JP4676597B2 - 自立性袋 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、粒状体などの流動性を有する内容物を密封包装し、使用時に内容物を他の容器に移し替えて使用する注出口部付きの自立性袋に関し、更に詳しくは、内容物をボトルなど口径の小さな容器にも安全且つ容易に、また、迅速に移し替えられるよう注出口部の形状を改善した自立性袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体、粒状体などの流動性を有する内容物を密封包装する袋としては、自立性があり立体容器としての特徴も一部備えている所謂スタンディングパウチ形式の袋が主に採用され、且つ、開封時に内容物を外にこぼすことなく他の容器に安全に移し替えられるよう、開口部を袋の上部全体ではなく、袋の上部の一部に狭い幅の注出口部を設ける方法、或いは、プラスチック成形物などによる別体の注出口を袋の上部の一部に熱接着して取り付ける方法などが採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラスチック成形物による別体の注出口を袋の上部の一部に取り付ける方法は、製造工程が増え、注出口自体にも費用がかかり、また、注出口を取り付けた空袋は、厚さが増すため、保管や運搬の費用も割高となり、更に、内容物の充填を注出口から行うため、口径の小さなノズルを備えた特別な充填装置が必要となり、また、充填機のフィーダー部への空袋のスタッキング数も大幅に減少し、オペレーターが頻繁に空袋の供給を行う必要が生じるなど、全体としてコストアップと工程及び作業の煩雑さが増す問題があった。
【0004】
また、袋の上部の一部に狭い幅の注出口部を設ける方法でも、内容物を他の容器に移し替える際の操作性、安全性は、ある程度は改善できる。しかし、例えば、注出口部の幅を狭くすると、移し替え時の安全性は向上するが、注出口部の口が開きにくくなり、また、注出の途中で閉塞することがあり、更に、内容物の粘度が比較的高い場合など、注出に時間がかかり、移し替えの操作が煩わしくなる問題があった。また、注出口部の幅を広くすると、開口性や移し替えの迅速性は向上するが、移し替え時の安全性が低下し、移し替えを行う容器の口径が小さい場合、内容物を外にこぼしてしまう問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常の自立性袋と同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも、注出口部の幅を狭くしても開口性がよく、且つ、内容物の注出にそれほど時間がかかることもなく、口径の小さなボトルなどの容器に対しても、安全且つ容易に最後まで移し替えることができるという、安価で使用適性に優れた自立性袋を生産性よく提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。即ち、請求項1に記載した発明は、前後両側の壁面フィルムと底面フィルムとで形成され、周囲の端縁部が袋状にヒートシールされてなる袋において、該袋の底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされて形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの両側の端縁部をヒートシールして形成され、該袋の上部に、先端部と両側部がヒートシールされてなる先細り形状の注出口部が設けられ、該注出口部の少なくとも一方の側部のヒートシール部に切り欠き部が設けられると共に、該注出口部に開封手段が、該注出口部を両側から中央部にかけて、内側にV字状に窪んだ形状に切り取るように設けられ、該内側に窪んだ形状の最深部が、注出口部の通液路の中心線よりも袋の側部寄りの位置となる形状に設けられていることを特徴とする自立性袋からなる。
【0007】
上記袋底部のガセット部をヒートシールする内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンは、代表的な例として、内側が底部の中心部から両側に湾曲線状に立ち上がる形状の船底形や、一定の幅と長さの底部から両側が外側に傾斜直線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターンが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、内側が鈍角のV字形、或いはU字形となるシールパターンなど、実質的に内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンであれば何でもよい。
【0008】
また、前記注出口部に設ける開封手段の形状は、内側にV字状に窪んだ形状であることを特徴とし、このような構成を採ることにより、注出口部を開封する際、V字形の両側の線が一致するように半折することにより、カットラインが一直線になるので、一動作で注出口部をV字状に開封することができる。このような開封手段は、印刷で表示された切り取り線などの開封指示線や開封指示マークであってもよく、また、実際の引き裂きなどによる開封操作を容易にする易開封性手段であってもよい。更に、これらの複数を適宜組み合わせて設けたものであってもよい。
【0009】
前記易開封性手段としては、この場合、(イ)通常の袋でも多用されるノッチを設ける方法、(ロ)レーザー光照射などによるハーフカット線を設ける方法、(ハ)機械的方法によって細長くて小さな傷痕群を袋の端部に形成する方法(その傷痕群を起点として、容易に引き裂きが可能となる)などを用いることができ、前記開封指示線などの開封手段を含めて、これらの中から、一種を選択し、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0010】
尚、上記ノッチは、一字形やV字形のノッチが多く採用されているが、その形状に制限はなく、引き裂き方向に向かって尖った部分を有する形状であれば何でもよい。
ハーフカット線についても、連続する線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線であってもよい。このようなハーフカット線は、一本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数のハーフカット線を、平行または中心のハーフカット線に収斂する形状などに設けることができる。
【0011】
従って、前記のような構成を採ることにより、本発明の自立性袋は、底部の構成により、自立性が付与され、取扱いが容易になるほか、外観、陳列効果も優れたものとなり、更に、内容物の移し替え操作も、注出の途中で袋を立てて置くことができるので、容易に行うことができる。
また、袋の上部には、先端部と両側部がヒートシールされてなる先細り形状の注出口部が設けられ、該注出口部の少なくとも一方の側部のヒートシール部に切り欠き部が設けられると共に、該注出口部に開封手段が、該注出口部を両側から中央部にかけて、内側に窪んだ形状に切り取るように設けられているので、注出口部は、幅が狭く先細りの形状であると同時に、側部の切り欠き部により突出した形状となっている。
そして、内容物をボトルなど他の容器に移し替える際に、注出口部を前記開封手段で開封することにより、注出口部の先端部は、両側から中央部にかけて、内側に窪んだ形状に開封されるので、注出口部は、先端部の幅が狭くても、内側に窪んだ形状の最深部が起点となって、その内側が両側に大きく開口するようになる。
【0012】
従って、袋を注出口部が下になるように傾けることにより、内容物が先細り形状の注出口部に流動し、その内圧により注出口部は容易に開口される。そして、開口された注出口部は、前述したように、先端部の幅が狭い割にその内側が大きく開口するので、ボトルなどの口径の小さな容器に対しても、容易に注出口部を容器の口部に差し込むことができると同時に、注出速度も速くなり、安全且つ迅速に内容物を移し替えることができるようになる。
また、上記注出口部の開封手段を、内側に窪んだ形状に設ける場合、標準的には、内側に窪んだ形状は、その最深部が注出口部の通液路の中心線上に位置するように設けられる。そして、それにより、開口部の面積が大きくなるため、内容物の注出速度が速くなり、短時間で内容物を移し替えられるようになる。只、実際に内容物を注出する際には、注出口部を下に向けて注出するため、注出口部が横方向乃至斜め上方に向くように設けられている場合、注出口部の上辺側に内圧が強くかかり、左右に広がって開口した注出口部が、内側に窪んだ形状の最深部を起点として両側に大きく広がるため、袋の上下方向には逆に窄まって狭められる傾向を生じる。この傾向は、前記内側に窪んだ形状の最深部が通液路の中心線よりも上辺寄りの位置にある時には一層強くなり、注出速度を速くする効果が低下することになる。また、注出口部の上辺側が細くなるため、その抵抗力も弱くなり、注出ガイドとしての作用も低下する。しかし、本願請求項1の発明のように、前記内側に窪んだ形状を、その最深部が通液路の中心線よりも袋の側部寄りの位置となるように設けた場合は、注出口部の上辺側が太くなり、その抵抗力が強められると同時に、開口した注出口部が、通液路の中心線で両側に折れ曲がり難くなるため、上記の傾向、即ち、注出口部が袋の上下方向に窄まって狭められる傾向を防止することができる。従って、前記のような構成を採ることにより、内容物を注出する際、注出口部が上下左右にバランスよく広がって開口するので、一層確実に内容物の注出速度を速くすることができ、短時間で内容物を移し替えられるようになる。
【0013】
請求項2に記載した発明は、前記注出口部の開封手段が、少なくとも印刷による切り取り線またはハーフカット線のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の自立性袋からなる。
【0014】
本発明の自立性袋では、注出口部の開封手段が、該注出口部を両側から中央部にかけて、内側に窪んだ形状に切り取るように設けられているため、その切り取り形状を一層明確に示すことが好ましく、開封手段に印刷による切り取り線が含まれる場合は一目瞭然であり、また、ハーフカット線が含まれる場合もハーフカット線により線状の溝が形成され、また、この溝が濁った外観となるため明瞭に視認することができる。
【0015】
従って、このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、注出口部を開封する際、指定の位置で容易に開封できるようになる。
実際には、印刷による切り取り線を単独で設けて鋏で切り取るようにしてもよいが、例えば、印刷による切り取り線と、ノッチおよびハーフカット線を組み合わせて設けてもよく、それにより鋏などの道具を必要とせず、手だけで容易に引き裂いて指定の位置で開封できるようになる。
【0021】
請求項3に記載した発明は、前記壁面フィルムの少なくとも注出口部に膨らみ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自立性袋である。上記膨らみ部は、注出口部のみに設けてもよいが、例えば、注出口部から袋の中心部にかけて、注出口部では比較的幅が広く、そこから中心部にかけては幅が狭くなり押し罫状となる形状などに設けることができる。また、このような膨らみ部は、片側の壁面フィルムのみに設けてもよいが、両側の壁面フィルムに設けることが更に好ましい。
【0022】
このような構成を採ることにより、前記請求項1又は2に記載した発明の作用効果に加えて、注出口部の開口性が一層向上し、前記開封手段で注出口部を開封することにより、自動的に注出口部が保形性よく開口するようになる。尚、以上のような本発明の自立性袋の上部に設けた注出口部とその側部の切り欠き部、および注出口部の開封手段や膨らみ部などの構成は、自立性袋に限らず、四方シール形式、三方シール形式、ピロー形式などの平パウチにも適用することができる。その場合、袋の自立性はなくなるが、内容物を他の容器に移し替える際の容易性、安全性、迅速性などについては、前述した本発明の自立性袋と同様な作用効果を奏する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の自立性袋の製造に用いるフィルム、および自立性袋の製造方法など発明の実施の形態について説明する。
本発明の自立性袋の製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、各種液体用パウチなどに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができる。
これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用することができる。
【0024】
好ましく使用できる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/二軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカまたはアルミナ蒸着層)/接着剤/二軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0025】
上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
各層の間の接着剤は、通常、その積層がドライラミネーション法で行われるため、2液硬化型ポリウレタン系接着剤などのドライラミネーション用接着剤を用いることができる。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0026】
前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとして袋に機械的強度や印刷適性を付与し、中間層に用いた二軸延伸HDPEフィルム、二軸延伸PPフィルムは、積層フィルムの厚さを増し、その剛性や機械的強度を高めると共に、水蒸気バリヤー性を向上させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカまたはアルミナ蒸着層、EVOHフィルムなどは、各種のガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
【0027】
また、最内層のシーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
【0028】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0029】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、本発明の自立性袋のように、ヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のある袋のシーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0030】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の自立性袋の製造方法について説明する。
本発明の自立性袋は、底部をガセット形式で形成して自立性を付与した形態であるため、基本的には、従来のスタンディングパウチ用の製袋機を利用して製造することができる。
【0031】
只、通常のスタンディングパウチとは下記の点で異なっている。
▲1▼袋の上部の一部に、その先端部と両側部をヒートシールしてなる狭い幅で先細り形状の注出口部を設けている点。
▲2▼前記注出口部の少なくとも一方の側部のヒートシール部に、内容物を他の容器に移し替える際に、注出口部を容器の口部に固定し易くし、また、注出口部を開封する際、その先端部を摘み易くするためなどの切り欠き部を設けている点。
▲3▼少なくとも前記注出口部を含む袋上部の領域に、エンボスなどにより膨らみ部を設けている点。
▲4▼前記注出口部にノッチ、ハーフカット線などの易開封性手段を適宜設けている点である。
【0032】
従って、上記▲1▼〜▲4▼に記載した追加構成部分を設けるための加工装置、即ち、注出口部、切り欠き部、膨らみ部、易開封性手段などを設けるためのトリミング装置、打ち抜き装置、ヒートシール装置、エンボス装置など熱プレス成形装置、レーザー光照射装置などを適宜スタンディングパウチ用製袋機に追加付設、もしくは部分改造することにより、容易に製造することができる。
【0033】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。図1、図2は、それぞれ本発明の自立性袋の一実施例の構成を示す正面図である。但し、図1、図2に示した自立性袋は、袋の底部および胴部の構成は同一であり、袋の上部の一部に設ける注出口部の形状や、その側部に設ける切り欠き部の形状、そして、注出口部の開封手段の形状などを適宜変更して構成したものである。
【0034】
図1は、本発明の自立性袋の第1の実施例の構成を示す正面図である。図1に示した自立性袋700は、その底部と胴部が、通常のスタンディングパウチと同様な形式で形成されており、底部2が、前後両側の壁面フィルム1、1′の下部の間に、底面フィルムを内側に折り返して、底面フィルム折り返し部3まで挿入してなるガセット部6を有する形式で形成され、内側に折り込まれた底面フィルムの両側下端近傍には、この場合、半円形の底面フィルム切り欠き部4、4が設けられ、ガセット部6が、内側が底部の中心部から両側に湾曲線状に立ち上がる形状の船底形のシールパターン、即ち、底部シール部5でヒートシールされて形成され、胴部が、前後両側の壁面フィルム1、1′の両側の端縁部を側部シール部7、7でヒートシールして形成されている。
【0035】
そして、自立性袋700の上部、即ち、図において左上部のコーナー部には、先端部と両側部が注出口部シール部8でヒートシールされてなる先細り形状の注出口部10が設けられ、且つ、注出口部10の通液路の上下両側のシールラインが直線状に形成されると共に、その上側のシールラインが、横方向の直線で形成され、更に、注出口部10の両側のヒートシール部に、切り欠き部11a 、11b が設けられ、また、注出口部10の先端部寄りの位置には、開封手段として、その両側から中央部にかけて内側に窪んだ形状、この場合、鈍角に開いたV字状の切り取り線12と、その両側の端部にノッチ13、13が設けられて構成されている。
【0036】
また、上記切り取り線12の位置には、更に、これに沿って、レーザー光照射などによるハーフカット線を設けることもでき、それにより、一層容易に注出口部12をV字状に切り取って開封できるようになる。そして、自立性袋700の上部の端縁部の上部シール部9は、内容物の充填口に使用するため、内容物の充填前は未シールの開口部とし、内容物の充填後にヒートシールして密封するものである。これらの点は、以下の図2に示す自立性袋についても同様である。
【0037】
また、前記自立性袋700の構成において、注出口部10の先細り形状は、この場合、注出口部10の通液路の上下両側のシールラインのなす角度、即ち、先細り角度が70°で収束に向かう形状であるが、この先細り角度は、35°〜85°の範囲であれば、自立性袋700を傾けて注出口部10に内容物による内圧をかけた時、自然に注出口部10が開口するようになる。
【0038】
このような構成を採ることにより、自立性袋700への内容物の充填は、未シールの上部シール部9の幅が広いため、この部分から容易に行うことができ、例えば、液状の内容物を充填し、上部シール部9を脱気シールして密封した自立性袋700は、底部のガセット部6の構成により自立性が付与され、取り扱い易く、外観、陳列効果にも優れている。そして、充填された内容物をボトルなど他の容器に移し替える際には、注出口部10を、切り取り線12に沿って切り取って開封することにより、注出口部10は、両側から中央部にかけて内側にV字状に窪んだ形状に開封される。開封された注出口部10は、内容物の内圧で容易に開口し、開口した注出口部10は、先端部の口径が小さく、且つ、先端部から内側に向けて、前記V字状のカットラインにより大きく開口する。
【0039】
従って、口径の小さなボトルなどの容器に対しても、注出口部10の先端部を容器の口部に容易に差し込んで注出することができ、且つ、注出口部10は大きく開口しているので、内容物を外にこぼすことなく、安全且つ迅速に移し替えることができる。尚、注出口部10の開封方法に関しては、切り取り線12の両端のノッチ13、13を利用して両側から切り取り線12に沿って引き裂いて開封してもよいが、前述したように通液路の中心線Mで二つ折りすることにより、V字状の両側の切り取り線12が同位置に重なり合うので、ノッチを利用して同時に引き裂いて開封することもできる。
【0040】
また、内容物の注出に際して、注出口部10の通液路の上下両側のシールラインが先細りとなる形状で、且つ、上側のシールラインが、横方向の直線で形成されているので、自立性袋700を、注出口部10を下に向けて傾けた時、袋の上部へ流動した内容物が、一旦、前記上側シールラインを含む横方向の袋の上部シール部にぶつかり、そこで流れ方向を90°変えて先細りの注出口部10から注出される。従って、内容物が注出される際の圧力損失が大きくなり、流速が低下すると同時に、流れ方向も確実に横方向の上側シールラインにより、下方向に制御されるので、内容物の粘度が低い場合でも、周りに飛び散ることがなく、安定した流れで安全に移し替えることができる。また、逆に内容物の粘度が高い場合でも、開口部が大きくなっているので、注出に時間がかからず迅速に移し替えることができる。
【0052】
また、図1に示した自立性袋700は、注出口部10に設けた開封手段を、内側にV字状に窪む形状であって、且つ、そのV字状の最深部(この場合、角部)が、注出口部10の通液路の中心線Mよりも袋の側部寄りの位置となる形状に変更して設けると共に、その両側の端部にノッチ13、13を設けて構成したものである。
【0053】
このような構成を採ることにより、先に説明したように、袋に充填された内容物を注出する際、注出口部10を上記開封手段で開封することにより、開封された注出口部の上辺側が太くなり、その抵抗力が強められると同時に、左右に広がった注出口部10が、通液路の中心線Mで両側に折れ曲がり難くなるため、注出口部が袋の上下方向に窄まって狭められる傾向を防止することができる。従って、注出口部が上下左右にバランスよく広がって開口するので、一層確実に内容物の注出速度を速くすることができ、短時間で内容物を移し替えられるようになる。
【0054】
図2は、本発明の自立性袋の第2の実施例の構成を示す正面図である。図2に示した自立性袋800は、前記図1に示した自立性袋700の構成において、注出口部を含む袋の上部の領域に、内容物を注出する際、注出口部10の開口性を更に向上させ、且つ、袋の上部を前後に一層広がり易くするための膨らみ部Sを追加して設けて構成したものである。この膨らみ部Sは、注出口部10の先端部近傍から自立性袋800の内部方向に向けて、注出口部10とその近辺では、注出口部の開口性を更によくするために、膨らみ部S1 のように広い幅に形成し、その先の袋の中心部寄りの部分では折り曲げ線として作用するように膨らみ部S2 のように狭い幅に形成されている。このような膨らみ部Sの膨らみ高さは、特に限定はされないが、広い幅の膨らみ部S1 の部分では1.5〜6mm程度が好ましく、狭い幅の膨らみ部S2 の部分では0.5〜2mm程度が好ましい。また、膨らみ部Sの高さ方向の断面形状は、この場合、膨らみ部S1 、S2 いずれも台形状であるが、特に限定はされず、例えば、膨らみ部全体が多面体を形成するような形状とすることにより、膨らみ部Sの保形性を向上させることができる。また、膨らみ部S2 は、その先端部を袋の中心部または下部の位置まで延長して設けてもよく、それにより、自立性袋800の形態安定性を一層向上させることができる。
【0055】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した自立性袋700の構成の作用効果に加えて、袋に充填された内容物をボトルなど他の容器に移し替える際、注出口部10の先端部を、ノッチ13、13を利用して切り取り線12に沿って切り取ることにより、注出口部10が膨らみ部S1 により自動的に保形性よく開口する。そして、自立性袋800を、注出口部10をボトルの口部に差し込むようにして傾けることにより、自立性袋800の上部が膨らみ部S2 により容易に前後に広がるので、内容物が比較的粘度の高いものであってもスムーズに袋の上部から注出口部に流動し、安全且つ迅速に移し替えることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常の自立性袋と同様な製造工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも内容物の充填シール後の袋の自立性、および外観、陳列効果がよく、更に、内容物の使用時には、袋の上部の一部に設けられた注出口部の先端部を開封手段で切り取るだけで、容易に注出口部を開口させることができ、且つ、口径の小さなボトルなどの容器に対しても、注出口部の先端部を容器の口部に差し込みやすく、比較的粘度の高い内容物でも注出に時間がかからず、安全且つ迅速に内容物を移し替えることができるという安価で使用適性に優れた自立性袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立性袋の第1の実施例の構成を示す
正面図である。
【図2】本発明の自立性袋の第2の実施例の構成を示す
正面図である。
【符号の説明】
1、1′ 壁面フィルム
2 底部
3 底面フィルム折り返し部
4 底面フィルム切り欠き部
5 底部シール部
6 ガセット部
7 側部シール部
8 注出口部シール部
9 上部シール部
10 注出口部
11a、11b 切り欠き部
12 切り取り線
13 ノッチ
M 通液路の中心線
S、S1、S2 膨らみ部
700、800 自立性袋

Claims (3)

  1. 前後両側の壁面フィルムと底面フィルムとで形成され、周囲の端縁部が袋状にヒートシールされてなる袋において、該袋の底部が、前後の壁面フィルムの下部の間に、底面フィルムを内側に折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成され、該ガセット部が、内側が両側から中央部にかけて凹状となるシールパターンでヒートシールされて形成され、胴部が、前後の壁面フィルムの両側の端縁部をヒートシールして形成され、該袋の上部に、先端部と両側部がヒートシールされてなる先細り形状の注出口部が設けられ、該注出口部の少なくとも一方の側部のヒートシール部に切り欠き部が設けられると共に、該注出口部に開封手段が、該注出口部を両側から中央部にかけて、内側にV字状に窪んだ形状に切り取るように設けられ、該内側に窪んだ形状の最深部が、注出口部の通液路の中心線よりも袋の側部寄りの位置となる形状に設けられていることを特徴とする自立性袋。
  2. 前記注出口部の開封手段が、少なくとも印刷による切り取り線またはハーフカット線のいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の自立性袋。
  3. 前記壁面フィルムの少なくとも注出口部に膨らみ部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自立性袋。
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