JP2001164827A - ボックスにおける蓋体の開閉構造 - Google Patents

ボックスにおける蓋体の開閉構造

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JP2001164827A
JP2001164827A JP2000035231A JP2000035231A JP2001164827A JP 2001164827 A JP2001164827 A JP 2001164827A JP 2000035231 A JP2000035231 A JP 2000035231A JP 2000035231 A JP2000035231 A JP 2000035231A JP 2001164827 A JP2001164827 A JP 2001164827A
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Hiroshi Zushi
洋 頭師
Hidenori Yokoyama
英則 横山
Koji Nakao
耕司 中尾
Katsuhiro Katagiri
勝広 片桐
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で部品点数を削減することができ
て、組み立てを容易に行うことができるとともに、部品
の加工精度を高めることなく、蓋体のスライド操作を確
保することができる蓋体の開閉構造を提供する。 【解決手段】ボックス本体21側に固定支持点P1を設
けるとともに、蓋体27側に回転支持点P2を設け、そ
の固定支持点P1と回転支持点P2とをアーム31によ
り連結する。蓋体27側にスライド支持点P3を設け、
そのスライド支持点P3に突設した係合突起34をボッ
クス本体21側に設けたガイドレール35に係合する。
これにより、蓋体27をボックス本体21の開口部23
に沿ってスライド可能に案内する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車内
に配置されるコンソールボックス等において、そのボッ
クス本体の開口部を蓋体により開閉可能に覆うようにし
た蓋体の開閉構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の蓋体の開閉構造として
は、例えばコンソールボックスのボックス本体内に収納
部が設けられ、そのボックス本体の上面の開口部には蓋
体が開閉可能に装着されている。この蓋体は、ボックス
本体の上面の後端または側端の壁部に対してヒンジ機構
を介して装着されている。このようなコンソールボック
スの多くは、収容部内に物を出し入れする際に、その蓋
体をヒンジ機構を中心に後方または側方に起立させ、ボ
ックス本体の開口部の全面を開口させて使用するように
なっている。
【0003】ところが、前記蓋体を後方に起立させる構
成では、蓋体全体を後方に起立させるため、搭乗者が腕
を後方かつ上方へ半円を描くように大きく動かす必要が
あって、蓋体の開閉操作が行いにくくなる場合があっ
た。また、前記蓋体を側方に起立させる構成では、その
蓋体を起立させたとき、起立した蓋体が存在する側の搭
乗者にはその蓋体がじゃまになって、収容部内への物の
出し入れに支障を来すことがあった。
【0004】これらの問題を解決するために、例えば図
17〜図19に示すような構成のコンソールボックスの
蓋体の開閉構造が提案されてきている。すなわち、コン
ソールボックスのボックス本体101内に収納部102
が設けられ、その収納部102の内側にはカップホルダ
103が配設されている。ボックス本体101の上面の
開口部101aには、蓋体104が開閉可能に装着され
ている。そして、この蓋体104は、図17(a)に示
すように開口部101aを覆う閉鎖位置、図17(b)
に示すように開口部101aの一部のみを開放する第1
スライド位置、図17(c)に示すように開口部101
aのほぼ全体を開放する第2スライド位置、及び図17
(d)に示すように開口部101aの後方に退避する回
動位置に配置されるようになっている。
【0005】図18及び図19に示すように、このボッ
クス本体101の後端には一対の軸支部105が形成さ
れ、その軸支部105間には回動支持板106が支軸1
07を介して回動可能に支持されている。回動支持板1
06の先端部の両側には一対の支持レール108が前後
方向へ平行に延長形成され、それらの支持レール108
にはチャンネル状の抵抗付与部材109が嵌着されてい
る。蓋体104内には、一対のチャンネル上をなす係合
レール110が前後方向へ平行に延びるように取り付け
られている。そして、これらの係合レール110が抵抗
付与部材109を介して支持レール108に係合される
ことにより、蓋体104が回動支持板106上にスライ
ド可能に支持されている。
【0006】そして、蓋体104が図17(a)に示す
閉鎖位置から、回動支持板106上で開口部101aの
開放方向にスライドされることにより、図17(b)に
示す第1スライド位置、及び図17(c)に示す第2ス
ライド位置に配置されるようになっている。また、蓋体
104が第2スライド位置から回動支持板106ととも
に回動されることにより、図17(d)に示すボックス
本体101の後方の退避位置に配置されるようになって
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
蓋体の開閉構造においては、蓋体104、一対の支持レ
ール108を形成した回動支持板106、支軸107、
一対の抵抗付与部材109、及び一対の係合レール11
0のように多くの部材を使用している。このため、構造
が複雑で部品点数が多くなり、組み立てに手間がかかる
という問題があった。
【0008】また、この従来構造では、回動支持板10
6の支持レール108に嵌着した抵抗付与部材109と
係合レール110との摩擦係合により、蓋体104にス
ライド操作荷重が付与されるようになっている。このた
め、十分な組付性と組付状態での適度な摺動抵抗とを確
保しつつ、蓋体104のボックス本体101に対するが
たつきが生じないようにするためには、それらの部材を
非常に高い精度で加工する必要がある。このような高精
度の加工は、コンソールボックスの製造コストの高騰を
招くという問題もあった。
【0009】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、構造が簡単で部品点数を削減することが
できて、組み立てを容易に行うことができるとともに、
部品の加工精度を高めることなく、蓋体のスライド操作
を確保することができる蓋体の開閉構造を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】後記実施形態の図面(図
1〜7に示す第1実施形態、図8に示す第2実施形態、
図9に示す第3実施形態、図10〜15に示す第4実施
形態、図16に示す第5実施形態)の符号を援用して本
発明を説明する。
【0011】請求項1の発明にかかるボックスの蓋体開
閉構造は、第1〜5の実施形態に対応し、下記のように
構成されている。このボックスは、開口部(57,2
3)を有するボックス本体(51,21)と、この開口
部(57,23)を開閉し得る蓋体(52,27)と、
このボックス本体(51,21)とこの蓋体(52,2
7)との間に設けた開閉動機構(M)とを備えている。
【0012】前記開閉動機構(M)にあっては、ボック
ス本体(51,21)に対しアーム(69,31)を第
一回動中心線(P1)回りで回動可能に支持するととも
に、蓋体(52,27)において前記第一回動中心線
(P1)に対し離間した第二回動中心線(P2)回りで
このアーム(69,31)を回動可能に支持し、前記第
一回動中心線(P1)及び第二回動中心線(P2)に対
し離間した相対動部(74,61,34,35)で、前
記ボックス本体(51,21)に対し前記蓋体(52,
27)を開閉動方向(X)へ移動可能に支持する移動規
制部(74,61,34,35)を設けている。このア
ーム(69,31)の往復回動に伴い、蓋体(52,2
7)は、移動規制部(74,61,34,35)の相対
動部(74,61,34,35)で、ボックス本体(5
1,21)に対し相対移動して開口部(57,23)を
開閉する。
【0013】請求項2の発明は、第4〜5の実施形態に
対応し、請求項1の発明に下記の構成を追加している。
前記開閉動機構(M)にあっては、ボックス本体(5
1,21)の相対動部(61,35)と蓋体(52,2
7)の相対動部(74,34)とを移動規制部(74,
61,34,35)による規制から外す規制解除部(6
3,44)を有している。前記蓋体(52,27)は、
ボックス本体(51,21)の開口部(57,23)に
対する閉位置(A)と開位置(B)のほかに、前記規制
解除部(63,44)において、第二回動中心線(P
2)回りでアーム(69,31)に対し回動して、ボッ
クス本体(51,21)の相対動部(61,35)に対
し蓋体(52,27)の相対動部(74,34)を離間
させる跳上げ開放位置(C)を取る。
【0014】請求項3の発明は、第4の実施形態に対応
し、請求項2の発明に下記の構成を追加している。前記
開閉動機構(M)にあっては、蓋体(52)を閉位置
(A)と開位置(B)との間で往復移動させる開閉駆動
機構部(66)と、蓋体(52)を開位置(B)と跳上
げ開放位置(C)との間で往復移動させる跳上げ駆動機
構部(67)とを備えている。
【0015】請求項4の発明は、第4の実施形態に対応
し、請求項3の発明に下記の構成を追加している。前記
開閉駆動機構部(66)は、電動モータ(75)と、こ
の電動モータ(75)の回転をボックス本体(51)に
対するアーム(69)の回動として伝達する開閉連動機
構部(66A)とを備えている。前記跳上げ駆動機構部
(67)は、電動モータ(75)と、この電動モータ
(75)の回転をアーム(69)に対する蓋体(52)
の回動として伝達する跳上げ連動機構部(67A)とを
備えている。
【0016】請求項5の発明は、第4の実施形態に対応
し、請求項4の発明に下記の構成を追加している。前記
開閉連動機構部(66A)は、電動モータ(75)の回
転により往復移動する可動支点部材(79)と、この可
動支点部材(79)の往復移動をボックス本体(51)
に対するアーム(69)の回動として伝達する開閉リン
ク機構部(66a)とを備えている。前記跳上げ連動機
構部(67A)は、電動モータ(75)の回転により往
復移動する可動支点部材(79)と、この可動支点部材
(79)の往復移動をアーム(69)に対する蓋体(5
2)の回動として伝達する跳上げリンク機構部(67
a)とを備えている。
【0017】請求項6の発明は、第4の実施形態に対応
し、請求項5の発明に下記の構成を追加している。前記
開閉リンク機構部(66a)は、アーム(69)に対し
移動可能に支持したスライダ(84)と、このスライダ
(84)及び可動支点部材(79)に対し回動可能に支
持した駆動リンク(82)とを備えている。前記跳上げ
リンク機構部(67a)は、アーム(69)に対し移動
可能に支持したスライダ(84)と、このスライダ(8
4)及び可動支点部材(79)に対し回動可能に支持し
た駆動リンク(82)と、このスライダ(84)及び蓋
体(52)に対し回動可能に支持した跳上げリンク(8
7)と、前記スライダ(84)の移動を規制するように
ボックス本体(51)に設けた案内部(86)とを備え
ている。
【0018】第2〜3の実施形態に対応する請求項7に
記載の発明では、請求項1に記載したボックスにおける
蓋体の開閉構造において、前記アーム(31)は、関節
部(47)を有する複数のリンク(46)からなる。
【0019】第3の実施形態に対応する請求項8に記載
の発明では、請求項1または請求項7に記載したボック
スにおける蓋体の開閉構造において、前記第一回動中心
線(P1)及び第二回動中心線(P2)を蓋体(27)
のスライド方向(X)に複数個並設し、対向する第一回
動中心線(P1)と第二回動中心線(P2)との間をそ
れぞれアーム(31)により連結した。
【0020】第1〜5の実施形態に対応する請求項9に
記載の発明では、請求項1〜請求項8のうちいずれか一
項したボックスにおける記載の蓋体の開閉構造におい
て、前記ボックス本体(21,51)は、自動車内に配
置されるコンソールボックスの本体である。
【0021】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕以下に、この
発明を、自動車内に配置されるコンソールボックスに具
体化した第1の実施形態を、図1〜7に基づいて説明す
る。
【0022】図1〜図3に示すように、コンソールボッ
クスのボックス本体21は内部に収容容器22を備え、
その収容容器22の上面には開口部23が形成されてい
る。収容容器22内の前端には、小物容器24及びカッ
プホルダ25が支軸26を介して回動可能に取り付けら
れている。
【0023】小物容器24は、図1及び図3に示すよう
に、収容容器22の開口部23に沿って後方に倒伏回動
された不使用位置と、図2及び図7に示すように、開口
部23の前方に起立回動された使用位置とに配置される
ようになっている。また、カップホルダ25は、図2及
び図7に実線で示すように、収容容器22の開口部23
に沿って後方に倒伏回動された使用位置と、図7に鎖線
で示すように、開口部23の前方に起立回動された退避
位置とに配置されるようになっている。
【0024】前記ボックス本体21上には蓋体27が開
閉可能に取り付けられ、図1及び図3に示すように、収
容容器22の開口部23を覆う閉鎖位置A(完全閉位
置)と、図2及び図7に示すように、開口部23を開放
する開放位置B(完全開位置)とに配置されるようにな
っている。蓋体27の前端には切欠部28が形成され、
図1及び図3に示すように、蓋体27が閉鎖位置Aに配
置された状態で、小物容器24が不使用位置に回動され
たとき、この切欠部28内に配置されるようになってい
る。また、この状態から小物容器24を使用位置に回動
配置させたとき、切欠部28を介して使用位置に配置さ
れたカップホルダ25の上方が開放されるようになって
いる。
【0025】前記蓋体27の前端上面には凹部29が形
成され、その内部には指掛け片30が突設されている。
そして、蓋体27が閉鎖位置Aに配置された状態で、小
物容器24を不使用位置から使用位置に回動させる際に
は、この凹部29を介して小物容器24の内面に指を掛
けるようになっている。また、蓋体27を図2及び図7
に示す開放位置Bから閉鎖する際には、指掛け片30に
指を掛けて蓋体27を前方に移動させるようになってい
る。
【0026】次に、前記蓋体27の開閉構造(開閉動機
構M)について詳細に説明する。図2〜図6に示すよう
に、ボックス本体21の後端両側の下方には固定支持点
P1(回動中心線、固定中心)が設けられるとともに、
蓋体27の後端両側には回転支持点P2(回動中心線、
永久中心)が設けられ、それらの固定支持点P1と回転
支持点P2とがアーム31により連結されている。各ア
ーム31は側面形ほぼ逆L字状をなす1つの連結レバー
32より構成され、それらの両端が段付きネジ33によ
り固定支持点P1及び回転支持点P2に回転自在に取り
付けられている。
【0027】前記蓋体27の前端両側にはスライド支持
点P3(回動中心線、永久中心)が設けられ、それらの
スライド支持点P3には係合突起34(相対動部、移動
規制部)が外側に向かって突設されている。各スライド
支持点P3と対応するように、ボックス本体21の両側
内面にはガイド手段としてのガイドレール35(相対動
部、移動規制部)が収容容器22の開口部23に沿って
前後方向X(スライド方向、開閉動方向)へ延びるよう
に形成されている。そして、これらのガイドレール35
に係合突起34がスライド可能に係合されることによ
り、蓋体27が開口部23に沿ってスライド可能に案内
されるようになっている。
【0028】また、この実施形態においては、図6に示
すように、前記各固定支持点P1及び回転支持点P2に
おける段付きネジ33の頭部と連結レバー32との間
に、抵抗付与手段としてのバネ座金39が介装されてい
る。これにより、蓋体27の開閉操作時において、アー
ム31に回転抵抗が加わって、蓋体27に所定のスライ
ド操作荷重が付与されるようになっている。
【0029】図3、図5及び図7に示すように、前記一
対のガイドレール35の内で、一方のガイドレール35
の前後両端には係合孔36が形成されている。また、一
対の係合突起34の内で、一方の係合突起34は蓋体2
7のスライド支持点P3に出没移動可能に突設され、バ
ネ37により突出方向に付勢されている。そして、この
係合突起34がガイドレール35の前端または後端にス
ライドされたとき、係合突起34がバネ37の付勢力に
より係合孔36内に突出係合されて、蓋体27が閉鎖位
置Aまたは開放位置Bにロックされるようになってい
る。
【0030】一方の係合突起34と対応するように、蓋
体27の一側面には解除用ボタン38が配設されてい
る。この解除用ボタン38を押圧操作することにより、
係合突起34が係合孔36から離脱されて、蓋体27の
ロックが解除されるようになっている。
【0031】次に、前記のように構成された蓋体27の
開閉構造の作用について説明する。さて、図1及び図3
においては、蓋体27がボックス本体21の開口部23
を覆う閉鎖位置Aに配置されるとともに、小物容器24
が蓋体27の切欠部28内の不使用位置に配置されてい
る。この状態から、小物容器24を使用する場合、ある
いはカップホルダ25を使用する場合には、ボックス本
体21上の凹部29から小物容器24の先端内面に指を
掛けて、その小物容器24を図2及び図7に示す使用位
置に回動させる。これにより、小物容器24が起立状態
に配置されて、その小物容器24内にカード等の小物4
0を収容することができる。また、この状態では蓋体2
7の切欠部28を介して、使用状態のカップホルダ25
の上方が開放されるため、このカップホルダ25上にカ
ップ41を載置することができる。
【0032】さらに、ボックス本体21の収容容器22
内に収容物を出し入れする場合には、解除用ボタン38
の押圧操作により、一方の係合突起34を前端の係合孔
36から離脱させて、蓋体27を閉鎖位置Aに対するロ
ック状態から解除する。その後、蓋体27を後方に移動
させると、その蓋体27の前端のスライド支持点P3に
設けられた係合突起34がボックス本体21のガイドレ
ール35に沿って後方にスライドされる。それととも
に、蓋体27の後端の回転支持点P2がアーム31を介
して、ボックス本体21の固定支持点P1を中心に後部
下方へ回転移動される。
【0033】そして、図2及び図7に示すように、係合
突起34がガイドレール35のスライド終端部までスラ
イドされたとき、蓋体27がボックス本体21の後方へ
後下がりの傾斜状態で突出する開放位置Bに配置され
る。この開放位置Bでは、ボックス本体21の開口部2
3のほぼ全体が開放される。このとき、一方の係合突起
34がバネ37の付勢力により、後端の係合孔36に突
出係合されて、蓋体27が開放位置Bにロックされる。
【0034】その後、図7に実線で示すように、小物容
器24を開口部23の前方の使用位置に回動させるとと
もに、同図に鎖線で示すように、カップホルダ25を開
口部23の前方の退避位置に回動させれば、開口部23
の前端部分も開放される。従って、この状態において収
容容器22内に収容物を容易に出し入れすることができ
る。
【0035】また、この状態から蓋体27を閉じる場合
には、解除用ボタン38の押圧操作により、一方の係合
突起34を後端の係合孔36から離脱させて、蓋体27
を開放位置Bに対するロック状態から解除する。その
後、指掛け片30に指を掛けて、蓋体27を前方に移動
させると、その蓋体27のスライド支持点P3上の係合
突起34がボックス本体21のガイドレール35に沿っ
て前方にスライドされる。それとともに、蓋体27の回
転支持点P2がアーム31を介して、ボックス本体21
の固定支持点P1を中心に前部上方へ回転移動される。
【0036】そして、図1及び図3に示すように、係合
突起34がガイドレール35のスライド始端部までスラ
イドされたとき、蓋体27がボックス本体21の開口部
23を覆う閉鎖位置Aに配置される。このとき、一方の
係合突起34がバネ37の付勢力により、前端の係合孔
36に突出係合されて、蓋体27が閉鎖位置Aにロック
される。
【0037】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 (イ) この実施形態の蓋体27の開閉構造では、ボッ
クス本体21側に固定支持点P1が設けられるととも
に、蓋体27側に回転支持点P2が設けられ、その固定
支持点P1と回転支持点P2とがアーム31により連結
されている。また、蓋体27側にスライド支持点P3が
設けられ、そのスライド支持点P3に突設された係合突
起34がボックス本体21側に設けられたガイドレール
35に係合している。これにより、蓋体27がボックス
本体21の開口部23に沿ってスライド可能に案内され
るようになっている。
【0038】このため、図17〜図19に示す従来構成
に比較して、構造が簡単で部品点数を大幅に削減するこ
とができる。従って、それらの部品の組み立てを容易に
行うことができ、コンソールボックスの製造コストの削
減を図ることができる。
【0039】(ロ) この実施形態の蓋体27の開閉構
造では、アーム31が1つの連結レバー32から構成さ
れ、蓋体27上の回転支持点P2が連結レバー32を介
してボックス本体21に回転可能に連結されている。
【0040】このため、前記従来構成に比較して、各部
品の加工精度をそれほど厳密に管理することなく、がた
つきの発生を抑制した状態で蓋体27を安定にスライド
させることができる。
【0041】(ハ) この実施形態の蓋体27の開閉構
造では、アーム31を構成する連結レバー32が側面形
ほぼL字状に形成されている。すなわち、前記ボックス
本体21側の固定支持点P1と前記蓋体27側の回転支
持点P2とを結ぶ中心間線よりも、この連結レバー32
が前方へ屈曲し、この連結レバー32からこの中心間線
にわたる領域が切り欠かれて空間部になっている。
【0042】このため、蓋体27が閉鎖位置A及び開放
位置Bのいずれの位置に配置された場合でも、アーム3
1がボックス本体21及び蓋体27から外方へ露出する
ことはなく、ボックス本体21等の外観を損なうことが
ない。
【0043】(ニ) この実施形態の蓋体27の開閉構
造では、アーム31と段付きネジ33の頭部との間に介
装されたバネ座金39により、そのアーム31をボック
ス本体21及び蓋体27に押しあてて、蓋体27のスラ
イド操作時における荷重を付与している。
【0044】ここで、前記従来構成では、蓋体104の
スライド操作時の荷重を支持レール108に嵌着した抵
抗付与部材109と係合レール110との摩擦係合によ
り発生させている。これに対して、この実施形態の開閉
構造では、その荷重を固定支持点P1及び回転支持点P
2に対するアーム31の連結部付近でバネ座金39等の
弾性体により回転抵抗を付与するという簡単な構成で発
生させることができる。従って、各部品の加工精度を高
めることなく、蓋体27のスライド操作荷重を確保する
ことができる。
【0045】(ホ) この実施形態の蓋体27の開閉構
造においては、ボックス本体21が自動車内に配置され
るコンソールボックスの本体から構成されている。この
開閉構造は、コンソールボックスにおける蓋体27の開
閉構造として有効に利用することができる。
【0046】〔第2の実施形態〕次に、この発明の第2
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0047】さて、この第2の実施形態においては、図
8に示すように、ボックス本体21の固定支持点P1と
蓋体27の回転支持点P2とを連結する両側のアーム3
1が、中央に関節部47を有する一対のリンク46から
構成されている。そして、蓋体27が図8に実線で示す
閉鎖位置A(完全閉位置)から開放されるとき、係合突
起34がガイドレール35に沿ってスライド終端部まで
スライドされるのに伴って、リンク46が実線で示す屈
折状態から二点鎖線で示す伸張状態に変移され、蓋体2
7が図8に二点鎖線で示す開放位置B(途中開位置)に
なる。その後、リンク46が伸張状態から屈折されなが
ら、蓋体27が図8に二点鎖線で示す後下がりの開放位
置C(跳上げ開放位置)に回動されるようになってい
る。なお、その跳上げ開放機構については、後述する第
5実施形態を参照されたい。
【0048】従って、この第2の実施形態においては、
前記第1の実施形態における(イ)、(ニ)及び(ホ)
に記載の効果に加えて、次のような効果を得ることがで
きる。
【0049】(ヘ) この実施形態の蓋体27の開閉構
造(開閉動機構M)では、アーム31が関節部47を有
する複数のリンク46から構成されている。このため、
蓋体27の開閉スライド時にアーム31のリンク46が
関節部47において屈折して、蓋体27をボックス本体
21の開口部23から浮き上がることなく、その開口部
23に沿って真直ぐにスライドさせることができる。ま
た、アーム31のリンク46が関節部47において屈折
した状態から伸張した状態になるまで、蓋体27のスラ
イドが許容される。これにより、蓋体27のスライド量
を大きく確保することができて、開口部23を大きく開
放させることができる。
【0050】〔第3の実施形態〕次に、この発明の第3
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0051】さて、この第3の実施形態においては、図
9に示すように、ボックス本体21の後部両側の下方に
各2つの固定支持点P1が蓋体27のスライド方向(前
後方向X)に並設されている。また、蓋体27の後部両
側には、各2つの回転支持点P2が蓋体27のスライド
方向に並設されている。そして、対向する固定支持点P
1及び回転支持点P2間がアーム31によりそれぞれ連
結されている。また、この第3の実施形態においても、
前記第2の実施形態と同様に、各アーム31が中央に関
節部47を有する一対のリンク46から構成されてい
る。
【0052】従って、この第3の実施形態においては、
前記各実施形態における(イ)、(ニ)、(ホ)及び
(ヘ)に記載の効果に加えて、次のような効果を得るこ
とができる。
【0053】(ト) この実施形態の蓋体27の開閉構
造(開閉動機構M)では、固定支持点P1及び回転支持
点P2が蓋体27のスライド方向に複数個並設され、対
向する固定支持点P1及び回転支持点P2間がアーム3
1によりそれぞれ連結されている。
【0054】このため、蓋体27が複数のアーム31を
介してボックス本体21に連結された状態で、その蓋体
27を安定して開閉させることができる。〔第4の実施
形態〕次に、本発明の第4実施形態にかかるコンソール
ボックスを図10〜15を参照して説明する。
【0055】図10,11に示すように、このコンソー
ルボックスは、ボックス本体51と蓋体52とを備えて
いる。図12〜15に示すように、このボックス本体5
1において、外壁部53の内側に収容容器54が設けら
れ、この外壁部53と収容容器54との間には空洞部5
5が設けられている。この収容容器54内の収容室56
は、この収容容器54の上端部内側で開口部57により
上方へ開放されている。この収容容器54内にはカップ
ホルダ58が設けられている。
【0056】前記開口部57で収容容器54の上端部両
側に形成された段差部59においては、天板部60が突
設され、この段差部59と天板部60との間で規制通路
62を有するガイドレール61(ガイド手段、移動規制
部)が相対向して設けられている。この両段差部59に
はガイドレール61に連続する開放部63(規制解除
部)が相対向して設けられ、ガイドレール61の規制通
路62がこの開放部63で上方へ開放されている。
【0057】前記ボックス本体51内の空洞部55には
開閉動機構M(後で詳述)が内蔵されている。前記両段
差部59に形成された長孔64から上方へ突出したこの
開閉動機構Mの一部に対し、前記蓋体52が前記収容容
器54の開口部57の上方で支持されている。
【0058】なお、前記ボックス本体51においてガイ
ドレール61及び開放部63が設けられた両側を左右両
側とし、その左右両側を互いに結ぶ水平方向を左右方向
Yとする。また、この左右方向Yに対し直交する水平方
向を前後方向Xとし、この前後方向Xの両側を前後両側
とする。
【0059】<前記開閉動機構Mの詳細>この開閉動機
構Mは、ボックス本体51と蓋体52との間に設けら
れ、大別して、このボックス本体51の開口部57を開
閉し得るように蓋体52を支持する開閉支持機構部65
(後で詳述)と、蓋体52を完全閉位置A(図10,1
2,13に示す閉鎖位置)と途中開位置B(図14に示
す開放位置)との間で往復移動させる開閉駆動機構部6
6(後で詳述)と、蓋体52を途中開位置Bと跳上げ開
放位置C(図11,15に示す完全開位置)との間で往
復移動させる跳上げ駆動機構部67(後で詳述)とを備
えている。
【0060】* 前記開閉支持機構部65 前記ボックス本体51内の空洞部55においてその下部
後側で支軸68が左右方向Yへ延びるように架設され、
この支軸68の左右両端部でアーム69(一つの連結レ
バー)が回動可能に支持されている。この左右両アーム
69は、支軸68から上方へ延設され、前記左右両段差
部59にある長孔64から開口部57を通って上方へ突
出している。この左右両アーム69の上端部は、前記蓋
体52内の空洞部70でその後部側に挿入され、その空
洞部70で左右方向Yへ延びるように左右両軸受板部7
1間で架設された支軸72にあってその左右両端部に対
し回動可能に支持されている。前記支軸68の回動中心
線P1(固定中心)に対しこの支軸72の回動中心線P
2(永久中心)が上方へ離間し、前記左右両アーム69
がこれらの回動中心線P1,P2回りで前後方向Xに沿
って回動し得るとともに、前記蓋体52がこの回動中心
線P2回りで前後方向Xに沿って回動し得る。
【0061】前記蓋体52の前部下側から突設された左
右両突板部73には係合突起74(移動規制部)が形成
されている。この左右両係合突起74の回動中心線P3
は、前記両回動中心線P1,P2に対し前方へ離間した
位置にあり、前記ボックス本体51の左右両ガイドレー
ル61の規制通路62に係入され、この規制通路62に
沿って前後方向X(開閉動方向、スライド方向)へ移動
し得る。この規制通路62と係合突起74とはそれぞれ
滑り対偶を構成する相対動部として機能する。この係合
突起74が開放部63に至って規制通路62による規制
から外れると、この滑り対偶関係は解除される。
【0062】* 前記開閉駆動機構部66 この開閉駆動機構部66は、前記ボックス本体51内の
空洞部55においてその下部前側に設置された電動モー
タ75(駆動部)のほかに、この電動モータ75の回転
をボックス本体51に対するアーム69の回動として伝
達する開閉連動機構部66A(後述)を備えている。
【0063】この開閉連動機構部66Aにおいては、電
動モータ75とその後方に設置された軸受部76との間
で案内棒77と雄ねじ棒78とが架設され、この案内棒
77が可動支点部材79に挿通されているとともに、こ
の雄ねじ棒78がこの可動支点部材79に螺合されてい
る。この雄ねじ棒78が電動モータ75により回転する
と、この可動支点部材79はこの案内棒77で前後方向
Xへ案内されながら雄ねじ棒78に沿って往復移動す
る。さらに、この開閉連動機構部66Aにおいては、こ
の可動支点部材79の往復移動をボックス本体51に対
するアーム69の回動として伝達する開閉リンク機構部
66a(後述)を備えている。
【0064】この開閉リンク機構部66aにおいては、
前記可動支点部材79上で一体的に取着されたコ字形状
の連結板80に支軸81が左右方向Yへ延びるように架
設され、コ字形状をなす駆動リンク82の左右両板部8
2aがこの支軸81の左右両端部で前後方向Xに沿って
回動可能に支持されている。さらに、この開閉リンク機
構部66aにおいては、前記左右両アーム69に長孔8
3が形成され、この左右両長孔83に対しスライド軸8
4(スライダ)が移動可能に支持されているとともに、
この左右両スライド軸84に対し前記駆動リンク82の
左右両板部82aが回動可能に支持されている。
【0065】前記可動支点部材79が往復移動すると、
前記駆動リンク82は、この可動支点部材79に対し前
記支軸81で回動するとともに、前記左右両アーム69
に対しスライド軸84で滑り回動しながら、左右両アー
ム69を前記支軸68を中心に回動させる。
【0066】なお、前記ボックス本体51において収容
容器54の前方には、前記電動モータ75を駆動または
停止させるスイッチ85が設けられている。 * 前記跳上げ駆動機構部67 この跳上げ駆動機構部67は、前記電動モータ75のほ
かに、この電動モータ75の回転を前記アーム69に対
する蓋体52の回動として伝達する跳上げ連動機構部6
7A(後述)を備えている。この跳上げ連動機構部67
Aにおいては、前記開閉駆動機構部66の可動支点部材
79等を兼用して簡単な構造とし、この可動支点部材7
9の往復移動をアーム69に対する蓋体52の回動とし
て伝達する跳上げリンク機構部67a(後述)を備えて
いる。
【0067】この跳上げリンク機構部67aにおいて
は、前記開閉リンク機構部66aの駆動リンク82や左
右両スライド軸84などを兼用して簡単な構造とし、そ
のほか、この左右両スライド軸84の移動を規制する案
内溝86(案内部)が前記ボックス本体51の外壁部5
3の左右両内側に形成されているとともに、この左右両
スライド軸84に対し跳上げリンク87が前後方向Xに
沿って回動可能に支持されている。この左右両案内溝8
6は、ほぼ前後方向Xへ延びる横溝部86aと、この横
溝部86aの後端から連続してほぼ上方へ延びる縦溝部
86bとからL形状をなし、この案内溝86にスライド
軸84が係入されている。この左右両跳上げリンク87
は、スライド軸84から上方へ延設され、前記左右両段
差部59にある長孔64から開口部57を通って上方へ
突出している。この左右両跳上げリンク87の上端部
は、前記蓋体52内の空洞部70で前記支軸72よりも
若干前方に挿入され、その空洞部70で左右方向Yへ延
びるように左右両軸受板部88間で架設された支軸89
にあってその左右両端部に対し回動可能に支持されてい
る。この支軸89の上方で左右両跳上げリンク87の上
端部間には左右方向Yへ延びるコ字形状の連動板90が
止め軸91により一体的に連結されている。
【0068】* 前記蓋体52の開閉動 ・ 図10,12,13に示す蓋体27の完全閉位置A この蓋体27の完全閉位置Aでは、蓋体52がボックス
本体51の開口部57を上方から完全に閉鎖している。
この場合、可動支点部材79が電動モータ75に最接近
した位置で停止し、左右両アーム69がこの可動支点部
材79により駆動リンク82を介して前方へ引かれた最
前傾位置にあるとともに、蓋体52の左右両係合突起7
4がボックス本体51の左右両ガイドレール61の規制
通路62に係入されて最前進位置(スライド始端部)に
ある。左右両跳上げリンク87も蓋体52や左右両アー
ム69に追従して最前傾位置にある。
【0069】・ 図14に示す蓋体52の途中開位置B 可動支点部材79が電動モータ75から離間する後方へ
移動すると、左右両アーム69がこの可動支点部材79
により駆動リンク82を介して後方へ押されて傾動する
とともに、蓋体52の左右両係合突起74がボックス本
体51の左右両ガイドレール61の規制通路62に沿っ
て後方へ移動し、蓋体52が前記完全閉位置Aから後方
へほぼ平行移動してボックス本体51の開口部57のう
ちカップホルダ58の上方のみを開く途中開位置Bとな
る。一方、左右両スライド軸84が案内溝86の横溝部
86aに沿って後方へ移動するため、左右両跳上げリン
ク87も蓋体52や左右両アーム69に追従して後方へ
傾きながら移動する。
【0070】・ 図11,15に示す蓋体52の跳上げ
開放位置C さらに、可動支点部材79が後方へ若干移動して電動モ
ータ75から離間すると、左右両アーム69がこの可動
支点部材79により駆動リンク82を介してさらに後方
へ若干押されて傾動し、蓋体52の左右両係合突起74
がスライド終端部でボックス本体51の左右両ガイドレ
ール61の規制通路62から外れて開放部63に至ると
ともに、左右両スライド軸84が案内溝86の横溝部8
6aから縦溝部86bに至る。その直後、左右両スライ
ド軸84が左右両アーム69とともに可動支点部材79
により駆動リンク82を介してさらに後方へ若干押され
て案内溝86の縦溝部86bに沿って上方へ移動する
と、左右両跳上げリンク87が上方へ跳ね上げられ、蓋
体52の左右両係合突起74がボックス本体51の左右
両ガイドレール61の規制通路62から上方へ離間する
とともに、蓋体52が左右両アーム69に対し支軸72
を中心に上方へ回動する。その後、可動支点部材79が
電動モータ75から最離間した位置で停止するとともに
左右右両アーム69が最後傾位置になるまでに、蓋体5
2は跳ね上げられてボックス本体51の開口部57を完
全に開放する跳上げ開放位置Cを取る。
【0071】・ 逆に、図11,15に示す蓋体52の
跳上げ開放位置Cにおいて、可動支点部材79が前方へ
移動して電動モータ75に最接近した位置で停止する
と、図14に示す蓋体52の途中開位置Bを経て、図1
0,12,13に示す蓋体27の完全閉位置Aに戻る。
【0072】<第4実施形態の特徴>この第4実施形態
は、前記第1実施形態の特徴(ロ)(ホ)のほかに、下
記の特徴(チ)(リ)(ヌ)を有する。なお、第1実施
形態においてボックス本体21、蓋体27及びアーム3
1の連結レバー32は、それぞれ、第4実施形態おいて
ボックス本体51、蓋体52及びアーム69に該当す
る。
【0073】(チ) 前記第1実施形態の特徴(イ)と
同様に、前記開閉動機構Mにあっては、ボックス本体5
1に対しアーム69が回動可能に支持されているととも
に、蓋体52に対しこのアーム69が回動可能に支持さ
れ、この蓋体52がボックス本体51に対し係合突起7
4とガイドレール61の規制通路62とで移動可能に支
持されている。そのため、図17〜図19に示す従来構
成と比較して、構造が簡単で部品点数を大幅に削減する
ことができる。従って、それらの部品の組み立てを容易
に行うことができ、コンソールボックスの製造コストの
削減を図ることができる。
【0074】(リ) 前記開閉動機構M(開閉駆動機構
部66及び跳上げ駆動機構部67)にあって、蓋体52
は、ボックス本体51の開口部57に対する完全閉位置
Aと途中開位置Bのほかに、開放部63でアーム69に
対し回動して、係合突起74をガイドレール61の規制
通路62から離間させる跳上げ開放位置Cを取る。その
ため、蓋体52を途中開位置Bでの半開放状態から跳ね
上げ回転させることができて、蓋体52がボックス本体
51の外側に大きく突出するのを抑制することができ
る。また、この跳上げ開放位置Cでの開放状態におい
て、ボックス本体51の収容容器54の開口部57をほ
ぼ完全に開放することができ、その収容容器54内に収
容物をさらに容易に出し入れすることができる。
【0075】(ヌ) 上記(リ)における開閉動機構M
において、開閉駆動機構部66では電動モータ75を含
む前述した開閉連動機構部66A及びその開閉リンク機
構部66aを備えているとともに、跳上げ駆動機構部6
7では電動モータ75を含む前述した跳上げ連動機構部
67A及びその跳上げリンク機構部67aを備えてい
る。そのため、完全閉位置Aと途中開位置Bと跳上げ開
放位置Cとを取る蓋体52の開閉動作が自動的に行われ
る。従って、その開閉動作を手動により行う場合と比較
して、蓋体52の開放を容易にして開閉操作の負担を軽
減することができるとともに、コンソールボックスの利
便性を向上させることができる。
【0076】〔第5の実施形態〕次に、この発明の第5
の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心
に説明する。
【0077】さて、この第5の実施形態では、図16に
示すように、ボックス本体21の各ガイドレール35に
対する係合突起34のスライド終端部と対応するよう
に、ガイドレール35の上部に開放部44(規制解除
部)が形成されている。この開放部44は、上部側ほど
拡開された断面台形状をなしている。また、蓋体27の
回転支持点P2に対するアーム31の連結部にバネ45
が設けられ、このバネ45により蓋体27が図16の時
計方向に回動付勢されている。
【0078】次に、この蓋体27の開閉構造(開閉動機
構M)の作用について説明する。この蓋体27は、図1
6(a)に示す閉鎖位置A(完全閉位置)から開放する
場合、解除用ボタン38を押圧操作して、蓋体27を閉
鎖位置Aに対するロック状態から解除するとともに図1
6(b)に示す半開放位置B(途中開位置)側にスライ
ド移動させる。このとき、係合突起34は、ガイドレー
ル35に沿ってスライド終端部までスライドされ、後端
の係合孔36に突出係合されて、蓋体27が半開放位置
Bにロックされる。
【0079】ここで、再度解除用ボタン38を押圧操作
して、蓋体27を半開放位置Bに対するロック状態から
解除すると、係合突起34は開放部44を介してガイド
レール35内から上方に離脱される。これにより、蓋体
27の前端部がバネ45の付勢力にて跳ね上げ回転され
て、図16(c)に示すように、蓋体27が直立状態に
近い傾斜状態の開放位置C(跳上げ開放位置)に配置さ
れる。
【0080】一方、この蓋体27を開放位置Cから閉鎖
する場合には、まず蓋体27の前端部をバネ45の付勢
力に抗して、ボックス本体21側に回動させるとともに
前記係合突起34を前記開放部44に対応させる。この
状態で、蓋体27の前端部を押し下げると、係合突起3
4は上部側ほど拡開する断面台形状に形成された開放部
44により案内されてガイドレール35内に進入する。
そして、その係合突起34が後端の係合孔36に突出係
合されて、蓋体27が半開放位置Bにロックされる。
【0081】ここで、解除用ボタン38を押圧操作し
て、蓋体27を半開放位置Bに対するロック状態から解
除するとともに、蓋体27の前端部を閉鎖位置A側にス
ライド移動させる。蓋体27が閉鎖位置Aに達すると、
係合突起34が前端の係合孔36に突出係合されて、蓋
体27が閉鎖位置Aにロックされる。
【0082】従って、この第5の実施形態においては、
前記第1の実施形態における(イ)〜(ホ)に記載の効
果に加えて、次のような効果を得ることができ。 (ル) 前記第4実施形態の特徴(リ)と同様に、この
第5の実施形態の蓋体27の開閉構造では、ガイドレー
ル35に対する係合突起34のスライド終端部と対応す
るように、ガイドレール35上に開放部44が形成され
ている。そして、この開放部44を介して係合突起34
がガイドレール35から離脱されることにより、蓋体2
7の跳ね上げ回転が許容されるようになっている。この
ため、蓋体27を半開放状態から跳ね上げ回転させるこ
とができて、蓋体27がボックス本体21の外側に大き
く突出するのを抑制することができる。また、この開放
状態において、ボックス本体21の収容容器22の開口
部23をほぼ完全に開放することができ、その収容容器
22内に収容物をさらに容易に出し入れすることができ
る。
【0083】(ヲ) この第5の実施形態の蓋体27の
開閉構造では、蓋体27の回転支持点P2に対するアー
ム31の連結部にバネ45(弾性体)が設けられ、蓋体
27がこのバネ45の弾性力により開放位置C側に回動
付勢されている。このため、解除用ボタン38の押圧操
作により、半開放位置Bにおいて蓋体27のロック状態
が解除されると、その蓋体27が自動的に開放位置Cに
回動配置される。従って、蓋体27を容易に開放するこ
とができて、コンソールボックスの利便性を向上するこ
とができる。
【0084】〔変更例〕なお、前記各実施形態は、次の
ように変更して具体化することも可能である。 ・ 前記第1,2,3,5の実施形態において、指掛け
片30に代えて、蓋体27が閉鎖位置Aに配置されたと
きには転倒状態で凹部29を塞ぐとともに、蓋体27が
半開放位置Bまたは開放位置Cに配置されたときには起
立状態でその蓋体27の上面から突出する操作片を設け
てもよい。
【0085】このように構成した場合、蓋体27が閉鎖
位置Aに配置された状態では、操作片がその蓋体27の
上面と面一をなすようにして、蓋体27が閉鎖された状
態のコンソールボックスの外観を向上させることができ
る。また、閉鎖位置Aに配置された蓋体27をアームレ
ストととして使用する際に、その上面に凹凸が生じるこ
とがなく、使用感を向上させることができる。さらに、
蓋体27を開放位置Cまたは半開放位置Bから閉鎖位置
Aに移動させる際に、操作片を掌等で押して移動させる
ことができて、蓋体27の操作性を向上させることがで
きる。
【0086】・ 前記第1,2,3,5の実施形態にお
いて、スライド支持点P3をボックス本体21の両側に
設けて、そのスライド支持点P3に係合突起34を突設
するとともに、ガイドレール35を蓋体27の両側に設
けて、それらのガイドレール35に係合突起34を相対
スライド可能に係合させてもよい。
【0087】・ 前記第1,2,3,5の実施形態にお
いて、蓋体27の回転支持点P2またはアーム31の途
中にオイルダンパを設け、そのオイルダンパによりアー
ム31に回転抵抗を付与して、蓋体27のスライド操作
時の適度な荷重が発生するように構成してもよい。
【0088】・ 前記第1,2,3,5の実施形態にお
いて、蓋体27上の凹部29及び指掛け片30の構成に
代えて、蓋体27の上面に指掛け孔を形成し、この指掛
け孔に指を挿入して、蓋体27を開閉操作するように構
成してもよい。
【0089】・ 前記第1,2,3,5の実施形態にお
いて、ガイドレール35に係合する係合突起34と別に
ロックピンを出没可能に突設し、このロックピンと係合
するように、ボックス本体21上のガイドレール35か
ら離間した位置に複数の係合孔36を形成してもよい。
【0090】・ 前記第1及び第2の実施形態におい
て、固定支持点P1と回転支持点P2とを連結するアー
ム31を、直線状に延びる連結レバーにより構成しても
よい。これらのように構成しても、前記各実施の形態と
ほぼ同様の効果が期待できる。
【0091】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明によれば、構造が簡単で部品点数を削減することがで
きて、組み立てを容易に行うことができる。また、簡単
な構成で蓋体(27,52)のスライド機構を実現でき
る。さらに、部品の加工精度を高めることなく、蓋体
(27,52)のスライド操作時に適度な荷重を与える
ことができる。
【0092】請求項2または請求項3に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、蓋体(2
7,52)がボックス本体(21,51)の外側に大き
く突出するのを抑制することができる。
【0093】請求項4または請求項5または請求項6に
記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加
えて、完全閉位置(A)と途中開位置(B)と跳上げ開
放位置(C)とを取る蓋体(52)の開閉動作を自動的
に行って開閉操作の負担を軽減することができる。
【0094】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、蓋体(27)をボックス
本体(21)の開口部(23)に沿って真直ぐにスライ
ドさせることができる。また、蓋体(27)のスライド
量を大きくすることができて、開口部(23)を大きく
開放させることができる。
【0095】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
または請求項7に記載の発明の効果に加えて、蓋体(2
7)が複数のアーム(31)を介してボックス本体(2
1)に連結された状態で、その蓋体(27)を安定して
開閉させることができる。
【0096】請求項9に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項8のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加
えて、コンソールボックスにおける蓋体(27,52)
の開閉構造として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態にかかるコンソールボックス
の蓋体の開閉構造において閉鎖状態を示す斜視図であ
る。
【図2】 同じく開放状態を示す斜視図である。
【図3】 図1の3−3線断面図である。
【図4】 図3の4−4線断面図である。
【図5】 図4の一部をさらに拡大して示す部分断面図
である。
【図6】 図3の6−6線断面図である。
【図7】 蓋体の開放状態を示す図3相当図である。
【図8】 第2の実施形態にかかるコンソールボックス
の蓋体の開閉構造において閉鎖状態を示す概略側面図で
ある。
【図9】 第3の実施形態にかかるコンソールボックス
の蓋体の開閉構造において閉鎖状態を示す概略側面図で
ある。
【図10】 第4の実施形態にかかるコンソールボック
スの蓋体の開閉構造において蓋体が完全閉位置にある状
態を示す斜視図である。
【図11】 同じく蓋体が跳上げ開放位置にある状態を
示す斜視図である。
【図12】 図10の12−12線付近から前方を見た
部分断面図である。
【図13】 図10の13−13線付近から側方を見た
部分断面図である。
【図14】 蓋体が図13の完全閉位置と図15の跳上
げ開放位置との間の途中開位置にある状態を示す部分断
面図(図13相当図)である。
【図15】 蓋体が跳上げ開放位置にある状態を示す部
分断面図(図13相当図)である。
【図16】 (a)は第5の実施形態にかかるコンソー
ルボックスの蓋体の開閉構造において閉鎖状態を示す概
略側面図であり、(b)は同じく半開放状態を示す概略
側面図であり、(c)は同じく開放状態をを示す概略側
面図である。
【図17】 (a)は従来のコンソールボックスの蓋体
の開閉構造において閉鎖状態を示す概略側面図であり、
(b)は第1スライド状態を示す概略側面図であり、
(c)は第2スライド状態を示す概略側面図であり、
(d)は蓋体の回動状態を示す概略側面図である。
【図18】 図17の蓋体の開閉構造を示す分解斜視図
である。
【図19】 図17の蓋体の開閉構造の要部拡大断面図
である。
【符号の説明】
21,51…ボックス本体、23,57…開口部、2
7,52…蓋体、31,69…アーム、34,74…係
合突起、35,61…ガイドレール、44,63…開放
部、46…リンク、47…関節部、65…開閉支持機構
部、66…開閉駆動機構部、66A…開閉連動機構部、
66a…開閉リンク機構部、67…跳上げ駆動機構部、
67A…跳上げ連動機構部、67a…跳上げリンク機構
部、75…電動モータ、79…可動支点部材、82…駆
動リンク、84…スライド軸(スライダ)、86…案内
溝(案内部)、87…跳上げリンク、M…開閉動機構、
P1…固定支持点または回動中心線、P2…回転支持点
または回動中心線、P3…スライド支持点または回動中
心線、A…閉鎖位置または完全閉位置、B…開放位置ま
たは途中開位置、C…跳上げ開放位置または完全開位
置、X…前後方向(スライド方向、開閉動方向)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 耕司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 片桐 勝広 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 Fターム(参考) 3D022 CA07 CB01 CC18 CD13 CD18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を有するボックス本体と、この開
    口部を開閉し得る蓋体と、このボックス本体とこの蓋体
    との間に設けた開閉動機構とを備えたボックスにおい
    て、 前記開閉動機構にあっては、 ボックス本体に対しアームを第一回動中心線回りで回動
    可能に支持するとともに、蓋体において前記第一回動中
    心線に対し離間した第二回動中心線回りでこのアームを
    回動可能に支持し、 前記第一回動中心線及び第二回動中心線に対し離間した
    相対動部で、前記ボックス本体に対し前記蓋体を開閉動
    方向へ移動可能に支持する移動規制部を設けたことを特
    徴とするボックスにおける蓋体の開閉構造。
  2. 【請求項2】 前記開閉動機構にあっては、ボックス本
    体の相対動部と蓋体の相対動部とを移動規制部による規
    制から外す規制解除部を有し、 前記蓋体は、 ボックス本体の開口部に対する閉位置と開位置のほか
    に、 前記規制解除部において、第二回動中心線回りでアーム
    に対し回動して、ボックス本体の相対動部に対し蓋体の
    相対動部を離間させる跳上げ開放位置を取ることを特徴
    とする請求項1に記載のボックスにおける蓋体の開閉構
    造。
  3. 【請求項3】 前記開閉動機構にあっては、 蓋体を閉位置と開位置との間で往復移動させる開閉駆動
    機構部と、 蓋体を開位置と跳上げ開放位置との間で往復移動させる
    跳上げ駆動機構部とを備えたことを特徴とする請求項2
    に記載のボックスにおける蓋体の開閉構造。
  4. 【請求項4】 前記開閉駆動機構部は、電動モータと、
    この電動モータの回転をボックス本体に対するアームの
    回動として伝達する開閉連動機構部とを備え、 前記跳上げ駆動機構部は、電動モータと、この電動モー
    タの回転をアームに対する蓋体の回動として伝達する跳
    上げ連動機構部とを備えたことを特徴とする請求項3に
    記載のボックスにおける蓋体の開閉構造。
  5. 【請求項5】 前記開閉連動機構部は、電動モータの回
    転により往復移動する可動支点部材と、この可動支点部
    材の往復移動をボックス本体に対するアームの回動とし
    て伝達する開閉リンク機構部とを備え、 前記跳上げ連動機構部は、電動モータの回転により往復
    移動する可動支点部材と、この可動支点部材の往復移動
    をアームに対する蓋体の回動として伝達する跳上げリン
    ク機構部とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の
    ボックスにおける蓋体の開閉構造。
  6. 【請求項6】 前記開閉リンク機構部は、アームに対し
    移動可能に支持したスライダと、このスライダ及び可動
    支点部材に対し回動可能に支持した駆動リンクとを備
    え、 前記跳上げリンク機構部は、アームに対し移動可能に支
    持したスライダと、このスライダ及び可動支点部材に対
    し回動可能に支持した駆動リンクと、このスライダ及び
    蓋体に対し回動可能に支持した跳上げリンクと、前記ス
    ライダの移動を規制するようにボックス本体に設けた案
    内部とを備えたことを特徴とする請求項5に記載のボッ
    クスにおける蓋体の開閉構造。
  7. 【請求項7】 前記アームは、関節部を有する複数のリ
    ンクからなることを特徴とする請求項1に記載のボック
    スにおける蓋体の開閉構造。
  8. 【請求項8】 前記第一回動中心線及び第二回動中心線
    を蓋体のスライド方向に複数個並設し、対向する第一回
    動中心線と第二回動中心線との間をそれぞれアームによ
    り連結したことを特徴とする請求項1または請求項7に
    記載のボックスにおける蓋体の開閉構造。
  9. 【請求項9】 前記ボックス本体は、自動車内に配置さ
    れるコンソールボックスの本体であることを特徴とする
    請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載のボック
    スにおける蓋体の開閉構造。
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