JP2000233610A - 重荷重用タイヤ - Google Patents
重荷重用タイヤInfo
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Abstract
の発熱を効果的に抑制した重荷重用タイヤを提供するこ
とにある。 【解決手段】 トレッド部1に多数本のラグ溝4a,4b を
配設し、これらのラグ溝4a,4b の終端位置5a,5b をそれ
ぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによって形成される
2本のタイヤ円周6a,6b 間で連続して延在する中央陸部
7を有し、トレッドゴムは、室温における損失正接tan
δが0.04〜0.40の範囲となる動的損失特性を有し、タイ
ヤ赤道3を中心とするトレッド幅TWの少なくとも50%の
領域8でのネガティブ率が10〜30%であり、タイヤ赤道
3を中心とするトレッド幅TWの少なくとも80%の領域9
に位置するラグ溝4a,4b の溝部分の溝深さDの最大値が
60mm以上であり、中央陸部7に、タイヤ周方向に沿っ
て延びる周方向浅溝10を設けることを特徴とする。
Description
及び建設車両等に使用される重荷重用タイヤに関するも
のであり、より詳細には、トレッドゴムに所定の特性を
有するゴムを用いると共に、ラグ溝及び中央陸部の形状
を適正にすることにより、耐摩耗性を向上させると共
に、タイヤ負荷転動時におけるトレッド部(特に中央陸
部)での発熱を効果的に抑制してヒートセパレーション
故障の防止を図ることにある。
て配設した、いわゆるラグパターンを有し、バスやトラ
ック及び建設車両等に使用される重荷重用タイヤにおい
て、その耐摩耗性を向上させるには、耐摩耗性の良いト
レッドゴム(例えば硬質ゴム)を使用し、トレッドボリ
ュームを増加させ、トレッドゲージを増加(深溝化)さ
せ、ネガティブ率を減少させ、陸部剛性を高める(例え
ばラグ溝のピッチ数を減らして陸部比率を増大させ
る。)等の手段を用いるのが一般的である。
させた場合には、とりわけタイヤ負荷転動時におけるト
レッド部の発熱性の悪化を招く傾向があり、この発熱性
の悪化は、トレッド部のヒートセパレーション等の故障
を引き起こす原因となることがあった。
イヤサイズの大型化、偏平化及び重荷重化が進んできた
ことにより、トレッド部の発熱性の悪化は顕著になる傾
向があった。
レッドゴムに所定の特性を有するゴムを用いると共に、
ラグ溝及び中央陸部の形状を適正にすることにより、耐
摩耗性を向上させると共に、タイヤ負荷転動時における
トレッド部(特に中央陸部)の発熱を効果的に抑制して
ヒートセパレーション故障を防止した、トラックやバス
及び建設車両等に装着される重荷重用タイヤを提供する
ことにある。
め、 この発明は、 トレッド部に、各トレッド端からそ
れぞれタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を
配設し、これらのラグ溝の終端位置をそれぞれ実質上タ
イヤ周方向に結ぶことによって形成される2本のタイヤ
円周間で連続して延在する中央陸部を有する重荷重用タ
イヤにおいて、トレッドゴムは、室温における損失正接
が0.04〜0.40の範囲となる動的損失特性を有し、タイヤ
赤道を中心とするトレッド幅の少なくとも50%の領域で
のネガティブ率が10〜30%であり、タイヤ赤道を中心と
するトレッド幅の少なくとも80%の領域に位置するラグ
溝の溝部分の溝深さの最大値が60mm以上であり、中央
陸部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向浅溝を設け
ることを特徴とする重荷重用タイヤである。
深さの最大値の25%以下とすること、溝幅を前記円周間
の垂直距離の30〜80%の範囲とすることが好ましい。タ
イヤは、偏平率が90%以下であることが好ましい。TR
Aに規定されている建設車両用タイヤの荷重負荷能力対
応表の最高速度に応じた係数が1.4 以上であることが好
ましい。上記タイヤは、ホイルクレーン又はモービルク
レーン用のタイヤであることがより好適である。
一例を以下で説明する。図1(a)は、 この発明に従う重
荷重用タイヤのトレッド部の一部を展開したものであ
り、図2(a)はこのトレッド部の主要部のタイヤ幅方向断
面を示したものであり、 図中1はトレッド部、2a 及
び2b はトレッド端、3はタイヤ赤道面、4a 及び4b
はラグ溝、5a 及び5b はラグ溝の終端、6a 及び6b
はタイヤ円周、7は中央陸部、10は周方向浅溝である。
荷重用タイヤは、トレッド部1に、各トレッド端2a,2b
からそれぞれタイヤ赤道面3に向かって延びる多数本の
ラグ溝4a,4b を配設し、これらのラグ溝4a,4b の終端位
置5a,5b をそれぞれ実質上タイヤ周方向に結ぶことによ
って形成される2本のタイヤ円周6a,6b 間で連続して延
在する中央陸部7を有している。
「実質上タイヤ周方向」としたのは、図1に示すよう
に、前記終端位置5a又は5bが同一のタイヤ円周6a又は6b
上にある場合の他、前記終端位置5a又は5bが同一のタイ
ヤ円周6a又は6bの近傍の範囲に位置する場合を含めるた
めである。
な原因としては、タイヤ負荷転動時において、タイヤの
トレッド部の接地部分が、接地域で路面から受ける圧縮
応力に伴って圧縮変形するとともに、踏み込み及び蹴り
出し時に受ける曲げ応力に伴って曲げ変形し、これらの
変形を繰り返すことによってトレッドゴムが発熱するこ
とによるものと考えられる。
ド部のゴムゲージがタイヤ断面高さに対して相対的に厚
く設定されているため、トレッド部の陸部剛性が比較的
高く、前記曲げ力に伴う変形量が小さいことから、かか
るタイヤでは、トレッド部の発熱の大部分は前記圧縮変
形の繰り返しによるものである。
ーンとしてラグパターンを採用するのが主流であるが、
ラグパターンを有するタイヤの場合には、対をなすラグ
溝の終端位置間に位置する中央陸部のゴムボリュームが
大きく、前記圧縮変形の繰り返しによってゴムが発熱
し、この熱を速やかに発散することができずに蓄熱さ
れ、これにより、負荷転動時に中央陸部のゴム温度がか
なり高温にまで上昇することになり、この結果、トレッ
ド部のヒートセパレーション故障を引き起こす場合があ
った。
の発熱が問題となるのは、とりわけ、タイヤ新品時から
タイヤ使用初期までのトレッドゲージが比較的厚いとき
であり、タイヤ使用中期以降はトレッド部が摩耗してト
レッドゲージがある程度薄くなるため、トレッド部のゴ
ム温度がヒートセパレーション故障を生じるほどの温度
にまでは上昇するおそれがなくなるからである。
設車両用タイヤ等の重荷重用タイヤにおいて、特にタイ
ヤ新品時からタイヤ使用初期にかけて、トレッド部のヒ
ートセパレーション故障の原因となるトレッド部(特に
中央陸部)の発熱を抑制するための検討を行なったとこ
ろ、トレッドゴムに所定の特性を有するゴムを用いると
ともに、ラグ溝及び中央陸部の適正化を図ることによ
り、接地域の中央陸部に作用する圧縮応力が緩和され、
この結果、トレッド部の発熱が効果的に低減されること
を見出した。
室温(25℃)における損失正接tanδ:0.04〜0.40の範
囲となる動的損失特性を有し、タイヤ赤道を中心とする
トレッド幅の少なくとも50%の領域でのネガティブ率を
10〜30%とし、タイヤ赤道を中心とするトレッド幅の少
なくとも80%の領域に位置するラグ溝の溝部分の溝深さ
の最大値を60mm以上とし、中央陸部にタイヤ周方向に
沿って延びる周方向浅溝を設けることを主な特徴とす
る。
における損失正接tan δが0.04〜0.40の範囲となる動的
損失特性を有するゴムを用いることとしたのは、前記損
失正接が0.04未満だとゴムの破壊性が悪化しすぎるから
であり、また、前記損失正接が0.40よりも大きいと、発
熱性が悪化しすぎるからである。
幅TWの少なくとも50%の領域8でのネガティブ率を10
〜30%としたのは、前記ネガティブ率が10%未満だと中
央陸部の温度が高くなりすぎるからであり、前記ネガテ
ィブ率が30%よりも大きいとと耐摩耗性が悪化するから
である。
ド幅TWの少なくとも80%の領域9に位置するラグ溝4
a,4b の溝部分の溝深さDの最大値を60mm以上とした
のは、前記溝深さDの最大値が60mm未満だと、溝が浅
すぎるため発熱低減効果がないからである。尚、前記溝
深さDの最大値は、あまり大きくしすぎると、耐摩耗性
等が悪化するおそれがあるため、個々のタイヤによって
適正な値に決定するのが望ましい。
て延びる周方向浅溝10を設けるのは、中央陸部7に作用
する圧縮応力を緩和させることができ、この結果、中央
陸部での発熱を効果的に低減させることができる。
顕著であるタイヤ新品時からタイヤ使用初期にかけて、
中央陸部7の発熱を抑制できれば十分であるため、その
範囲内で溝深さ及び溝幅を設定すればよい。
前記ラグ溝深さDの最大値の25%以下とすることが好ま
しい。周方向浅溝10の溝深さdがラグ溝深さDの最大値
の25%よりも大きいと、トレッドボリュームの減少が無
視できなくなり耐摩耗性を悪化させるおそれがあるから
である。
b 間のタイヤ幅方向距離LWの30〜80%の範囲にするこ
とが好ましい。周方向浅溝10の溝幅GWが前記距離LW
の30%未満にすると、タイヤ負荷転動時に中央陸部7に
作用する圧縮応力を緩和する効果が十分に発揮できなく
なる傾向があるからであり、また、前記距離LWの80%
よりも大きくすると、中央陸部7の接地領域が減少しす
ぎて、トレッド部1の側方域での接地圧増加を招き、ベ
ルト端故障が生じやすくなる傾向があるからである。
た構成を採用することによって、耐摩耗性を向上させる
と共に、タイヤ負荷転動時におけるトレッド部(特に中
央陸部)の発熱を効果的に抑制してヒートセパレーショ
ン故障の防止を図ることができる。
る重荷重用タイヤ、とりわけ、ホイルクレーン又はモー
ビルクレーン用の建設車両用タイヤ、より好ましくは、
TRAに規定されているタイヤの荷重負荷能力対応表の
最高速度に応じた係数が1.4以上である建設車両用タイ
ヤに適用すると、特に顕著な効果を奏することができ
る。
態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の
変更を加えることができる。
ヤを試作し、性能を評価したので以下で説明する。実施
例のタイヤは、図1(a),(b)に示されるトレッド部を有す
る建設車両用空気入りタイヤであり、タイヤサイズがOR
R37.00R57 (トレッド幅TW:830 mm)であり、トレ
ッドゴムの損失正接tan δは0.22であり、前記領域8で
のネガティブ率は15%であり、前記領域9に位置するラ
グ溝4a,4b の部分の溝深さDの最大値が85mmであり、
前記円周6a,6b 間の前記距離LWは180 mmであり、周
方向浅溝10は、溝幅GWが100 mmであり、溝深さdが
12mmである。この発明は、トレッド部に構成上の特徴
があるため、その他のタイヤ構造については通常の建設
車両用空気入りタイヤと同等の構造にした。
100 を有する従来タイヤ(従来例)についても試作した
ので、実施例と同様な性能評価を行なった。従来例のタ
イヤは、中央陸部に周方向浅溝を設けないこと、及びト
レッドゴムの損失正接tan δが0.20であることを除いて
実施例のタイヤと同様に構成した。
トレッド部の耐摩耗性及び発熱性を評価するための試験
を行なった。トレッド部の耐摩耗性は、タイヤをTRA
に規定されるデザインリムに装着し、空気圧7.0 kgf/cm
2 、タイヤ負荷荷重:51500 kgf の条件下で悪路ドラム
試験を行ない評価した。その結果、従来例の耐摩耗性指
数が100 であるとき、実施例の耐摩耗性指数は99であ
り、実施例は従来例よりも耐摩耗性が優れていた。ま
た、トレッド部の発熱性は、上記耐摩耗性のときと同様
な条件下でドラム試験を行ない、24時間走行後のトレッ
ド部での最高温度を測定し、これにより評価した。その
結果、実施例は、従来例に比べて中央陸部のゴム温度を
約5℃だけ低かった。
すると共に、タイヤ負荷転動時におけるトレッド部(特
に中央陸部)の発熱を効果的に抑制してヒートセパレー
ション故障の防止を図ることができる、トラックやバス
及び建設車両等に使用される重荷重用タイヤの提供が可
能になった。
ッド部の展開図であり、(b) は、(a) のA−A線上の断
面図である。
展開図であり、(b) は、(a) のB−B線上の断面図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 トレッド部に、各トレッド端からそれぞ
れタイヤ赤道面に向かって延びる多数本のラグ溝を配設
し、これらのラグ溝の終端位置をそれぞれ実質上タイヤ
周方向に結ぶことによって形成される2本のタイヤ円周
間で連続して延在する中央陸部を有する重荷重用タイヤ
において、 トレッドゴムは、室温(25℃)における損失正接(tan
δ)が0.04〜0.40の範囲となる動的損失特性を有し、 タイヤ赤道を中心とするトレッド幅の少なくとも50%の
領域でのネガティブ率が10〜30%であり、 タイヤ赤道を中心とするトレッド幅の少なくとも80%の
領域に位置するラグ溝の溝部分の溝深さの最大値が60m
m以上であり、 中央陸部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向浅溝を
設けることを特徴とする重荷重用タイヤ。 - 【請求項2】 周方向浅溝の溝深さは、前記ラグ溝深さ
の最大値の25%以下である重荷重用タイヤ。 - 【請求項3】 周方向浅溝の溝幅は、前記タイヤ円周間
の垂直距離の30〜80%の範囲である請求項1又は2記載
の重荷重用タイヤ。 - 【請求項4】 タイヤの偏平率が90%以下である請求項
1、2又は3記載の重荷重用タイヤ。 - 【請求項5】 TRAに規定されているタイヤの荷重負
荷能力対応表の最高速度に応じた係数が1.4 以上である
請求項1〜4のいずれか1項記載の重荷重用タイヤ。 - 【請求項6】 ホイルクレーン又はモービルクレーン用
のタイヤである請求項1〜5のいずれか1項記載の重荷
重用タイヤ。
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