JP2001518786A - 糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換 - Google Patents

糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換

Info

Publication number
JP2001518786A
JP2001518786A JP54235598A JP54235598A JP2001518786A JP 2001518786 A JP2001518786 A JP 2001518786A JP 54235598 A JP54235598 A JP 54235598A JP 54235598 A JP54235598 A JP 54235598A JP 2001518786 A JP2001518786 A JP 2001518786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
transformation
gene
transformants
transformed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP54235598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4307563B2 (ja
Inventor
バイジャースベーゲン、アリダ・ゴードリーブ・エム
ブンドック、ポール
グーカ、ロバータス・ヨハネス
ド・グルート、マルセラス・ヨハネス・エイ
ホーイカース、ポール・ジャン・ジェイ
Original Assignee
ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP97201022A external-priority patent/EP0870835A1/en
Application filed by ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ filed Critical ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ
Publication of JP2001518786A publication Critical patent/JP2001518786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4307563B2 publication Critical patent/JP4307563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、Ascomycotina、Basidiomycotina、Deuteromycotina、Mastigomycotina、及びZygomycotina菌類亜門の種を含む糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換に関する。実施例は、Aspergillus awamori(プロトプラスト及び分生子の両方)、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Collectovtrichum gloeosporioides、Fusarium solani pisi、Neurospora crassa、Trichoderma reesei、Pleurotus ostreatus及びAgaricus bisporus(すべて分生子)、及びFusariumgraminearum(分生子及び再水和された凍結乾燥ATCC材料の両方)の形質転換を明らかにする。特にAspergillus awamoriについては、形質転換頻度は、従来の糸状菌形質転換技術を用いる場合よりもはるかに高い。更に、これらの糸状菌に1つの発現可能な遺伝子が導入され得るだけでなく、A.awamoriについて例示されたとおり、このような遺伝子の複数のコピーでさえも、そのうえそれを例えば染色体pyrG遺伝子座にターゲティングすることもできることが見出された。これらの複数のコピーは、所望の相同又は非相同タンパクをコードする遺伝子のものであることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌の アグロバクテリウム媒介性形質転換 本発明は、糸状菌、特にアスペルギルス(Aspergillus)属に属する糸状菌の 形質転換に関する。 発明の背景及び先行技術 (1) 微生物のための一般的形質転換技術 組換えDNA技術において、細菌及び酵母のための形質転換技術はよく開発さ れているが、糸状菌についての形質転換頻度は比較的低い。 例えば、細菌Escherichia coli(大腸菌)の遺伝子形質転換においては、化学 的形質転換法を用いて約5×108形質転換体/μgベクターDNAという形質 転換頻度がルーチンに得られている。約3.5%の生存可能な細胞が形質転換さ れた(Hanahan;J.Mol.Biol.166(1983)557−580)。もっと最近 では、109〜1010形質転換体/μgベクターDNAという、更に高い頻度が 、高電圧エレクトロポレーション(電気穿孔法)の後に報告された(Dower et al .;Nucleic Acids Research 16(1988)6127−6145)。他の細菌に ついては、より低い形質転換頻度が記載されている(例えば、Chassy and Flicki nger;FEMS Microbiology Letters 44(1987)173−177;Miller et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988)856−860)。酵母に ついては、ベクターDNA1μgあたり1×107までの形質転換頻度が得られ ている(Meilhoc et al.;Bio/Technology (1990)223−227;及びG ietz et al.;Yeast 11(1995)355−360)。 糸状菌については、形質転換頻度は以下のように変化する: - Agaricus bisporusについて、わずか0.1〜0.5形質転換体/μgベクター DNA(Van Rhee et al.;Mol.Gen.Genet.250(1996)252 −258)から、 - Fusarium graminearum A3/5について、5形質転換体/μgベクターDN A(Royer et al.;Bio/Technology 13(1995)1479−1483) を経て、 - Aspergillus awamoriについて、約12形質転換体/μgベクターDNA(War d et al.;Experimental Mycology 13(1989)289−293)、及 び - Aspergillus nidulansについて、20〜300形質転換体/μgベクターD NA(Yelton et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81(1984)1 470−1474)、 - Neurospora crassaについて、約104形質転換体/μgベクターDNA(Vol mer and Yanofsky;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83(1986)4 869−4873)まで。 糸状菌の形質転換に関する総説記事については、以下の記事が参照される: - John R.S.Finchamによる「Transformation in Fungi」、Microbiological Rev iews(1989年3月)の148〜170頁に刊行されたもの。菌類、すな わち酵母及び糸状菌の両方についての可能な形質転換方法の概略を与える。 - Timberlake,W.E.及びMarshall,M.A.による「Genetic engineering of filam entous fungi」、Science 244(1989)1313−1317。 - David B.Finkelsteinによる「Transformation」(「Biotechnology of Filame ntous Fungi,Technology and Products」(1992)という書籍の第6章 、113〜156頁、Finkelstein and Ball編)。 これらの文献から、より多くの数の糸状菌類を形質転換するためにいくつかの 形質転換技術が開発されてきたことは明白である。ほとんどの形質転換プロトコ ールは、プロトプラストを利用する。プロトプラストは、Trichoderma reesei由 来の多酵素調製物であるNovozyme 234Rを用いて、菌糸培養物又は 発芽中の分生子から調製することができる。DNAでのプロトプラストの形質転 換は、エレクトロポレーションによって、又はCaCl2とポリエチレングリコ ー ル(PEG)との組み合わせによって、媒介される。いくつかの代替的な方法は 、プロトプラストの作製の必要性を回避し、手順をより迅速で簡便にしている。 インタクトな細胞は、リチウムアセテート及びPEGの組み合わせ、粒子砲撃法 (particle bombardment)(Lorito et al.;Curr.Genet.24(1993)34 9−356、及びHerzog et al.;Appl.Microbiol.Biotechnol.45(199 6)333−337)、又はエレクトロポレーション(Ozeki et al.;Biosci.B iotech.Biochem.58(1994)2224−2227)を用いて形質転換す ることができる。 細菌及び酵母の形質転換頻度に関して比較的低い糸状菌の形質転換頻度の観点 から、糸状菌におけるより高い形質転換頻度に対する必要性が存在する。 (2) アグロバクテリウムを用いる植物形質転換 植物のために開発された別の形質転換技術は、感染した双子葉植物の傷部位に クラウンゴール腫瘍を起こすグラム陰性土壌細菌であるAgrobacterium tumefaci ensの使用に基づいている。腫瘍誘導の間、アグロバクテリウムは、植物細胞に 付着し、次にその腫瘍誘導(Ti)プラスミドの一部分である移入DNA又はT −DNAを細胞に移入し、その移入されたDNA又はT−DNAは、細胞で植物 核ゲノムに組み込まれる。T−DNAは、24塩基対の不完全なダイレクトリピ ートに挟まれている。これらのダイレクトリピートは、「周縁リピート」又は「 ボーダー」又は「T−DNAボーダー」又は「ボーダー配列」又はこれらの組合 わせとしても知られている。T−DNAは、1セットの遺伝子を含む。これらの 遺伝子のサブセットであるonc遺伝子の発現は、植物細胞の増殖及び腫瘍の形 成を誘導する植物ホルモンの産生をもたらす。移入のプロセスは、Tiプラスミ ドにコードされている1セットの毒性遺伝子の誘導に依存する。移入系は、Vi rAがアセトシリンゴン(AS)のような傷を受けた植物からの誘導化合物を感 知したときに活性化される。転写活性化因子VirGを介して、残りのvir遺 伝子座が活性化され、線状一本鎖DNAであるT−ストランドが、virD1/ D2にコードされた部位特異的エンドヌクレアーゼによるボーダーリピートへの ニック導入の後に産生される。VirD2タンパクは、共有結合により5’ 末端に付着したままとなる。T−ストランドは、一本鎖結合タンパクVirEに よってコートされ、生じる複合体が植物細胞に移入される。T−DNA複合体が 細菌から植物細胞に移送されるメカニズムは充分に理解されていないが、T−D NA複合体はvirBオペロンによってコードされるタンパクからなる膜貫通構 造を通じてアグロバクテリウム細胞を去ると考えられている。Agrobacterium tu mefaciens形質転換に関する広範な総説については、Hooykaas and Schilperoort (Plant Molecular Biology 19(1992)15−38)及びHooykaas and B eijersbergen(Annu.Rev.Phytopathol.32(1994)157−179)を 参照されたい。Agrobacterium tumefaciensがそのT−DNAを植物細胞(そこ でそれがその核ゲノムに安定に組み込まれる)に移入する能力は、植物及び植物 細胞への遺伝子移入のためのこの生物の広く行き渡った使用をもたらしてきた。 Agrobacterium tumefaciens形質転換の後に植物の再生を可能にするためには、 T領域のonc遺伝子は、欠失されており、これは、武装解除した又は非発ガン 性のT−DNAをもたらす。植物形質転換のために、2つのタイプのベクター系 が開発されてきた。第一はバイナリー系であり、この中では、新規な遺伝子が人 工的T−DNAを含有するプラスミドのT−DNAボーダー間にクローニングさ れる。このプラスミドは、続いて、インタクトなvir領域を有するがT領域を 欠くTiプラスミドを持つアグロバクテリウム株へと導入される(Hoekema et al .;Nature 303(1983)179−180、及びBevan;Nucl.Acids Res. (1984)8711−8721)。第二は共組み込み(co-integrate)系で あり、この中では、新規な遺伝子は、インタクトなvir領域を有するTiプラ スミド上に既に存在する人工T−DNA中に相同組換えを介して導入される(Zam bryski et al.;EMBO J.(1983)2143−2150)。 多様な植物種がこのような系を用いて形質転換されてきた。これには、多くの 農業的に重要な双子葉類の種、例えばジャガイモ、トマト、大豆、ヒマワリ、サ トウダイコン及びワタが含まれる(総説については、Gasser and Fraley;Scienc e 244(1989)1293−1299)を参照されたい)。単子葉類植物の アグロバクテリウム形質転換は、長い間不可能であるように思われてきたが、現 在 では、トウモロコシ(Ishida et al.;Nature-Biotechnology 14(1996) 745−750)及びイネ(Almeida and Hodges;Planta 199(1996) 612−617)のようないくつかの種がアグロバクテリウムを用いて形質転換 されている。なぜこの方法が植物形質転換において広く用いられてきたかの理由 の1つは、その高い形質転換頻度である。例えば、タバコプロトプラストとの共 培養実験においては、約25%の微小カルス(アグロバクテリウムとの共培養後 にプロトプラストから再生されたもの(平均20%))が、形質転換された(Depic ker et al.;Mol.Gen.Genet.201(1985)477−484、及びVan d en Elzen et al.;Plant Molecular Biology (1985)149−154)。 これは、約5%までの細胞が形質転換されることを意味する。更に、この方法は 、裸のDNAを用いる他の植物形質転換法と比較してはるかに容易である。それ は、葉、茎、根及び塊茎の部分のようなインタクトな植物組織に適用可能である 。その上、この方法は、導入されるべき外来DNAを含むT−DNAのみが植物 ゲノムに組み込まれるという利点を有する。細菌においてベクターの選択及び複 製に必要なベクター配列は、細菌から植物細胞に移送されない。したがって、こ れは比較的清浄な形質転換方法である。 別のアグロバクテリウム種であるAgrobacterium rhizogenesは、同様の天然の 遺伝子移入系を有する。 (3) アグロバクテリウムを用いる微生物の形質転換 Agrobacterium tumefaciensを用いる植物の形質転換に関する多くの刊行物に 加えて、最近、微生物を形質転換するためのAgrobacterium tumefaciensの使用 に関するいくつかの研究の結果が刊行された。Beiiersbergenら(Science 25 (1992)1324−1327)は、A.tumefaciensの毒性系が、アグロバ クテリウム間の接合移入を媒介できることを明らかにしたが、これは同じ種の異 なる株の形質転換のみに関する。 Bundockら(EMBO J.14(1995)3206−3214)は、この土壌細 菌による酵母の形質転換の成功について報告した。この結果は、続いてPiersら (Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(1996)1613−1618)によっ て確認された。両グループとも、酵母においてT−DNAを安定化するために、 酵母2μ由来(Bundock et al.;EMBO J.14(1995)3206−3214) 又は酵母テロメア配列及びARS1複製起点(Piers et al.;Proc.Natl.Acad.Sc i.USA 93(1996)1613−1618)のようなS.cerevisiaeからのD NA配列を用いた。ごく最近、Risseeuwら(Mol.Cell.Biol.16(1996) 5924−5932)及びBundockとHooykaas(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(1 996)15272−15275)は、S.cerevisiaeにおけるT−DNA組み込 みのメカニズムに関する結果を報告した。 これらの刊行物によって利用可能にされたデータは、Agrobacterium tumefaci ensによる微生物の形質転換は、植物のそれよりもはるかに効率が悪いことを示 す。上述したように、植物においては約5%までの細胞が形質転換されているが 、酵母については、はるかに低い形質転換細胞/レシピエント細胞の比が報告さ れており、具体的には3×10-3(Piers et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(1996)1613−1618)及び3.3×10-6(EMBO J.14(1 995)3206−3214)である。 更に、微生物のA.tumefaciensによる形質転換は、微生物についての従来の形 質転換技術よりも効率が低いことが証明された。通常、裸のDNA移入について の形質転換頻度は、ベクターDNA1μgあたりの形質転換体の数として表され るが、一方、A.tumefaciens形質転換についての形質転換頻度は、しばしばレシ ピエント細胞の数に関して得られ得る形質転換細胞の数として表現される。酵母 の従来の形質転換に関する先行する刊行物(Gietz et al.;Yeast 11(199 5)355−360)において、形質転換体/μgベクターDNAに関する数字 とレシピエント細胞あたりの形質転換細胞に関する数字との両方が与えられてお り、これは、形質転換頻度を計算する2つの方法の間のリンクを与える。Gie tzらは、そのLiAc/SS−DNA/PEG手順を用いて反応中の最大約4 %の酵母細胞が形質転換され得たこと、すなわち4×10-2までの形質転換頻度 であったことを決定した。この刊行物の図1A及び対応する説明から、この4% が8×105形質転換体/μgベクターDNAに相当することを計算する ことができる。酵母のA.tumefaciens形質転換については、報告された最大の形 質転換頻度は、3×10-3(Piers et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93 (1996)1613−1618)及び3.3×10-6(Bundock et al.;EMBO J .14(1995)3206−3214)であり、これは、Gietzらにより 報告された裸のDNAを用いる酵母の最大形質転換頻度(4%)よりも、それぞ れ約10又は10,000倍低い。 したがって、この証拠に基づいて、A.tumefaciensは、微生物の形質転換のた めの更なる有望な道具であるようには思われない。これは、A.tumiefaciensを 用いて得られる形質転換頻度は、酵母の従来の形質転換方法よりはるかに低いか らである。 発明の概要 本発明は、アグロバクテリウムを糸状菌の形質転換に用いるというアイデアに 基づいている。たった1つの酵母種、すなわちSaccharomyces cereviciaeを用い て得られた、すぐ上に示した低い形質転換頻度にもかかわらず、本発明者らは、 糸状菌Aspergillus awamoriのAgrobacterium tumefaciens媒介性形質転換を研究 することを決定した。Aspergillus awamoriは、酵素、タンパク及び代謝産物の 生産について重要な糸状菌であるが、上記の数字によって示されるように従来の 糸状菌形質転換技術は比較的効率が悪いという不利な点を有する(Wardらを参照 されたい)。 驚くべきことに、Agrobacterium tumefaciensを用いる植物形質転換技術が、 糸状菌Aspergillus awamoriに成功裏に適用可能であることが見出された。いく つかの実験の後、107個のレシピエント細胞あたり7000個を超える形質転 換体の形質転換頻度が得られたが、これは、従来の形質転換を用いて得られた形 質転換頻度の約400倍である(以下の実施例1を参照されたい)。続いて、この 技術は、Aspergillus niger、Aspergillus nidulans、Fusarium solani pisi(C BS 230.34)、Fusarium graminearum(ATCC 20334)、Trichode rma reesei(CBS 383.78)、Colletotrichum gloeosporiodes (CBS 862.70)、Neurospora crassa(CBS 195.57),Pleurotus ostreatus(Somycel 3015株;「Proefstation voor de Champignoncultuu r」から購入したもの)、及びAgaricus bisporus(Horst U1市販株、これ も「Proefstation voor de Champignoncultuur」から購入したもの)を含め、多 様な糸状菌に成功裏に適用された。以下の表1に示すように、これらの糸状菌は 、異なる分類学的背景に属する。以下の表2は、Eumycotaの各門内の属及び種の およその数を与える。Mastigomycotina亜門は、Chytridiomycetes及びOomycetes を含む。実施例11に記載したように、Agaricus bisporus Horst U1株 の直接の形質転換は、以前には行われたことがなかった。したがって、本発明は 、この商業的に重要なHorst U1株の直接の形質転換を初めて提供する。 したがって、広い意味において、本発明は、糸状菌(糸状菌類firamentous fun giとしても知られる)の形質転換に関する。以下に与える実施例は、合わせて糸 状菌種の約95%を構成するEumycotaの3つの主要な亜門を表す(表2を参照さ れたい)。 Colletotrichum gloeosporioidesについては、本発明の方法は、裸のDNA移 入について刊行されている頻度よりも約5〜10倍優れている(実施例5を参照 されたい)。Fusarium graminearum(実施例7を参照されたい)、Neurospora cras sa(実施例8を参照されたい)、Trichoderma reesei(実施例9を参照されたい)、 及びPleurotus ostreatus(実施例10を参照されたい)のような試験した他の 糸状菌のいくつかは、アグロバクテリウム形質転換の後、最適な裸のDNA移入 方法と同様の形質転換頻度を与えた。糸状菌Aspergillus nidulans、Aspergillu s niger及びFusarium solaniは、アグロバクテリウム形質転換の後、裸のDNA 移入よりも低い形質転換頻度を与えた。Aspergillus種については、これは、お そらく形質転換体の選択に伴う問題によって引き起こされている(実施例3及び 4を参照されたい)。その他の糸状菌の形質転換は最適化されていないことは注 意されるべきである。植物におけるアグロバクテリウム形質転換での経験に基づ いて、形質転換効率が更に増大され得る可能性が高い。 これらの糸状菌の多くは、工業、農業及び基礎生物学研究において重要である 。 例えば、Aspergillus awamori、Aspergillus niger、Trichoderma reesei、及 びFusarium graminearumは、相同及び非相同タンパクの大量生産について魅力的 な宿主であることが示されている(Van den Hondel et al.;「Heterologous gene expression in firamentous fungi」(第18章)、書籍「More Gene Manipulation s in Fungi」(1991)中、397〜428頁、Bennett及びLasure編;Verdoes e t al.;Appl.Microbiol.Biotechnol.43(1995)195−205;Roye r et al.;Bio/Technology 13(1995)1479−1483)。これらは、 実質的な量のタンパクを培地中に分泌する能力を有し、大量発酵が一般によく確 立されており、そして、それらは、GRAS(一般に安全であるとの認識)地位 を有し、それが、これらの種を食品及び食品加工産業において使用することを可 能にする。 更に、糸状菌Fusarium graminearum A3/5、QuornRマイコタンパク菌 類は、英国において10年以上にわたって商業的な人間の食品源として用いられ てもきた(Royer et al.;Bio/Technology 13(1995)1479−1483 )。 糸状菌Fusarium solani及びColletotrichum gloeosporioidesは、菌類の病原 因子である(Marek et al.;Curr.Genet.15(1989)421−428;Hw ang et al.;The Plant Cell (1995)183−193)。 Aspergillus nidulans及びNeurospora crassaの両方は、遺伝メカニズム、生 化学的経路及び細胞生理学の基礎研究のための重要な生物であった(Vollmer and Yanofsky;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83(1986)4869−4873 ;書籍「Aspergillus:50 year on」(1994)、Martinelli及びKinghorn編)。 きのこ類Pleurotus ostreatus及びAgarucus bisporusは、食用であり、商業的 に重要である。本発明の方法を用いた成功裏の形質転換は、実施例10及び11 に記載されている。 1つの発現可能な遺伝子がこれらの糸状菌に導入され得るだけでなく、このよ うな遺伝子の複数コピーさえも、そのうえ例えば染色体pyrG遺伝子座にター ゲティングすることも可能であることが更に見出された。これらの複数コピーは 、所望の相同又は非相同タンパクをコードする遺伝子のものであることができる 。 本発明のこの態様は、実施例12に説明されている。図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpUR5750の構築を示す。構築スキームにおいて使用 されている略号の説明は、以下のとおりである: RB=右T−DNAボーダー、 Pnos=ノパリンシンターゼ遺伝子のプロモーター配列、 nptII=Tn5由来のネオマイシンホスホトランスフェラーゼII遺伝子のコ ード領域、 Tocs=オクトピンシンターゼ遺伝子のターミネーター配列、 TtrpC=A.nidulans trpC遺伝子由来のターミネーター配列、 hph=E.coli由来のハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子の コード領域、 Pgpd=A.nidulans gpd遺伝子のプロモーター配列、 LB=左T−DNAボーダー。 図2は、プラスミドpUR5751の構築を示す。構築スキームにおいて使用 されている略号の説明は、以下のとおりである: AMA1=Aspergillus nidulans由来のAMA1プラスミドレプリケーター。 図3は、8つの独立のAspergillus awamori形質転換体(nr.1〜8)のサ ザーンブロットのオートラジオグラフを示す。ゲノムDNAをBglII又はHi ndIIIで消化し(パネル1)又は消化しなかった(パネル2)。「M」は、1k bのDNAマーカー(BRL)を表し、ハイブリダイズするバンドは、1.6k bマーカーフラグメントを表す。「N」(上のパネル中)は、非形質転換糸状菌組 織の陰性対照試料である。 図4は、9つの独立の糸状菌形質転換体のサザーンブロットのオートラジオグ ラフを示す。番号1及び2は、Aspergillus niger形質転換体、番号5及び6は 、Trichoderma reesei形質転換体、番号7及び8は、Fusarium graminearum形質 転換体、番号9及び10は、Neurospora crassa形質転換体、及び番号11は、 Colletotrichum gloeosporioides形質転換体である。レーン3、4及び12は、 DNAを含んでいなかった。ゲノムDNAをHindIII(上のパネル)又はB glII(下のパネル)で消化した。「P」(上のパネル中)は、陽性対照を表し、 これは、Aspergillus awamori形質転換体7の未消化DNAである(図3を参照さ れたい)。「N」(下のパネル中)は、非形質転換糸状菌の陰性対照である。「M 」は、1kbのDNAマーカー(BRL)を表し、ハイブリダイズするバンドは 、0.5及び1.6kbのマーカーフラグメントを表す。 図5は、4つの独立のAgaricus bisporus形質転換体(nr.1〜4)のサザ ーンブロットのオートラジオグラフを示す。ゲノムDNAをBglIIで消化し( 1B〜4Bを参照されたい)、又は消化しなかった(1U〜4Uを参照されたい) 。 「M」は、1kbのDNAマーカー(BRL)を表す。 図6は、糸状菌A.awamori中の遺伝子の複数コピーの部位特異的組み込みのた めの方法の実験デザインを示す。 A. 野生型pyrG遺伝子を、図の上部に描く。この遺伝子のコード領域は、 明灰色を付けた四角で示す。 B. この下には、pyrG遺伝子の残りの非機能的5’部分を含む標的遺伝子 座及びA.awamoriのAWCSCE株の染色体pyrG遺伝子座の3’フランキン グ配列を示す。この株は、pyrG遺伝子の残りの5’部分の下流に位置するI −SceI部位を他の目的に使用した他の形質転換実験についても使用された。 「SalI−I−SceI−HindIII」は、SalI及びHindIII部位に 隣接したI−SceIエンドヌクレアーゼのための18bpの認識部位(5’− TAGGGATAACAGGGTAAT−3’=配列番号1)を含む合成DNA リンカーを意味する。I−SceIは、Saccharomyces cerevisiae由来の切断部 位の稀な(レアカッターの)制限エンドヌクレアーゼである。 C. AWCSCE株に導入されたフラグメントは、染色体標的位遺伝子座でp yrG遺伝子の残りの5’部分に部分的に相同なpyrG遺伝子の非機能的3’ 部分、単数又は複数の所望のタンパクをコードする単数又は複数の構造遺伝子を 含む1又は複数の遺伝子コピー(暗灰色を付けた四角1、2及びnで示される)、 及び標的遺伝子座でI−SceI部位のすぐ下流に存在する配列に相同なpyr G遺伝子座由来の更なる配列を含む。このフラグメントは、Agrobacterium tume faciensのベクター中に、そのベクター中に存在するT−DNAボーダー間に存 在し、このベクターは、vir領域を含むAgrobacterium tumefaciens株中にそ のDNA中に導入される。 D. 相同組換えの後、インタクトなpyrG遺伝子が回復され、複数の遺伝子 コピーが同時にpyrG遺伝子座に組み込まれる。これは、図の下方に説明され ている。 図7は、プラスミドpUR5710、pUR5711、及びpUR5712の 構築を示す。この構築スキームにおいて用いられている略号は、以下のとおりで ある: amp=アンピシリン耐性遺伝子 pyrG=A.awamori由来のpyrG遺伝子、‘pyrG又はpyrG’は、 この遺伝子がそれぞれ5’又は3’末端で短縮されていることを示す。 図8は、プラスミドpUR5713(図8A)及びpUR5714(図8B) の構築を示す。この構築スキームにおいて用いられている略号は、以下のとおり である: pBS−SK=pB1uescriptR−SK。 図9は、プラスミドpUR5716及び5718の構築を示す。この構築スキ ームにおいて用いられている略号は、以下のとおりである: cos=cos部位。 図10は、プラスミドpUR5729の構築を示す。この構築スキームにおい て用いられている略号は、以下のとおりである: PexlA=A.awamoriの1,4−β−エンドキシラナーゼA遺伝子のプロモ ーター配列、 cut=F.solani pisiクチナーゼ遺伝子のコード領域(cDNAの合成コピ ー)、 TexlA=A.awamoriの1,4−β−エンドキシラナーゼA遺伝子のターミ ネーター配列。 図11は、コスミドpUR5725の構築を示す。 図12は、プラスミドpUR5756の構築を示す。図10〜12については 、「cut」又は「cu」は、クチナーゼ発現カセットを示すために使用した。 発明の詳細な説明 本発明は、 (1)糸状菌に導入されるべき少なくとも1つの発現可能な遺伝子を含むDNA フラグメントを、最初に、Agrobacterium tumefaciensのベクター中に、 そのベクター中に存在するT−DNA間にクローニングし; (2)T−DNAボーダー間にDNAフラグメントを含むベクターを、vir領 域をDNA中に含むAgrobacterium tumefaciens株中に導入し; (3)上記Agrobacterium tumefaciensから、vir誘導化合物を添加すること によって上記DNAフラグメントを含むT−DNAを放出させ、このAgro bacterium tumefaciensを、形質転換されるべき糸状菌とともにインキュ ベートし;そして、 (4)導入されたDNA又はその発現生成物の特徴に依って、形質転換された糸 状菌を形質転換されていない糸状菌から選択し、 そして場合によっては、形質転換された糸状菌を培養すること を特徴とする、形質転換された糸状菌の生成方法を提供する。 形質転換された糸状菌の選択は、選択可能なマーカーを使用することによって 行うことができる。例えば、このような選択可能なマーカーは、天然の、野生型 の糸状菌株に特徴的であるが、一方、形質転換されるべき糸状菌株はその突然変 異株であって、その選択可能なマーカー、例えば野生型Aspergillus awamoriに は存在するオロチジン−5’−ホスフェートデカルボキシラーゼ遺伝子(pyr G遺伝子)が欠損している。好適な選択可能なマーカーとしては、抗生物質耐性 マーカー、その糸状菌株においては通常用いられない代謝産物の利用のための遺 伝子、及びアッセイの容易な生成物を産生させる遺伝子が挙げられる。 糸状菌に導入されたDNAは、しばしば選択可能なマーカーとして使用するこ とができる。例えば、導入されたDNAが発現された場合、それは、形質転換さ れていない糸状菌では産生されないが、多かれ少なかれアッセイ可能な生成物を もたらしうる。あるいは、DNAの存在又は非存在を、PCR技術を適用するこ とにより決定することができる。 好ましくは、糸状菌は、Eumycotaの菌類門に属し、より好ましくは、菌類亜門 : - Ascomycotina、これは、種Aspepgillus nidulans及びNeurospora crassaを含 む、 - Basidiomycotina、これは、Bjerkandera、Coprinus、Coriolus種、及び種Aga ricus bisporus、Flammulina velutipes(エノキタケ)、Lentinus edodes(シ イタケ)、Phanerochaete chrysosporium、Schizophyllum commune、Trichod derma matsutake、及びPleurotus ostreatusを含む、 - Deuteromycotina、これは、Beauveria及びMetarhizium種(昆虫に対する生物 学的防除剤として好適である)、Acremonium及びPenicillium種(抗生物質の 生産に好適である)及び種Aspergillus niger、Aspergillus awamori、Fusa rium solani、Fusarium graminearum、Trichoderma reesei、及びColletotr ichum gloesporioidesを含む、 - Mastigomycotina、これはAchiya(医薬的に活性なタンパクの生産に好適であ る)、Phytophtora、Pythium、及びPlasmopara種を含むOomycetesと、Rhizop hydium及びRhizophlyctis種を含むChytridiomycetesとを含む、及び - Mucor及びRhizopus種を含むZygomycotina の1つに属する。 本発明の好ましい態様においては、DNAフラグメントが所望の遺伝子の複数 のコピーを含んでいる方法が提供される。あるいは、DNAフラグメントは、い くつかの遺伝子の少なくとも1つのコピーを含んでいてもよく、又は、融合遺伝 子の1又は2以上のコピーを含んでいてもよい。 本発明の別の好ましい態様によれば、DNAフラグメントは、糸状菌ゲノムの 選択された遺伝子座に組み込まれる。そのような選択された遺伝子座の一例は、 糸状菌ゲノムのpyrG遺伝子座(これは、A.nigerについてはpyrA遺伝子 座、そしてNeurospora crassaについてはpyr4遺伝子座として知られている )である。これは、T−DNAボーダーを含む望ましくない細菌DNA配列をま ったく含まない形質転換された糸状菌の作製を可能にする。 したがって、本発明は、本発明にしたがったアグロバクテリウム媒介性形質転 換によって得られる、T−DNAボーダーを含む望ましくない細菌DNA配列を まったく含まない形質転換された糸状菌を提供する。このような形質転換された 糸状菌は、所望のタンパクを生産するために形質転換された糸状菌を培養するた めの方法において用いることができる。 本発明の別の態様によれば、T−DNAボーダー配列の1又は2以上の部分を 含む、アグロバクテリウム媒介性形質転換によって得られる形質転換された糸状 菌と同様に、DNAフラグメントが糸状菌ゲノム中にランダムに組み込まれる方 法、及び所望のタンパクを生産するためのこのような形質転換された糸状菌の培 養方法が提供される。 猛毒性A.tumefaciens株の使用は、それらが比較的高い形質転換頻度を与える ので、好ましい。このような株、その使用及びそのような株の作製のためのベク ターは、文献に記載されている。植物形質転換についてはJinら(J.Bacteriolog y 169(1987)4417−4425及びMolecular Microbiology (1 993)555−562)、Raineriら(BIO/TECHNOLOGY (January 1990 )33−38)及びIshidaら(Nature Biotechnology 14(1996)745− 750)、及び酵母の形質転換についてはPiersら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93 (1996)1613−1618)を参照されたい。 形質転換は、アグロバクテリウムを用いる植物形質転換に関するセクション( 2)において上述したような植物形質転換について公知の方法と同様の方法で共 組み込みによって又はバイナリー系によって行うことができる。 プロトプラスト、分生子胞子、発芽胞子、菌糸体、及びペレットを含むすべて のタイプの糸状菌組織を用いることができ、これらのうち、プロトプラスト、分 生子及び再水和された凍結乾燥培養物材料を以下に例示する。 アグロバクテリウム媒介性形質転換の利点としては、以下のものが挙げられる : - 「食品等級」の方法であり、細菌の抗生物質耐性マーカー、又は複製起点の ような他の細菌性配列の残存がない糸状菌株をもたらす。 - より大きい部分のDNAを導入することができる。約40kbまでのDNA を導入することができる裸のDNAでの糸状菌形質転換の古い方法とは対照 的に、アグロバクテリウム媒介性植物形質転換を用いると、少なくとも15 0kbの外来DNAを植物ゲノム中に導入することができる(Hamiltonet al .;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93(1993)9975−9979)。 実施例 本発明を、用いた材料及び方法の記載に続いて、以下の実施例1〜12によっ て例示する。これらの実施例は、プロトプラスト(実施例1)及び分生子(実施 例2)の両方のA.awamori、A.nidulansの分生子(実施例3)、A.nigerの分生 子(実施例4)、Colletotrichum gloeosporioides(実施例5)、Fusarium solani pisiの分生子(実施例6)、分生子及び再水和された凍結乾燥されたATCCの材 料の両方のFusarium graminearum(実施例7)、Neurospora crassaの分生子(実施 例8)、Trichoderma reeseiの分生子(実施例9)、Pleurotus ostreatusの分生子 (実施例10)、及びAgaricus bisporusの分生子(実施例11)の形質転換を示 す。更に、実施例12は、pyrG遺伝子座にクチナーゼ発現カセットの複数の コピーを導入することによるA.awamoriの形質転換を示す。材料及び方法 細菌及び糸状菌株 細菌クローニングについては、Escherichia coli株DH5α(ゲノタイプ:F- 、endA1、hsdR17(rk -k +)、supE44、thi−1、Iam bda-、recA1、gyrA96、relA1、Δ(argF−lacIZ YA)U169、deoR(phi80d−(lacz)ΔM15);Hanahan;J .Mol.Biol.166(1983)557−580)を用いた。Agrobacterium t umefaciens株LBA1100を、糸状菌の形質転換に用いた(Beijersbergen et al.;1992,Science 256,p.1324−1327)。糸状菌株Aspergil lus awamori #40(A.awamori CBS 115.52の誘導体、WO93/1 2237、9頁13行にも言及されている)、Aspergillus niger(株N402、A spergillus niger var.niger ATCC 9029、CBS 120.49のの cspA1(短い分生子胞子)突然変異体、ユニリバー(Unilever)のWO91 /19782に記載)、Aspergillus nidulans(Labcollection URL−VL)、F usarium solani pisi(CBS 230.34)、Fusarium graminearum(ATCC 20334)、Trichoderma reesei(CBS 383.78)、Colletotrichum g loeosporioides(CBS 862.70)、Neurospora crassa(CBS 195.5 7)、及びPleurotus ostreatus株Somycel 3015及びAgaricus bisp orus株Horst U1(ともに,「Proefstation voor de Champignon cultuur」 、P.O.Box 6042、5960 AA Horst、The Netherlandsから購入したもの) を、Agrobacterium tumefaciensでの形質転換のレシピエントとして用いた。 A.awamori #40(A.niger var.awamori #40としても知られている) の調製は、WO91/19782の13頁、29〜39行に記載されていた。こ こには以下のとおり記載されている: 「しかし、A.niger var.awamori形質転換体の産生レベルは、明らかに野生 型の株よりも多いキシラナーゼを産生するA.niger var.awamori #40のよ うな好適なA.niger var.awamori突然変異株を用いることによって更に増大 させることができる。 突然変異体A.niger var.awamori #40は、A.niger var.awamori胞子 の突然変異誘発及びキシラナーゼ産生についての選択によって得られた。ふす ま培地中で「xylA」A.niger var.awamori #40形質転換体は、190 ,000単位のキシラナーゼを産生したが、これは、最高の産生をするA.nig er var.awamori形質転換体に対してかなりの増大である。」 本明細書においては、以下のエンドヌクレアーゼ制限部位: 突出末端を生じるもの 平滑末端を生じるもの Afl II C↓TTAAG SmaI CCC↓GGG Bam HI G↓GATCC Bgl II A↓GATCT Eco RI G↓AATTC Hind III A↓AGCTT Kpn I GGTAC↓C Not I GC↓GGCCGC Pst I CTGCA↓G Sac I CAGCT↓C Sal I G↓TCGAC 及びSaccharomyces cerevisiae由来のレアカッター制限エンドヌクレアーゼで あるI−SceI 18bp: 5’−TAGGGATAACAGGGTAAT−3’=配列番号1 を用いた。 プラスミドの構築 プラスミドpUR5750(図1を参照されたい)は、ベクターpAN7.1 (Punt et al.;Gene 56(1987)117−124)に存在し、A.nudulan s gpd遺伝子由来のプロモーターがE.coli hph遺伝子のコード領域に融合 され、その後にA.nidulansのtrpC遺伝子由来のターミネーター配列が続く も のを含む4kbのBglII/HindIIIフラグメントを、バイナリーベクター pBIN19(Bevan,M.;Nucleic Acids Res.22(1984)8711−8 721)のBamHI/HindIII部位にクローニングすることによって構築 した。 プラスミドpUR5751(図2を参照されたい)は、Aspergillus nidulans 由来のプラスミドレプリケーターAMA1(Aleksenko and Clutterbuck;Molec ular Microbiology 19(1996)565−574)を、プラスミドpUR7 984由来の5.3kbのHindIIIフラグメントとして、pUR5750のH indIII部位にクローニングすることによって構築した。pUR7984は、 pHELP1(Clutterbuckにより提供されたもの)由来の5.3kb AMA1 HindIIIフラグメントを、pAN7.1のHindIII部位にクローニング することによって得た。この5.3kb AMA1 HindIIIフラグメントは 、EMBL/Genbank/DDBJ ヌクレオチド配列データライブラリー にAc.no.X78051として寄託されている配列の367位のHindII I部位と5620位のHindIII部位との間のフラグメントである。 アグロバクテリウム株LBA1100は、Beijersbergenら(Science 256 (1992)1324−1327)に最初に記載され、後のいくつかの刊行物に 引用されたものであるが、これを、Mozo及びHooykaas(Plant Mol.Biol.16 (1991)917−918)にしたがって構築物pUR5750及びpUR5 751を用いてエレクトロポレーションした。 このアグロバクテリウム株LBA1100は、ブダペスト条約の下にオランダ 、BaarnのCentraalbureau voor Schimmelculturesに1997年3月27日 に寄託された(番号:CBS 634.97)。 形質転換実験 バイナリーベクターpUR5750を含むアグロバクテリウム株を、以下の濃 度の適切な抗生物質を含有するLBプレート上で29℃で一晩生育させた:カナ マイシン、100μg/ml;スペクチノマイシン、250μg/ml;リファ ンピシン、20μg/ml。単一コロニーを最少培地上にストリークした。最少 培地(MM)は、1リットルあたり以下のものを含有する:10ml K−緩衝 液、pH7.0(200g/l K2HPO4、145g/l KH2PO4)、20 ml M−N(30g/l MgSO4・7H2O、15g/l NaCl)、1m l 1%CaCl2・2H2O(W/V)、10ml 20%グルコース(W/V)、 10ml 0.01%FeSO4(W/V)、5ml 胞子元素類(100mg/l ZnSO4・7H2O、100mg/l CUSO4・5H2O、100mg/l H3BO3、100mg/l MnSO4・H2O、100mg/l Na2Mo O4・2H2O)及び2.5ml 20% NH4NO3(W/V)(Hooykaas et al .;J.Gen.Microbiol.110(1979)99−109)、15g/lのバク トアガー、及び適切な抗生物質。プレートを、29℃で1〜2日間インキュベー トした。いくつかのコロニーを適切な抗生物質を含有する最少培地に接種し、2 9℃で一晩生育させた。アグロバクテリウム細胞を約0.15のOD660nmに誘 導培地で希釈した後、培養物を、29℃で6時間生育させた。誘導培地(IM) は、10ml 20%グルコース(W/V)が10mM グルコースで置き換え られ、40mM MES(ex Sigma)(pH5.3)、0.5%グリセロール(W/ V)及び200μMアセトシリンゴン(AS)が添加されていることにおいて最 少培地と異なる。アグロバクテリウムによる糸状菌の形質転換がT−DNAの移 入に依存することを確認するために、vir誘導剤ASを除外した陰性対照を含 ませた。分生子は、糸状菌株を、PDA(ジャガイモデキストロース寒天)上に 置いたニトロセルロースフィルター(Hybond−N、Amersham)上で数日間 室温で生育させ、続いて、フィルターを生理塩類溶液で洗浄することによって得 た。A.awamoriのプロトプラストは、Punt及びVan del Hondelによって記載さ れたように調製した(Methods in Enzymology 216(1993)447−45 7)。プロトプラストの形質転換については、106〜107個のプロトプラスト を含有する100μlのアリコートを、100μlのアグロバクテリウム培養物 と混合した。分生子の形質転換については、分生子を生理塩類溶液中で106、 107、又は108分生子/mlの濃度に希釈し、100μlを100μlのアグ ロバクテリウム培養物と混合した。続いて、この混合物を、5mMグルコース含 有IMプレート(15g/lのバクトアガーを含 有するIM培地)上に置いたニトロセルロースフィルター上にプレーティングし 、室温又は29℃で、2、3、5又は6日間(実施例に示すように)インキュベ ートした。陰性対照試料は、vir誘導剤ASを除外したIMプレート上でイン キュベートした。その後、フィルターをAspergillus最少培地プレート(Bennett and Lasure、Growth Media、Bennett and Lasure編、「More Gene Manipulation s in Fungi」、Academic Press、San Diego(1991)中、441−458頁) 又はアグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転 換体を選択するためのハイグロマイシン(濃度については実施例を参照されたい )を含有するPDAプレートに移した。 DNAの単離及びサザーン解析 糸状菌細胞が形質転換され、所望のDNAがゲノム中に組み込まれたことを分 子レベルで確認するために、サザーン解析を行った。ゲノムDNAの単離のため の菌糸体材料を得るために、約108個の糸状菌分生子を、0.5%酵母エキスト ラクトを添加したAspergillus最少培地50mlに接種し、振とう器中、200 rpmで30℃で22時間〜3日間にわたる期間、インキュベートした。菌糸体 は、Miracloth(登録商標)(Calbiochem)を通して収穫し、液体窒素中 で急速凍結した。凍結試料を、Mikro−Dismembrator(登録商 標)(ex Braun Biotech International)を用いて1750rpmで1分間、細か い粉末にすりつぶした。糸状菌ゲノムDNAを、Qiagenゲノムチップ(カ タログ番号10223)及び供給者から提供される糸状菌類からのゲノムDNA 精製のためのプロトコールを用いて単離した。細胞壁物質の消化のための工程は 省略した。約2.5μgのDNAを、BglII又はHindIII(4単位/μg) を用いて16時間消化し、0.8%アガロースTBEゲル上で分離した。DNA を、キャピラリブロッティング(一晩)によってHybond−N膜に移し、こ の膜を、Hybondのプロトコールにしたがって(プレ)ハイブリダイズさせ た。図3に掲げたサザーンブロットについては、上述のpAN7.1由来の4k bのBglII/HindIIIフラグメントをプローブとして用いた。図4及び5 に掲げたサザーンブロットについては、pAN7.1由来の0.8kb BamH I/Ec oRIフラグメントをプローブとして用いた。これは、E.coliのhph遺伝子 の一部を含んでいた。α32P−dCTPで標識されたDNAプローブを、Gib coBRLからのRTS RadPrime DNAラベリングシステム(カタ ログ番号10387−017)を用いて得た。電気的オートラジオグラフは、I nstant Imager(Packard)を用いて得た。実施例1:A.awamoriプロトプラストの形質転換 プロトプラストの単離のために、200mlの0.5%酵母エキストラクト含 有MM培地を含む振とうフラスコに、106分生子/mlのA.awamoriを接種し 、振とう器中、200rpmで18時間、30℃でインキュベートした。菌糸体 を、滅菌したMicrocloth(登録商標)を通して収穫し、氷冷した0.6 M MgSO4で洗浄した。菌系体を、OM培地(1リットルあたり:500m l 2.4M MgSO4、480ml H2O、16.8ml 0.5M Na2H PO4、3.2ml 0.5M NaH2PO4、pH5.8〜5.9)中に5ml/ g菌糸体で再懸濁した。続いて、菌糸体1gあたり5mgのNovozyme 234(登録商標)及び6mgのBSAを添加した。振とう器中、80〜100 rpmで30℃で1〜2時間、プロトプラスト化を進行させた。プロトプラスト の形成は、光学顕微鏡を用いてチェックした。プロトプラストを、滅菌したMi racloth(登録商標)を通してろ過し、試料を、ファルコンチューブ中に 30mlのアリコートに小分けした。STC(1.2M ソルビトール、10m Mトリス/HCl pH7.5、50mM CaCl2・2H2O)を添加して容 量を50mlとし、2000rpmで4℃で10分間遠心することによりプロト プラストを収穫した。このプロトプラストを、50mlのSTC中で再び洗浄し 、約108プロトプラスト/mlの濃度でSTC中に再懸濁した。A.tumefacien sを用いる形質転換の頻度をPEG形質転換と比較するために、PEG形質転換 も行った。5μgのpAN7.1を、100μl(107)のプロトプラストのア リコートに添加し、混合して、氷上で25分間インキュベートした。PEGを2 つの200μlアリコートと1つの850μlアリコートとに分けて添加し、混 合物を、室温で20分間インキュベートした。最後に、混合物を、10mlのS TCで洗浄し、 2000rpmで室温で10分間の遠心によって収穫し、試料を、形質転換体の 選択のために100μg/mlのハイグロマイシンを含有するMMプレート上に プレーティングした。 A.tumefaciens形質転換については、3×106〜107個のプロトプラストを 含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載したとおりに生育させた1 00μlのA.tumefaciensと混合した。この試料から、1/10、1/100及 び1/1000の希釈物をIM中に作製した。続いて、この混合物を、5mMグ ルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター上にプ レーティングし、室温又は29℃で2日間インキュベートした。その後、フィル ターを、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形 質転換体を選択するための100μg/mlハイグロマイシンを含有するAsperg illusMMプレートに移した。3回の別個の実験を、バイナリーベクターpUR 5750を含むA.tumefaciensを用いて行った。各実験において、形質転換は、 2重に行い、ASなしの陰性対照を含ませた。結果を、以下の表3に示す。形質 転換されたハイグロマイシン耐性細胞は、ASを含有する培地でのみ得られた。 陰性対照は、形質転換体細胞をまったく生じなかった。これらの結果から、曖味 ではなく、糸状菌細胞へのT−DNAの移入にはvir遺伝子の誘導が必須であ り、したがってA.tumefaciensは糸状菌Aspergillus awamoriを形質転換するこ とができることが明らかである。形質転換頻度は、約300〜7200形質転換 体/107プロトプラストまで変化したが、これは、初期の刊行されていない実 験において得られたPEG形質転換について得られた値よりもはるかに高い。p AN7.1(pUR5750にも存在する、ハイグロマイシン遺伝子を選択可能 マーカーとして有する同じ発現カセットを含有する;材料及び方法を参照された い)を用いたPEG形質転換については、18個までの形質転換体/μg/107 プロトプラストが得られた。これは、Wardらにより刊行された約12形質 転換体/μgベクターDNAの値と一致する(上記を参照されたい)。 これらのデータは、A.tumedaciens媒介性糸状菌形質転換を用いることによっ て、PEG形質転換を用いるよりも400倍まで多い形質転換体(/μg/107 プロトプラスト)が生成され得ることを明らかにしている。 更に、実験3(以下の表3を参照されたい)においては、同じバッチのプロト プラストを用いて両形質転換方法間で直接比較がされた。2回のPEG形質転換 においては、107個のプロトプラストの形質転換あたり5μgのpAN7.1を 用いて、それぞれ6及び16個の形質転換体が得られた。これは、平均して、2 .2形質転換体/μg/107プロトプラストである。A.tumefaciens形質転換を 用いて、300及び480形質転換体/107レシピエント細胞が得られ、した がって平均で390形質転換体/107レシピエント細胞であった。 そこで、A.tumefaciensを用いる本発明の方法を適用することによって、約1 80倍多くの形質転換体が得られた。 実験1及び2において、プレーティング効率(出発細胞の数に関する生存細胞 の%)は、ハイグロマイシンなしのMMプレート上に1/1000及び1/10 ,000希釈物をプレーティングすることによって決定した。実験1においては 、プレーティング効率は5%であり、実験2においては2.6%であった。 形質転換体のHyg耐性表現型は、78個のランダムに拾った形質転換体につ いて、200μMセフォタキシム及び100μg/mlハイグロマイシンを含有 するMMプレート上に分生子をストリークすることによって確認した。これらの 形質転換体の8個から、個々のコロニーからの分生子を、100μg/mlハイ グロマイシンを含有するMMプレート上に再びストリークした。これを2回繰り 返した。続いて、分生子を単離し、培養物を生育させて、ゲノムDNA単離のた めの菌糸体を得た。DNAの単離及びサザーン解析は、材料及び方法に記載して ある。ゲノムDNAを、BglII又はHindIIIで消化した。BglIIはT− DNA内では切断しないので、この消化によってT−DNA全体及び左右のT− DNAの両方のボーダー部位に隣接する染色体配列にわたるフラグメントが生成 されることになる。このフラグメントは、少なくとも7.5kbであろう。Hi ndIIIは、T−DNA中で1カ所切断し、pAN7.1プローブは、左のT−D NAボーダーに隣接する染色体配列及びハイグロマイシン発現カセットを有する T−DNAフラグメントのみを検出する。このフラグメントは、少なくとも5k bであろう。消化されていないDNAは、高分子量染色体DNA中のT−DNA の存在を確認するために含まれていた。サザーンブロットのオートラジオグラフ を、図3に示す。8個すべての形質転換体において、T−DNAは、単一の染色 体遺伝子座に組み込まれていた。8個のうちの7個はまた、単一のT−DNAの 取り込みを含んでいた。1つのケースにおいて、T−DNAは、タンデムリピー トとして組み込まれていた。未消化DNA試料を用いると、ハイブリダイゼーシ ョンシグナルは、高分子量DNAと一致し、T−DNAが染色体中に組み込まれ ていることが確認される。 A.tumefaciensを用いる形質転換を、バイナリーベクターpUR5750だけ でなく、バイナリーベクターpUR5751を用いても行った(図2を参照され たい)。このベクターは、Aspergillus nidulans由来のプラスミドレプリケータ ーAMA1を含有している。AMA1レプリコンを有するプラスミドは、Asperg illus nidulans中で自律的に維持されることができる。したがって、このT−D NAは、T−DNAが染色体外要素として存在する形質転換細胞を生じることが できるはずである。2つの実験の結果を、上記の表3に示す。形質転換頻度は、 約300〜950形質転換体/107プロトプラストまで変化した。形質転換体 のHyg耐性表現型は、20個のランダムに拾った形質転換体について、100 μg/mlハイグロマイシンを含有するMMプレート上に胞子をストリークする ことによって確認した。実施例2:Aspergillus awamori分生子の形質転換 Aspergillus awamori分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、107 個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載したように生 育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この試料から、1/10又は 1/100希釈物をIM中で作製した。続いて、この混合物を、5mMグルコー スを含むIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター上にプレーティン グし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィルターを、アグロバクテ リウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転換体を選択するた めの100μg/mlハイグロマイシンを含有するAspergillus MMプレート に移した。2回の実験の結果を、上の表3に示す。また、この場合にも、形質転 換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存した。形質転換頻度は、約1000 〜2000形質転換体/107分生子まで変化したが、これは、プロトプラスト 形質転換後の頻度と同じ範囲内である。形質転換体のHyg耐性表現型は、15 個のランダムに拾った形質転換体について、200μMセフォタキシム及び10 0μg/mlハイグロマイシンを含有するMMプレート上に分生子をストリーク することによって確認した。実施例3:Aspergillus nidulans分生子の形質転換 Aspergillus nidulans分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、107 個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載したよ うに生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この混合物を、5mM グルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター上に プレーティングし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィルターを、 アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転換体 を選択するための1000μg/mlハイグロマイシンを含有するAspergillus 最少培地プレートに移した。フィルターに、同じ濃度のセフォタキシム及びハイ グロマイシンを含有するMM寒天を重層した。 Aspergillus nidulansを用いては、選択が面倒であることがわかった。明らか に、共培養中に分生子が発芽し、厳密な選択を可能にするには程遠く生育した。 この観察は、Cullenら(Gene 57(1989)21−26)によって得られた 結果と一致する。彼らは、選択開始前のインキュベーション時間が良好な結果の ために非常に重要であることを決定した。選択が開始される前に16時間を超え るインキュベーション期間を適用すると、有意なバックグラウンドの生育がもた らされ、一方、8時間のみのこのようなインキュベーションの後は、まったくコ ロニーが観察されなかった。報告された数字は、12時間のこのようなインキュ ベーションの後でも得られた。彼らは、ハイグロマイシン感受性に関して実質的 な株変動性をも観察した。Cullenらの結果からみて、この実施例の形質転換頻度 は、選択を適用する前のインキュベーション期間を最適化することによって改良 され得る。 結果を、上の表3に示す。全部で15の推定形質転換コロニーが得られた。更 に、陰性対照は、3個の生育し、胞子形成するコロニーを生じた。形質転換され た表現型を確認するために、分生子を、200μMのセフォタキシム及び100 0μg/mlのハイグロマイシンを含有するMMプレート上にストリークした。 陰性対照は生育せず、15の推定形質転換体のうち3個のみが生育できた。した がって、この場合もまた、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存し た。 ハイグロマイシン耐性遺伝子を用いるPEG形質転換に関する文献データは、 5〜20形質転換体/μgベクターDNAの形質転換頻度を示す(Cullen et al. ;Gene 57(1989)21−26;Punt et al.;Gene 56(1987) 117−124)。別の選択可能なマーカーであるargB遺伝子を用いて、Fun ganoら(FEMS Microbiology Letters 125(1995)293−298)は、 ベクターDNA1μgあたり81までの形質転換体を得、一方、trpC遺伝子 をマーカーとして用いて20〜300形質転換体/μgベクターDNAが得られ た(Yelton et al.;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81(1984)1470 −1474)。これらの文献データは、アグロバクテリウムによる形質転換を用 いて得られる形質転換体の数は、別の選択可能なマーカーを用いることによって 改良することができることを示唆する。実施例4:Aspergillus niger分生子の形質転換 Aspergillus niger分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、105、 106又は107個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記 載したように生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この混合物を 、5mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィル ター上にプレーティングし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィル ターを、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形 質転換体を選択するための200μg/mlハイグロマイシンを含有するAsperg illus最少培地プレートに移した。一般に、選択は面倒であることがわかった。 明らかに、共培養中に、分生子は発芽し、厳密な選択を可能にするには程遠く生 育した。これは、フィルター上に、200μMのセフォタキシム及び200μg /mlのハイグロマイシンを含有するMM寒天からなる重層を用いることによっ て、ある程度改良できた。 典型的な実験の結果を上の表3に示す。この実験では、陰性対照プレート上に 6個の生育するコロニー、及びASを含有する形質転換プレート上に6個の推定 形質転換コロニーが生じた。これらのコロニーのハイグロマイシン耐性表現型を 確認するために、12個すべてのコロニーからの分生子を、200μMのセフォ タキシム及び200μg/mlのハイグロマイシンを含有するMMプレート上に ストリークした。6個の推定形質転換体のうち、5個のみが新しい選択プレート 上で生育した。残りの推定形質転換体及び陰性対照実験からのコロニーは、生育 しなかった。したがって、この場合もまた、形質転換は、ASによるvir遺伝 子の誘導に依存した。2個の形質転換体をサザーン解析に供した。ゲノムDNA をBglII又はHindIIIで消化した。BglIIは、T−DNA内では切断せ ず、したがって、この消化は、T−DNA全体及びT−DNAの左右のボーダー 部位に隣接する染色体配列にわたるフラグメントを生じるであろう。このフラグ メントは、少なくとも7.5kbであろう。HindIIIは、T−DNA中で1カ 所切断し、pAN7.1からのhph遺伝子についてのプローブは、左のT−D NAボーダーに隣接する染色体配列及びハイグロマイシン発現カセットを有する T−DNAフラグメントのみを検出する。このフラグメントは、少なくとも5k bであろう。サザーン解析(図4を参照されたい)によって、両形質転換体にお いて、T−DNAは単一の染色体遺伝子座に組み込まれていることが明らかにな り、これによって形質転換された表現型が分子レベルで確認された。 ハイグロマイシン耐性遺伝子を用いるPEG媒介性プロトプラスト形質転換に 関する文献データは、5〜20形質転換体/μgベクターDNA(Punt et al. ;Gene 56(1987)117−124)及び17,000までの形質転換体/ μg(Mohr and Esser;Appl.Microbiol.Biotechnol.34(1990)63 −70)の形質転換頻度を示す。しかし、後者の著者は、その刊行物中で; 「完全培地上での一次単離物のコロニー精製の後、ほんのわずかの株(約 10%)のみしかハイグロマイシン培地上で生育しなかった。」 と述べている。 明らかに、彼らは、その選択方法について問題を有していた。argB遺伝子 を用いるエレクトロポレーションによるインタクトな発芽中の分生子の形質転換 については、0.5〜4形質転換体/μgベクターDNAの形質転換頻度が記載 されている(Ozeki et al.;Biosci.Biotech.Biochem.58(1994)222 4−2227)。実施例5:Colletotrichum gloeosporioides分生子の形質転換 Colletotrichum gloeosporioides分生子のA.tumefaciensによる形質転換のた めに、105又は106個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び 方法に記載したように生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この 混合物を、5mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロー スフィルター上にプレーティングし、室温で2日間インキュベートした。その後 、フィルターを、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシ ム及び形質転換体を選択するための100μg/mlハイグロマイシンを含有す るAspergillus最少培地プレートに移した。室温で5日間のインキュベーション の後、コロニーが形質転換プレート上に出現した。105個の分生子を用いた形 質転換は、7個の形質転換体を生じ、一方、106個の分生子を用いた形質転換 は、175個の形質転換体を生じた。陰性対照プレート上にはコロニーは得られ なかった。1日後、小さいコロニーが陰性対照プレート上に出現し始めた。明ら かに、選択は、非形質転換細胞の生育が完全に阻害されるほど充分にきついもの ではなかった。Hyg耐性表現型を確認するために、11個の推定形質転換コロ ニー及び3個の陰性対照からのコロニーからの菌糸体を、200μMのセフォタ キシム及び100μg/mlのハイグロマイシンを含有するMMプレート上に移 した。 11個の推定形質転換体のうち、8個が新しい選択プレート上で生育した。3個 の残りの推定形質転換体及び3個の陰性対照実験からのコロニーは、生育しなか った。したがって、この場合もまた、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘 導に依存した。上の表3に示した結果は、得られた偽陽性について修正されてい る。形質転換により、500〜1300形質転換体/107分生子が生じた。1 個の形質転換体を、実施例4に記載したとおりにサザーン解析に供した。これに よって、T−DNAは単一の染色体遺伝子座に組み込まれていることが明らかに なり、それによって形質転換された表現型が分子レベルで確認された。 Stephensonら(Aust.Soc.Biochem.Mol.Biol.26(1994)Pos− 1−31)は、100未満の形質転換体/μgの形質転換頻度を報告した。以前 、ArmstrongとHarris(Phytopathology 83(1993)328−332)は、 選択のためにベノミル殺真菌剤耐性を用いた場合、2〜50形質転換体/108 プロトプラストの形質転換頻度を報告していた。実施例6:Fusarium solani pisi分生子の形質転換 Fusarium solani pisi分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、105 又は107個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載し たように生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この混合物を、5 mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター 上にプレーティングし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィルター を、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転 換体を選択するための100μg/mlハイグロマイシンを含有するAspergillu s最少培地プレートに移した。結果を、上の表3に示す。 107個の分生子の形質転換により、1個の形質転換体が生じた。陰性対照プ レート上には、コロニーは得られなかった。形質転換体のHyg耐性表現型を、 200μMのセフォタキシム及び100μg/mlのハイグロマイシンを含有す るMMプレート上で形質転換体を生育させることによって確認した。この場合も また、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存した。 プロトプラストのPEG形質転換のために、ハイグロマイシン耐性遺伝子を使 用した場合、10,000形質転換体/μg/107プロトプラストの形質転換頻 度が、Fusarium solani f.sp.cucurbitae race 2について報告された(Crowhu rst et al.;Current Genetics 21(1992)463−469)。PEG及び リチウムアセテートによるFusarium solani f.sp.phaseoliの形質転換は、Mar ekらの報告(Curr.Genet.15(1989)421−428)によると、0.2 〜3.3形質転換体/μgを生じた。実施例7:Fusarium graminearum分生子及び再水和された凍結乾燥ATCC材料 の形質転換 Fusarium graminearum分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、4× 105の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載したよう に生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。また、再水和されたAmer ican Type Culture Collectionから入手した凍結乾燥培養物も、形質転換に用い た。二重のバイアル中に存在する凍結乾燥材料を、0.4mlの滅菌水を添加 することによって再水和し、室温で30分間インキュベートした。形質転換に使 用されたこの材料は、4℃で約2週間貯蔵された。ATCC材料の100μlの アリコートを、200μlのA.tumefaciensと混合した。これらの混合物を、5 mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター 上にプレーティングし、室温で2日間インキュベートした。ATCC材料の半分 は、IMプレート上で5日間共培養した。その後、フィルターを、アグロバクテ リウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転換体を選択するた めの150μg/mlハイグロマイシンを含有するPDAプレートに移した。 結果を、上の表3に示す。4×105個の分生子の形質転換により1個の形質 転換体が生じた。これは、25形質転換体/107分生子である。ATCC材料 については、5日間共培養した場合に5個の形質転換体が得られた。陰性対照プ レート上ではコロニーは得られなかった。形質転換体のHyg耐性表現型を、2 00μMのセフォタキシム及び150μg/mlのハイグロマイシンを含有する PDAプレート上で形質転換体を生育させることによって確認した。この場合も また、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存した。ATCC材料の 形質転換後に得られた2個の形質転換体を、実施例4に記載したとおりにサザー ン解析に供した。これによって、T−DNAは単一の染色体遺伝子座に組み込ま れていることが明らかになり、それによって形質転換された表現型が分子レベル で確認された。 PEG形質転換法を用いたA.nidulansのアセトアミダーゼ遺伝子での5×1 06〜2×107個のFusarium graminearumのプロトプラストの形質転換は、5形 質転換体/μgの形質転換頻度をもたらした(Royer et al.;Bio/Technology (1995)1479−1483)。実施例8:Neurospora crassa分生子の形質転換 Neurospora crassa分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、105個 の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載したように生育 させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この混合物を、5mMグルコー スを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルター上にプレー ティングし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィルターを、アグロ バクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質転換体を選択 するための200μg/mlハイグロマイシンを含有するAspergillus最少培地 プレートに移した。結果を、上の表3に示す。最初の実験においては、105個 の分生子の形質転換により、約50個の形質転換体が生じ、一方、1/10希釈 物では5個の形質転換体が生じた。2番目の実験においても、105個の分生子 の形質転換により、約50個の形質転換体が生じた。これは、形質転換により5 000までの形質転換体/107分生子が生じることを意味する。20個の形質 転換体のHyg耐性表現型を、200μMのセフォタキシム及び200μg/m lのハイグロマイシンを含有するAspergillus最少培地プレート上で形質転換体 を生育させることによって確認した。この場合もまた、形質転換は、ASによる vir遺伝子の誘導に依存した。2個の形質転換体を、実施例4に記載したよう にサザーン解析に供した。これによって、T−DNAは単一の染色体遺伝子座に 組み込まれていることが明らかになり、それによって形質転換された表現型が分 子レベルで確認された。 Neurospora crassaは、多様な方法を用いて形質転換されてきた。発芽分生子 は、ハイグロマイシン耐性遺伝子を用いるエレクトロポレーションによって形質 転換され、3000〜6000形質転換体/μg/107分生子の形質転換頻度 が得られた(Chakraborty et al.;Can.J.Microbiol.37(1991)858 −863)。発芽分生子のリチウムアセテート形質転換は、2〜10形質転換体 /μg/107分生子の形質転換頻度をもたらした(Dhawale et al.;Curr.Gen. (1984)77−79)。プロトプラストのPEG形質転換は、400〜1 5,000形質転換体/μgの範囲にわたる形質転換頻度をもたらした(Vollmer and Yanofsky;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83(1986)4867−487 3)。実施例9:Trichoderma reesei分生子の形質転換 Trichoderma reesei分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、105 個又は107個の分生子を含む100μlのアリコートを、材料及び方法に記載 したように生育させた100μlのA.tumefaciensと混合した。この混合物を、 5mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニトロセルロースフィルタ ー上にプレーティングし、室温で2日間インキュベートした。その後、フィルタ ーを、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及び形質 転換体を選択するための100μg/mlハイグロマイシンを含有するAspergil lus最少培地プレートに移した。 結果を、上の表3に示す。107個の分生子の形質転換により、約240個の 形質転換体が生じ、一方、105個の分生子の形質転換により、12個の形質転 換体が生じた。これは、形質転換頻度が240〜1200形質転換体/107分 生子の間で変化することを意味する。9個の形質転換体のHyg耐性表現型を、 200μMのセフォタキシム及び100μg/mlのハイグロマイシンを含有す るAspergillus最少培地プレート上で形質転換体を生育させることによって確認 した。この場合もまた、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存した 。2個の形質転換体を、実施例4に記載したようにサザーン解析に供した。これ によって、T−DNAは単一の染色体遺伝子座に組み込まれていることが明らか になり、それによって形質転換された表現型が分子レベルで確認された。 同じハイグロマイシン選択可能マーカー遺伝子(pAN7.1)をプロトプラ ストのPEG形質転換に使用した場合、約100形質転換体/μg/107プロ トプラストが得られた(Mach et al.;Current Genetics 25(1994)567 −570)。ハイグロマイシン遺伝子にTrichoderma reesei自身に由来する相同 発現シグナルが隣接していた場合、Machらは、1800〜2500形質転換 体/μg/107プロトプラストの増大した形質転換頻度を報告した。同様な結 果は、Gruber(Curr.Genet.18(1990)447−451)によって報告 された。非相同ベクターを用いて、彼らは、約800〜1500形質転換/μg を得た。相同pyrG遺伝子を含むベクターは、12,000までの形質転換体 /μgを生じた。実施例10:Pleurotus ostreatus分生子の形質転換 食用きのこの形質転換に関しては、ほとんど刊行物が知られていない。Pengら (Curr.Genet.22(1992)53−59)は、Pleurotus ostreatusを形質 転換するのに成功したが、形質転換された株は不安定であった。しかし、最近、 Yanaiら(Biosci.Biotech.Biochem.60(1996)472−475)は、 安定なPleurotus ostreatus形質転換体を得た。 Pleurotus ostreatus分生子のA.tumefaciensによる形質転換のために、2つ の手順を用いた。実験1においては、1.25×107個の分生子のアリコートを 、材料及び方法に記載したように生育させた150μlのA.tumefaciensと混合 した。この混合物を、5mMグルコースを含有するIMプレート上に置いたニト ロセルロースフィルター上にプレーティングした。実験2においては、2.5× 107個の分生子を、PDAプレート上に置いたニトロセルロースフィルター上 にプレーティングし、室温で4日間プレインキュベートした。続いて、フィルタ ーをシャーレに移し、25mlのIM中のアグロバクテリウム培養物(材料及び 方法に記載したように6時間生育させたもの)に浸け、室温で1時間インキュベ ートした。その後、フィルターを、5mMグルコースを含有するIMプレート上 に置いた。このプレートを、室温で3〜6日間インキュベートした。その後、フ ィルターを、アグロバクテリウム細胞を殺すための200μMセフォタキシム及 び形質転換体を選択するための75μg/mlハイグロマイシンを含有するPD Aプレートに移した。6日間の共培養後の結果を、上の表3に示す。107個の 分生子の形質転換により、約48個の形質転換体が生じた。 分生子を直接形質転換に用いた場合、形質転換体は、6日間の共培養後のみに 得られた(実験1)。しかし、分生子を形質転換前に4日間プレインキュベートし た場合(実験2)、形質転換体は、3日及び6日の共培養後に得られたが、3日後 では6日後よりも形質転換体の数が少なく、48ではなく10であった。この場 合もまた、形質転換は、ASによるvir遺伝子の誘導に依存した。 同じハイグロマイシン選択可能マーカー遺伝子(pAN7.1)をプロトプラ ストのPEG形質転換に使用した場合、約5〜46形質転換体/μg/107生 存プロトプラストが得られた(Peng et al.;Current Genetics 22(1992) 53−59)。優性選択マーカーとしてバイアラフォス(bialaphos)を用いて、 Yanaiら(Biosci.Biotech.Biochem.60(1996)472−475)は、 約2形質転換体/μgを得た。実施例11:Agaricus bisporus分生子の形質転換 A.tumefaciensによる形質転換のために、市販のHorst U1株由来のAg aricus bisporus分生子を使用した(「Proefstation voor de Champignoncultuur」 、P.O.Box 6042、5960 AA Horst、TheNetherlandから購入した)。以下 の培地を用いて分生子を発芽させた。Oxoidから購入したMaltextr act寒天(MOx;50g/l、マルトエキストラクト、菌学的ペプトン及び 寒天を含有)又は「Proefstation voor de Champignoncultuur」によって特定され たとおりのMaltextract寒天(MPrf;2%マルトエキストラクト 、10mM MOPS、1.5%寒天、KOHでpH7.0に調整)。約1.2×1 07個の分生子を、MOx又はMPrf培地のいずれかの上のニトロセルロース フィルター上にプレーティングした。Agaricus bisporus育種顆粒(これも「Pro efstation voor de Champignoncultuur」から購入)を、分生子の発芽を促進す るために、フィルターの周囲の寒天上に置いた。シャーレをパラフィルムでシー ルした。プレートを、室温で5日又は7日間プレインキュベートした。続いて、 フィルターをシャーレに移し、25mlのIM中のAgribacterium tuemfaciens 培養物(材料及び方法に記載したように6時間生育させたもの)に浸けた。形質 転換のためには、A.tuemfaciens株LBA1126(Bundock & Hooykaas,;Proc .Natl.Acad.Sci.USA 93(1996)15272−75)を用い、その中 にバイナリーベクターpUR5750を導入した。この株LBA1126は、Bu ndockらが勤務しているState University Leidenから使用上の制限付きで入手し た。フィルターを、室温で1時間インキュベートした。その後、フィルターを、 5mMグルコースを含有するIMプレート上に置き、このプレートを、室温で5 日間インキュベートした。その後、フィルターを、アグロバクテリウム細胞を殺 すための200μMセフォタキシム及び形質転換体を選択するための25μg/ mlハイグロマイシン(Van Rhee et al.;Mol.Gen.Genet.250(1996 )252−258)を含有するMOx又はMPrfプレートに移した。ハイグロ マイシン耐性コロニーは、約5週間のインキュベーション後に出現した。5回の 形質転換で10個の形質転換体が得られた(上の表3を参照されたい)。形質転換 体は、両培地を用いて、形質転換前の5日及び7日の プレインキュベーション後に得られた。この場合もまた、形質転換は、ASによ るvir遺伝子の誘導に依存した。7個の形質転換体を、25μg/mlハイグ ロマイシンを含む、又は含まない、200μMセフォタキシムを含むMPrfプ レート上で更に培養した。4個の形質転換体を、実施例4に記載したようにサザ ーン解析に供した。サザーン解析(図5を参照されたい)によって、T−DNA は単一の染色体遺伝子座に組み込まれていることが明らかになり、これによって 形質転換された表現型が分子レベルで確認された。 栽培きのこAgaricus bisporusは、最近、Van Rheeらによって形質転換された( Mol.Gen.Genet.250(1996)252−258)。しかし、彼らは、単一 のホモカリオート株ATCC 24663を形質転換できた一方で、食用きのこ の生産に広く使用されている市販のヘテロカリオート株Horst U1を直接 形質転換することはできなかった。この株については、彼らは、形質転換体を得 る前に、最初にATCC 24663表現型に似た派生株を選択しなければなら なかった。したがって、1990年に150万トンの世界中での生産がされた重 要な作物である(Van Rhee et al.;Mol.Gen.Genet.250(1996)25 2−258)この種における生物工学の適用は、一般に適用可能な形質転換系の 欠如によって未だに妨げられていた。きのこ栽培に対する生物工学技術の適用は 、質及び作物の収量を大幅に改良することができる。実施例12:Aspergillus awamoriへの複数コピーの遺伝子の部位特異的組み込 実験のセットアップ 糸状菌A.awamoriへの複数コピーの遺伝子の部位特異的組み込みのための方法 の実験デザインを、図6に示す。この系は、2つの成分、すなわち(1)3’欠 失を有するpyrG遺伝子を含む菌株、及び(2)組換えに際してpyrG遺伝子 を回復するのに好適なバイナリーベクターを含むアグロバクテリウム株に基づい ている。このバイナリーベクターは、T−DNAボーダーの間に、5’欠失を有 するpyrG遺伝子を有する修復構築物を、短縮された両pyrG遺伝子が組換 え部位として機能する共通のpyrG遺伝子の部分を持つように含む。他方の 組換え部位は、組換えに際してpyrG遺伝子が回復されるように、pyrG遺 伝子の下流になければならない。 少なくとも1つの他の遺伝子を導入するために、このバイナリーベクターは、 所望のタンパクをコードする少なくとも1つの遺伝子の複数のコピーを、2つの 組換え部位間に、好ましくは短縮されたpyrG遺伝子の下流に含むべきである 。代替法として、少なくとも1つの遺伝子の導入を伴う組換えが、標的遺伝子座 が5’欠失を含み、修復構築物が3’欠失pyrG遺伝子の上流に導入されるべ き遺伝子を含み、導入されるべき遺伝子の上流に第二の組換え部位を含む場合に も起こることを考えることができる。しかし、この状況においては、pyrG遺 伝子のプロモーターが妨害されないように注意しなければならない。 相同組換えによる組み込みを特異的に検出するために、内在性pyrG遺伝子 を選択可能なマーカー遺伝子(Gouka et al.;Current Genetics 27(1995 )536−540)として用いた。 標的部位の構築 プラスミドpUR5710(図7を参照されたい)を、プラスミドpAW4. 1(Goukaら;上記を参照されたい)に存在するpyrG遺伝子の5’部分を含 む2.0kbのBamHI/SalIフラグメントをBamHI及びSalIで 消化した一般クローニングベクターpIC20R(Marsh et al.;Gene 32(1 984)481−485)中にクローニングすることによって構築した。続いて 、SalI部位とHindIII部位とに隣接するI−SceIエンドヌクレアー ゼのための18bp認識部位(5’−TAGGGATAACAGGGTAAT− 3’=配列番号1)を含む合成DNAリンカーを、SalI及びHindIIIで 消化したpUR5710中にクローニングした。これによりプラスミドpUR5 711が得られた(図7を参照されたい)。プラスミドpUR5712(図7を参 照されたい)は、プラスミドpAW4.4(Goukaら;上記を参照されたい)に存 在するpyrGコード領域の下流の配列を含む2.0kbのHindIIIフラグメ ントをHindIIIで消化したプラスミドpUR5711中にクローニングする ことによって構築した。pyrG遺伝子のコード領域と比較したこのHind IIIフラグメントの向きは、野生型の場合と同じであった。プラスミドpUR5 712を、A.awamori突然変異体pyrG-株AWCSCEを構築するために用い た。 A.awamori突然変異体pyrG-株AWCSCEの構築 野生型A.awamori株の形質転換を、I−SceI制限部位を欠失の部位に有す る突然変異pyrG遺伝子を含むプラスミドpUR5712(図6及び7を参照 されたい)から得られた精製(Qiaexゲル抽出キット;Qiagenカタロ グ番号20021)EcoRIフラグメントを用いて行った。形質転換1回あた り、2×106個のプロトプラストを10μgのDNAで形質転換した。pyr G-株は、5−FOA(5−フルオロ−オロチン酸;Boeke et al.;Mol.Gen.Ge net.197(1984)345−346)に耐性であるため、pyrG-形質転 換体は、野生型株から直接選択することができる。形質転換体を、10mMプロ リンを窒素源として、10mMウリジン及び0.75mg/mlの5−FOAを 添加したMMプレート(AspAをAspA−Nで置き換えた;50×Aspa −N=0.35M KCl、0.55M KH2PO4、KOHでpH6.5に調整 したもの)上で選択した。得られた形質転換体の突然変異表現型を、これらのコ ロニーをウリジンを含まないMMプレート上で生育させることによりチェックし た。ウリジンなしで生育することができなかった2個の形質転換体を、サザーン ブロット解析で更に解析した。観察されたDNAパターンは、株AWCSCEに ついて予測されたパターンと一致した。 複数コピーベクターの構築 プラスミドpUR5713(図8Aを参照されたい)の構築のために、プラス ミドpAW4.4(Goukaら;上記を参照されたい)をHindIIIで消化し、こ のHindIII部位をクレノウで埋め、続いてフラグメントをBamHIで消化 した。pyrGコード領域の下流の配列を含む得られた1.6kbのフラグメン トを単離した。更に、プラスミドpAW4.20(Goukaら;上記を参照されたい )をBamHI及びHindIIIで消化し、上述の1.6kbフラグメントのすぐ 上流に存在する配列を含む0.4kbのフラグメントを単離した。この0.4kb の HindIII/BamHIフラグメント及び1.6kbのBamHI/充填された HindIIIフラグメントを、HindIII及びSmaIで消化した一般クローニ ングベクターpB1uescriptR SK(Stratagene)中に同時にクロー ニングした。これによって、プラスミドpUR5713が得られた。 プラスミドpUR5714(図8Bを参照されたい)を、ベクターpAW4. 1に存在するpyrG遺伝子の3’部分を含む1.0kbのBglII/HindI IIフラグメントをBamHI及びHindIIIで消化した一般クローニングベク ターpBluescriptR SK中にクローニングすることにより構築した 。コスミドpUR5716(図9を参照されたい)は、以下の配列(配列番号2 を参照されたい): (5’−AATTC AT GCGGCCGC T−3’ 3’−TA CGCCGGCG ATCGA−5’) を有するEcoRI及びNotI制限部位を含む合成リンカーによってEcoR I/HindIIIポリリンカーフラグメントを置き換えることによって、コスミ ドベクターpJB8(Ish-Horowicz,D.and Burke,J.F.;Nucleic Acids Res. (1981)2989)から作製した。このクローニング工程において、Hi ndIII部位は失われている。コスミドpUR5718(図9を参照されたい) は、プラスミドpUR5714由来の1.0kbのNotI/HindIIIフラグ メントとプラスミドpUR5713由来の2.0kbのHindIII/NotIフ ラグメントとを、NotIで消化したプラスミドpUR5716中に同時にクロ ーニングすることにより構築した。それによって、このベクターは、A.awamori 突然変異pyrG-株AWCSCE中のpyrG標的遺伝子座のI−SceI部 位の両端と相同な配列を有する。 プラスミドpUR5729(図10を参照されたい)を、プラスミドpUR7 385(Van Gemeren et al.;Applied Microbiology and Biotechnology 45( 1996)755−763)からのAspergillus awamori由来のexlA遺伝子 のプロモーター及びターミネーター(Gouka et al.;Applied Microbiology and Biotechnology 46(1996)28−35)の制御下のFusarium solani pisi 由来のクチナーゼ遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)を含む約 1.5kbのPstI/SacIフラグメント(cDNAの合成コピー;Van Gem eren et al.;Journal of Biotechnology 40(1995)155−162)を 、PstI及びSacIで消化した一般クローニングベクターpIC19H(Ma rsh et al.;上記を参照されたい)中にクローニングすることによって構築した 。 コスミドpUR5718に基づいて、(上述のとおりの)exlA発現シグナ ルの制御下のクチナーゼ遺伝子の複数コピーを含む新規なコスミド(pUR57 25)を構築した。この発現カセットの単一コピーを、プラスミドpUR572 9由来の1.5kbのHindIIIフラグメントとして単離し、HindIIIで消 化したコスミドpUR5718中に連結した。λ−DNAインビトロパッケージ ングモジュール(Amersham;コードRPN1717)を用いる連結ミックスのパ ッケージングの後、このパッケージングミックスをE.coli株1046中に形質 転換して導入した(共にこのモジュールに添付のプロトコールにしたがった)。こ の形質転換によって、9コピーの発現カセットのタンデムアレイを含むコスミド pUR5725(図11を参照されたい)が得られた。 糸状菌を形質転換するために使用することができるAgrobacterium tumefacien sベクターを作製するために、プラスミドpUR5752を構築した。これは、 T−DNAの左右のボーダーリピート間に単一のNotI部位を有するバイナリ ーベクターであり、pSDM14(R.Offringa;博士論文「Gene targeting in plants using the Agrobacterium vector system」;Leiden University,Leiden 1992)から、KpnI及びBamHIでの消化及び以下のアニーリングした オリゴヌクレオチド: MGANotI:5’−CAATGCGGCCGCTAAG−3’(=配列番号 3) MGANotII:5’−CATGGTTACGCCGGCGATTCCTAG− 3’(=配列番号4) との連結によって派生する。 プラスミドpUR5752を、A.awamoriエンドキシラナーゼプロモーター及 び転写ターミネーターによって制御されたFusarium solani pisiクチナーゼ遺伝 子を有する約1.5kbフラグメントの複数コピーをNotI部位に導入するた めに用いた。したがって、9コピーのクチナーゼ発現カセットを含むpUR57 25(上記を参照されたい)由来の17kbのNotIフラグメントを、pUR 5752のNotI部位に連結した。この連結手順を用いて、9コピーの発現カ セットを含むプラスミドpUR5756(図12を参照されたい)及び4コピー のみの発現カセットを含むpUR5755(おそらく分子内組換えを介する連結 中のコピーの喪失による)が得られた。 対照として、プラスミドpUR5753(クチナーゼ遺伝子をまったく含まな い)を、5’欠失を有するpyrG遺伝子及び下流配列を含むpUR5718( 上記を参照されたい)由来の3.0kbのNotIフラグメントをpUR5752 のNotI部位にクローニングすることによって構築した。プラスミドpUR5 753は、HindIII部位間の9コピーの遺伝子が欠如し、以下の要素:左ボ ーダー、NotI部位、5’欠失を有するpyrG遺伝子、HindIII部位、 pyrG遺伝子の3’下流配列、NotI部位、右ボーダーを含むプラスミドと なっていることを除き、pUR5756と同一である。 pUR5752及びpUR5753の両プラスミドは、任意の相同又は非相同 遺伝子をNotI部位又はHindIII部位に導入するように適合させることが できる。 形質転換及び形質転換体の解析 A.awamori株AWCSCEの形質転換のために、バイナリーベクターpUR5 753、pUR5755及びpUR5756を含むA.tumefaciens株LBA11 26(Bundock & Hooykaas;PNAS 93(1993)15272−75;制限的使 用については上記を参照されたい)を用いた。形質転換は、IM培地のプレート が付加的に1mMウリジンを含有していたことを除き、分生子胞子について材料 及び方法に上述したとおりに行った。 形質転換体は、約7日間のインキュベーション後に得られた。106個の分生 子胞子を用いた平均形質転換頻度は、pUR5753及びpUR5755につい てそれぞれ17及び30形質転換体であったが、pUR5756についてはわず か0.5形質転換体であった。後者の結果は、107分生子胞子あたり5個のクチ ナーゼ発現カセットの複数コピーを有する形質転換体が得られることを意味する 。従来のプロトプラスト形質転換を用いては、特異的な遺伝子座に単一コピーの 遺伝子を組み込むことが可能であったにすぎず、これは107個のプロトプラス トの形質転換あたりわずか約1〜2形質転換体の頻度であったので(Goukaら;( 1995)上記を参照されたい)、この数字は顕著に高い。 多数の形質転換体をAspergillus最小培地上で2回精製し、分生子胞子をPD Aプレートから単離した。形質転換体を、a)発現カセットのコピー数、b)発 現カセットの組み込み部位、及びc)T−DNAボーダーリピートの外のDNA が組み込まれたかどうか、を確認するために、サザーン解析に供した。ゲノムD NAをBglII又はSalIで消化し、0.7%アガロースゲル上でフラグメン トをサイズで分離し、Hybond−N膜にブロッティングした。プローブとし てクチナーゼ発現カセットに存在するA.awamori exlAターミネーターを含む0. 5kbのAflII/SacIフラグメントを用いる前にハイブリダイゼーション を行った。 DNAをSalIで消化した場合、すべての形質転換体が外来性exlA S alIフラグメントに相当する約5kbのハイブリダイズするフラグメントを含 んでいた。pUR5755及びpUR5756を用いて得られた形質転換体は、 全PexlA−クチナーゼ−TexlA発現カセットにわたる第二のハイブリダ イズするフラグメントを含んでいるようであった。サイズは、フラグメント上に 存在する遺伝子コピーの数の指標である。試験した株においては、種々の数の発 現カセットが組み込まれていたことが見出された。例えば、プラスミドpUR5 755(当初4コピーを含む)由来のDNAを含むアグロバクテリウムで形質転 換された株#8、#9及び#10には2コピーが存在し、一方、すべてプラスミ ドpUR5756(当初9コピーを含む)由来のDNAを含むアグロバクテリウ ムで形質転換された株#13、#14、#15及び#17には4コピー、株#1 2には7又は8コピー、株#16には9コピーが存在した。これらの結果は、B glIIでの消化によって確認された。後者は、発現カセット中で1ヵ所切断し、 したがって、すべての発現カセットが単一の1.5kbのハイブリダイズするフ ラ グメントとして表される。このハイブリダイズするフラグメントの強度は、コピ ー数についての指標であり、SalI制限フラグメントについて上記したコピー 数と一致していた。 更に、クチナーゼ発現カセットを含んでいたすべての形質転換体は、付加的に 1.8kbのハイブリダイズするフラグメントを含んでおり、これは、プローブ とハイブリダイズする5’フランキングフラグメントである。組み込みのパター ンは、すべてpyrG遺伝子座での組み込みと適合した。これは、A.awamoriの pyrG遺伝子を含む2.4kbのBamHI/HindIIIフラグメントでの同 様のDNAブロットのハイブリダイゼーションによっても確認された。更に、内 在性exlA遺伝子に相当する5kbのハイブリダイズするフラグメントがすべ ての形質転換体に存在した。最後に、T−DNAボーダーリピートの外のA.tum efaciensDNA配列を含むpUR5750由来の11.9kb HindIII/E coRIフラグメントを用いて、細菌DNA配列のプローブ可能な存在を解析し た。形質転換体のいずれも、ハイブリダイゼーションシグナルを示さず、すべて が細菌DNAを含まないことを示した。 結論として、モデル遺伝子の複数コピーを含むAgrobacterium tumefaciensを 用いて、従来の形質転換法よりも高い頻度でA.awamoriを形質転換することがで きることが示された。この系を用いて、望ましくない(細菌の)配列の組み込みな しに複数遺伝子コピーをpyrG遺伝子座にターゲティングすることができる。 ブダペスト条約に基づく微生物寄託に関する情報は、上で19頁、26〜29 行に記載されている。EPC規則28(4)又はEPCの締約国でない国につい ての同様の協定にしたがって、このような寄託物の試料は、要求された場合に、 専門家のみに提供されるであろうことをここに要求する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:77 C12R 1:885) 1:885) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ブンドック、ポール オランダ国、2333・エイエル・ライデン、 ワセナースウエグ 64、クルージアス・ラ ボラトリウム、インスティツート・モレキ ュライア・プラントクンド、リークス・ユ ニバーシタイト・ライデン(番地なし) (72)発明者 グーカ、ロバータス・ヨハネス オランダ国、3133・エイティー・ブラール ディンゲン、オリバー・ヴァン・ノールト ラーン 120、ユニリーバー・リサーチ・ ブラールディンゲン(番地なし) (72)発明者 ド・グルート、マルセラス・ヨハネス・エ イ オランダ国、3133・エイティー・ブラール ディンゲン、オリバー・ヴァン・ノールト ラーン 120、ユニリーバー・リサーチ・ ブラールディンゲン(番地なし) (72)発明者 ホーイカース、ポール・ジャン・ジェイ オランダ国、2333・エイエル・ライデン、 ワセナースウエグ 64、クルージアス・ラ ボラトリウム、インスティツート・モレキ ュライア・プラントクンド、リークス・ユ ニバーシタイト・ライデン(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 形質転換された糸状菌の生成方法であって、 (1)糸状菌に導入されるべき少なくとも1つの発現可能な遺伝子DNAフラ グメントを、まずAgrobacterium tumefaciensのベクター中に、そのベ クター中に存在するT−DNAボーダー間にクローニングし; (2)T−DNAボーダー間に上記DNAを含むベクターを、DNA中にvi r領域を含むAgrobacterium tumefaciens株に導入し; (3)vir誘導化合物の添加によって上記Agrobacterium tumefaciensから 上記DNAフラグメントを含むT−DNAを放出させ、形質転換される べき糸状菌とともにこのAgrobacterium tumefaciens株をインキュベー トし;そして (4)形質転換された糸状菌を、導入されたDNA又はその発現生成物の特徴 に依存して非形質転換糸状菌から選択し、そして場合によっては形質転 換された糸状菌を培養すること を特徴とする方法。 2. 糸状菌が、Eumycotaの群に属する、請求項1記載の方法。 3. 糸状菌が、Ascomycotina、Basidiomycotina、Deuteromycotina、Mastigomyc otina、及びZygomycotina菌類亜門からなる群から選択される、請求項1記 載の方法。 4. DNAフラグメントが、所望の遺伝子の複数のコピーを含む、請求項1記載 の方法。 5. DNAフラグメントが、糸状菌ゲノムの選択された遺伝子座に組み込まれる ,請求項1記載の方法。 6. DNAフラグメントが、糸状菌ゲノムのpyrG遺伝子座(A.nigerについ てはpyrA遺伝子座及びNeurospora crassaについてはpyr4遺伝子座 として知られる)に組み込まれる、請求項5記載の方法。 7. 形質転換された糸状菌が、T−DNAボーダーを含め、望ましくない細菌D NA配列を含まない、請求項5記載の方法。 8. T−DNAボーダーを含め、望ましくない細菌DNA配列を含まない、請求 項7記載のアグロバクテリウム媒介性形質転換によって得られる形質転換さ れた糸状菌。 9. 場合によっては所望のタンパクの生産を誘導することを含む、請求項8記載 の形質転換された糸状菌の培養方法。 10.DNAフラグメントが、糸状菌ゲノム中にランダムに組み込まれる、請求項 1記載の方法。 11.T−DNAボーダー配列の1又は2以上の部分を含む、請求項10記載のア グロバクテリウム媒介性形質転換によって得られる形質転換された糸状菌。 12.場合によっては所望のタンパクの生産を誘導することを含む、請求項11記 載の形質転換された糸状菌の培養方法。
JP54235598A 1997-04-07 1998-03-24 糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換 Expired - Fee Related JP4307563B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP97201022A EP0870835A1 (en) 1997-04-07 1997-04-07 Agrobacterium mediated transformation of moulds, in particular those belonging to the genus Aspergillus
EP97201022.7 1997-04-07
EP97204062 1997-12-22
EP97204062.0 1997-12-22
PCT/EP1998/001914 WO1998045455A1 (en) 1997-04-07 1998-03-24 Agrobacterium mediated transformation of moulds, in particular those belonging to the genus aspergillus

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001518786A true JP2001518786A (ja) 2001-10-16
JP4307563B2 JP4307563B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=26146337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP54235598A Expired - Fee Related JP4307563B2 (ja) 1997-04-07 1998-03-24 糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換

Country Status (12)

Country Link
US (1) US6255115B1 (ja)
EP (1) EP0973917B1 (ja)
JP (1) JP4307563B2 (ja)
CN (1) CN1151264C (ja)
AU (1) AU7428398A (ja)
BR (1) BR9807941A (ja)
CA (1) CA2286307A1 (ja)
DE (1) DE69822142T2 (ja)
ES (1) ES2216284T3 (ja)
ID (1) ID22929A (ja)
MY (1) MY121328A (ja)
WO (1) WO1998045455A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014512824A (ja) * 2011-04-25 2014-05-29 エコベイティブ デザイン エルエルシー 脱水菌糸体からなる部材の作製方法及びそれによって作製される製品
CN112680365A (zh) * 2021-02-02 2021-04-20 吉林农业大学 一种白僵菌用液体培养基及白僵菌菌剂制备方法

Families Citing this family (64)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6015703A (en) * 1998-03-10 2000-01-18 Iogen Corporation Genetic constructs and genetically modified microbes for enhanced production of beta-glucosidase
US7220542B2 (en) 2000-07-17 2007-05-22 Van Den Brink Johannes Maarten Expression cloning in filamentous fungi
EP1780284B1 (en) 1999-12-16 2009-10-28 CropDesign N.V. Optimized T-DNA transfer and vectors therefor
ES2302739T3 (es) 2000-06-28 2008-08-01 The Penn State Research Foundation Metodo para la transformacion del agaricus bisporus.
DK1578943T3 (da) 2002-08-16 2012-01-09 Danisco Us Inc Nye variant-Hypocrea jecorina-CBH1-cellulaser
JP5366286B2 (ja) * 2002-09-10 2013-12-11 ジェネンコー・インターナショナル・インク 高濃度糖類混合物を用いた遺伝子発現の誘発
US7208585B2 (en) * 2002-09-18 2007-04-24 Genencor International, Inc. Protein purification
WO2004072225A2 (en) * 2003-02-12 2004-08-26 Ramot At Tel Aviv University Ltd. Transgenic fungi expressing bcl-2 and methods of using bcl-2 or portions thereof for improving biomass production, survival, longevity, stress resistance and pathogenicity of fungi
WO2005028636A2 (en) * 2003-03-21 2005-03-31 Genencor International, Inc. Novel cbh1 homologs and variant cbh1 cellulases
EP1618183B1 (en) * 2003-04-29 2014-11-19 Danisco US Inc. Novel bacillus 029cel cellulase
CA2523764C (en) * 2003-04-30 2016-02-09 Brian E. Jones Isolated bacillus mhkcel cellulase
JP2007525179A (ja) * 2003-04-30 2007-09-06 ジェネンコー・インターナショナル・インク 新規なバチルスBagCelセルラーゼ
US20100129862A1 (en) * 2003-05-12 2010-05-27 Jones Brian E Novel lipolytic Enzyme lip1
WO2004101760A2 (en) * 2003-05-12 2004-11-25 Genencor International, Inc. Novel lipolytic enzyme elip
US20070213518A1 (en) * 2003-05-12 2007-09-13 Jones Brian E Novel Lipolytic Enzyme Lip2
US20050181509A1 (en) * 2004-02-12 2005-08-18 The Penn State Research Foundation Dual selection based, targeted gene disruption method for fungi and fungus-like organisms
GB0405659D0 (en) * 2004-03-12 2004-04-21 Horticulture Res Internat Altered expression in filamentous fungi
US8097445B2 (en) 2004-03-25 2012-01-17 Danisco Us Inc. Exo-endo cellulase fusion protein
BRPI0509212A (pt) 2004-03-25 2007-08-28 Genencor Int proteìna de fusão de celulase e construto de fusão de celulase heterólogo codificando a mesma
WO2006071598A1 (en) * 2004-12-23 2006-07-06 Genencor International, Inc. Neutral cellulase catalytic core and method of producing same
ATE530643T1 (de) 2004-12-30 2011-11-15 Genencor Int Säureaktive fungale protease
US8008056B2 (en) 2004-12-30 2011-08-30 Danisco Us Inc. Variant Hypocrea jecorina CBH2 cellulases
WO2006122023A1 (en) 2005-05-09 2006-11-16 The Samuel Roberts Noble Foundation, Inc. Agrobacterium transformation of stolons
CN100370016C (zh) * 2006-04-21 2008-02-20 贵州大学 对根癌农杆菌有抑制作用的黑曲霉菌株及其用途
US7968691B2 (en) * 2006-08-23 2011-06-28 Danisco Us Inc. Pullulanase variants with increased productivity
US8216844B2 (en) * 2006-08-29 2012-07-10 Danisco Us Inc. Compositions and methods for improved protein production
EP2121916A1 (en) * 2006-12-20 2009-11-25 Danisco US, INC., Genencor Division Assays for improved fungal strains
US8093016B2 (en) * 2007-05-21 2012-01-10 Danisco Us Inc. Use of an aspartic protease (NS24) signal sequence for heterologous protein expression
BRPI0818273A2 (pt) * 2007-11-01 2014-10-14 Danisco Us Inc Sequências sinalizadoras e chaperonas coexpressas para aprimoramento de produção de proteína em uma célula hospedeira.
US7973215B2 (en) 2008-04-11 2011-07-05 Mycomagic Biotechnology Co., Ltd. Method for the introduction of a heterologous polynucleotide into a mushroom
BRPI0913624A2 (pt) 2008-06-06 2015-08-04 Danisco Us Inc Composições e métodos compreendendo variantes de celulase com afinidade reduzida por materiais não celulósicos
US8907165B2 (en) 2009-04-22 2014-12-09 Medicine In Need Corporation Production of provitamin A carotenoids in mushrooms and uses thereof
JP2012528598A (ja) 2009-06-03 2012-11-15 ダニスコ・ユーエス・インク 改善された発現、活性、及び安定性を有するセルラーゼ変異体、並びにこれらの使用方法
CA2780767A1 (en) 2009-11-20 2011-05-26 Danisco Us Inc. Beta-glucosidase i variants with improved properties
US9701969B2 (en) 2010-06-03 2017-07-11 Danisco Us Inc. Filamentous fungal host strains and DNA constructs, and methods of use thereof
JP5836946B2 (ja) * 2010-06-17 2015-12-24 キッコーマン株式会社 麹菌染色体における大領域重複の作製方法
CA2811789A1 (en) 2010-10-06 2012-04-12 Bp Corporation North America Inc. Variant cbh i polypeptides with reduced product inhibition
CN102206666B (zh) * 2011-04-15 2013-02-06 山东省农业科学院农业资源与环境研究所 一种质粒载体pLGF及其应用
CN104053780A (zh) 2011-12-09 2014-09-17 丹尼斯科美国公司 用于在微生物中生产蛋白质的来自枯草芽孢杆菌的核糖体启动子
JP6081245B2 (ja) * 2012-04-07 2017-02-15 キッコーマン株式会社 麹菌染色体における任意領域の重複転座の作製方法
CN102839214A (zh) * 2012-09-06 2012-12-26 许汉鹏 筛选真核细胞基因组内特定基因调控相关机制和分子的方法
CA2892786A1 (en) 2012-12-12 2014-06-19 Danisco Us Inc. Variants of cellobiohydrolases
CN103834681B (zh) * 2013-11-26 2016-01-13 中国计量学院 一种农杆菌介导遗传转化稻曲菌的方法
US9914932B2 (en) 2014-11-13 2018-03-13 Battelle Memorial Institute Agrobacterium-mediated transformation of lipomyces
CN107250365A (zh) 2015-02-19 2017-10-13 丹尼斯科美国公司 增强的蛋白质表达
MX2017016625A (es) 2015-07-07 2018-05-15 Danisco Us Inc Induccion de la expresion genica usando una mezcla de azucar de alta concentracion.
US10933121B2 (en) 2015-09-02 2021-03-02 Dupont Nutrition Biosciences Aps Glycoside hydrolases and their use in preventing and/or treating a pathogenic infection in an animal
KR20180117166A (ko) 2016-03-04 2018-10-26 다니스코 유에스 인크. 미생물에서의 단백질 생산을 위한 유전자 조작 리보솜 프로모터
RU2019102378A (ru) 2016-06-30 2020-07-30 ДАНИСКО ЮЭс ИНК. Аспарагиновые протеазы
CA3037875A1 (en) 2016-09-23 2018-03-29 Dupont Nutrition Biosciences Aps Use of low ph active alpha-1,4/1,6-glycoside hydrolases as a feed additive for ruminants to enhance starch digestion
CN109790510B (zh) 2016-10-04 2024-04-12 丹尼斯科美国公司 在不存在诱导底物下丝状真菌细胞中的蛋白产生
CN110381746B (zh) 2016-12-21 2023-12-01 杜邦营养生物科学有限公司 使用热稳定丝氨酸蛋白酶的方法
CN110505903A (zh) 2017-03-06 2019-11-26 杜邦营养生物科学有限公司 新型真菌岩藻糖苷酶及其在预防和/或治疗动物病原体感染中的用途
WO2018169784A1 (en) 2017-03-15 2018-09-20 Dupont Nutrition Biosciences Aps Trypsin-like serine proteases and uses thereof cross-reference to related application
EP3583210B1 (en) 2017-03-15 2021-07-07 Danisco US Inc. Trypsin-like serine proteases and uses thereof
RU2019132448A (ru) 2017-03-15 2021-04-15 ДюПон НЬЮТРИШН БАЙОСАЙЕНСИЗ АпС Способы применения сериновой протеазы архей
EP3818154A1 (en) 2018-07-06 2021-05-12 DuPont Nutrition Biosciences ApS Xylanase-containing feed additives for cereal-based animal feed
WO2021092356A1 (en) 2019-11-08 2021-05-14 Danisco Us Inc Fungal strains comprising enhanced protein productivity phenotypes and methods thereof
US20230174998A1 (en) 2020-04-22 2023-06-08 Danisco Us Inc. Compositions and methods for enhanced protein production in filamentous fungal cells
WO2023003683A2 (en) 2021-07-19 2023-01-26 Danisco Us Inc. Compositions and methods for enhanced protein production in fungal cells
WO2023023644A1 (en) 2021-08-20 2023-02-23 Danisco Us Inc. Polynucleotides encoding novel nucleases, compositions thereof and methods thereof for eliminating dna from protein preparations
WO2023102315A1 (en) 2021-12-01 2023-06-08 Danisco Us Inc. Compositions and methods for enhanced protein production in fungal cells
CN114875046B (zh) * 2022-05-30 2023-07-18 福州大学 一种丝状真菌复制子
WO2024102556A1 (en) 2022-11-11 2024-05-16 Danisco Us Inc. Filamentous fungal strains comprising enhanced protein productivity phenotypes and methods thereof

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK0778348T3 (da) 1989-07-07 2000-12-04 Unilever Nv Fremgangsmåde til fremstilling af et protein ved anvendelse af en svamp transformeret ved multikopi-integration af en ekspr
WO1993012237A1 (en) * 1991-12-09 1993-06-24 Unilever N.V. Process for producing/secreting a protein by a transformed mould using expression/secretion regulating regions derived from an aspergillus endoxylanase ii gene

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014512824A (ja) * 2011-04-25 2014-05-29 エコベイティブ デザイン エルエルシー 脱水菌糸体からなる部材の作製方法及びそれによって作製される製品
CN112680365A (zh) * 2021-02-02 2021-04-20 吉林农业大学 一种白僵菌用液体培养基及白僵菌菌剂制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0973917B1 (en) 2004-03-03
AU7428398A (en) 1998-10-30
US6255115B1 (en) 2001-07-03
ES2216284T3 (es) 2004-10-16
EP0973917A1 (en) 2000-01-26
JP4307563B2 (ja) 2009-08-05
DE69822142T2 (de) 2005-03-03
WO1998045455A1 (en) 1998-10-15
ID22929A (id) 1999-12-16
DE69822142D1 (de) 2004-04-08
CN1259167A (zh) 2000-07-05
CN1151264C (zh) 2004-05-26
MY121328A (en) 2006-01-28
CA2286307A1 (en) 1998-10-15
BR9807941A (pt) 2000-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4307563B2 (ja) 糸状菌、特にアスペルギルス属に属する糸状菌のアグロバクテリウム媒介性形質転換
Li et al. Developing Aspergillus niger as a cell factory for food enzyme production
De Groot et al. Agrobacterium tumefaciens-mediated transformation of filamentous fungi
Mullins et al. Agrobacterium-mediated transformation of Fusarium oxysporum: an efficient tool for insertional mutagenesis and gene transfer
Fang et al. Agrobacterium tumefaciens-mediated transformation of Beauveria bassiana using an herbicide resistance gene as a selection marker
JP3782442B2 (ja) 遺伝子操作した宿主におけるカロテノイドの生合成
JP3833725B2 (ja) 選択マーカー遺伝子を含まない組換え体株、その作製方法及びその株の使用
US4816405A (en) Vectors for transformation by ascomycetes
CA2183067A1 (en) Expression of the glucose oxidase gene in transgenic organisms
Maruthachalam et al. Agrobacterium tumefaciens-mediated transformation in Colletotrichum falcatum and C. acutatum
Vu et al. A newly constructed Agrobacterium-mediated transformation system revealed the influence of nitrogen sources on the function of the LaeA regulator in Penicillium chrysogenum
US11613745B2 (en) Recombinant oxalate decarboxylase expressed in filamentous fungi
Weld et al. Agrobacterium-mediated transformation of Sclerotinia sclerotiorum
CN111808178B (zh) 大豆疫霉ncr蛋白及其编码基因与应用
JP4719690B2 (ja) シュタケ(P.cinnabarinus)の一核株によって所定の組換えタンパク質を過剰生成する方法
CN110184252B (zh) 雄性不育基因OsDAF1的应用及恢复水稻雄性不育的方法
JPH01160489A (ja) 植物ゲノム内への遺伝子の指示された組込みを可能にする組換えdna分子
EP0191221A1 (en) Vectors for transformation of ascomycetes
EP1040197A1 (en) A process for site-directed integration of multiple copies of a gene in a mould
Wang et al. Agrobacterium tumefaciens-mediated transformation of Valsa mali: an efficient tool for random insertion mutagenesis
Long et al. Highly efficient transformation of a (hemi-) cellulases-producing fungus Eupenicillium parvum 4–14 by Agrobacterium tumefaciens
US7001751B1 (en) PyrF gene and the utilization thereof
CN107815459A (zh) 一种糙皮侧耳锰过氧化物酶基因及其应用
Challen et al. Science and Cultivation of Edible Fungi, Van Griensven (ed.)© 2000 Balkema, Rotterdam, ISBN 90 5809 1430 Transformation technologies for mushrooms
JP4495904B2 (ja) 改変プロモーター

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20041130

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050308

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20050621

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A524 Written submission of copy of amendment under section 19 (pct)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20071102

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees