる。複合ゴム系グラフト共重合体として
は、例えば、三菱レイヨン(株)よりメタブレンRK−
200という商品名で市販されている。
は、ポリカーボネート樹脂の100重量部に対して、1
〜6重量部である。複合ゴム系グラフト共重合体の配合
割合が1重量部未満では耐衝撃性の改良効果が不十分で
あり、6重量部を越えると難燃性が低下しやすい。複合
ゴム系グラフト共重合体の配合割合は、ポリカーボネー
ト樹脂の100重量部に対して、好ましくは1.5〜5
重量部である。
上記各成分をタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミ
キサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の
如き混合機により混合して製造することができる。本発
明のポリカーボネート樹脂組成物の製造においては各成
分の混合方法、混合の順序は特に限定されることはな
い。好ましい方法は全成分をあらかじめタンブラー、V
型ブレンダー等で混合し、押出機によって均一に溶融混
合する方法であるが、成分の形状に応じてこれらの成分
の中の2種以上の混合物に残りの成分を混合する方法を
用いることもできる。
物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その効果が
発現する量の種々の添加剤、例えば安定剤、離型剤、紫
外線吸収剤、染顔料、無機充填材、他の公知の難燃剤等
を含有することができる。本発明のポリカーボネート樹
脂組成物の物性値としては、ASTM D648の1
8.6kgf荷重における荷重たわみ温度が120℃以
上である。更にUL94で定める1/16”厚みの燃焼
性がV−0であり、かつASTM D256の1/8”
ノッチ付きIzod衝撃強度が50kgf・cm/cm
以上である。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
押出成形、射出成形、圧縮成形等の方法で容易に成形加
工が可能であり、またブロー成形、真空成形、ガスイン
ジェクション成形等にも適用でき、優れた難燃性が要求
される電子・電気製品、OA機器等のハウジングあるい
はシャーシ用途、各種部品の材料として好適に使用でき
る。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
性評価は、樹脂組成物ペレットを、120℃で6時間乾
燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、商品名J
−50EP)を用いて、シリンダ温度270℃、金型温
度80℃で試験片を成形し、以下測定を行った。 1)燃焼性 UL規格94に従って作成した1/16”厚みの試験片
を用いて、UL規格94の20mm垂直燃焼試験を実施
した。 2)燃焼時間 UL規格94の20mm垂直燃焼試験における、5試
料、即ち、10回接炎後の総合計燃焼時間を、秒の単位
で表示する。 3)荷重撓み温度 荷重撓み温度は、ASTM規格 D−648に従って作
成した試験片を用いて、荷重 18.5kgにおけるA
STM D−648の試験を実施した。荷重撓み温度
は、℃の単位で表示する。 4)アイゾッド衝撃強さ ASTM規格 D−256に従って作成した衝撃試験片
を用いて、ASTMD−256の1/8”ノッチ付き衝
撃試験を実施した。アイゾッド衝撃強さは、kg・cm
/cmの単位で表示する。
る。):三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
製、商品名ユーピロンS−3000、粘度平均分子量2
2,000。 (B−1)リン酸エステル系化合物:縮合型リン酸エス
テル(リン酸エステル−1と称することもある。)、大
八化学(株)製PX−200。 (B−2)リン酸エステル系化合物:トリフェニルホス
フェート(リン酸エステル−2と称することもある。)
大八化学(株)製、商品名TPP。 (C)フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン:ポリテトラフルオロエチレン(PTFEと称す
ることもある。)ダイキン工業(株)製、商品名ポリフ
ロンF201L。 (D−1)複合ゴム系グラフト共重合体:グラフト共重
合体−1、三菱レイヨン(株)製、商品名メタブレンR
K−200。 (D−2)複合ゴム系グラフト共重合体:グラフト共重
合体−2、三菱レイヨン(株)製、商品名メタブレンS
−2001。 (E)ABS:ABS樹脂、三井東圧化学(株)製、商
品名サンタックET−70。 (F)タルク:日本タルク(株)製、商品名P−3。
表1に記載の配合割合で混合した後、40mmφ単軸押
出機(いすゞ加工機(株)製)を使用し、シリンダ温度
250℃にて押し出してペレット化し物性評価を行っ
た。評価結果を表−1に示す。
表2に記載の配合割合で混合した後、40mmφ単軸押
出機(いすゞ加工機(株)製)を使用し、シリンダ温度
250℃にて押し出してペレット化し物性評価を行っ
た。評価結果を表−2に示す。
は、難燃性と耐衝撃性に優れ、且つ耐熱性に優れる。従
って、電子・電気製品、OA機器等のハウジングあるい
はシャーシ用途、各種部品の材料として非常に有用であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂100重量
部に対して、(B)リン酸エステル系化合物0.1〜5
重量部、(C)フィブリル形成能を有するポリテトラフ
ルオロエチレン0.2〜2重量部および(D)ポリオル
ガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレー
トゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構
造を有している複合ゴムに1種または2種以上のビニル
系単量体をグラフト重合して得られる複合ゴム系グラフ
ト共重合体1〜6重量部を配合してなり、(A)ポリカ
ーボネート樹脂100重量部に対する(B)リン酸エス
テル系化合物の配合割合をb重量部、(C)フィブリル
形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの配合割合
をc重量部とするとき、0.5≦b×c≦2であるポリ
カーボネート樹脂組成物。 - 【請求項2】 複合ゴム系グラフト共重合体においてグ
ラフト重合するビニル系単量体が、芳香族アルケニル化
合物および/またはシアン化ビニル化合物である請求項
1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】 複合ゴム系グラフト共重合体においてグ
ラフト重合するビニル系単量体が、スチレンおよびアク
リロニトリルである請求項1に記載のポリカーボネート
樹脂組成物。 - 【請求項4】 ASTM D648の18.6kgf荷
重における荷重たわみ温度が120℃以上である請求項
1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10246996A JP3457799B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10246996A JP3457799B2 (ja) | 1996-04-24 | 1996-04-24 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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