JP5575632B2 - リチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池用銅箔及びその製造方法に係り、特にリチウムイオンニ次電池の負極に用いて充放電時に破断する恐れのないリチウムイオン二次電池用銅箔及びその製造方法に関する。
近年の携帯電話やパーソナルコンピュータ等の情報機器の普及は目覚しいものがあり、小型で高容量の二次電池に対する要求が高くなっている。二次電池のうちリチウムイオンニ次電池は、軽量で高いエネルギー密度を有していることから、最近では情報機器ばかりでなく電気自動車の分野でも注目されている。
リチウムイオンニ次電池は、例えば図3に示すようにシート状の正極1と負極2を、各々の間にセパレータ3を介在して巻き合わせる構成している。リチウムイオンニ次電池の負極2には、一般には銅箔が使用され、この種の銅箔は製造方法によって大きく二つに分けることができる。一つには、鋳造で製造した素材に圧延加工を施して製造する圧延銅箔、他の一つには、硫酸銅を主とする溶液から銅を電解析出させて製造する電解銅箔がある。
リチウムイオンニ次電池に使用する銅箔は、電池の高容量化と小型化の進展に伴い、厚み10μm以下が多く使われるようになってきており、銅箔破断の発生等の製造ラインでの通板性が悪化している。特に圧延銅箔においては、加工後の強度が高くて伸びが小さいため、製造ラインで銅箔にカーボンを塗布する作業時等の際、銅箔に与える微妙な張力変動によって破断が発生し易くなっている。
このため、リチウムイオンニ次電池に圧延銅箔を用いる場合は、圧延後に一定の温度条件で銅箔を加熱して軟化させることにより、予め銅箔の伸びを回復させた状態にし、リチウムイオンニ次電池の負極の製造ラインに投入することが行われている。
しかし、リチウムイオンニ次電池の高容量化に伴って、この充放電時に銅箔が破断することが多く見られるようになってきている。銅箔に生ずる破断の現象は、これまでは銅箔の伸びによって支配されていると考えられてきた。
ところが、電池が高容量化するにつれて、電解銅箔及び伸びの十分に回復した圧延銅箔でも、銅箔の破断が顕著に発生するようになっている。銅箔の破断の原因を検討すると、リチウムイオンニ次電池では、充電時にはリチウムイオンが正極から負極に移動し、放電時に再びリチウムイオンが負極から正極に移動する。リチウムイオンの移動に伴って負極材が膨張収縮するから、集電体として用いられる銅箔は充放電によって繰り返しの応力変動が働くため、銅箔は疲労変形してしまい、最終的に破断に至ることが判明している。
リチウムイオンニ次電池の負極に使用する銅箔の強度と延性を向上させるため、例えばCrが0.05〜0.4質量%、Zrが0.01〜0.25質量%を含有し、残部が銅及び不可避不純物である銅合金を、圧延方向に走査したときの最大山高さRzと板厚tとの比であるRz/tが0.2未満で、かつ長径1μm以上の介在物の個数が100個/mm以下であり、板厚20 μm以下にする析出硬化型銅合金箔が提案されている(特許文献1参照)。
また、充放電サイクル寿命の優れたリチウムイオン2次電池用負極を安価な製造するため、Niが1.0質量%以上で5質量%以下、Siが0.2質量%以上で1.2質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物とした銅合金箔に、錫鍍金を施してリチウムイオン2次電池用負極とするとき、錫鍍金の皮膜中にSn−Ni平衡状態図における金属間化合物を形成することも提案されている(特許文献2参照)。
特開2009−79282号公報 特開2003−257417号公報
しかし、上記特許文献1及び2に記載されてようにいるように、銅母材中に種々の元素を添加する合金箔では、添加元素の種類が多くしかも濃度高く、銅箔の品質管理や製造コストの面で得策ではないという問題があった。
本発明の目的は、充放電時の繰返し応力で破断する恐れがなくて信頼性を向上でき、容易に製造できるリチウムイオン二次電池用銅箔及びその製造方法を提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔は、正極との間にセパレータを介在させて巻回する負極となる銅箔であり、前記銅箔は(200)結晶配向から15度以内の結晶配向を持つ結晶粒が、銅箔表面から見た面積の割合で50〜100%存在していることを特徴としている。
好ましくは、前記銅箔は最終冷間圧延前の平均結晶粒径は50μm以下であることを特徴としており、また前記銅箔は少なくとも片面に表面処理を施したことを特徴としており、更に前記銅箔は7μm〜20μmの厚みを有することを特徴としており、また前記銅箔はSnを添加した合金箔であることを特徴としており、更にまた前記銅箔はこの表面に塗布したカーボンを有することを特徴としている。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法は、溶解鋳造により作成した銅鋳塊を熱間圧延して予め定めた厚みに圧延し、前記熱間圧延材を冷間圧延と歪取り焼鈍を繰り返し行って所定の厚みの銅板を形成し、前記銅板を焼鈍後に冷間圧延して銅箔を得、前記銅箔を窒素雰囲気中において加熱する熱処理を施し、圧延加工度91〜99%で、かつ(200)結晶配向から15度以内の結晶粒が表面の面積の50〜100%割合存在する銅箔を得ることを特徴としている。
好ましくは、前記銅鋳塊はタフピッチ銅であって、圧延加工度91〜95%で圧延加工したことを特徴としており、また前記銅鋳塊は無酸素銅に0.001〜0.009質量%の錫を添加し、圧延加工度91〜99%で圧延加工したことを特徴としている。
本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔によれば、リチウムイオン二次電池の充放電時の繰返し応力で銅箔の破断の発生を大幅に減少できるから、二次電池の信頼性を一層向上させることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法によれば、銅箔を容易に製造できてしかも品質管理が確実に行え、リチウムイオン二次電池用銅箔の製造コストを改善できる利点がある。
(a)から(c)は、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔の(200)結晶配向から15度以内の銅の結晶格子を示す模式図である。 (a)は本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔のIPFフルカラーマップ写真に基づいて作成したグレーマップ写真、(b)は(a)のグレースケール図、(c)は(a)の二値化写真である。 リチウムイオンニ次電池の構造を示す概略図である。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔及びその製造方法を、図1及び図2を用いて説明する。本発明者らは、リチウムイオン二次電池用銅箔について種々検討を重ねた結果、充放電時の繰返し応力に対して十分耐え得ることを見出した。本発明者らの検討によると、リチウムイオン二次電池用銅箔は、銅の結晶粒が(200)結晶配向から15度以内の結晶配向を持ち、しかも銅箔表面からみた面積の割合として50〜100%存在させるよう制御すれば、望ましい銅箔とすることができる。
なお、本発明において、銅の結晶粒が(200)結晶配向から15度以内とは、銅の結晶格子において、(200)面の法線ベクトルが銅箔の垂直方向を向いている状態を0度とした場合、図1(a)、(b)、(c)に示すような各結晶の(200)面の法線ベクトルが成す角度が、15度以内であることを指している。ここで、(200)面、即ち、(200)面と一致するものも含まれることに注意されたい。
本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔は、例えば以下のような手順によって製造する。即ち、銅箔の製造は、(200)結晶配向から15度以内の結晶粒が50〜100%にするため、まず溶解鋳造により銅鋳塊を作成し、この銅鋳塊を熱間圧延により、厚み13mmまで圧延して銅板を作成する。
次に、作成した厚み13mmの銅板を、冷間圧延と歪取り焼鈍を繰り返し、厚み0.2mmの銅板とした。更に、この0.2mmの銅板を、温度800℃で30秒焼鈍し、この時の平均結晶粒径を50μm以下になるよう調整した。その後、厚み10μmまで冷間圧延した。ここまでの銅箔の製造段階で、圧延加工度は95%になる。なお、銅箔の加工度は、純銅や銅合金の如く使用する銅材料によって異なるが、圧延加工度91%〜99%の範囲である。
この製造した銅箔は、(200)結晶配向を成長させるため、不活性ガスである窒素雰囲気中において、170℃で30分の加熱処理を施している。この圧延後の加熱処理の条件としては、170℃〜300℃の温度で、30分〜10時間保持する処理を、対象銅箔によって処理条件を選択して実施する。この加熱処理により、銅箔は結晶粒を(200)結晶配向から15度以内の結晶配向を持ち、かつ表面の面積の割合で50〜100%存在する所望のリチウムイオン二次電池用銅箔とすることができる。
上記した如く圧延銅箔を用いる場合、(200)結晶配向を持つ結晶粒は、圧延で与えられる加工歪を駆動力として、加熱処理時に再結晶粒として発生し、成長する。このとき、与えた加工歪が少ないと、(200)結晶配向を持つ結晶粒は十分に成長することができない。逆に、与えた加工歪が過剰であると、圧延加工中に自らの歪を駆動力として再結晶を発生させてしまい、結果として加熱処理後の再結晶粒は(200)結晶配向とは異なるものになる。
与える加工歪の量は、銅箔に使用する材質や耐熱性によって、その適切な範囲は異なっており、また加工歪の量は、圧延加工時の圧延加工度によって制御される。なお、銅箔の圧延加工度は、次の式で表される。
圧延加工度(%)=(圧延前の厚み一圧延後の厚み)/(圧延前の厚み)×100
圧延銅箔に用いる材質として、CuO酸化銅の状態で酸素を0.02〜0.05%含んだ銅99.90%以上のタフピッチ銅は、電気や熱の伝導性に優れ、展延性及び絞り加工性が良好であるから、これを用いる場合、その圧延加工度は91〜95%であることが望ましい。この範囲とするのは、タフピッチ銅では圧延加工度91%未満では圧延後の加熱処理において(200)結晶配向が十分に成長せず、圧延加工度95%を超えると(200)結晶配向とは異なる配向を持つ再結晶粒が発生してしまうためである。
また、圧延銅箔の材質として、無酸素銅に0.001〜0.009質量%の錫(Sn)を添加した銅合金を用いることができる。この錫添加の銅合金を用いる場合、タフピッチ銅と比べて軟化温度が10〜50℃高くなるため、より高い圧延加工度を与えても(200)結晶配向は成長することができる。このため、望ましい圧延加工度の範囲は、91〜99%である。
圧延銅箔の場合は、(200)結晶配向を持つ結晶粒の割合は、加熱処理の温度や時間によっても変化する。加熱処理の熱量が不足した場合は圧延組織が残留し、逆に加熱処理の熱量が過剰な場合は、二次的な再結晶により(200)結晶配向とは異なる結晶配向を持った結晶粒が発生する。圧延銅箔の最適な加熱処理条件は、銅箔の材質、加熱時の雰囲気、炉の加熱方法などの条件によって異なってくる。
本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔の製造には、上記の圧延銅箔ばかりでなく、電解銅箔のいずれでも用いることができる。圧延銅箔を用いる場合は、前述の如く圧延加工後に(200)結晶配向を成長させるために、銅箔に対して加熱処理を実施する。
上記した本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔では、(200)結晶配向性を高めることによって、充放電時における銅箔の疲労特性は向上するので、銅箔は破断しにくくなるから、充放電時のサイクル特性を改善することができる。
更に、最終冷間圧延前における結晶粒の平均結晶粒径を50μm以下とすることが望ましい。平均結晶粒径の測定方法としては、ラインインターセプト法を用いる。試料の圧延方向の断面組織および幅方向の断面組織について測定を行い、その平均値を平均結晶粒径として用いる。最終冷間圧延前における平均結晶粒径を50μm以下とすることにより、その後の冷間圧延時に圧延集合組織を形成しやすくなり、その結果、再結晶粒の(200)結晶配向性を高めることが可能になる。
本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔は、純銅(含有成分が銅及び不可避不純物)を用いて製造しても良いし、例えばAg、Sn、Ni、Co、Fe、P、Si、Zn、Cr、Zr、Al、Mnのうち1種以上が添加された合金箔を用いて製造することもできる。この場合は、添加材料及びその量によって銅箔の軟化温度が変化するため、添加材料及びその量に応じて、加熱時間や加熱温度等の熱処理条件を調整することで上述の結晶配向をもつ結晶粒を有する銅箔を得ることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔は、加熱処理された銅箔に例えば下記のようにしてカーボンを塗工し、リチウムイオン二次電池を組み立てることもできる。銅箔の面へのカーボンの塗工は、グラファイト90%に対して、バインダ10%の割合としたものを用いて行い、プレスによって塗工物質の厚みを100μmにする。なお、バインダとしては、一般的なポリビニルデンフルオライド(PVdF)+Nメチルピロリドン(MNP)を用い、またカーボンの塗工時にMNPを揮発除去するため、80℃で10分間程度の乾燥を実施する。
しかも、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔は、あらゆる表面処理と組み合わせても使用できる。例えば、負極括物質との密着性を向上させるために、銅箔の片面又は両面を粗化し、或いは酸化等による銅箔の表面の変質を防ぐために、Ni鍍金やクロメート処理やベンゾトリアゾール処理を施すこともできる。銅箔の表面処理の時機は、圧延銅箔の場合は圧延加工後でも、また加熱処理後のいずれでも何ら構わない。
また更に、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔の厚みは20μm以下であって、望ましくは18μm〜10μmである。最適な銅箔の厚みは、対象のリチウムイオン二次電池の構成によって異なっており、一般的には厚みが薄いと活物質を多く乗せられることから、電池容量的に有利にできる。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔である実施例1から4、及び比較例1から4について順に説明する。下記の各実施例及び各比較例では、銅箔の結晶配向性は、いずれもSEM−EBSP解析法(Scanning Electron Microscope−Electron BackScatteing diffaction Pattern:走査型電子顕微鏡による背面反射電子像解析法)にて測定した。
測定にあたっては、対象の銅箔を所定の大きさに切り出し、イオンスパッタで銅箔表面の酸化物を除去した後、これをFE-SEMに投入し、EBSP解析を実施した。測定時の倍率は200倍、EBSP解析範囲は視野中の400μm四方とし、測定ピッチ2μmで測定を行った。
測定したデータより、各結晶粒の結晶配向を解析して、結晶配向によって色分けがされたIPF(Inverse Pole Figure:逆極点図)フルカラーマップ写真を基にして図2(a)に示すIPFグレーマップ写真を作成した。このIPFグレーマップ写真は、図2(b)に示すグレースケールで結晶配向を判別できるが、対象の結晶粒及びそれ以外のものとの判別を更に容易にするため、IPFグレーマップ写真を二値化した図2(c)に示す二値化写真を活用し、黒色箇所の対象の粒を特定する。実際の結晶粒特定作業は、コンピュータを活用し、(200)結晶配向から15度以内の結晶配向を持つ結晶粒を特定し、測定面積内での面積率を求めた。これを(200)面積率とする。
実施例1
タフピッチ銅(「TPC」と表記)を用いて、加熱条件800℃15秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度91%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、所望の結晶粒を得るため不活性ガスである窒素雰囲気中において、170℃で30分間加熱した。
実施例2
タフピッチ銅(TPC)を用いて、加熱条件800℃15秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度95%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、同様に窒素雰囲気中において170で℃30分間加熱した。
実施例3
タフピッチ銅(TPC)を用いて、加熱条件800℃40秒の焼鈍によって平均結晶粒径を45μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度95%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、同様に窒素雰囲気中において170で℃30分間加熱した。
実施例4
無酸素銅に錫(Sn)を0.001〜0.009質量%添加し、鋳造した銅合金(「HX」と表記)を用いて、加熱条件800℃35秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度91%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において250℃で1時間加熱した。添加する錫は、純銅または無酸素銅を高周波溶解炉で溶解するときに必要量を加え、得られた溶湯を鋳型に流し込み、連続的に冷却することで鋳造を行い、上述したように圧延して銅合金から銅箔を製造する。
実施例5
無酸素銅に錫(Sn)を0.001〜0.009質量%添加し、鋳造した銅合金(HX)を用いて、加熱条件800℃35秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度99%で厚み1μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、同様に窒素雰囲気中において250℃で1時間加熱した。
比較例1
タフピッチ銅(TPC)を用いて、加熱条件800℃15秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度90%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において170℃で30分間加熱した。
比較例2
タフピッチ銅(TPC)を用いて、加熱条件800℃15秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度96%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において170℃30分間加熱した。
比較例3
タフピッチ銅(TPC)を用いて、加熱条件800℃50秒の焼鈍によって平均結晶粒径を60μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度95%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において170℃30分間加熱した。
比較例4
無酸素銅に錫(Sn)を0.001〜0.009質量%添加し、鋳造した銅合金(HX)を用いて平均結晶粒径を30μmにし、圧延にて圧延加工度90%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において250℃で1時間加熱した。
比較例5
無酸素銅に錫(Sn)を0.001〜0.009質量%添加し、鋳造した銅合金(HX)を用いて、加熱条件800℃35秒の焼鈍によって平均結晶粒径を30μmに調整した後、冷間圧延にて圧延加工度99・5%で厚み10μmの銅箔を作製した。この銅箔を表面の圧延油を洗浄除去したのち、シートの状態に切り出し、窒素雰囲気中において250℃で1時間加熱した。
上記した実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた銅箔について、それぞれ(200)面積率、及びサイクル特性を測定して、良好な銅箔を○印にし、不良の銅箔を×印にして評価した。評価結果を表1に示している。
Figure 0005575632
実施例1と2及び比較例1〜3は、材質としてタフピッチ銅(TPC)を使用し、異なる厚みから10μmまで圧延することにより、圧延加工度を変化させたものである。表1に示しているように、比較例1は圧延加工度90%で(200)面積率が45%であったのに対し、実施例1の如く圧延加工度91%とすることで50%、実施例2の如く加工度95%で(200)面積率67%まで増加した。しかし、比較例2の如く圧延加工度を96%まで高くすると、(200)面積率は大きく減少する。これは、圧延中に再結晶が発生することで最終的に銅箔に与えられる加工歪量が減少し、(200)結晶配向を持った再結晶粒が成長しにくくなったためである。
また、(200)面積率が50%未満であった比較例1、2は、サイクル特性においても断線が認められた。これは鋳造した銅合金を用いた実施例4、5及び比較例4、5の場合でも同様である。ただし、鋳造した銅合金(HX)は、錫(Sn)を添加しているためにタフピッチ銅と比べて軟化温度が高い。即ち、再結晶を発生させるためのエネルギー障壁が高いことから、タフピッチ銅と比べて高い圧延加工度まで(200)面積率は維持する。
実施例2、3および比較例3は、冷間圧延前の焼鈍条件を変えることにより、冷間圧延前の平均結晶粒径を変化させたものである。実施例2は平均結晶粒径が30μmだったのに対し、実施例3では45μm、比較例3では60μmとなっている。これによって実施例3は(200)面積率が55%、比較例3では48%まで低下し、比較例3ではサイクル特性においても不良の結果となった。
リチウムイオン二次電池用銅箔は、充放電試験によって、負極括物質は膨張収縮を繰り返し、銅箔は繰り返しの変形応力を受ける。この変形は銅箔が大きく塑性変形するほどではなく、弾性変形に近い変形の繰り返し、即ち疲労変形に近いものとなる。このような変形が与えられたとき、銅箔は与えられた歪を結晶すべりによって解消しようとする。それ故、(200)結晶配向に近い配向を持つ結晶粒が多く存在すると、この結晶すべりが結晶粒界を超えて伝播しやすくなり、結晶粒界に歪が蓄積することは無くなる。そのため、本発明のリチウムイオン二次電池用銅箔のように、(200)結晶配向に近い配向を持った結晶組織を持つことで、充放電試験時に銅箔に歪が蓄積しないから、銅箔の破断も起こらなくなる。
1…正極、2…負極、3…セパレータ。

Claims (3)

  1. 溶解鋳造により作成した銅鋳塊を熱間圧延して予め定めた厚みに圧延し、前記熱間圧延材を冷間圧延と歪取り焼鈍を繰り返し行って所定の厚みの銅板を形成し、前記銅板を焼鈍後に冷間圧延して銅箔を得、前記銅箔を窒素雰囲気中において加熱する熱処理を施し、圧延加工度91〜99%で、かつ(200)結晶配向から15度以内の結晶粒が表面面積の50〜100%割合存在する銅箔を得ることを特徴とするリチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法。
  2. 請求項において、前記銅鋳塊はタフピッチ銅であって、圧延加工度91〜95%で圧延加工したことを特徴とするリチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法。
  3. 請求項において、前記銅鋳塊は無酸素銅に0.001〜0.009質量%の錫を添加し、圧延加工度91〜99%で圧延加工したことを特徴とするリチウムイオン二次電池用銅箔の製造方法。
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