JP2001152267A - 銅合金圧延箔 - Google Patents

銅合金圧延箔

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JP2001152267A
JP2001152267A JP32887899A JP32887899A JP2001152267A JP 2001152267 A JP2001152267 A JP 2001152267A JP 32887899 A JP32887899 A JP 32887899A JP 32887899 A JP32887899 A JP 32887899A JP 2001152267 A JP2001152267 A JP 2001152267A
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Motohisa Miyato
元久 宮藤
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強さが大きく、延性があり、耐熱性に優
れ、高い導電率を有する、安価な銅合金圧延箔を得る。 【解決手段】 Ag:0.005〜0.25%(質量
%、以下同じ)、B:0.002〜0.06%、S:
0.002%以下、Ca及びMgのうち1種又は2種を
計0.0001〜0.01%、酸素:0.003%未
満、水素:0.0002%未満、残部Cu及び不可避不
純物からなる銅合金圧延箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池、詳しく
はリチウムイオン二次電池、ポリマー電池などの負極側
集電体電極材料として使用し得る銅合金圧延箔に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池やポリマー電池
の負極側集電体は厚さ10〜20μm程度のタフピッチ
銅圧延箔又は電解銅箔上に、ポリフッ化ビニリデン(P
VDF)をN−メチルピロリドンに溶かし、さらに負極
活物質となる粉末状黒鉛を混合したペーストを#60の
バーコータで厚さ90μm程度塗布した後、130℃で
3分間乾燥して製造されている。
【0003】タフピッチ銅圧延箔又は電解銅箔が負極側
集電体として使用される理由は、熱伝導率が大であり充
電時に発生する熱を速やかに除去できること、強度の高
いものが比較的容易に得られ、活物質塗布工程や乾燥工
程において銅箔に負荷される引張り応力に耐えられるこ
と、及びイオン化傾向などによる。このようにして製造
された負極側集電体は、間にセパレーターを介して正極
側集電体(アルミ箔に正極活物質を塗布)と重ねてプレ
スにより一体化し、巻回される(詳細は省略)。
【0004】タフピッチ銅は熱伝導率が高く(導電率9
8%IACS以上)、冷延の圧下率を上げることで引張
強さ400N/mm以上のものが比較的容易に得られ
る。しかし、タフピッチ銅は酸素を含有して銅箔中に亜
酸化銅及び不純物元素の酸化物の粒子を含み、マトリッ
クスに固溶している元素が非常に少なく、また亜酸化銅
や不純物の酸化物の界面において回復・再結晶が起りや
すいことなどから、無酸素銅やりん脱酸銅と比べても耐
熱性がかなり低下する。このため、箔の製造工程におい
て圧下率を上げ、高強度のタフピッチ銅を製造しても室
温で長時間保管すると回復・再結晶が起り、経時的な強
度低下・伸びの増大などの現象が発生する。このような
軟化現象は保管雰囲気の温度が高くなる春〜夏の季節に
おいて特に顕著である。
【0005】このように軟化をおこしたタフピッチ銅圧
延箔では、引張り強さが低下しているため、軟化の度合
いに応じ、活物質の塗布及び乾燥工程において箔に負荷
する張力を変えてやる必要がある。そのため、塗布工程
に適用する際に事前に強度確認などの作業が新たに発生
し、非常に煩雑である。また、軟化の激しい箔を用いる
場合には前記工程における箔の切れや箔の伸びが起きや
すく、生産性の低下を招く。さらに、電池に組込まれた
後の充放電にともなう発熱によって経時的にタフピッチ
銅圧延箔が軟化すると、活物質の膨張収縮による箔の破
断、活物質の剥離などが発生し、電池性能を低下させて
しまう。そこで、例えば特開平11−86873号公報
では銅にAgを微量添加することにより、特開平11−
86872号公報では銅に含まれる酸素量を低減するこ
とにより、いずれも室温程度での保管中に回復・再結晶
が起こるのを抑制して軟化を防止することが提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】保管中に軟化の発生し
ていないタフピッチ銅圧延箔を用いる場合においても、
活物質塗布後の乾燥工程における加熱(130℃)によ
って軟化が発生しやすく、乾燥後の箔を巻き取る場合に
箔の伸び、箔の切れが起きることがあり、歩留まり・生
産性を低下させる。また、活物質塗布及び乾燥などの工
程はコイル状の銅箔を巻戻しながら連続的に処理が行わ
れるが、製造工程中において箔の切断、ラインの動作不
良などが発生するとライン停止を余儀なくされることが
あり、そのような場合には塗布した活物質の乾燥時間が
30分以上となることがある。乾燥工程における工程ト
ラブルにより、乾燥させようとする箔が炉中で長時間滞
留すると軟化がより大きくなり、この部分が製品として
使えなくなることがある。また、タフピッチ銅圧延箔の
場合、箔の延性低下により、圧延工程及びリチウムイオ
ン二次電池製作時において箔の切れが起き、生産性・歩
留りの低下を招くことがあった。
【0007】このような現状に鑑み、くり返し充放電に
よっても高性能が保たれるリチウムイオン二次電池を歩
留まり・生産性よく製造するために、負極集電体として
用いられる銅箔には、引張り強さが大きい、延性があ
る、保管、電極製造工程及び使用時において軟化が起り
にくい、タフピッチ銅圧延箔並みの導電率を有するなど
の特性がより強く求められるようになってきた。なお、
電解銅箔は、引張り強さ320N/mm、耐力250
N/mm、伸び12%を示し、130℃で30分加熱
後も初期の機械的性質をほぼ維持でき、タフピッチ銅圧
延箔と比べると耐熱性にも優れるが、価格が圧延銅箔よ
り高価であり、導電率が95%IACSとタフピッチ銅
圧延箔に比べてやや低い。
【0008】従って、本発明は、引張強さが大きく、延
性があり、耐熱性に優れ、高い導電率を有する、安価な
銅合金圧延箔を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】銅合金箔に含まれるSは
硫化物(CuS、CuSなど)を形成し、その界面で
割れが発生しやすく、圧延工程において箔の切れが発生
することがあり、またその界面で前述の酸化物と同様に
回復・再結晶が起こりやすく、これが耐熱性を低下させ
る。一方、銅に微量添加されたBは銅合金箔の耐熱性を
向上させる。本発明はこの知見に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明に係る銅合金圧延箔は、A
g:0.005〜0.25%、B:0.002〜0.0
6%、S:0.002%以下含有し、残部Cu及び不可
避不純物からなる銅合金圧延箔である。前記組成に、C
a及びMgの1種又は2種を計0.0001〜0.01
%含有してもよい。さらに、酸素の含有量が0.003
%未満、水素の含有量が0.0002%未満であること
が望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る圧延銅合金箔
の組成の限定理由を説明する。 (Ag)本発明の圧延銅合金箔はAgを0.005〜
0.25%含有する。Agは銅のマトリックスに固溶し
ても、析出しても銅合金圧延箔の強度と耐熱性の向上に
寄与し、また、固溶してもその導電率をほとんど低下さ
せず、タフピッチ銅並みの導電率を保つことが可能であ
る。Agの含有量が0.005%未満では目的とする強
度及び耐熱性が得られない。また、Agを0.25%を
越えて含有させるとその強度、耐熱性はさらに向上する
が、特性向上に対して価格上昇が大きくなり、コストパ
フォーマンスが低下するため、その含有量を0.005
〜0.25%とする。望ましいAgの含有量は0.00
7〜0.20%、さらに望ましくは0.01〜0.20
%である。
【0011】(B)本発明の圧延銅合金箔はBを0.0
02〜0.06%含有する。Bは、銅合金圧延箔の導電
率を大きく低下させずに、強度と耐熱性を向上させ、さ
らに溶解鋳造工程における脱酸、熱間加工や焼鈍工程に
おける鋳塊や板・箔の酸化及び脆性を低減する効果をも
合せ持つ。Bの含有量が0.002%未満では前記効果
が得られない。また、0.06%を越えると組織中に偏
析しやすく加工性を悪化させるため、その含有量を0.
002〜0.06%とする。望ましいBの含有量は0.
005〜0.04%、さらに望ましくは0.008〜
0.02%である。
【0012】(S)本発明の圧延銅合金箔はSの含有量
を0.002%以下とする。Sの含有量が0.002%
を越えると、圧延加工や箔表面への活物質塗布時、組織
中に存在する硫化物(CuS、CuS)の界面で割れ
が発生し易くなり、また再結晶の起点となり易く、延性
及び耐熱性を低下させる。そのため、Sの含有量を0.
002%以下とする。S含有量は0.0015%以下で
あることがより望ましく、0.001%以下であること
がさらに望ましい。なお、Sは原料として用いる銅地
金、電線屑、製造工程において発生するスクラップなど
から溶解鋳造工程で鋳塊に持込まれ、CuS、Cu
S、他の元素の硫化物、あるいは酸化物と共存した状態
で粒界に存在するため、特に10〜50μm程度の箔に
なると箔の切れや回復・再結晶の起点となり易く、生産
性及び歩留りの低下を招くためできるだけ低くすること
が重要である。鋳塊に持込まれるSの量を低減するため
には銅原料の選別以外にMg又は/及びCaの添加によ
る脱硫が特に有効である。
【0013】(Mg及びCa)本発明の銅合金におい
て、Mg及びCaの1種又は2種が必要に応じて添加さ
れる。Mg及びCaは脱硫及び脱酸作用を有し、その含
有量が0.0001%未満では、溶湯の脱硫・脱酸効果
が十分でなく、また0.01%を越えて含有されると導
電率が低下し、さらに鋳造中に発生したこれらの元素の
酸化物が鋳塊中に残留し易く、箔の展延性低下、箔の切
れなどの原因となることがある。そのため、Mg及びC
aの1種又は2種の含有量を計0.0001〜0.01
%とする。これらの元素は溶湯に添加すると、溶湯に含
有されるSと反応し、MgS、CaSなどの硫化物を形
成する。これらの硫化物は溶湯表面にスラグとして浮上
するため容易に除去することができる。また、これらの
元素は酸化され易いため、溶湯の酸素含有量を予め0.
003%未満としてから添加すると、脱硫に対して特に
効果がある。なお、このとき発生したスラグを溶湯表面
より除去しないとスラグのSが酸化されて溶湯中に戻っ
てしまうことがあり、注意が必要である。
【0014】(酸素)本発明に係る銅合金圧延箔におい
ては、酸素含有量を0.003%未満とすることが望ま
しい。酸素含有量が0.003%以上になると、箔中に
存在する酸化物の界面で割れが発生して箔の展伸性低下
や切れが起こり易くなり、また、その界面において回復
・再結晶が起こり、本発明の目的とする耐熱性が得られ
なくなるためである。酸素含有量を0.003%未満と
するには、溶解工程において、溶湯を予備脱酸して溶湯
の酸素量を低下させてから、B、Mg、Caなどを添加
すると良い。予備脱酸には、たとえば硼化カルシウム
(CaB)などを用いると良い。
【0015】(水素)本発明に係る銅合金圧延箔におい
ては、水素含有量を0.0002%未満とすることが望
ましい。水素含有量が0.0002%以上になると、箔
の加工熱処理工程において膨れ、表面クラック、はがれ
などの欠陥となり、箔の歩留り・生産性を悪くする。ま
た、リチウム二次電池の集電体として電池に組込まれた
後も充電時の温度上昇などによって水素が粒界に移動し
て粒界強度を低下させ、その結果電池寿命を低下させて
しまう。このような理由から、水素の含有量は0.00
02%以下であることが望ましく、0.0001%以下
であることが更に望ましい。水素含有量を0.0002
%未満とするには、使用原料の乾燥、溶解鋳造工程にお
ける炉材、鋳型の十分な乾燥、雰囲気制御、脱ガス処理
(Arガスバブリング)などが重要である。
【0016】(不純物元素)本発明に係る銅合金圧延箔
における不可避的不純物元素とは、原料あるいは溶解鋳
造工程において不可避的にCuに含有される元素であ
り、Li、Be、Al、Si、P、Ti、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Zn、As、Se、Zr、Cd、I
n、Sn、Sb、Te、Au、Pbなどである。本発明
の銅合金箔においては、マトリックスに固溶、晶出、析
出又は酸化物として存在しているこれらの不純物元素の
含有量が合計で0.02%以下であれば、本発明に係る
銅合金圧延箔において強度、耐熱性などに影響を及ぼさ
ない。ただし、P、Si、As、Sbなどの元素は微量
でも導電率を低下させるので、導電率を高く保つにはこ
れらの元素はそれぞれ0.005%未満、計0.01%
未満とすることが必要である。
【0017】次に、本発明に係る銅合金圧延箔の製造方
法について説明する。 (溶解鋳造)本発明に係る銅合金圧延箔を製造するため
の鋳塊は、電気銅、無酸素銅及びこれらのスクラップを
銅の溶解原料とすることができる。AgはCuより低融
点であり、Ag地金を用いても、Cu−Ag中間合金を
用いてもよい。B、Mg、Caの添加には、添加歩留り
をよくするためにCu−2%B、Cu−50%Mg、C
u−50%Caなどの中間合金を用いてもよい。
【0018】本発明に係る銅合金圧延箔において、酸素
の含有量を0.003%以下とする場合には、無酸素銅
の溶解方法(CO−CO混合雰囲気にて溶解鋳造、真
空溶解など)の適用、あるいはシャフト炉、電気保持
炉、コアレス炉などを用いる通常の溶解鋳造設備におい
て、溶湯の脱酸処理後、溶解炉、樋、鋳型の溶湯表面を
フラックス、黒鉛粒子、木炭、不活性ガスなどでカバー
することによって可能である。なお、溶湯の脱酸のため
には、前述の硼化カルシウム、Cu−2%B、Mg、C
u−Mg中間合金、Ca、Cu−Ca中間合金などを、
脱硫にはMg、Cu−Mg中間合金、Ca、Cu−Ca
中間合金などを適宜用いればよい。水素の含有量を0.
0002%以下とするには、溶解原料、炉、樋、鋳型な
どの乾燥、雰囲気の露点管理などによって可能である。
水素の分析は例えば、鋳塊よりサンプルを採取し、JI
S−Z2614に規定の方法で行うとよい。鋳造におい
ては、通常の竪型連続鋳造、横形連続鋳造、薄スラブ連
続鋳造などの連続鋳造、及びダービル鋳造、金型鋳造な
どの鋳造方法を適用して造塊が可能である。
【0019】(加工熱処理)上述の方法で造塊された本
発明に係る銅合金圧延箔用の鋳塊は、熱間圧延性、冷間
圧延性共に良好であり、竪型連続鋳造、ダービル鋳造な
どの方法で製造された鋳塊を熱延し、その後冷延と熱処
理を組合せて箔とすることも、横形連続鋳造、薄スラブ
連続鋳造などの方法で製造された鋳塊(厚さ数mm〜3
0mm程度)を冷延と熱処理を組合せて箔とすることも
可能である。本発明に係る銅合金圧延箔の加工熱処理工
程としては、例えば、700〜950℃で加熱後、熱間
圧延を行って厚さ15〜25mmとした後、冷間圧延と
焼鈍を組合せて所定の厚さの圧延箔とする。冷延途中、
厚さ0.5〜1.5mm、又は/及び0.15〜0.3
mm程度で焼鈍を行った後、厚さ0.1mm未満で焼鈍
を行い、目的とする板厚まで圧延を行う。最終板厚とし
た後、延性回復、歪除去を目的として適当な条件で最終
焼鈍を行っても良い。歪の低減には、この後さらにテン
ションレベラなどによって歪矯正を行うことも有効であ
る。
【0020】なお、焼鈍においては連続焼鈍炉又はベル
型焼鈍炉など連続式、バッチ式いずれの焼鈍炉を用いて
も良いが、0.1mm以下の板厚においてコイル状の合
金のバッチ焼鈍を行う場合は、焼鈍中の板同士の密着を
防止するために440℃以下の温度で焼鈍することが望
ましい。また、焼鈍には、KV炉ガス、アンモニアクラ
ッキングガス、N−10vol%Hガスなど不活性
雰囲気で行い、表面の酸化を防止することが望ましい。
焼鈍工程で材料の表面に酸化膜が形成された場合は酸洗
(例えば20%硫酸水溶液など)により簡単に除去する
ことができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明がこの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)木炭被覆下において、電気銅(純度99.
95%以上)を溶解し、Agショット(純度99.99
%以上)を添加した。次に、硼化カルシウム(Ca
)を添加して脱酸後、BをCu−2%B中間合金で
添加した(No.1〜9)。その後、Cu−Caあるい
はCu−Mg中間合金を所定量添加し(No.1〜
5)、溶湯表面のスラグを除去し、表1に示す組成の銅
合金鋳塊(幅60mm、厚さ60mm、長さ200m
m)を金型に鋳造した。また、比較例13として、前記
電気銅を溶解し、溶湯に乾燥空気を吹込むことにより酸
素量0.020%のタフピッチ銅鋳塊を作製した。
【0022】No.1〜5においては、いずれも酸素含
有量が0.003%未満とされ、かつMg又は/及びC
aを含有させることによってS含有量が0.002%以
下に低減されている。なお、表1に示した組成は、銅箔
とした後の測定値である。各元素の含有量は、JISに
規定の方法、ICP−MS、GD−MS、原子吸光法な
どの方法によって、酸素含有量は不活性ガス融解赤外線
吸収法(JISH1067)によって、水素含有量はJ
ISZ2614によって行った。
【0023】
【表1】
【0024】これらの鋳塊は以下の工程により、厚さ
0.015mmの箔に加工した。なお、No.6及びN
o.11の合金は酸素及び水素含有量が多く、0.15
mmに冷間加工後の熱処理によって膨れが発生したた
め、膨れの部分を除去し、箔を製作した。800℃で
1時間加熱後熱延(60mmt→15mmt)、冷延
(→1.0mmt)、500〜650℃のソルトバス
中で20秒間加熱焼鈍、酸洗後冷延(→0.15mm
t)、500〜650℃のソルトバス中で20秒間加
熱焼鈍、酸洗後冷延(→0.015mmt)。製造さ
れた各圧延箔より、引張方向が圧延方向に平行となるよ
うに、引張試験片(JIS5号、n=3)及び導電率の
測定試験片(JISH0505、幅10mm、長さ30
0mm、n=2)を加工し、引張強さ、伸び及び導電率
を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】また、製造された各圧延箔より、引張方向
が圧延方向に平行となるように、引張試験片(JIS5
号)を作製し、これらの試験片を50〜400℃(50
℃間隔)に到達後2時間保持し(Nガス中)、室温ま
で冷却後引張り強さを測定し、各試料についてこの加熱
処理による軟化特性を表わすグラフを作成した。次に各
試料について、加熱していない試験片の引張り強さ(T
)及び400℃で2時間加熱後の引張り強さ(T
の平均値((T+T)/2)を求めた。軟化特性の
グラフより各試料において上記平均値となる加熱温度を
求め、これを半軟化温度とし、表2に示した。
【0027】表2に示すように、No.1〜5の銅合金
箔は、引張り強さ、伸び及び導電率がタフピッチ銅(N
o.13)並みである。また半軟化温度が高く、銅合金
箔への活物質形成工程におけるライン停止(130℃で
30分保持される)においても軟化せず、箔の伸び、箔
の切れなどの問題が生じないことを意味する。一方、N
o.6はO含有量が過剰、No.7はS含有量が過剰な
ため、No.2と比較していずれも伸び及び半軟化温度
が低くなっている。No.8はB含有量が過剰なため伸
びが低く半軟化温度も逆に低くなっている。No.9は
B含有量が過少でS含有量が過剰なため伸びが低く、半
軟化温度が低い。No.10、11はAg含有量が低
く、S、Oの含有量が多いため、伸び及び半軟化温度が
低い。No.12、13はAg含有量が低くO含有量が
多いため、半軟化温度が低い。
【0028】(実施例2)実施例1において作製したN
o.3の銅合金箔及びNo.13のタフピッチ銅箔をさ
らに250℃で2時間焼鈍(窒素ガス雰囲気)、酸洗後
機械的性質及び導電率を測定した。結果を表3に示す。
No.3の銅合金箔は、焼鈍後も引張り強さ330N/
mmと電解箔以上の引張り強さを有し、伸びも8.5
%で十分な延性を有するため、延性を特に必要とするリ
チウムイオン二次電池用負極材にも安心して使用でき
る。一方、No.12のタフピッチ銅は、引張り強さ2
35N/mm、伸び44%と完全に軟化してしまい、
前記用途として用いることが難しい。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明に係る銅合金圧延箔はタフピッチ
銅箔と同等の機械的性質及び導電率を確保しているた
め、リチウムイオン二次電池の負極集電体として用いる
のに好適である。また、タフピッチ銅箔に比べ耐熱性に
優れるため、電池の製造工程における乾燥工程において
軟化することが少なく、生産性の向上に大きく寄与し、
かつ電池に組込まれた後の充電放電サイクルにおいても
箔の切断、活物質の剥離などが起きにくく、リチウムイ
オン二次電池の高性能化、長寿命化にも大きく寄与す
る。さらに、従来のタフピッチ銅において問題となるこ
とがあったS含有に基づく箔切れの問題も解決されてい
るため、リチウムイオン二次電池やポリマー電池の高性
能化及び長寿命化に大きく貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 651 C22F 1/00 651A 661 661C 684 684B 686 686A 691 691B 691C 1/08 1/08 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag:0.005〜0.25%(質量
    %、以下同じ)、B:0.002〜0.06%、S:
    0.002%以下を含有し、残部Cu及び不可避不純物
    からなる銅合金圧延箔。
  2. 【請求項2】 Ca及びMgのうち1種又は2種を計
    0.0001〜0.01%含有することを特徴とする請
    求項1に記載された銅合金圧延箔。
  3. 【請求項3】 酸素の含有量が0.003%未満、かつ
    水素の含有量が0.0002%未満であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載された銅合金圧延箔。
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