JP4245521B2 - プラスチック光ファイバー用鞘材 - Google Patents

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Description

本発明は、高温環境下における耐熱性に優れたプラスチック光ファイバー用鞘材に関する。
従来、光ファイバーとしては、広い波長領域にわたって伝送損失が少なく、優れた光伝送を行うことができる石英系光ファイバーが幹線系を中心に実用化されているが、この石英系光ファイバーは高価で加工性が低い。そのため、より安価で、軽量、大口径であり、端面加工や取り扱いが容易である等の長所を有するプラスチック光ファイバー(以下「POF」と略す。)が開発された。
POFの大部分は、透明性に優れたポリメタクリル酸メチル(PMMA)をコア材とし、コア材の屈折率より低い屈折率を有するクラッド材(鞘材)でその外周を被覆したコア−クラッド(芯−鞘)構造からなるステップインデックス型構造をしており、照明・装飾用途や、食品関連半導体センサー、FA、OA、LAN等の短・中距離での光情報伝送体などの分野において実用化されている。
最近では、自動車内LANや食品関連半導体センサー等の分野において、100〜105℃付近になるような高温環境下でPOFを長期間使用した際もPOFの伝送損失が低下しないことが要求されており、POFの耐熱性のさらなる向上が求められている。
POFは、コア−クラッドからなるPOFの外周部に、熱可塑性樹脂からなる被覆層を設けたPOFケーブルの形態で用いられている。
しかしながらPOFケーブルが100〜105℃付近の環境に長時間置かれた場合、POFの鞘材の透明性が低下したり、あるいはPOFと被覆層間に熱膨張・熱収縮特性に違いによってPOFに歪が発生し、コア−クラッド界面の構造不整が増大することによって伝送損失の増加が起こるおそれがあった。
上記のような理由から、POFケーブルの温度100〜105℃付近での耐熱性を向上することを目的として、鞘材の選択、改善に関する提案は多くなされている。
例えば、特許文献1には、PMMAと同等程度の透明度、耐候性、加工性を有しながらも、さらに耐熱性の改善を図ったラクトン化合物とビニル系不飽和モノマーからなる共重合体に関する技術が提案されている。
また、特許文献2には、POFの鞘材に、特定のラクトン化合物(α−メチレン−γ−ブチロラクトン誘導体)と、フッ素化メタクリレートを含有する共重合体を用いる技術が提案されている。
特開平08−231648号公報 特開平09−236715号公報
特許文献1に記載されたラクトン化合物とビニル系不飽和モノマーからなる共重合体は、ガラス転移温度が高く、かつ透明性が高いものの、高屈折率であって、POF用鞘材に適用するには不十分なものであった。
特許文献2に記載された特定のラクトン化合物(α−メチレン−γ−ブチロラクトン誘導体)とフッ素化メタクリレートを含有する共重合体は、機械的強度、芯材との密着性等の点でPOF用鞘材として優れているが、透明性、耐熱性の点では不十分であり、自動車内LANのような、高い耐熱性が要求される用途に適用するには、さらなる改善が必要であった。
本発明の目的は、低屈折率でありながら、100〜105℃の高温条件下における耐熱性に優れたPOF用鞘材を提供することにある。
発明者等は、100〜105℃に達する高温環境下においても耐熱性に優れたPOF用鞘材を得ることを目的として鋭意検討を進めた結果、特定のラクトン化合物と特定のアルキル(メタ)アクリレート誘導体との共重合体を用いた鞘材が上記の目的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも構成単位として一般式(1)
Figure 0004245521
(式中、R1、R2は、独立して水素原子、メチル基またはエチル基を示し、R1およびR2における炭素数の合計が、1〜3のいずれかである。但し、R 1 およびR 2 が同時に水素原子を示す場合を除く。
で表されるラクトン化合物の単位(A)と、
一般式(2)
CH2=CX−COO(CH2m(CF2nY (2)
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子またはメチル基を示し、Yは、水素原子またはフッ素原子を示し、mは、1または2を示し、nは、1〜12のいずれかの整数を示す。)
で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を有し、
ナトリウムD線による23℃における屈折率が1.410〜1.495の範囲にある共重合体からなることを特徴とするプラスチック光ファイバー用鞘材に関する。
本発明のPOF用鞘材は、100〜105℃の高温条件下においても、耐熱性に優れ、特に自動車内LANや食品関連半導体センサー用途などのように、POFが高温環境下に配置される場合に好適に使用することができる。
本発明のPOF用鞘材は、その構成単位として、少なくとも一般式(1)
Figure 0004245521
(式中、R1、R2は、独立して水素原子、メチル基またはエチル基を示し、R1及びR2の炭素数の合計が、1〜3のいずれかである。但し、R 1 およびR 2 が同時に水素原子を示す場合を除く。)で表されるラクトン化合物の単位(A)と、
一般式(2)
CH2=CX−COO(CH2m(CF2nY (2)
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子またはメチル基を示し、Yは、水素原子またはフッ素原子を示し、mは、1または2を示し、nは、1〜12のいずれかの整数を示す。)
で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を有し、ナトリウムD線による23℃における屈折率が1.410〜1.495の範囲にある共重合体からなることを特徴とする。
一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)は、α位にメチレン基を有し、β位に置換基R1 、R2 を有する5員環構造のα−メチレン−γ−ブチロラクトンの誘導体である。α−メチレン−γ−ブチロラクトンは、構造的にはメタクリル酸メチルのα位の炭素とエステル結合しているメチル基の炭素とが結合し、環状化した構造を有する。β位の置換基R1 、R2 は嵩高くなるに伴い、共重合時の重合性が低下し、得られる共重合体の耐熱性を低下させるため、置換基R1 とR2 の炭素数の合計が1〜3のいずれかである必要があり、したがってその組合せとしては、水素原子とメチル基、水素原子とエチル基、メチル基とメチル基、メチル基とエチル基のいずれかであり、両者が同時に水素原子の場合は除かれる。このような一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)としては、具体的には、
α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン、
α−メチレン−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、
α−メチレン−β−エチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。なかでも、R1、R2のいずれか一方が水素原子を示し、他方がメチル基を示すα−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトンは、少量でガラス転移温度の上昇効果が大きく、また後述するフルオロアルキル(メタ)アクリレートとの共重合性、および得られる共重合体の透明性が高いことから好ましい。
一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)としては、共重合体中に一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)の1種を含むものであっても、2種以上の異なるラクトン化合物の単位(A)を組み合わせて含むものであってもよい。
一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)は、ビニル系エステル化合物を示すが、(CF2nで示されるフルオロアルキル基は、アルキル鎖が長くなるほど、得られる共重合体の機械的強度が大きく、これを用いた鞘材に機械的強度を付与することが可能な点から好ましい反面、嵩高くなるためにラクトン化合物の単位(A)との重合性が低下し、得られる共重合体の耐熱性が低下することから、一般式(2)における炭素数nは1〜12の範囲である。
一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)は、上記の炭素数の範囲内で、フルオロアルキル基の先端部が水素原子からなるものとフッ素原子からなるものとが存在する。フルオロアルキル基の先端がフッ素原子からなる(Yがフッ素原子)フルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)は、このような先端にフッ素原子を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)としては、例えば、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(3FMA)、(メタ)アクリル酸2、2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(5FMA)、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)、αーフルオロアクリル酸2、2、2−トリフルオロエチル(α3FA)、αーフルオロアクリル酸2、2、3、3、3−ペンタフルオロプロピル(α5FA)等を挙げることができる。
一方、フルオロアルキル基の先端が水素原子からなる(Yが水素原子)一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を用いることによって、一般式(1)で表されるラクトン化合物との共重合体の透明性を特に向上させることができる。このような一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(4FMA)、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(8FMA)、α−フルオロアクリル酸メチル(αFMe)等を挙げることができる。
一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)としては、所望の屈折率、機械強度、耐熱性から適宜選択し、組み合わせて使用することが可能であって、共重合体中一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)の1種を含むものであっても、または2種以上の異なるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を組み合わせて含むものであってもよい。
なかでも、上記のフルオロアルキル基の先端が水素原子からなるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位と、フルオロアルキル基の先端がフッ素原子からなるフルオロアルキル(メタ)アクリレートとしてメタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル(17FMA)単位とを適当量共重合させることが、透明性を損うことなく、かつ鞘材に機械的強度も付与することができる点で好ましい。
さらに、本発明においては、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)と、一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)とを含む共重合体の耐熱性、力学的性質、光学的性質などを損なわない範囲であれば、共重合が可能な他のビニル系単量体の単位(C)を含有させてもよい。
共重合が可能な他のビニル系単量体の単位(C)としては、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸や、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルや、
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸(1−メチルトリシクロヘプチル)、(メタ)アクリル酸(1−メチルヘキサシクロドデシル)等の、脂環式基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸脂環式エステルや、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミドや、
α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−エチル−γ−ブチロラクトン、α−メチレン−γ−シクロヘキシル−γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物を挙げることができ、これらのビニル系単量体はPOFに要求される性能に応じて、適当量の範囲で含有させることができる。中でも共重合体の透明性、機械的強度を高めるためにはメタクリル酸メチルを用いることが好ましく、芯材との密着性および耐熱安定性を高めるためには、親水性の(メタ)アクリル酸を用いることが好ましい。
本発明のPOF用鞘材に用いられる共重合体の形態としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれの形態であってもよい。
かかる共重合体の共重合組成は、屈折率などの目的とする特性が得られる範囲内であれば特に限定されないが、耐熱性をより向上させる観点からは、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)を共重合体中に3〜90質量%の範囲で含有することが好ましく、5〜80質量%の範囲がさらに好ましい。一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)については、所望の屈折率、機械強度、耐熱性から適宜選択し、組み合わせて使用することが可能であり、伝送損失や曲げ光量損失の抑制などの光学的性質、機械強度など力学的性質の点から、一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を共重合体中に10〜97質量%の範囲で含有することが好ましく、20〜90質量%の範囲がさらに好ましい。この単位(B)の含有量は、10質量%以上であれば更に良好な透明性を有し、97質量%以下であれば、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)の含有量に起因してより良好な耐熱性が得られる。
共重合が可能な他のビニル系単量体の単位(C)は、共重合体の透明性、機械的強度、耐熱安定性や、芯材との密着性を向上させる等の目的で必要に応じて含有させることができるが、共重合体の耐熱性、力学的性質、光学的性質などを損なわない等の点から、共重合体の0〜45質量%とすることが好ましい。この単位(C)の含有量は、45質量%以下であれば、共重合体において、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)や一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)に起因する鞘材の耐熱性や透明性を保持し、他のビニル系単量体の単位(C)に起因する特有の性質を付加することができる。例えば、芯材との密着性及び耐熱安定性を高めるために(メタ)アクリル酸を含有させる場合には、その含有量は5質量%以下の範囲が好ましく、2質量%以下の範囲とすることがより好ましい。
本発明のPOF用鞘材を構成する上記共重合体は、POF用鞘材としての役割を担う観点、すなわち曲げ光量損失を抑えながらもPOFとして要求される伝送帯域を確保する観点から、ナトリウムD線による23℃での屈折率(以下、屈折率という。)を、1.410以上、1.495以下の範囲とすることが必要である。
POFに対して特に広い伝送帯域が要求される場合には、本発明のPOF用鞘材として、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)40〜80質量%と、一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)クリレートの単位(B)20〜60質量%と、他の共重合可能なビニル系単量体の単位(C)20質量%以下からなる共重合体を含み、屈折率が1.45以上、1.48以下の範囲にある樹脂を用いることができる。
上記のような本発明のPOF用鞘材としては、特にPOFに対して曲げ光量損失の抑制が要求される場合には、一般式(1)で表されるラクトン化合物の単位(A)5〜40質量%と、一般式(2)で表されるフルオロアルキル(メタ)クリレートの単位(B)60〜90質量%と、他の共重合可能なビニル系単量体の単位(C)20質量%以下を含み、屈折率が1.41以上、1.45未満の範囲にある共重合体を用いればよい。このような屈折率の共重合体を鞘材として用いることにより、例えばワイヤーハーネス類と束ねられて自動車内に配設されるときのように曲率半径15mm程度の大きさで屈曲された場合にも、曲げ光量損失の少ないPOFを得ることができる。
上記各単位を含む共重合体を得る重合方法は特に限定されるものではないが、ラジカル重合による方法が好ましい。また、ラジカル重合としては、溶液、塊状、懸濁、乳化などの重合法を用いることができるが、伝送損失の低減化の観点からは塊状重合が最適である。
重合開始剤としては、重合時に副反応や着色等の悪影響を及ぼさないものであれば、特に限定されるものではなく、重合法、重合温度、重合率、重合時間に応じて任意に選択でき、複数種の重合開始剤を併用することもできる。重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロへキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド系化合物等を挙げることができる。中でも、共重合体の加熱着色の影響が小さいことから、アゾ化合物が好ましく、ジメチル―2,2′−アゾビス(イソブチレート)が特に好ましい。
また、重合時において分子量を調節する目的で連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、重合時に副反応や着色等の悪影響を及ぼさないものであれば、特に限定されず、目的とする分子量に対して任意に選択でき、複数種の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤の例としては、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等の第一級、第二級、第三級メルカプタン、チオグリコール酸および、そのエステル等が挙げられる。特に、n−ブチルメルカプタンは低揮発性のため、溶融押出工程で揮発除去が容易であることから好ましい。
重合温度は、使用する重合開始剤、および重合形式により適宜選択することができるが、50〜150℃の範囲で行なうことが好ましい。
本発明のPOF用鞘材に用いられる共重合体のメルトフローインデックス(MFR:230℃で荷重5kgf(49N)の条件で直径2mm、長さ8mmのノズルから10分間に吐出される共重合体の量(g))は、大きすぎると、POFの屈曲性および加工性が低下したり、POFが100℃以上の環境に置かれたときに、鞘材が変形する傾向がある点、小さすぎると共重合体の成形性が低下する傾向がある点から、5〜40の範囲にあることが好ましく、10〜30の範囲にあることがより好ましい。
本発明のPOF用鞘材と組み合わせて使用することができるPOF芯材としては、透明性が高く、かつ鞘材の屈折率よりも高い屈折率を有している材料であれば特に限定されるものではないが、メタクリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等が好適である。これらのうち、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)は、透明性および100〜105℃付近での耐熱性に優れることから、特に好ましい。
本発明のPOF用鞘材を用いてPOFを製造する方法としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等の熱可塑性プラスチックを芯材とする場合には、同心円状ノズルを用いた溶融複合紡糸法により製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の実施例における評価方法については、下記の方法により実施した。
[ガラス転移温度(Tg)]
測定には示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、DSC−220)を用いた。サンプルを昇温速度10℃/分で200℃まで昇温したのち5分間保持して溶融させた後、降温速度−10℃/分で0℃まで降温させてから再度昇温速度10℃/分で昇温、5分間保持、降温速度−10℃/分で降温を繰り返し、このときのガラス転移温度を求めた。
[屈折率]
溶融プレスにより厚さ200μmのフィルム状の試験片を形成し、アッベの屈折計を用い、室温23℃におけるナトリウムD線の屈折率(nD 23)を測定した。
[伝送特性]
測定波長650nm、励振NA=0.1の条件で、25−5mのカットバック法により測定した。
[耐熱試験]
POFを、温度105℃のオーブンに2000時間放置した時の伝送損失(dB/Km)を、25−5mカットバック法により測定した。測定波長が650nm、励振NAが0.1の光を用いた。
α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン10重量部、メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル90重量部からなるモノマー溶液に、0.05重量部の2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、0.05重量部の2,2′−アゾビスイソバレロニトリルおよび0.1重量部のn−ブチルメルカプタンを添加した混合溶液を反応温度65℃、反応時間17時間の条件で塊状重合した後、さらに、120℃で2時間重合して共重合体を得た。この重合体を230℃にてプレス成形し、ナトリウムのD線を用いて23℃での屈折率nD を測定したところ1.43であり、またガラス転移温度は103℃であった。
次に、この重合体を鞘材とし、PMMAを芯材として、同心円状複合ノズルを用いてコア径980μm、ファイバ径1mmのPOFを作製した。このPOFの伝送損失は135dB/kmであり、105℃で、2000時間熱処理した後の伝送損失は140dB/kmであった。評価した結果を表1に示す。
鞘材の組成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にしてPOFを作成した。その評価結果を表1に示す。
表1に示す組成以外は実施例1と同様にして比較例1、2のPOFを作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例2、比較例2で作成したPOFの外周部にナイロン12(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド−L1640)からなる被覆層を、厚み250μmで設けて実施例3、比較例3のPOFケーブルを作成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
鞘材の組成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にしてPOFを作成し、同様に評価した。その評価結果を表1に示す。
鞘材の組成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にしてPOFを作成し、同様に評価した。その評価結果を表1に示す。
実施例1〜2、4〜5のように、β位にアルキル基(メチル基)を有するラクトン化合物の共重合体は、比較例1、3のγ位にアルキル基を有するラクトン化合物の共重合体と比較すると、透明性が良好であり、これらを鞘材としたPOFは初期の伝送損失が少なく良好であった。また、耐熱試験後も伝送損失の増加は非常に小さく抑えられた。
また、実施例3は、比較例3と比較すると、ナイロン12を被覆したPOFケーブルにおいても、初期の伝送損失が少なく良好であり、耐熱試験後も伝送損失の増加は非常に小さく抑えられた。
Figure 0004245521
表中、化合物の略称は、それぞれ以下の化合物を示す。
PMMA:ポリメチルメタクリレート
3FM:メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル
4FM:メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
8FM:メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
17FM:メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル
βMMBL:α−メチレン−β−メチル−γ−ブチロラクトン
γMMBL:α−メチレン−γ−メチル−γ−ブチロラクトン
MDMBL:α−メチレン−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン
PA12:ナイロン12(ダイセル・デグッサ社製、ダイアミド−L 1640)

Claims (2)

  1. 少なくとも構成単位として一般式(1)
    Figure 0004245521
    (式中、R1、R2は、独立して水素原子、メチル基またはエチル基を示し、R1およびR2における炭素数の合計が、1〜3のいずれかである。但し、R 1 およびR 2 が同時に水素原子を示す場合を除く。
    で表されるラクトン化合物の単位(A)と、
    一般式(2)
    CH2=CX−COO(CH2m(CF2nY (2)
    (式中、Xは、水素原子、フッ素原子またはメチル基を示し、Yは、水素原子またはフッ素原子を示し、mは、1または2を示し、nは、1〜12のいずれかの整数を示す。)
    で表されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)を有し、
    ナトリウムD線による23℃における屈折率が1.410〜1.495の範囲にある共重合体からなることを特徴とするプラスチック光ファイバー用鞘材。
  2. 前記共重合体がラクトン化合物の単位(A)3〜90質量%と、フルオロアルキル(メタ)アクリレートの単位(B)10〜97質量%と、共重合可能な他のビニル系単量体の単位(C)0〜45質量%とを含有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光ファイバー用鞘材。
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