JP2000356148A - 伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置 - Google Patents

伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置

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JP2000356148A
JP2000356148A JP11158779A JP15877999A JP2000356148A JP 2000356148 A JP2000356148 A JP 2000356148A JP 11158779 A JP11158779 A JP 11158779A JP 15877999 A JP15877999 A JP 15877999A JP 2000356148 A JP2000356148 A JP 2000356148A
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豊 多賀
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/0021Generation or control of line pressure
    • F16H61/0025Supply of control fluid; Pumps therefore
    • F16H61/0031Supply of control fluid; Pumps therefore using auxiliary pumps, e.g. pump driven by a different power source than the engine

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧によって動作する係合装置と、係合装置
に油圧を供給する電動オイルポンプを有する車両におい
て、車両の操作意図と係合装置に供給される油圧とを適
合させる。 【解決手段】 駆動力の伝達をおこなうことのできる走
行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジションと
を選択可能で、駆動力を伝達し、かつ、変速比を設定す
る摩擦係合装置を有する自動変速機と、摩擦係合装置を
係合するための油圧を供給し、かつ、電動機により駆動
されるオイルポンプとを備え、車両の停止要求が発生し
た場合に、電動機によるオイルポンプの駆動を低下させ
ることのできる伝動装置用電動オイルポンプを備えた車
両の制御装置において、車両の停止要求が発生してから
所定時間が経過した後に、電動機によるオイルポンプの
駆動を低下させる遅延手段(ステップSS1,〜S6)
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動力を伝達す
る走行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジショ
ンもしくは停止ポジションを選択可能で、電動機によっ
て駆動されるオイルポンプで発生させた油圧によって動
作することにより係合装置を係合させて駆動力の伝達を
おこない、あるいは変速比を設定する駆動装置を搭載し
ている車両の制御装置に関し、特にそのオイルポンプの
電動機による駆動を制御するための装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】車両用の変速機として、車両の走行状態
に基づいて制御される自動変速機が知られている。この
自動変速機には、変速比が不連続的(段階的)に変化す
る有段式の変速機や、変速比が連続的(無段階的)に変
化する無段変速機が含まれるが、これらいずれの自動変
速機であっても変速比の制御のために油圧が広く使用さ
れている。例えば有段式の自動変速機であれば、エンジ
ンの出力を変速機構に伝達するための入力クラッチや、
変速段を設定するためのクラッチあるいはブレーキを油
圧サーボ機構によって係合および解放するように構成し
ている。また、無段変速機であれば、その変速機構に対
して動力を入力する入力クラッチを油圧によって係合す
る構成とし、また変速機構を油圧によって動作させるよ
うに構成している。
【0003】一方、車両に搭載されている内燃機関(エ
ンジン)は、走行のための動力源であると同時に、発電
のための動力源であり、さらには前記油圧のための動力
源とされている。したがって内燃機関が駆動されている
間は、オイルポンプが内燃機関によって駆動され、所定
の油圧が発生するので、自動変速機を適宜に制御するこ
とができ、変速機構に対して動力を伝達し、あるいは所
定の変速比を設定して出力軸にトルクを伝達することが
できる。
【0004】ところで、最近では、排ガスの削減のため
に、電動モータを動力源とするいわゆる電気自動車が提
案されており、このような電気自動車においては、電動
モータによりオイルポンプを駆動することができるよう
に構成されている。このように、電動モータによりオイ
ルポンプを駆動することのできる油圧制御装置の一例
が、特開平7−174218号公報に記載されている。
【0005】この公報に記載された油圧制御装置におい
ては、電動モータのモータ軸が、電磁クラッチを介して
CVTユニットの変速機軸に接続できるように構成され
ているとともに、変速用油圧ポンプ(電動オイルポン
プ)の貫通軸が、電動モータのモータ軸に直結されてい
る。また、変速機軸にはプライマリプーリ(係合装置)
が取り付けられており、出力軸にはセカンダリプーリ
(係合装置)が取り付けられているとともに、両プーリ
にベルト(係合装置)が巻き掛けられている。さらに、
両プーリの油圧室に対して、変速用油圧ポンプの油圧を
供給することができるように構成されている。
【0006】そして、電動モータにより変速用油圧ポン
プが駆動されると、プライマリプーリの油圧室に油圧が
供給されて変速制御がおこなわれ、かつ、セカンダリプ
ーリの油圧室にライン圧が供給されて、ベルトの張力が
トルク伝達に必要な状態に制御される。一方、シフトレ
バーがパーキングポジションまたはニュートラルポジシ
ョンにセットされ、かつ、ハンドブレーキが引かれ、さ
らにはアクセルペダルが踏み込まれていない状態におい
ては、電動モータを停止することにより、バッテリの消
費を抑制することができるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の公報
に記載された油圧制御装置においては、上記の条件が成
立したときに電動モータが停止されているが、車両の周
囲の環境や道路状況によっては、上記の条件が成立した
としても、車両の停止状態が継続されない場合がある。
その結果、運転者の車両操作意図に対して、係合装置に
供給される油圧が適さない場合があり、結果的に係合装
置の耐久性の低下や応答性の低下を招く可能性があっ
た。例えば、走行ポジションと非走行ポジションとの切
り換え操作が頻繁におこなわれる、いわゆるガレージシ
フトの際に、非走行ポジションが選択された時点で電動
モータが停止されると、再度走行ポジションに切り換え
られたときに油圧の立ち上がりが遅れてベルトの滑りが
生じ、耐久性の低下や応答性の低下を招く問題があっ
た。
【0008】なお、このような問題は、遊星歯車を有す
る変速機構と、変速機構のトルク伝達経路を切り換える
摩擦係合装置とを備え、この摩擦係合装置に作用する油
圧を、電動機により駆動されるオイルポンプにより発生
させることのできる構成の有段式の自動変速機において
も、同様にして発生していた。すなわち、シフトポジシ
ョンの切り換えにともなう油圧の立ち上がりの遅れによ
り摩擦係合装置の滑りが生じ、耐久性の低下や応答性の
低下を招く問題があった。
【0009】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、運転者の意図や道路状況と電動オイル
ポンプの状態とを可及的に適合させることのできる装置
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、車両の動作状態ある
いは運転者による操作状態もしくは自車両の前後の状況
に基づいて車両が停止状態に維持されることを推定し、
その推定の結果に基づいて電動機によるオイルポンプの
駆動を低減もしくは停止して、動力の消費を削減するよ
うに構成したことを特徴とするものである。
【0011】より具体的には、請求項1の発明は、駆動
力の伝達をおこなうことのできる走行ポジションと駆動
力を伝達しない非走行ポジションとを選択可能で、駆動
力を伝達する係合装置もしくは変速比を設定する係合装
置を有する駆動装置と、前記係合装置を係合するための
油圧を供給し、かつ、電動機により駆動されるオイルポ
ンプとを備え、車両の停止要求がある場合に、前記電動
機によるオイルポンプの駆動を低下させることのできる
伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置に
おいて、前記車両の停止要求が発生してから所定時間が
経過した後に、前記電動機によるオイルポンプの駆動を
低下させる遅延手段を備えていることを特徴とするもの
である。
【0012】請求項1の発明によれば、車両の停止要求
が発生してから所定時間が経過した後に、電動機により
駆動されるオイルポンプの駆動が低下される。つまり、
車両の停止要求が発生してから所定時間が経過するまで
の間に、直ぐに車両が発進する可能性がある場合には、
オイルポンプの駆動が低下されない。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記遅延手段には、前記非走行ポジションが選択さ
れるまでのシフト履歴に基づいて前記所定時間を設定す
る機能が含まれていることを特徴とするものである。
【0014】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じるほか、非走行ポジションが選択さ
れるまでのシフト履歴に基づいて、すぐに車両が発進す
る可能性があるか否かを判断することができ、その判断
結果に基づいてオイルポンプの駆動を低下するまでの所
定時間が変更される。
【0015】請求項3の発明は、駆動力の伝達をおこな
うことのできる走行ポジションと駆動力を伝達しない非
走行ポジションとを選択可能で、駆動力を伝達する係合
装置もしくは変速比を設定する係合装置を有する駆動装
置が設けられ、前記係合装置を係合するための油圧を、
電動機により駆動されるオイルポンプから供給すること
のできる伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制
御装置において、自車両が停車していることを検出する
停車検出手段と、前記自車両の制動がおこなわれている
ことを検出する制動検出手段と、前記走行ポジションが
選択されていることを検出する走行ポジション検出手段
と、前記自車両の走行予定方向に他車両があることを検
出する他車両検出手段と、前記自車両が停車しているこ
とが前記停車検出手段により検出され、かつ、前記自車
両の制動がおこなわれていることが前記制動検出手段で
検出され、かつ、前記走行ポジションが選択されている
ことが前記走行ポジション検出手段で検出され、かつ、
前記自車両の走行予定方向に他車両があることが前記他
車両検出手段により検出された場合は、前記電動機によ
り駆動されるオイルポンプの駆動を低下させるオイルポ
ンプ駆動低下手段とを備えていることを特徴とするもの
である。
【0016】請求項3の発明によれば、自車両が停車
し、かつ、自車両の制動がおこなわれ、かつ、自車両で
走行ポジションが選択され、かつ、自車両の走行予定方
向に他車両がある場合は、電動機により駆動されるオイ
ルポンプの駆動が低下される。すなわち、このような場
合には、自車両が発進する可能性が少ないので、電動機
により駆動されるオイルポンプから係合装置に油圧が供
給されなくなっても支障が生じない。
【0017】請求項4の発明は、駆動力の伝達をおこな
うことのできる走行ポジションと駆動力を伝達しない非
走行ポジションとを選択可能で、駆動力を伝達する係合
装置もしくは変速比を設定する係合装置を有する駆動装
置が設けられ、前記係合装置を係合するための油圧を、
電動機により駆動されるオイルポンプから供給すること
のできる伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制
御装置において、車両が走行するか否かを判断すること
ができない場合は、前記電動オイルポンプの駆動の低下
を禁止するオイルポンプ駆動低下禁止手段を備えている
ことを特徴とするものである。
【0018】請求項4の発明によれば、車両が走行する
か否かを判断することができない場合は、電動機により
駆動されるオイルポンプの駆動の低下が禁止される。し
たがって、停車している車両がすぐに発進する場合で
も、係合装置に供給される油圧の立ち上がり遅れが回避
される。
【0019】請求項5の発明は請求項4の構成に加え
て、前記駆動装置のポジションを判断するシフトポジシ
ョンセンサが設けられており、前記オイルポンプ駆動低
下禁止手段には、前記シフトポジションセンサのフェー
ルにより前記車両が走行するか否かを判断することがで
きない場合は前記電動オイルポンプの駆動の低下を禁止
する機能が含まれていることを特徴とするものである。
【0020】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の作用が生じるほか、シフトポジションセンサの
フェールにより、車両が走行するか否かを判断すること
ができない場合は、電動機により駆動されるオイルポン
プの駆動の低下が禁止される。
【0021】請求項6の発明は、駆動力の伝達をおこな
うことのできる走行ポジションと駆動力を伝達しない非
走行ポジションとを選択可能で、駆動力を伝達する係合
装置もしくは変速比を設定する係合装置を有する駆動装
置が設けられ、前記係合装置を係合するための油圧を、
電動機により駆動されるオイルポンプから供給すること
ができ、前記非走行ポジションが選択された場合に、前
記電動機により駆動されるオイルポンプの駆動を低下さ
せることのできる伝動装置用電動オイルポンプを備えた
車両の制御装置において、前記非走行ポジションが選択
されるまでのシフト履歴に基づいて、前記電動機により
駆動されるオイルポンプの駆動低下制御の内容を設定す
るオイルポンプ制御手段を備えていることを特徴とする
ものである。
【0022】請求項6の発明によれば、非走行ポジショ
ンが選択されるまでのシフト履歴が、その後の車両の挙
動に反映にされるので、このシフト履歴に基づいてオイ
ルポンプの制御内容を決定することにより、非走行ポジ
ションが選択された後の車両の挙動に適したオイルポン
プの駆動状態になる。
【0023】請求項7の発明は、請求項6の構成に加え
て、前記オイルポンプ制御手段には、前記走行ポジショ
ンと前記非走行ポジションとの切り換えが頻繁におこな
われたことを示すシフト履歴が判断された場合に、前記
電動機により駆動されるオイルポンプの駆動の低下を禁
止する機能が含まれていることを特徴とするものであ
る。
【0024】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の作用が生じるほかに、走行ポジションと非走行
ポジションとの切り換えが頻繁におこなわれている場合
は、たとえ非走行ポジションが選択されたとしても、す
ぐに非走行ポジジョンに切り換えられる可能性があるた
め、記電動機により駆動されるオイルポンプの駆動の低
下が禁止される。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例
に基づいて説明する。図3はこの発明で対象とする車両
のパワープラントの一例を示しており、内燃機関1の出
力側に電動機(MG)2が接続されている。その内燃機
関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置で
あって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ガス
エンジンなどを採用することができ、またその形式は、
レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであ
ってもよい。なお、以下の説明では、内燃機関1をエン
ジン1と記す。また、電動機2は、要は、電力が供給さ
れてトルクを出力する装置であり、直流モータや交流モ
ータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同
期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・
ジェネレータを使用することができる。なお、以下の説
明では、電動機2をモータ・ジェネレータ2と記す。
【0026】そのモータ・ジェネレータ2の出力側に自
動変速機3が接続されている。この自動変速機3は、車
両の走行状態に基づいて、変速比を段階的(不連続的)
に設定するように構成された有段式自動変速機であっ
て、油圧式のトルクコンバータ(T/C)4を介して変
速機構5に対してトルクを入力するように構成されてい
る。また、これらトルクコンバータ4と変速機構5との
間には、トルクコンバータ4の入力要素に連結されてい
る機械式オイルポンプ6が配置されている。このオイル
ポンプ6とは別に、電動機によって駆動される電動オイ
ルポンプ110が設けられている。
【0027】さらに、前記変速機構5は、油圧によって
変速制御されるように構成されており、その制御をおこ
なう油圧制御部7が設けられている。この油圧制御部7
は、従来知られているものと同様に構成されており、電
気的に制御される電磁弁やその電磁弁から供給される油
圧によって切換動作するシフト弁(それぞれ図示せず)
などを備えている。なお、自動変速機3の詳細について
は後述する。
【0028】前記エンジン1は、スロットル開度や燃料
噴射量あるいは点火時期、バルブの開閉タイミングなど
を電気的に制御できるように構成されており、その制御
のための電子制御装置(E/G−ECU)8が設けられ
ている。このエンジン用電子制御装置8は、マイクロコ
ンピュータを主体に構成され、アクセル開度や車速、変
速信号、エンジン水温などの入力データに基づいて予め
記憶しているプログラムに従って演算をおこない、その
演算結果に基づいて制御信号を出力するように構成され
ている。
【0029】図3に示す例ではモータ・ジェネレータ2
として固定永久磁石型同期モータが採用され、その制御
のためにインバータ9を介してバッテリ10が接続され
ている。そして、そのインバータ9およびバッテリ10
を制御するための電子制御装置(MG−ECU)11が
設けられている。このモータ・ジェネレータ用電子制御
装置11は、マイクロコンピュータを主体に構成され、
入力されるデータに基づいて演算をおこなって、モータ
・ジェネレータ2に供給する電流や周波数、モータ・ジ
ェネレータ2からバッテリ10に充電する電力などを制
御するように構成されている。
【0030】さらに、自動変速機用電子制御装置(A/
T−ECU)12が設けられている。この自動変速機用
電子制御装置12は、マイクロコンピュータを主体に構
成され、アクセル開度や車速などの車両の走行状態を示
すデータが入力され、その走行状態に応じた変速段を設
定するように前記油圧制御部7に制御信号を出力するよ
うに構成されている。
【0031】ここで、モータ・ジェネレータ2の具体的
な構成について図4を参照して説明する。前記トルクコ
ンバータ4を収容しているトランスミッションハウジン
グ20のエンジン1側の端部に、アダプタ21が取り付
けられている。このアダプタ21は、トランスミッショ
ンハウジング20の開口端とほぼ等しい外径の円筒状の
部材であって、トランスミッションハウジング20の端
部とエンジン1との間に挟み込んだ状態でこれらトラン
スミッションハウジング20とエンジン1とに連結され
て固定されている。このアダプタ21の内周面で軸線方
向での中間部には、半径方向に沿いかつ中心部に向けて
適宜に屈曲して延びた隔壁部22が一体に形成されてい
る。その隔壁部22には、トルクコンバータ4の中心軸
線と軸線を一致させた貫通孔が形成されている。
【0032】前記アダプタ21の内周側の空間部のうち
隔壁部22によって仕切られたエンジン1側の空間部
に、エンジン1の出力部材であるクランクシャフト23
の先端部が延びており、そのクランクシャフト23の先
端部にフライホイール24がボルト25によって固定さ
れている。このフライホイール24の正面(エンジン1
とは反対側の面)にダンパ26が取り付けられている。
したがってフライホイール24とダンパ26とが、アダ
プタ21の内周側で隔壁部22によって仕切られたエン
ジン1側の空間部に収容されている。
【0033】ダンパ26は、半径方向で外側に延びた平
板部を有する中空円板状の第1のプレートとその中心側
の部分に対向して取り付けられかつ第1のプレートと共
に円周方向に沿う窓孔部を形成する第2のプレートとか
らなる駆動側部材27と、その駆動側部材27における
各プレートの間に相対回転可能に延ばした板状の突出部
を円筒状のボス部28の外周側に一体化させ、かつその
板状の突出部に前記窓孔部と一致する窓孔部を形成した
従動側部材29と、それらの窓孔部に保持させ、駆動側
部材27と従動側部材29とが相対回転することによっ
てこれらの部材27,29によって圧縮されるダンパス
プリング30とによって構成されている。そしてその駆
動側部材27における半径方向で外側に延びた平板部
が、フライホイール24の正面にボルト31によって固
定されている。すなわち駆動側部材27がダンパ26の
入力側部材となり、かつ従動側部材29がダンパ26の
出力側部材となっている。
【0034】前記隔壁部22の内周側の端部は、軸線方
向に延びた比較的短い円筒状に形成され、この円筒状の
部分32に軸受33が嵌合させられており、この軸受3
3は、前記円筒状の部分32の内周面に取り付けた固定
用部材であるスナップリング34によって固定されてい
る。そしてこの軸受33の内周側に入力軸35が嵌合さ
せられ、したがってこの入力軸35が軸受33を介して
隔壁部22によって回転自在に支持され、また軸線方向
に対しては固定されている。
【0035】この入力軸35の先端部(図4での左側端
部)が、前記ダンパ26の内周部にまで延びており、か
つ前記ダンパ26における従動側部材29のボス部28
に挿入されている。そして、これら入力軸35と従動側
部材29とが、それぞれに形成されたスプライン36に
よって連結されている。
【0036】入力軸35の後端部(図4での右側端部)
は、隔壁部22における円筒状の部分32の先端近傍に
あってその円筒状の部分32より半径方向で外側に延
び、その半径方向で外側に突出した部分にハブ部37が
形成されている。したがってこのハブ部37は、前記隔
壁部22を挟んで前記ダンパ26とは反対側の空間部に
収容されており、また、前記円筒状の部分32の外周側
で該円筒状部分32と同心円上の位置に配置されてい
る。そしてそのハブ部37には、モータ・ジェネレータ
2のロータ(回転子)38と、トルクコンバータ4のフ
ロントカバー39とが一体的に連結されている。
【0037】このロータ38は、円板状の部材の外周部
に永久磁石を取り付けたものであって、その円板状部材
の内周部を、前記ハブ部37における図4での左側端部
に溶接などの固定手段によって一体化させることによ
り、ハブ部37に取り付けられている。なお、入力軸3
5が前記軸受33を介して隔壁部22によって軸線方向
に位置決めされていることにより、ロータ38も入力軸
35と共に軸受33を介して隔壁部22によって軸線方
向での位置が決められている。
【0038】このロータ38の外周側、すなわちトルク
コンバータ4の回転中心軸線から半径方向で外側に最も
離れた位置にステータ(固定子)40が配置されてい
る。このステータ40は、積層鉄心とコイルとからなる
ものであって、前記アダプタ21の内周面に固定されて
いる。そしてその積層鉄心がロータ38における永久磁
石と半径方向で接近して対向しており、これに対してコ
イルが積層鉄心に対して軸線方向に張り出している。し
たがってモータ・ジェネレータ2は、コイルが軸線方向
に突出し、これに対してロータ38の永久磁石の部分が
コイルよりも軸線方向で内側に大きく入り込んでおり、
さらに永久磁石を取り付けてある円板状の部分が最も薄
くて軸線方向に更に入り込んでいる。前記隔壁部22
は、モータ・ジェネレータ2におけるこのような輪郭形
状に沿って屈曲している。
【0039】モータ・ジェネレータ2のロータ38にお
けるハブ部37に対する取付部には、エンジン1側に突
出した円筒部41が形成されており、その円筒部41の
外周面に、レゾルバ42におけるロータ43が固着され
ている。隔壁部22は、モータ・ジェネレータ2のロー
タ38に円筒部41が形成されていることに伴い、その
円筒部41の先端側に位置するように形成され、したが
ってロータ38に対して軸線方向にわずかずれている。
そしてその隔壁部22の内周部に円筒状の部分32が形
成され、この円筒状の部分32が円筒部41の内周側に
延びている。したがってこの円筒状の部分32に嵌合さ
せた軸受33が、レゾルバ42に対してその半径方向で
内周側に位置している。
【0040】さらに隔壁部22の内面側(モータ・ジェ
ネレータ2側)には、円周方向に所定の間隔をあけて複
数のインロー嵌合部44が突設されている。そのインロ
ー嵌合部44には、隔壁部22を貫通したボルト孔が形
成され、インロー嵌合部44に嵌合させたステータ45
がこのボルト孔に挿入したボルト46によって固定され
ている。なお、そのボルト孔は円周方向に向けた長孔で
あり、ボルト46をゆるめた状態でステータ45の円周
方向での取付位置を微調整できるように構成されてい
る。したがってレゾルバ42は、軸受33によって封止
された隔壁部22の内面側の空間部に収容され、かつモ
ータ・ジェネレータ2におけるステータ40の内周側に
配置されている。
【0041】したがって上記の構成では、軸受33およ
びレゾルバ42ならびにロータ2さらにはステータ40
が半径方向にオーバーラップして配置されているので、
軸線方向に沿って配列する部品数が少なくなり、その結
果、軸長の短縮化が図られている。また、レゾルバ42
のロータ38を、モータ・ジェネレータ2におけるロー
タ38の内周側端部に円筒部41を形成してその円筒部
41に取り付けた構造としてあるために、ロータ38の
入力軸35への取付箇所すなわちハブ部37への溶接箇
所は、ロータ38に対して軸線方向へずれた位置であ
り、結局、軸受33に対して軸線方向へずれた位置とな
る。したがって、入力軸35における軸受33の取付面
が入力軸35に対するロータ38の溶接箇所とは軸線方
向にずれているから、その軸受33の取付面(摺動面)
の加工が容易になる。
【0042】一方、フロントカバー39は、トルクコン
バータ4におけるポンプシェル47と一体化されてトル
クコンバータ4の外側を覆う部材であって、図4に示す
ような異形断面の円板状の部材である。このフロントカ
バー39の中心部分および半径方向での中間部分は、半
径方向に沿う比較的単純な平板形状であり、これに対し
て外周側の部分は、軸線方向に張り出している前記コイ
ルの内周側を通ってそのコイルの軸線方向の側面に到る
ように屈曲した形状に成形されている。そしてこの屈曲
した外周部の先端部でポンプシェル47の先端部に溶接
などの固定手段で一体化され、また内周側の端部で前記
ハブ部37の軸線方向での他端部(図4での右端部)に
溶接などの固定手段で一体化されている。
【0043】ポンプシェル47は、従来のトルクコンバ
ータのポンプシェルと同様に、回転中心から半径方向に
延びた部分が、いわゆる椀形断面に湾曲した形状を成し
ており、その椀形に湾曲した部分の内面に、ポンプブレ
ードが固定されてポンプインペラを構成している。そし
てこのポンプシェル47の他方の端部(図4での右側の
端部)は、前記入力軸35と中心軸線を一致させた円筒
軸48となっている。そしてこの円筒軸48がオイルポ
ンプ6のボデー49におけるボス部50の内周側に挿入
され、そのボス部50の内周部に挿入したブッシュ51
によって軸線方向に移動し得る状態で回転可能に保持さ
れている。なお、このブッシュ51は滑り軸受であり、
これに替えて軸線方向への移動を許容できるころがり軸
受を使用することもできる。
【0044】このオイルポンプボデー49は、トランス
ミッションハウジング20の内周面に固定されるととも
に、その内部にロータ52を回転自在に収容しており、
前記ポンプシェル47における円筒軸48の先端部がそ
のロータ52に係合している。すなわち入力軸35に伝
達された動力によってオイルポンプ6を駆動するように
構成されている。なお、ボス部50の先端部と円筒軸4
8の外周面との間にオイルシール53が配置されてい
る。したがって前記軸受33をシール構造のものとする
ことにより、モータ・ジェネレータ2が収容されている
空間部が液密状態に維持されている。
【0045】上記の円筒軸48の内周側に、円筒状の固
定軸54が、同一軸線上に配置されている。この固定軸
54は、オイルポンプ6のボデー49に一体化された支
持用の軸であって、その先端部がトルクコンバータ4の
内部にまで延びている。そしてこの固定軸54の先端部
外周に一方向クラッチ55のインナーレースがスプライ
ン嵌合して取り付けられており、またその一方向クラッ
チ55のアウターレースにステータ56が取り付けられ
ている。
【0046】さらに固定軸54の内周側には変速機入力
軸57が挿入され、固定軸54の内周面との間に配置し
た軸受58によって回転自在に支持されている。この変
速機入力軸57の先端部は、前記固定軸54の先端部方
向に突出しており、その先端部にハブ59がスプライン
嵌合されている。なお、このハブ59と変速機入力軸5
7との間はオイルシール60によって液密状態に封止さ
れている。
【0047】ハブ59には、タービンランナ61とロッ
クアップクラッチ(直結クラッチ)62とが連結されて
いる。タービンランナ61は、椀形に湾曲したシェルの
内面に複数のブレードを固定した構造であって、前記ポ
ンプインペラとほぼ対称形状を成しており、前記ステー
タ56を挟んでポンプインペラと対向して配置されてい
る。
【0048】ロックアップクラッチ62は、多板構造の
クラッチであって、前記フロントカバー39の内面に対
向した位置に設けられている。すなわちフロントカバー
39の中間部で半径方向に沿う平板状の部分の正面に対
向してクラッチドラム63が配置されている。このクラ
ッチドラム63は、ほぼ有底円筒状を成す部材であっ
て、フロントカバー39の中間部の内面に対向する位置
に配置されるとともに、その内周側の端部でハブ59に
リベットによって固定・一体化されている。
【0049】このクラッチドラム63の円筒状を成す外
周部の内面に摩擦板64がスプライン嵌合されている。
またこの摩擦板64を挟んでフロントカバー39の内面
と対向する位置に他の摩擦板65が配置され、この他の
摩擦板65は、フロントカバー39の内面に取り付けた
リング状のリテーナ66の外周側に嵌合されている。さ
らにこれらの摩擦板64,65を挟んでフロントカバー
39の内面に対向する位置にピストン67が軸線方向に
前後動するように配置されている。このピストン67
は、環状の板状体であって、その内周部によって前記ハ
ブ59に液密状態を維持して摺動自在に嵌合するととも
に、外周部がクラッチドラム63の円筒状部分の内周面
に摺接している。
【0050】上述したフロントカバー39およびポンプ
シェル47によって区画されている空間部すなわちトル
クコンバータ4の内部にはオイル(オートマチックトラ
ンスミッションフルード)が充填されており、入力軸3
5と共にポンプインペラが回転して生じるオイルの螺旋
流がタービンランナ61に供給されてタービンランナ6
1が回転し、その結果、入力軸35から変速機入力軸5
7に動力が伝達される。したがって入力軸35がトルク
コンバータ4の入力側の部材になっている。
【0051】また、ピストン67の背面側すなわち摩擦
板64,65とは反対側の油圧を、正面側すなわち摩擦
板64,65側の油圧より高くすることにより、ピスト
ン67が摩擦板64,65をフロントカバー39の内面
との間に挟み付け、その結果、フロントカバー39から
これらの摩擦板64,65を介してクラッチドラム63
ならびにハブ59および変速機入力軸57に動力が伝達
される。すなわちロックアップクラッチ62が係合する
ことにより、このロックアップクラッチ62を介して入
力軸35から変速機入力軸57に直接動力が伝達され
る。
【0052】このようにロックアップクラッチ62が設
けられている位置は、フロントカバー39の中間部であ
って半径方向に沿う平板部分に対向する位置であり、こ
れは、フロントカバー39が図に示すように屈曲してい
ることにより、モータ・ジェネレータ2におけるステー
タ40の内周側、より正確にはステータ40におけるコ
イルの内周側の位置である。言い換えれば、流体伝動装
置であるトルクコンバータ4の外周側の一部がステータ
40の内径より小さくなるように半径方向で内側に窪ま
されて凹部を形成しており、このようにして外径を縮小
した部分すなわち小径部68が、回転中心軸線方向でモ
ータ・ジェネレータ2におけるステータ40の内側に入
り込まされている。言い換えれば、トルクコンバータ4
の外周側の一部に凹部が形成され、その凹部にステータ
40のコイルの一部が配置されている。
【0053】したがって上記のパワープラントでは、エ
ンジン1のクランクシャフト23に入力軸35が連結さ
れ、その入力軸35にモータ・ジェネレータ2のロータ
38が連結されている。そしてその入力軸35がトルク
コンバータ4のフロントカバー39およびポンプシェル
47ならびに円筒軸48を介してオイルポンプ6に連結
されている。そのため、オイルポンプ6に対してはエン
ジン1およびモータ・ジェネレータ2のいずれからもト
ルクを伝達してオイルポンプ6を駆動することができる
ように構成されている。
【0054】上記のパワープラントは、基本的には、走
行のための動力をエンジン1によって出力し、またエン
ジン1によって減速し、モータ・ジェネレータ2は走行
のための駆動力あるいは制動力を補助するために使用さ
れる。したがって前記自動変速機3は後進段を含む複数
の変速段を設定することができるように構成されてい
る。その変速機構5の一例を図5に示してある。
【0055】ここに示す構成では、前進5段・後進1段
の変速段を設定するように構成されている。すなわちこ
こに示す自動変速機3は、トルクコンバータ4およびオ
イルポンプ6に続けて副変速部81と、主変速部82と
を備えている。その副変速部81は、いわゆるオーバー
ドライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車
機構83によって構成され、キャリヤ84が前記変速機
入力軸57に連結され、またこのキャリヤ84とサンギ
ヤ85との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC
0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッ
チF0 はサンギヤ85がキャリヤ84に対して相対的に
正回転(変速機入力軸57の回転方向の回転)する場合
に係合するようになっている。またサンギヤ85の回転
を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
そしてこの副変速部81の出力要素であるリングギヤ8
6が、主変速部82の入力要素である中間軸87に接続
されている。
【0056】したがって副変速部81は、一体化クラッ
チC0 もしくは一方向クラッチF0が係合した状態では
遊星歯車機構83の全体が一体となって回転するため、
中間軸87が変速機入力軸57と同速度で回転し、低速
段となる。またブレーキB0を係合させてサンギヤ85
の回転を止めた状態では、リングギヤ86が変速機入力
軸57に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0057】他方、主変速部82は三組の遊星歯車機構
88,89,90を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
88のサンギヤ91と第2遊星歯車機構89のサンギヤ
92とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構88のリングギヤ93と第2遊星歯車機構89のキャ
リヤ94と第3遊星歯車機構90のキャリヤ95との三
者が連結され、かつそのキャリヤ95に出力軸96が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構89のリングギ
ヤ97が第3遊星歯車機構90のサンギヤ98に連結さ
れている。
【0058】この主変速部82の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構89のリングギヤ97および第3
遊星歯車機構90のサンギヤ98と中間軸87との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構88のサンギヤ91および第2遊星歯車
機構89のサンギヤ92と中間軸87との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0059】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構88および第2遊星歯車機構89のサンギヤ91,8
9の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ91,89(すなわち共通サンギヤ軸)とトラ
ンスミッションハウジング20との間には、第1一方向
クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 と
が直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1
はサンギヤ91,89が逆回転(変速機入力軸57の回
転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合する
ようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB
3 は第1遊星歯車機構88のキャリヤ99とトランスミ
ッションハウジング20との間に設けられている。そし
て第3遊星歯車機構90のリングギヤ100の回転を止
めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB
4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハ
ウジング20との間に並列に配置されている。なお、こ
の第2一方向クラッチF2はリングギヤ100が逆回転
しようとする際に係合するようになっている。
【0060】上述した各変速部81,82の回転部材の
うち副変速部81のクラッチC0 の回転数を検出するタ
ービン回転数センサ101と、出力軸96の回転数を検
出する出力軸回転数センサ102とが設けられている。
【0061】上記の自動変速機3では、各クラッチやブ
レーキを図6の作動表に示すように係合・解放すること
により前進5段・後進1段の変速段を設定することがで
きる。なお、図6において○印は係合状態、空欄は解放
状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係
合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示
す。これらのクラッチやブレーキまたはロックアップク
ラッチ62がこの発明の係合装置に相当し、これらのク
ラッチやブレーキを有する変速機構5と、ロックアップ
クラッチ62を有するトルクコンバータ4とが設けられ
ている自動変速機3が、この発明の駆動装置に相当す
る。
【0062】図6に示すP(パーキング)、R(リバー
ス:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1
st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示
しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することに
より設定される。そのシフトレバーによって設定される
各シフトポジションの配列は、図7に示すとおりであ
り、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジ
ション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライ
ブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向
に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅
方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、そ
の“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して
“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジシ
ョンの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよ
びLポジションが順に配列されている。
【0063】ここで、Dポジションは車速やアクセル開
度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第
5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポ
ジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは
第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および
第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するため
のポジションである。なお、“3”ポジションないしL
ポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジ
ションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速
段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効か
せるように構成されている。
【0064】また、DポジションないしLポジションの
いずれかをシフトレバーによって選択することにより、
そのポジションに応じた変速段を設定することができる
ようになっている。すなわち、マニュアル操作によって
変速段を設定する変速モードであって、これが前記のス
ポーツモードである。このスポーツモードを選択するス
ポーツモードスイッチ103がインストルメントパネル
もしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)など
に設けられている。このスイッチ103をオン操作した
状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進
第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進
第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、
“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジショ
ンに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。上
記Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジ
ション、Lポジション、Rポジションがこの発明の走行
ポジションに相当し、Pポジション、Nポジションがこ
の発明の非走行ポジジョンに相当する。
【0065】上記のエンジン1やモータ・ジェネレータ
2ならびに自動変速機3などの各装置は、車両の状態を
示す各種のデータに基づいて制御される。例えば図8に
示すように、マイクロコンピュータを主体とする総合制
御装置(ECU)104に各種の信号を入力し、その入
力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力す
るようになっている。この入力信号の例を挙げれば、A
BS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信
号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータから
の信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッ
ションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of
Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信
号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オ
フ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトレ
バーの操作位置を検出するシフトポジションセンサの信
号、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキ
のオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセ
ル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信
号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力
スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの
信号、レゾルバ信号、自車両の前方および後方に向けて
照射されたミリ波レーザー光の反射光を検知することに
より、自車両の前方または後方に他車両があるか否かを
検出するためのレーザーレーダーセンサの出力信号など
である。
【0066】また、出力信号の例を挙げると、点火信
号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、モー
タ・ジェネレータ2のコントローラである電子制御装置
11に対する信号、減速装置への信号、ATソレノイド
への信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信
号、ABSアクチュエータへの信号、自動停止制御実施
インジケータへの信号、自動停止制御未実施インジケー
タへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、V
SCアクチュエータへの信号、ATロックアップコント
ロールバルブへの信号、および電動オイルポンプ110
への信号などである。なおここで、自動停止制御とは、
車両が停止した場合に、所定の条件の成立によってエン
ジン1を自動停止する制御であり、燃費および排ガスの
削減のための制御である。前記電動オイルポンプ110
は、基本的には、エンジン1により駆動される前記オイ
ルポンプ6による油圧を補完し、もしくはオイルポンプ
6に替わって油圧を出力するように制御される。前記オ
イルポンプ6が油圧を出力していない場合であっても、
車両の走行状態によっては油圧を出力しない。これは、
不必要な駆動力の消費を可及的に防止して燃費を向上さ
せるためである。
【0067】上記のパワープラントでは、モータ・ジェ
ネレータ2を備え、かつそのモータ・ジェネレータ2が
エンジン1と共に入力軸35に連結されているので、モ
ータ・ジェネレータ2によって発進することができ、ま
たエンジン1を始動(クランキング)することができ
る。さらにオイルポンプ6が、入力軸35に連結されて
いてエンジン1およびモータ・ジェネレータ2のいずれ
によってもオイルポンプ6を駆動し、自動変速機3で必
要な油圧を発生させることができる。そこで、この発明
の制御装置は、図1に示す制御を実行し、燃費を向上さ
せる。
【0068】この図1の制御例は、請求項1の発明に対
応するものであり、先ず、入力信号の読み込みなどの処
理をおこない(ステップS1)、ついでニュートラル
(N)レンジ(ニュートラルポジション)が選択されて
いるか否かが判断される(ステップS2)。これは、シ
フトポジション信号に基づいて判断することができる。
このステップS2で否定判断された場合には、走行時の
ための制御を実行するので、この図1に示すルーチンか
らは抜ける。これに対してステップS2で肯定判断され
た場合には、図6に示すように第1および第2のクラッ
チC1 ,C2 が解放されていて出力軸96にトルクが現
れていない状態になっている。したがって車両は停止す
るか、もしくは停止している状態である。
【0069】この状態から発進するにあたり、エンジン
1によって走行するか、あるいはモータ・ジェネレータ
2によって走行するかが判断される。具体的には、モー
ター走行の条件が成立しているか否かが判断される(ス
テップS3)。一般に、発進時は低回転数で大きいトル
クを必要とするので、このような条件でエンジン1を駆
動すると、燃焼効率が悪いために、燃費が悪化したり、
排ガスが悪化する。そこで、バッテリ10のSOC(充
電状態)が所定値以上の場合に、モーター走行条件が成
立していることが判断される。
【0070】モーター走行条件が成立していることによ
りステップS3で肯定判断された場合、エンジン1の出
力を使用しないから、エンジン1は停止状態に維持され
る。またこの場合、ブレーキONか否か、すなわち車両
の制動がおこなわれているか否かが判断される(ステッ
プS4)。
【0071】このステップS4で肯定判断された場合に
は、自動変速機3がニュートラル状態にあって変速比が
設定されていず、また制動操作されているから、結局、
直ちに発進もしくは加速することがないと推定される。
したがって自動変速機3は、その摩擦係合装置が全て解
放していても支障がないので、ステップS4で肯定判断
された場合には、所定の遅延時間の経過を待って(ステ
ップS5)、電動オイルポンプを停止(OFF)する
(ステップS6)。上述したパワープラントを対象とす
る場合には、電動オイルポンプ110の駆動を停止す
る。
【0072】したがって車両の停止状態で出力トルクを
特には必要としない状況においては、電動オイルポンプ
110を完全に停止するので、電動オイルポンプ110
を駆動するためのエネルギの消費が回避され、その分、
車両全体としての燃費が向上する。なお、ステップS5
で所定の遅延時間の経過を待つこととしたのは、Nレン
ジおよびブレーキONの条件の成立(つまり車両の停止
要求の発生)が一時的であって車両の継続的な停止を意
図したものではない場合があるので、このような状況と
車両の停止を意図した状況とを確実に峻別し、車両の走
行が予定されている場合に油圧が低下してしまうことを
防止するためである。
【0073】このような制御をおこなった場合のタイム
チャートを図2に示してある。すなわちt1 時点にNレ
ンジへのシフトが判定され、その後のt2 時点にモータ
ー走行条件の成立が判断され、さらにその後のt3 時点
にブレーキONの判定がおこなわれると、そのt3 時点
から所定の遅延時間Δtが経過したt4 時点に電動オイ
ルポンプの停止制御が実行され、その回転数が低下する
とともに油圧が低下する。したがってその遅延時間Δt
内にブレーキ油圧が低下してブレーキOFFが判定され
たり、走行レンジ(走行ポジション)へのシフトが検出
されるなど、走行することが推定される条件が成立する
と、油圧が維持され、自動変速機3が通常のレンジ(ポ
ジション)の切り換えと同様に制御されるので、ショッ
クや応答遅れが生じない。
【0074】一方、ステップS3で否定判断された場
合、すなわちモーター走行条件が成立していない場合に
は、エンジン1の出力で走行することになる。この場
合、エンジン1の動力がトルクコンバータ4を介してオ
イルポンプ6に伝達され、オイルポンプ6が駆動され続
けるので、ステップS6に進んで電動オイルポンプ11
0の駆動を停止する。
【0075】さらにステップS4で否定判断された場
合、すなわち制動がおこなわれていない場合には、走行
中であり、あるいは直ちに走行することが推定されるの
で、自動変速機3で所定の変速比を設定する必要があ
る。そこでこの場合は、電動オイルポンプをON制御す
る(ステップS7)。具体的には電動オイルポンプ11
0を駆動し、所定の油圧を発生させる。したがって、モ
ーター走行をおこなう場合、モータ・ジェネレータ2の
出力トルクを増大させることにより、それに応じた駆動
力が直ちに得られるので、応答遅れが生じず、また駆動
トルクが急激に増大することがないので、ショックを防
止することができる。
【0076】なお、上記のステップS6における電動オ
イルポンプの駆動停止は、要は、不必要に油圧を発生さ
せる動力の消費を削減するための制御であるから、オイ
ルポンプの完全な停止以外に、オイルポンプの駆動状態
を低下させる制御であってもよい。具体的には、電動オ
イルポンプ110の回転数を低下させ最低限の油圧を発
生させる制御が考えられる。ここで、図1の制御例とこ
の発明との関係を説明すると、図1に示すステップS
1,〜S6の機能が請求項1における遅延手段に相当す
る。
【0077】上述した例は、エンジン1により駆動され
るオイルポンプ6とは別に電動オイルポンプ110を備
え、エンジン1の停止時に電動オイルポンプ110を駆
動して油圧を発生させる構成の例であるが、この発明
は、この例に限定されず、エンジン停止時に前記モータ
・ジェネレータ2によってオイルポンプ6を駆動するよ
うに構成してもよい。この場合、モータ・ジェネレータ
2によって駆動されるオイルポンプ6がこの発明におけ
る電動オイルポンプに相当する。この発明は、この他
に、モータ・ジェネレータ2を備えていず、かつエンジ
ン1が自動停止される車両を対象として実施することが
できるのであり、その例について次に説明する。
【0078】図9は、駆動系統における電動オイルポン
プ110の配置例を示すブロック図であり、エンジン1
に続けて自動変速機3が配置され、そのトルクコンバー
タ4がエンジン1に連結されている。そして電動オイル
ポンプ110はこのトルクコンバータ4の外周側でかつ
油圧制御部7に接近して配置されている。この電動オイ
ルポンプ110は、ギヤポンプやベーンポンプなどのポ
ンプとモータとを一体化した構成のものであって、図1
0に示すように、コントローラ111を介してバッテリ
112が接続されている。そのコントローラ111は、
前述した各電子制御装置8,11,12とデータ通信可
能に接続され、入力されたデータに応じて電動オイルポ
ンプ110の駆動・停止を制御するように構成されてい
る。なお、そのバッテリ112としては、車両に通常搭
載されている12V(ボルト)バッテリを使用すること
ができる。
【0079】またその電動オイルポンプ110の吐出口
と吸入口とが油圧制御部7に連通されている。すなわち
電動オイルポンプ110は、油圧制御部7における油圧
回路の一部に接続され、自動変速機3におけるオイルポ
ンプ6に替えて、もしくはそのオイルポンプ6と併せて
油圧を発生し、油圧制御部7に供給するように構成され
ている。図11はそのための切換弁120を示してい
る。
【0080】この切換弁120は3つランドを有するス
プール121によってポートの連通・遮断状態を切り換
えるバルブであり、そのスプール121の一方の端部
(図11の右側の端部)にスプリング122が配置さ
れ、そのスプリング122に対抗する押圧力を生じさせ
るため、スプール121の他方の端部に制御ポート12
3が形成されている。
【0081】この制御ポート123には、第1プライマ
リレギュレータバルブ124がオリフィス125を介し
て接続されている。この第1プライマリレギュレータバ
ルブ124は、自動変速機3におけるオイルポンプ(以
下、仮に機械式オイルポンプと記す)6で発生した油圧
を、スロットル開度などに応じた油圧に調圧するバルブ
である。
【0082】前記制御ポート123に隣接した位置に、
常時、開状態に維持されるポート126が形成されてお
り、このポート126に前記第1プライマリレギュレー
タバルブ124が直接連通されている。また、このポー
ト126は、逆止弁127を介してライン圧油路128
に連通されている。また、ポート126に対して前記制
御ポート123とは反対側に隣接する位置に出力ポート
129が形成されている。この出力ポート129は、逆
止弁130を介してライン圧油路128に接続されてい
る。
【0083】出力ポート129に対して前記ポート12
6とは反対側に隣接する位置に入力ポート131が形成
され、この入力ポート131に第2プライマリレギュレ
ータバルブ132を介して電動オイルポンプ110が連
通されている。すなわち電動オイルポンプ110によっ
て発生した油圧を、第2プライマリレギュレータバルブ
132によってアクセル開度などに応じた油圧に調圧し
て入力ポート131に供給するように構成されている。
【0084】したがって、前記ポート126と入力ポー
ト131とは、出力ポート129を挟んだ両側に位置す
るように形成され、スプール121の位置に応じて出力
ポート129がポート126もしくは入力ポート131
に連通するようになっている。具体的には、機械式オイ
ルポンプ6が出力する油圧が低いことにより、前記制御
ポート123に供給される油圧が低く、そのためにスプ
ール121が図11の上半分に示すように図11の左側
に移動している状態では、入力ポート131が出力ポー
ト129に連通し、その結果、機械式オイルポンプ6で
出力した油圧と電動オイルポンプ110で出力した油圧
との両方がライン圧油路128に供給され、これに対し
て機械式オイルポンプ6の出力する油圧が高いために、
スプール121が図11の下半分に示すように図11の
右側に移動している状態では、ポート126がポート1
27と出力ポート129とに連通し、機械式オイルポン
プ6の出力した油圧のみがライン圧油路128に供給さ
れるようになっている。
【0085】さらに、入力ポート131に隣接した位置
にドレーンポート133が形成され、入力ポート131
が出力ポート129に対して遮断された場合に、その入
力ポート131がドレーンポート133に連通するよう
になっている。すなわち電動オイルポンプ110の出力
した油圧をドレーンするように構成されている。この状
態では電動オイルポンプ110に対する負荷が低下す
る。
【0086】一方、前記ライン圧油路128には、アキ
ュームレータ134がオリフィス135を介して接続さ
れ、さらに、セカンダリーレギュレータバルブ136が
接続されている。そのアキュームレータ134は、機械
式オイルポンプ6と電動オイルポンプ110とが出力し
ている油圧をライン圧油路128に供給している状態か
ら、機械式オイルポンプ6の出力する油圧のみをライン
圧油路128に供給する状態に切換弁120が切り替わ
った場合のライン圧油路128での油圧の変動を防止す
るために設けられたものである。したがってその特性
は、図12に示すように、切換弁120の切り換え点圧
力が、アキュームレータ134の動作中の圧力となるよ
うに設定されている。
【0087】なお、エンジン1や自動変速機3などのた
めの電子制御装置および変速機構の構成、ならびに制御
のための入出力データ(信号)は、前述した具体例とほ
ぼ同様に構成すればよく、したがってその詳細な説明
は、上述した具体例での説明を参照することとして、こ
こでは省略する。
【0088】上記の電動オイルポンプ110は、基本的
には、機械式オイルポンプ6による油圧を補完し、もし
くは機械式オイルポンプ6に替わって油圧を出力するよ
うに制御される。また、機械式オイルポンプ6が油圧を
出力していない場合であっても、車両の走行状態によっ
ては停止制御されて油圧を出力しない。これは、不必要
な駆動を可及的に防止して燃費を向上させるためであ
る。その制御例を図13に示してある。
【0089】図13において、先ず、入力信号の読み込
みなど入力信号の処理をおこなう(ステップS11)。
ついで、バッテリ112のSOC(充電状態)が所定の
基準値A%以上か否か、および電動オイルポンプ(E
O)110が正常か否かが判断される(ステップS1
2)。すなわち電動オイルポンプ110を正常に動作さ
せることができるか否かが判断される。
【0090】電動オイルポンプ110を正常に動作させ
ることができることによりステップS12で肯定判断さ
れた場合には、エンジン1が自動停止しているか否かが
判断される(ステップS13)。このエンジン1の自動
停止制御は、車両が停止した際にエンジン1を再始動す
ることのできる状態が整っているなどの条件が成立して
いる場合に、運転者の操作によらずにエンジン1を停止
する制御であり、排ガスの削減と燃費の向上とを目的と
して実施される。このエンジン1の自動停止制御が実行
されると、機械式オイルポンプ6が駆動されなくなって
油圧を発生しなくなる。
【0091】このステップS13で肯定判断された場
合、すなわち機械式オイルポンプ6が停止している場合
には、車両の停止を推定する。具体的には、自動変速機
3のシフトポジションとして非駆動ポジション、例えば
ニュートラル(N)ポジション(もしくはパーキング
(P)ポジション)が選択されているか否かが判断され
る(ステップS14)。非駆動ポジションが選択されて
いることによりステップS14で肯定判断された場合に
は、ブレーキオンか否か、すなわち制動がおこなわれて
いるか否かが判断される(ステップS15)。なお、車
両の停止の推定のために、アクセル・オンか否かを併せ
て判断することとしてもよい。
【0092】これらのステップS14,S15は、図1
に示す制御例でのステップS2およびステップS4と同
様の制御であり、これら2つの判断プロセスで肯定判断
された場合には、車両が停止し、もしくは停止状態を継
続することが推定されるので、その場合、自動変速機3
で変速比を設定する必要がない。すなわち自動変速機3
における全ての摩擦係合装置が解放しても支障がないの
で、機械式オイルポンプ6と併せて電動オイルポンプ1
10の駆動が中断される(ステップS16)。その結
果、不必要な油圧を発生するために動力(電力)が消費
されることがなくなるので、バッテリ112の放電を防
止するとともに、バッテリ112の充電のために消費さ
れる燃料を削減して燃費を向上させることができる。ま
た、電動オイルポンプ110の耐久性を向上させること
ができる。
【0093】なお、この電動オイルポンプ110の駆動
の中断は、主として不必要なエネルギの消費を防止する
ためであるから、電動オイルポンプ110を完全に停止
させる替わりに、吐出量を低下させるように電流を低下
させてもよい。
【0094】一方、車両の走行が予想される場合、すな
わち自動変速機3でNポジション以外のシフトポジショ
ンが選択されていることによりステップS14で否定判
断された場合や、制動がおこなわれていないことにより
ステップS15で否定判断された場合には、ステップS
17に進んで電動オイルポンプ110を駆動する。すな
わち自動変速機3は走行に備えた状態に維持する必要が
あるので、電動オイルポンプ110を駆動して自動変速
機3に油圧を供給し、入力のためのクラッチや所定の変
速段を設定するための摩擦係合装置を係合させる。この
ように制御すれば、エンジン1が始動されると同時にク
リープトルクが発生し、その状態から出力軸トルクが次
第に増大し、スムースな発進および加速を行うことが可
能になる。
【0095】なお、ステップS12で否定判断された場
合には、電動オイルポンプ110の駆動を中止する(ス
テップS18)。すなわち電動オイルポンプ110を正
常な状態で制御することができないので、電動オイルポ
ンプ110を止める。また、その後に再度使用すること
(再駆動)を禁止する。さらに、エンジン1の自動停止
を禁止する(ステップS19)。すなわち、バッテリ1
12のSOCが低くエンジン1の再始動が困難な状態な
ので、自動停止の条件が整ってもエンジン1を停止させ
ないようにする。
【0096】図13に示す制御例は、図9に示す駆動系
統を備えた車両を対象とするものであるが、図9に示す
駆動系統を備えた車両であれば、エンジン1の停止に伴
って機械式オイルポンプ6が停止している場合に、電動
機によってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、も
しくは電動機によるオイルポンプの駆動を停止すること
ができるのであるから、図9に示す駆動系統を備えた車
両を対象として図1に示す制御を実行することができ
る。その場合であっても、図1の制御例は図3に示すパ
ワートレーンを備えた車両を対象とする場合と変わると
ころはない。
【0097】上記の図13に示す制御例では、非駆動ポ
ジションが選択され、かつ制動操作がおこなわれている
ことにより、車両の停止を推定するように構成したが、
車両の停止の推定、言い換えれば、発進しないことの推
定は、他の手段でおこなってもよい。図14はその一例
を示しており、前述したステップS14での非駆動ポジ
ションが選択されていることの判断の替わりに、パーキ
ング(P)ポジションが選択されているか否かを判断し
(ステップS14−1)、また前記のステップS15に
おけるブレーキ・オンの判断の替わりに、車速がゼロか
否か、すなわち停車しているか否かを判断する(ステッ
プS15−1)。他の制御は、図13に示す制御例と変
わらないので、その説明を省略する。
【0098】すなわち図14に示す制御例では、Pポジ
ションが選択され、かつ停車している場合には、発進す
ることがないと判断され、電動オイルポンプ110の駆
動を停止する。発進のための操作がおこなわれてから電
動オイルポンプ110を駆動して自動変速機3に油圧を
供給しても支障がないと考えられるからである。これ
は、上述した図13に示す制御例においても同様であ
る。これに対してステップS14−1もしくはステップ
S15−1で否定判断された場合には、車両が発進する
可能性が高いので、電動オイルポンプ110を駆動す
る。
【0099】したがって図14に示すように制御して
も、自動変速機3で変速比を設定する必要がない状態で
電動オイルポンプ110の駆動を停止してエネルギの消
費を防止するので、燃費を向上させ、また排ガスを削減
でき、さらには電動オイルポンプ110の耐久性を向上
させることができる。
【0100】図15は、この発明で対象とするパワート
レーンおよび制御系統の他の構成例を模式的に示すブロ
ック図である。図15において、図3と同様の構成につ
いては同様の符号が付されている。具体的には機械式オ
イルポンプ6と電動オイルポンプ110とは、共に、自
動変速機3に対する油圧源となっており、そのための油
圧回路が図16に示すように構成されている。すなわち
2つの入力ポート137,138と、1つの出力ポート
139とを備えるチェックボール機構140が設けられ
ている。そして、その一方の入力ポート137に機械式
オイルポンプ6の吐出口が連通され、また他方の入力ポ
ート138に電動オイルポンプ110の吐出口が連通さ
れている。さらに油圧制御部7には、ライン圧をスロッ
トル開度あるいはアクセル開度に応じた圧力に調圧する
プライマリレギュレータバルブ141が設けられてお
り、このプライマリーレギュレータバルブ141に前記
チェックボール機構140の出力ポート139が連通さ
れている。
【0101】このチェックボール機構140は、各ポー
ト137,138,139によって囲われている空間部
分に、入力ポート137,138の内側に押し付けられ
ることによりその入力ポート137,138を封止する
ボール147を移動自在に配置したバルブ機構である。
したがって、ポンプ6,110のうちいずれか一方の吐
出圧が高い場合に、吐出圧の低いポンプが接続されてい
る入力ポートの内側にボール147が押し付けられる。
その結果、吐出圧の高いポンプから出力ポート139を
介してプライマリレギュレータバルブ141に油圧を供
給するように構成されている。
【0102】また図15においては、エンジン1のクラ
ンクシャフトには駆動装置142を介してモータ・ジェ
ネレータ(MG)143が連結されている。駆動装置1
42は、複数のプーリ、およびこれらのプーリに掛け回
されたベルトなどにより構成された減速装置(図示せ
ず)を有する。このモータ・ジェネレータ143には、
インバータ144を介してバッテリ145が電気的に接
続されているとともに、インバータ144およびバッテ
リ145を制御する電子制御装置(MG−ECU)14
6が設けられている。
【0103】この電子制御装置146は、電子制御装置
8および総合制御装置104に対して、相互にデータ通
信可能に接続されている。また、総合制御装置104に
おける入出力信号は、図8の場合と同様である。なお、
図15のシステムの場合は、図8の総合制御装置104
の出力信号の一つであるコントローラ制御信号に、電子
制御装置11に対する信号および電子制御装置146に
対する信号が含まれる。上記モータ・ジェネレータ14
3は、エンジン1を始動する始動装置としての機能と、
エアコン用コンプレッサなどの補機を駆動する機能と、
エンジン1の動力により駆動されてバッテリ145に充
電するための電気エネルギを発生する発電機としての機
能とを有している。
【0104】一方、図15のパワートレーンにおいて
は、車両の駆動力源としてのエンジン1およびモータ・
ジェネレータ2の駆動・停止が、図17に示すような、
車速およびアクセル開度をパラメータとするマップに基
づいて制御される。なお、図15のシステムにおいて、
モータ・ジェネレータ2および自動変速機3の構成は、
図4および図5と同様に構成されているとともに、自動
変速機3の摩擦係合装置の係合・解放も図6と同様に設
定される。さらには、図15の自動変速機3で設定可能
なシフトポジションも図7と同様である。
【0105】上記図15,16に示すシステムにおい
て、車両の状態により電動オイルポンプ110の状態を
制御する場合の具体例を、図18のフローチャートに基
づいて説明する。この図18の制御例は、請求項3の発
明に対応している。先ず入力信号の読み込みなどの処理
をおこない(ステップS21)、ついで、自車両が停車
中である(つまり車速が零である)か否かが判断される
(ステップS22)。ステップS22で否定的に判断さ
れた場合は、自車両が走行しており、エンジン1により
オイルポンプ6が作動しているので(ステップS2
3)、リターンされる。
【0106】一方、ステップS22で肯定的に判断され
た場合は、フットブレーキがオンされているか否かが判
断される(ステップS24)。ステップS24で否定的
に判断された場合は、自車両の発進が予測されるためス
テップS23に進んで電動オイルポンプ110を駆動
し、リターンされる。これに対して、ステップS24で
肯定的に判断された場合は、自動変速機3のシフトポジ
ションが非走行ポジジョン(NポジションまたはPポジ
ション)であるか否かが判断される(ステップS2
5)。このように、ステップS22,24を経由し、か
つ、ステップS25で肯定的に判断された場合は、自車
両の停車が継続される可能性が大きいため、自車両の周
囲の前方または後方における他車両の有無に関係なく、
電動オイルポンプ110を停止し(ステップS26)、
リターンされる。
【0107】前記ステップ25で否定的に判断された場
合は、選択されている走行ポジジョンがDポジションで
あるか否かが判断される(ステップS27)。ステップ
S27で肯定的に判断された場合は、自車両が前進走行
する可能性があるため、自車両の前方に他車両があるか
否かが判断される(ステップS28)。ステップS28
で否定的に判断された場合は、エンジン1を自動停止す
るとともに、電動オイルポンプ110を駆動し(ステッ
プS29)、リターンされる。
【0108】ところで、ステップS28で肯定的に判断
された場合は、自車両が即座に前進走行する可能性が少
ないため、電動オイルポンプ110を停止し(ステップ
S30)、リターンされる。なお、上記のように、自車
両の前方に他車両があるか否かに基づいて、電動オイル
ポンプ110の停止または駆動を選択する他に、自車両
の前方に他車両がある場合は電動オイルポンプ110の
回転数を所定の低回転数にキープさせる一方、自車両の
前方に他車両がない場合は電動オイルポンプ110のを
駆動を所定の高回転数以上にキープさせる制御をおこな
うことも可能である。このように、電動オイルポンプ1
10の回転数を所定の低回転数(零ではないが、自車両
走行時の設定回転数よりも低い値)にキープした場合
は、電動オイルポンプ110の吐出油圧が、ステップ2
9の場合に比べて低圧になる、いわゆる低圧待機状態に
なる。
【0109】前記ステップ27で否定的に判断された場
合は、走行ポジションとしてRポジションが選択されて
いるか否かが判断される(ステップS31)。ステップ
S31で肯定的に判断された場合は、自車両の後方に他
車両があるか否かが判断される(ステップS32)。ス
テップS32で肯定的に判断された場合は自車両が即座
に後退走行する可能性が少ないため、ステップS30に
進む。
【0110】これに対して、ステップS32で否定的に
判断された場合は、自車両が即座に後退走行する可能性
があるため、電動オイルポンプ110を駆動し(ステッ
プS33)、リターンされる。また、前記ステップS3
1で否定的に判断された場合も、シフトポジションの判
別がおこなわれていない可能性があるために、ステップ
S33に進む。
【0111】ここで、図18に示された機能的手段と、
請求項3の構成との対応関係を説明する。すなわち、ス
テップS22の機能が請求項3の停車検出手段に相当
し、ステップS24の機能が請求項3の制動検出手段に
相当し、ステップS25,27,31の機能が請求項3
の走行ポジション検出手段に相当し、ステップS28,
32の機能が請求項3の他車両検出手段に相当し、ステ
ップS30の機能が請求項3のオイルポンプ駆動低下手
段に相当する。
【0112】このように、図18の制御例においては、
自車両が停車し、かつ、フットブレーキがオンされ、か
つ、走行ポジションが選択され、かつ、自車両の前方ま
たは後方に他車両がある場合は、自車両が即座に発進す
る可能性は少ない。このため、電動オイルポンプ110
を停止させたとしても、自車両の走行には支障が生じる
ことはなく、消費電力を低減もしくは節約することがで
きる。また、電動オイルポンプ110を駆動するモータ
が、同期モータなどのように、スリップリングにブラシ
を備えたモータである場合は、上記制御例のようにモー
タの駆動頻度を減少させることにより、ブラシの摩耗が
抑制されてその耐久性が向上する。
【0113】なお、図17に示すマップに基づいてエン
ジン1を停止・始動させる、いわゆる駆動力源の切り換
え制御システムの起動中に、エンジン1の始動後に一旦
マニュアルシフトされてエンジンが自動停止し、再作動
禁止ロジックが働いた場合には、図18の制御例のステ
ップS28,32において、自車両の前方または後方の
車両の有無を確認する必要はない。ここで、再作動禁止
ロジックとは、車速およびアクセル開度の頻繁な変化に
より、エンジン1の始動と停止とが交互に頻繁に切り換
えられる事態を禁止する目的で、一旦エンジン1を停止
した後は、自車両が所定距離を走行しない限り、再びエ
ンジン1を始動・停止させないロジックである。
【0114】つぎに、自車両の停車中に、電動オイルポ
ンプ110を駆動する場合のタイムチャートを図19に
示す。すなわち停車中にエンジン1を停止する条件が成
立してその停止制御が実行される場合、エンジン停止指
令の出力が予想されるt1 時点より所定時間(TL秒)
前のt0 時点に電動オイルポンプ110のオン制御を実
行する。これは、エンジン1が停止して機械式オイルポ
ンプ6による油圧が低下する場合に、電動オイルポンプ
110の油圧のいわゆる立ち上がりの遅れを回避するた
めである。この図19において、実線で示す電動オイル
ポンプ110の制御状態は、ステップ29,33(つま
り、自車両の前進または後退が予測される場合)に対応
する内容であり、電動オイルポンプ110の回転数が所
定の高回転数以上に制御されることを意味している。
【0115】ついで、時刻t1でエンジン1の停止指令
が出力されるとほぼ同時に、モータ・ジェネレータ2の
トルクを増大させる制御を実行し、その過程のt2 時点
にエンジン回転数がほぼゼロとなり、これとほぼ同時に
ロックアップクラッチ18を係合(オン)させる制御が
開始される。そして、t3 時点にモータ・ジェネレータ
2のトルクが所定のトルクに達し、その後にロックアッ
プクラッチ18が完全に係合した状態になる。
【0116】一方、発進や発電などのためにエンジン1
を始動する場合には、そのエンジン1の始動指令の出力
が予想されるt5 時点より前のt4 時点に、モータ・ジ
ェネレータ2のトルクを低下させる制御が開始される。
そしてエンジン回転数が所定の回転数に達したt6 時点
に電動オイルポンプ110の停止制御が実行される。こ
れに対して、自車両の前方または後方に他車両があり、
自車両の前進または後退の可能性が少ない場合は、前記
ステップ30のような内容で電動オイルポンプ110が
制御される。すなわち、図19に一点鎖線で示すように
電動オイルポンプ110を停止させる制御、または電動
オイルポンプ110の回転数を所定の低回転数にキープ
することにより、図19に二点鎖線で示すように電動オ
イルポンプ110を低圧待機状態にする制御のいずれか
を選択することが可能である。
【0117】なお、図18の制御例においては、Dポジ
ションが選択されている状態で、自車両の後方に他車両
のあることが検出された場合、またはRポジションが選
択されている状態で、自車両の前方に他車両のあること
が検出された場合であっても、いずれも自車両を即座に
走行させることが可能であるために、電動オイルポンプ
110は停止しない。
【0118】さらにまた、図15に示すシステムにおい
て、エンジン1およびモータ・ジェネレータ2の駆動・
停止を制御する場合に、図20に示すようなマップを用
いることも可能である。すなわち、図20のマップはア
クセル開度および車速をパラメータとして、エンジン1
の駆動領域とモータ・ジェネレータ2の駆動領域とが設
定されているとともに、モータ・ジェネレータ2の駆動
領域においては自動変速機3の第1速〜第3速が設定さ
れ、エンジン1の駆動領域においては自動変速機3の第
1速〜第5速が設定される。なお、図17に示すマップ
または図20に示すマップを、前述した図3,4,5,
6,7,8のシステムにおいて、エンジン1およびモー
タ・ジェネレータ2の駆動・停止を制御する場合に適用
することも可能である。
【0119】図21のフローチャートは、請求項4およ
び請求項5に対応する制御例であり、図21の制御例は
図3,9,15のシステムに適用することが可能であ
る。この図21の制御例は単独でおこなうことが可能で
あるほか、図21の制御例と、図1,13,14,18
のうちのいずれかの制御例とを組み合わせて使用するこ
とも可能である。図21においては、まず、入力信号の
処理がおこなわれ(ステップS41)、ついで、車速が
零であり、かつ、フットブレーキがオンされているか否
かが判断される(ステップS42)。すなわち、ステッ
プS42においては、停車中に運転者の制動意志の有無
が判断される。
【0120】ステップS42で肯定的に判断された場合
は、シフトポジションセンサがフェールしているか否か
が判断される(ステップS43)。例えば、2つのシフ
トポジションに対応する2つの接点が同時にオンしてい
る状態、または全てのシフトポジションに対応する接点
が同時にオンしている状態の少なくとも一方が検出され
た場合は、ステップS43で肯定的に判断される。つい
で、エンジン1が駆動されているか否かが判断される
(ステップS44)。
【0121】ステップS44で否定的に判断された場合
は、電動オイルポンプ110を駆動し(ステップS4
5)、リターンされする。すなわち、Nポジションまた
はPポジションが選択されていれば、停車中であるため
に本来は電動オイルポンプ110を駆動する必要はない
が、Dポジションが選択されている可能性もあるため、
車両の発進に備えて電動オイルポンプ110を駆動して
いる。なお、ステップS42で否定的に判断された場合
もステップS45に進む。
【0122】これに対して、ステップS44で否定的に
判断された場合について説明する。通常は、図17また
は図20に示すマップに基づいて、エンジン1およびモ
ータ・ジェネレータ2の駆動・停止が制御されるが、モ
ータ・ジェネレータ2に電力を供給するバッテリ10の
SOCが所定値以下であるために、このバッテリ10に
充電することを目的としてエンジン1が駆動されている
場合や、モータ・ジェネレータ2のフェールによりエン
ジン1が駆動されている場合は、エンジン1の動力によ
り機械式オイルポンプ6が駆動されている。したがっ
て、電動オイルポンプ110を駆動する必要はなく、こ
の電動オイルポンプ110を停止し(ステップS4
6)、リターンされる。
【0123】一方、前記ステップ43で否定的に判断さ
れた場合は、NポジションまたはPポジションが選択さ
れているか否かが判断される(ステップS47)。ステ
ップS47で肯定的に判断された場合は、電動オイルポ
ンプ110を停止、または低圧待機状態に制御し(ステ
ップS48)、リターンされる。このステップS48の
具体的な制御内容は、図18のステップS30の制御内
容と同様である。
【0124】これに対して、ステップS47で否定的に
判断された場合は、車両の発進に備えて電動オイルポン
プ110を駆動させ(ステップS49)、リターンされ
る。すなわち、走行ポジションが選択されているために
車両の発進性を優先して、第1クラッチC1 を係合する
ための油圧を確保する。
【0125】ここで、図21のフローチャートに示され
た機能的手段と、請求項4の発明および請求項5の発明
との対応関係を説明する。ステップS41,〜S45が
この発明のオイルポンプ駆動低下禁止手段に相当する。
このように、図21の制御例においても、車両が停止
し、かつ、車両の制動が検出され、かつ、非走行ポジジ
ョンが選択されている場合は、車両の発進に支障がない
範囲で電動オイルポンプ110の駆動が低下される。し
たがって、消費電力を低減することができる。
【0126】一方、ステップS42で肯定的に判断され
た場合でも、その後に走行ポジジョンが選択されると、
解放されていた第1クラッチC1 が係合されて車両が発
進する可能性がある。ここで、シフトポジションセンサ
がフェールしており、非走行ポジジョンから走行ポジジ
ョンに切り換えられたことを検出することができない場
合(言い換えれば車両が走行するか否かを判断すること
ができない場合)は、第1クラッチC1 が係合油圧の立
ち上げが遅れ、車両の発進性が低下するとともに、第1
クラッチC1 のスリップが促進されてその耐久性が低下
する可能性がある。
【0127】これに対して、図21の制御例において
は、シフトポジションセンサのフェールが検出され、か
つ、エンジン1の停止が検出された場合は、電動オイル
ポンプ110が駆動されるために、第1クラッチC1 の
係合油圧が迅速に立ち上げられ、車両の発進性および第
1クラッチC1 の耐久性を向上することができる。言い
換えれば、電動オイルポンプ110を駆動するために必
要な消費電力の低減と、シフトポジションセンサのフェ
ールセイフ機能とを両立させることができる。
【0128】図22のフローチャートは、請求項1と請
求項2と請求項6と請求項7とに対応する制御例であ
り、図22の制御例は図3,9,15のシステムに適用
することが可能である。この図22の制御例は単独でお
こなうことができるほか、図22の制御例と、図1,1
3,14,18のうちのいずれかの制御例とを組み合わ
せて使用することもできる。なお、図22のステップS
51の内容は、図21のステップS41の内容と同様で
あり、ステップS52の内容はステップS42の内容と
同様であり、ステップS53の内容はステップS43の
内容と同様であり、ステップS54の内容はステップS
44の内容と同様であり、ステップS55の内容はステ
ップS45の内容と同様であり、ステップS56の内容
はステップS46の内容と同様であるため説明を省略す
る。
【0129】ところで、図22のステップS53で否定
的に判断された場合は、Nポジションが選択されている
か否かが判断され(ステップS57)、ステップS57
で肯定的に判断された場合は、車両の停止要求が発生
(Nポジションが選択され、かつ、車両が停止し、か
つ、ブレーキがONされ、かつ、アクセルがOFFされ
た状態)してから電動オイルポンプ110の駆動低下制
御を開始するまでの所定時間TNSを、Nポジションが
選択されるまでのシフト履歴に基づいて設定する(ステ
ップS58)。
【0130】このシフト履歴には、Nポジションに切り
換えられる前の走行ポジションの種類や、Nポジション
に切り換えられる前の走行ポジションの継続時間などが
含まれている。例えば、DポジションからNポジション
に切り換えられた場合と、RポジションからNポジショ
ンに切り換えられた場合とが、異なるシフト履歴として
区別される。そして、例えば、DポジションからNポジ
ションに切り換えられた場合の所定時間TNSを5秒に
設定し、RポジションからNポジションに切り換えられ
た場合の所定時間TNSを10秒に設定することができ
る。
【0131】また、RポジションからNポジションに切
り換えられた場合であっても、Rポジションの継続時間
により、異なるシフト履歴として区別することができ
る。そして、例えば、Rポジションの継続時間が1秒以
下である場合の所定時間TNSを5秒に設定し、Rポジ
ションの継続時間が1秒〜10秒である場合の所定時間
TNSを10秒に設定し、Rポジションの継続時間が1
0秒以上である場合の所定時間TNSを5秒に設定する
ことができる。
【0132】つまり、Rポジションと所定の走行ポジシ
ョンとの相互の切り換えが頻繁におこなわれる、いわゆ
るガレージシフト時には、たとえRポジションからNポ
ジションに変更されたとしても、すぐに走行ポジション
に切り換えられて車両が発進する可能性がある。そこ
で、このような状況では電動オイルポンプ110の駆動
状態の頻繁な変更を避けることを目的として、所定時間
TNSを可及的に長く設定し、電動オイルポンプ110
の油圧を低下しにくくしているのである。
【0133】上記のようにして所定時間TNSを設定し
た後、この所定時間TNSの経過後に電動オイルポンプ
110の駆動を低下させる制御をおこない(ステップS
59)、リターンされる。このステップS59の内容
は、図18のステップS30と同様であるため説明を省
略する。
【0134】前記ステップS57で否定的に判断された
場合は、Pポジションが選択されているか否かが判断さ
れ(ステップS60)、ステップS60で否定的に判断
された場合は、車両の発進に備えて電動オイルポンプ1
10を駆動させ(ステップS61)、リターンされる。
すなわち、走行ポジションが選択されているために車両
の発進性を優先して第1クラッチC1 を係合するための
油圧を確保する。
【0135】また、ステップS60で肯定的に判断され
た場合は、運転者が明らかに停車継続を意図しているも
のと判定し、シフト履歴に関係なく、すなわち、前述の
所定時間TNSを設定することなく、電動オイルポンプ
110の駆動を停止、または低圧待機させる制御をおこ
ない(ステップS62)、リターンする。
【0136】ここで、図22に示された機能的手段とこ
の発明との対応関係を説明する。ステップS51,5
2,53,57,58,59が、請求項1または請求項
2の遅延手段、または請求項6および請求項7のオイル
ポンプ制御手段に相当する。
【0137】つぎに、図22の制御例に対応するタイム
チャートの一例を図23に示す。すなわち、図20に示
すマップに基づいてエンジン1およびモータ・ジェネレ
ータ2の駆動・停止が制御されている際に、エンジン運
転指令がOFFされるとエンジン回転数が徐々に低下す
るとともに、停止していた電動オイルポンプ110が時
刻t1で駆動を開始し、その吐出油圧が所定値まで上昇
する。その後、エンジン1回転数が零になるとともに、
時刻T1から時間TLが経過した時刻t2において、車
速Vが零になる。
【0138】また、時刻t3において、Dポジションか
らNポジションに切り換えられると、モータ・ジェネレ
ータ2のトルクが低下し始め、その後、このトルクが零
になる。ついで、時刻t3から所定時間TNSが経過し
た時刻t4において、電動オイルポンプ110の駆動が
低下される。電動オイルポンプ110の駆動の低下態様
としては、一点鎖線で示すように停止する制御、また
は、二点鎖線で示すように低圧待機制御のいずれかが選
択される。
【0139】その後、時刻t5において、アクセルがO
Nされて車両の停止要求が解除されると、時刻t6にお
いてエンジン運転指令がONされるとともに、エンジン
回転数が上昇を開始する。さらに、時刻t7において、
エンジン回転数が所定の値に到達すると、時刻t4以降
に電動オイルポンプ110が低圧待機、または停止のい
ずれの制御がおこなわれていたとしても、電動オイルポ
ンプ110が停止状態に制御される。
【0140】このように、図22,23の制御例におい
ても、車両の制動がおこなわれ、かつ、非走行ポジショ
ンが選択された場合(つまり、停止要求が発生した場
合)には電動オイルポンプ110の駆動が低下されるた
め、電動オイルポンプ110を駆動させるための消費電
力を低下することができる。
【0141】また、非走行ポジションが選択され、か
つ、車両の制動がおこなわれてから所定時間TNSが経
過した後に、電動オイルポンプ110の駆動が低下され
る。つまり、所定時間TNSが経過するまでの間に、非
走行ポジションから走行ポジションへの切り換えや、制
動の解除がおこなわれて車両がすぐに発進する可能性が
ある場合には、電動オイルポンプ110の駆動が低下さ
れない。したがって、第1のクラッチC1 を係合させる
油圧の立ち上がり遅れが回避され、車両の発進応答性が
向上する。また、第1クラッチC1 のスリップが抑制さ
れ、その耐久性を向上させることができる。
【0142】さらに、シフト履歴、具体的には、Nポジ
ションが選択される前の走行ポジションの種類、または
Nポジションが選択される前の走行ポジションの継続時
間から、すぐに車両が発進する可能性があるか否かが判
断され、その判断結果に基づいて電動オイルポンプ11
0の駆動を低下するまでの所定時間TNSが変更され
る。したがって、運転者の車両操作意図と、電動オイル
ポンプ110の駆動状態、具体的には、第1のクラッチ
C1 に供給される油圧とを適合させることができる。
【0143】以上、この発明を具体例を参照して説明し
たが、この発明は上述した具体例に限定されないのであ
って、変速比を不連続(段階的)に変更することの可能
な有段変速機以外に、変速比を連続的(無段階)に変更
することの可能な無段変速機を搭載した車両を対象とし
て実施することができる。また、この発明は、エンジン
の出力を変速機構に伝達するための入力クラッチ(つま
り、駆動装置)の油圧を、電動オイルポンプにより立ち
上げるように構成された車両に対しても適用可能であ
る。
【0144】ここで、上記の具体例に基づいて開示され
たこの発明の特徴的な構成を列挙すれば以下のとおりで
ある。すなわち、第一の手段は、駆動力の伝達をおこな
うことのできる走行ポジションと駆動力を伝達しない非
走行ポジションとを選択可能で、駆動力を伝達する係合
装置もしくは変速比を設定する係合装置を有する駆動装
置に、前記係合装置を係合するための油圧を、電動機に
よって駆動されるオイルポンプから供給する伝動装置用
電動オイルポンプを備えた車両の制御装置において、自
車両が停車していることを検出する停車検出手段と、前
記走行ポジションが選択されていることを検出する走行
ポジション検出手段と、前記自車両の走行予定方向に他
車両があることを検出する他車両検出手段と、前記自車
両が停車していることが前記停車検出手段により検出さ
れ、かつ、前記走行ポジションが選択されていることが
前記走行ポジション検出手段で検出され、かつ、前記自
車両の走行予定方向に他車両があることが前記他車両検
出手段により検出された場合は、前記電動機によるオイ
ルポンプの駆動を低下させるオイルポンプ駆動低下手段
とを有することを特徴とする伝動装置用電動オイルポン
プを備えた車両の制御装置。この第一の手段において、
走行ポジションが自車両を後退させるためのポジジョン
である場合は、自車両の前方に他車両があることが検出
された場合でも、オイルポンプの駆動を低下させないオ
イルポンプ駆動低下禁止手段を備えることも可能であ
る。
【0145】また、第二の手段は、駆動力の伝達をおこ
なうことのできる走行ポジションと駆動力を伝達しない
非走行ポジションとを選択可能で、駆動力を伝達する係
合装置もしくは変速比を設定する係合装置を有する駆動
装置に、前記係合装置を係合するための油圧を、電動機
によって駆動されるオイルポンプから供給する伝動装置
用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置において、
前記駆動装置のポジションに基づいて前記電動機の駆動
・停止を制御する第一の電動機制御手段と、前記駆動装
置のシフトポジションを判断することができない場合は
前記電動機を駆動制御する第二の電動機制御手段とを有
することを特徴とする伝動装置用電動オイルポンプを備
えた車両の制御装置。前記第二の手段において、車両の
駆動力源としてのエンジンと、このエンジンの動力によ
り駆動される機械式オイルポンプとが設けられており、
前記シフトポジションを判断することができない場合で
も、前記エンジンが駆動している場合は前記電動機を停
止させる第三の電動機制御手段を有することを特徴とす
る伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装
置。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、車両の停止要求がある場合でも、すぐに車両が発
進する可能性がある場合には、電動機により駆動される
オイルポンプの駆動が低下されない。つまり、運転者の
車両操作意図と、係合装置に供給される油圧とを適合さ
せることができる。したがって、車両の発進時に係合装
置を係合させるための油圧の立ち上がり遅れが回避さ
れ、係合装置の応答性が向上し、かつ、係合装置の耐久
性を向上させることができる。
【0147】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、非走行ポジションが選択
されるまでのシフト履歴に基づいて、停車中の車両がす
ぐに発進するか否かを判断することができ、その判断結
果に基づいて電動機により駆動されるオイルポンプの駆
動を低下するまでの所定時間が変更される。したがっ
て、運転者の車両操作意図と係合装置に供給される油圧
とを適合させることができる。
【0148】請求項3の発明によれば、自車両が停車
し、かつ、自車両の制動がおこなわれ、かつ、自車両で
走行ポジションが選択され、かつ、自車両の走行予定方
向に他車両がある場合は、自車両が発進する可能性が少
ない。したがって、電動機により駆動されるオイルポン
プから係合装置に油圧が供給されなくなっても支障が生
じることはなく、運転者の車両操作意図と、係合装置に
供給される油圧とを適合させることができる。
【0149】請求項4の発明によれば、車両が走行する
か否かを判断することができない場合は、電動機により
駆動されるオイルポンプの駆動の低下が禁止され、係合
装置に油圧を供給して車両の走行に備える。したがっ
て、運転者が車両の走行を意図していた場合でも、車両
の発進時に係合装置を係合させるための油圧の立ち上が
り遅れが回避され、係合装置の応答性が向上し、かつ、
係合装置の耐久性を向上させることができる。
【0150】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
と同様の効果を得られるほか、シフトポジションセンサ
のフェールにより、車両が走行するか否かを判断するこ
とができない場合は、電動機により駆動されるオイルポ
ンプの駆動の低下が禁止される。したがって、運転者が
車両の走行を意図していた場合でも、車両の発進時に係
合装置を係合させるための油圧の立ち上がり遅れが回避
され、係合装置の応答性が向上し、かつ、係合装置の耐
久性を向上させることができる。
【0151】請求項6の発明によれば、シフト履歴に基
づいてオイルポンプの制御内容が決定されるため、非走
行ポジションが選択された後の車両の挙動に適したオイ
ルポンプの駆動状態になる。したがって、運転者の車両
操作意図と、係合装置に供給される油圧とを適合させる
ことができる。
【0152】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
と同様の効果を得られるほか、走行ポジションと非走行
ポジションとの切り換えが頻繁におこなわれている場合
は、たとえ非走行ポジションが選択されたとしても、す
ぐに非走行ポジジョンに切り換えられる可能性があるた
め、記電動機により駆動されるオイルポンプの駆動の低
下が禁止される。したがって、運転者の車両操作意図
と、係合装置に供給される油圧とを適合させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説
明するためのフローチャートである。
【図2】 図1に示す制御でモータ・ジェネレータによ
るオイルポンプの駆動を停止する場合のタイムチャート
である。
【図3】 この発明で対象とするパワートレーンおよび
制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図4】 図3に示すモータ・ジェネレータの周辺の具
体的な構成の例を示す部分断面図である。
【図5】 図3に示す自動変速機のギヤトレーンの一例
を示すスケルトン図である。
【図6】 図3の自動変速機の各変速段を設定するため
のクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表であ
る。
【図7】 図3の自動変速機におけるシフトポジション
の一例を示す配置図である。
【図8】 この発明の一例における総合制御装置におけ
る入出力信号を示す図である。
【図9】 この発明で対象とする駆動系統の他の例を示
すブロック図である。
【図10】 図9に示す電動オイルポンプの制御系統を
説明するためのブロック図である。
【図11】 油圧の供給源と機械式オイルポンプと電動
オイルポンプとに切り換える切換弁の一例を示す模式図
である。
【図12】 図11に示すアキュームレータの特性を示
す線図である。
【図13】 この発明の他の制御例を説明するためのフ
ローチャートである。
【図14】 この発明の更に他の制御例を説明するため
のフローチャートである。
【図15】 この発明で対象とするパワートレーンおよ
び制御系統の他の構成例を模式的に示すブロック図であ
る。
【図16】 図15のシステムにおいて、機械式オイル
ポンプと電動オイルポンプとを切り換えてプライマリレ
ギュレータバルブに接続するための機構の一例を示す模
式図である。
【図17】 この発明で対象とするパワートレーンにお
いて、エンジンの駆動領域と、モータ・ジェネレータの
駆動領域とを設定した制御マップの一例である。
【図18】 この発明の制御装置で実行される更に他の
制御例を説明するためのフローチャートである。
【図19】 図18の制御例において、自車両の停車中
に他車両の有無に基づいて電動オイルポンプを制御する
場合のタイムチャートである。
【図20】 この発明で対象とするパワートレーンにお
いて、エンジンの駆動領域と、モータ・ジェネレータの
駆動領域とを設定した制御マップの他の例である。
【図21】 この発明の制御装置で実行される更に他の
制御例を説明するためのフローチャートである。
【図22】 この発明の制御装置で実行される更に他の
制御例を説明するためのフローチャートである。
【図23】 図22の制御例に対応するタイムチャート
である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 3…自
動変速機、 4…トルクコンバータ、 5…変速機構、
6…オイルポンプ、 11…モータ・ジェネレータ用
電子制御装置、 62…ロックアップクラッチ、 11
0…電動オイルポンプ、 C1 …第1クラッチ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 61/00 (72)発明者 田端 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA04 AA21 AB01 AC01 AC02 AC09 AC15 AC28 AD00 AD02 AD10 AD14 AD30 AD31 AD41 AD46 AD51 AE01 3G093 AA05 AA07 AA15 AA16 AB00 AB01 BA17 BA19 CB07 CB14 DA01 DA05 DA06 DB00 DB01 DB06 DB11 DB15 DB16 DB23 EB00 EC02 EC04 FA11 FB04 FB05 3J052 AA04 CB11 CB16 FB25 FB33 GC04 GC46 GC64 HA02 KA01 LA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力の伝達をおこなうことのできる走
    行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジションと
    を選択可能で、駆動力を伝達する係合装置もしくは変速
    比を設定する係合装置を有する駆動装置と、前記係合装
    置を係合するための油圧を供給し、かつ、電動機により
    駆動されるオイルポンプとを備え、車両の停止要求があ
    る場合に、前記電動機によるオイルポンプの駆動を低下
    させることのできる伝動装置用電動オイルポンプを備え
    た車両の制御装置において、 前記車両の停止要求が発生してから所定時間が経過した
    後に、前記電動機によるオイルポンプの駆動を低下させ
    る遅延手段を備えていることを特徴とする伝動装置用電
    動オイルポンプを備えた車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記遅延手段には、前記非走行ポジショ
    ンが選択されるまでのシフト履歴に基づいて前記所定時
    間を設定する機能が含まれていることを特徴とする請求
    項1に記載の伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 駆動力の伝達をおこなうことのできる走
    行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジションと
    を選択可能で、駆動力を伝達する係合装置もしくは変速
    比を設定する係合装置を有する駆動装置が設けられ、前
    記係合装置を係合するための油圧を、電動機により駆動
    されるオイルポンプから供給することのできる伝動装置
    用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置において、 自車両が停車していることを検出する停車検出手段と、 前記自車両の制動がおこなわれていることを検出する制
    動検出手段と、 前記走行ポジションが選択されていることを検出する走
    行ポジション検出手段と、 前記自車両の走行予定方向に他車両があることを検出す
    る他車両検出手段と、 前記自車両が停車していることが前記停車検出手段によ
    り検出され、かつ、前記自車両の制動がおこなわれてい
    ることが前記制動検出手段で検出され、かつ、前記走行
    ポジションが選択されていることが前記走行ポジション
    検出手段で検出され、かつ、前記自車両の走行予定方向
    に他車両があることが前記他車両検出手段により検出さ
    れた場合は、前記電動機により駆動されるオイルポンプ
    の駆動を低下させるオイルポンプ駆動低下手段とを備え
    ていることを特徴とする伝動装置用電動オイルポンプを
    備えた車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 駆動力の伝達をおこなうことのできる走
    行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジションと
    を選択可能で、駆動力を伝達する係合装置もしくは変速
    比を設定する係合装置を有する駆動装置が設けられ、前
    記係合装置を係合するための油圧を、電動機により駆動
    されるオイルポンプから供給することのできる伝動装置
    用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置において、 車両が走行するか否かを判断することができない場合
    は、前記電動オイルポンプの駆動の低下を禁止するオイ
    ルポンプ駆動低下禁止手段を備えていることを特徴とす
    る伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動装置のポジションを判断するシ
    フトポジションセンサが設けられており、前記オイルポ
    ンプ駆動低下禁止手段には、前記シフトポジションセン
    サのフェールにより前記車両が走行するか否かを判断す
    ることができない場合は前記電動オイルポンプの駆動の
    低下を禁止する機能が含まれていることを特徴とする請
    求項4に記載の伝動装置用電動オイルポンプを備えた車
    両の制御装置。
  6. 【請求項6】 駆動力の伝達をおこなうことのできる走
    行ポジションと駆動力を伝達しない非走行ポジションと
    を選択可能で、駆動力を伝達する係合装置もしくは変速
    比を設定する係合装置を有する駆動装置が設けられ、前
    記係合装置を係合するための油圧を、電動機により駆動
    されるオイルポンプから供給することができ、前記非走
    行ポジションが選択された場合に、前記電動機により駆
    動されるオイルポンプの駆動を低下させることのできる
    伝動装置用電動オイルポンプを備えた車両の制御装置に
    おいて、 前記非走行ポジションが選択されるまでのシフト履歴に
    基づいて、前記電動機により駆動されるオイルポンプの
    駆動低下制御の内容を設定するオイルポンプ制御手段を
    備えていることを特徴とする伝動装置用電動オイルポン
    プを備えた車両の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記オイルポンプ制御手段には、前記走
    行ポジションと前記非走行ポジションとの切り換えが頻
    繁におこなわれたことを示すシフト履歴が判断された場
    合に、前記電動機により駆動されるオイルポンプの駆動
    の低下を禁止する機能が含まれていることを特徴とする
    請求項6に記載の伝動装置用電動オイルポンプを備えた
    車両の制御装置。
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