JP2001180699A - 食品容器 - Google Patents

食品容器

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JP2001180699A
JP2001180699A JP37053699A JP37053699A JP2001180699A JP 2001180699 A JP2001180699 A JP 2001180699A JP 37053699 A JP37053699 A JP 37053699A JP 37053699 A JP37053699 A JP 37053699A JP 2001180699 A JP2001180699 A JP 2001180699A
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spout
bag
food
food container
cap
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JP37053699A
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English (en)
Inventor
Keiji Shirai
敬次 白井
Tetsuo Ishihara
哲男 石原
Michio Tsuyumoto
美智男 露本
Toshiaki Terakawa
俊紹 寺河
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MIKUNI PLAST KK
Daicel Corp
Original Assignee
MIKUNI PLAST KK
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 収容される食品の保存性に優れ、様々な流動
性食品に使用できるパウチ形態の食品容器を提供する。 【解決手段】 パウチは、酸素バリア性を有する可撓性
シートで形成され流動性食品を収納する袋状の容器本体
と、この容器の封着部分で密封されたスパウトおよびこ
のスパウトを密閉するキャップとからなり、スパウトお
よびキャップのうちの少なくとも一方が、(A)袋状の
容器本体とヒートシールが可能な樹脂、(B)酸素吸収
性の化学結合を有する物質および(C)酸化反応用の遷
移金属触媒の混合物を成形してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は食品容器に関し、
さらに詳しくは、酸素バリア性を有する可撓性シートで
形成されジュース、スポーツドリンク、ゼリー状嗜好
品、スープ、粥などの流動性食品を収納する袋状の容器
本体と、この容器の封着部分で密封されたスパウト(合
成樹脂製口部)およびこのスパウトを密閉するキャップ
からなる食品容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、アルミホイルを芯材とし
てその表裏に合成樹脂製フィルムを重ねた酸素バリア性
と光遮断性を有する可撓性シートで袋状の容器本体を形
成し、この容器本体の開口を閉塞するようにスパウトを
固着した食品容器(以下、パウチと称する)が使用され
ている。このようなパウチは、まず、合成樹脂を材料と
して射出成形などによりスパウト全体を一体成形し、次
いで、成形されたスパウトを袋状の容器本体を形成する
可撓性シートの被封着部分に挟持させ、融着、溶接ある
いは接着などにより可撓性シートを前記被封着部分で密
封してスパウトの両端が袋状の容器本体の内外で開口す
るようスパウトを封着部分に固定する。
【0003】また、袋状の容器本体に収容された流動性
食品の吸引を容易にするために、スパウトは、袋状の容
器本体内に延出した棒状体を備えたものも使用される。
一方、袋状の容器本体の外側に位置するスパウトの開口
端は、例えば、アルミ箔などの剥離が容易なシール部材
や合成樹脂製のキャップで封止されている。このような
パウチは、容器としての製造コストが安いことや、使用
後に小さく折り畳むことによって廃棄が容易になるなど
の利点から普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したパウチでは、
袋状の容器本体は酸素バリア性を有するが、スパウトに
は酸素バリア性が付与されていないので、パウチに収納
できる流動性食品は限定されていた。すなわち、酸化さ
れやすい牛乳や、ビタミンCを含むいわゆる健康食品な
どを上記のようなパウチに収納して市場に流通させるに
は、保存性の面から問題があった。
【0005】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、食品保存性に優れ、様々な流動性食品に
使用できるパウチ形態の食品容器を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、酸素
バリア性を有する可撓性シートで形成され流動性食品を
収納する袋状の容器本体と、この容器の封着部分で密封
されたスパウトおよびこのスパウトを密閉するキャップ
とからなる食品容器において、スパウトおよびキャップ
のうちの少なくとも一方が、(A)袋状の容器本体とヒ
ートシールが可能な樹脂(B)酸素吸収性の化学結合を
有する物質および(C)酸化反応用の遷移金属触媒、の
混合物を成形してなることを特徴とするパウチが提供さ
れる。
【0007】すなわち、この発明のパウチは、袋状の容
器本体とヒートシールが可能な樹脂(A)の中に、酸素
吸収性の化学結合を有する物質(B)と、酸化反応用の
遷移金属触媒(C)を酸素吸収域として均一に存在させ
ることができるので、一体成形で酸素バリア性を有する
スパウトおよび/またはキャップを形成してパウチ全体
に酸素バリア性を付与することができる。
【0008】この発明における酸素バリア性とは、酸素
透過度が、30cc/ m 2 ・atm ・day 以下を意味してお
り、好ましくは10cc/ m 2 ・atm ・day 以下、より好
ましくは3cc/ m 2 ・atm ・day 以下の値の酸素遮断性
を有することを意味する。この発明における可撓性シー
トとしては、充填される食品と適合性があり、廃棄およ
び再資源化が容易であり、外力で容易に裂けることな
く、適度な保形性を具備したものが好ましい。具体的に
は、アルミホイルを芯材としてその表裏に合成樹脂製フ
ィルム、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、延伸ナイロンなどのフィルム
を熱溶着したものが挙げられる。
【0009】この発明における流動性食品としては、牛
乳、ジュース、スポーツドリンクなどの飲料、ヨーグル
トなどの乳製品、ゼリー状嗜好品、スープ、粥などの流
動食、その他宇宙食などの携帯食、さらには味噌、麺つ
ゆ、たれ、ソース類の調味料が例示される。この発明に
おける袋状の容器本体としては、可撓性シートで成形さ
れ食品が充填された状態で外圧により容易に破裂するこ
となく、食品の取り出しに応じて収縮変形するものが好
ましい。具体的には、一般に封筒と呼ばれる平袋、袋の
両側面にマチをもったガゼット袋、マチがなく底が六角
形の亀の甲貼り袋、袋の両側面にマチをもち底が六角形
の角底袋などが挙げられ、これらのなかでも袋の両側面
にマチをもつガゼット袋、または角底袋が好ましい。さ
らに、袋自体が自立型であってもよい。
【0010】この発明におけるスパウトとは、袋状の容
器本体の一部、例えば、可撓性シートの封着辺に形設さ
れる管状吸引口部であり、より好ましくは外周が前記封
着辺に内側で固着され内周が食品の流路を形成する管状
部材からなる。スパウトの内径は食品の物性、流動性に
応じて適宜設定される。吸引口には、容器に充填された
食品を密封し、食品取り出し時に開封可能なキャップを
嵌入あるいは螺合できるよう、嵌合部あるいはネジ部を
形成することができる。この発明では、スパウトに装着
されるキャップが、スパウトを覆ってスパウトと外気の
接触を遮断する構成であれば、キャップのみに酸素バリ
ア性を付与し、スパウトは従来のような汎用樹脂で形成
することができる。キャップは外圧により、あるいは食
品の凝固、加熱膨張などの内圧により容易に吸引口から
抜け出ないものが望ましい。具体的には、吸引口に対す
る戻しトルクが1.5 kgf以上のねじキャップが好まし
い。
【0011】この発明の別の観点によれば、酸素バリア
性を有する可撓性シートで形成され流動性食品を収納す
る袋状の容器本体のスパウトを、(A)袋状の容器本体
とヒートシールが可能な樹脂、(B)酸素吸収性の化学
結合を有する物質および(C)酸化反応用の遷移金属触
媒、の混合物で成形する工程と、成形されたスパウト
を、袋状の容器本体の封着部分で密封する工程と、を含
む食品容器の製造方法が提供される。
【0012】この発明における(A)の樹脂としては、
ポリエチレン〔PE〕、ポリプロピレン〔PP〕、ポリ
エチレンテレフタレート〔PET〕、ポリブチレンテレ
フタレート〔PBT〕、ポリアミド〔PA〕などが例示
される。
【0013】この発明における(B)の物質としては、
ポリマーに被酸化性の活性基を有するポリマーであり、
ポリブタジエン、ポリイソプレンの共重合体、ポリ(メ
タ−キシレンジアミン−アジピン酸)〔三菱ガス化学
(株)製のMXD6〕およびポリ(エチレン−メチルア
クリレート−ベンジルアクリレート)などが挙げられ
る。さらに、高活性の被酸化性のポリマーとして、ポリ
(エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレー
ト)〔EMBZA〕、ポリ(エチレン−メチルアクリレ
ート−テトラヒドロフルフリルアクリレート)〔EMT
F〕などが挙げられる。
【0014】この発明における「(C)酸化反応用の遷
移金属触媒」としては、酢酸、ナフテン酸、ステアリン
酸、アセチルアセトナートコンプレックスもしくは塩酸
のモリブデン、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケルなど
の金属塩が挙げられる。
【0015】この発明のパウチの製造方法では、スパウ
トおよびキャップのうちの少なくとも一方が、(A)の
樹脂を70〜99重量%および(B)の物質を1〜30
重量%と、(A)、(B)の混合物の合計に対して
(C)の触媒を1〜2000重量ppm含む材料を用い
て成形されてなるものが例示される。さらに、スパウト
および/またはキャップの製造方法における、最も好ま
しい形態としては、(A)としてポリエチレンを80〜
90重量%および(B)として前記MXD6を10〜2
0重量%と、(A)、(B)の合計に対して、(C)と
してのステアリン酸コバルトを50〜150重量ppm
含む材料が例示される。
【0016】スパウトは、スパウトを基部として袋状の
容器本体内に延出した棒状体を備えており、その棒状体
とは、吸引口を閉塞することなく吸引口の下端(容器内
の開口端)に接続され、容器本体と協働して、その外表
面と容器内面との間に、容器に充填された食品を吸引口
まで導出するための流路を確保するための手段である。
棒状体の断面形状は、具体例として、円、楕円、半円、
矩形、多角形、円分、割円、円環、円弧、「十」の字、
「一」などが挙げられる。そして、棒状体は、スパウト
との接合部分の近傍に切り欠きを備えていてもよい。こ
のような切り欠きは、容器本体を傾けたときに、容器本
体に残存する食品を容器本体から残らず吸引口まで導出
するのを容易にする。
【0017】断面が円環からなる棒状体であれば、スパ
ウトがストローとなってパウチに収容された食品を残さ
ず取り出すことができる。断面が円弧、「十」の字、
「一」の字からなる棒状体であれば、食品が容器に封入
されたパウチから食品を吸引する際、棒状体が、容器本
体の収縮変形に抗して容器本体内面どうしの密着を阻止
し棒状体の外表面と容器内面との間に吸引用流路を形成
することができる。このために、食品は容器内の残量に
かかわらず、この吸引用流路を通過して吸引口から導出
できる。
【0018】スパウトを密閉するキャップを、(A)、
(B)および(C)の混合物で一体樹脂成形する工程を
さらに有しておれば、スパウトの開口部をねじ付きのキ
ャップまたは嵌入によるキャップで閉鎖することができ
る。スパウトおよびキャップの少なくとも一方が、射出
成形により一体樹脂成形されることにより、効率的な成
形が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜4は、この発明の一つの実
施形態によるパウチを示す。パウチ10は、可撓性シー
トで形成された袋状の容器本体1と、容器本体1の封着
部分で密封され外部に連通可能なスパウト2と、このス
パウト2を基部として容器本体1内に延設される棒状体
3とからなる。容器本体1は、両側面にマチ11を有す
るガゼット袋であって、ポリエステルフィルム、アルミ
ホイル、延伸ナイロンフィルム、ポリエチレンフィルム
の積層フィルムを材料として酸素バリア性を有する可撓
性容器となっている。容器本体1の上方封着辺12に
は、スパウト2が固着されている。
【0020】スパウト2は、封着辺12を封着する際に
容器本体1と一体的に封着されその内周が食品の流路を
形成する合成樹脂製管状部材であり、図2に示すよう
に、その外周が封着辺12の内側で密閉される接合部2
1と、この接合部21から同一内径で上方に延出した口
部22とからなる。口部22にはねじ部23を有し、こ
のねじ部23にはキャップ24が装着可能である。接合
部21の下端には棒状体3が接続されている。
【0021】棒状体3は、スパウト2を封着辺12で容
器本体1に固着したとき、棒状体3の下端が容器本体1
の高さ方向における中心部近傍、またはこの中心部より
下方に位置する長さに設定されている。図3の垂直断面
図に示すように、その軸線から放射状に略等角度間隔で
4方に延展した「十」の字状の断面を有するリブ31群
を有し、それぞれのリブ31は、軸線に沿って略同じ幅
および厚みで形成されていてもよいし、軸線に沿い、先
端に向かって幅と厚みが減少するテーパをもって形成さ
れていてもよい。隣接したリブの端辺32は、容器本体
1が収縮変形したとき、その内面と当接して双方のリブ
31の間に吸引用流路を形成し得る構成となっている。
また、棒状体3は、図8に示すように、スパウト2との
接合部分の近傍に切り欠き55を備えていてもよい。切
り欠き55は、断面形状が円環である棒状体3と接合部
21との接合部分の近傍に形成された縦長の貫通孔であ
り、棒状体3の上部から逆方向に延展した2つの板状リ
ブ35の間の、棒状体3の表面に合計4つ(図8では表
側の2つだけが表される)が形成されている。
【0022】棒状体3の上端部(基部)は、リブ31の
端辺32の上端部を介して接合部21の内周部に挿入さ
れ、それによって、接合部21の下方開口縁部25と棒
状体3の軸線との間に、軸線と直交する面をリブ31群
で4分してなる上部開口4を形成する。この上部開口4
は、容器に封入された食品を容器を傾けた際に、食品を
口部22に流動可能な大きさで形成され、比較的流動性
が低い食品の取り出しを容易にする。なお、接合部21
の下端に棒状体3のないものも本発明に含まれる。ま
た、口部22をアルミシールまたは樹脂薄膜のみで閉鎖
したものおよびさらにこの上にキャップ24で閉鎖した
ものが含まれる。
【0023】容器本体1の使用方法と作用を説明する。
口部22から充填された食品を容器10から取り出す
際、まず、キャップ24を外す。キャップ24はねじ部
23との間で1.5 kgfを超える戻しトルクで解放され
るよう構成されているので、充填された食品が容器10
から容易に漏れ出ることがない。口部22から食品を吸
引すると、食品の液面が低下するのに伴って接合部21
の下方開口縁部25と食品の液面との間で容器本体1の
内面どうしが接近し上部開口4の直下部分に形成された
食品吸引用流路を狭窄する方向に容器本体1が収縮変形
するが、棒状体3が容器本体1の収縮変形に抗してその
内面どうしの密着を阻止し、棒状体の外表面、すなわ
ち、リブ31の端辺32と容器本体1内面との間に吸引
用流路(図示せず)を確保することができる。
【0024】図4に示すように、容器本体1内の残量が
さらに少なくなった場合でも、リブ31の端辺32の下
部において隣接したリブ31の端辺32に容器本体1内
面が当接し、双方のリブ31の間に吸引用流路Aを構成
することができるので、食品は容器内の残量にかかわら
ず、この吸引用流路を通過して吸引口に導出される。
【0025】容器本体1内の残量が棒状体3の下端に満
たない程わずかになった場合には、容器10を傾けるこ
とにより、接合部21の下方開口縁部25と棒状体3の
軸線との間に形成された上部開口4から食品を自然落下
により取り出すことができる。上部開口4は従来より大
きく開口させても吸引には影響がないので、比較的流動
性が低い食品の取り出しも容易におこなえる。使用済の
容器10を廃棄する際は、棒状体3の周りに容器本体1
を巻き付けることによりその体積を低減することがで
き、処分が容易である。図5〜図7は、この発明にかか
るパウチに使用可能な棒状体3の他の実施態様51〜5
3を、断面形状で示す。51は「一」の字、52は円
弧、53は円環の各断面形状を有する。
【0026】上記の棒状体3は、接合部21の内周面と
の密着性を高めるために、例えば特開平8−17520
8号などに記載の方法に従って、接合部21の内周部に
接続する部分をその下方の棒状体3の本体部分と異なる
形状あるいは大きさで構成することができる。なお、こ
れらの棒状体3は、スパウト2と一体成形する場合は、
後述するように、酸素バリア性を有する混合物で一体樹
脂成形されるが、接着や熱溶着でスパウト2に接続する
場合は、接続に適した樹脂材料を選択すればよいので、
スパウト2と同様の酸素バリア性を有する混合物の成形
品でなくてもよい。
【0027】容器本体1は、ポリエステルフィルム、ア
ルミホイル、延伸ナイロンフィルムまたはポリエチレン
フィルムの積層フィルムを材料として、例えば、両側面
にマチ11を有するガゼット袋として形成される。
【0028】実施例 以下に、スパウト2およびキャップ24の製造方法につ
いて説明する。スパウト2およびキャップ24を製造す
るに際し、まず、(A)袋状の容器本体1とヒートシー
ルが可能な樹脂、(B)酸素吸収性の化学結合を有する
物質および(C)酸化反応用の遷移金属触媒からなる以
下のような樹脂組成物を予備混合した。すなわち、
(A)の樹脂として;高密度ポリエチレン;日本ポリケ
ム(株)製“ノバテックHD”HJ560(MI.7) を重量割合
で80%、(B)の樹脂として;ポリ(メタキシリレン
ジアミンアジピン酸);三菱ガス化学(株)製“MXD
6”6001を重量割合で20%、(C)の遷移金属触媒と
して;ステアリン酸コバルトをコバルトの重量として樹
脂(A)と樹脂(B)の合計重量に対し、150ppm
からなる組成物を調整した。次いで、この組成物を二軸
押出機を用いて270℃で溶融混合してペレット状混合
物とした。
【0029】上記の(A)、(B)および(C)からな
るペレット状混合物以外に、(A)のみからなるペレッ
ト状混合物と、(A)および(B)からなるペレット状
混合物を同様に作製した。これらの組成の異なる3種類
のペレット状混合物から、後記の各実施例、各比較例1
および各比較例2を作製する。
【0030】次に、上記の予備混合で調整された3種類
のペレット状混合物を、L/D:24のスクリューを備
えた一軸押出機でシート状に押し出して厚さ1mmのシ
ートにそれぞれ調整し、後記する酸素ガス透過度測定用
のシート状の各試料として作製した。
【0031】一方、上記の予備混合で調整された3種類
のペレット状混合物を、射出成型機を使用して、十字型
の棒状体を備えたスパウトおよびキャップをそれぞれ成
型した。成型された各スパウトは、上部外壁に螺旋状の
ネジを有し、壁面の肉厚は0.8mm、棒状体は長さは
80mm、直径は10mm、リブの平均は肉厚1.5m
m、リブの径方向幅は4.5mmであった。また、成型
された各キャップは、内壁にスパウト外壁のネジと嵌合
する螺旋状のネジを有し、肉厚0.8mmであった。次
いで、アルミニュームを芯材に外面ポリエステルフィル
ム、内面ポリエチレンフィルムを貼合わせた3層フィル
ムから両面にマチを持つ105mm×78mmのガゼッ
ト袋を作成し、成型された上記の各スパウトをガゼット
袋の上端部の開口部にヒートシールにより固着し、パウ
チを作成した。ヒートシールは、まず、スパウト2を容
器本体1の開口部に所定の位置まで差し込み、熱板を上
下に備えた熱シール装置を駆動して前記の熱板を約16
0℃に加熱した。熱板の形状は、図1の封着辺12の形
状に沿ったものであり、封着辺12に均一な熱伝導と圧
力を加えられるように構成されている。この熱板の間
に、スパウト2が差し込まれた容器本体1の封着辺12
をセットし、この封着辺12を熱でシールした。
【0032】比較試験1 上記の厚さ1mmのシート状試料の酸素ガス透過度測定
を行った。酸素ガス透過度の測定はJIS K7126
(1987)の等圧法で行った。結果を表1に示す。
【表1】
【0033】比較試験2 上記の各スパウトをヒートシールして作成されたパウチ
内に取り込まれる酸素ガス量の評価を行った。酸素ガス
量の評価はレサズリン反応試験法で行った。まず、以下
で説明する調整されたレサズリン反応液をパウチ内にシ
リンジで180ml注入し、成型された上記の各キャッ
プでパウチを直ちに密栓して評価サンプルとした。な
お、評価サンプルは、パウチ内に空気が残存しないよう
レサズリン反応液でパウチ内が充たされるように作製し
た。この評価サンプルを酸素ガス濃度0.6%、23℃
の雰囲気下に静置し、一定時間毎にマイクロシリンジで
取り出してレサズリン反応液の色相を観察した。評価サ
ンプル内のレサズリンの色相が無色からピンク色を経て
赤色に変化した時点を酸素ガスの透過の終点(レサズリ
ン反応液の着色時間)とした。
【0034】レサズリン反応試験液の調整について説明
する。蒸留水(イオン交換水)1000mlに対し、下
記の試薬を溶解した。 ・レサズリンナトリウム(和光純薬工業製;Sodium Res
azurin)30mg[酸素反応指示薬となる] ・チオグリコール酸ナトリウム(和光純薬工業製;Sodi
um Thioglycolate)1g[還元剤となる] 水中の溶存酸素を脱気するためにアルミ箔等で外気を遮
断しながら煮沸した。この煮沸中の溶液に寒天を約10
g添加した。次いで、溶液の色がピンクから無色になる
まで自然冷却した(50〜60℃)。冷却された溶液を
シリンジで前記のガゼット袋に注入し、シールした。な
お、溶液の注入中に発色が生じても、ガゼット袋が酸素
バリア性を有するので、発色はすぐに消えた。ガゼット
袋内の寒天が固化したら、酸素バリア性を有する包材で
二重包装(脱気包装か窒素ガス置換包装)し、冷蔵庫で
保管した。
【0035】結果を表2に示す。
【表2】
【0036】表1および表2の結果から明らかなよう
に、実施例および比較例2のそれぞれのサンプルは、酸
素ガス透過度を低減させることができ、特にこの発明の
実施例においてその効果は著しい。これは、酸素吸収性
の化学結合を有する物質(B)と酸化反応用の遷移金属
触媒(C)を母材(A)に加えることによってスパウト
2およびキャップ24に酸素吸収域が均一に形成され、
外部からパウチ10内に侵入した酸素ガスをこの酸素吸
収域で吸収保持するものと考えられる。
【0037】上記の実施態様で示したように、従来のパ
ウチが、袋状容器部分のみにおいて酸素バリア性を有し
ていたのに対して、この発明のパウチ10では、容器本
体1とスパウト2を含むパウチ全体が酸素バリア性(と
酸素吸収性)を有するので、食品の保存性が向上する。
したがって、様々な流動性食品を収納し市場に流通させ
得るパウチ10を提供できる。
【0038】
【発明の効果】この発明によるパウチでは、スパウトを
含むパウチ全体に酸素バリア性を付与することができる
ので、パウチに収納する食品保存性は著しく向上する。
したがって、様々な流動性食品を収納し市場に流通させ
得るパウチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施態様によるパウチの斜視
図(一部切断面を含む)。
【図2】図1のパウチのスパウトおよび棒状体を示す
図。
【図3】図1のIII−III線断面図(食品収納時)。
【図4】図3に対応する図1のIII−III線断面図(食品
吸引時)。
【図5】この発明の他の実施態様による棒状体の断面
図。
【図6】この発明の他の実施態様による棒状体の断面
図。
【図7】この発明の他の実施態様による棒状体の断面
図。
【図8】この発明の他の実施態様による棒状体の一部分
を示す図。
【符号の説明】
1 容器本体 2 スパウト 3 棒状体 10 パウチ(食品容器) 12 封着辺 21 接合部 22 口部 31 リブ 35 リブ 51〜53 棒状体 A 吸引用流路 55 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 哲男 大阪府大阪市淀川区十八条3丁目14番17号 三国プラスチックス株式会社内 (72)発明者 露本 美智男 兵庫県尼崎市神崎町12番1号 ダイセル化 学工業株式会社神崎工場内 (72)発明者 寺河 俊紹 兵庫県尼崎市神崎町12番1号 ダイセル化 学工業株式会社神崎工場内 Fターム(参考) 3E035 AA03 AB01 BA08 BC02 BD02 BD04 CA04 3E064 AA13 AD15 BA25 BA30 BB03 BC04 BC08 EA18 FA04 HD06 HE02 HN05 3E065 AA02 BA02 BA25 BA34 BB03 CA02 CA09 CA11 DA03 DB07 DD05 DE07 FA15 HA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素バリア性を有する可撓性シートで形
    成され流動性食品を収納する袋状の容器本体と、この容
    器の封着部分で密封されたスパウトおよびこのスパウト
    を密閉するキャップとからなる食品容器において、スパ
    ウトおよびキャップのうちの少なくとも一方が、 (A)袋状の容器本体とヒートシールが可能な樹脂 (B)酸素吸収性の化学結合を有する物質および (C)酸化反応用の遷移金属触媒 の混合物を成形してなることを特徴とする食品容器。
  2. 【請求項2】 スパウトが、スパウトを基部として袋状
    の容器本体内に延出した棒状体を備え、棒状体は、その
    断面が、概略で円環、円弧、「十」の字、「一」の字の
    いずれか1つからなる請求項1に記載の食品容器。
  3. 【請求項3】 棒状体が、スパウトとの接合部分の近傍
    に切り欠きを有する請求項1または2に記載の食品容
    器。
  4. 【請求項4】 酸素バリア性を有する可撓性シートで形
    成され流動性食品を収納する袋状の容器本体のスパウト
    を、 (A)袋状の容器本体とヒートシールが可能な樹脂 (B)酸素吸収性の化学結合を有する物質および (C)酸化反応用の遷移金属触媒、 の混合物で成形する工程と、 成形されたスパウトを、袋状の容器本体の封着部分で密
    封する工程と、 を含む食品容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 スパウトを密閉するキャップを、
    (A)、(B)および(C)の混合物で成形する工程を
    有する請求項4に記載の食品容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 スパウトおよびキャップのうちの少なく
    とも一方が、(A)の樹脂を70〜99重量%および
    (B)の物質を1〜30重量%と、(A)、(B)の混
    合物の合計に対して(C)の触媒を1〜2000重量p
    pm含む材料を用いて成形されてなる請求項4または5
    に記載の食品容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 (A)の樹脂が、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
    テレフタレートおよびポリアミドから選択される請求項
    4から6のいずれか1つに記載の食品容器の製造方法。
  8. 【請求項8】 (B)の物質が、ポリブタジエン、ポリ
    イソプレンの共重合体、ポリ(メタ−キシレンジアミン
    −アジピン酸)およびポリ(エチレン−メチルアクリレ
    ート−ベンジルアクリレート)、ポリ(エチレン−メチ
    ルアクリレート−ベンジルアクリレート)およびポリ
    (エチレン−メチルアクリレート−テトラヒドロフルフ
    リルアクリレート)から選択される請求項4から7のい
    ずれか1つに記載の食品容器の製造方法。
  9. 【請求項9】 (C)の触媒が、酢酸、ナフテン酸、ス
    テアリン酸、アセチルアセトナートコンプレックスもし
    くは塩酸のモリブデン、鉄、コバルト、ロジウムおよび
    ニッケルから選ばれた金属塩である請求項4から8のい
    ずれか1つに記載の食品容器の製造方法。
  10. 【請求項10】 スパウトおよびキャップの少なくとも
    一方が、射出成形により成形される請求項4から9のい
    ずれか1つに記載の食品容器の製造方法。
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