JPH06207233A - 電子電気機器用銅合金とその製造法 - Google Patents
電子電気機器用銅合金とその製造法Info
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- JPH06207233A JPH06207233A JP17722593A JP17722593A JPH06207233A JP H06207233 A JPH06207233 A JP H06207233A JP 17722593 A JP17722593 A JP 17722593A JP 17722593 A JP17722593 A JP 17722593A JP H06207233 A JPH06207233 A JP H06207233A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Sn:0.05〜8wt%,P: 0.005〜0.1 wt
%,Mn:0.03〜2.0 wt%を含み、更にCr,Co,T
i,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.05〜1wt%
を含み、残部Cuからなる電子電気機器用銅合金。 【効果】 本発明によれば、Cu−Sn合金の優れた機
械的強度や精密加工性を活かしつつその欠点を改善した
もので電子電気機器、特に半導体リード材、コネクタ
ー、スイッチ、リレーなどの接点ばね、端子として強
度、導電性、メッキ性、半田付け性等の実用特性を満足
することができる等工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
%,Mn:0.03〜2.0 wt%を含み、更にCr,Co,T
i,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.05〜1wt%
を含み、残部Cuからなる電子電気機器用銅合金。 【効果】 本発明によれば、Cu−Sn合金の優れた機
械的強度や精密加工性を活かしつつその欠点を改善した
もので電子電気機器、特に半導体リード材、コネクタ
ー、スイッチ、リレーなどの接点ばね、端子として強
度、導電性、メッキ性、半田付け性等の実用特性を満足
することができる等工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子電気機器、特に半導
体リード材、コネクター、スイッチ、リレーなどの接点
ばね、端子等として強度、導電性、メッキ性、半田付け
性等の実用特性に優れた銅合金とその製造法に関するも
のである。
体リード材、コネクター、スイッチ、リレーなどの接点
ばね、端子等として強度、導電性、メッキ性、半田付け
性等の実用特性に優れた銅合金とその製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子電気機器の部品や部材にはCu合金
が多用されているが、近時小型化、高密度化、高精度化
に加えて経済性が強く志向され、従来の純Cu、黄銅、
リン青銅に替ってより高性能と経済性が要求されるよう
になった。例えば黄銅に比べてはるかに機械的特性が優
れたリン青銅でも応力腐食割れ(SCC)感受性に加え
て、電子電気用途に普遍的な半田接合の信頼性の問題が
大きい。これと同種の欠陥として電気接点や接続部に貴
金属に代えてSnやSn−Pb合金(半田)メッキを用
いる場合、経時的に密着性が失なわれ、前記半田接合部
と同様に剥離現象を起す。これはCuとSnとの拡散反
応に起因する現象で 100℃以下の低温でも進行するた
め、特公昭51-41222号公報や特開昭49-108562 号公報に
例示される如く厚いCuやNiのバリヤー層をメッキ等
により予め形成する等余分の工程を必要とする。
が多用されているが、近時小型化、高密度化、高精度化
に加えて経済性が強く志向され、従来の純Cu、黄銅、
リン青銅に替ってより高性能と経済性が要求されるよう
になった。例えば黄銅に比べてはるかに機械的特性が優
れたリン青銅でも応力腐食割れ(SCC)感受性に加え
て、電子電気用途に普遍的な半田接合の信頼性の問題が
大きい。これと同種の欠陥として電気接点や接続部に貴
金属に代えてSnやSn−Pb合金(半田)メッキを用
いる場合、経時的に密着性が失なわれ、前記半田接合部
と同様に剥離現象を起す。これはCuとSnとの拡散反
応に起因する現象で 100℃以下の低温でも進行するた
め、特公昭51-41222号公報や特開昭49-108562 号公報に
例示される如く厚いCuやNiのバリヤー層をメッキ等
により予め形成する等余分の工程を必要とする。
【0003】このため一部ではCu−Fe合金、例えば
C194( 2.3wt%Fe,0.12wt%Zn,0.03wt%P,
残部Cu)(以下wt%を%と略記)やC195( 1.5%
Fe, 0.6%Sn, 0.2%Co,0.03%P,残部Cu)
等が用いられている。これ等合金は多量のFe分をリン
化物や金属単体状に析出分散させたもので、精密な曲げ
加工においてミクロクラックを起すばかりか、前記半田
接合の信頼性に劣る問題がある。
C194( 2.3wt%Fe,0.12wt%Zn,0.03wt%P,
残部Cu)(以下wt%を%と略記)やC195( 1.5%
Fe, 0.6%Sn, 0.2%Co,0.03%P,残部Cu)
等が用いられている。これ等合金は多量のFe分をリン
化物や金属単体状に析出分散させたもので、精密な曲げ
加工においてミクロクラックを起すばかりか、前記半田
接合の信頼性に劣る問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下にお
いて、機械的強度や精密加工性の優れたCu−Sn合金
について、下記の欠点欠陥の改善が強く望まれている。
いて、機械的強度や精密加工性の優れたCu−Sn合金
について、下記の欠点欠陥の改善が強く望まれている。
【0005】(1) 高価なSnを節約して同等の強度を発
揮させること。 (2) 強度と導電率は相反する関係にあるが、これをより
高い値で両立させること。 (3) SCCを起さないこと。 (4) 半田接合やSn,Sn−Pb合金メッキの経時剥離
を起さないこと。 (5) 熱間加工において割れなどの欠陥を起さない製造上
有利な組成であること。 (6) 特別な設備を必要としない大気溶解鋳造で造られる
こと。
揮させること。 (2) 強度と導電率は相反する関係にあるが、これをより
高い値で両立させること。 (3) SCCを起さないこと。 (4) 半田接合やSn,Sn−Pb合金メッキの経時剥離
を起さないこと。 (5) 熱間加工において割れなどの欠陥を起さない製造上
有利な組成であること。 (6) 特別な設備を必要としない大気溶解鋳造で造られる
こと。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、電子電気機器、特に半導体リード材、コネ
クター、スイッチ、リレーなどの接点ばね、端子等とし
て強度、導電性、メッキ性、半田付け性等の実用特性に
優れた銅合金とその製造法を開発したものである。
検討の結果、電子電気機器、特に半導体リード材、コネ
クター、スイッチ、リレーなどの接点ばね、端子等とし
て強度、導電性、メッキ性、半田付け性等の実用特性に
優れた銅合金とその製造法を開発したものである。
【0007】本発明銅合金としては、Sn:0.05〜8
%,P: 0.005〜0.1 %,Mn:0.03〜2.0 %を含み、
更にCr,Co,Ti,Zrの何れか1種又は2種以上
を合計0.05〜1%を含み、残部Cuからなることを特徴
とするものである。
%,P: 0.005〜0.1 %,Mn:0.03〜2.0 %を含み、
更にCr,Co,Ti,Zrの何れか1種又は2種以上
を合計0.05〜1%を含み、残部Cuからなることを特徴
とするものである。
【0008】また本発明製造法は、Sn:0.05〜8%,
P: 0.005〜0.1 %,Mn:0.03〜2.0 %を含み、更に
Cr,Co,Ti,Zrの何れか1種又は2種以上を合
計0.05〜1%を含み、残部Cuからなる合金を 700〜10
50℃で熱間加工してから、少なくとも 400℃まで15℃/
sec 以上の速度で冷却し、しかる後30%以上の冷間加工
を行なってから、 400〜 650℃で熱処理を施すことを特
徴とするものである。
P: 0.005〜0.1 %,Mn:0.03〜2.0 %を含み、更に
Cr,Co,Ti,Zrの何れか1種又は2種以上を合
計0.05〜1%を含み、残部Cuからなる合金を 700〜10
50℃で熱間加工してから、少なくとも 400℃まで15℃/
sec 以上の速度で冷却し、しかる後30%以上の冷間加工
を行なってから、 400〜 650℃で熱処理を施すことを特
徴とするものである。
【0009】即ち本発明は上記組成の合金からなり、そ
のインゴットを 700〜1050℃で熱間加工してから、少な
くとも 400℃まで15℃/sec 以上の速度で冷却し、その
後30%以上の冷間加工を施し、しかる後 400〜 650℃で
熱処理を施すことにより造られる。また本発明合金は上
記熱処理後、更に加工して所望サイズに仕上げてから20
0 〜 400℃の低温焼鈍を施せば、強度を失うことなく、
伸びや応力緩和抵抗を向上することができる。更にコネ
クター、スイッチ、リレーなどのばね性を必要とする用
途では、Sn含有量を2〜8%、特に4〜7%とし、他
方半導体リード材や電気機器類のように導電性及び耐熱
性が重視されるものではSn含有量を0.05〜3%、特に
0.1〜2%とする。
のインゴットを 700〜1050℃で熱間加工してから、少な
くとも 400℃まで15℃/sec 以上の速度で冷却し、その
後30%以上の冷間加工を施し、しかる後 400〜 650℃で
熱処理を施すことにより造られる。また本発明合金は上
記熱処理後、更に加工して所望サイズに仕上げてから20
0 〜 400℃の低温焼鈍を施せば、強度を失うことなく、
伸びや応力緩和抵抗を向上することができる。更にコネ
クター、スイッチ、リレーなどのばね性を必要とする用
途では、Sn含有量を2〜8%、特に4〜7%とし、他
方半導体リード材や電気機器類のように導電性及び耐熱
性が重視されるものではSn含有量を0.05〜3%、特に
0.1〜2%とする。
【0010】
【作用】本発明合金はCr,Co,Ti,Zrの析出を
併用したCu−Sn固溶体合金であり、同一Sn量の合
金に対し、強度、導電率を向上することができる。添加
元素や組成にもよるが大略Sn量の1〜2%分に相当す
るので、経済的にも有利である。上記添加元素は金属単
体、Pとの化合物、特にZrはCu3 Zr,TiはTi
Snとして微小な析出物となり、Cu−Sn合金のSC
C感受性を大巾に改善抑制することができる。
併用したCu−Sn固溶体合金であり、同一Sn量の合
金に対し、強度、導電率を向上することができる。添加
元素や組成にもよるが大略Sn量の1〜2%分に相当す
るので、経済的にも有利である。上記添加元素は金属単
体、Pとの化合物、特にZrはCu3 Zr,TiはTi
Snとして微小な析出物となり、Cu−Sn合金のSC
C感受性を大巾に改善抑制することができる。
【0011】本発明ではPを 0.005〜0.1 %以下と通常
のリン青銅のP量( 0.1〜0.25%)より低濃度化し、替
りにZnやMnを脱酸剤として利用したものである。P
の低下は熱間加工時の割れの主因となるCu−P、Cu
−Sn−P等の低融点相の形成を防止し、Snメッキや
半田付け性を大巾に改善する。即ち剥離したメッキや半
田接合部は何れも黒色を呈し、CuやSnの他に濃縮し
たPが検出される。これはメッキや半田とリン青銅との
界面に形成されるCuとSnの金属間化合物(η′相と
ε相)のうちリン青銅側のε相にリン青銅中のPが拡散
濃縮し、ε相が一層脆化することにより、半田接合部の
強度を低下するものである。
のリン青銅のP量( 0.1〜0.25%)より低濃度化し、替
りにZnやMnを脱酸剤として利用したものである。P
の低下は熱間加工時の割れの主因となるCu−P、Cu
−Sn−P等の低融点相の形成を防止し、Snメッキや
半田付け性を大巾に改善する。即ち剥離したメッキや半
田接合部は何れも黒色を呈し、CuやSnの他に濃縮し
たPが検出される。これはメッキや半田とリン青銅との
界面に形成されるCuとSnの金属間化合物(η′相と
ε相)のうちリン青銅側のε相にリン青銅中のPが拡散
濃縮し、ε相が一層脆化することにより、半田接合部の
強度を低下するものである。
【0012】本発明はPを 0.005〜0.1 %以下に抑える
ことにより上記脆化現象を防止したもので、Mnの添加
は上記脆化現象を防止するばかりか、熱間加工性の向上
や機械的性質をも改善する。上記のZn、Mnの作用の
メカニズムは不明であるが、CuとSnとの拡散反応に
関与して脆化層の発生を抑止するものと推される。熱間
加工性はCu−Sn合金、特にSn3〜8%の高Sn合
金の課題であり、粒界におけるSn偏析や、上記Pの作
用に因る。Cr,Co,Ti,Zr等の添加元素も結晶
微細化して上記偏析を防止し、熱間加工性を改善するも
のである。またV,Mg,Be,Fe,Te,Sb,B
i,Y,希土類元素についても同様の効果が見られた。
ことにより上記脆化現象を防止したもので、Mnの添加
は上記脆化現象を防止するばかりか、熱間加工性の向上
や機械的性質をも改善する。上記のZn、Mnの作用の
メカニズムは不明であるが、CuとSnとの拡散反応に
関与して脆化層の発生を抑止するものと推される。熱間
加工性はCu−Sn合金、特にSn3〜8%の高Sn合
金の課題であり、粒界におけるSn偏析や、上記Pの作
用に因る。Cr,Co,Ti,Zr等の添加元素も結晶
微細化して上記偏析を防止し、熱間加工性を改善するも
のである。またV,Mg,Be,Fe,Te,Sb,B
i,Y,希土類元素についても同様の効果が見られた。
【0013】しかしてMnの含有量を0.03〜2.0 %と限
定したのは、何れも下限未満では十分な効果が得られ
ず、上限を越えると導電率や加工性、特に曲げ成形性を
低下させるためである。またCr,Co,Ti,Zrの
何れか1種又は2種以上(以下Cr等と略記)の合計含
有量を0.05〜1%と限定したのは、0.05%未満では上記
効果を発揮し難く、1%を越えると冷間等の加工性を阻
害するためである。またP含有量を 0.1%以下と限定し
たのは、これを越える過剰の濃度では、上記改善効果が
実用的に発現され難いためである。即ち過剰のPはCr
等と結合し、Cr等の添加効果を減少せしめるばかり
か、加工性を阻害する。
定したのは、何れも下限未満では十分な効果が得られ
ず、上限を越えると導電率や加工性、特に曲げ成形性を
低下させるためである。またCr,Co,Ti,Zrの
何れか1種又は2種以上(以下Cr等と略記)の合計含
有量を0.05〜1%と限定したのは、0.05%未満では上記
効果を発揮し難く、1%を越えると冷間等の加工性を阻
害するためである。またP含有量を 0.1%以下と限定し
たのは、これを越える過剰の濃度では、上記改善効果が
実用的に発現され難いためである。即ち過剰のPはCr
等と結合し、Cr等の添加効果を減少せしめるばかり
か、加工性を阻害する。
【0014】本発明合金は析出硬化を利用したものであ
り、700 〜1050℃の高温熱間加工後、15℃/sec 以上の
速度で少なくとも 400℃まで冷却するのは上記析出物の
析出を抑制するためであり、冷却速度が15℃/sec 未満
では粗大粒状析出を起し、上記の効果が得られない。ま
た30%以上の冷間加工を施してから 400〜 650℃で熱処
理するのは加工歪により均一微細な析出を起させるため
であり、加工率30%未満の加工歪では均一微細な析出が
得られない。
り、700 〜1050℃の高温熱間加工後、15℃/sec 以上の
速度で少なくとも 400℃まで冷却するのは上記析出物の
析出を抑制するためであり、冷却速度が15℃/sec 未満
では粗大粒状析出を起し、上記の効果が得られない。ま
た30%以上の冷間加工を施してから 400〜 650℃で熱処
理するのは加工歪により均一微細な析出を起させるため
であり、加工率30%未満の加工歪では均一微細な析出が
得られない。
【0015】
【実施例】表1に示す組成の合金を木炭被覆の黒鉛ルツ
ボにより溶解し、金型に鋳造して小型鋳塊(3kg)とし
てから外削し、厚さ10mmの板とした。これを 900℃に加
熱してから厚さ 1.2mmまで熱間圧延した。上り温度は 7
10〜 750℃であり、これを直ちに水冷した。 400℃迄の
冷却速度は約20℃/sec であった。これを酸洗してから
厚さ 0.6mm迄冷間圧延し、 550℃で30分間熱処理した。
更にこれを0.21mm迄圧延してから 310℃で20分間低温焼
鈍を行なった。これ等について導電率、引張強さ、伸
び、曲げ性、半田接合強度、SCCを調べ、その結果を
表2に示す。
ボにより溶解し、金型に鋳造して小型鋳塊(3kg)とし
てから外削し、厚さ10mmの板とした。これを 900℃に加
熱してから厚さ 1.2mmまで熱間圧延した。上り温度は 7
10〜 750℃であり、これを直ちに水冷した。 400℃迄の
冷却速度は約20℃/sec であった。これを酸洗してから
厚さ 0.6mm迄冷間圧延し、 550℃で30分間熱処理した。
更にこれを0.21mm迄圧延してから 310℃で20分間低温焼
鈍を行なった。これ等について導電率、引張強さ、伸
び、曲げ性、半田接合強度、SCCを調べ、その結果を
表2に示す。
【0016】曲げ性は各種先端半径(R)の押し棒と90
°溝ダイスを用い、プレスにより折り曲げ、角部のミク
ロクラックを検査し、割れ発生のない最小Rと板厚
(t)の比で比較した。半田接合強度はリード線を半田
付け( 4.5mm2 )した後、 150℃に 300時間エージング
してからプル強度を測定し、半田接合の経時劣化を比較
した。SCCはJISC8306に従い、3 Vol%NH3 ガス中
で40kg/mm2 の定荷重をかけ、破断するまでの時間を求
めた。
°溝ダイスを用い、プレスにより折り曲げ、角部のミク
ロクラックを検査し、割れ発生のない最小Rと板厚
(t)の比で比較した。半田接合強度はリード線を半田
付け( 4.5mm2 )した後、 150℃に 300時間エージング
してからプル強度を測定し、半田接合の経時劣化を比較
した。SCCはJISC8306に従い、3 Vol%NH3 ガス中
で40kg/mm2 の定荷重をかけ、破断するまでの時間を求
めた。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表1及び表2から明らかなように本発明合
金No.1〜6は何れの特性も優れており、従来のリン青
銅からなる比較合金No.9と比較し、同じ強度を得るの
にSn量にして1%前後の節約ができ、かつ高い導電率
を示すことが判る。特に比較合金No.9では熱間圧延時
にコバ割れを起すばかりか、SCCをも起し、更に半田
接合強度も劣るのに、本発明合金No.1〜6では、熱間
圧延時にコバ割れを起すことがなく、SCCも抑制さ
れ、半田接合強度も改善されることが判る。
金No.1〜6は何れの特性も優れており、従来のリン青
銅からなる比較合金No.9と比較し、同じ強度を得るの
にSn量にして1%前後の節約ができ、かつ高い導電率
を示すことが判る。特に比較合金No.9では熱間圧延時
にコバ割れを起すばかりか、SCCをも起し、更に半田
接合強度も劣るのに、本発明合金No.1〜6では、熱間
圧延時にコバ割れを起すことがなく、SCCも抑制さ
れ、半田接合強度も改善されることが判る。
【0020】これに対し本発明合金の組成範囲から外れ
る比較合金No.7〜9では、要求される特性の何れか一
つ以上が劣ることが判る。即ちMnやCr等を含まない
比較合金No.9ではSCCを起すばかりか、半田接合強
度も劣り、またMnの含有量が多い比較合金No.7では
導電率の低下が著しい。またP含有量の多い比較合金N
o.8では曲げ性が劣り、Cr等の含有量が多い比較合金
No.10では熱間圧延において割れが著しく、その後の加
工を中止した。
る比較合金No.7〜9では、要求される特性の何れか一
つ以上が劣ることが判る。即ちMnやCr等を含まない
比較合金No.9ではSCCを起すばかりか、半田接合強
度も劣り、またMnの含有量が多い比較合金No.7では
導電率の低下が著しい。またP含有量の多い比較合金N
o.8では曲げ性が劣り、Cr等の含有量が多い比較合金
No.10では熱間圧延において割れが著しく、その後の加
工を中止した。
【0021】尚比較のため表1中本発明合金No.1につ
いて熱間圧延後、空冷(2.1 ℃/sec)し、その後、冷間
圧延と熱処理を施したものは、引張強度61.0kg/mm2 、
伸び8.5 %にすぎなかった。また上記実施例において表
1中本発明合金No.1について、熱処理前の冷間加工率
を35%と20%にしたところ夫々強度64.2kg/mm2 、60.8
kg/mm2 であった。
いて熱間圧延後、空冷(2.1 ℃/sec)し、その後、冷間
圧延と熱処理を施したものは、引張強度61.0kg/mm2 、
伸び8.5 %にすぎなかった。また上記実施例において表
1中本発明合金No.1について、熱処理前の冷間加工率
を35%と20%にしたところ夫々強度64.2kg/mm2 、60.8
kg/mm2 であった。
【0022】
【発明の効果】このように本発明によれば、Cu−Sn
合金の優れた機械的強度や精密加工性を活かしつつ上記
改善点 (1)〜(6) のすべてを改善したもので電子電気機
器、特に半導体リード材、コネクター、スイッチ、リレ
ーなどの接点ばね、端子として強度、導電性、メッキ
性、半田付け性等の実用特性を満足することができる等
工業上顕著な効果を奏するものである。
合金の優れた機械的強度や精密加工性を活かしつつ上記
改善点 (1)〜(6) のすべてを改善したもので電子電気機
器、特に半導体リード材、コネクター、スイッチ、リレ
ーなどの接点ばね、端子として強度、導電性、メッキ
性、半田付け性等の実用特性を満足することができる等
工業上顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 重雄 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社日光電気精銅所内
Claims (2)
- 【請求項1】 Sn:0.05〜8wt%,P: 0.005〜0.1
wt%,Mn:0.03〜2.0 wt%を含み、更にCr,Co,
Ti,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.05〜1wt
%を含み、残部Cuからなる電子電気機器用銅合金。 - 【請求項2】 Sn:0.05〜8wt%,P: 0.005〜0.1
wt%,Mn:0.03〜2.0 wt%を含み、更にCr,Co,
Ti,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.05〜1wt
%を含み、残部Cuからなる合金を 700〜1050℃で熱間
加工してから、少なくとも 400℃まで15℃/sec 以上の
速度で冷却し、しかる後30%以上の冷間加工を行なって
から、 400〜 650℃で熱処理を施すことを特徴とする電
子電気機器用銅合金の製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8274586 | 1986-04-10 | ||
JP61-82745 | 1986-04-10 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62085368A Division JP2516622B2 (ja) | 1986-04-10 | 1987-04-07 | 電子電気機器用銅合金とその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207233A true JPH06207233A (ja) | 1994-07-26 |
JP2521880B2 JP2521880B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=13782959
Family Applications (5)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62085369A Expired - Fee Related JP2516623B2 (ja) | 1986-04-10 | 1987-04-07 | 電子電気機器用銅合金とその製造法 |
JP8537087A Pending JPS6345338A (ja) | 1986-04-10 | 1987-04-07 | 電子電気機器用銅合金とその製造法 |
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