JP3559423B2 - プラスチック光ファイバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光情報通信媒体等として利用可能なプラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバ(以下「POF」という)においては伝送損失が低く、かつ機械的特性や耐候性にも問題がないことからポリメタクリル酸メチルをコア材とするものが主流になっている。ポリメタクリル酸メチルをコアとする光ファイバの使用上限温度は耐候性に富む被覆などを施した場合でも、高々105℃程度であり、自動車、電車、飛行機等のような移動体中での通信や屋外での使用においては耐熱性が不足である。
【0003】
POFの耐熱性向上の方法としてTgの高いコア材を用いる方法がある。Tgの高いコア材として、1)ポリマー単体で高いガラス転移点を持つポリカーボネートを用いたもの(特開昭61−262706号公報)、2)多環オレフィン系モノマーを含むオレフィン系共重合体を用いたもの(特開昭61−211315号公報)、3)メチルメタクリレート/芳香族マレイミド共重合体を用いたもの(特公平5−82405号公報、特公平5−82406号公報)、4)メチルメタクリレート/脂肪族マレイミド共重合体を用いたもの(特開昭63−80205号公報)、5)メチルメタクリレート/脂環式メタクリレート共重合体を用いたもの(特開昭61−260205号公報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記1)〜5)のものはポリメタクリル酸メチルをコア材とするPOFと比較すると光伝送損失が遥かに大きい点が問題である。また1)および2)のものは高温下での経時変化が大きい点も問題である。
【0005】
また、自動車などの移動体内での使用を考えた場合、限られた空間でケーブルをレイアウトする必要から、屈曲部分が多くなることが予想される。一般にファイバーを屈曲させることで伝送損失が増加するためファイバー自体の光伝送損失が大きいことは不利であり、前記1)〜5)のもののように伝送損失を極端に犠牲にして耐熱性を向上させる方法は好ましくない。
【0006】
本発明の目的は、ポリメタクリル酸メチルに対する伝送損失の増加が僅かであって、耐熱性が著しく向上したPOFを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨はコアが実質的に下記の一般式(1)で示される繰り返し単位を含む重合体で構成されたコア/クラッド構造のプラスチック光ファイバにある。
【0008】
【化2】
【0009】
但し、式中、R1は水素原子または炭素数1〜25の炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換炭化水素基を示し、nは正の整数を表す。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の重合体の一般式(1)の繰り返し単位の含量は特に限定されないが、そのPOF材料としての特性から一般式(1)の繰り返し単位の含量が20重量%以上であることが好ましく40重量%以上であることがより好ましい。含量が少なすぎると耐熱性が不足する傾向にある。
【0011】
またこの重合体の一般式(1)の繰り返し単位成分としては、耐熱性の点からR1はメチル基あるいは炭素数が6以上のものであることが好ましく、メチル、シクロヘキシル、トリシクロデカニル、アダマンチル基であることが特に好ましい。
【0012】
さらにこの重合体の一般式(1)の繰り返し単位以外の成分としては、メチルメタクリレートやメチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルなどが例示されるが、透明性、伝送損失の点でメチルメタクリレートが最も好ましい。
【0013】
クラッド材としてはコア材より小さい屈折率を有するものであれば特に限定されず、フッ素化メタクリレート系重合体、フッ素化メタクリレート/メタクリル酸エステルの共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、α−フルオロメタクリレート系樹脂等、またはそれらの混合物を用いることできる。
【0014】
クラッド層の厚みは薄すぎるとしみ出し光が無視できなくなりPOF全体の伝送損失を増大させるために1μm以上であることが好ましい。
【0015】
本発明のコア/クラッド構造を有するPOFは、コアとクラッドのポリマーをそれぞれ溶融し複合ノズルから押し出す複合紡糸法や、繊維状に賦形したコアポリマーにクラッドポリマーの溶液を塗布した後に溶剤を除去するコーティング法などにより製造することができる。
【0016】
なお、耐熱性向上、耐湿性向上、耐化学薬品性向上などの目的でクラッド層の外周部に保護層を被覆することも可能である。保護層としてはテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン共重合体等公知の重合体を使用でき、複合紡糸法等によってコア/クラッド/保護層の構造を形成できる。
【0017】
これらのコア/クラッド構造またはコア/クラッド/保護層構造のファイバは塩化ビニル樹脂等のジャケット材で被覆した光ファイバケーブルとして使用することもできる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例において使用される「部」及び「%」は全て重量部及び重量%である。
【0019】
実施例1
容量2リットルのフラスコ中においてメチルアクリレート344g(4mol)、純度75%のパラホルムアルデヒド160g(4mol)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン60g(0.53mol)、p−メトキシフェノール600mgを、空気バブリングを行いながら室温で6時間反応させた。反応終了後、エーテルを加え、有機相を1N塩酸洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去し、白色固体を得た。この白色固体をヘキサンから再結晶することにより白色結晶のビス(α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル)エーテルを290g(収率68%)得た。
【0020】
溶媒としてトルエン4リットルを含むフラスコ中に、ビス(α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル)エーテル200gを入れ溶解させた。この溶液に開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)600mgを加え窒素置換しながら40分撹拌した。その後、80℃に加熱して重合を開始させ5時間重合を行った。
【0021】
この反応液を大量のメタノール中に入れてポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。これを真空乾燥することにより粉末状の重合体180g(収率90%)を得た。この重合体のTgは170℃でありコア材として用いた。
【0022】
クラッド材としてはα−フルオロアクリル酸トリフルオロエチル/αフルオロアクリル酸メチル=85/15(モル比)の共重合体を用いた。
【0023】
これらの重合体をそれぞれスクリュー型押出機に供給し、2層構造の同心円状複合ノズルから吐出させて、ファイバ直径;1000μm、コア直径;980μmのコア/クラッド構造のPOFを製造した。
【0024】
このPOFの光伝送損失は220dB/km(測定法;50m−5mカットバック法、波長;650nm、入射NA = 0.1)であった。このPOFを125℃で1000時間処理したところ光伝送損失の増加は20dB/km以下であり良好な耐熱性を示した。
【0025】
実施例2
容量2リットルのフラスコ中においてトリシクロデカニルアクリレート824g(4mol)、純度75%のパラホルムアルデヒド160g(4mol)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン60g(0.53mol)、p−メトキシフェノール616mg、t−ブチルアルコール120gを、空気バブリングを行いながら80℃で5日間反応させた。反応終了後、3リットルのメタノール中にこの反応溶液を注ぎ、30分撹拌した。ついで、この混合溶液を−20℃で一晩静置し,白色結晶のビス(α−ヒドロキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル)エーテル712g(収率79.2%)を得た。
【0026】
溶媒としてトルエン2500mlを含む5Lフラスコ中に、ビス(α−ヒドロキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル)エーテル250g、メチルメタクリレート(MMA)250gを入れ溶解させた。この溶液に開始剤としてパーテトラA(日本油脂(株)製:純度20wt.%)3gを加え窒素置換しながら40分撹拌した。その後、95℃に加熱して重合を開始させ7時間重合を行った。
【0027】
この反応液を大量のメタノール中に入れてポリマーを析出させ、濾過しメタノールで洗浄した。これを真空乾燥することにより粉末状の重合体455g(収率91%)を得た。この重合体のTgは150℃でありコア材として用いた。
【0028】
その他の条件は実施例1と同様にしてファイバ直径;1000μm、コア直径;980μmのコア/クラッド構造のPOFを製造した。このPOFの光伝送損失は230dB/kmであり、125℃で1000時間処理したところ光伝送損失の増加は25dB/km以下であり良好な耐熱性を示した。
【0029】
比較例1
コア材としてポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製ユーピロン)を用い、その他の条件は実施例1と同様にしてファイバ直径;1000μm、コア直径;980μmのコア/クラッド構造のPOFを製造した。このPOFの光伝送損失は800dB/kmであり、125℃で1000時間処理したところ光伝送損失は40dB/km増加した。
【0030】
【発明の効果】
本発明のプラスチック光ファイバは光伝送損失が低く耐熱性が高いという優れた性能を有している。
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