JPH0124125Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、主として自動二輪車の乗員に用いら
れる乗車用ヘルメツト、特に、帽体に、その帽体
前壁の窓をシールド板で閉鎖するようにしたフル
フエイス型ヘルメツトに関する。

(2) 従来の技術 一般に、この種ヘルメツトは、シールト板で窓
を閉じた状態で用いられると、装着者の呼気によ
りシールド板の内面に曇りが生じ、視界を悪くす
ることがある。

そのような不都合を回避するために、装着者の
呼気が窓側へ流れることを防止する呼気案内壁を
帽体内壁に突設したものが既に提案されている。

(3) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、そのようなものでも、装着者の
個人差により装着者の顔面と呼気案内壁との間に
隙間を生じ、装着者の呼気が窓側へ漏れてそれを
曇らせることがある。

そこで本考案は、車両の走行に伴い生じる走行
風を、帽体の浮上りを防止するスポイラを利用し
て帽体内に効果的に導入し、これをシールド板内
面に沿つて流し、もつてシールド板内面の曇りを
確実に防止するようにした前記フルフエイス型ヘ
ルメツトを提供することを目的とする。

Ｂ 考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、帽体の
前壁下縁に走行風による帽体の浮上りを防止する
スポイラを形成し、このスポイラの直上部を前記
シールド板内側の前記窓の下縁に連通する空気導
入路、及び前記窓の上縁を帽体の後部外面に連通
する空気排出路を帽体に設けたことを特徴とす
る。

(2) 作用 車両の走行中、走行風がスポイラに下向きの力
を及ぼし、これによつて帽体の浮上りが防止され
る。

また走行風は、スポイラに誘導されて空気導入
路に進入し、シールド板内面に沿つて窓を横断す
るように流れ、これによりシールド板内面に曇り
が生じるのを防止することができる。窓を横断し
た空気は空気排出路を通り、帽体の後部に発生す
る負圧に引かれて排出される。

(3) 実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、先ず第１図において１はフルフエイス
型ヘルメツトを示し、その帽体２はドーム形をな
している。帽体２の前壁には下部に顎覆い部２ａ
を残して窓３が穿設されており、この窓３を開閉
し得るように透明のシールド板４が帽体２の左右
両側面に軸支される。

第３図に示すように、帽体２は硬質高強度の合
成樹脂製シエル５と、このシエル５の内面に嵌装
された発泡ポリスチロール製の緩衝ライナ６とか
ら構成され、この緩衝ライナ６の天井部にはトツ
プパツト７が、またその周壁にはサイドパツド８
がそれぞれ内張りされる。これらパツド７，８は
いずれも通気性を有するポリウレタンフオーム製
である。

シエル５の下端周縁には環状の縁ゴム９が装着
される。縁ゴム９には顎覆い部２ａの区域でスポ
イラ１０が一体に形成され、このスポイラ１０は
前面１０ａが前下りに傾斜させてある。

スポイラ１０の直上において、シエル５に設け
られた装着孔１１にグリル１２がスポイラ１０に
沿つて嵌着される。グリル１２には多数の空気入
口１３（第２図、第３図参照）が設けられてお
り、この空気入口１３は、顎覆い部２ａにおいて
シエル５及び緩衝ライナ６間に形成されてシール
ド板４内側の窓３の下縁に開口する通気路１４と
連通する。

また窓３の上縁及び帽体２の後部下縁にはそれ
ぞれ複数個の中継パイプ１５及び出口パイプ１６
が嵌着され（第２図参照）、パイプ１５，１６と
連通して緩衝ライナ６内面に開口する通気路１
７，１８が緩衝ライナ６にそれぞれ穿設される。

以上において、グリル１２及び通気路１４は空
気導入路Ａを構成し、また中継パイプ１５、出口
パイプ１６及び通気路１７，１８は空気排出路Ｂ
を構成する。

次にこの実施例の作用を説明する。

例えば自動二輪車の操従者が本考案のヘルメツ
ト１を装着すれば、車両の走行中、走行風がスポ
イラ１０の前下り傾斜の前面１０ａに当り、スポ
イラ１０には下向きの力を及ぼすため、これによ
り帽体２の浮上りを防止することができる。

そして、スポイラ１０に当つた走行風はその前
面１０ａに掬い上げられてグリル１２の空気入口
１３へ誘導され、通気路１４を経て窓３の下縁か
ら噴き出し、シールド板４の内面に沿つて窓３を
横断するように流れ、これによりシールド板４内
面に曇りが生じるのを防止する。

窓３を通過した空気は中継パイプ１５に流入
し、通気路１７を経て帽体２内面に一旦流出し、
帽体２と装着者の頭部との間隙を通過して帽体２
内部を換気する。そして、再び帽体２内の通気路
１８に移り、帽体２後部に発生する負圧に引かれ
て出口パイプ１６から外部へ排出される。

Ｃ 考案の効果 以上のように本考案によれば、帽体の前壁下縁
に走行風による帽体の浮上りを防止するスポイラ
を形成し、このスポイラの直上部をシールド板内
側の窓の下縁に連通する空気導入路、及び窓の上
縁を帽体の後部外面に連通する空気排出路を帽体
に設けたので、車両の走行中、スポイラにより帽
体の浮上りを防止することができると共に、スポ
イラにより誘導された走行風をシールド板内面に
沿つて流し、これによりシールド板内面の曇りを
効果的に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案ヘルメツトの一実施例を示すもの
で、第１図は側面図、第２図は底面図、第３図は
縦断側面図である。 Ａ……空気導入路、Ｂ……空気排出路、１……
ヘルメツト、２……帽体、２ａ……顎覆い部、３
……窓、４……シールド板、５……シエル、６…
…緩衝ライナ、９……縁ゴム、１０……スポイ
ラ、１０ａ……その前面、１２……グリル、１３
……空気入口、１４……通気路、１５……中継パ
イプ、１６……出口パイプ、１７……通気路、１
８……通気路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帽体に、その帽体前壁の窓を透明のシールド板
   で閉鎖するようにした乗車用フルフエイス型ヘル
   メツトにおいて、帽体の前壁下縁に走行風による
   帽体の浮上りを防止するスポイラを形成し、この
   スポイラの直上部を前記シールド板内側の前記窓
   の下縁に連通する空気導入路、及び前記窓の上縁
   を帽体の後部外面に連通する空気排出路を帽体に
   設けたことを特徴とする、乗車用フルフエイス型
   ヘルメツト。