JP2000328343A - 換気機能を有するヘルメット及び換気用シャッター装置 - Google Patents

換気機能を有するヘルメット及び換気用シャッター装置

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JP2000328343A
JP2000328343A JP11145334A JP14533499A JP2000328343A JP 2000328343 A JP2000328343 A JP 2000328343A JP 11145334 A JP11145334 A JP 11145334A JP 14533499 A JP14533499 A JP 14533499A JP 2000328343 A JP2000328343 A JP 2000328343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘルメットにおいて、風の剥離を良好にする
ための後部整流具を取り付けようとしても、当初から換
気機構を具備しているタイプのヘルメットでは、後部整
流具が換気機構の一部(空気流の吹出口等)と位置的に
干渉して、取り付けできないことがあった。 【解決手段】 後部整流体16と、換気機能として必要
な外気通路18を形成させるための通路形成体15とが
互いに一体に形成された成形体17を、ヘルメット1の
帽体1aに対して取り付けるようにした。通路形成体1
5の後部に設ける吹出口21に対して、後部整流体16
が直続の位置関係となるようにして、換気作用及び空気
流整流作用を相乗的に高めるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、換気機能を有する
ヘルメットと、このヘルメットにおいて採用可能とされ
る換気用シャッター装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】オートバイ用等とされるヘルメットで
は、高速走行時等において前方から強い風圧が作用する
と、ヘルメットまわりを通過した風によって帽体の後下
部に負圧(乱流)が発生し、ヘルメットが後方へ引っ張
られるような現象が起こることがあり、これは運転者の
首の筋肉に大きな負担をかけいている。従来、この現象
を抑制するために、ヘルメットの後部に対して、後部整
流具(逆向けバイザー)を取り付けることが提案されて
いる(米国特許第4,586,197号等参照)。
【0003】すなわち、この後部整流具は、ヘルメット
の後方下端リムに固定されてそこから後方上方へ延出し
てヘルメットの後下部を覆っており、使用者が前方又は
後方にその頭を傾斜させることにより、バイクの運転ス
ピードに合わせて各スピードにおいて首の筋肉が最もリ
ラックス(首の筋肉への負担軽減)できるようにしたも
のであった。一方、ヘルメットには、ヘルメットの外周
部に、前方から導入した外気を後方へ排気する外気通路
を備え、この外気通路を流通する外気流によってヘルメ
ットの内気を負圧により吸引して換気するように構成し
た換気機能を有するものが知られている(実公平1−2
9209号公報等参照)。
【0004】この公報記載の換気機構付きヘルメットで
は、帽体の後下部に空気流の吹出口が設けられている。
また、この吹出口は、帽体から後方へ向けて角パイプ状
に突き出すようなかたちをしたものであった。なお、こ
の公報記載の換気機構付きヘルメットは、通風量調節を
可能にしたものではないが、例えば帽体の正面部上部等
にシャッター装置を設けるといった試みを施したヘルメ
ットも知られている(図示略)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の後部整流具
をヘルメットに対して取り付ける場合、ヘルメットが、
上記したような換気機構付きのものであるときには、後
部整流具が空気流の吹出口と位置的な干渉を生じ、取り
付けできないことがあった。そのうえ、従来における換
気機構付きヘルメットでは、後部整流具が設けられてい
ないことだけでなく、帽体の後下部から吹出口が突き出
していること等も原因して、この吹出口まわりで、帽体
外面に沿った外気流れや吹出口から吹き出た空気流によ
る乱流が起こり、これが空気抵抗になるということがあ
った。
【0006】一方、この換気機構付きヘルメットにおい
て、上記のように、通風量調節を可能にするためのシャ
ッター装置を設けたものも一部では知られている(図示
略)が、このシャッター装置は、外見的な目立ちすぎを
防止するために小型に抑えていることが多く、これに伴
って外気の取込量が制限を受けるといったことが生じて
いた。なお、仮に、外気の取込量を多くするためにシャ
ッター装置を帽体の複数箇所に設けるようなことをすれ
ば、これら各シャッター装置としての組み立てや取り付
けが面倒になり、また高コストに繋がると共に、個々の
シャッター装置に対してする各別の操作が面倒になると
いう不具合が生じるおそれがある。
【0007】本発明の第1の目的は、換気機能と後部整
流機能とを具備した構成としてそれら双方の作用を得ら
れるようにしたうえで、外観的な一体感が得られ、見栄
えが悪くなることがないようにしたヘルメットを提供す
るところにある。本発明の第2の目的は、換気機能と後
部整流機能を具備した構成としてそれら双方の作用を得
られるようにしたうえで、換気機能によって生じる後向
きの吹出空気流を帽体から円滑に剥離させるようにし、
もって、換気機能を具備することが原因となる空気抵抗
を防止できるようにしたヘルメットを提供するところに
ある。
【0008】本発明の第3の目的は、換気機能によって
生じる後向きの吹出空気流を、後部整流具に対して有効
に活用させることで、後部整流具による空気流の整流作
用を一層高め、走行安定性を更に良好にできるようにし
たヘルメットを提供するところにある。本発明の第4の
目的は、換気機能を具備し、更にそのうえで後部整流具
をも具備したヘルメットを構成させるうえで、ヘルメッ
ト全体としての見栄えが悪くなることがないようにでき
る、換気機能を有するヘルメットに採用可能な換気用シ
ャッター装置を提供するところにある。
【0009】本発明の第5の目的は、換気機能として十
分な外気の取込量を確保しつつ、見栄えが悪くなること
がなく、且つ、組み立てや取り付け、更には操作が面倒
になるといったことを防止できる、換気機能を有するヘ
ルメットに採用可能な換気用シャッター装置を提供する
ところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明はヘルメット外周部に、前方から導入した外気を後方
へ排気する外気通路を備え、この外気通路を流通する外
気流によってヘルメットの内気を負圧により吸引して換
気するように構成した換気機能を有するヘルメットにお
いて、前部に外気導入口を後部に外気吹出口を有する外
気通路を前後方向に形成するための通路形成体と、ヘル
メットの後部外面で空気流剥離を促すための後部整流体
とが互いに一体化された形体として設けられていること
を特徴とするものである(請求項1)。
【0011】このような構成であるため、換気作用と後
部整流作用との双方が得られ、そのうえで外観的な一体
感が得られ、見栄えが良くなる。これによって上記第1
の目的を達成することができる。なお、上記通路形成体
において、帽体の後部外方へ向けて設ける空気流(外気
流)の吹出口は、ヘルメットの使用角度(ヘルメットの
装着者がオートバイを運転するとき等における角度)に
対し、その接線方向へ沿わせる状態で形成しておくのが
好適とされる(請求項2)。
【0012】このようにすると、吹出口から吹き出され
る空気流が乱流を起こしにくくなり、帽体から円滑に剥
離するようになるので、空気抵抗の低下を図ることがで
きる。これによって上記第2の目的を達成することがで
きる。後部整流体は、外気吹出口の直後に備えることが
推奨される(請求項3)。このように構成すると、この
吹出口から吹き出される空気流(内気と外気の混合流)
も後部整流体で整流されることになるため、この空気流
の帽体からの剥離は更に良好となり、空気抵抗を引き起
こす原因にはなりにくい。しかも、吹出口から吹き出さ
れる空気流が後部整流体へと誘導されることで、後部整
流体自体の作用が十分に引き出される効果に繋がる。
【0013】従って、これらにより、換気機能を具備す
ることが原因となる空気抵抗を防止できるばかりでな
く、後部整流具による空気流の整流作用をも一層高めら
れるため、走行安定性が更に良好になり、上記第2の目
的並びに第3の目的を達成するものとなる。通路形成体
における外気通路は、帽体における少なくとも左右振り
分け位置(2位置に限定されるものではない)に設ける
ことができる。この場合、後部整流体は、各通路形成体
の吹出口に対してそれらの直続位置(直後)に位置付け
(配置)ればよい。また、更に帽体の左右方向中央位置
にも後部整流体を設けることができる(請求項4)。
【0014】一方、換気機能を有するヘルメットにおい
て採用可能である本発明に係る換気用シャッター装置で
は、ヘルメットの帽体に前後方向へ並んで設けられた複
数の貫通孔に対し各孔に合致するベント孔を有して上記
帽体へ装着されるベース部材と、このベース部材の装着
部上方を覆って帽体外部に設けられる長手方向を前後に
向けた通路形成体内においてその通路方向に沿ってベー
ス部材上面で摺動自在に保持されてベース部材のベント
孔を開閉調節可能になったシャッタープレートとを有し
ている(請求項5)。
【0015】このような構成であるため、ベース部材に
対してシャッタープレートを摺動させた場合、複数のベ
ント孔が一斉に開閉調節されるものであり、全てのベン
ト孔の開口面積を加算した値として、通風量(外気流に
よる内気の負圧による吸引量)の調節ができるものであ
る。すなわち、このシャッター装置は、わざわざ見栄え
を悪くするような大型化をしなくても、通風量調節時の
外気取込量および内気の吸引量を十分に確保できるもの
である。そのため、これによって上記第4の目的を達成
することができる。
【0016】また、このシャッター装置では、上記のよ
うにシャッタープレートの摺動(操作)によって全ベン
ト孔の開閉調節を一斉に行えるので、操作の容易化が図
れるということがあるし、構成部材としてはベース部材
とシャッタープレートとの組み合わせとなって、まとま
りがよくなるために組み立てや取り付け等の容易化が図
れるということがある。そのため、これによって上記第
5の目的を達成することができる。なお、ベース部材
は、前後方向に長くして帽体の全貫通孔に対応する複数
のベント孔(内気吸引孔、ベンチュレータ孔)を有した
一体のものとして形成することもできるが、帽体の各貫
通孔に対応したベント孔を有するものごとに分離独立し
たものとして、複数設けることができる(請求項6)。
【0017】このようにすると、帽体の球面形状に沿っ
て各ベース部材の取り付けが容易となる利点がある。ま
た、帽体に設ける貫通孔の個数や形成位置間隔等の違い
にも柔軟に対応できる利点がある。更に、ベース部材と
しての形体も、簡潔化ができると共に、種々様々な帽体
形状に対して共通化が図れるようになり、その結果、低
コスト化に繋がるといった利点も得られる。このように
ベース部材を複数に分割化する場合において、ベース部
材のうち少なくとも一つとシャッタープレートとの間
で、ベント孔全開後の摺動を阻止するための全開ストッ
パを設ければよい。また、ベース部材のうち少なくとも
一つとシャッタープレートとの間で、ベント孔全閉後の
摺動を阻止するための全閉ストッパを設ければよい。
【0018】ベース部材において、ヘルメットの帽体に
対する最前の貫通孔と合致されるベント孔には、その開
口縁部の後側で起立する空気流ガイド片を設けるように
するとよい。このようにすると、シャッタープレート上
を通過する空気流の一部が空気流ガイド片に導かれて貫
通孔を介してヘルメット内へ流入し易くなり、効率のよ
い換気作用が得られることになる。シャッタープレート
は、前記ベース部材に対して浮上阻止の係合状態を保持
しつつ摺動自在なものとすればよい。そして、このシャ
ッタープレートにおいて、通路形成体の吹出口へ向けて
延びる後部延長部を設けておくと、この後部延長部を操
作用ツマミの形成部位として、又は操作ツマミ自体とし
て利用でき、ここに、後部延長部が操作部とされてい
る。
【0019】この場合、この後部延長部が空気流による
ビビリ振動を生じることがないようにするため、この後
部延長部に対して、通路形成体の内部天井面に当接して
躍りを阻止する突起を設けておくとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図8は、本発明に係る換
気機構付きヘルメット1の第1実施形態を示している。
図1乃至図3から明らかなように、本第1実施形態で例
示したヘルメット1はフルフェース型であり、且つオー
トバイ用(特にレース用)である。従って、帽体1aの
正面部には目出し用の開口2が設けられ、この開口2が
シールド3によって覆われている。このシールド3は、
開口2の左右両側部に設けられる耳カバー4によって隠
された状態で設けられた回動軸5を支点として、上下に
揺動可能、即ち、開口2を開閉可能になっている。
【0021】また、このヘルメット1では、開口2の下
部(あごガード部6の正面部)及び上部の2か所に、換
気用シャッター装置8,9が設けられている。これらシ
ャッター装置8,9は、スライド操作用のツマミ(図示
略)により所望に応じた開閉調節が可能になっており、
ヘルメット1内に対して標準的な(従来技術レベルとし
ての)外気取り込みが可能になっている。これらシャッ
ター装置8,9に対応する構造として、帽体1aにおけ
る下部後方寄りの両脇部等に空気抜き孔10が設けられ
たり、ヘルメット1の後端下面に空気抜き孔(図示略)
が設けられたりしている。
【0022】なお、本発明においてこのようなヘルメッ
ト1における細部の形体や用途等は何ら限定されるもの
ではない。このようなヘルメット1において、帽体1a
には、その上部から後部にわたるように、通路形成体1
5と後部整流体16とが互いに一体化された形体(以
下、「一体成形体17」と言う)として設けられてい
る。図5はこの一体成形体17を裏側から示したもので
ある。図2やこの図5から明らかなように、この一体成
形体17において通路形成体15は2本設けられ、これ
らが互いに左右方向(図5の上下方向)で所定間隔を保
持するようになっており、これに対して後部整流体16
は、これら2本の通路形成体15の後端側(図5の右
側)を連結させるかたちで設けられている。
【0023】この一体成形体17は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、アクリル、ABS、ポリカボネート等の
樹脂材を素材として肉厚が1mm〜1.5mm程度の薄
手のものに形成されている。この肉厚は特に限定される
ものではないが、強度的に必要程度を確保し得る範囲で
薄くして、軽量化を図るようにするのが好適である。そ
してまた、この一体成形体17は、帽体1aにおける球
状をした外面に対して、一体成形体17としての外周部
17aの全周が隙間無く接触(密接)しつつ、通路形成
体15及び後部整流体16に対応する各部分がドーム状
に膨らむ立体形として形成されている。
【0024】一体成形体17の外周部17aは、連続し
た細帯領域となってこの一体成形体17まわりでエンド
レスを成しており、ここに適宜貼着部材(図示略)が設
けられることで、ヘルメット1への装着に供されるよう
になっている。この貼着部材としては、両面粘着テープ
をはじめとして、各種接着剤を用いることが可能であ
る。また、場合によってはこの貼着部材として、ねじ止
め用のネジやリベット止め用のリベットを含めることも
可能である。図4に示すように、このような一体成形体
17を帽体1aへ装着するのに伴い、その内部には、通
路形成体15や後部整流体16(即ち、ドーム状に膨ら
んだ部分)に対応して空洞部が形成されることになる。
これら空洞部のうち、特に通路形成体15に対応する部
分で形成されるものが重要になる。
【0025】すなわち、通路形成体15は、その内部で
形成される空洞部を外気通路18として作用させるとこ
ろであり、帽体1aに対する前側に空気流の取込口すな
わち外気導入口20を有し、また後側に吹出口21を有
している。従って、この外気通路18に対しては、帽体
1aの前方からの外気が取込口(導入口)20を介して
取り込まれ、この取り込まれた後の空気は吹出口21を
介して帽体1aの後部外方へ吹き出されるものとなり、
この外気流によってヘルメット(帽体)内の内気が負圧
で吸引されて換気されるのである。そして、図4及び図
6に示すように、外気通路18の内部には、帽体1aに
対してシャッター装置25が設けられている。このシャ
ッター装置25は、帽体1aからヘルメット1の内方へ
達して設けられた貫通孔26に被せられるようにして設
けられたものである。
【0026】従って、上記のように外気通路(以下通気
路という)18内を取込口20側から吹出口21側へと
通り抜ける空気流は、途中、上記貫通孔26を介してヘ
ルメット1内へと流入したり、或いは通気路18内を通
り抜ける空気流(外気流)により、ヘルメット1内の空
気(内気)が貫通孔26を介して負圧により通気路18
へと吸引されたりする現象が生じる。これにより、ヘル
メット1内では使用者の頭部に対して換気作用及び冷却
作用が奏し得られるものとなる。
【0027】この通路形成体15では、吹出口21が、
ヘルメット1としての使用角度(図8に示すように、ヘ
ルメット1の装着者がオートバイを運転するとき等にお
ける前傾時の角度)に対してその接線方向へ沿わせられ
る状態で形成されている。このとき、通気路18内を通
り抜ける空気流が不必要な淀みや乱流を起こすことがな
いようにするため、通気路18の内部に底板27(図5
参照)を設けて、空気流が可及的に直線的な流れになる
ようにしている。上記後部整流体16は、帽体1aにお
ける外面のあちこちで小さな空気流剥離が分散発生する
のを防止し、そのうえで、帽体1aの後方寄りで集中さ
せるように一気且つ円滑な空気流剥離を起こさせるよう
にしたものである。
【0028】この後部整流体16は、通路形成体15の
上面を兼ねながらヘルメット1の後方へ延びるように設
けられる天面部30と、通路形成体15の吹出口21に
対する直続位置(直後)でその後方へ延びる出口延長部
31と、この出口延長部31の後端部から下方へ延びて
帽体1aの後部外面まで達する背面下部32と、天面部
30と出口延長部31との左右両側部間を接続する側面
部33とを有している。天面部30及び出口延長部31
は、いずれも内方に弯曲した曲面(図4参照)に形成さ
れ、かつ図8に示すようなヘルメット1の使用角度で、
この天面部30の上面に沿って流れる風の方向を路面と
略平行(すなわち、略水準面)にできるように形成され
ている。
【0029】このようにすることで、天面部30や出口
延長部31における風の剥離点が可及的に後方上側にな
り、帽体1a後部に発生する負圧や乱流を抑制し、ヘル
メット1に対する空気抵抗を小さくできると共に、風中
でのヘルメット1の安定性を高めることができる。従っ
て、これらのことから運転者の首の筋肉に対する負担を
軽減できるものである。なお、空気流剥離作用としての
メインは天面部30の弯曲凹面によるものであるが、出
口延長部31もこれを弯曲凹面に形成することで通路形
成体15における外気通路18の吹出口21から吹き出
される空気流(内気と外気の混合流)に対しても剥離の
円滑化を図ることができるようにしている。
【0030】背面下部32は、後部整流体16を側面視
したときに、出口延長部31の後端部が鋭角に形成され
るような角度を有している。このようにすることで、出
口延長部31からの風の剥離を良好にしているととも
に、後部整流体16と帽体1aの外周面との間は空洞部
Aとされている(図4参照)。なお、この後部整流体1
6の全体形状(天面部30、出口延長部31、背面下部
32、側面部33の全部)は、ヘルメット1を使用角度
にした状況下でその前方からヘルメット1まわりを通り
過ぎる空気流が、円滑で連続した流れを呈するように、
滑らかな流線型乃至波型にまとめられている。
【0031】すなわち、上記したように、この後部整流
体16では空気流剥離を帽体1aの後方寄り(天面部3
0及び出口延長部31の後端)で集中発生させることを
主眼としているので、これを換言すれば、天面部30、
出口延長部31、背面下部32、側面部33の各途中部
分での空気流剥離は阻止して、沿流状態に保持させる必
要があるということになる。天面部30及び出口延長部
31においてヘルメット1の後方へ突出する長さや、出
口延長部31と背面下部32との突き合わせ角度等は、
高速走行中において運転者が横を向いたとき(カーブ走
行中を含む)や直進時に強い横風を受けたとき等に、大
きな空気抵抗とならないように決められている。
【0032】なお、上記天面部30は、言うまでもな
く、通路形成体15による外気通路18が左右に所定間
隔をおいて2本設けられていることに伴って、同じく2
本、設けられているが、これら2本の天面部30の相互
間には、天面部30の膨出に対する相対関係として凹み
34(図2及び図3参照)が形成されたものとなってい
る。そして、この凹み34は、長手方向を前後に向けて
いるものである。このため、この凹み34によって風の
流れ方向を直進的にガイドし、風中におけるヘルメット
1の安定性を高める効果が得られる。
【0033】このような一体成形体17を製造するうえ
で採用し得る成形法としては、特に限定されるものでは
ないが、射出成形法、真空成形法又は圧空成形法等が好
適である。これらの成形法であれば、肉厚を1mm〜
1.5mm程度にし又はそれ以下とすることも簡単であ
ると共に、複雑な立体形状の成形に柔軟に対応でき、更
に高精度にでき、低コスト化も図れるという各種の利点
が得られる。図4乃至図7に示すように、前記したシャ
ッター装置25は、ベース部材36とシャッタープレー
ト37とを有している。
【0034】ベース部材36は、複数(図例では3個)
設けられている。これは、帽体1aに対し、ヘルメット
1の内方へと連通する貫通孔26が帽体1aの前後方向
へ並んで複数設けられていることに合わせたもので、そ
れぞれのベース部材36は、各貫通孔26ごとに対応す
る1個のベント孔38を有したかたちで相互に分離独立
したものである。各ベース部材36には、ベント孔(吸
引孔、換気孔、ベンチュレータホール等ともいう)38
に対する下向きの開口縁部を取り囲むようにして嵌合筒
39が設けられている。従って、この嵌合筒39を貫通
孔26へ差し込むことで、帽体1aに対するベース部材
36(ベント孔38)の位置合わせとガタツキ防止とが
図られる。
【0035】各ベース部材36には、左右両側縁部から
上方へ突出してシャッタープレート37を抱き込み可能
にするフック片41が設けられている。また、これらベ
ース部材36のうち、帽体1aに対して最前の位置付け
とされるものでは、ベント孔38の開口縁部の後側で半
円弧の屏風状に起立する空気流ガイド片42が設けられ
ている。この空気流ガイド片42は、空気流が通気路1
8内を取込口20側から吹出口21側へと通り抜ける間
に、シャッタープレート37上を通過する空気流に対し
てベント孔38内への流入を誘い込み、もって貫通孔2
6を介してヘルメット1内へ導入され易くするためのも
のである。
【0036】シャッタープレート37は、長手方向を通
気路18の通路方向に向けた帯板状をしたもので、板厚
方向の可撓性及び弾性を有する樹脂材によって形成され
ている。そして、その長手方向両側を各ベース部材36
に設けられたフック片41間へ差し込んで、係合状態と
させることで、各ベース部材36の上面を浮上阻止のま
ま長手方向に沿って摺動自在となるように保持される。
このシャッタープレート37には、ベース部材36の全
てのベント孔38に対応するように複数の通孔43が設
けられている。各通孔43の形成ピッチは、帽体1aに
対する貫通孔26の形成ピッチと同じになっている。
【0037】従って、このシャッタープレート37を各
ベース部材36に対して摺動させるのに伴い、各ベント
孔38と各通孔43との孔のズレ量として、貫通孔26
の開口量における開閉調節ができるものである。シャッ
タープレート37における長さは、図1乃至図4に示す
ように、最後位置のベース部材36に対応する部分を超
えて更に後方へ延長され、その後端側が通路形成体15
の吹出口21から幾分延び出る程度になっている。最後
位置のベース部材36に対応する部分より後方を後部延
長部45とされている。
【0038】この後部延長部45には、側面形状が半円
状をした板片形体の後部突起46と摺動操作用ツマミ4
7とが設けられている。後部突起46は、上縁側が通路
形成体15の内部天井面に当接可能となって、シャッタ
ープレート37を通気路18の内底面(底板27)へ張
りつかせた状態に保持させるためのものである。これに
より、空気流によってシャッタープレート37(特に後
部延長部45)にビビリ振動が生じるのを防止し、静音
化を保持できるものである。
【0039】また摺動操作用ツマミ47は、言うまでも
なく、シャッタープレート37を押し引きし易くさせる
ための、指の引っ掛け部とするものである。図5及び図
7に示すように、このシャッタープレート37におい
て、最前に位置付けられるベース部材36と中央に位置
付けられるベース部材36との間となる領域には、左右
両側へ突出する一対の突起状をした全開ストッパ50及
び全閉ストッパ51が設けられている。全開ストッパ5
0は、シャッタープレート37を後方(通気路18の吹
出口21に対する引抜方向)へ摺動させたときに、中央
に位置付けられるベース部材36と接触干渉させること
で、ベント孔38(貫通孔26)が全開された後のシャ
ッタープレート37の摺動を阻止するためのものであ
る。
【0040】またこれとは反対に、全閉ストッパ51
は、シャッタープレート37を前方(通気路18の吹出
口21に対する押込み方向)へ摺動させたときに、最前
に位置付けられるベース部材36と接触干渉させること
で、ベント孔38(貫通孔26)が全閉された後のシャ
ッタープレート37の摺動を阻止するためのものであ
る。以上、詳説したところから明らかなように、本発明
に係るヘルメット1では、通路形成体15と後部整流体
16とが互いに一体化されて成る一体成形体17を具備
するものであるため、換気作用と後部整流作用との双方
が得られ、そのうえで外観的な一体感が得られ、見栄え
が良くなっている。
【0041】なお、後部整流体16により、ヘルメット
1に対する空気流剥離が良好になっていることは言うま
でもないが、通路形成体15の吹出口21から吹き出さ
れた空気流も、後部整流体16で整流されるようになっ
ているため、上記の空気流剥離作用は相乗的に高められ
るという効果に繋がる。更に、通路形成体15として
も、吹出口21から吹き出された空気流が後部整流体1
6による整流作用を受けることになるので、換気作用が
相乗的に高められるという効果に繋がるものである。
【0042】特に、本第1実施形態においては通路形成
体15における外気通路18、すなわち、前部に外気導
入口20を後部に吸出口21を有する前後方向に帯状の
トンネル形として長く形成された外気通路18を左右2
本設けて、それらの間に凹み34を生じさせているの
で、この凹み34が、後部整流体16に関して風の流れ
方向を直進的にガイドする作用を供することに繋がり、
風中におけるヘルメット1の安定性を益々高めるという
効果が得られるものである。一方、本発明に係るシャッ
ター装置25では、通路形成体15における外気通路1
8の吹出口21で露出する後部延長部45(摺動操作用
ツマミ47)を押し引きするだけで、帽体1aに設けら
れた複数の貫通孔26を一斉に開閉調節できるものであ
り、構造上及び操作上の容易性が図れると共に、わざわ
ざ見栄えを悪くするような大型化をしなくても、通風量
調節時の外気取込量を十分に確保できるものである。
【0043】ところで、上記した第1実施形態において
は、静音化を進めるうえで、シールド3の取り付けに関
して次のような付加構造を採用してある。すなわち、図
9乃至図11に示すように、このシールド3は、回動軸
5を中心として上下揺動可能になっており、下側位置
(目出し用開口2の閉止状態)はもとより、上側へ開か
せたときも、ヘルメット1から外れることがない構造と
なっている。但し、左右の耳カバー4には楕円形をした
釦部60が設けられており、シールド3を上側へ開かせ
た状態としたうえで、且つ釦部60を押し操作し続けた
状態のときだけ、シールド3をヘルメット1から外すこ
とができるようになっている。
【0044】このための構造として、シールド3には耳
カバー4へ差し込まれる部分に、二股に突出する差込片
61が設けられ、この差込片61に、上下で対向するフ
ック状の切欠62が設けられている。これに対し、ヘル
メット1には、回動軸5と共に一体回動する弾性突出片
64が回動軸5に対する径方向外方へ突出して設けられ
ており、この弾性突出片64の突端寄りに、シールド3
の切欠62に係合可能なストッパ片65が設けられてい
る。この弾性突出片64は、ストッパ片65をヘルメッ
ト1の側面に対して近接・離反させる方向に弾性変形可
能になっている。
【0045】また、弾性突出片64において、ストッパ
片65よりも更に突端側に、操作受け片66が設けられ
ている。これに対し、耳カバー4に設けられた釦部60
には、その裏面部に、押圧突起68が設けられている。
この押圧突起68は、シールド3を上側へ開かせた状態
としたときの操作受け片66に当接可能となる位置付け
とされている。また、この釦部60は、耳カバー4に設
けられた同形(楕円形)の釦孔69に対して、その裏側
からガタツキなく嵌め付けられ、且つ、弾性支持片70
によって耳カバー4の裏面へ向けて押圧付勢されるよう
になっている。即ち、釦部60は、釦孔69から耳カバ
ー4の外方へ向けて膨出する状態を自己保持するように
なっている。
【0046】このようなことから、シールド3を上側へ
開かせた状態としたうえで、且つ釦部60を押し操作し
続けた状態のときだけ、この釦部60の押圧突起68に
よって操作受け片66を押し込み可能となり、これに伴
い、ストッパ片65をシールド3の切欠62から外して
シールド3をヘルメット1から外すことができるように
なっている。この構造中、耳カバー4の釦部60は釦孔
69に対してガタツキなく嵌め付けられ、弾性支持片7
0による付勢力を常に受けるようになるため、この釦部
60の外周部と釦孔69の開口内周部との周隙間から風
が入り込むことが防止される。
【0047】結果として、このことが高速走行時等にお
いてシールド3に対するビビリ振動の発生を防止する効
果、即ち、静音化を進めることにつながる。すなわち、
一般的な構造では、耳カバー等に対してシールド着脱用
のスリット等が設けられており(例えば特許第2702
397号公報参照)、このスリット等から侵入する風が
原因して、シールドにビビリ振動が発生することがあっ
たのである。本発明に係るヘルメット1においては、各
種の変形実施形態が考えられる。例えば、図12(a)
は、上記した第1実施形態における通路形成体15と後
部整流体16との配置関係を模式的に現したものであ
り、左右に振り分け配置した2本の通路形成体15に対
し、それらの直続部分と左右隣接間部分とにわたって一
体に後部整流体16を設けている。
【0048】これに対し、図12(b)に示すように、
各通路形成体15の左右隣接間部分にだけ後部整流体1
6を設けたり、図12(c)に示すように、各通路形成
体15の直続部分にだけ後部整流体16を設けたりする
ことが可能である。また、図13(a)は、通路形成体
15が、左右に振り分けの2位置とそれらの左右方向中
央位置との計3か所に設けられたものを模式的に現した
ものであり、このような態様が可能である。そして、こ
の態様において後部整流体16は、図13(a)に示す
ように、全通路形成体15に対する直続部分と左右隣接
間部分とにわたって一体に設けたり、図13(b)に示
すように、各通路形成体15の左右隣接間部分にだけ設
けたり、図13(c)に示すように、各通路形成体15
の直続部分にだけ設けたりすることが可能である。
【0049】更に、図14(a)は、通路形成体15
が、左右方向の中央となる1か所にだけ設けられたもの
を模式的に現したものであり、このような態様が可能で
ある。そして、この態様において後部整流体16は、図
14(a)に示すように、通路形成体15に対する直続
部分と左右両外側部分とにわたって一体に設けたり、図
14(b)に示すように、通路形成体15の左右両外側
部分にだけ設けたり、図14(c)に示すように、各通
路形成体15の直続部分にだけ設けたりすることが可能
である。
【0050】この他、通路形成体15を4本以上設ける
といったことも可能であり、この場合には、通路形成体
15に対して後部整流体16が直続しているものと直続
していないものとが混在するようにしてよい。図15に
示すように、後部整流体16の天面部30や側面部33
に対して、それらの前後方向に沿って階段状の凹凸を成
す複数の剥離誘導部90,91を設けるようにしてもよ
い。このような剥離誘導部90,91を設けると、天面
部30や出口延長部31の後端部へ到達する前の段階で
小さな空気流剥離が誘発されることになり、天面部30
や出口延長部31の後端側での最終的な空気流剥離を良
好にさせるという効果が得られる。
【0051】なお、剥離誘導部90で起こる小さな空気
流剥離は、天面部30や側面部33がフラット面である
ときの面中途部で不慮的に発生するような空気流剥離と
は異なり、乱流を伴わないため、何ら不都合は生じな
い。図16に示すように、後部整流体16の天面部30
や側面部33に対して、部分球状をした小さな凹部92
が集合した、いわゆるディンプル面を設けるようにして
もよい。このようなディンプル面も、図15で説明した
剥離誘導部90,91と同じように小さな空気流剥離を
誘発するものとなり、天面部30や出口延長部31の後
端側での最終的な空気流剥離を良好にさせるという効果
が得られる。
【0052】この他、通路形成体15や後部整流体1
6、シャッター装置25としての細部構造、部材形状及
び各部材の材質等は、前記各実施形態で説明した以外の
変更、置換等が可能である。勿論、前記したように、対
象となるヘルメットの形式(ジェット形等)、使用目的
等は限定されるものではない。従って、オートバイ以外
の、例えば四輪車用等とすることもできる。なお、この
場合、ヘルメットの使用角度がオートバイのときとはや
や異なるため、これに合わせて後部整流体16の形状等
にも適宜変更を加えればよい。
【0053】以上のように、本発明は上記各実施形態に
限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るヘルメットでは、外気通路のための通路形成体と
後部整流体とを互いに一体化したものとして具備する構
成となっているため、換気作用と後部整流作用との双方
が得られ、そのうえで外観的な一体感が得られ、見栄え
が良くなっている。また、後部整流体では、通路形成体
における外気通路の吹出口から吹き出された空気流をも
整流するようになっているため、本来の空気流剥離作用
と合わせて、全体として空気流剥離作用が相乗的に高め
られるという利点がある。
【0055】また、通路形成体としても、吹出口から吹
き出された空気流が後部整流体による整流作用を受ける
ことになるので、本来の換気作用と合わせて、全体とし
て換気作用が相乗的に高められるという利点がある。一
方、本発明に係るシャッター装置では、シャッタープレ
ートを押し引き操作するだけで、ベース部材のベント
孔、すなわち、ヘルメットの帽体に設けられた複数の貫
通孔を一斉に開閉調節できるものであり、構造上及び操
作上の容易性が図れるものである。
【0056】しかも、ヘルメットの帽体に対して複数の
貫通孔を設けるにも拘わらず、これらを通路形成体の内
部へ位置付けるという事情も加わるため、シャッター装
置全体として、わざわざ見栄えを悪くするような大型化
をしなくても、通風量調節時の外気取込量を十分に確保
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘルメットの第1実施形態を示す
側面図である。
【図2】図1に対応する平面図である。
【図3】図1に対応する背面図である。
【図4】図2のA−A線拡大断面図である。
【図5】第1実施形態で用いる通路形成体及び後部整流
具の一体成形体をその裏面側から示した図である。
【図6】図4のB−B線拡大断面図である。
【図7】第1実施形態で採用したシャッター装置を示す
斜視図である。
【図8】第1実施形態のヘルメットにおける使用状況を
示す側面図である。
【図9】第1実施形態のヘルメットにおいて採用したシ
ールドに関する付加構造を説明した側面図である。
【図10】図9の付加構造としてのシールドの回動軸ま
わりを示した拡大部分構造図である。
【図11】図9の付加構造としての耳カバーを裏側から
且つ分解した状態で示す拡大部分構造図である。
【図12】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
2本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図13】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
3本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図14】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
1本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図15】本発明に係るヘルメットとして後部整流体の
変形例を示す側面図である。
【図16】本発明に係るヘルメットとして後部整流体に
おける更に別の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 換気機構付きヘルメット 1a 帽体 15 通路形成体 16 後部整流体 17 一体成形体 18 外気通路 20 導入口 21 吹出口 25 換気用シャッター装置 26 貫通孔 34 凹み 36 ベース部材 37 シャッタープレート 38 ベント孔 42 空気流ガイド片 43 通孔 45 後部延長部(操作部) 46 後部突起 47 摺動操作用ツマミ 50 全開ストッパ 51 全閉ストッパ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月8日(2000.2.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 換気機能を有するヘルメット及び換気
用シャッター装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、換気機能を有する
ヘルメットと、このヘルメットにおいて採用可能とされ
る換気用シャッター装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】オートバイ用等とされるヘルメットで
は、高速走行時等において前方から強い風圧が作用する
と、ヘルメットまわりを通過した風によって帽体の後下
部に負圧(乱流)が発生し、ヘルメットが後方へ引っ張
られるような現象が起こることがあり、これは運転者の
首の筋肉に大きな負担をかけいている。従来、この現象
を抑制するために、ヘルメットの後部に対して、後部整
流具(逆向けバイザー)を取り付けることが提案されて
いる(米国特許第4,586,197号等参照)。
【0003】すなわち、この後部整流具は、ヘルメット
の後方下端リムに固定されてそこから後方上方へ延出し
てヘルメットの後下部を覆っており、使用者が前方又は
後方にその頭を傾斜させることにより、バイクの運転ス
ピードに合わせて各スピードにおいて首の筋肉が最もリ
ラックス(首の筋肉への負担軽減)できるようにしたも
のであった。一方、ヘルメットには、ヘルメットの外周
部に、前方から導入した外気を後方へ排気する外気通路
を備え、この外気通路を流通する外気流によってヘルメ
ットの内気を負圧により吸引して換気するように構成し
た換気機能を有するものが知られている(実公平1−2
9209号公報等参照)。
【0004】この公報記載の換気機構付きヘルメットで
は、帽体の後下部に空気流の吹出口が設けられている。
また、この吹出口は、帽体から後方へ向けて角パイプ状
に突き出すようなかたちをしたものであった。なお、こ
の公報記載の換気機構付きヘルメットは、通風量調節を
可能にしたものではないが、例えば帽体の正面部上部等
にシャッター装置を設けるといった試みを施したヘルメ
ットも知られている(図示略)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の後部整流具
をヘルメットに対して取り付ける場合、ヘルメットが、
上記したような換気機構付きのものであるときには、後
部整流具が空気流の吹出口と位置的な干渉を生じ、取り
付けできないことがあった。そのうえ、従来における換
気機構付きヘルメットでは、後部整流具が設けられてい
ないことだけでなく、帽体の後下部から吹出口が突き出
していること等も原因して、この吹出口まわりで、帽体
外面に沿った外気流れや吹出口から吹き出た空気流によ
る乱流が起こり、これが空気抵抗になるということがあ
った。
【0006】一方、この換気機構付きヘルメットにおい
て、上記のように、通風量調節を可能にするためのシャ
ッター装置を設けたものも一部では知られている(図示
略)が、このシャッター装置は、外見的な目立ちすぎを
防止するために小型に抑えていることが多く、これに伴
って外気の取込量が制限を受けるといったことが生じて
いた。なお、仮に、外気の取込量を多くするためにシャ
ッター装置を帽体の複数箇所に設けるようなことをすれ
ば、これら各シャッター装置としての組み立てや取り付
けが面倒になり、また高コストに繋がると共に、個々の
シャッター装置に対してする各別の操作が面倒になると
いう不具合が生じるおそれがある。
【0007】本発明の第1の目的は、換気機能と後部整
流機能とを具備した構成としてそれら双方の作用を得ら
れるようにしたうえで、外観的な一体感が得られ、見栄
えが悪くなることがないようにしたヘルメットを提供す
るところにある。本発明の第の目的は、換気機能によ
って生じる後向きの吹出空気流を、後部整流具に対して
有効に活用させることで、後部整流具による空気流の整
流作用を一層高め、走行安定性を更に良好にできるよう
にしたヘルメットを提供するところにある。
【0008】本発明の第の目的は、換気機能を具備
し、更にそのうえで後部整流具をも具備したヘルメット
を構成させるうえで、ヘルメット全体としての見栄えが
悪くなることがないようにできる、換気機能を有するヘ
ルメットに採用可能な換気用シャッター装置を提供する
ところにある。本発明の第の目的は、換気機能として
十分な外気の取込量を確保しつつ、見栄えが悪くなるこ
とがなく、且つ、組み立てや取り付け、更には操作が面
倒になるといったことを防止できる、換気機能を有する
ヘルメットに採用可能な換気用シャッター装置を提供す
るところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明はヘルメット外周部に、前方から導入した外気を後方
へ排気する外気通路を備え、この外気通路を流通する外
気流によってヘルメットの内気を負圧により吸引して換
気するように構成した換気機能を有するヘルメットにお
いて、前部に外気導入口を後部に外気吹出口を有する外
気通路を前後方向に形成するための通路形成体と、ヘル
メットの後部外面で空気流剥離を促すための後部整流体
とが互いに一体化された形体として設けられ、前記後部
整流体は、前記通路形成体における外気通路において帽
体の後部外方へ向けて設けられた外気吹出口の直続位置
(直後)に設けられたものと、通路形成体の上面後端を
空気流が上側に流れるように内方に湾曲したものと、を
有して構成されていることを特徴とするものである(請
求項1)。
【0010】このような構成であるため、換気作用と後
部整流作用との双方が得られ、そのうえで外観的な一体
感が得られ、見栄えが良くなる。これによって上記第1
の目的を達成することができる。また、後部整流体とし
ては、通路形成体の上面後端を空気流れが上側に流れる
ように内方に湾曲したものがあるので、通路形成体上面
の風の剥離点が可及的に後方上側になる。また、後部整
流体は、外気吹出口の直後に備えられているので、この
吹出口から吹き出される空気流(内気と外気の混合流)
も後部整流体で整流されることになるため、この空気流
の帽体からの剥離は更に良好となり、空気抵抗を引き起
こす原因にはなりにくい。しかも、吹出口から吹き出さ
れる空気流が後部整流体へと誘導されることで、後部整
流体自体の作用が十分に引き出される効果に繋がる。
【0011】従って、これらにより、換気機能を具備す
ることが原因となる空気抵抗を防止できるばかりでな
く、後部整流具による空気流の整流作用をも一層高めら
れるため、走行安定性が更に良好になり、上記第2の目
的を達成するものとなる。また、前記後部整流体のう
ち、前記通路形成体における外気通路において帽体の後
部外方へ向けて設けられた外気吹出口の直後に設けられ
たものは、前記外気吹出口に対する直後でその後方へ延
びる出口延長部を有し、この出口延長部の後端部が、側
面視において鋭角に形成されるように、出口延長部後端
部から下方に延びて帽体の後部外面まで達する背面下部
を有して構成されているのが好適である。
【0012】また、前記通路形成体における外気通路
は、帽体における少なくとも左右振り分け位置(2位置
に限定されるものではない)に設けられており、前記後
部整流体は、左右の外気通路間でかつ帽体の左右方向中
央位置にも設けられ、前記背面下部は、帽体の左右方向
中央位置の後部整流体の後端部からも下方に延びている
のが好適である。また、前記通路形成体における外気通
路は、帽体における少なくとも左右振り分け位置に設け
られており、各通路形成体の左右相互間には、風の流れ
を直進的にガイドするため長手方向が前後を向いた凹み
が形成されているのが好適である。
【0013】また、前記通路形成体における外気通路
は、帽体における少なくとも左右振り分け位置に設けら
れており、前記後部整流体は、左右の外気通路間でかつ
帽体の左右方向中央位置にも設けられ、前記背面下部
は、帽体の左右方向中央位置の後部整流体の後端部から
も下方に延びているのが好適である。一方、換気機能を
有するヘルメットにおいて採用可能である本発明に係る
換気用シャッター装置では、前部に外気導入口を後部に
外気吹出口を有して前後方向に延びる外気通路を備え、
この外気通路を流通する外気流によってヘルメットの内
気を負圧により吸引して換気するために、外気通路内に
ヘルメット内部まで貫通する複数の貫通孔が通路に沿っ
て前後に並んで設けられた換気機能を有するヘルメット
の換気用シャッター装置であって、各貫通孔に合致する
ベント孔を有して、ヘルメット帽体の外気通路内に装着
されるベース部材と、前後方向に延びる外気通路内にお
いて通路方向に沿って前後方向に摺動自在となるように
前記ベース部材上面に保持されてベース部材のベント孔
を開閉調節可能になったシャッタープレートとを有して
いる。
【0014】このような構成であるため、ベース部材に
対してシャッタープレートを摺動させた場合、複数のベ
ント孔が一斉に開閉調節されるものであり、全てのベン
ト孔の開口面積を加算した値として、通風量(外気流に
よる内気の負圧による吸引量)の調節ができるものであ
る。すなわち、このシャッター装置は、わざわざ見栄え
を悪くするような大型化をしなくても、通風量調節時の
外気取込量および内気の吸引量を十分に確保できるもの
である。そのため、これによって上記第の目的を達成
することができる。
【0015】また、このシャッター装置では、上記のよ
うにシャッタープレートの摺動(操作)によって全ベン
ト孔の開閉調節を一斉に行えるので、操作の容易化が図
れるということがあるし、構成部材としてはベース部材
とシャッタープレートとの組み合わせとなって、まとま
りがよくなるために組み立てや取り付け等の容易化が図
れるということがある。そのため、これによって上記第
の目的を達成することができる。なお、ベース部材
は、前後方向に長くして帽体の全貫通孔に対応する複数
のベント孔(内気吸引孔、ベンチュレータ孔)を有した
一体のものとして形成することもできるが、帽体の各貫
通孔に対応したベント孔を有するものごとに分離独立し
たものとして、複数設けることができる(請求項6)。
【0016】このようにすると、帽体の球面形状に沿っ
て各ベース部材の取り付けが容易となる利点がある。ま
た、帽体に設ける貫通孔の個数や形成位置間隔等の違い
にも柔軟に対応できる利点がある。更に、ベース部材と
しての形体も、簡潔化ができると共に、種々様々な帽体
形状に対して共通化が図れるようになり、その結果、低
コスト化に繋がるといった利点も得られる。このように
ベース部材を複数に分割化する場合において、ベース部
材のうち少なくとも一つとシャッタープレートとの間
で、ベント孔全開後の摺動を阻止するための全開ストッ
パを設ければよい。また、ベース部材のうち少なくとも
一つとシャッタープレートとの間で、ベント孔全閉後の
摺動を阻止するための全閉ストッパを設ければよい。
【0017】ベース部材において、ヘルメットの帽体に
対する最前の貫通孔と合致されるベント孔には、その開
口縁部の後側で起立する空気流ガイド片を設けるように
するとよい。このようにすると、シャッタープレート上
を通過する空気流の一部が空気流ガイド片に導かれて貫
通孔を介してヘルメット内へ流入し易くなり、効率のよ
い換気作用が得られることになる。シャッタープレート
は、前記ベース部材に対して浮上阻止の係合状態を保持
しつつ摺動自在なものとすればよい。そして、このシャ
ッタープレートにおいて、通路形成体の吹出口へ向けて
延びる後部延長部を設けておくと、この後部延長部を操
作用ツマミの形成部位として、又は操作ツマミ自体とし
て利用でき、ここに、後部延長部が操作部とされてい
る。
【0018】この場合、この後部延長部が空気流による
ビビリ振動を生じることがないようにするため、この後
部延長部に対して、通路形成体の内部天井面に当接して
躍りを阻止する突起を設けておくとよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図8は、本発明に係る換
気機構付きヘルメット1の第1実施形態を示している。
図1乃至図3から明らかなように、本第1実施形態で例
示したヘルメット1はフルフェース型であり、且つオー
トバイ用(特にレース用)である。従って、帽体1aの
正面部には目出し用の開口2が設けられ、この開口2が
シールド3によって覆われている。このシールド3は、
開口2の左右両側部に設けられる耳カバー4によって隠
された状態で設けられた回動軸5を支点として、上下に
揺動可能、即ち、開口2を開閉可能になっている。
【0020】また、このヘルメット1では、開口2の下
部(あごガード部6の正面部)及び上部の2か所に、換
気用シャッター装置8,9が設けられている。これらシ
ャッター装置8,9は、スライド操作用のツマミ(図示
略)により所望に応じた開閉調節が可能になっており、
ヘルメット1内に対して標準的な(従来技術レベルとし
ての)外気取り込みが可能になっている。これらシャッ
ター装置8,9に対応する構造として、帽体1aにおけ
る下部後方寄りの両脇部等に空気抜き孔10が設けられ
たり、ヘルメット1の後端下面に空気抜き孔(図示略)
が設けられたりしている。
【0021】なお、本発明においてこのようなヘルメッ
ト1における細部の形体や用途等は何ら限定されるもの
ではない。このようなヘルメット1において、帽体1a
には、その上部から後部にわたるように、通路形成体1
5と後部整流体16とが互いに一体化された形体(以
下、「一体成形体17」と言う)として設けられてい
る。図5はこの一体成形体17を裏側から示したもので
ある。図2やこの図5から明らかなように、この一体成
形体17において通路形成体15は2本設けられ、これ
らが互いに左右方向(図5の上下方向)で所定間隔を保
持するようになっており、これに対して後部整流体16
は、これら2本の通路形成体15の後端側(図5の右
側)を連結させるかたちで設けられている。
【0022】この一体成形体17は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、アクリル、ABS、ポリカボネート等の
樹脂材を素材として肉厚が1mm〜1.5mm程度の薄
手のものに形成されている。この肉厚は特に限定される
ものではないが、強度的に必要程度を確保し得る範囲で
薄くして、軽量化を図るようにするのが好適である。そ
してまた、この一体成形体17は、帽体1aにおける球
状をした外面に対して、一体成形体17としての外周部
17aの全周が隙間無く接触(密接)しつつ、通路形成
体15及び後部整流体16に対応する各部分がドーム状
に膨らむ立体形として形成されている。
【0023】一体成形体17の外周部17aは、連続し
た細帯領域となってこの一体成形体17まわりでエンド
レスを成しており、ここに適宜貼着部材(図示略)が設
けられることで、ヘルメット1への装着に供されるよう
になっている。この貼着部材としては、両面粘着テープ
をはじめとして、各種接着剤を用いることが可能であ
る。また、場合によってはこの貼着部材として、ねじ止
め用のネジやリベット止め用のリベットを含めることも
可能である。図4に示すように、このような一体成形体
17を帽体1aへ装着するのに伴い、その内部には、通
路形成体15や後部整流体16(即ち、ドーム状に膨ら
んだ部分)に対応して空洞部が形成されることになる。
これら空洞部のうち、特に通路形成体15に対応する部
分で形成されるものが重要になる。
【0024】すなわち、通路形成体15は、その内部で
形成される空洞部を外気通路18として作用させるとこ
ろであり、帽体1aに対する前側に空気流の取込口すな
わち外気導入口20を有し、また後側に吹出口21を有
している。従って、この外気通路18に対しては、帽体
1aの前方からの外気が取込口(導入口)20を介して
取り込まれ、この取り込まれた後の空気は吹出口21を
介して帽体1aの後部外方へ吹き出されるものとなり、
この外気流によってヘルメット(帽体)内の内気が負圧
で吸引されて換気されるのである。そして、図4及び図
6に示すように、外気通路18の内部には、帽体1aに
対してシャッター装置25が設けられている。このシャ
ッター装置25は、帽体1aからヘルメット1の内方へ
達して設けられた貫通孔26に被せられるようにして設
けられたものである。
【0025】従って、上記のように外気通路(以下通気
路という)18内を取込口20側から吹出口21側へと
通り抜ける空気流は、途中、上記貫通孔26を介してヘ
ルメット1内へと流入したり、或いは通気路18内を通
り抜ける空気流(外気流)により、ヘルメット1内の空
気(内気)が貫通孔26を介して負圧により通気路18
へと吸引されたりする現象が生じる。これにより、ヘル
メット1内では使用者の頭部に対して換気作用及び冷却
作用が奏し得られるものとなる。
【0026】この通路形成体15では、吹出口21が、
ヘルメット1としての使用角度(図8に示すように、ヘ
ルメット1の装着者がオートバイを運転するとき等にお
ける前傾時の角度)に対してその接線方向へ沿わせられ
る状態で形成されている。このとき、通気路18内を通
り抜ける空気流が不必要な淀みや乱流を起こすことがな
いようにするため、通気路18の内部に底板27(図5
参照)を設けて、空気流が可及的に直線的な流れになる
ようにしている。上記後部整流体16は、帽体1aにお
ける外面のあちこちで小さな空気流剥離が分散発生する
のを防止し、そのうえで、帽体1aの後方寄りで集中さ
せるように一気且つ円滑な空気流剥離を起こさせるよう
にしたものである。
【0027】この後部整流体16は、通路形成体15の
上面を兼ねながらヘルメット1の後方へ延びるように設
けられる天面部30と、通路形成体15の吹出口21に
対する直続位置(直後)でその後方へ延びる出口延長部
31と、この出口延長部31の後端部から下方へ延びて
帽体1aの後部外面まで達する背面下部32と、天面部
30と出口延長部31との左右両側部間を接続する側面
部33とを有している。天面部30及び出口延長部31
は、いずれも内方に弯曲した曲面(図4参照)に形成さ
れ、かつ図8に示すようなヘルメット1の使用角度で、
この天面部30の上面に沿って流れる風の方向を路面と
略平行(すなわち、略水準面)にできるように形成され
ている。
【0028】このようにすることで、天面部30や出口
延長部31における風の剥離点が可及的に後方上側にな
り、帽体1a後部に発生する負圧や乱流を抑制し、ヘル
メット1に対する空気抵抗を小さくできると共に、風中
でのヘルメット1の安定性を高めることができる。従っ
て、これらのことから運転者の首の筋肉に対する負担を
軽減できるものである。なお、空気流剥離作用としての
メインは天面部30の弯曲凹面によるものであるが、出
口延長部31もこれを弯曲凹面に形成することで通路形
成体15における外気通路18の吹出口21から吹き出
される空気流(内気と外気の混合流)に対しても剥離の
円滑化を図ることができるようにしている。
【0029】背面下部32は、後部整流体16を側面視
したときに、出口延長部31の後端部が鋭角に形成され
るような角度を有している。このようにすることで、出
口延長部31からの風の剥離を良好にしているととも
に、後部整流体16と帽体1aの外周面との間は空洞部
Aとされている(図4参照)。なお、この後部整流体1
6の全体形状(天面部30、出口延長部31、背面下部
32、側面部33の全部)は、ヘルメット1を使用角度
にした状況下でその前方からヘルメット1まわりを通り
過ぎる空気流が、円滑で連続した流れを呈するように、
滑らかな流線型乃至波型にまとめられている。
【0030】すなわち、上記したように、この後部整流
体16では空気流剥離を帽体1aの後方寄り(天面部3
0及び出口延長部31の後端)で集中発生させることを
主眼としているので、これを換言すれば、天面部30、
出口延長部31、背面下部32、側面部33の各途中部
分での空気流剥離は阻止して、沿流状態に保持させる必
要があるということになる。天面部30及び出口延長部
31においてヘルメット1の後方へ突出する長さや、出
口延長部31と背面下部32との突き合わせ角度等は、
高速走行中において運転者が横を向いたとき(カーブ走
行中を含む)や直進時に強い横風を受けたとき等に、大
きな空気抵抗とならないように決められている。
【0031】なお、上記天面部30は、言うまでもな
く、通路形成体15による外気通路18が左右に所定間
隔をおいて2本設けられていることに伴って、同じく2
本、設けられているが、これら2本の天面部30の相互
間には、天面部30の膨出に対する相対関係として凹み
34(図2及び図3参照)が形成されたものとなってい
る。そして、この凹み34は、長手方向を前後に向けて
いるものである。このため、この凹み34によって風の
流れ方向を直進的にガイドし、風中におけるヘルメット
1の安定性を高める効果が得られる。
【0032】このような一体成形体17を製造するうえ
で採用し得る成形法としては、特に限定されるものでは
ないが、射出成形法、真空成形法又は圧空成形法等が好
適である。これらの成形法であれば、肉厚を1mm〜
1.5mm程度にし又はそれ以下とすることも簡単であ
ると共に、複雑な立体形状の成形に柔軟に対応でき、更
に高精度にでき、低コスト化も図れるという各種の利点
が得られる。図4乃至図7に示すように、前記したシャ
ッター装置25は、ベース部材36とシャッタープレー
ト37とを有している。
【0033】ベース部材36は、複数(図例では3個)
設けられている。これは、帽体1aに対し、ヘルメット
1の内方へと連通する貫通孔26が帽体1aの前後方向
へ並んで複数設けられていることに合わせたもので、そ
れぞれのベース部材36は、各貫通孔26ごとに対応す
る1個のベント孔38を有したかたちで相互に分離独立
したものである。各ベース部材36には、ベント孔(吸
引孔、換気孔、ベンチュレータホール等ともいう)38
に対する下向きの開口縁部を取り囲むようにして嵌合筒
39が設けられている。従って、この嵌合筒39を貫通
孔26へ差し込むことで、帽体1aに対するベース部材
36(ベント孔38)の位置合わせとガタツキ防止とが
図られる。
【0034】各ベース部材36には、左右両側縁部から
上方へ突出してシャッタープレート37を抱き込み可能
にするフック片41が設けられている。また、これらベ
ース部材36のうち、帽体1aに対して最前の位置付け
とされるものでは、ベント孔38の開口縁部の後側で半
円弧の屏風状に起立する空気流ガイド片42が設けられ
ている。この空気流ガイド片42は、空気流が通気路1
8内を取込口20側から吹出口21側へと通り抜ける間
に、シャッタープレート37上を通過する空気流に対し
てベント孔38内への流入を誘い込み、もって貫通孔2
6を介してヘルメット1内へ導入され易くするためのも
のである。
【0035】シャッタープレート37は、長手方向を通
気路18の通路方向に向けた帯板状をしたもので、板厚
方向の可撓性及び弾性を有する樹脂材によって形成され
ている。そして、その長手方向両側を各ベース部材36
に設けられたフック片41間へ差し込んで、係合状態と
させることで、各ベース部材36の上面を浮上阻止のま
ま長手方向に沿って摺動自在となるように保持される。
このシャッタープレート37には、ベース部材36の全
てのベント孔38に対応するように複数の通孔43が設
けられている。各通孔43の形成ピッチは、帽体1aに
対する貫通孔26の形成ピッチと同じになっている。
【0036】従って、このシャッタープレート37を各
ベース部材36に対して摺動させるのに伴い、各ベント
孔38と各通孔43との孔のズレ量として、貫通孔26
の開口量における開閉調節ができるものである。シャッ
タープレート37における長さは、図1乃至図4に示す
ように、最後位置のベース部材36に対応する部分を超
えて更に後方へ延長され、その後端側が通路形成体15
の吹出口21から幾分延び出る程度になっている。最後
位置のベース部材36に対応する部分より後方を後部延
長部45とされている。
【0037】この後部延長部45には、側面形状が半円
状をした板片形体の後部突起46と摺動操作用ツマミ4
7とが設けられている。後部突起46は、上縁側が通路
形成体15の内部天井面に当接可能となって、シャッタ
ープレート37を通気路18の内底面(底板27)へ張
りつかせた状態に保持させるためのものである。これに
より、空気流によってシャッタープレート37(特に後
部延長部45)にビビリ振動が生じるのを防止し、静音
化を保持できるものである。
【0038】また摺動操作用ツマミ47は、言うまでも
なく、シャッタープレート37を押し引きし易くさせる
ための、指の引っ掛け部とするものである。図5及び図
7に示すように、このシャッタープレート37におい
て、最前に位置付けられるベース部材36と中央に位置
付けられるベース部材36との間となる領域には、左右
両側へ突出する一対の突起状をした全開ストッパ50及
び全閉ストッパ51が設けられている。全開ストッパ5
0は、シャッタープレート37を後方(通気路18の吹
出口21に対する引抜方向)へ摺動させたときに、中央
に位置付けられるベース部材36と接触干渉させること
で、ベント孔38(貫通孔26)が全開された後のシャ
ッタープレート37の摺動を阻止するためのものであ
る。
【0039】またこれとは反対に、全閉ストッパ51
は、シャッタープレート37を前方(通気路18の吹出
口21に対する押込み方向)へ摺動させたときに、最前
に位置付けられるベース部材36と接触干渉させること
で、ベント孔38(貫通孔26)が全閉された後のシャ
ッタープレート37の摺動を阻止するためのものであ
る。以上、詳説したところから明らかなように、本発明
に係るヘルメット1では、通路形成体15と後部整流体
16とが互いに一体化されて成る一体成形体17を具備
するものであるため、換気作用と後部整流作用との双方
が得られ、そのうえで外観的な一体感が得られ、見栄え
が良くなっている。
【0040】なお、後部整流体16により、ヘルメット
1に対する空気流剥離が良好になっていることは言うま
でもないが、通路形成体15の吹出口21から吹き出さ
れた空気流も、後部整流体16で整流されるようになっ
ているため、上記の空気流剥離作用は相乗的に高められ
るという効果に繋がる。更に、通路形成体15として
も、吹出口21から吹き出された空気流が後部整流体1
6による整流作用を受けることになるので、換気作用が
相乗的に高められるという効果に繋がるものである。
【0041】特に、本第1実施形態においては通路形成
体15における外気通路18、すなわち、前部に外気導
入口20を後部に吸出口21を有する前後方向に帯状の
トンネル形として長く形成された外気通路18を左右2
本設けて、それらの間に凹み34を生じさせているの
で、この凹み34が、後部整流体16に関して風の流れ
方向を直進的にガイドする作用を供することに繋がり、
風中におけるヘルメット1の安定性を益々高めるという
効果が得られるものである。一方、本発明に係るシャッ
ター装置25では、通路形成体15における外気通路1
8の吹出口21で露出する後部延長部45(摺動操作用
ツマミ47)を押し引きするだけで、帽体1aに設けら
れた複数の貫通孔26を一斉に開閉調節できるものであ
り、構造上及び操作上の容易性が図れると共に、わざわ
ざ見栄えを悪くするような大型化をしなくても、通風量
調節時の外気取込量を十分に確保できるものである。
【0042】ところで、上記した第1実施形態において
は、静音化を進めるうえで、シールド3の取り付けに関
して次のような付加構造を採用してある。すなわち、図
9乃至図11に示すように、このシールド3は、回動軸
5を中心として上下揺動可能になっており、下側位置
(目出し用開口2の閉止状態)はもとより、上側へ開か
せたときも、ヘルメット1から外れることがない構造と
なっている。但し、左右の耳カバー4には楕円形をした
釦部60が設けられており、シールド3を上側へ開かせ
た状態としたうえで、且つ釦部60を押し操作し続けた
状態のときだけ、シールド3をヘルメット1から外すこ
とができるようになっている。
【0043】このための構造として、シールド3には耳
カバー4へ差し込まれる部分に、二股に突出する差込片
61が設けられ、この差込片61に、上下で対向するフ
ック状の切欠62が設けられている。これに対し、ヘル
メット1には、回動軸5と共に一体回動する弾性突出片
64が回動軸5に対する径方向外方へ突出して設けられ
ており、この弾性突出片64の突端寄りに、シールド3
の切欠62に係合可能なストッパ片65が設けられてい
る。この弾性突出片64は、ストッパ片65をヘルメッ
ト1の側面に対して近接・離反させる方向に弾性変形可
能になっている。
【0044】また、弾性突出片64において、ストッパ
片65よりも更に突端側に、操作受け片66が設けられ
ている。これに対し、耳カバー4に設けられた釦部60
には、その裏面部に、押圧突起68が設けられている。
この押圧突起68は、シールド3を上側へ開かせた状態
としたときの操作受け片66に当接可能となる位置付け
とされている。また、この釦部60は、耳カバー4に設
けられた同形(楕円形)の釦孔69に対して、その裏側
からガタツキなく嵌め付けられ、且つ、弾性支持片70
によって耳カバー4の裏面へ向けて押圧付勢されるよう
になっている。即ち、釦部60は、釦孔69から耳カバ
ー4の外方へ向けて膨出する状態を自己保持するように
なっている。
【0045】このようなことから、シールド3を上側へ
開かせた状態としたうえで、且つ釦部60を押し操作し
続けた状態のときだけ、この釦部60の押圧突起68に
よって操作受け片66を押し込み可能となり、これに伴
い、ストッパ片65をシールド3の切欠62から外して
シールド3をヘルメット1から外すことができるように
なっている。この構造中、耳カバー4の釦部60は釦孔
69に対してガタツキなく嵌め付けられ、弾性支持片7
0による付勢力を常に受けるようになるため、この釦部
60の外周部と釦孔69の開口内周部との周隙間から風
が入り込むことが防止される。
【0046】結果として、このことが高速走行時等にお
いてシールド3に対するビビリ振動の発生を防止する効
果、即ち、静音化を進めることにつながる。すなわち、
一般的な構造では、耳カバー等に対してシールド着脱用
のスリット等が設けられており(例えば特許第2702
397号公報参照)、このスリット等から侵入する風が
原因して、シールドにビビリ振動が発生することがあっ
たのである。本発明に係るヘルメット1においては、各
種の変形実施形態が考えられる。例えば、図12(a)
は、上記した第1実施形態における通路形成体15と後
部整流体16との配置関係を模式的に現したものであ
り、左右に振り分け配置した2本の通路形成体15に対
し、それらの直続部分と左右隣接間部分とにわたって一
体に後部整流体16を設けている。
【0047】これに対し、図12(b)に示すように、
各通路形成体15の左右隣接間部分にだけ後部整流体1
6を設けたり、図12(c)に示すように、各通路形成
体15の直続部分にだけ後部整流体16を設けたりする
ことが可能である。また、図13(a)は、通路形成体
15が、左右に振り分けの2位置とそれらの左右方向中
央位置との計3か所に設けられたものを模式的に現した
ものであり、このような態様が可能である。そして、こ
の態様において後部整流体16は、図13(a)に示す
ように、全通路形成体15に対する直続部分と左右隣接
間部分とにわたって一体に設けたり、図13(b)に示
すように、各通路形成体15の左右隣接間部分にだけ設
けたり、図13(c)に示すように、各通路形成体15
の直続部分にだけ設けたりすることが可能である。
【0048】更に、図14(a)は、通路形成体15
が、左右方向の中央となる1か所にだけ設けられたもの
を模式的に現したものであり、このような態様が可能で
ある。そして、この態様において後部整流体16は、図
14(a)に示すように、通路形成体15に対する直続
部分と左右両外側部分とにわたって一体に設けたり、図
14(b)に示すように、通路形成体15の左右両外側
部分にだけ設けたり、図14(c)に示すように、各通
路形成体15の直続部分にだけ設けたりすることが可能
である。
【0049】この他、通路形成体15を4本以上設ける
といったことも可能であり、この場合には、通路形成体
15に対して後部整流体16が直続しているものと直続
していないものとが混在するようにしてよい。図15に
示すように、後部整流体16の天面部30や側面部33
に対して、それらの前後方向に沿って階段状の凹凸を成
す複数の剥離誘導部90,91を設けるようにしてもよ
い。このような剥離誘導部90,91を設けると、天面
部30や出口延長部31の後端部へ到達する前の段階で
小さな空気流剥離が誘発されることになり、天面部30
や出口延長部31の後端側での最終的な空気流剥離を良
好にさせるという効果が得られる。
【0050】なお、剥離誘導部90で起こる小さな空気
流剥離は、天面部30や側面部33がフラット面である
ときの面中途部で不慮的に発生するような空気流剥離と
は異なり、乱流を伴わないため、何ら不都合は生じな
い。図16に示すように、後部整流体16の天面部30
や側面部33に対して、部分球状をした小さな凹部92
が集合した、いわゆるディンプル面を設けるようにして
もよい。このようなディンプル面も、図15で説明した
剥離誘導部90,91と同じように小さな空気流剥離を
誘発するものとなり、天面部30や出口延長部31の後
端側での最終的な空気流剥離を良好にさせるという効果
が得られる。
【0051】この他、通路形成体15や後部整流体1
6、シャッター装置25としての細部構造、部材形状及
び各部材の材質等は、前記各実施形態で説明した以外の
変更、置換等が可能である。勿論、前記したように、対
象となるヘルメットの形式(ジェット形等)、使用目的
等は限定されるものではない。従って、オートバイ以外
の、例えば四輪車用等とすることもできる。なお、この
場合、ヘルメットの使用角度がオートバイのときとはや
や異なるため、これに合わせて後部整流体16の形状等
にも適宜変更を加えればよい。
【0052】以上のように、本発明は上記各実施形態に
限定されるものではない。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るヘルメットでは、外気通路のための通路形成体と
後部整流体とを互いに一体化したものとして具備する構
成となっているため、換気作用と後部整流作用との双方
が得られ、そのうえで外観的な一体感が得られ、見栄え
が良くなっている一方、本発明に係るシャッター装置
では、シャッタープレートを押し引き操作するだけで、
ベース部材のベント孔、すなわち、ヘルメットの帽体に
設けられた複数の貫通孔を一斉に開閉調節できるもので
あり、構造上及び操作上の容易性が図れるものである。
【0054】しかも、ヘルメットの帽体に対して複数の
貫通孔を設けるにも拘わらず、これらを通路形成体の内
部へ位置付けるという事情も加わるため、シャッター装
置全体として、わざわざ見栄えを悪くするような大型化
をしなくても、通風量調節時の外気取込量を十分に確保
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘルメットの第1実施形態を示す
側面図である。
【図2】図1に対応する平面図である。
【図3】図1に対応する背面図である。
【図4】図2のA−A線拡大断面図である。
【図5】第1実施形態で用いる通路形成体及び後部整流
具の一体成形体をその裏面側から示した図である。
【図6】図4のB−B線拡大断面図である。
【図7】第1実施形態で採用したシャッター装置を示す
斜視図である。
【図8】第1実施形態のヘルメットにおける使用状況を
示す側面図である。
【図9】第1実施形態のヘルメットにおいて採用したシ
ールドに関する付加構造を説明した側面図である。
【図10】図9の付加構造としてのシールドの回動軸ま
わりを示した拡大部分構造図である。
【図11】図9の付加構造としての耳カバーを裏側から
且つ分解した状態で示す拡大部分構造図である。
【図12】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
2本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図13】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
3本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図14】本発明に係るヘルメットとして通路形成体を
1本とする場合の各種変形例を示す模式図である。
【図15】本発明に係るヘルメットとして後部整流体の
変形例を示す側面図である。
【図16】本発明に係るヘルメットとして後部整流体に
おける更に別の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】 1 換気機構付きヘルメット 1a 帽体 15 通路形成体 16 後部整流体 17 一体成形体 18 外気通路 20 導入口 21 吹出口 25 換気用シャッター装置 26 貫通孔 34 凹み 36 ベース部材 37 シャッタープレート 38 ベント孔 42 空気流ガイド片 43 通孔 45 後部延長部(操作部) 46 後部突起 47 摺動操作用ツマミ 50 全開ストッパ 51 全閉ストッパ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルメット(1)外周部に、前方から導
    入した外気を後方へ排気する外気通路(18)を備え、
    この外気通路(18)を流通する外気流によってヘルメ
    ット(1)の内気を負圧により吸引して換気するように
    構成した換気機能を有するヘルメットにおいて、 前部に外気導入口(20)を後部に外気吹出口(21)
    を有する外気通路(18)を前後方向に形成するための
    通路形成体(15)と、ヘルメット(1)の後部外面で
    空気流剥離を促すための後部整流体(16)とが互いに
    一体化された形体として設けられていることを特徴とす
    る換気機能を有するヘルメット。
  2. 【請求項2】 上記通路形成体(15)における外気通
    路(18)は、ヘルメット(1)の使用角度に対する接
    線方向へ沿わせる状態で形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の換気機能を有するヘルメット。
  3. 【請求項3】 前記後部整流体(16)は、通路形成体
    (15)における外気通路(18)において帽体(1
    a)の後部外方へ向けて設けられた外気吹出口(21)
    の直後に備えられていることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の換気機能を有するヘルメット。
  4. 【請求項4】 前記通路形成体(15)における外気通
    路(18)は、帽体(1a)における少なくとも左右振
    り分け位置に設けられており、前記後部整流体(16)
    は、各外気通路(18)に設けられた外気吹出口(2
    1)の直後と左右の外気通路(18)間でかつ帽体(1
    a)の左右方向中央位置とにそれぞれ設けられているこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の換気機能を
    有するヘルメット。
  5. 【請求項5】 ヘルメット(1)の帽体(1a)に前後
    方向へ並んで設けられた複数の貫通孔(26)に対し各
    孔に合致するベント孔(38)を有して上記帽体(1
    a)へ装着されるベース部材(36)と、該ベース部材
    (36)の装着部上方を覆って帽体(1a)外部に設け
    られる長手方向を前後に向けた通路形成体(15)内に
    おいてその通路方向に沿ってベース部材(36)上面で
    摺動自在に保持されてベース部材(36)のベント孔
    (38)を開閉調節可能になったシャッタープレート
    (37)とを有していることを特徴とする換気機能を有
    するヘルメットの換気用シャッター装置。
  6. 【請求項6】 前記ベース部材(36)は、帽体(1
    a)の各貫通孔(26)に対応したベント孔(38)ご
    とに分離独立した状態で複数設けられていることを特徴
    とする請求項5記載の換気機能を有するヘルメットの換
    気用シャッター装置。
  7. 【請求項7】 前記ベース部材(36)のうち少なくと
    も一つとシャッタープレート(37)との間でベント孔
    (38)全開後の摺動を阻止する全開ストッパ(50)
    が設けられていると共に、ベース部材(36)のうち少
    なくとも一つとシャッタープレート(37)との間でベ
    ント孔(38)全閉後の摺動を阻止する全閉ストッパ
    (51)が設けられていることを特徴とする請求項6記
    載の換気機能を有するヘルメットの換気用シャッター装
    置。
  8. 【請求項8】 前記ベース部材(36)において、ヘル
    メット(1)の帽体(1a)に対する最前の貫通孔(2
    6)と合致されるベント孔(38)には、その開口縁部
    の後側で起立してシャッタープレート(37)上を通過
    する外気流の一部を貫通孔(26)を介してヘルメット
    内へ導く空気流ガイド片(42)が設けられていること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の
    換気機能を有するヘルメットの換気用シャッター装置。
  9. 【請求項9】 前記シャッタープレート(37)は、前
    記ベース部材(36)に対して浮上阻止の係合状態を保
    持しつつ摺動自在となっており、前記通路形成体(1
    5)において後部からの空気流の吹き出し用に設けられ
    た吹出口(21)へ向けて延びる操作部(45)が設け
    られ、該操作部(45)に対して上記通路形成体(1
    5)の内部天井面に当接して躍りを阻止する突起(4
    6)が設けられていることを特徴とする請求項5乃至請
    求項8のいずれかに記載の換気機能を有するヘルメット
    の換気用シャッター装置。
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