JP2002028220A - 医療用液剤の収納容器 - Google Patents

医療用液剤の収納容器

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JP2002028220A
JP2002028220A JP2000355483A JP2000355483A JP2002028220A JP 2002028220 A JP2002028220 A JP 2002028220A JP 2000355483 A JP2000355483 A JP 2000355483A JP 2000355483 A JP2000355483 A JP 2000355483A JP 2002028220 A JP2002028220 A JP 2002028220A
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Yasuyuki Konishi
靖之 小西
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Kanto Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血液中および尿中等の各種成分を体外診断用医
薬品および分析装置を用いて測定するとき、測定時に使
用される液剤は硬質の合成樹脂で作られている装置固有
の容器に充填されており、この容器を廃棄することで医
療用廃棄物となるゴミの重量、体積は大きい。ゴミの減
量化のため、充填に適した、使用後のゴミが少ない医療
用液剤の収納容器を開発する。 【解決手段】 ガスバリア性を有するフィルムによって
形成する自立する袋状容器であって、上部に再栓可能な
注出口を有する医療用液剤の収納容器

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用液剤を収納す
る容器であって特に体外診断用医薬品を収納する容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】体外診断用医薬品(以下「試薬」とい
う)は、医療機関の検査室等で、血液中および尿中等の
各種成分を分析装置により測定する際に用いられてい
る。測定時に使用される体外診断用医薬品は、分析装置
に固有な形状の容器に充填されている。この容器は、図
1に示す様に、比較的平たい、略直方体の形状であり、
自分で立つことが出来るため、容器に貼付したラベルは
識別し易い。容器は合成樹脂製であって、容器外形を保
持できる適当な塑性をもち、内部の液の有無を確認する
のに十分な透明性があり、ガスバリア性があり、必要な
場合には遮光性がある。また、手荒い扱いを受けても容
器が破損しないように十分な弾性を持つ素材で作られて
いる。試薬は容器に充填された状態でメーカーから供給
され、分析装置にセットされる際に開封され、使用済み
の容器は廃棄されるが、弾性のある試薬容器は圧力をか
けても割れずに元の形状を保つため、廃棄物はカサ高
い。分析に使用する試薬の量が多いため、廃棄する容器
総重量も大きなものとなる。廃棄物の処理は近年大きな
社会問題となっており、医療用廃棄物である使用済み試
薬容器の減量化が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の容器の肉厚を薄
くするだけでは強度が弱まり、試薬容器として使用する
には限界があるため、使用済み試薬容器廃棄物の減量化
の実現には、試薬容器を従来の容器とは異なった素材を
用いて、従来とは異なった構造の容器で作ることによ
り、廃棄時のカサが小さく、軽く、焼却しても有害物質
を放出しない材質の試薬容器を開発する必要がある。器
壁を薄くしていくと、素材の塑性が減少して器壁は変形
しやすくなり、最終的には外圧によって自由に外形を変
えるフィルムとなる。フィルムを袋状にすれば多量の液
体を収納ができ、液体を出した袋状容器はかさばらず、
軽い。このため、フィルムを用いた試薬容器を開発する
ことにより、使用済み試薬容器廃棄物の減量が実現する
のではないかと考えた。従って、本発明の目的は、フィ
ルムを用いた試薬容器を開発することにより、使用済み
試薬容器廃棄物を減量することである。また、本発明の
目的は、分析装置固有の形状を有する測定容器に試薬を
充填するのに適した、前記試薬容器を開発することであ
る。また、本発明の目的は、分析装置に直接使用するこ
とに適した前記試薬容器を開発することである。また本
発明の目的は、分析装置に直接使用する際、注出口を密
閉することにより、外部から大気が試薬容器内に流入し
ない容器を開発することである。
【0004】試薬容器としては、遮光性、透明性、ガス
バリア性を有しており、容器に自立性がある事が求めら
れる。透明性とガスバリア性の優れた袋状容器を製造す
る技術としては、基材となる樹脂表面に酸化ケイ素又は
酸化アルミニウムのような無機物質の膜を形成する多数
の方法が知られている(特許第2682101号、特開平6−23
8802号)。遮光する技術としては、多層フィルムの一層
を紫外線吸収層とする技術(特開平10−120036号、特開
平11−276550号)等、多くの方法が知られている。袋状
容器に収納された液状製品の例としては、家庭用製品の
シャンプー等についての容器再充填用製品がある。これ
らの容器は自立することができないため、積み上げる形
で保管することになり、他の袋の下になった袋のラベル
は見ることが出来ない。また、これらの容器を開封する
には容器を切断しなくてはならないが、容器が自立でき
ないため、床面の状態等によって、袋表面が汚れ、充填
する液が汚染される恐れがある。自立する容器は、袋状
容器でも作成が可能である。自立性とガスバリア性、遮
光性を有する袋状容器の例としては、清涼飲料水等の容
器において、アルミ箔を用いたラミネートフィルムで作
った自立できる容器(いわゆるスタンディングパウチ)
の例があるが、この場合には中身を見ることができない
のが欠点である。
【0005】分析装置固有の形状を有する測定容器に試
薬を充填するのに適した試薬容器であるためには、必要
な量だけ充填した後、試薬容器内の液を劣化しないよう
に保存するため、再栓可能な栓を有することが必要であ
る。また、静かに液を注ぐ場合には、液垂れを生じない
様に、注出口は、鉛直方向から斜め前方に傾いているの
が適している。
【0006】試薬を充填するのに適した試薬容器であっ
て、かつ分析装置に直接セットすることができる容器で
あるあためには、セットする時に容器の外形が分析装置
に接続できる外形であって、さらに、試薬容器が空にな
るまで、装置にセットすることが可能な外形を保持でき
ることが必要となる。
【0007】
【問題を解決するための手段】本願の発明者らは、鋭意
研究の結果、透明性、ガスバリア性の特徴を有するフィ
ルムによって形成した自立する袋状容器であって、上部
に再栓可能な注出口を有する袋状収納容器が、医療用液
剤、特に体外診断用医薬品(試薬)を収納する容器とし
て、適していることを見出した。さらに、前記の容器
は、試薬の再充填用容器に適しており、また、そのま
ま、分析装置の試薬収納容器としても使用できることを
見出した。さらに、本発明の容器は、分析装置の試薬収
納容器に用いた場合であって、開封後、測定終了後も栓
をせず液がなくなるまで解放状態で使用する場合におい
ても、大気の影響が小さいという機能をもつことを見出
した。透明なフィルムのガスバリア性は、フィルム中に
ガスバリア性の層を形成することによって得られ、透明
性を保ったままフィルムにガスバリア性を付与するため
には、ガスバリア性の層として無機酸化物膜を蒸着した
合成樹脂層を使用することができ、好ましくは、シリカ
蒸着PET層又はアルミナ蒸着PET層が使用できる
が、これに限定されない。前記フィルムを用いてスタン
ディングパウチに形成するためには、好ましくは三層か
らなるフィルムであって、ポリエチレン層、ナイロン層
各一層の組み合わせからなるフィルムとすれば良いが、
これに限定されない。三層の積層の順番は、好ましくは
内層がポリエチレン層、中層がシリカ蒸着PET、外層
がナイロン層である場合、又は、内層がポリエチレン
層、中層がナイロン層、外層がアルミナ蒸着PETであ
る場合だが、これらに限定されない。
【0008】このフィルムを用いて、この素材を用いて
自立することが出来、上部に再栓可能な注出口を有する
液剤の袋状収納容器(いわゆるスタンディングパウチ)
を形成出来る。すなわち、所定の高さ及び所定の幅を有
する略矩形状の表平面部1と裏平面部2及び底平面部3
の3面からなり、表平面部1と裏平面部2の底辺から一
定の高さと、二つ折りにした底平面部3の高さを等しく
し、表平面部1の下辺を含む略矩形面と二つ折りにした
底平面部3の表側の面を非溶着部分が下に向かって弧を
なす形状に熱溶着して表側下辺縁部5を形成し、同様に
裏平面部2と底平面部3の裏側の面を熱溶着して裏側下
辺縁部6を形成し、底平面部3の非溶着部分は容器底面
部4を形成し、表側下辺縁部5、裏側下辺縁部6の左右
の辺縁部を互いに熱溶着して容器底面部4の周囲を囲む
脚部を形成しており、表平面部1と裏平面部2の左右の
辺縁部を互いに熱溶着によって左辺縁部7と右辺縁部8
を形成し、表平面部1と裏平面部2の左右の辺縁部を互
いに熱溶着によって左辺縁部7と右辺縁部8を形成し、
左辺縁部7の上部に、左辺縁部7の面内に注出口9aの
中心があり、注出口9aが、容器底面部4に対して斜め
上方になるように注出口本体9を設けた袋状容器であっ
て、液剤を収納した後、容器上部10を、注出口本体9
の熱溶着部の上部から容器底面部4に対して斜め下方に
右辺縁部8まで熱溶着して封じることによって、上部に
再栓可能な注出口を有する液剤の収納容器を得ることが
出来るが、自立性容器の製造方法はこれに限定されな
い。
【0009】また、容器上部10にさらに注出口15を
設け、注出口が2個ある収納容器を形成することが出来
る。この容器は、容器上部10に設けた注出口15を開
封して分析用装置に直接装着することができ、また、注
出口9aを開封することにより分析装置に直接装着する
容器として使用することができる。分析装置に直接装着
する容器として使用する場合には、容器上部10に設け
た栓開口部15に試薬を吸い出すための管を通すが、栓
と管は気密にする必要がある。
【0010】この容器は中に液がある場合、容器底面部
が液体の重量で広がり、上部が大気圧で表平面と裏平面
が密着又は近接するため、底面部は水平方向断面が略楕
円形、容器上部は密着して、側面方向からみると略三角
形(図3)となり、液面が低下するにつれ、該三角形の
高さは低くなるが底辺の長さはあまり変わらない(図
4)ために重心が下がり、液の量によらず安定に立つこ
とができる。
【0011】未開封状態における大気中の酸素、炭酸ガ
スに起因する劣化は容器の器壁を浸透するガスに限定さ
れ、器壁材質がガスバリア性を持つことから、試薬を安
定に保存することができる。これらにより、容器の未開
封の状態において、容器内に充填した試薬を安定に保存
することができる。開封後は液上面が大気と接触する
が、容器内空隙に流入した大気は容易に出すことがで
き、この後に再び栓をすれば内部に残存する液体が大気
の影響を受けることはない。
【0012】また、開封後、この容器を分析装置にセッ
トし開封のまま使用する場合であっても、栓の部分を気
密にすることにより、液面の低下の分、上部が大気圧で
表平面と裏平面が密着するため、液上面は全く大気と接
触しないか、開封時に容器上部に流入して僅かに残留す
る大気と接触するだけであるため、内部の薬品が大気に
よる薬品の劣化を受けることが避けられる。また、この
三層フィルムは無色透明であるが、例えばナイロン層を
着色することによって遮光性とすることができる。この
ため、光によって劣化する恐れのある試薬を収納する場
合には、適正な着色を行うことによって試薬の長期保存
を可能にすることができるが、この場合であっても、着
色の程度を好適にすることにより、透明性を保ちながら
十分な遮光性を有する収納容器とすることができる。こ
れらにより、容器内部の試薬は劣化することなく安定に
保たれる。
【0013】試薬の容器として使用する場合、互いに他
と容易に区別できる状態で保管できるかが問題となる。
この容器は、互いの容器の底部が軽く触れ合う程度に近
接して置いた場合には、複数の容器を並べた場合にも安
定して自立することができる。従って、通常の容器同様
に棚に一列に並べて保管でき、任意の容器を取り出して
も倒れることはないため、ラベルにより他と容易に区別
でき、保管も容易である。容器が透明であるため、内容
を表示するラベルは、必要があればラベルの裏側にも印
刷することにより容器のどちら側からも見ることが出来
るようになる。また、容器を左右から押すことによって
略直方体にすることができ、従って、運搬時の面積、体
積は最小とすることができるほか、分析装置固有の容器
と外形が多少異なっても使用できるメリットがある。
【0014】また、上部を斜めに熱溶着した際に出来る
略三角形部12は平面であり、収納容器を持ち上げる際
の持ち手となり、容器の取り扱いが容易となる。また、
本願容器は、容器内の液面を外部から確認できるため、
充填の際に容器の傾ける角度を好適に調節することがで
き、液がこぼれることを防ぐことができる。
【0015】すなわち、本願発明は、ガスバリア層を有
する多層フィルムによって形成する自立する袋状容器で
あって、上部に再栓可能な注出口を有する医療用液剤の
収納容器に関する。また本願発明は、ガスバリア層がシ
リカ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)またはア
ルミナ蒸着PETである前記収納容器に関する。また本
願発明は、三層フィルムがポリエチレン層、ガスバリア
層、ナイロン層の各一層の組み合わせからなる前記収納
容器に関する。また本願発明は、内層がポリエチレン層
であり、中層がシリカ蒸着PET層であり、外層がナイロ
ン層である、又は、内層がポリエチレン層であり、中層
がナイロン層であり、外層がアルミナ蒸着PET層であ
る三層フィルムからなる前記収納容器に関する。また本
願発明は、収納容器が、所定の高さ及び所定の幅を有す
る略矩形状の表平面部1と裏平面部2及び底平面部3の
3面からなり、表平面部1と裏平面部2の底辺から一定
の高さと、二つ折りにした底平面部3の高さを等しく
し、表平面部1の下辺を含む略矩形面と二つ折りにした
底平面部3の表側の面を非溶着部分が下に向かって弧を
なす形状に熱溶着して表側下辺縁部5を形成し、同様に
裏平面部2と底平面部3の裏側の面を熱溶着して裏側下
辺縁部6を形成し、底平面部3の非溶着部分は容器底面
部4を形成しており、表側下辺縁部5、裏側下辺縁部6
の左右の辺縁部を互いに熱溶着して容器底面部4の周囲
を囲む脚部を形成しており、表平面部1と裏平面部2の
左右の辺縁部を互いに熱溶着によって左辺縁部7と右辺
縁部8を形成し、左辺縁部7の上部に、左辺縁部7の面
内に注出口9aの中心があり、注出口9aが、容器底面
部4に対して斜め上方になるように注出口本体9を設け
た袋状容器であって、液剤を収納した後、容器上部10
を、注出口本体9の熱溶着部の上部から容器底面部4に
対して斜め下方に右辺縁部8まで熱溶着して封じたこと
を特徴とする前記収納容器に関するものである。また、
本願発明は、容器上部10にさらに注出口15を設け、
注出口が2個あることを特徴とする前記収納容器に関す
る。また、本願発明は、医療用液剤が体外診断用医薬品
であることを特徴とする上記収納容器に関するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本願発明の実施について下記に詳
細に示すが、下記の内容に限定されることはない。内層
がポリエチレン、中層がシリカ蒸着PET(ポリエチレン
テレフタレート)層、外層がナイロン層からなる容器
と、内層がポリエチレン、中層がナイロン層、外層がア
ルミナ蒸着PET層からなる容器を作成した。この容器に
ついてガスバリア性について検討を行った。従来の容器
はポリエチレン性であり、本願の発明の収納容器につい
て、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。本願発明
の収納容器は従来の合成樹脂容器よりガスバリア性が約
10倍程度高まることが実験によって確認された。
【0017】
【表1】
【0018】容器を廃棄した際の重量及び容積につい
て、従来の容器と本願の容器を比較したのが表2であ
り、試薬が本願の容器を用いてユーザーに提供された場
合には、医療廃棄物の減量に大きく貢献することが数値
で明らかになった。
【0019】
【表2】
【0020】容器を開封したまま使用した際の大気の影
響について、二酸化炭素の影響をアルカリフォスファタ
ーゼ(ALP)活性を測定することにより、従来の容器
と本願の容器を比較したのが表3である。
【0021】
【表3】
【0022】ALPは腎、骨芽細胞、胎盤、肝などに比
較的高濃度に存在し、細胞膜に局在し、膜を通してリン
酸の転送に関与している。血清中の本酵素の増減は骨疾
患、肝、胆管疾患などの指標となっている。本酵素の測
定法は、至適pH域が狭いため、炭酸ガスによる試薬の
pH値が影響を与えている。表3は、ALP測定試薬を
充填した従来容器及び本願容器を測定機にセットし、従
って試薬表面が大気に接触している状態で30日間測定
をおこなった結果である。15日までは従来容器と本願
容器による測定値は大きな変化はなかったが、30日目
のデータは、従来容器において測定値が15日目と比較
して大幅に減少することが確認された。測定に用いる試
薬は、容器底部付近まで差し込んだノズルによって吸い
出して使用する。二酸化炭素の吸収による吸収によるp
H値の変化は液表面で発生するが、0日から15日まで
の期間においては表面近くに限られいるためにpH値は
変化せす、15日位後、測定を繰り返して液面が低下
し、また時間の経過により、30日目においてpH値の
変化がノズルの口まで到ったために数値が低下したもの
と考える。これに対して本願容器の測定値は全く変化し
ておらず、測定終了後も栓をせず解放状態で使用する場
合しても本願容器についての大気の影響が小さいことが
確認された。
【0023】以下、本発明の収納容器について図面によ
って説明する。図1は従来の容器である。図2は試薬が
入っていない状態、図3は試薬を入れた状態、図4は試
薬が減少した状態について示している。
【0024】容器は、注出口本体9を左上側にしたとき
に手前側の面を「表平面1」とし、下側を「裏平面2」
とする。「表平面部1」と「裏平面部2」と「底平面部
3」を熱溶着することにより、「容器底面部4」を形成
する。「容器底面部4」は、その周囲を、それぞれ左右
の辺縁部を互いに熱溶着した「表側下辺縁部5」及び
「裏側下辺縁部6」が囲んで脚部を形成している。ま
た、注出口本体9を左上側にしたときに、平面の辺縁部
であって注出口側を「左辺縁部7」、他方の辺縁部を
「右辺縁部8」とする。図2から図4において、1及び
2は表平面及び裏平面であり、所定の高さ及び所定の幅
を有する略矩形状をなしている。7及び8は左辺縁部及
び右辺縁部であり、表平面部1と裏平面部2の左右の縁
を熱溶着して形成されており、上部側が若干底部側より
幅が狭くなっている。4は容器底面部であり、図2に示
すように、折り畳み可能に形成されている。
【0025】10は容器上部で、この容器上部10には
左辺縁部7の上部に接して注出口本体9が設けられてい
る。注出口本体9は注出口9aと、この注出口9aに栓
をしたり、開口したりする開閉手段(栓)9bを有す
る。この開閉手段9bは、注出口9a側をねじ孔とし、
栓9b側をねじ棒としてねじ操作により開閉するか、又
は、注出口9a側に円錐状の孔(内部側を小径とし
た)、栓9b側を円錐状孔に嵌合する円錐体としてもよ
いが、これに限定されない。そして、この注出口本体9
は上面部10に熱溶着により取り付けられ、ガスバリア
性の機能を損わないようにしている。左辺縁部7の上部
に、左辺縁部7の面内に注出口9aの中心があり、注出
口9aが、容器底面部4に対して斜め上方になるように
注出口本体9を設けてあるため、試薬の充填が極めて容
易になる。
【0026】容器に試薬を収納した後、容器上部10の
部分を熱溶着して封をする。容器上部10の熱溶着部1
1は、注出口本体9の熱溶着部の上部から右辺縁部8ま
で、斜め下方に向かった略直線状であり、この結果、右
辺縁部8にそって容器上部10に略三角形の部分12が
形成される。略三角形の部分12は、2辺が熱溶着され
ている結果平面となっており、略三角形の部分12をつ
まむことにより、容器の取り扱い性がよい。
【0027】また、容器底面部4は折り畳み可能であ
り、試薬を注入した時、図3のように容器底面部4が広
がり、自立した状態で保管できる。これらの操作におい
て、内部の試薬が少なくなると、図4のように試薬が無
くなった部分の表平面部1と裏平面部2とが近接又は密
着し大きな空隙を生じない。
【0028】
【発明の効果】(1)使用済みの容器の減量化について
の効果 収納した試薬を使用し終わった容器は医療用廃棄物とし
て処理されるが、合成樹脂で形成されている従来の容器
では、ゴミとなる容積と重量が非常に大きくなり問題と
なっているが、本容器は使い終わった後は折り畳み廃棄
できるのでゴミになった場合の容器は従来の容器に比べ
重量が38%、体積が22%に減量できる。 (2)試薬の充填操作についての効果 本願発明の容器は、自立性があり、また、上部に形成さ
れた略三角形の部分があることとの相乗効果で取り扱い
性が良く、また、ラベルの識別性がよいため試薬を間違
いなく識別することができ、充填する操作を容易に行う
ことができる。この結果、本願収納容器に収納した試薬
を容易に測定装置固有の容器に充填することができる。 (3)試薬の安定性に対する効果 本願発明の容器は、ガスバリア性が従来の硬質容器内よ
り10倍も優れており、器壁を通じての大気中の酸素や
炭酸ガスの侵入を防いでいる。この結果、未開封で長期
間安定に試薬を保存できる。また、本願発明の容器は、
使用により内部の試薬が少なくなっても表平面部と裏平
面部が近接又密着するために空隙を生じることがないこ
とから開封時に流入する大気の影響が少なく、開封して
分析装置にセットした後開封したまま使用した場合にも
大気による劣化は少なく出来る。 (4)測定用容器としての使用 また、本願容器は、充填用容器として、また、口部分の
外形等の条件が適合する場合には、測定用容器としても
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の収納容器
【図2】本発明の収納容器であって、試薬の入っていな
い状態
【図3】本発明の収納容器であって、試薬が入っている
状態
【図4】本発明の収納容器であって、試薬が減少した状
【図5】本発明の収納容器であって、注出口が2個ある
収納容器
【符号の説明】
1 … 表平面部 2 … 裏平面部 3 … 底平面部 4 … 容器底面部 5 … 表側下辺縁部 6 … 裏側下辺縁部 7 … 左辺縁部 8 … 右辺縁部 9 … 注出口本体 9a… 注出口本体に含まれる注出口 9b… 注出口本体に含まれる開閉手段(栓) 10 … 容器上面 11 … 試薬封入の際の熱溶着部 12 … 略三角形部 13 … 液面 14 … 容器中央断面 15 … 容器上面10に設けた注出口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスバリア層を有する多層フィルムによっ
    て形成する自立する袋状容器であって、上部に再栓可能
    な注出口を有する医療用液剤の収納容器
  2. 【請求項2】ガスバリア層がシリカ蒸着PET(ポリエチ
    レンテレフタレート)またはアルミナ蒸着PETである
    ことを特徴とする請求項1に記載の収納容器
  3. 【請求項3】多層フィルムが三層からなり、その三層が
    ポリエチレン層、ガスバリア層、ナイロン層の各一層を
    組み合わせてなることを特徴とする請求項1乃至2に記
    載の収納容器
  4. 【請求項4】内層がポリエチレン層であり、中層がシリ
    カ蒸着PET層であり、外層がナイロン層である、又は、
    内層がポリエチレン層であり、中層がナイロン層であ
    り、外層がアルミナ蒸着PET層である三層フィルムか
    らなる請求項1乃至3に記載の収納容器。
  5. 【請求項5】収納容器が、所定の高さ及び所定の幅を有
    する略矩形状の表平面部1と裏平面部2及び底平面部3
    の3面からなり、表平面部1と裏平面部2の底辺から一
    定の高さと、二つ折りにした底平面部3の高さを等しく
    し、表平面部1の下辺を含む略矩形面と二つ折りにした
    底平面部3の表側の面を非溶着部分が下に向かって弧を
    なす形状に熱溶着して表側下辺縁部5を形成し、同様に
    裏平面部2と底平面部3の裏側の面を熱溶着して裏側下
    辺縁部6を形成し、底平面部3の非溶着部分は容器底面
    部4を形成し、表側下辺縁部5、裏側下辺縁部6の左右
    の辺縁部を互いに熱溶着して容器底面部4の周囲を囲む
    脚部を形成しており、表平面部1と裏平面部2の左右の
    辺縁部を互いに熱溶着によって左辺縁部7と右辺縁部8
    を形成し、左辺縁部7の上部に、左辺縁部7の面内に注
    出口9aの中心があり、注出口9aが、容器底面部4に
    対して斜め上方になるように注出口本体9を設けた袋状
    容器であって、液剤を収納した後、容器上部10を、注
    出口本体9の熱溶着部の上部から容器底面部4に対して
    斜め下方に右辺縁部8まで熱溶着して封じたことを特徴
    とする請求項1乃至4に記載の収納容器。
  6. 【請求項6】容器上部10にさらに注出口15を設け、
    注出口が2個あることを特徴とする請求項1乃至5に記
    載の収納容器
  7. 【請求項7】医療用液剤が体外診断用医薬品であること
    を特徴とする請求項1乃至6に記載の収納容器。
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