JP2002148451A - プラスチック光ファイバ - Google Patents
プラスチック光ファイバInfo
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Abstract
性、耐屈曲性、耐曲げ特性などバランス良く優れたプラ
スチック光ファイバを提供する。 【解決手段】コアがメチルメタクリレートを主成分とす
る(共)重合体、第1クラッドがパーフルオロアルキル
メタクリレート系共重合体、第2クラッドが弗化ビニリ
デン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプ
ロピレン、その他共重合可能な成分を弗素組成重量率が
70〜74%になるように重合した共重合体からなり、
理論開口数0.45〜0.52であるプラスチック光フ
ァイバ。
Description
耐屈曲性、耐曲げ特性などがバランス良く優れたプラス
チック光ファイバに関するものである。
と略記する)は、コア、クラッドの2種の重合体により
構成されている。コアには、ポリメチルメタクリレート
(以下、PMMAと略記する)に代表されるように、透
明性に優れ耐候性の良好な重合体が一般に使用される。
一方、クラッドには、コア内部に光を閉じ込めておくた
めに、コアよりも低屈折率であることが必要であり、弗
素含有重合体が広く使用されている。
デン/テトラフルオロエチレン共重合体(特公昭63−
67164号公報)、ヘキサフルオロアセトン/弗化ビ
ニリデン共重合体(特開昭61−22305号公報)な
どの弗化ビニリデン系共重合体が一般的に使用されてい
る。
チルメタクリレ−ト(以下、MMAと略記する)を主成
分とする重合体との相溶性が良いため、それをクラッド
に用いたPOFは、コアとの界面密着性が良く機械特性
も良好である。しかしながら、それら弗化ビニリデン系
共重合体はいずれも結晶性の重合体で透明性に劣るた
め、それをクラッドとして用いたPOFは透光性に劣る
という問題がある。さらに本クラッドは、ガラス転移温
度が低く、また高温下、高温湿熱下にさらされると、結
晶成長により白濁化が促進されるため、本クラッドを用
いたPOFは耐熱性が約70℃と低く用途が限定される
という難点があった。
高い次のa〜dのような弗素含有重合体をクラッドに用
いたPOFが提案されている。 a:パーフルオロアルキルメタクリレートとMMAとの
共重合体(特公昭43−8978号公報、特開昭62−
265606号公報)、 b:α−フルオロアクリレート共重合体(特開昭59−
227908号公報)、 c:上記a,bなどのイミド化反応物(特開昭61−1
21005号公報、特開昭61−246703号公
報)、あるいは酸無水物(特開昭60−184211号
公報)、 d:環状弗素重合体(特開昭63−261204号公
報、特開昭63−302303号公報)。
ン系共重合体に比べ、透明性に優れ、ガラス転移温度は
高いが、MMAを主成分とする重合体との相溶性が良く
ない。そのため、これらをクラッドに用いたPOFは、
従来の弗化ビニリデン系共重合体をクラッドに用いたP
OFに比べ、耐熱性は優れる反面、コアとの界面密着性
が十分でなく機械特性、特に耐屈曲性に劣ったり、また
ポリ塩化ビニルなどに含有する可塑剤の浸透に対し弱い
という問題があった。
特開平5−249325号公報などのように、第2クラ
ッドとして、弗化ビニリデン系共重合体を第2クラッド
とすることにより、両者の長所を兼ね備えるPOFを提
案している。
性が不十分であった。
においては、弗化ビニリデン組成を減らし、さらに第3
成分としてヘキサフルオロプロピレンを共重合して結晶
性を抑えた重合体(Dyneon社の商品名”THV2
00”)を第2クラッドに用いたPOFを提案してい
る。しかし、本公報にも示すように、”THV200”
が柔軟で巻き取り時に粘着するなどの問題があったり、
耐熱性がまだ不十分であったりして実用化が困難である
ため、さらなる保護層(弗化ビニリデン系共重合体ある
いは弗化ビニリデンホモポリマー、ナイロン12など)
を被せるのが好ましいとしている。
透光性、耐熱性、耐屈曲性、耐曲げ特性などバランス良
い特性を有する保護層の必要ない2層クラッドのPOF
を提供することにある。
め、本発明は主として次の構成を有する。
する(共)重合体からなるコアと、式(1)で示される
パーフルオロアルキルメタクリレ−ト
は2、nは1から10の整数を表わす。)、MMAを含
有する共重合体である第1クラッドと、 ヘキサフルオロプロピレン 10〜30重量% テトラフルオロエチレン 45〜75重量% 弗化ビニリデン 10〜35重量% 他の共重合可能な成分 1〜10重量% を共重合成分とし、かつ弗素組成重量率が70〜74%
である共重合体からなる第2クラッドからなり、理論開
口数がNA=0.45〜0.52であることを特徴とす
るPOF。」である。
ついて説明する。
(共)重合体としては、PMMA、MMA主体の共重合
体(例えば(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アク
リル酸、置換スチレン、N−置換マレイミドなどを共重
合)、あるいはそれらを高分子反応したグルタル酸無水
物、グルタルイミドなどの変性重合体などが挙げられ
る。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレ−ト、t−ブチルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、フェニルメタクリレート、ボルニルメタクリ
レート、アダマンチルメタクリレートなどが、置換スチ
レンとしては、スチレン、メチルスチレン、α−メチル
スチレンなどが、N−置換マレイミドとしては、N−イ
ソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−o−メチルフェニルマレイミドなどが挙げられる。こ
れら共重合成分は、複数で用いても良く、これら以外の
成分を少量使用してもよい。また、酸化防止剤などの安
定剤が透光性に悪影響しない量だけ含まれていても構わ
ない。これらの重合体の中で、実質的にPMMAである
ことが、生産性、透光性、耐環境性などの点から最も好
ましい。
パーフルオロアルキルメタアクリレ−ト、
は2、nは1から10の整数を表わす。)、MMAを含
有する共重合体であることが必要である。さらには、上
記パーフルオロアルキルメタクリレートが60〜95重
量%、及び、MMAが5〜40重量%を共重合成分とし
て含有する共重合体であることが好ましい。一般的に入
手が容易なパーフルオロアルキルメタクリレートとして
は、n=8程度の長鎖エステル系と、n=1〜4程度の
短鎖エステル系と大きく2分されるが、いずれか単独で
用いても、混合して用いても、あるいは短鎖同士を混合
して用いても構わない。パーフルオロアルキルメタクリ
レートが本構造以外の場合は、共重合体が白濁、黄変し
たり、機械特性が著しく劣ったりして、POFとすると
透光性、耐熱性、耐屈曲性などが劣ったりする。なお、
さらにMMA以外の(メタ)アクリル酸エステル類、脂
環式炭化水素をエステルに有するメタクリル酸、(メ
タ)アクリル酸、(置換)スチレン、(N−置換)マレ
イミドなどを10重量%程度以内で共重合しても構わな
い。
重合体の好ましい物性としては、ガラス転移温度が80
℃以上であり、メルトフローインデックス(235℃/
5kg)が3〜50g/10分の範囲である。ガラス転
移温度を80℃以上とすれば、85℃耐熱性を有するこ
とができるので好ましい。
口数はNA=0.45〜0.52が必要である。なお、
理論開口数は次式のようにコア、第1クラッドの屈折率
差にて表わされる。 開口数=((コアの屈折率)2 −(第1クラッドの屈折
率)2 )1/2 開口数を0.45〜0.52とすることにより、従来1
層で用いていた物性バランスのとれたクラッドをそのま
ま本発明の第1クラッドとして使用することが可能であ
る。
〜74%であることが必要である。この範囲外の組成で
は、低結晶化(無色透明化)が達成できなかったり、耐
屈曲性などの機械特性が大幅に低下したり、また粘着性
がある、耐熱性が不十分であったりなどの問題を有す
る。
4%であることが好ましい。第2クラッドが第1クラッ
ドより低屈折率となれば、上記に挙げた公知例のよう
に、POFが曲げられたり、第1クラッドの不整部分か
ら漏れだした光を反射して回収する働きをする。そのた
め、本組成及び弗素組成重量率であれば、曲げ時の漏光
をかなり少なくできるばかりでなく、透明性、耐熱性、
耐屈曲性も良好で、また柔軟で巻き取り時に粘着するな
どの問題もない。
しい弗素含有率とするために、弗素を含有することが好
ましく、例えば、ヘキサフルオロアセトン、パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル類、弗化ビニル、トリフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオ
ロアルキル(メタ)アクリレート類、αフルオロパーフ
ルオロアルキルアクリレート類、その他、”サイトッ
プ”、”テフロン(登録商標)AF”などで使用されて
いるモノマーなどが挙げられる。さらには、上記のうち
水素を含まない全弗素置換モノマーであるヘキサフルオ
ロアセトン、パーフルオロアルキルビニルエーテル
類、”サイトップ”、”テフロン(登録商標)AF”な
どで使用されているモノマーが最も好ましく使用でき
る。
の好ましい物性としては、ショアD硬度(ASTM D
2240)は35〜55の範囲にあり、メルトフローイ
ンデックス(265℃/5kg)が5〜80g/10分
の範囲である。
は、それぞれ2〜10μmであることが好ましい。
して製造することができる。例えば、コアと第1クラッ
ド、第2クラッドとを加熱溶融状態下で、同心円状複合
用の複合口金から吐出してコア/第1クラッド/第2ク
ラッドの3層芯鞘構造を形成させる複合紡糸法が好まし
く用いられる。続いて、機械特性を向上させる目的で
1.2〜3倍程度の延伸処理が一般的に行なわれPOF
となる。このPOFの外径は通常0.1〜3mm程度で
あり、目的に応じて適宜選択すればよいが、取扱性など
の面から0.5〜1.5mmのものが好ましい。
ン、ポリプロピレンあるいはそれらの共重合体、ブレン
ド品、有機シラン基を含有するオレフィン系ポリマー、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ
弗化ビニリデン、ナイロン12などのポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、ナイロンエラストマー、ポリエステ
ルエラストマーあるいはウレタン樹脂、弗素樹脂といっ
た樹脂を被覆し、コードとすることができる。被覆層は
1層でも多層でも良く、多層の場合は間にケブラーなど
のテンションメンバーを入れても良い。これらの被覆材
には、難燃剤の他、酸化防止剤、耐老化剤、UV安定剤
などの安定剤、着色のためのカーボンブラック、顔料、
染料などを含んでも良い。なお、被覆層はクロスヘッダ
ダイを使用した溶融押し出し成形法等の公知の方法によ
って形成することができる。
明する。なお、作製したPOFの評価は以下の方法で行
った。
m)を使用して30/2mカットバック法により測定し
た。 弗素含有率:元素分析にて求めた。 屈折率:測定装置としてアッベ屈折率計を使用して、室
温25℃雰囲気にて測定した。
の荷重をかけ、直径30mmφのマンドレルで支持し、
その支持点を中心にファイバの他端を角度90°で連続
的に屈曲させて、ファイバが切断するまでの回数を測定
した(n=5の平均値)。 耐熱性:高温オーブン(タバイエスペック社製PHH−
200)内に試長28mのファイバ(両末端各1mはオ
ーブン外)を85℃、500時間投入し、試験前後の光
量を測定してその変化量を指標とした(n=3の平均
値。マイナスは光量ダウンを示す)。
5%にて評価した。 曲げ損失:660nmLEDを使用し、金属製半径10
mmの棒に360度巻き付けた時の光量を測定してその
前後での減少量を指標とした(n=3の平均値)。
(1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロデシルメ
タクリレート(17FM)/2,2,2−トリフルオロ
エチルメタクリレート(3FM)/MMA/メタクリル
酸共重合体(屈折率1.409、理論開口数0.4
9)、第2クラッド(弗化ビニリデン(2F)/テトラ
フルオロエチレン(4F)/ヘキサフルオロプロピレン
(6F)/ヘプタフルオロプロピルビニルエーテル共重
合体(屈折率1.351、弗素含有率72.8%)、さ
らに、連続塊状重合によって製造したPMMA(屈折率
1.492)をコアとして、それぞれ複合紡糸機に供給
して、235℃にてコア、第1クラッド、第2クラッド
を芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径1000μm(コア
径980μm、第1/第2クラッド厚各5.0μm)の
ベアファイバを得た。さらに、カーボンブラック入りポ
リエチレンを被覆して外径2.2mmのコードとした。
により評価し、その結果を表1に示した。表2からわか
るように、透光性、耐屈曲性、耐熱性、耐湿熱性、耐曲
げ特性が良好であり、POFとして好適なものであっ
た。
クラッド/第2クラッドを表1のとおりに変更した以外
は実施例1と同様にしてPOFを得た。これらのPOF
を使用して実施例1と同じ評価を行い、その結果を表2
に示した。
性、耐熱性、耐湿熱性、耐曲げ特性がいずれも優れてい
た。
1、第2クラッドに第4成分を有さない比較例2(Dy
neon社”THV200”)及び比較例3(Dyne
on社”THV500”)、第2クラッドが従来からの
弗化ビニリデン主体の共重合体)である比較例4に比べ
て、実施例2〜5は透光性、耐屈曲性、耐熱性、耐湿熱
性、耐曲げ特性に優れる。また、第2クラッドの第4成
分の共重合組成比が10重量%を超える比較例5では耐
屈曲性その他の物性バランスが悪かった。
オロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンに更に共
重合可能な成分を共重合した第2クラッドを使用するこ
とにより、従来の開口数が0.5付近のPOFにおい
て、透光性、耐熱性、耐屈曲性、耐曲げ特性などバラン
ス良く優れたPOFを提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】メチルメタクリレ−トを主成分とする
(共)重合体からなるコアと、式(1)で示されるパー
フルオロアルキルメタクリレ−ト 【化1】 (ただし、Rはフッ素原子または水素原子、mは1また
は2、nは1から10の整数を表わす。)、メチルメタ
クリレートを含有する共重合体である第1クラッドと、 ヘキサフルオロプロピレン 10〜30重量% テトラフルオロエチレン 45〜75重量% 弗化ビニリデン 10〜35重量% 他の共重合可能な成分 1〜10重量% を共重合成分とし、かつ弗素組成重量率が70〜74%
である共重合体からなる第2クラッドからなり、理論開
口数がNA=0.45〜0.52であることを特徴とす
るプラスチック光ファイバ。 - 【請求項2】第2クラッドが ヘキサフルオロプロピレン 14〜25重量% テトラフルオロエチレン 49〜70重量% 弗化ビニリデン 14〜30重量% 他の共重合可能な弗素元素を含有する成分 2〜7重量% を共重合成分とし、かつ弗素組成重量率が71〜74%
である共重合体からなることを特徴とする請求項1に記
載のプラスチック光ファイバ。 - 【請求項3】第1クラッドが、パーフルオロアルキルメ
タクリレート60〜95重量%、及びメチルメタクリレ
ート5〜40重量%を共重合成分として含有する共重合
体からなり、さらにガラス転移温度が80℃以上である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチッ
ク光ファイバ。
Priority Applications (1)
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JP2001257784A JP4556365B2 (ja) | 2000-08-30 | 2001-08-28 | プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバコード |
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JP2000-260625 | 2000-08-30 | ||
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JP2002148451A5 JP2002148451A5 (ja) | 2009-10-22 |
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-
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- 2001-08-28 JP JP2001257784A patent/JP4556365B2/ja not_active Expired - Fee Related
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