JP3883632B2 - スタンディングパウチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体などの流動性を有する内容物を密封包装するために用いられるスタンディングパウチに関し、更に詳しくは、開封時に内容物をボトルなど他の容器に容易に移し替えられるよう細く突出した注出口が設けられるようにしたスタンディングパウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタンディングパウチは、プラスチックフィルムなどの軟包装材で形成されているにも拘わらず、自立性があり立体容器としての特徴も備えていることから、液体、粉体などの容器としても広く用いられている。
しかし、その開封に関しては、▲1▼スタンディングパウチの上部に設けられたノッチ部を利用して上部全体を除去して開封する方法、▲2▼鋏などで上部シール部のコーナーを切り取って開封し、これを注ぎ口とする方法、更には、▲3▼プラスチック成形品などによる別体のキャップ付き注出口などを、上部開口部に予め熱接着などで取り付けておいて、キャップを取り外すことにより開封する方法、などが採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼のスタンディングパウチの上部全体を除去して開封する方法は、特に内容物が液体の場合、パウチが軟らかいため手で持ったときに上部から溢れやすいという問題がある。また、▲2▼の上部シール部のコーナーを切り取って開封し、これを注ぎ口とする方法は、開口部を狭くできる点で上記▲1▼の方法と比較すると、内容物を誤って溢れさせる危険性は少なくできる。しかし、開口部が狭くなると開口部両面のフィルムが内面同士で密着しやすくなるため、継続的に安定した流れで最後まで注ぎ出すことが難しく、特に残量が少なくなった場合、手でパウチを圧迫して押し出す必要を生じ、手で圧迫すると瞬間的に勢いよく流出するため他の容器などに移し替える場合、内容物をこぼしやすいという問題がある。
【0004】
また、▲3▼のキャップ付き注出口などを、上部開口部に予め熱接着などで取り付けておいて、キャップを取り外すことにより開封する方法は、開口部の大きさなどを予め内容物の性状や注出条件に適するように安定した形状で設定できるので、前記▲1▼、▲2▼の方法と比較すると注出の安全性、安定性とも優れている。しかし、このようなプラスチック成形品などによる注出口をスタンディングパウチに取り付ける場合、製造工程が複雑になると同時に、包装袋が嵩張り、内容物の充填も通常、孔径の小さな注出口から行う必要があるため、特別な充填装置を必要とし、更に、注出口のコストも余分にかかるため、包装にかかるコストが大幅に高くなる欠点がある。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、成形品などによる別体の注出口を必要とせず、内容物の充填が容易で、しかも使用時には、パウチ上部ヒートシール部の一部を切り取るだけで、細く突出した注出口を容易に形成でき、且つ、その注出口の先端の開口も容易に行うことができ、更に、その注出口をボトルなどの口部に差し込むことにより、開口部から、安全且つスムーズに最後まで注ぎ出すことができるという、移し替えなどの使用適性に優れたスタンディングパウチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明により達成することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、底部がフィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、胴部が前後2面の壁面フィルムで形成され、上部の開口部がヒートシールにより密閉される形式のスタンディングパウチにおいて、該開口部の密閉に用いる上部のヒートシールパターンを、該壁面フィルムの上縁部では、該開口部の全幅をヒートシールできる形状とし、その下に連接される部分では、該開口部の中、一部に細く突出した先細り形状の注出口を形成できるように、先細り形状の首・肩状の非シール部を形成できる形状とすると共に、該首・肩状の非シール部の外側を所定幅のヒートシール部を残して切り取るための、該首・肩状の非シール部の線に沿うミシン目線が、上部ヒートシール部領域内の該首・肩状の非シール部の両側に設けられ、且つ、前記首・肩状の非シール部の首状部の先端近傍に、該首状部を横断するように切り取って前記注出口を開口させるための、印刷による開口用切り取り表示線またはハーフカット線が設けられ、更に、該開口用切り取り表示線またはハーフカット線が、前記細く突出した先細り形状の注出口を形成するために設けられたミシン目線と交差する位置にノッチが設けられていることを特徴とするスタンディングパウチからなる。
【0007】
このような構成を採ることにより、プラスチック成形品などによる別体の注出口を取り付ける必要がなく、通常のスタンディングパウチと同じ製造工程で容易にスタンディングパウチを製造することができ、内容物の充填シールも容易で、且つ、内容物が密封包装されたスタンディングパウチの使用に際して、上部ヒートシール部領域内に設けられた首・肩状の非シール部の線に沿うミシン目線、または印刷による切り取り表示線に従って、手または鋏で上部ヒートシール部の一部を切り取るだけで、パウチ上部に細く突出した注出口が形成され、更に、その注出口の先端部を切り取ることにより、容易に注出口を開口させることができる。
従って、内容物をボトルなど他の容器に移し替える場合でも、注出口を容器の口部に差し込むことができるので、外にこぼすこともなく最後まで安全に移し替えることができる。
【0009】
このような構成を採ることにより、前記の作用効果に加えて、内容物が密封包装されたスタンディングパウチの使用に際して、形成された注出口の開口時、誤って、その根元近くを切り取ることがなく、確実、且つ容易に注出口の先端部近傍で切り取って、所定の長さの注出口を開口させることができる。
【0010】
尚、前記ミシン目線は、一般的には直線状の切れ目線と繋ぎ部を交互に配列して形成されるが、本発明においてはこれに限定するものではなく、設けられるミシン目線全体の形状に応じて、切れ目線の形状は直線状、曲線状、くの字状などの単独、または複数の組み合わせで構成することができる。
そして、前記ハーフカット線は、パウチの壁面フィルムの全層の中、例えば、強度に優れた表面の基材フィルム層など、全層の厚さの1/2程度を表面側から機械的方法またはレーザー光の照射などにより切断しておいて、ハーフカット線通りに引き裂けるようにしたものである。
また、前記ノッチの形状は、I字形、V字形などいずれでもよく、また、引き裂き方向に鋭角部分を有する切り欠きであってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のスタンディングパウチの製造方法など実施の形態について説明する。
先ず、本発明のスタンディングパウチの製造に用いる材料は、特に限定はされず、公知のスタンディングパウチに用いられている材料はいずれもそのまま使用でき、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適する材料を自由に選定して使用することができる。
通常、スタンディングパウチにはプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、その構成の具体例として以下のようなものが挙げられる。
【0012】
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム
(5) ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム
(9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム
(10)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0013】
尚、上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0014】
前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や印刷適性を付与し、一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向をパウチを開口させる際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルムなどは、ガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
また、シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
【0015】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており安定したシールが得られる点で好ましい。
【0016】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明のスタンディングパウチの製造方法について説明する。
本発明のスタンディングパウチは、先にも説明したように、液状などの内容物が密封包装されたスタンディングパウチを開封して使用する際に、ボトルなど他の容器に安全且つ容易に移し替えられるよう、パウチ上部の一部に細く突出した形状の注出口を簡単な操作で形成できるようにしたものである。
このために、上部ヒートシール部のヒートシールパターンを所定の形状に変更してシールすると共に、その上部ヒートシール部に、不要部分を取り除いて注出口を形成するための切り取り用のミシン目線、または印刷による切り取り表示線を設け、更に、注出口の先端部を切り取って開口するための印刷による開口用切り取り表示線またはハーフカット線、ノッチなどを設けて構成したものである。
【0017】
このようなスタンディングパウチを製造する場合、大別して2通りの方法を採ることができる。
第1の方法は、通常のスタンディングパウチと同様に、適宜印刷を施し、ラミネートにより積層し、所定の寸法(幅)に仕上げた前後2面の壁面フィルムと底材フィルムとを用いて、スタンディングパウチ用製袋機により底部(ガセット形式)と胴部とをヒートシールして上部が開口するスタンディングパウチを作製し、次いで充填シール機により、上部開口部から内容物を充填した後、所定のヒートシールパターンに作製したシールヘッドにより、上部開口部をヒートシールして密封する方法である。
尚、上部ヒートシール部に設ける切り取り用のミシン目線、およびノッチは、上記充填シール後、上部ヒートシール部に設けることが好ましいが、充填シールの前、即ち、製袋時にインラインまたはオフラインで所定の位置に予め設けておくこともできる。
【0018】
第2の方法は、前記第1の方法とは、上部ヒートシール部をヒートシールする時機を変えたものであり、内容物の充填前、即ち、製袋時に上部ヒートシール部を所定のヒートシールパターンで予めヒートシールする方法である。
この場合、内容物の充填用には、左右の胴部ヒートシール部の中、いずれか一方の全部または一部を未シールの状態で開口させておき、充填シール機でこの部分から内容物を充填し、次いで、この部分をヒートシールして密封するものである。
この方法を採る場合は、上部ヒートシール部に設ける切り取り用のミシン目線、およびノッチも、内容物の充填前、即ち、製袋時に、上部ヒートシール部の所定のヒートシールパターンによるヒートシールに続いて、インラインで加工することができる。
【0019】
また、上記のように、内容物の充填前に上部ヒートシール部をヒートシールする場合でも、そのヒートシールパターンの形状によっては、必ずしも胴部ヒートシール部に内容物充填用の未シールの開口部を設ける必要はなく、上部に未シールの開口部を設けることもできる。
即ち、パウチの上部ヒートシール部のヒートシールパターン内に設けられる注出口を形成するための首・肩状の非シール部とその外側のヒートシール部とが、後記図1に示すように、パウチ上部のコーナー部に設けられる場合には、上部のヒートシールパターンを、この部分に限定した形状で作製してヒートシールし、残りの部分を内容物充填用の未シールの開口部として利用することにより、問題なくこの部分から内容物を充填し、ヒートシールすることができる。
このような方法を採ることにより、内容物充填後の開口部のヒートシールを、フィルムの厚さに段差のあるパウチの側縁部でなく、上部で行えるため、安定したシールが得られる利点がある。
【0020】
【実施例】
以下に、図面および試験例により、本発明を更に具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの図面、試験例に限定されるものではない。また、異なる図においても同一名称の部分には同じ符号を用いた。
【0021】
図1、図2は、それぞれ本発明のスタンディングパウチの一実施例の構成を示す正面図であり、内容物が充填シールされた後の形態を示す図である。
図3は、図1に示したタイプのスタンディングパウチの使用時(内容物注出時)の状態を示す斜視図である。
【0022】
図1において、スタンディングパウチ20は、底部と胴部がそれぞれ底部ヒートシール部2と胴部ヒートシール部3でヒートシールされて形成されると共に、例えば、開口する上部から液状などの内容物を充填した後、上部がヒートシールパターン4の形状にヒートシールされて密封されている。
【0023】
そして、パウチ上部をヒートシールするヒートシールパターン4は、パウチの上縁部では、パウチの全幅をヒートシールできる形状とし、その下に連接される部分、この場合、左側コーナー部では、細く突出した注出口7を形成できるように、首・肩状の非シール部5を有する形状に形成されている。
また、上記ヒートシールパターン4でヒートシールされたパウチのコーナー部のヒートシール部領域内には、首・肩状の非シール部5の外側を所定幅のヒートシール部を残して切り取るためのミシン目線、または印刷による切り取り表示線6が設けられ、更に、該首・肩状の非シール部5の首状部の先端近傍に、該首状部を横断するように切り取って開封し、注出口7に開口部10を設けるための、印刷による開口用切り取り表示線またはハーフカット線8と、その両側端部にノッチ9a,9b とが設けられた構成である。
但し、このノッチ9a,9b は、前記開口用切り取り表示線またはハーフカット線8が、前記ミシン目線、または印刷による切り取り表示線6と交差する位置にI字形などの形状で設けてもよく、むしろその方が開封時の手順として、先に注出口7を形成し、次いでその先端部近傍を切り取って開封できるため安全性の点で好ましい。
【0024】
図1に示した構成のスタンディングパウチ20に密封包装された液状などの内容物を、ボトルなど他の容器に移し替える際には、例えば、スタンディングパウチ20を起立させた状態で、ノッチ9aまたは9bにより開口用切り取り表示線またはハーフカット線8でパウチの上縁コーナー部を切り取って、注出口7の先端を開口部10で開口させる。
次いで、パウチ上部コーナーのヒートシール部に設けられたミシン目線、または印刷による切り取り表示線6で、首・肩状の非シール部5の両外側のヒートシール部を切り取ることにより、細く突出した注出口7が形成される。
従って、この状態のスタンディングパウチ20を手で持って、注出口7を空のボトルなど他の容器の口部に差し込んでパウチを傾けることにより、内容物が注出口7を通して注ぎ出され、外にこぼれることなく安全に移し替えることができる(図3参照)。
【0025】
図2は、注出口7がスタンディングパウチ30の上部の略中央部に設けられる場合の構成の例を示したものである。
この形態の場合も、スタンディングパウチ30は、底部と胴部がそれぞれ底部ヒートシール部2と胴部ヒートシール部3でヒートシールされて形成されると共に、例えば、開口する上部から液状などの内容物を充填した後、上部がヒートシールパターン4の形状にヒートシールされて密封されている。
【0026】
そして、パウチ上部をヒートシールするヒートシールパターン4は、その上縁部ではパウチの全幅をヒートシールできる形状を有し、その下に連接される部分では、その中央部下側に首・肩状の非シール部5の首状部が位置する形状に形成されている。
尚、肩状部は、図2では水平のラインで形成されているが、両側に肩下がりの傾斜を有するように形成してもよく、そのように形成することにより、内容物を注ぎ出す際、最後まで一層スムーズに注ぎ出せる効果がある。
【0027】
また、ヒートシールパターン4でヒートシールされた上部ヒートシール部4の領域内には、首・肩状の非シール部5の外側を、所定幅のヒートシール部を残して切り取るためのミシン目線、または印刷による切り取り表示線6が設けられ、更に、該首・肩状の非シール部5の首状部の先端近傍には、該首状部を横断するように切り取って開封し、注出口7に開口部10を設けるための印刷による開口用切り取り表示線またはハーフカット線8と、該開口用切り取り表示線またはハーフカット線8が前記ミシン目線、または印刷による切り取り表示線6と交差する位置にノッチ9c,9d とが設けられた構成である。
【0028】
上記図2に示した構成のスタンディングパウチ30に密封包装された液状などの内容物を、ボトルなど他の容器に移し替える際には、パウチの上部ヒートシール部4に設けられたミシン目線、または印刷による切り取り表示線6に従って両側上部のヒートシール部を切り取って、パウチ上部中央部に細く突出した注出口7を形成させる。
次いで、スタンディングパウチ30を起立させた状態で、ノッチ9cまたは9dにより開口用切り取り表示線またはハーフカット線8に従って、注出口7の上部を切り取ることにより、注出口7の先端部が開口部10で開口される。
この状態のスタンディングパウチ30を手で持って、注出口7を空のボトルなど他の容器の口部に差し込んでパウチを傾けることにより、内容物が注出口7を通して注ぎ出され、外にこぼれることなく安全に移し替えることができる。
【0029】
尚、図2において、特に符号で表示はしていないが、注出口7を形成するためのミシン目線、または印刷による切り取り表示線6の注出口7の両側の根元部分に窪み部を設けている。
このような窪み部を設けることにより、内容物をボトルなどに移し替える際、注出口7を根元までボトルの口部に差し込んで窪み部とボトルの口部上端部を嵌合させることができるので、注出口7がボトルの口部に固定され、一層安全に内容物を移し替えることができる。
【0030】
図3は、図1に示したタイプのスタンディングパウチの内容物注出時の状態を示す斜視図であり、スタンディングパウチ40の上部コーナー部に細く突出するように形成された注出口を空容器の口部に差し込んで内容物の注ぎ出しが行われている。このように使用することにより、内容物が外にこぼれることなく安全に最後まで移し替えを行うことができる。
【0031】
〔試験例1〕
基材フィルムとして厚さ15μmのONフィルムを用い、これにシーラント層として厚さ130μmのL・LDPEフィルムを、ポリエステル/イソシアネート系2液硬化型接着剤を用いてドライラミネート法で貼り合わせて、スタンディングパウチ用の積層フィルム(胴部および底部に共通に用いる)を作製した。
上記積層フィルムを用いて、図1に示した構成のスタンディングパウチを作製することとし、各部の寸法を下記のように設定して試験例1のスタンディングパウチを作製した。
【0032】
パウチの外形寸法は、幅135mm、長さ250mmで、底材フィルムの折り返し部の長さは35mmとし、底部のヒートシールパターンは、通常のスタンディングパウチと同様に、上部に下反りの湾曲部(湾曲部の高さ30mm)を有し、湾曲部の底からパウチ下端まで長さ5mmのヒートシール部を有する形状とし、また、胴部ヒートシール部の幅は5mmとして、底部と胴部をヒートシールして上部が開口するスタンディングパウチを作製した。
【0033】
そして、上部をヒートシールするヒートシールパターンは、図1に示すように、パウチの左側上部コーナー部では、斜め上方向に細く突出する注出口を形成できるように、パウチ内部に連通する首・肩状の非シール部を有するパターンとし、残りの部分、即ち、その右側に連接されるパウチ上縁部では、シール幅5mmのヒートシール部が形成されるパターンとした。
【0034】
そして、実際のヒートシールにおいては、上記ヒートシールパターンを左側上部コーナー部と、その右側に連接されるシール幅5mmのヒートシール部とに分割し、先ず、左側上部コーナー部を左上角部からパウチの長さ(縦)方向と、幅(横)方向に各45mmの長さで斜辺を形成する直角二等辺三角形状のヒートシール部を有し、その内部に底辺の中央部から左上角部に向けて立ち上がる首・肩状の非シール部、即ち、首部の根元部で幅20mm、先端部(開口部)で幅15mmの先細りの首状の非シール部を有するヒートシールパターンでヒートシールした。
【0035】
また、上記コーナー部のヒートシール部領域内には、前記首・肩状の非シール部の線に沿って、その両外側に4mm幅のヒートシール部を残して切り取るためのミシン目線と、前記首・肩状の非シール部の首状部の先端近傍を横断するように切り取って開口させるためのハーフカット線およびそのハーフカット線の両端にV字形のノッチとを設けた。
【0036】
次に、上記左側上部コーナーのヒートシール部の右側に残された未シールのパウチ上部から、内容物として台所用液体洗剤500mlを充填し、その後、この未シール部をヒートシール幅5mmで脱気シールしてパウチを密封し、試験例1のスタンディングパウチ包装体を作製した。(包装体の作製数は10個)
【0037】
〔試験例2〕
試験例2では、図2に示した構成のスタンディングパウチを作製することとし、パウチの形成材料には、試験例1と同じ積層フィルムを使用し、また、パウチの外形寸法、および底部と胴部のヒートシールまでは試験例1と同様に製袋して、上部が開口するスタンディングパウチを作製した。
【0038】
上記スタンディングパウチの上部から、内容物として台所用液体洗剤を500ml充填した後、上部の開口部を図2に示した形状のヒートシールパターンで脱気シールしてパウチを密封した。
尚、上記ヒートシールパターンの寸法は、幅(横)がパウチと同じ135mmで、長さ(縦)が両側の側縁部で45mm、そして、下側中央部に首・肩状の非シール部の首状部が位置するように構成し、パウチの上端から首状部の先端までには長さ(縦)5mmのヒートシール部を設け、首状部の長さは、その上端から肩状部の付け根迄で35mm、首状部の幅は、下部(肩状部との付け根部)で20mm、上端部で15mmとし、肩状部のラインは、両側の側縁部の下端から5mm立ち上げた位置に水平に設けた。
【0039】
そして、上記ヒートシールパターンによる上部ヒートシール部には、首・肩状の非シール部の両側の首・肩状ラインの外側に、肩状部でシール幅6mm、首状部でシール幅3mmのヒートシール部を残して、パウチの両側上部コーナー部を切り取り、注出口を形成するためのミシン目線を設け、また、このミシン目線の注出口の根元に相当する位置には、幅2.5mm、深さ3mmの窪み部が設けられるようにミシン目線を構成した。
また、注出口の先端近傍を切り取って開口部を形成するための開口用切り取り表示線は、予めパウチの壁面フィルムに印刷により設けておき、ここでは印刷による開口用切り取り表示線が、前記注出口を形成するためのミシン目線と交差する位置にI字形のノッチを設けて、試験例2のスタンディングパウチ包装体を作製した。(包装体の作製数は10個)
【0040】
以上のように作製した試験例1、および試験例2の各スタンディングパウチ包装体は、35℃で3か月間の保存後も、自立性に支障はなく、内容物の洩れも認められなかった。
そして、試験例1のスタンディングパウチ包装体は、起立させた状態でパウチ上部コーナー部に設けたノッチを利用して、ハーフカット線通りにパウチコーナー部を手で引き裂いて注出口の先端近傍を開口させることができ、次いで、ミシン目線により、注出口の両側のヒートシール部を手で切り取り、斜め上方に細く突出した注出口を容易に形成することができた。
また、上記手順とは逆に、先にミシン目線により、注出口の両側のヒートシール部を手で切り取って注出口を形成し、次いで、ハーフカット線に従って注出口の先端近傍を手で引き裂いて開口させることも容易であった。
【0041】
このようにして、注出口の形成とその先端部近傍の開口を行ったスタンディングパウチ包装体を用いて、図3に示すように、台所用液体洗剤の空容器の口部に注出口を差し込んで内容物の移し替えを行ったところ、外にこぼれることもなく安全且つ容易に移し替えることができた。
【0042】
また、試験例2のスタンディングパウチ包装体は、パウチの上部ヒートシール部に設けたミシン目線により、注出口の両側の上部コーナーのヒートシール部を手で容易に切り取って、上に細く突出した注出口を形成することができ、更に、パウチを起立させた状態で、注出口の先端部近傍に設けたI字形のノッチを利用して、印刷による開口用切り取り線に沿って、手で引き裂いて注出口を開口させることも容易であった。
【0043】
このようにして、注出口の形成とその先端部近傍の開口を行ったスタンディングパウチ包装体を用いて、台所用液体洗剤の空容器の口部に注出口をその根元まで差し込んで、注出口の根元部に設けられた窪み部を容器の口部上端と嵌合させるようにして、内容物の移し替えを行ったところ、注出口が容器の口部に固定され、一層安全且つ容易に内容物の移し替えを行うことができた。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、成形品などによる別体の注出口を取り付ける必要がなく、製袋、および内容物の充填も容易に行え、且つ、使用時には、パウチの上部ヒートシール部に設けられたミシン目線、または印刷による切り取り表示線に従ってパウチ上部の一部を切り取るだけで、パウチ上部に細く突出した注出口を形成でき、また、その先端部を容易に切り取って開封できるので、ボトルなど他の容器に移し替える際にも、パウチを手で持って注出口を容器の口部に差し込んで傾けるだけで安全且つ容易に最後まで移し替えができるという、便利で使用適性に優れたスタンディングパウチを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタンディングパウチの一実施例の構成を示す正面図であり、内容物が充填シールされた後の形態を示す図である。
【図2】本発明のスタンディングパウチの別の一実施例の構成を示す正面図であり、内容物が充填シールされた後の形態を示す図である。
【図3】図1に示したタイプのスタンディングパウチの使用時(内容物注出時)の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 壁面フィルム
2 底部ヒートシール部
3 胴部ヒートシール部
4 上部ヒートシール部(ヒートシールパターン)
5 首・肩状の非シール部
6 ミシン目線、または印刷による切り取り表示線
7 注出口
8 開口用切り取り表示線またはハーフカット線
9a,9b,9c,9d ノッチ
10 開口部
20,30,40 スタンディングパウチ
Claims (1)
- 底部がフィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、胴部が前後2面の壁面フィルムで形成され、上部の開口部がヒートシールにより密閉される形式のスタンディングパウチにおいて、
該開口部の密閉に用いる上部のヒートシールパターンを、該壁面フィルムの上縁部では、該開口部の全幅をヒートシールできる形状とし、その下に連接される部分では、該開口部の中、一部に細く突出した先細り形状の注出口を形成できるように、先細り形状の首・肩状の非シール部を形成できる形状とすると共に、
該首・肩状の非シール部の外側を所定幅のヒートシール部を残して切り取るための、該首・肩状の非シール部の線に沿うミシン目線が、上部ヒートシール部領域内の該首・肩状の非シール部の両側に設けられ、
且つ、前記首・肩状の非シール部の首状部の先端近傍に、該首状部を横断するように切り取って前記注出口を開口させるための、印刷による開口用切り取り表示線またはハーフカット線が設けられ、
更に、該開口用切り取り表示線またはハーフカット線が、前記細く突出した先細り形状の注出口を形成するために設けられたミシン目線と交差する位置にノッチが設けられていることを特徴とするスタンディングパウチ。
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