JP4802390B2 - 袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に液状物、粒状物などの流動性を有する内容物を密封包装する袋に関し、更に詳しくは、飲料その他の流動性を有する食品を密封包装し、内容物を飲用する際、例えば開封した袋の開口部に直接、口を付けて飲用するような使い方をした場合でも、衛生面に問題がなく、また、安全に飲用することのできる袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状物、粒状物などの流動性を有する内容物を密封包装する袋としては、例えば、三方シール形式、四方シール形式の袋のほか、スタンディングパウチなど自立袋形式の袋が主に用いられている。
このような袋は、通常、内容物を取り出す際、袋の上辺またはコーナー部などのヒートシール部を切り取って開口部を設け、そこから注出するなどして取り出す方法、或いは、袋の一部に狭い幅の注出口部を予め設けて、その先端部を切り取って開口させ、その注出口部から注出する方法などが採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような袋は、例えば、内容物が液体または粘性液体の飲料などで、袋の容量が比較的小さく、袋の開口部に直接口を付けて飲むような使い方をする場合、開口部の外側は、雑菌が付着するなど汚染されているのが一般的であり、衛生面に欠ける問題があった。
また、袋の一部を切り取って開口部を設けた場合、開口端は袋の切断面であり、薄く鋭利になっている場合が多く、直接口を付けると唇や舌を傷つける問題もあった。
更に、内容物が医薬品などで、他の容器に移し替えて使用するような場合でも、袋の開口部外側周縁が汚染されていると雑菌など異物混入の可能性が高くなり、衛生上大きな問題となる。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、袋に充填された飲料などの内容物を、袋の開口部に直接口を付けて飲むような使い方をした場合でも、衛生面に問題がなく、また、袋の開口端に切断面の鋭利な部分がなく、安全に飲用することができ、更に、内容物が医薬品などで他の容器に移し替えて使用するような場合でも、袋の開口部周縁で汚染される危険性がなく衛生的に使用することのできる袋を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。即ち、請求項1に記載した発明は、前後2面の壁面フィルムの周囲の端縁部を袋状にヒートシールしてなる袋において、該袋の一方の壁面フィルムの上部の内側に、左右両側の上部に切り欠き部が設けられた帯状の飲み口用フィルムが、該飲み口用フィルムの下側端縁部の飲み口用フィルム接合部で熱接着して接合し、前記袋の左右両側の端縁部を側部シール部で、前記飲み口用フィルムの両側の端縁部と共に熱接着により接合されて前記袋内に密封されると共に、前記袋の上部を引裂く開封手段が、前記飲み口用フィルムの上部と、前記飲み口用フィルムの両側の上部の切り欠き部を横切るように設けられ、前記開封手段で袋を開封した時、前記飲み口用フィルムの上部が、前記袋の開封位置よりも上方に突出するように形成されていることを特徴とする袋からなる。
【0006】
前記開封手段としては、印刷などで表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークのほか、以下のような引き裂きなどによる開封操作を容易にする易開封性手段を用いることができる。
これらの開封手段は、単独で用いてもよいが、複数を適宜組み合わせて用いることにより、一層容易に袋を開封できるようになる。
【0007】
前記易開封性手段としては、(イ)通常の袋でも多用されるノッチを設ける方法、(ロ)袋の積層フィルムのうち基材層など一部にミシン目線、その他断続的な切り目線による弱め線を設ける方法、(ハ)レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、(ニ)機械的方法によって細長くて小さな傷痕群を袋の端部に形成する方法(その傷痕群を起点として、容易に引き裂きが可能となる)、(ホ)一定方向の開封を容易に行うために、易引き裂き性フィルム、例えば一軸延伸フィルムを袋の積層フィルムの中間層などにその延伸方向が袋を開封する際の引き裂き方向と一致するように積層し、この積層フィルムを袋に用いる方法などがあり、適宜選択、または複数を組み合わせて用いることができる。
【0008】
尚、上記ノッチは、一字形やV字形のノッチが多く採用されているが、その形状に制限はなく、引き裂き方向に向かって尖った部分を有する形状であれば何でもよい。
ハーフカット線についても、連続する線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線であってもよい。このようなハーフカット線は、一本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を、平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることができる。
【0009】
前記のような構成を採ることにより、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)袋に充填された内容物を飲用または注出する際、袋の上部に前記開封手段が設けられているので、袋の上部を容易に切り取って開封することができる。
(2)袋の開封手段が、壁面フィルムの上部の内側に接合された飲み口用フィルムの両側上部の切り欠き部を横切るように設けられているので、該開封手段で袋の上部を切り取って開封する際、飲み口用フィルムを切断することなく、壁面フィルムのみを容易に切り取って開封することができる。
(3)そして、袋の開封手段で袋を開封することにより、壁面フィルムの内側に接合された飲み口用フィルムの上部が、袋の開封線よりも上方に突出するようになる。従って、袋の開口部に直接口を付けて内容物を飲用する場合でも、口と接触する飲み口用フィルムは、外部からの汚染がないため衛生的に飲用することができる。また、内容物が医薬品などで、他の容器に移し替えて使用する場合でも、飲み口用フィルムを樋状にして移し替えることができるので、内容物が袋の開口部の外面に接触することがなく衛生的に移し替えることができる。
【0010】
請求項2に記載した発明は、前記飲み口用フィルムが、上端で折り返された二重構造で形成されていることを特徴とする請求項1記載の袋である。
【0011】
前記飲み口用フィルムは、一枚のフィルムで形成してもよいが、上端で折り返された二重構造で形成することが更に好ましい。
このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、飲み口用フィルムの上端がフィルムの折り返し部で形成されるので、この部分に口を付けて内容物を飲用する際、口当たりがソフトになり、唇や舌を傷つけることもなく安全に飲用することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明は、前記上端で折り返された二重構造の飲み口用フィルムの左右両側上部の切り欠き部の内側周縁部が、ヒートシールにより封止されていることを特徴とする請求項2に記載の袋からなる。
【0013】
このような構成を採ることにより、前記請求項2に記載した発明の作用効果に加えて、二重構造の飲み口用フィルムの間に、両側上部の切り欠き部から内容物が入り込むことがなくなるので、内容物を注出する際、この部分に内容物が残留することもなく、内容物を無駄なく、また、袋を一層きれいに使用することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明は、前記袋の底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に底面フィルムを内側に折り返して挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされ、自立性を有する形式に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の袋である。
【0015】
上記袋の底部のガセット部をヒートシールする内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンは、代表的な例として、内側が底部の中心部から両側に湾曲線状に立ち上がる形状の船底形や、一定の幅と長さの底部から両側が外側に傾斜直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、内側が鈍角に開いたV字状、或いは横に開いたU字状となるシールパターンなど、実質的に内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンであれば何でもよい。
【0016】
このような構成を採ることにより、前記請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作用効果に加えて、袋に自立性が付与されるので、取扱いが容易になるほか、外観、陳列効果なども優れたものとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
本発明の袋は、例えば、図1、図2に示すように構成することができる。
図1、図2は、それぞれ本発明の袋の一実施例の構成を示す正面図である。また、図3の(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の袋の壁面フィルムの上部の内側に熱接着により接合される飲み口用フィルムの構成を説明する斜視図であり、(イ)は一枚のフィルムで形成した場合の例を示し、例えば、図1に示した袋に使用した飲み口用フィルムの構成に該当し、(ロ)は上端で折り返された二重構造で形成した場合の例を示し、例えば、図2に示した袋に使用した飲み口用フィルムの構成に該当するものであり、それぞれ帯状の飲み口用フィルムの左右両側の上部に、切り欠き部3、3が設けられて構成されている。
【0018】
図1に示した袋100は、その底部を、前後2面の壁面フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して底面フィルム折り返し部5まで挿入してなるガセット部6を有する形式で形成し、該ガセット部6を、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターン、この場合、鈍角に開いたV字状に凹状となるシールパターンの底部シール部7でヒートシールして自立性を付与する形式で形成する。
尚、図には示していないが、上記底面フィルムを内側に折り返して挿入する際、折り返した底面フィルムの左右両側の下端近傍には切り欠き部を設けて挿入する。それにより、ガセット部6を底部シール部7でヒートシールした時、両側の壁面フィルム1、1′が切り欠き部の部分で熱接着されるため、袋に内容物を充填して底部が前後に広がった際、左右両端は固定されて開かず底部の外周にリング状の脚部が形成され優れた自立性が付与されるものである。
そして、袋の上部には、図3の(イ)に示すような左右両側の上部が切り欠き部3、3で切り欠かれた帯状の飲み口用フィルム2a (一枚構成)を、この場合、前側の壁面フィルム1の内面に、その下側端縁部の飲み口用フィルム接合部4で熱接着して接合し、また、袋の左右両側の端縁部を側部シール部8、8で、前記飲み口用フィルム2a の両側の端縁部と共にヒートシールして袋の胴部を形成し、更に、袋の上部に、開封手段として、ハーフカット線9とその両端にノッチ10、10を、前記飲み口用フィルム2a の両側上部の切り欠き部3、3を横切るように設けて構成したものである。
【0019】
尚、袋100の上部端縁部の上部シール部11は、この部分を内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして密封するものである。この点は、次の図2に示した袋200においても同様である。前記袋100の構成において、前側の壁面フィルム1の上部の内面に接合した飲み口用フィルム2aは、前側の壁面フィルム1ではなく後側の壁面フィルム1′の上部の内面にも同様に設けることもできる。また、袋の開封手段として、ハーフカット線9の両端に設けたノッチ10、10は、片側の端部のみに設けてもよい。
【0020】
このような構成を採ることにより、内容物の充填は、上部の開口部、即ち、未シールの上部シール部11の部分から容易に充填し、充填後、ヒートシールして密封することができる。
内容物が充填された袋100は、底部が自立性を有する形式で形成されているので、自立性に優れ、取り扱いやすく、外観、陳列効果などにも優れている。
【0021】
袋に充填された内容物を取り出す際は、袋の上部に設けられた開封手段、即ち、ノッチ10とハーフカット線9を利用して、袋の上部をハーフカット線9に沿って容易に引き裂いて開封することができる。
この時、壁面フィルム1の上部の内側に、飲み口用フィルム接合部4で熱接着された飲み口用フィルム2a は、その左右両側の上部に切り欠き部3、3が設けられているので、ノッチ10とハーフカット線9で袋100の上部を引き裂いて開封しても、飲み口用フィルム2a が引き裂かれることはなく、開封後は、飲み口用フィルム2a の上部が、袋100の開封位置よりも上方に突出する形態となる。
従って、内容物として、例えば、液体または粘性液体などの飲料を充填し、開封した袋の開口部に直接口を付けて飲むような使い方をした場合でも、口と接触する部分は飲み口用フィルム2a であって、外部からの汚染を受けておらず衛生的であり、しかも、飲み口用フィルム2a には柔軟なフィルムを使用することができるので、口触りをソフトにすることができ、唇や舌を傷つけることもなく、内容物を安全且つ衛生的に飲用することができる。
また、内容物が液状などの医薬品で、他の容器に移し替えて使用するような場合でも、注出する際、袋の開口部周縁で内容物が汚染される危険性がなく、衛生的に使用することができる。
【0022】
更に、袋の底部が、内側が鈍角に開いたV字状に凹状となるシールパターンの底部シール部7でヒートシールされているので、内容物が充填された袋100は、底部の横断面が菱形状となって前後に広がり、V字形の頂点から上方に稜線を形成するように壁面フィルムが折れ曲がった形状となる。
従って、袋100を開封した時、袋の上部の開口部、即ち、飲み口用フィルム2a も中央部で折れ曲がりやすくなり、内容物の注出幅が狭められるので、この部分に口を付けて内容物を飲用する時、一層飲みやすくなる。この点は、内容物を他の容器に移し替える場合も、上部を樋状に折り曲げやすくなるので、内容物を外にこぼすことなく容易に移し替えることができるようになる。
【0023】
次に、図2に示した袋200は、前記図1に示した袋100の構成において、前側の壁面フィルム1の上部の内面に接合した飲み口用フィルム2aのみを、図3の(ロ)に示した構成、即ち、上端の飲み口用フィルム折り返し部12で折り返された二重構造で、左右両側の上部が切り欠き部3、3で切り欠かれた構成の飲み口用フィルム2bに代えると共に、該切り欠き部3、3の内側周縁部をヒートシール部13、13でヒートシールして封止した構成に変更して構成したものであり、上記変更点以外は、総て図1に示した袋100と同様に形成して構成したものである。この場合も、前側の壁面フィルム1の上部の内面に接合した飲み口用フィルム2bは、前側の壁面フィルム1ではなく後側の壁面フィルム1′の上部の内面にも同様に設けてもよく、また、袋の開封手段として、ハーフカット線9の両端に設けたノッチ10、10は、片側の端部のみに設けてもよい。
【0024】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した袋100で説明した作用効果に加えて、飲み口用フィルム2b の上端がフィルムの折り返し部12で形成されるため、この部分に口を付けて内容物を飲用する際、口触りが更にソフトになり一層安全に内容物を飲用できるようになる。
また、飲み口用フィルム2b の切り欠き部3、3の内側周縁部がヒートシール部13、13で封止されているので、二重構造の飲み口用フィルム2b の間に内容物が入り込むこともなく、袋200をすっきりした状態で使用することができる。
【0025】
前記図1、図2に示した袋100、200では、袋の形式をいずれも自立袋形式で例示したが、本発明では、袋自体の形式は、特に限定はされず、例えば、三方シール形式、四方シール形式などの平袋形式とすることもできる。
【0026】
次に、本発明の袋に用いるフィルム材料について説明する。先ず、飲み口用フィルム2a、2bは、口触りをソフトにするため適度の柔軟性を有し、且つ、袋の壁面フィルム1または壁面フィルム1′の内面に熱接着により接合され、また、通常は、その両側の端縁部が袋の側部シール部8、8で前後の壁面フィルムと共にヒートシールされ、更に、上端で折り返した二重構造とした場合は、その切り欠き部3、3の内側周縁部をヒートシールして封止することもあるため、その両面が熱接着性を有することが必要である。従って、このような飲み口用フィルム2a、2bには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、或いは、その他のポリオレフィン系樹脂などのヒートシール性を有する樹脂の単体フィルム、または、基材層の両面に前記樹脂によるシーラント層を設けた積層フィルムを用いることができる。積層フィルムを用いる場合、その基材層は、支持体としての機械的強度、耐熱性などを有することが好ましく、例えば、ポリエステル、ポリアミド(各種ナイロン)、ポリプロピレンなどの延伸または無延伸フィルムを使用することができる。
【0027】
壁面フィルム1、1′としては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用いるが、特に限定はされず、液状などの内容物の包装用袋に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができ、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理などの使用条件に応じて、適宜に選択して使用することができる。
【0028】
積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム(シリカ又はアルミナ又はアルミニウム蒸着層)/接着剤/一軸延伸又は二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(7) ONフィルム/接着剤/(シリカ又はアルミナ又はアルミニウム蒸着層)PETフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層は、L・LDPE層)
(9) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(13)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(14)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0029】
上記の構成において、ONフィルムは二軸延伸ナイロンフィルム、PETフィルムは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、PPはポリプロピレン、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、また、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを指すものである。
【0030】
そして、各フィルム層の間の接着剤は、通常、その積層をドライラミネーション法で行うため、2液硬化型ポリウレタン系接着剤など公知のドライラミネーション用接着剤を用いることができる。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0031】
前記積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、最外層に用いる場合は、基材フィルムとして袋に機械的強度や耐熱性、印刷適性などを付与するために用いられ、中間層に用いる場合は、主に機械的強度を補強するために用いられる。
中間層に一軸延伸HDPEフィルム、または一軸延伸PPフィルムを用いる場合は、その延伸方向を、袋を開封する際の引き裂き方向と一致するように積層することにより、引き裂きを容易にし、且つ、その方向性を安定化させることができる。
また、中間層に二軸延伸HDPEフィルム、または二軸延伸PPフィルムを用いた場合は、積層フィルムの厚さを増し、その剛性や機械的強度を高めると同時に、水蒸気透過度を小さくすることができる。
更に、中間層には、上記のようなプラスチックフィルムに代えて、耐水性を強化した紙を用いることもできる。紙を用いた場合、折りクセが付きやすくなるので、袋の上部の飲み口近辺の壁面フィルムを縦方向に折り曲げやすくなり、内容物を一層飲みやすくすることができる。
【0032】
そして、アルミニウム箔、シリカ又はアルミナ又はアルミニウム蒸着層、EVOHフィルムなどは、主にガスバリヤー性を付与するために積層するものであり、これらのほか、ポリ塩化ビニリデンの塗膜層、或いは、ポリアクリロニトリルフィルムなどのガスバリヤー性材料を積層することもできる。
【0033】
最内層のシーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れるため、飲料その他の液状物の包装用には特に適している。また、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
【0034】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0035】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の袋のように、側部シール部の飲み口用フィルム介在部の両端、或いは下部のガセット部と側部シール部との間など、ヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差などによるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0036】
尚、袋を自立袋形式で作製する場合は、前記壁面フィルムのほかに、底面フィルムが必要となるが、底面フィルムには、基本的に壁面フィルムと同じ構成の積層フィルムを用いることができる。只、厚さに関しては、壁面フィルムよりも薄くすることができ、それにより、前記ヒートシール部におけるフィルムの重なりの差による段差を小さくして製袋を容易にし、また、コストメリットを得ることができる。
【0037】
以上のようなフィルムを用いて製造する本発明の袋は、前述したように、自立袋、或いは三方シール形式または四方シール形式などの袋の上部の内面に、左右両側の上部に切り欠き部を設けた帯状の飲み口用フィルムを接合すると共に、その切り欠き部を横切るように袋の開封手段を設けたことを特徴とするものである。従って、その製造には、加工セクションの多いスタンディングパウチ(自立袋)用の製袋機、特に、三方シール形式、四方シール形式の袋とスタンディングパウチの兼用の製袋機を利用することが好都合であり、この製袋機に、飲み口用フィルムの供給装置、および飲み口用フィルムに切り欠き部を設ける打ち抜き装置、また、飲み口用フィルムを熱接着するヒートシール装置、そして、袋の開封手段にノッチやハーフカット線を設ける場合は、その打ち抜き装置、レーザー光照射装置など、必要な加工装置を適宜追加付設することにより容易に製造することができる。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
図2に示した構成の袋を作製することとし、下記の構成のフィルム材料を用いて、袋の各部の寸法を下記のように設定して実施例1の袋を作製した。
(壁面フィルムの構成)
ONフィルム(厚さ25μm)/接着剤/アルミニウム箔(厚さ7μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚さ70μm)〔シーラント層〕
(底面フィルムの構成)
ONフィルム(厚さ15μm)/接着剤/アルミニウム箔(厚さ7μm)/接着剤/L・LDPEフィルム(厚さ50μm)〔シーラント層〕
(飲み口用フィルム)
L・LDPEフィルム(厚さ30μm)
【0039】
(袋の各部の寸法)
▲1▼袋の外形寸法:幅90mm、長さ180mm
▲2▼底部ガセット部の寸法:袋の幅方向90mm、袋の長さ方向25mm
▲3▼飲み口用フィルム(二重構造)の寸法:袋の幅方向90mm、袋の長さ方向48mm
▲4▼飲み口用フィルムの切り欠き部の寸法:左右両側上部の角部をそれぞれ袋の幅方向に15mm、袋の長さ方向に18mmの寸法で切り欠く。但し、角部にはRを付ける。
▲5▼飲み口用フィルムの取り付け位置:袋の上端から下方に15mm〜63mmの位置。
▲6▼袋の両側の側部シール部の幅:5mm
▲7▼ノッチおよびハーフカット線の位置:袋の上端から下方に24mmの位置(飲み口用フィルムの両側の切り欠き部を上下に二等分する位置)。
尚、ハーフカット線は、レーザー光照射により壁面フィルムの外側のONフィルム層を直線状に除去するように形成した。
【0040】
以上のように作製した実施例1の袋に果汁230mlをホット充填し、密封、冷却した後、ノッチを利用して袋の上部を引き裂いて開封したところ、飲み口用フィルムを傷つけることなく、ハーフカット線に沿って袋を開封することができた。
開封した袋の上部には、壁面フィルムの内側に接合された飲み口用フィルムの上部が、袋の開封位置よりも上方に突出した形態となっている。
従って、袋の上部の中央部を飲み口用フィルムと共に縦方向に外側に折り曲げて、突出した飲み口用フィルムに直接口を付けて充填された果汁を衛生的且つ容易に飲むことができた。
また、飲用の際、飲み口用フィルムの上端が該フィルムの折り返し部であるため、口触りもソフトで安全であり、快適に飲むことができた。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、主に液状物、粒状物などの流動性を有する内容物を密封包装する袋であって、例えば、飲料など液状の内容物を充填、密封し、袋を開封した後、袋の開口部に直接口を付けて飲むような使い方をする場合でも、衛生面に問題がなく、また、袋の開口端に切断面の鋭利な部分がなく、安全に飲用することができ、更に、内容物が医薬品などで他の容器に移し替えて使用するような場合でも、袋の開口部周縁で内容物が汚染される危険性がなく、衛生的に使用することのできる袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
また、袋の底部を自立袋形式に形成することにより、袋に優れた自立性を付与でき、取り扱いが容易になると同時に、外観、陳列効果にも優れた袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の袋の一実施例の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の袋の別の一実施例の構成を示す正面図である。
【図3】(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の袋の壁面フィルムの上部の内側に接合される飲み口用フィルムの構成を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1、1′壁面フィルム
2a 、2b 飲み口用フィルム
3 切り欠き部
4 飲み口用フィルム接合部
5 底面フィルム折り返し部
6 ガセット部
7 底部シール部
8 側部シール部
9 ハーフカット線
10 ノッチ
11 上部シール部
12 飲み口用フィルム折り返し部
13 ヒートシール部
100、200 袋
Claims (4)
- 前後2面の壁面フィルムの周囲の端縁部を袋状にヒートシールしてなる袋において、該袋の一方の壁面フィルムの上部の内側に、左右両側の上部に切り欠き部が設けられた帯状の飲み口用フィルムが、該飲み口用フィルムの下側端縁部の飲み口用フィルム接合部で熱接着して接合し、前記袋の左右両側の端縁部を側部シール部で、前記飲み口用フィルムの両側の端縁部と共に熱接着により接合されて前記袋内に密封されると共に、前記袋の上部を引裂く開封手段が、前記飲み口用フィルムの上部と、前記飲み口用フィルムの両側の上部の切り欠き部を横切るように設けられ、前記開封手段で袋を開封した時、前記飲み口用フィルムの上部が、前記袋の開封位置よりも上方に突出するように形成されていることを特徴とする袋。
- 前記飲み口用フィルムが、上端で折り返された二重構造で形成されていることを特徴とする請求項1記載の袋。
- 前記上端で折り返された二重構造の飲み口用フィルムの左右両側上部の切り欠き部の内側周縁部が、ヒートシールにより封止されていることを特徴とする請求項2に記載の袋。
- 前記袋の底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に底面フィルムを内側に折り返して挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされ、自立性を有する形式に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の袋。
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