JP3984327B2 - スタンディングパウチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、粘体、粉体など流動性を有する内容物を密封包装するために用いられるスタンディングパウチに関し、更に詳しくは、開封時に内容物をボトルなど他の容器に安全且つ容易に移し替えられるよう、パウチ上部のコーナー部に注出口部が設けられたスタンディングパウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スタンディングパウチは、プラスチックフィルムなどの軟包装材料で形成されているにもかかわらず、自立性があり立体容器としての特徴も備えていることから、液体、粘体、粉体などの容器としても広く用いられている。
しかし、その開封に関しては、例えば▲1▼スタンディングパウチの上部に設けられたノッチを利用して上部全体を切り取って開封する方法、▲2▼鋏などでパウチ上部のコーナー部を切り取って開封し、これを注ぎ口とする方法、更には、▲3▼プラスチック成形物などによる別体のキャップ付き注出口などを、パウチの上部開口部予め熱接着などで取り付けておいて、キャップを取り外すことにより開封する方法などが採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼のスタンディングパウチの上部全体を切り取って開封する方法は、特に内容物が液体の場合、パウチが軟らかいため手で持ったときに上部から溢れやすいという問題があった。また、▲2▼のパウチ上部のコーナー部を切り取って開封し、これを注ぎ口とする方法は、開口部を狭くできる点で前記▲1▼の方法と比較すると、内容物を誤って溢れさせる危険性は少なくできる。しかし、開口部が狭くなると開口部両面のフィルムが内面同士で密着しやすくなるため、継続的に安定した流れで最後まで注ぎ出すことが難しく、特に残量が少なくなった場合、手でパウチを圧迫して押し出す必要を生じ、手で圧迫すると瞬間的に勢いよく流出するため口径の小さい容器などに移し替える場合、内容物をこぼしやすいという問題があった。
【0004】
また、▲3▼のキャップ付き注出口などを、上部開口部に予め熱接着などで取り付けておいて、キャップを取り外すことにより開封する方法は、注出口の口径などを予め内容物の性状や注出条件に適するように安定した形状で設計できるので、前記▲1▼、▲2▼の方法と比較すると注出の安全性、安定性とも優れている。しかし、このようなプラスチック成形物などによる注出口をスタンディングパウチに取り付ける場合、製造工程が複雑になると同時に包装袋が嵩張り、内容物の充填も、通常、口径の小さな注出口から行う必要があるため、特別な充填装置を必要とし、更に注出口のコストも余分にかかるため、包装にかかるコストが大幅にアップする欠点があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常のスタンディングパウチと同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも使用時には、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部の先端部を切り取って開口させるだけで、口径の小さなボトルなどに対しても、安全且つ容易に最後まで移し替えることができるという、使用適性に優れたスタンディングパウチを生産性よく安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、底部がフィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、胴部が前後2面の壁面フィルムで形成され、上部が開口するスタンディングパウチにおいて、上部のコーナー部に、両側が切り欠かれ、且つ外周が注出口ヒートシール部により封止されてなる上方に突出する注出口部が設けられ、該注出口部の端縁部に易開封処理部として、ノッチとレーザー光照射によるハーフカット線が設けられると共に、該パウチの左右の胴部ヒートシール部が、それぞれの上下の部分はシール幅5mmの一定幅で、その高さ方向の中心部が長さ120mmの間で最大部の幅が7mmとなる内側に弓状に膨らむ膨らみ部を有する形状のシールパターンでヒートシールされていることを特徴とするスタンディングパウチからなる。
【0007】
また、請求項2に記載した発明は、前記注出口部が、その立ち上がり部から先端部にかけて同一内径となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンディングパウチである。
更に、請求項3に記載した発明は、前記注出口部が、その立ち上がり部の内径が先端部の内径よりも大きく、立ち上がり部から先端部にかけて先細りの傾斜を有するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンディングパウチである。
【0008】
前記注出口部の端縁部に設ける易開封処理部は、通常のパウチでも多用されるノッチのほか、レーザー光照射によるハーフカット線、或いは、機械的手段で設けられる端縁部の端縁線と略直角方向に向く細長くて小さな傷痕の群(例えば、特開昭61−142159に開示される)など、いずれも適用できる。
尚、前記ノッチは、通常I字型やV字型のノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用できる。
【0009】
前記本発明のスタンディングパウチにおいて、内容物の充填は、注出口部が設けられたコーナー部以外の上部は開口しているので、この部分から充填し、その後ヒートシールして密封することができる。また、パウチの幅が比較的小さく、残された前記開口部の幅が狭くなり、この部分からの充填が難しい場合には、注出口ヒートシール部の中、パウチの中央寄りの半分程度を製袋段階では未シールとして上部開口部を広くし、内容物充填後、充填シール機のヒートシールパターンを対応する形状に変えてヒートシールして密封してもよく、更に別の方法として、製袋時にパウチ上部は総てヒートシールしておいて、パウチの側面に開口部を設けてこの部分から充填することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のスタンディングパウチの製造に用いるフィルム、およびその製袋方法など実施の形態について説明する。
先ず、本発明のスタンディングパウチの製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、各種パウチに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用できる。これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを自由に選択して使用することができる。
好ましく使用できる積層フィルムの構成の具体例として、以下のようなものが挙げられる。
【0011】
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0012】
尚、上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0013】
前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や印刷適性を付与し、一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向をパウチを開口させる際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルムなどは、ガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
また、シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
【0014】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、ガセットパウチ、スタンディングパウチなどヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層にはシール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、該共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0015】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明のスタンディングパウチの製造方法について説明する。
本発明のスタンディングパウチは、先にも説明したように、液状などの内容物が密封包装されたスタンディングパウチを開封して使用する際に、ボトルなど口径の小さな容器に対しても安全且つ容易に移し替えられるよう、パウチ上部のコーナー部に、両側が切り欠かれ且つ外周が注出口ヒートシール部により封止されてなる上方に突出する注出口部を設けて構成したものである。
【0016】
このようなスタンディングパウチは、基本的には従来のスタンディングパウチの製袋に使用している製袋機を利用して製袋することができる。
具体的には、大別して二通りの製袋方法を採ることができる。その一つは、オフラインの製袋方法であり、通常のスタンディングパウチと同様に、底部と胴部がヒートシールされ、上部が開口するスタンディングパウチを作製し、次いで、別に準備した注出口部を形成するためのヒートシール部と、その両側を切り欠くための打ち抜き部とを備えた装置を使用して、パウチ上部のコーナー部に注出口部を設ける方法である。
【0017】
そして、もう一つは、インラインの製袋方法であり、スタンディングパウチ用の製袋機に、注出口部を加工するためのヒートシール装置(胴部のヒートシール部と一体化したものでもよい)と、その両側を切り欠くための打ち抜き装置とを組み込んで、1工程で底部と胴部を形成すると共に、パウチ上部のコーナー部に注出口部を設けた本発明のスタンディングパウチを製袋する方法である。
【0018】
また、注出口部の端縁部に設ける易開封処理部についても、それがノッチの場合は、前記打ち抜き装置にノッチ部の刃を付加すればよく、また、レーザー光照射によるハーフカット線、或いは機械的手段による切り取り方向に向く細長くて小さな傷痕の群の場合でも、それぞれ対応する装置を準備することにより、オフラインまたはインラインで容易に加工することができる。
【0019】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
【0020】
図1、図2は、それぞれ本発明のスタンディングパウチの一実施例の構成を説明する正面図であり、それぞれ製袋後、内容物を充填する前の形状を示す正面図である。
図1においてスタンディングパウチ50は、底部1が常法に従って、フィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、内側に折り込まれたフィルムの両側下端近傍には、内側フィルム切り欠き部3が設けられ、舟形のシールパターンにより底部ヒートシール部2でヒートシールされている。パウチの本体部分は、前後2面の壁面フィルム4の両側端縁部を胴部ヒートシール部5でヒートシールして形成される。
【0021】
両側の胴部ヒートシール部5は、一定幅の直線状パターンでヒートシールしてもよいが、図に示すように高さ方向の中心部が内側に弓状の膨らみを有するシールパターンでヒートシールしてもよい。この膨らみの大きさは僅かでよく、例えば上下部分が6mmのシール幅の場合、中心部の最大部分で8mm程度のシール幅が適当である。
このような膨らみをもたせることにより、一種のリブ効果を生じ、内容物を充填してパウチ胴部が広げられた時、胴部のシール際にシワなどが発生せず壁面フィルムが薄くても安定した形状を得られる効果がある。
【0022】
また、パウチ上部には、そのコーナー部(図では左側上部コーナー部)に、両側が切り欠き部10で切り欠かれ、外周が注出口ヒートシール部7により封止されてなる斜め外側上方に突出する注出口部6が設けられており、残りの上部が、未シールとして内容物充填用の上部開口部8となっている。
この場合、注出口部6は、その立ち上がり部から先端部にかけて略同一の内径となるように形成されている。このように形成することにより、内容物が低粘度の液体であっても、注出の流れを安定化させることができ、また、注出口部6をより深く移し替えを行う容器の口部などに差し込めるため、移し替えの安全性と容易性を一層向上できる。
また、前記注出口部6の端縁部(注出口ヒートシール部7)には、使用時に注出口部6の先端部を切り取って注出口を開口させるための易開封処理部9として、V字型のノッチを設けて構成したものである。
【0023】
このような構成のスタンディングパウチ50に液状などの内容物を充填する場合、注出口部6がパウチの外周で形成される矩形状の枠から特に上方に突出することもないため、通常のスタンディングパウチと同様に充填シール機により上部開口部8から内容物を充填し、ヒートシールして密封包装することができる。
また、内容物が充填されたスタンディングパウチ50は、底部1のガセット部が外側に楕円状に開き、底部1の外周には、底部ヒートシール部2による脚部が形成されるため、安定した自立性が得られ、流通、保管においても通常のスタンディングパウチと同様に取り扱うことができる。
【0024】
そして、使用時には、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部6の先端部を易開封処理部(この場合Vノッチ)9を利用して容易に切り取って注出口を開口させることができ、内容物をボトルなど他の容器に移し替える場合も、容器の口部内に注出口の先端部を差し込んでパウチを傾けることにより、内容物を外にこぼすことなく安全且つ容易に最後まで移し替えることができる。
【0025】
図2は、前記図1に示したスタンディングパウチ50とは、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部6の形状のみが異なるスタンディングパウチ60の構成を示したものである。
即ち、図2において、スタンディングパウチ60は、底部1と胴部は図1に示したスタンディングパウチ50と同様に形成され、上部のコーナー部に設けられた注出口部6の形状を、両側の切り欠き部10を浅くして注出口の立ち上がり部を広くし、そこから先端部に向かって徐々に狭くなるように形成して構成したものである。
【0026】
このような構成は、比較的高い粘度を有する内容物の包装にも適するものであり、注出口の立ち上がり部を広くすることにより、注出の際、この部分に内容物を集めやすくでき、また内容物が注出口を通過する際の抵抗も小さくできるため、比較的粘度の高い内容物でも、容易に注出できる効果が得られる。
尚、スタンディングパウチ60への内容物の充填方法、および充填後から使用時までのパウチの機能、作用、効果などは、図1に示したスタンディングパウチ50の場合と同様であるため説明は省略する。
【0027】
〔試験例1〕
厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルム(ON)と厚さ100μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(L・LDPE)とを常法に従ってポリエステル/イソシアネート系2液硬化型接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせて積層フィルムを作製した。
この積層フィルムを壁面フィルムおよび底面フィルムに共通に用いて図1に示した形状のスタンディングパウチを下記の寸法で作製した。
【0028】
パウチの外形寸法:幅135mm、長さ250mm
底部の折り込み部の高さは35mm、左右の胴部ヒートシール部は、それぞれ上下部分をシール幅5mmで形成し、高さ方向の中央部に長さ120mmの間で内側に弓状の膨らみ部(最大部の幅が7mm)を有する形状のシールパターンでヒートシールした。
また、パウチ上部のコーナー部に設ける注出口部は、パウチの左上角部から右方向に55mm、下方向に55mmの2点を結ぶ線を底辺とする直角二等辺三角形の部分に、注出口の有効折径16mmで斜め外側上方に45°の角度で突出する筒状の注出口とし、その外周に幅4mmの注出口ヒートシール部を設け、両側の不要部分を切り欠いて注出口部を突出させた。また、易開封処理部は前記底辺から21mmの高さの左側注出口ヒートシール部にV字型のノッチを設けて構成した。
【0029】
以上のように作製した試験例1のスタンディングパウチに上部開口部から、内容物として台所用液体洗剤500mlを充填した後、開口部を脱気シールにより密封して包装体を作製した。(試料数20個)
上記包装体は、35℃で3か月間の保存後も自立性に支障はなく、外観も良好で内容物の漏れも認められなかった。
また、使用適性をテストするため、ノッチを利用して注出口を開口させ、口径24mmのプラスチック製ボトルに内容物の移し替えを行った結果、開口性もよく、内容物を外にこぼすことなく安全且つ容易に最後まで移し替えることができた。
【0030】
〔試験例2〕
前記試験例1で作製した積層フィルムを壁面フィルムおよび底面フィルムに共通に用いて、図2に示した形状のスタンディングパウチを下記の寸法で作製した。
パウチの外形寸法、および底部と胴部の構成、更に注出口部を設けるスペースは、試験例1のスタンディングパウチと同一とし、注出口部の形状のみを次のように変更した。
即ち、注出口の立ち上がり部を前記直角二等辺三角形の底辺が両端のヒートシール部と交わる点とし、この部分の注出口の有効折径は62mm、そして、その両端から左上角部に向かって注出口が徐々に先細りとなるように曲線状に立ち上げ、ノッチで開口させた時、注出口の先端の最も細い部分の有効折径が16mmとなる形状とした。
また、注出口の外周の注出口ヒートシール部の幅は4mmとして両側の不要部分を切り欠き、ノッチは前記底辺から23mmの高さの左側注出口ヒートシール部にV字型で設けた。
【0031】
以上のように作製した試験例2のスタンディングパウチに上部開口部から、内容物として比較的粘度の高い水性糊500mlを充填した後、開口部を脱気シールにより密封して包装体を作製した。(試料数20個)
上記包装体についても、前記試験例1と同様、35℃で3か月間の保存テストを行ったが、自立性、外観とも良好で、内容物の漏れもなかった。
また、使用適性についても、ノッチによる開口性は良好で、口径24mmのプラスチック製ボトルへの移し替えも内容物の粘度が前記液体洗剤よりも高かったが、スムーズに注出することができ、外にこぼすことなく最後まで安全且つ容易に移し替えることができた。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、製袋、および内容物の充填が容易に行え、且つ、液状などの内容物が密封包装された包装体が特に嵩張ることもなく、内容物の保存性や、自立性、外観も良好で、使用時には、注出口部の開口を容易に行え、また、ボトルなど他の容器への内容物の移し替えも、低粘度の内容物はもとより、比較的高粘度の内容物であっても、スムーズに外にこぼすことなく最後まで安全且つ容易に移し替えることのできるスタンディングパウチを生産性よく、安価に提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタンディングパウチの一実施例の構成を説明する正面図である。
【図2】本発明のスタンディングパウチの別の一実施例の構成を説明する正面図であり、図1のものとは注出口部の形状が異なる例を示す図である。
【符号の説明】
1 底部
2 底部ヒートシール部
3 内側フィルム切り欠き部
4 壁面フィルム
5 胴部ヒートシール部
6 注出口部
7 注出口ヒートシール部
8 上部開口部(内容物充填後ヒートシールされる)
9 易開封処理部
10 切り欠き部
50、60 スタンディングパウチ

Claims (3)

  1. 底部がフィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、胴部が前後2面の壁面フィルムで形成され、上部が開口するスタンディングパウチにおいて、上部のコーナー部に、両側が切り欠かれ、且つ外周が注出口ヒートシール部により封止されてなる上方に突出する注出口部が設けられ、該注出口部の端縁部に易開封処理部として、ノッチとレーザー光照射によるハーフカット線が設けられると共に、該パウチの左右の胴部ヒートシール部が、それぞれの上下の部分はシール幅5mmの一定幅で、その高さ方向の中心部が長さ120mmの間で最大部の幅が7mmとなる内側に弓状に膨らむ膨らみ部を有する形状のシールパターンでヒートシールされていることを特徴とするスタンディングパウチ。
  2. 前記注出口部が、その立ち上がり部から先端部にかけて同一内径となるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンディングパウチ。
  3. 前記注出口部が、その立ち上がり部の内径が先端部の内径よりも大きく、立ち上がり部から先端部にかけて先細りの傾斜を有するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のスタンディングパウチ。
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