WO2007055305A1 - 薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物、ならびに薄肉成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
表面において白点異物の発生がなく又は少なく、外観、難燃性及び衝撃性に優れる薄肉成形品、及び該薄肉成形品の製造に有用なポリカーボネート樹脂組成物を提供する。 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂を100重量部、(b)燐系難燃剤を3~20重量部、(c)有機系重合体で被覆されたポリフルオロエチレンであって、ポリフルオロエチレンの含有比率が40~95重量%である被覆ポリフルオロエチレンを0.01~1重量部含有する薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を溶融成形して得られることを特徴とする薄肉成形品である。
Description
明 細 書
薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物、ならびに薄肉成形品及びそ の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、外観や難燃性等に優れ た成形品を提供する薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物、ならびに該樹脂組 成物を用いて成形された薄肉成形品及びその製造方法に関する。
背景技術
[0002] 従来、ポリカーボネート樹脂は、優れた機械的性質を有しており、 自動車分野、 OA 機器分野、電気'電子分野等の原材料として、工業的に広く利用されている。一方、 〇A機器、家電製品等の用途を中心に、樹脂材料の難燃化の要望が強 これらの 要望に応えるために多数の難燃剤や滴下防止剤が開発されている。
[0003] 例えば、ポリカーボネート樹脂と、燐系難燃剤とポリテトラフルォロエチレン (以下、 P TFEと称することがある)とを含有する樹脂組成物は、優れた難燃性及び流動性を有 しており、携帯電話の電池パックや記憶媒体カバーなどの樹脂容器に広く利用され ている。しかし、これらの樹脂容器は、軽量化、高機能化等を目的として年々薄肉ィ匕 されており、薄肉化に伴レ、 PTFEが白点異物として製品の表面に現れることが問題と なっている。また、薄肉容器を成形する際には、ポリカーボネート樹脂の流動性を上 げるために、樹脂の成形温度を高める必要があるが、成形温度を高めると、容器表 面に更に白点異物が生じやすくなるという問題もあった。
[0004] 特開 2001— 123056号公報においては、芳香族ポリカーボネート樹脂に、リン系 難燃剤、ポリフルォロエチレン樹脂 (被覆なし)及び特定の多層構造重合体を配合し てなる樹脂組成物は、難燃性や熱安定性、衝撃性に優れ、外観の改善効果がある ため、大型成形品や薄肉成形品として有用であることが記載されている。また、特開 2004— 47669号公報(US2004— 28855A1)には、特開 2001— 123056号公報 と同様の樹脂組成物より得られた薄肉の樹脂容器は、容器本体と蓋の密着性を向上 させ、収容物の収容容量を高める他、外観上も優れることが記載されている。
[0005] しかし、上記 2つの公開公報に開示された樹脂組成物では、薄肉容器に成形した 場合に、樹脂容器の表面に白点異物が生じ、生産性が低下するという問題があった 。また、これらの文献においては、外観評価において着目されているのは、シルバー やパール、反り、うねり、ヒケ等であり、本発明のように、白点異物の発生抑制と良好 な難燃性を両立させ、更に流動性及び衝撃性にも優れる樹脂組成物という観点につ レ、ては、何ら着目されてレ、なレ、。
[0006] 一方、特開 2000— 226523号公報にぉレ、ては、ポリカーボネート樹脂を含む熱可 塑性樹脂に、ゴム質重合体、 PTFE含有混合粉体 (被覆あり)を配合した樹脂組成物 力 得られる成形品は、衝撃強度が改良されることが記載されている。また、特開平 1 0— 226747号公幸 (EP846729A2)におレヽては、ポリエステノレ樹月旨とポリカーボネ ート樹脂に、ポリマーで被覆された PTFEと耐衝撃改良剤を配合した樹脂組成物か ら得られる成形品は、熱機械特性に優れることが記載されている。
[0007] これらの 2つの公開公報では、被覆された PTFEを用いてはいる力 いずれも衝撃 強度や熱機械特性の改良を目的としており、薄肉容器特有の問題点である、白点異 物の発生抑制と難燃性を両立するという観点については、何ら着目されていない。ま た、これらの 2つの公開公報の実施例における成形温度は 280°C以下であることから 、本発明とは異なる肉厚の成形品を意図しているものと考えられる。
従って、薄肉容器に成形した場合でも、樹脂容器の表面の白点異物の発生抑制と 良好な難燃性を両立させることができ、更に流動性及び衝撃性にも優れ、総合的に 良好な性能を有する樹脂組成物の開発が望まれていた。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明の目的は、流動性に優れ、薄肉成形品に成形した場合でも、成形品の表面 において白点異物の発生を抑制することができ、外観、難燃性及び衝撃性のいずれ にも優れ、総合的に良好な性能を有する薄肉成形品を、高い生産性で製造するのに 有用なポリカーボネート樹脂組成物を提供することである。
また、本発明は、表面において白点異物の発生がなく又は少なぐ外観、難燃性及 び衝撃性に優れる薄肉成形品を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者らは、上述した課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネ ート樹脂に、燐系難燃剤、及び、有機系重合体で被覆されたポリテトラフルォロェチ レン等のポリフルォロエチレンを含有する樹脂組成物において、被覆ポリフルォロェ チレン中のポリフルォロエチレン含有比率力 白点異物の発生と難燃性に関与して いることを見出した。
すなわち、ポリテトラフルォロエチレン等のポリフルォロエチレンの含有比率力 ¾0〜 95重量%の範囲内となる被覆ポリフルォロエチレンを使用することにより、薄肉容器 にした場合に、良好な難燃性を維持しつつ、白点異物の発生を抑制でき、更に流動 性及び衝撃性にも優れる樹脂組成物及び樹脂容器が得られることを見出し、本発明 を完成した。
[0010] すなわち、本発明の要旨は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂を 100重部、(b)燐 系難燃剤を 3〜20重量部、(c)有機系重合体で被覆されたポリフルォロエチレンで あって、ポリフルォロエチレンの含有比率力 40〜95重量0 /0である被覆ポリフルォロ エチレンを 0. 0:!〜 1重量部含有する薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物、に 存する。また、該ポリカーボネート樹脂組成物を溶融成形して得られる薄肉成形品、 に存する。
なお、本発明において薄肉成形品とは、例えば、携帯電話の電池パック、記憶媒 体力バー等の樹脂容器として使用される成形品であり、通常平均肉厚が 1. 5mm以 下、好ましくは lmm以下、の平板部を少なくとも一部に有する成形品をいう。
発明の効果
[0011] 本発明の樹脂組成物を用いれば、肉薄の成形品として成形した場合であっても、 良好な難燃性を示すと共に、成形品表面における白点異物の発生がない又は少な レ、。また、流動性が良好であるため生産性に優れ、得られる成形品は衝撃性にも優 れ、総合的にバランスのとれた性能を有する。従って、本発明の樹脂組成物は、携帯 電話、携帯ステレオ、モパイルパソコン等の電池パックや、メモリーカード、 SDカード 等のカード型情報記録媒体等の小型の電気部品の外郭部を構成する容器の製造に 用いるのに好適である。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 以下、本発明について具体的に説明する。
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシィ匕合 物、又はこれと少量のポリヒドロキシィ匕合物とを、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応 させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体であ る。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなぐ従来 公知のホスゲン法 (界面重合法)や溶融法 (エステル交換法)により製造したものを使 用すること力 Sできる。また、溶融法を用いた場合には、末端基の OH基量を調整した ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
[0013] 原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、 2, 2_ビス(4—ヒドロキシフヱニル)プロ パン(=ビスフエノーノレ A)、テトラメチルビスフエノーノレ A、ビス(4—ヒドロキシフエニル ) _p—ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、 4, 4—ジヒドロキシ ジフヱニル等が挙げられ、好ましくはビスフヱノール Aが挙げられる。また、上記の芳 香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニゥムが 1個以上結合した 化合物を使用することもできる。
[0014] 分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、上述した芳香族ジヒドロキシ化合 物の一部を、以下の分岐剤、即ち、フロロダルシン、 4, 6—ジメチル— 2, 4, 6—トリ( 4—ヒドロキシフエニル)ヘプテン _ 2、 4, 6 _ジメチノレ一2, 4, 6 _トリ(4—ヒドロキシ フエニル)ヘプタン、 2, 6—ジメチル _ 2, 4, 6 _トリ(4—ヒドロキシフエニル)ヘプテン —3、 1, 3, 5—トリ(4—ヒドロキシフエ二ノレ)ベンゼン、 1 , 1 , 1—トリ(4—ヒドロキシフ ェニル)ェタン等のポリヒドロキシ化合物や、 3, 3—ビス(4ーヒドロキシァリール)ォキ シインドール(=ィサチンビスフエノール)、 5—クロルィサチン、 5, 7—ジクロルィサチ ン、 5—ブロムィサチン等の化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用 量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、 0. 01〜: 10モル0 /0であり、好ましくは 0. 1 〜2モノレ0 /0である。
[0015] (a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、 2, 2—ビス (4ーヒドロキ シフエニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は、 2, 2—ビス(4ーヒド
口キシフヱニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボ ネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーと の共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。 更には、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂の 2種以上を混合して用いてもよい。
[0016] 芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシィ匕 合物を用いればよぐ例えば、 m_及び p_メチルフエノール、 m_及び p_プロピル フエノール、 p _tert_ブチルフエノール、 p—長鎖アルキル置換フエノール等が挙げ られる。
[0017] (a)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、 温度 25°Cで測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、 14, 000-3 0, 000力 S好まし <、 16, 000〜28, 000力 Sより好まし <、 16, 000〜23, 000力 Sよりさ らに好ましい。粘度平均分子量が前記範囲であると、流動性及び衝撃強度のいずれ も良好となるので好ましい。
[0018] (b)燐系難燃剤
本発明においては、成形品の難燃性を高める目的で、(a)芳香族ポリカーボネート 樹脂に (b)燐系難燃剤を配合する。本発明において、(b)燐系難燃剤とは、分子中 にリンを含む化合物であればよぐ具体的には、下記の一般式(1)又は(2)で表され る燐系化合物が挙げられる。
[0019] [化 1]
〇
R 1 (0) h - P— (O) j R3 (1 )
(0) i R2
[0020] 一般式(1)中、 R1 R2及び R3は、各々独立に、炭素数 1〜6のアルキル基又はアル キル基で置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基を示し、 h、 i及び jは、各々 独立に 0又は 1を示す。
上記一般式(1)で表される燐系化合物は、公知の方法で、ォキシ塩化燐等力 製 造することができる。一般式(1)で表される燐系化合物の具体例としては、燐酸トリフ
ェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフエニル 2—ェチルクレジル、燐酸トリ(イソプロピノレ フエニル)、メチルホスホン酸ジフエニルエステル、フエニルホスホン酸ジェチルエステ ル、燐酸ジフヱユルクレジル、燐酸トリブチル等が挙げられる。
[0021] [化 2]
[0022] 一般式(2)中、 R4、 R5、 R6及び R7は、各々独立に、炭素数:!〜 6のアルキル基又は アルキル基で置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基を示し、 p、 q、 r及び s は、各々独立に 0又は 1であり、 tは:!〜 5の整数であり、 Xは、ァリーレン基を示す。
[0023] 上記一般式(2)で表される燐系化合物は、 tが:!〜 5の縮合燐酸エステルであるが、 tが異なる複数種類の縮合燐酸エステルの混合物の場合には、 tはそれらの混合物 の平均値として算出する。 Xは、ァリーレン基を示し、例えばレゾルシノール、ハイド口 キノン、ビスフエノール A等のジヒドロキシ化合物から誘導される 2価の基である。
[0024] 一般式(2)で表される燐系化合物の具体例としては、ジヒドロキシ化合物〉
シノールを使用した場合は、フエ二ルレゾルシン'ポリホスフェート、クレジノレ' ン.ポリホスフェート、フエ二ノレ 'クレジル.レゾルシン.ポリホスフェート、キシリル 'レゾ ルシン .ポリホスフエ一ト、フエ二ノレ _ p _ t _ブチルフエニル .レゾルシン .ポリホスフエ ート、フエ二ノレ'イソプロピルフエ二ノレ'レゾルシンポリホスフェート、クレジル.キシリル' レゾルシン'ポリホスフェート、フエ二ノレ'イソプロピルフエ二ノレ'ジイソプロピルフエニル 'レゾルシンポリホスフェート等が挙げられる。
[0025] 本発明における(c)燐系難燃剤は、ホスファゼン化合物であってもよい。具体的に は、環状フヱノキシホスファゼン化合物、鎖状フヱノキシホスファゼン化合物及び架橋 フエノキシホスファゼンィ匕合物から選ばれる少なくとも 1種の化合物が挙げられる。 上述した燐系難燃剤のなかでも、本発明においては、一般式 (2)で表される縮合 燐酸エステル化合物が好ましぐ更には酸価が 0. 5mgKOHZg以下のもの、特に は 0. 2mgKOHZg以下のものが好ましい。ここで、酸価は、燐系難燃剤をアルコー
ノレ一エーテルに溶かし、これにフエノールフタレインを指示薬として、 0. 5N水酸化力 リウムで滴定することにより求める。
[0026] (b)燐系難燃剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂 100重量部に対し、
3〜20重量部であるのが好ましぐ 4〜: 18重量部であるのがより好まし 5〜15重量 部であるのがよりさらに好ましい。燐系難燃剤の配合量が 20重量部を超えると、機械 的物性が低下する場合がある。
[0027] (c)被覆ポリフルォロエチレン
本発明の樹脂組成物には、(c)有機系重合体で被覆された所定の被覆ポリフルォ 口エチレンを含有する。本発明において、ポリフルォロエチレンが有機系重合体によ り被覆されてレ、るとは、ポリフルォロエチレンの一次粒子の表面に有機系重合体が存 在することを意味する。ポリフルォロエチレンと有機系重合体は化学的に結合してい る必要はない。
本発明に用いる被覆ポリフルォロエチレンは、被覆ポリフルォロエチレン中のポリフ ルォロエチレンの含有比率力 ¾0〜95重量0 /0であり、中でも、 43〜80重量0 /0である のが好ましぐ 45〜70重量%であるのがより好ましぐ 47〜60重量%であるのがより さらに好ましレ、。
[0028] この所定の被覆ポリフルォロエチレンを配合することにより、良好な難燃性を維持し つつ、成形品表面の白点異物の発生を抑制することができる。また、成形時のガスの 発生が少なくなるため、薄肉成形品の表面の曇りを抑制でき、未充填や焼けを防ぎ、 成形カ卩ェ性が向上するという利点がある。ポリフルォロエチレンの含有比率が 40重 量%未満であると、難燃性が低下する場合があり、一方、 95重量%を超えると、白点 異物が多くなる場合がある。
また、前記被覆ポリフルォロエチレンのポリフルォロエチレンとしては、ポリテトラフ ルォロエチレン(PTFE)が好ましぐ中でも、フィブリル形成能を有するもの力 重合 体中に容易に分散し、重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すので好 ましい。
[0029] このような被覆ポリフルォロエチレンは、公知の種々の方法により製造でき、例えば
(1)ポリフルォロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合
して、凝固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルォロェチ レン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝 固又はスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルォロエチレン粒子 水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性 不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固又はスプレードライにより粉体 化して製造する方法、等が挙げられる。
[0030] ポリテトラフルォロエチレンを被覆する有機系重合体としては、特に制限されるもの ではないが、樹脂に配合する際の分散性の観点から、ポリカーボネート樹脂との親和 性が高いものが好ましい。
[0031] 有機系重合体を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、 α—メチルス チレン、 ρ—メチルスチレン、 ο—メチルスチレン、 t ブチルスチレン、 o ェチルスチ レン、 p クロロスチレン、 o クロロスチレン、 2, 4—ジクロロスチレン、 p—メトキシス チレン、 o—メトキシスチレン、 2, 4—ジメチルスチレン等の芳香族ビュル系単量体; アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、メタクリル酸ェチル、アタリノレ 酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸 2—ェチルへキシル、メタクリル酸 2— ェチルへキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メ タクリル酸トリデシル、アクリル酸ォクタデシル、メタクリル酸ォクタデシル、アクリル酸 シクロへキシル、メタクリル酸シクロへキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体; アタリロニトリノレ、メタアクリロニトリル等のシアン化ビュル系単量体;無水マレイン酸等 のひ, /3—不飽和カルボン酸; N フエニルマレイミド、 N—メチルマレイミド、 N—シ クロヒキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;グリシジルメタタリレート等のグリシジル 基含有単量体;ビュルメチルエーテル、ビュルェチルエーテル等のビュルエーテル 系単量体;酢酸ビュル、酪酸ビュル等のカルボン酸ビュル系単量体;エチレン、プロ ピレン、イソブチレン等のォレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタ ジェン等のジェン系単量体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独で、又 は 2種以上を混合して用いることができる。
[0032] これらの単量体の中でも、ポリカーボネート樹脂との親和性の観点から、芳香族ビ 二ル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びシアン化ビニル系単量体か
ら選ばれる少なくとも 1種の単量体が好まし 特には (メタ)アクリル酸エステル系単 量体が好ましぐこれらの単量体が、単量体の全重量のうち 10重量%以上であるの が好ましい。
[0033] 本発明の所定の被覆ポリフルォロエチレンは、市販品であってもよぐ例えば、三菱 レイヨン(株)製のメタプレン A— 3800、 KA— 5503や、 PIC社製の Poly TS ADO 01等が使用できる。
[0034] 本発明の(c)被覆ポリフルォロエチレンの配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹 脂 100重量部に対し、 0. 01〜1重量部であり、 0. 05〜0. 9重量部であるのが好ま しく、 0. 1〜0. 7重量部であるのがより好ましレ、。 (c)被覆ポリフルォロエチレンの配 合量が 0. 01重量部未満の場合には、難燃性が低下する場合があり、一方、 1重量 部を超えると成形品外観の低下が起こる場合がある。
更に、上述した (b)燐系難燃剤と(c)被覆ポリフルォロエチレンの配合比率 [ (b) / (c) ]は、バランスの良い性能を有する樹脂組成物を得るという点から、通常 0.:!〜 1 000であり、更には:!〜 100、特には 2〜60である。
[0035] (d)衝撃改良剤
本発明の樹脂組成物は、成形品の耐衝撃性を高める目的で、更に (d)衝撃改良剤 を含有することが好ましい。
本発明に使用可能な(c)衝撃改良剤としては、一般的にポリカーボネート樹脂組成 物に配合されて、その耐衝撃性を改良し得るものであれば特に限定されないが、具 体的には、 SBS (スチレン一ブタジエン一スチレン)、 SEBS (スチレン一エチレン一 ブチレン一スチレン)等のスチレン一ブタジエン系トリブロック重合体とその水添物、 S IS (スチレン一イソプレン一スチレン)、 SEPS (スチレン一エチレン一プロピレン一ス チレン)等のスチレン一イソプレン系トリブロック重合体とその水添物、 TP〇等のォレ フィン系エラストマ一、ポリエステル系エラストマ一、シリコーン系ゴム、アタリレート系 ゴム、アルキル (メタ)アタリレート系重合体を含む多層構造重合体、シリコーン系ゴム とアタリレート系ゴム成分とからなる複合ゴムにビュル系単量体がグラフト重合されて なる複合ゴム系グラフト共重合体等が挙げられる。
[0036] これらの中でも、アルキル (メタ)アタリレート系重合体を含む多層構造重合体、及び
、複合ゴム系グラフト共重合体が、熱安定性、難燃性、衝撃強度の点から好ましぐ 特には、成形品の外観が良好であるという点から、アルキル (メタ)アタリレート系重合 体を含む多層構造重合体が好ましレ、。
[0037] アルキル (メタ)アタリレート系重合体を含む多層構造重合体は、例えば、先の工程 で得られた重合体の表面を、後の工程で得られる重合体によって順次被覆するよう な、連続した多段階シード重合法によって製造することができる。このような多層構造 重合体の基本的な重合体構造は、ガラス転移温度の低レ、架橋成分である内核層と、 組成物のマトリックスとの接着性を改善するアルキル (メタ)アタリレート系高分子化合 物からなる最外郭層を有する重合体である。
[0038] アルキル (メタ)アタリレート系重合体を含む多層構造重合体としては、好ましくは、 飽和又は不飽和の架橋されたゴム状重合体からなる内核層と、アルキル (メタ)アタリ レート系重合体からなる最外郭層を有する多層構造重合体が挙げられる。また、最 内核層を芳香族ビュル単量体からなる重合体で形成し、中間層をガラス転移温度の 低い飽和又は不飽和のゴム状重合体で形成し、さらに最外郭層をアルキル (メタ)ァ タリレート系重合体で形成した多層構造重合体が挙げられる。ここで、飽和又は不飽 和のゴム状重合体としては、例えば、アルキルアタリレート、ブタジエン、ブタジエン/ スチレン共重合体などのジェン系のゴムが挙げられる。また、多層構造重合体の最 外郭層は、アルキル (メタ)アタリレート系重合体のみからなるものが好ましい。このよう な多層構造重合体を使用すると、樹脂組成物から得られる成形品の表面のパール 光沢を低減できるなど、外観不良を改良することができる。
[0039] アルキル(メタ)アタリレート系重合体としては、そのアルキル基の炭素数が 1〜: 10で あるのが好ましぐ 2〜8であるのがより好ましぐ具体的には、アクリル酸ェチル、ァク リル酸ブチル、アクリル酸ェチルへキシルなどが挙げられる。アルキル(メタ)アタリレ ート系重合体を製造する際には、エチレン性不飽和単量体などの架橋剤を用いても よ 架橋剤としては、例えば、アルキレンジオール、ジ (メタ)アタリレート、ポリエステ ルジ(メタ)アタリレート、ジビュルベンゼン、トリビニノレベンゼン、シァヌル酸トリアリル、 (メタ)アクリル酸ァリルなどが挙げられる。
[0040] (d)衝撃改良剤の配合量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂 100重量部に対して
、:!〜 10重量部、更には 2〜9重量部、特には 3〜8重量部が好ましい。 (d)衝撃改良 剤の配合量が 1重量部未満であると、衝撃強度が低下する場合があり、 10重量部を 超えると、耐熱性や難燃性が低下する場合がある。
更に、上述した(c)被覆ポリフルォロエチレンと(d)衝撃改良剤の配合比率 [ (c) / ( d) ]は、バランスの良い性能を有する樹脂組成物を得るという点から、通常 0. 02〜0 . 2であるのカ好ましく、 0. 025〜0. 18であるの力 Sより好ましく、 0. 03〜0. 15である のがよりさらに好ましい。
[0041] 本発明の樹脂組成物には、上記成分以外に、必要に応じて、本発明の効果を損な わない範囲で、従来公知の任意の紫外線吸収剤、抗酸化剤、着色剤、滑剤、無機 充填剤、離型剤等の添加剤や、ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂等を含有 していてもよい。
[0042] 本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなぐ例えば、(1) (a )ポリカーボネート樹脂、(b)燐系難燃剤、(c)被覆ポリフルォロエチレン、及び、必要 により配合される(d)衝撃改良剤やその他の添加剤を、一括して溶融混練する方法 や、(2) (b)燐系難燃剤が液状である場合には、予め (b)燐系難燃剤以外の成分を 溶融混練した後に、別途 50〜120°Cで加温してぉレ、た液状の(b)燐系難燃剤を添 加して、溶融混練する方法等が挙げられる。
[0043] 各成分を混合し溶融混練する方法としては、従来公知の熱可塑性樹脂組成物に 適用される方法を適用できる。例えば、リボンプレンダー、ヘンシェルミキサー、バン ノ リーミキサー、ドラムタンブラ一、短軸又は二軸スクリュー押出機、コニーダ一などを 使用する方法等が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常 240〜320°Cの範囲である。
[0044] 本発明の樹脂組成物を用いて、従来公知の任意の各種成形方法にしたがって、成 形品を得ることができる。本発明の樹脂組成物は、流動性に優れ、且つ肉薄の成形 品にした場合でも、白点異物の低減と良好な難燃性を両立できることから、射出成形 法により、薄肉の樹脂容器を成形するのに好ましく用いられる。射出成形の際の樹脂 温度は、通常 305〜360°Cであるのが好ましぐ 310〜350°Cであるのがより好ましく 、 315〜340°Cであるのがよりさらに好ましい。従来の樹脂組成物を用いた場合には
、薄肉容器を成形するために成形時の樹脂温度を高めと、樹脂容器の表面に白点 異物が生じやすくなるという問題もあったが、本発明の樹脂組成物を使用することで 、上記の温度範囲であっても、良好な外観を有する薄肉樹脂容器を製造することが 可能となる。
[0045] なお、本発明において薄肉成形品とは、例えば携帯電話の電池パックや記憶媒体 カバーなどの樹脂容器に使用される樹脂容器であり、通常平均肉厚が 1. 5mm以下 、好ましくは lmm以下となる平板部を少なくとも一部に有する樹脂容器をいう。
好ましい薄肉成形品の形態としては、図 1に示すような容器本体(1)とその蓋体(2) とからなる樹脂容器であり、容器本体(1)は、立上り片(1B)、及び立上り片(1B)によ つて囲まれた底部である平板部(1A)とを有する。そして、該平板部 (A)の平均肉厚 は、好ましくは lmm以下、より好ましくは 0. 5mm以下、さらに好ましくは 0. 25mm以 下、よりさらに好ましくは 0. 2mm以下となる樹脂容器である。また、通常電気部品の 使用態様等では、平板部の面積は 1〜: 100cm2、立上り片の高さは 0. 5〜: 10mmで あり、立上り片の肉厚は、容器本体の剛性を高め、収容物の収容効率を高める観点 力 、通常 0. 3〜0· 7mmである。
[0046] 本発明の樹脂組成物を用いれば、薄肉の成形品に成形した場合であっても、良好 な難燃性を示すとともに、成形品表面における白点異物の発生を著しく低減でき、更 には衝撃性にも優れ、総合的にバランスのとれた性能の薄肉成形品を製造可能であ る。し力も、本発明の樹脂組成物は流動性にも優れているので、力かる良好な性能の 薄肉成形品を、高い生産性で製造可能である。従って、本発明の樹脂組成物は、携 帯電話、携帯ステレオ、モパイルパソコン等の電池パックや、メモリーカード、 SDカー ド等のカード型情報記録媒体等の小型の電気部品の外郭部を構成する薄肉成形品 として好適である。
実施例
[0047] 以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそ の要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、 比較例において数値は、特に断りがない限り、重量部及び重量%を意味する。
[0048] [原材料]
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂
ポリ一 4, 4_イソプロピリデンジフエニルカーボネート:三菱エンジニアリングプラス チックス (株)社製「ユーピロン (登録商標) H— 2000」、粘度平均分子量 20, 000 ( 以下、 PCと略す)
[0049] (b)燐系難燃剤
(b_ l)縮合燐酸エステル:旭電化工業社製「アデカスタブ FP500」、酸価 0. 12m gKOH/g (b - 2)縮合燐酸エステル:旭電化工業社製「アデカスタブ FP700」、酸 価 0· 02mgK〇H/g
[0050] (c)ポリテトラフルォロエチレン(PTFE)
(c— 1)アクリル樹脂で被覆された PTFE :三菱レイヨン社製「メタブレン A— 3000」、
PTFE含有比率 20%
(c— 2)アクリル樹脂で被覆された PTFE:三菱レイヨン社製「メタブレン A— 3800」、 PTFE含有比率 50%
(0— 3)八3樹脂で被覆された13丁?£ : ?1〇社製「?0 TS AD001」、 PTFE含有 比率 50%
(c— 4)被覆されていない PTFE:ダイキン工業社製「ポリフロン F— 201L」、 PTFE 含有比率 100%
なお、 (c一:!)〜(c_4)の配合量は、被覆 PTFE中の PTFE含有比率の効果を正 確に把握するため、 PCに対する PTFE自体の配合量が、実施例及び比較例を通し てほぼ同一となるような量とした。
[0051] (d)衝撃改良剤
(d_ 1)ポリブタジエンコア Zポリメチルメタクリレートシエル系共重合体(多層構造重 合体、最外殻層はアルキル (メタ)アタリレート系重合体のみからなる):呉羽化学工業 (株)製「パラロイド EXL— 2603」
[0052] (e)離型剤
ペンタエリスリトールテトラステアレート:コグニス社製「VPG861」
(f)熱安定剤
亜リン酸エステル:旭電化工業社製「アデカスタブ 2112」
[0053] [実施例:!〜 3及び比較例:!〜 4]
表 1及び表 2に示した割合 (重量比)となるよう、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、( b)燐系難燃剤、(c) PTFE、(d)衝撃改良剤、(e)離型剤及び (f)安定剤を配合し、 タンブラ一にて混合した後、 2軸押出機(12ブロック)のホッパーに投入した。また、 (b )として液状の(b - 2) FP700を使用した場合には、(b - 2) FP700を予め 80°Cに加 温し、 2軸押出機のホッパー側から数えて 3番目のブロックからギアポンプにて添加し た。各樹脂成分を、シリンダー温度 280°C、 200rpm、押出速度 15kgZ時間の条件 下で、表 1及び 2に示す温度で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。得られた 樹脂組成物は、以下の方法により射出成形を行い、各種評価を行った。結果を表 1 及び表 2に示した。
[0054] [成形品の物性評価方法]
(1)外観(白色異物の数、表面状態)
実施例及び比較例で得られた各樹脂組成物について、表 1及び表 2に示した各成 形温度 (樹脂温度)、金型温度 80°Cの条件下で射出成形を行い、記録メディア容器 及び電池パック(図 1)を成形した。記録メディア容器の平板部は、長さ 30mm、幅 20 mm、厚み 0. 2mmであり、電池パックの平板部(図 1中の 1A)は、長さ 45mm、幅 33 mm、厚み 0. 8mmであった。最初の 100ショットを廃棄した後、 5000ショットをサン プリングし、サンプリングした全成形品の平板部における白点異物の数と表面状態を 確認した。記録メディア容器の平板部についての結果を表 1に示し、電池パック(図 1 )の平板部についての結果を表 2に示した。
[0055] (2)難燃性
実施例及び比較例で得られた各樹脂組成物について、設定温度 280°C、金型温 度 80°Cの条件下で射出成形を行レ、、長さ 127mm、幅 12. 7mm,肉厚 0. 8mm及 び 1. 5mmの成形品を試験片として得た。得られた試験片について、 UL94に準拠 して燃焼試験を行つた結果を表 1及び表 2に示した。
[0056] [表 1]
PTFE比率
<榭脂組成 > 実施例 1 比較例 1 比較例 2
(重量%)
(a) PC 100 100 100
(b - 1) 燐系難燃剤 (FP500) τ 7 7
(c— 1) 被覆 PTFE (A- 3000) 20 1.5
(c— 2) 被 SPTFE (A- 3800) 50 0.6
(c - 3) 被覆 PTFE (AD001) 50
( c一 4 ) PTFE (被覆なし: F-201L) 100 0.3
( d— 1 ) ア^レ-ト系重合体 (EXL2603) 6 6 6
(e) 離型剤 (VPG861) 0.3 0.3 0.3
(f ) 熱安定剤 (ァテ 'カスタフ' 2112) 0.1 0.1 0.1 く成形温度 > 320 320 320
<物性評価 >
外観 (白点の数:情報テ'イァ容器用) (觸) 0 0 168 ガス発生
外観 (表面状態) 良好 良好
*りあり 難燃性 (1.5aim) V-0 V - 1 V-0
[0057] [表 2]
[0058] 表 1及び表 2の結果より、次のことが理解できる。
PTFE含有比率が 40重量%未満の被覆 PTFEを用いて製造された比較例 1及び
3の薄肉成形品は、難燃性に劣り、その表面に曇りが生じた。また、 PTFE含有比率 が 95重量%を超える被覆 PTFEを用いて製造された比較例 2及び未被覆 PTFEを 用いて製造された比較例 4の薄肉成形品は、その表面に発生した白点異物の数が 多かった。一方、 PTFE含有比率が 40〜95重量%の被覆 PTFEを用いて製造され た実施例 1〜3の薄肉成形品は、その表面に発生した白点異物の数が非常に少なく 、外観に優れ、且つ優れた難燃性を示した。
図面の簡単な説明
[0059] [図 1]本発明の薄肉成形品に係る樹脂容器の一例としての電池パック用容器を展開 して示す斜視図である。
符号の説明
[0060] 1 :容器本体
1A:平板部
1B :立上り片
2 :蓋体
2A:平板部
2B :立上り片
Claims
[1] (a)芳香族ポリカーボネート樹脂を 100重量部、(b)燐系難燃剤を 3〜20重量部、及 び(c)有機系重合体で被覆されたポリフルォロエチレンであって、ポリフルォロェチレ ンの含有比率力 ¾0〜95重量0 /0である被覆ポリフルォロエチレンを 0. 01〜1重量部 、含有する薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[2] (b)燐系難燃剤が、下記の一般式 (2)で表される燐系化合物である請求項 1に記載 の薄肉成形品用ポリカーボネー
[化 1]
式中、 R4、 R5、 R6及び R7は、各々独立に、炭素数 1〜6のアルキル基又はアルキル 基で置換されていてもよい炭素数 6〜20のァリール基を示し、 p、 q、 r及び sは、各々 独立に 0又は 1であり、 tは、:!〜 5の整数であり、 Xは、ァリーレン基を示す。
[3] (d)衝撃改良剤を 1〜: 10重量部さらに含有する請求項 1又は 2に記載の薄肉成形品 用ポリカーボネート樹脂組成物。
[4] (a)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量が、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温 度 25°Cで測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、 14, 000-30, 000である請求項 1〜3のいずれか 1項に記載の薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂 組成物。
[5] (b)燐系難燃剤と(c)被覆ポリフルォロエチレンとの重量比率 [ (b) / (c) ]が、 :!〜 10 0である請求項 1〜4のいずれ力 4項に記載の薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組 成物。
[6] (c)被覆ポリフルォロエチレンを被覆している有機系重合体が、芳香族ビニル系単量 体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びシアン化ビニル系単量体から選ばれる少 なくとも 1種の単量体力 誘導される重合単位を含む重合体である請求項 1〜5のい ずれ力 4項に記載の薄肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[7] 請求項:!〜 6のいずれか 1項に記載の樹脂組成物を溶融成形して得られる薄肉成形
P
Po
[8] 立上り片部と、該立上がり片部に囲まれた底部である平板部とを有し、該平板部の平 均肉厚力 lmm以下である容器形状の請求項 7に記載の薄肉成形品。
[9] 請求項:!〜 6のいずれか 1項に記載の樹脂組成物を、組成物温度 305〜360°Cで射 出成形することを含む薄肉成形品の製造方法。
[10] 請求項:!〜 6のいずれか 1項に記載の樹脂組成物を、組成物温度 305〜360°Cで射 出成形することを含む、立上り片部と、該立上がり片部に囲まれた底部である平板部 とを有し、該平板部の平均肉厚力 mm以下である容器形状の薄肉成形品の製造方 法。
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