JP4043617B2 - 詰め替え用パウチ - Google Patents
詰め替え用パウチ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4043617B2 JP4043617B2 JP29244098A JP29244098A JP4043617B2 JP 4043617 B2 JP4043617 B2 JP 4043617B2 JP 29244098 A JP29244098 A JP 29244098A JP 29244098 A JP29244098 A JP 29244098A JP 4043617 B2 JP4043617 B2 JP 4043617B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pouch
- spout
- film
- shape
- contents
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Bag Frames (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体など流動性を有する内容物を密封包装し、使用時に内容物を他の容器に移し替えて使用する詰め替え用パウチに関し、更に詳しくは、内容物をボトルなど口径の小さな容器にも最後まで安全且つ容易に移し替えられるよう、パウチ上部のコーナー部に幅の狭い注出口部を設けると共に、注出の途中で注出口部が閉塞しないようその開口性、保形性などを改善した詰め替え用パウチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状などの流動性を有する内容物を密封包装する詰め替え用パウチとしては、自立性があり立体容器としての特徴も一部備えているスタンディングパウチが主に採用され、且つ、開封時に内容物を外にこぼすことなく他の容器に安全に移し替えられるよう、開口部をパウチ上部全体ではなく、コーナー部など一部分を切り取って形成するとか、或いは、パウチ上部の一部に幅を狭くした注出口部を設ける方法、更には、プラスチック成形物などによる別体の注出口をパウチ上部の一部に熱接着して取り付ける方法などが採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パウチの開口部をパウチ上部の全体ではなく、コーナー部など一部分を切り取って形成する方法は、簡便ではあるが、内容物の注出方向が安定しにくく、特に、移し替える容器がボトルなど口径の小さな容器の場合は、注出の途中でパウチの開口部が容器の口部からずれ易く、内容物を外にこぼすことがあり、移し替えの容易性、安全性の点で問題があった。
【0004】
また、プラスチック成形物による別体の注出口をパウチ上部の一部に取り付ける方法は、移し替えの安全性、容易性には優れているが、製造工程が増え、注出口自体にも費用がかかり、また、注出口を取り付けた空パウチは、厚さが増すため、保管や運搬の費用も割高となり、更に、内容物の充填の際にも、例えば充填機のフィーダー部への空パウチの積み込み数が大幅に減少するため、オペレーターが頻繁に空パウチの供給を行う必要を生じるなど、全体としてコストアップと工程及び作業の煩雑さが増す問題があった。
【0005】
そして、パウチ上部の一部に幅を狭くした注出口部を設ける方法でも、内容物を他の容器に移し替える際の操作性、安全性は、ある程度は改善できるが、内容物の注出に際して、注出口部の口が開きにくく、また、注出中に流れが安定せず、特に残量が少なくなった場合、パウチの注出口部が閉じ易く、パウチを圧迫して押し出すと、内容物が勢いよく飛び出して外にこぼすことがあり、移し替えの容易性、安全性の点ではなお問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常のパウチと同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも使用時には、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部の先端部を切り取ることにより、自然に注出口部を開口させることができ、その保形性もよく、注出の途中で注出口部が閉塞するようなこともなく、口径の小さなボトルなどに対しても、安全且つ容易に最後まで移し替えることができるという、安価で使用適性に優れた詰め替え用パウチを生産性よく提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、上部のコーナー部に、両側に切り欠き部が設けられ、外縁部がヒートシールされてなる斜め上方に突出する形状の注出口部を備えたスタンディングパウチ形式のパウチであって、該注出口部の両側が、注出口部の先端側から下方に向かって鋭角をなし、直線状に広がる形状にヒートシールされ、且つ、該注出口部の両側の切り欠き部が、それぞれ注出口部の側部に沿う直線と、注出口部の下側からパウチの側端または上端に向かう直線とを有し、両者の交わる角度が鋭角となる形状に形成され、該注出口部の先端部に摘み部が設けられると共に、該パウチの少なくとも一方の壁面フィルムの注出口部に、または注出口部からパウチの本体部分にかけて、外側に膨らむ膨らみ部が設けられ、該膨らみ部のうち、少なくとも注出口部の膨らみ部が、その上面および両側面がそれぞれ面状をなすように、即ち、各部の断面が台形をなす形状に設けられていることを特徴とする詰め替え用パウチからなる。
上記注出口部の両側が、下方に向かって直線状に広がる角度は、鋭角であることが好ましく、40°〜70°の範囲であることが更に好ましい。
【0008】
このような構成を採ることにより、パウチがスタンディングパウチ形式であるため、自立性を備え、取り扱い易く、外観にも優れている。
そして、パウチ上部のコーナー部には、注出口部が、両側の切り欠き部により、斜め上方に突出するように設けられており、その注出口部の形状が、先端部から下方に向かって両側が鋭角をなし、直線状に広がる形状(逆V字形)であり、また、その両側の切り欠き部が、注出口部の両側下部に鋭角で切れ込む直線を有する形状(V字形)に形成されている。
【0009】
従って、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、注出口部の先端部を切り取って開封することにより、パウチ上部のヘッドスペースに空気が入ると同時に、内容物の容積と重量により、パウチ全体が外側に一層広がり、注出口部も円錐状に膨らむ傾向となる。
そして、パウチを持ち上げて、注出口部を例えばボトルの口部に差し込んで、傾けることにより、内容物が注出口部に流動し、その内圧により、自然に注出口部が円錐状(漏斗状)に広がって開口し、内容物が注出される。
【0010】
この時、注出口部の両側の切り欠き部が、注出口部の両側下部に鋭角で切れ込む直線を有する形状であるため、注出口部の両側、即ち、注出口部とパウチ側辺の上部、および、注出口部とパウチ上辺の間にも、やや小さいが円錐状の膨らみが生じ、これらの膨らみの間には、V字状の谷部がパウチの中心方向に向かって長く形成され、これにより注出口部の円錐状の膨らみが、一層長くシャープに形成される。
このため、注出口部の開口が安定したものとなり、その保形性がよく、注出の途中で注出口が閉塞することも防止できる。また、注出口部が、切り欠き部でボトルの口部内に固定されるので、簡単にはボトルの口部から抜け出ることがなく、安全且つ容易に最後まで内容物を移し替えることができる。
【0011】
また、請求項1に記載した発明では、前記注出口部の先端部に摘み部が設けられた構成としている。
【0012】
このような構成を採ることにより、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、摘み部を摘んで注出口部の先端部を切り取ることができるので、所望の位置で容易に注出口部を開封できるようになる。
【0013】
請求項1に記載した発明では、前記パウチの少なくとも一方の壁面フィルムの注出口部、または注出口部からパウチの本体部分にかけて、外側に膨らむ膨らみ部が設けられた構成としている。
【0014】
上記において、注出口部に設ける膨らみ部は、注出口部を開封した時、自動的に注出口部を開口させるために設けるものであり、注出口部の外縁部を封止するシール部の内側の部分に、その形状に対応して設けることが好ましい。
また、注出口部に加えてパウチの本体部分にも膨らみ部を設ける場合、注出口部については、上記の通りであるが、パウチの本体部分については、主にパウチの形態安定性を向上させると共に、内容物を移し替える際、その膨らみ部で滑り止めの作用をさせ、パウチを持ちやすくするために設けるものであり、筋押し状の膨らみ部でよく、任意の形状に設けることができる。
【0015】
このような構成を採ることにより、注出口部の先端部を切り取って開封するだけで、注出口部の膨らみ部により、自動的に保形性のよい注出口が開口し、更に、パウチの本体部分にも前記筋押し状の膨らみ部を設けた場合は、内容物の容積と重量により、その膨らみ部が外折れし、また、リブ効果も加わり、パウチが膨らみ部の形状に沿って膨らむため、パウチの形態を所望の形状に安定化させることができ、更に内容物の移し替えの際には、手の滑り止めとなるため、パウチを持ちやすくすることができる。
【0016】
請求項1に記載した発明では、前記膨らみ部のうち、少なくとも注出口部の膨らみ部が、その上面および両側面がそれぞれ面状をなすように、即ち、各部の断面が台形をなす形状に設けられた構成としている。
【0017】
このような構成を採ることにより、注出口部の膨らみ部の高さが、例えば、3〜7mmのように比較的高い場合でも、その圧縮に対する抵抗力が増すため、膨らみ部が一層保形性に優れたものとなり、前記膨らみ部の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0018】
そして、請求項2に記載した発明は、前記注出口部に易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチからなる。
【0019】
上記易開封性手段は、通常のパウチでも多用されるノッチのほか、レーザー光照射などによるハーフカット線、或いは、パウチの積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が注出口部の開封方向と一致するように用いる)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えば、ノッチと、ハーフカット線または一軸延伸フィルムの積層などのように適宜組み合わせて用いることもできる。
ハーフカット線を設ける場合、直線状のハーフカット線に限らず、ミシン目状など断続的なハーフカット線で設けることもできる。
また、このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数本のハーフカット線を平行に設けることもできる。
【0020】
特に、本発明の詰め替え用パウチのように、注出口部の開封位置に膨らみ部が設けられるような場合、引き裂きの方向性が不安定になり易いため、上記のように易開封性手段を組み合わせて用いることが一層好ましい。
尚、前記ノッチは、通常、一字形やV字形などのノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
【0021】
このような構成を採ることにより、前記請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、注出口部を開封する際、鋏などの道具を用いずに手だけで、所望の位置で容易に注出口部の先端部を切り取って注出口部を開封することができ、それにより自然に注出口部が保形性のよい状態で開口されるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の詰め替え用パウチの製造に用いるフィルム、およびパウチの製造方法など実施の形態について説明する。
本発明の詰め替え用パウチの製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、各種液体用パウチに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用できる。
これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを自由に選択して使用することができる。
好ましく使用できる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
【0023】
(1) ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
【0024】
上記において、ONフィルムは2軸延伸ナイロンフィルム、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレン、PPフィルムはポリプロピレンフィルム、PETフィルムは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルムを指すものである。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0025】
前記の積層フィルムの構成において、ONフィルム、PETフィルムは、基材フィルムとしてパウチに機械的強度や印刷適性を付与し、一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向をパウチの注出口部を開封する際の引き裂き方向と一致、または、できるだけ一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
そして、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルムなどは、ガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
また、シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
【0026】
シーラント層には上記のほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0027】
特に、エチレン・αオレフィン共重合体でメタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定しているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優れており、スタンディングパウチのようなヒートシール部にフィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止できる点で適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
【0028】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の詰め替え用パウチの製造方法について説明する。
本発明の詰め替え用パウチは、本体部分がスタンディングパウチ形式であるため、基本的には従来のスタンディングパウチ用の製袋機を利用して製造することができる。
【0029】
只、通常のスタンディングパウチとは、下記の構成が追加されている点で異なっている。
▲1▼パウチ上部のコーナー部に注出口部が設けられている点。
▲2▼前記注出口部の両側に切り欠き部が設けられている点。
▲3▼更に必要に応じて、前記注出口部に易開封性手段が設けられている点。
▲4▼パウチの壁面フィルムに、前記注出口部からパウチの本体部分にかけて、各種の形状の膨らみ部が設けられている点である。
【0030】
従って、上記▲1▼〜▲4▼に記載した追加構成部分を設けるための加工装置、即ち、注出口部、切り欠き部などを設けるためのトリミング装置、ヒートシール装置などの追加もしくは部分変更、そして、パウチ壁面フィルムに曲線状の膨らみ部を設けるための、例えばエンボス装置、更には、ハーフカット線を設けるためのレーザー光照射装置などをスタンディングパウチ用製袋機に組み込むか、或いは、一部を別ラインとして用意することにより、容易に製造することができる。
【0031】
尚、前記壁面フィルムに設ける膨らみ部の膨らみ高さは、特に限定するものではないが、その注出口部においては、1〜7mm程度が好ましく、2〜5mm程度が更に好ましい。高さが1mm未満の場合は、自然開口性に対する効果が薄くなり、また、7mmを超える高さは、その必要性がなく、加工自体が難しくなると同時に、注出口部が嵩張るようになり、空袋の取り扱い性、充填シール機における積み込み適性などが低下するため好ましくない。
【0032】
また、注出口部以外の部分、即ち、パウチの上部から下部などにも膨らみ部を設ける場合は、主にパウチの形態安定性を向上させるためのものであり、筋押し状の膨らみ部でよく、その高さも0.8〜2.5mm程度の範囲でよい。
筋押し状の膨らみ部の場合、その高さ方向の形状は、特に限定はされず、注出口部の膨らみ部と同様に、断面形状が台形状になるように形成してもよく、また、上部が丸みを持つ形状であってもよい。
仮に、断面形状を台形状とする場合は、立ち上がり部の幅が2.5〜4mm、上面の幅が1〜2.5mm、高さが1〜2.5mm程度の範囲で適宜設定することができる。
【0033】
【実施例】
以下に、図面を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。
図1〜図5は、それぞれ本発明の詰め替え用パウチの一実施例の構成を示す正面図である。
【0034】
図1は、本発明の詰め替え用パウチの第1の実施例の構成を示す正面図である。尚、この構成は、請求項1に記載した発明の詰め替え用パウチの一実施例に相当するものである。
図1において、詰め替え用パウチ100は、その本体部分がスタンディングパウチ形式に製袋されており、底部1が常法に従って、底材フィルムを内側に折り返してなるガセット形式で形成され、内側に折り込まれた底材フィルムの両側下端近傍に、半円形の切り欠き部2が設けられ、舟底形の底部シール部3でヒートシールされて形成されている。
また、パウチ100の胴部は、前後2面の壁面フィルム4の両側端縁部を胴部シール部5でヒートシールして形成されている。
【0035】
そして、パウチ100の上部のコーナー部には、斜め上方に向く注出口部6が、突出する形状に、両側の切り欠き部7、8のトリミングにより設けられ、その外縁部が、注出口部シール部9でヒートシールされて形成されている。
【0036】
この注出口部6は、その両側が、注出口部の先端側から下方に向かって鋭角をなし、直線状に広がる形状(逆V字形)であり、その鋭角は40°〜70°の範囲が更に好ましく、且つ、注出口部6の両側の切り欠き部7、8は、一方(図において左側)の切り欠き部7が、注出口部6の側部に沿う直線と、注出口部6の下側からパウチの側端に向かう直線とを有し、両者の交わる角度が鋭角となる形状(V字形に切れ込む形状)であり、もう一方(図において右側)の切り欠き部8が、注出口部6の側部に沿う直線と、注出口部6の下側からパウチの上端に向かう直線とを有し、両者の交わる角度が鋭角となる形状(V字形に切れ込む形状)に形成されることを特徴としている。
また、パウチ上部の注出口部6が設けられた部分を除く部分は、開口部10として内容物の充填口に使用し、内容物の充填後、脱気シールなどの方法でヒートシールして密封するものである。
【0037】
このような構成を採ることにより、液状の内容物を充填し、開口部10を脱気シールして密封した詰め替え用パウチ100は、自立性があり、取り扱い易く、外観に優れている。
そして、内容物を他の容器に移し替える際には、注出口部6の先端部を切り取って開封することにより、パウチ上部のヘッドスペースに空気が入ると同時に、内容物の容積と重量により、パウチ全体が外側に一層広がり、注出口部6も両側が逆V字形であるため、円錐状に膨らむ傾向となる。
従って、パウチ100を持ち上げて、注出口部6を例えばボトルの口部に差し込んで傾けることにより、内容物が注出口部に流動し、その内圧により、自然に注出口部6が円錐状(漏斗状)に広がって開口し、内容物が注出される。
【0038】
この時、先に、請求項1に記載した発明で説明したように、注出口部6の両側の切り欠き部7、8が、注出口部の両側下部に鋭角(V字形)で切れ込む直線を有する形状であるため、注出口部6の両側、即ち、注出口部6とパウチの側辺の上部との間、および、注出口部6とパウチの上辺との間にも、やや小さいが注出口部6と同様な円錐状の膨らみが、内圧によって生じ、更にこれに伴って、これらの膨らみの間には、谷部が、切り欠き部7、8のそれぞれの先端からパウチ100の中心方向に向かって長く形成され、これにより、注出口部6の円錐状の膨らみが、一層長くシャープに形成される。
その結果、注出口部6の開口が安定したものとなり、その保形性がよく、注出の途中で注出口が閉塞することもなく、また、注出口部6が、切り欠き部7、8でボトルの口部内に固定されるので、簡単にはボトルの口部から外れることがなく、安全且つ容易に最後まで内容物を移し替えることができる。
【0039】
図2は、本発明の詰め替え用パウチの第2の実施例の構成を示す正面図である。
図2に示した詰め替え用パウチ200は、前記図1に示した詰め替え用パウチの構成において、更に、パウチの壁面フィルム4に、その注出口部6からパウチの略中心部を通り、注出口部6と反対側のパウチ底部のコーナー部寄りの位置にかけて、注出口部6では、その幅と高さが大きく(12a )、斜め下方に向かって徐々に幅と高さが小さくなり(12b )、下部(12c )では幅と高さが略一定となる外側に膨らむ膨らみ部12を追加して設けた構成である。
【0040】
尚、上記膨らみ部12のうち、少なくとも注出口部を含むパウチ上部の領域に設けた膨らみ部12a は、その上面および両側面がそれぞれ面状をなすように、即ち、膨らみ部の高さ方向の断面が台形をなすように設けられている。
特に、幅と高さが大きく、外部からの圧縮などの力で変形し易い膨らみ部12a の部分を、このような形状に形成することにより、その保形性を向上させることができるので、膨らみ部12全体を保形性に優れたものとすることができる。
【0041】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した詰め替え用パウチ100で説明した作用効果に加えて、膨らみ部12が追加して設けられているため、内容物が充填されたパウチ200は、内容物の容積と重量により、膨らみ部12b ,12c が、外折れし、且つ、リブ効果も有するので、パウチ200の形態が安定し、外観が更に向上する。
また、内容物をボトルなどに移し替える際は、注出口部6の先端部を切り取って開封するだけで、膨らみ部12a により、自動的に注出口部6が保形性のよい状態で開口する。
【0042】
そして、パウチ200を持ち上げて、注出口部6をボトルの口部に差し込んでパウチを傾けることにより、前記膨らみ部12b の部分も外折れして、この部分でもパウチが膨らんでいるため、前記注出口部6と切り欠き部7、8の形状による効果と相まって、内容物の注出口部6への流動も一層容易となり、また、注出口部6の円錐状(漏斗状)の膨らみも一層安定した状態で形成され、内容物の注出を一層スムーズに行うことができる。
また、この時、膨らみ部12b ,12c の部分は、滑り止めの作用も有するため、パウチを手で持ちやすく、一層容易に内容物を移し替えることができる。
尚、前記のような膨らみ部12は、前後2面の壁面フィルムのうち、一方のフィルムのみに設けてもよいが、両方のフィルムに、重なる位置に対称形に設けることもでき、その場合には、注出口部6の自動的な開口性およびパウチ本体の形態安定性を一層確実に向上させることができる。
【0043】
図3は、本発明の詰め替え用パウチの第3の実施例の構成を示す正面図である。
図3に示した詰め替え用パウチ300は、前記図2に示した詰め替え用パウチの構成において、切り欠き部7、8の注出口部の両側における切り込み形状を更に深くし、これに伴って注出口部シール部9のこの部分のV字形状も深くなるように形成すると共に、注出口部6の先端部のヒートシール部を左右に広げて、両側に摘み部11を追加して設けた構成である。
【0044】
このような構成を採ることにより、前記図2に示した詰め替え用パウチ200で説明した作用効果に加えて、切り欠き部7、8の注出口部6の両側下部への切り込みが更に深く形成され、また、これに対応して、注出口部6の両側下部のヒートシール部も深く形成されているので、内容物の注出時に、注出口部6に形成される円錐形が僅かではあるが大きく、且つシャープに形成されるようになり、注出口部6の開口性とその保形性を一層向上させることができる。
また、注出口部6の先端部の両側に摘み部11が設けられているので、注出口部の先端部を切り取って開封する際の操作を一層容易に行うことができる。
【0045】
図4は、本発明の詰め替え用パウチの第4の実施例の構成を示す正面図である。
図4に示した詰め替え用パウチ400は、前記図3に示した詰め替え用パウチの構成において、注出口部6の先端部の両側に設けた摘み部11の形状と、注出口部シール部9の注出口部6の両側下部の形状とを、バリエーションの一つとして図に示したように変更し、更に、注出口部6の先端部近傍の切り取り位置に、易開封性手段として、ノッチ13と、3本構成のハーフカット線14を追加して設けて構成したものである。
【0046】
このような構成を採ることにより、前記図3に示した詰め替え用パウチで説明した作用効果に加えて、摘み部11の形状と注出口部6の両側下部のシール部の形状変更については、前記図3に示した詰め替え用パウチの場合と略同様な効果が得られ、また、注出口部6の先端部近傍の切り取り位置に設けたノッチ13と、ハーフカット線14については、注出口部6の開封に際して、鋏などの道具を使用することなく、手でノッチ13側からハーフカット線14の部分で容易に引き裂いて注出口部6を開封することができるようになる。
【0047】
図5は、本発明の詰め替え用パウチの第5の実施例の構成を示す正面図である。
図5に示した詰め替え用パウチ500は、前記図4に示した詰め替え用パウチの構成において、注出口部6の先端部の両側に設けた摘み部11を片側(図において右側)のみに設けた形状に変更して構成したものであり、このような構成を採った場合も、前記図4に示した詰め替え用パウチ400と同様な作用効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、成形物などによる別体の注出口を必要とせず、通常のパウチと略同様な工程で生産性よく製造でき、内容物の充填も容易で、しかも内容物の充填シール後のパウチの自立性、形態安定性、外観がよく、更に、使用時には、パウチ上部のコーナー部に設けられた注出口部の先端部を容易に切り取って開封することができ、それにより自然に、或いは自動的に保形性に優れた注出口が開口され、粘度の低い内容物はもとより、粘度の高い内容物でも注出口部への流動、および注出口部からの注出を容易に行え、また、注出の途中で注出口部が閉塞することもなく、口径の小さなボトルなどに対しても、内容物を外にこぼすことなく安全且つ容易に最後まで移し替えることができるという安価で使用適性に優れた詰め替え用パウチを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰め替え用パウチの第1の実施例の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の詰め替え用パウチの第2の実施例の構成を示す正面図である。
【図3】本発明の詰め替え用パウチの第3の実施例の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の詰め替え用パウチの第4の実施例の構成を示す正面図である。
【図5】本発明の詰め替え用パウチの第5の実施例の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 底部
2 半円形の切り欠き部
3 底部シール部
4 壁面フィルム
5 胴部シール部
6 注出口部
7、8 切り欠き部
9 注出口部シール部
10 開口部(充填口)
11 摘み部
12 膨らみ部
12a ,12b ,12c 膨らみ部
13 ノッチ
14 ハーフカット線
100、200、300、400、500 詰め替え用パウチ
Claims (2)
- 上部のコーナー部に、両側に切り欠き部が設けられ、外縁部がヒートシールされてなる斜め上方に突出する形状の注出口部を備えたスタンディングパウチ形式のパウチであって、該注出口部の両側が、注出口部の先端側から下方に向かって鋭角をなし、直線状に広がる形状にヒートシールされ、且つ、該注出口部の両側の切り欠き部が、それぞれ注出口部の側部に沿う直線と、注出口部の下側からパウチの側端または上端に向かう直線とを有し、両者の交わる角度が鋭角となる形状に形成され、該注出口部の先端部に摘み部が設けられると共に、該パウチの少なくとも一方の壁面フィルムの注出口部に、または注出口部からパウチの本体部分にかけて、外側に膨らむ膨らみ部が設けられ、該膨らみ部のうち、少なくとも注出口部の膨らみ部が、その上面および両側面がそれぞれ面状をなすように、即ち、各部の断面が台形をなす形状に設けられていることを特徴とする詰め替え用パウチ。
- 前記注出口部に易開封性手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29244098A JP4043617B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 詰め替え用パウチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29244098A JP4043617B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 詰め替え用パウチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000118543A JP2000118543A (ja) | 2000-04-25 |
JP4043617B2 true JP4043617B2 (ja) | 2008-02-06 |
Family
ID=17781830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29244098A Expired - Fee Related JP4043617B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 詰め替え用パウチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4043617B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002028220A (ja) * | 2000-05-09 | 2002-01-29 | Kanto Chem Co Inc | 医療用液剤の収納容器 |
JP2002225878A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-14 | Ryohan Hoso System Kk | 自立性袋 |
JP4351403B2 (ja) * | 2001-07-23 | 2009-10-28 | 株式会社細川洋行 | ジッパ袋及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP29244098A patent/JP4043617B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000118543A (ja) | 2000-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4121648B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2001018989A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4060943B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4139820B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4220073B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4043617B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4676597B2 (ja) | 自立性袋 | |
JP4270635B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JPH1149186A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4268255B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2001341755A (ja) | 自立性袋 | |
JP4286919B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP3984375B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4028083B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4686533B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP2001002089A (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP3935540B2 (ja) | スタンディングパウチ | |
JP4060930B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4811542B2 (ja) | 自立性袋 | |
JP4357605B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4028324B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4011735B2 (ja) | 詰め替え用パウチ及びその製造方法 | |
JP4303841B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP3998764B2 (ja) | 詰め替え用パウチ | |
JP4171001B2 (ja) | 詰め替え用パウチ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051006 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070724 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070920 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071023 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071114 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |