JP6401577B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6401577B2
JP6401577B2 JP2014218569A JP2014218569A JP6401577B2 JP 6401577 B2 JP6401577 B2 JP 6401577B2 JP 2014218569 A JP2014218569 A JP 2014218569A JP 2014218569 A JP2014218569 A JP 2014218569A JP 6401577 B2 JP6401577 B2 JP 6401577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber layer
land portion
tire
tread
center land
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014218569A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016084046A (ja
Inventor
西岡 和幸
和幸 西岡
順也 末野
順也 末野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2014218569A priority Critical patent/JP6401577B2/ja
Publication of JP2016084046A publication Critical patent/JP2016084046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6401577B2 publication Critical patent/JP6401577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、ハイドロプレーニング現象の抑制効果を長期に亘って維持しうる空気入りタイヤに関する。
下記特許文献1は、トレッド部のセンター陸部を、仮想トレッドプロファイルラインよりもタイヤ半径方向外側に突出させた空気入りタイヤを提案している。このようなセンター陸部は、路面の水をタイヤ軸方向両外側にかき分け、ハイドロプレーニング現象の発生をより高速域へと移行させる。
特開2005−319890号公報
上記のようなタイヤのセンター陸部は、大きな接地圧が作用し易いため、他の部分よりも早期に摩耗する傾向がある。このような場合、仮想トレッドプロファイルに対するセンター陸部の突出量が減少するため、ハイドロプレーニング現象の発生を抑制する効果が十分に発揮できなくなる。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、トレッド部の摩耗が進行しても、ハイドロプレーン現象の抑制効果を長期に亘って維持しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝が設けられることにより、前記ショルダー主溝の間のセンター陸部と、前記ショルダー主溝とトレッド端との間のショルダー陸部とが区分された空気入りタイヤであって、前記センター陸部は、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記トレッド端間をタイヤ内腔面に沿って滑らかに結ぶ第1仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出し、前記トレッド部のトレッドゴムは、最も外側に配されたキャップゴム層と、前記キャップゴム層の内側に配され、かつ、前記キャップゴム層よりも耐摩耗性能に優れたゴムからなるベースゴム層とを含み、前記センター陸部の前記ベースゴム層は、前記タイヤ子午線断面において、前記ショルダー陸部の前記ベースゴム層のタイヤ半径方向外端間を前記第1仮想トレッドプロファイルに沿って滑らかに結ぶ第2仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出していることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ベースゴム層は、前記キャップゴム層よりも損失正接tanδが小さいゴムからなるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ベースゴム層は、第1ベースゴム層と、前記第1ベースゴム層の外側に配された第2ベースゴム層とを含み、前記第1ベースゴム層は、前記第2ベースゴム層よりも耐摩耗性能に優れたゴムからなるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記第1ベースゴム層の損失正接tanδは、前記第2ベースゴム層よりも小さいのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー陸部の前記キャップゴム層の厚さは、タイヤ軸方向外側に向かって漸増しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部は、路面に接地する接地面と、前記接地面からタイヤ半径方向内方にのびる側壁面とを含み、前記キャップゴム層は、前記側壁面をのびるとともに、その厚さは、前記接地面での厚さよりも大きいのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部は、路面に接地する接地面と、前記接地面からタイヤ半径方向内方にのびる側壁面とを含み、前記キャップゴム層は、前記側壁面をのびるとともに、その厚さは、前記接地面での厚さよりも小さいのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記センター陸部は、路面に接地する接地面と、前記接地面からタイヤ半径方向内方にのびる側壁面とを含み、前記キャップゴム層は、前記側壁面をのび、かつ、前記接地面の中央部には配されないのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤのトレッド部には、タイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝が設けられることにより、ショルダー主溝の間のセンター陸部と、ショルダー主溝とトレッド端との間のショルダー陸部とが区分されている。センター陸部は、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、トレッド端間をタイヤ内腔面に沿って滑らかに結ぶ第1仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出している。このようなセンター陸部は、ウエット路面において、路面の水を効果的に左右にかき分けてショルダー主溝へと誘導し、ひいては、ハイドロプレーニング現象の発生をより高速域へと移行させて抑制することができる。
一方、トレッド部のトレッドゴムは、最も外側に配されたキャップゴム層と、キャップゴム層の内側に配され、かつ、キャップゴム層よりも耐摩耗性能に優れたゴムからなるベースゴム層とを含んでいる。このようなトレッド部では、キャップゴム層の摩耗の進行にともなってベースゴム層が接地面に近づくため、摩耗の進行とともに、センター陸部及びショルダー陸部の耐摩耗性能が徐々に向上される。
また、センター陸部のベースゴム層は、ショルダー陸部のベースゴム層のタイヤ半径方向外端間を第1仮想トレッドプロファイルに沿って滑らかに結ぶ第2仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出している。これにより、センター陸部の耐摩耗性能は、トレッド部の摩耗が進行した際、ショルダー陸部の耐摩耗性能よりも高く維持される。従って、本発明の空気入りタイヤでは、センター陸部の早期摩耗が抑制され、トレッド部の摩耗が進行しても、摩耗時の第1仮想トレッドプロファイルに対するセンター陸部の突出量を維持でき、ひいては、ハイドロプレーニング現象の抑制効果を長期に亘って維持しうる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図である。 図1のタイヤの右側の部分拡大図である。 図2のトレッド部の10%摩耗時の図である。 図2のトレッド部の20%摩耗時の図である。 図2のトレッド部の50%摩耗時の図である。 図5のセンター陸部付近の拡大図である。 他の態様の空気入りタイヤのトレッド部のタイヤ子午線断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が、図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」と言及される場合がある。)のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面図が示されている。本実施形態のタイヤは、例えば、乗用車用として好適に利用され得る。
タイヤのトレッド部2は、タイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝3、3が設けられている。ショルダー主溝3は、例えば、最もトレッド端Te側に配されている。
前記「トレッド端」Teは、正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0°で平面に接地させたときの接地面の最もタイヤ軸方向外側の位置である。正規状態でのトレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向距離は、トレッド幅TWとして定義される。
前記「正規状態」とは、タイヤが、正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法は、正規状態での値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば"Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、例えば、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、例えば、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
本実施形態のトレッド部2には、ショルダー主溝3の間をタイヤ周方向に連続してのびるセンター主溝4がさらに設けられている。センター主溝4は、例えば、タイヤ赤道C上に配されている。
各ショルダー主溝3及びセンター主溝4は、排水性を向上させるため、それぞれ、直線状にのびているのが望ましい。同様の観点から、ショルダー主溝3の溝容積は、例えば、センター主溝4の溝容積よりも大きいのが望ましい。
図2には、図1の右側部分の拡大図が示されている。図2に示されるように、ショルダー主溝3の溝幅W1は、トレッド端Te側の剛性及び排水性を確保するため、例えば、トレッド幅TWの2%〜13%の範囲であるのが好ましい。同様の観点から、ショルダー主溝3の溝深さD1は、好ましくは4.0〜12.0mmの範囲である。
センター主溝4の溝幅W2は、タイヤ赤道C側の剛性及び排水性を確保するため、例えば、トレッド幅TWの2〜20%の範囲であるのが望ましい。同様の観点から、センター主溝4の溝深さD2は、ショルダー主溝3の溝深さD1と同程度である。
図1又は図2に示されるように、上述のショルダー主溝3が設けられることにより、トレッド部2には、ショルダー主溝3の間のセンター陸部5と、ショルダー主溝3とトレッド端Teとの間のショルダー陸部6とが区分されている。本実施形態のセンター陸部5は、センター主溝4が設けられることにより、タイヤ赤道Cの一方側の第1センター陸部7と他方側の第2センター陸部8とに区分されている。
第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、トレッド部2のタイヤ赤道C側の剛性を確保するために、例えば、タイヤ周方向に連続してのびるリブ状に形成されるのが望ましい。リブ状とは、陸部の全幅にわたって横切る横溝が設けられていないタイヤ周方向に連続する陸部分を意味する。本実施形態の第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、それぞれ、路面に接地する接地面Sと、接地面Sからタイヤ半径方向内側にのびる一対の側壁面Jとを含んでいる。
第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sは、タイヤ半径方向外側に凸とるように形成されている。好ましい態様では、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sは、曲率半径が異なる複数の円弧が滑らかに接続されて形成される。
図1及び図2のタイヤ子午線断面には、第1仮想トレッドプロファイルP1が描かれている。第1仮想トレッドプロファイルP1は、トレッド端Te、Te間をタイヤ内腔面Mに沿って滑らかに結んでいる。タイヤ内腔面Mが凹凸にされている場合、第1仮想トレッドプロファイルP1は、タイヤ内腔面Mの凹凸を平坦化した滑らかな単一円弧で近似して得られる。
第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、少なくともその一部が、第1仮想トレッドプロファイルP1よりもタイヤ半径方向外側に突出している。このような第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、ウエット路面において、高い接地圧を持つため、路面の水を効果的に左右にかき分けてショルダー主溝3及びセンター主溝4へと誘導し、ひいては、ハイドロプレーニング現象の発生をより高速域へと移行させて抑制することができる。
各ショルダー陸部6は、ショルダー主溝3内の水をタイヤ軸方向外側に排水するために、例えば、ブロック状に形成されるのが望ましい。ブロック状とは、陸部の全幅にわたって横切る横溝が設けられることにより、タイヤ周方向に複数のブロックが区分された陸部分を意味する。但し、ショルダー陸部6は、リブとして形成されても良い。
本実施形態の各ショルダー陸部6も、路面に接地する接地面Sと、接地面Sからタイヤ半径方向内側にのびる側壁面Jとを含んでいる。ショルダー陸部6の接地面Sは、タイヤ子午線断面において、例えば、第1仮想トレッドプロファイルP1に沿って形成されている。
トレッド部2のトレッドゴムGは、最も外側に配されたキャップゴム層10と、キャップゴム層10の内側に配されたベースゴム層11とを含んでいる。本実施形態では、第1センター陸部7、第2センター陸部8及び各ショルダー陸部6が、それぞれ、キャップゴム層10とベースゴム層11とを含んで形成されている。本実施形態のキャップゴム層10は、第1センター陸部7、第2センター陸部8及びショルダー陸部6の接地面S及び側壁面Jをのびている。
ベースゴム層11は、キャップゴム層10よりも耐摩耗性能に優れたゴムから形成されている。耐摩耗性能は、例えば、ゴムの破壊特性を高めることにより向上でき、本実施形態では、硫黄等の加硫剤を増量することにより、ゴムの破壊特性が高められる。本実施形態のようなトレッドゴムGは、キャップゴム層10の摩耗の進行にともなってベースゴム層11が接地面Sに近づくため、摩耗の進行とともに、第1センター陸部7、第2センター陸部8及び各ショルダー陸部6の剛性が高められ、耐摩耗性能が徐々に向上される。
また、ベースゴム層11は、キャップゴム層10よりも損失正接tanδが小さいゴムから形成されるのが望ましい。損失正接tanδは、例えば、シリカ又はカーボンブラック等の補強剤を増量することにより、小さく抑制される。このようなトレッド部2では、キャップゴム層10の摩耗の進行にともなってベースゴム層11が接地面Sに近づくため、摩耗の進行とともに、トレッド部2の低発熱性能が高められ、ひいては、燃費性能を向上しうる。
タイヤ子午線断面において、第1センター陸部7及び第2センター陸部8のベースゴム層11の外面11aは、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の各接地面Sに沿って形成されている。
図1及び図2のタイヤ子午線断面図には、第2仮想トレッドプロファイルP2がさらに描かれている。図1に良く示されているように、第2仮想トレッドプロファイルP2は、ショルダー陸部6のベースゴム層11のタイヤ半径方向外端11e、11e間を第1仮想トレッドプロファイルP1に沿って滑らかにのびている。
第1センター陸部7及び第2センター陸部8の各ベースゴム層11は、少なくともその一部が、第2仮想トレッドプロファイルP2よりもタイヤ半径方向外側に突出している。これにより、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の耐摩耗性能は、トレッド部2の摩耗が進行した際、ショルダー陸部6の耐摩耗性能よりも高く維持される傾向がある。従って、本実施形態のタイヤでは、ショルダー陸部6に対する第1センター陸部7及び第2センター陸部8の早期摩耗が抑制され、トレッド部2の摩耗が進行しても、摩耗時の仮想トレッドプロファイルに対する第1センター陸部7及び第2センター陸部8の突出量を維持でき、ひいては、ハイドロプレーニング現象の抑制効果を長期に亘って維持しうる。
図3乃至図5には、それぞれ、図2の部分の10%摩耗時、20%摩耗時及び50%摩耗時の一例を示す図が示されている。トレッド部2の摩耗状態は、タイヤのセンター主溝4の溝深さD2と、摩耗時のセンター主溝4の溝深さの減少値dとの比(d/D2)で示される。
タイヤの使用初期時、第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、第1仮想トレッドプロファイルP1よりもタイヤ半径方向外側に突出しているため、ショルダー陸部6に比して大きな接地圧が作用する。このため、図3に示されるように、10%摩耗時のトレッド部2において、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の各キャップゴム層10の摩耗量は、ショルダー陸部6のキャップゴム層10のそれよりも大きい。従って、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の第1仮想トレッドプロファイルP1からの突出量は減少する。但し、10%摩耗時でも、例えば、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の一部が、摩耗後の第1仮想トレッドプロファイルP1よりもタイヤ半径方向外側に突出している間は、ハイドロプレーニング現象の抑制効果は維持される。
第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、ショルダー陸部6に比してキャップゴム層10がより多く摩耗するので、ショルダー陸部6よりも早くベースゴム層11が接地面Sに近づく。これにより、第1センター陸部7及び第2センター陸部8は、ショルダー陸部6よりも耐摩耗性能が高められる。このため、図4に示されるように、20%摩耗時では、ショルダー陸部6は、第1センター陸部7及び第2センター陸部8よりも摩耗する。従って、20%摩耗時では、再び、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の第1仮想トレッドプロファイルP1からの突出量が増加し、ひいては、ハイドロプレーニング現象の抑制効果が維持される。
トレッド部2の摩耗がさらに進行すると、図5に示されるように、第1センター陸部7、第2センター陸部8及び各ショルダー陸部6のベースゴム層11が接地面Sに露出する。このため、50%摩耗時では、第1センター陸部7及び第2センター陸部8のベースゴム層11は、ショルダー陸部6のベースゴム層11よりも大きく摩耗が進行する傾向がある。第1センター陸部7及び第2センター陸部8の一部が、第1仮想トレッドプロファイルP1よりもタイヤ半径方向外側に突出している内は、ハイドロプレーニング現象の抑制効果は維持される。
図6には、50%摩耗時の第1センター陸部7の拡大断面図が示されている。第1センター陸部7及び第2センター陸部8の摩耗時、接地面Sの縁部は、接地面Sの中央側よりも接地面Sの外側がより早く摩耗される。これにより、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sは、タイヤ半径方向外側に突出する円弧形状を維持でき、ひいては、ハイドロプレーニング現象の抑制効果が維持される。
上述の作用をより効果的に発揮させるため、50%摩耗時のトレッド部2において、キャップゴム層10は、例えば、トレッド部2の接地面Sの5〜40%の範囲で接地面Sに露出するように配置されているのが望ましい。
図1又は図2に示されるように、より好ましい態様のキャップゴム層10は、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の側壁面Jでの厚さが、例えば、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sでの厚さよりも大きい。このようなキャップゴム層10は、トレッド部2の摩耗時、接地面Sの円弧形状をより確実に維持しうる。このような観点から、キャップゴム層10は、例えば、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の側壁面Jをのび、かつ、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sの中央部に配さない態様であっても良い。この態様では、トレッド部2の摩耗時、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sの円弧形状を維持でき、ひいては、ハイドロプレーニング現象の抑制効果が維持される。
さらに他の態様のキャップゴム層10は、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の側壁面Jでの厚さが、例えば、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の接地面Sでの厚さよりも小さい。このようなキャップゴム層10は、加硫成形する際のタイヤの膨張により、タイヤ半径方向外側に配されたキャップゴム層10が薄くなり、損傷するおそれを解消することができる。
ハイドロプレーニング現象の抑制効果を維持するために、トレッド部2の摩耗が進行しても、各摩耗時の仮想トレッドプロファイルに対する第1センター陸部7及び第2センター陸部8の突出量が大きく維持されるのが望ましい。このような観点から、本実施形態のショルダー陸部6の接地面Sでのキャップゴム層10の厚さは、図2に示されるように、タイヤ軸方向外側に向かって漸増するのが望ましい。このような態様によれば、トレッド端Te側での摩耗の進行に比して、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の摩耗の進行が遅くなり、仮想トレッドプロファイルに対する第1センター陸部7及び第2センター陸部8の突出量を大きく維持することができる。
上述の作用をより効果的に発揮させるため、ショルダー陸部6の接地面Sでのキャップゴム層10の厚さは、例えば、タイヤ赤道C側端部において1.0〜6.0mmの範囲であり、トレッド端Te側端部において1.5〜8.0mmの範囲である。
図7には、他の態様のトレッド部2の拡大断面図が示されている。図7のトレッド部2のベースゴム層11は、第1ベースゴム層11iと、第1ベースゴム層11iの外側に配された第2ベースゴム層11oとを含んでいる。
第1ベースゴム層11iは、第2ベースゴム層11oよりも耐摩耗性能に優れる。このようなベースゴム層11では、トレッド部2の摩耗時、第1センター陸部7及び第2センター陸部8の摩耗の進行が早い状態と、ショルダー陸部6の摩耗の進行が早い状態とがより多く繰り返され、ひいては、仮想トレッドプロファイルに対する第1センター陸部7及び第2センター陸部8の突出量をより確実に維持することができる。
上述の態様のベースゴム層11は、第1ベースゴム層11iの損失正接tanδが、第2ベースゴム層11oの損失正接tanδよりも小さいゴムから形成されるのが望ましい。このようなベースゴム層11では、第2ベースゴム層11oの摩耗の進行にともなって第1ベースゴム層11iが接地面Sに近づくため、摩耗の進行とともに、トレッド部2の低発熱性能が高められ、ひいては、燃費性能をより一層向上しうる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施しうるのは言うまでもない。
図1のトレッド部のプロファイルを持つタイヤ(195/65R15)が、表1の仕様に基づき試作され、テストされた。なお、比較例のタイヤには、キャップゴム層が設けられていない。
テスト方法は、以下の通りである。
<耐摩耗性能>
摩耗試験機(Laboratory Abrasion and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5度の条件にて、各ゴム組成物の容積損失量が測定された。評価は、実施例1の第2ベースゴム層の容積損失量の逆数を100とする指数で示され、点数が大きい程、耐摩耗性能に優れる。
<低発熱性能(1)>
スペクトロメーター((株)上島製作所製)を用い、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50度にて、各ゴム組成物の試験片の損失正接tanδが測定された。評価は、実施例1の第2ベースゴム層の損失正接tanδの逆数を100とする指数で示され、点数が大きい程、低発熱性能に優れる。
<ハイドロプレーニング現象の抑制効果>
各試供タイヤが、下記の条件で全輪に装着されたテスト車両が、車両一方側のタイヤが走行される10mmの水膜を有するウエット路面と、車両他方側のタイヤが走行されるドライ路面とを含むテストコースで走行され、一方側のタイヤと他方側のタイヤのスリップ率が10%異なる際の車両の速度が測定された。評価は、実施例1の初期使用時に測定された速度を100とする指数で示され、点数が大きい程、ハイドロプレーニング現象の抑制効果に優れる。
リム:15×6.0J
内圧:220kPa
<低燃費性能(2)>
転がり抵抗試験機を用い、各試供タイヤを下記条件で走行させたときの転がり抵抗が測定された。評価は、実施例1の転がり抵抗の逆数を100とする指数で示され、点数が大きい程、低燃費性能に優れる。
リム:15×6JJ
内圧:230kPa
荷重:3.43kN
速度:80km/h
Figure 0006401577
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べてハイドロプレーニング現象の抑制効果及び低燃費性能が向上していることが確認できる。
2 トレッド部
3 ショルダー主溝
5 センター陸部
6 ショルダー陸部
10 キャップゴム層
11 ベースゴム層
11e タイヤ半径方向外端
G トレッドゴム
C タイヤ赤道
P1 第1仮想トレッドプロファイル
P2 第2仮想トレッドプロファイル
S 接地面

Claims (7)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝が設けられることにより、前記ショルダー主溝の間のセンター陸部と、前記ショルダー主溝とトレッド端との間のショルダー陸部とが区分された空気入りタイヤであって、
    前記センター陸部は、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記トレッド端間をタイヤ内腔面に沿って滑らかに結ぶ第1仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出し、
    前記トレッド部のトレッドゴムは、最も外側に配されたキャップゴム層と、前記キャップゴム層の内側に配され、かつ、前記キャップゴム層よりも耐摩耗性能に優れたゴムからなるベースゴム層とを含み、
    前記センター陸部の前記ベースゴム層は、前記タイヤ子午線断面において、前記ショルダー陸部の前記ベースゴム層のタイヤ半径方向外端間を前記第1仮想トレッドプロファイルに沿って滑らかに結ぶ第2仮想トレッドプロファイルよりもタイヤ半径方向外側に突出していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ベースゴム層は、前記キャップゴム層よりも損失正接tanδが小さいゴムからなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベースゴム層は、第1ベースゴム層と、前記第1ベースゴム層の外側に配された第2ベースゴム層とを含み、
    前記第1ベースゴム層は、前記第2ベースゴム層よりも耐摩耗性能に優れたゴムからなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1ベースゴム層の損失正接tanδは、前記第2ベースゴム層よりも小さい請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー陸部の前記キャップゴム層の厚さは、タイヤ軸方向外側に向かって漸増している請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記センター陸部は、路面に接地する接地面と、前記接地面からタイヤ半径方向内方にのびる側壁面とを含み、
    前記キャップゴム層は、前記側壁面をのびるとともに、その厚さは、前記接地面での厚さよりも大きい請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記センター陸部は、路面に接地する接地面と、前記接地面からタイヤ半径方向内方にのびる側壁面とを含み、
    前記キャップゴム層は、前記側壁面をのびるとともに、その厚さは、前記接地面での厚さよりも小さい請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2014218569A 2014-10-27 2014-10-27 空気入りタイヤ Active JP6401577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218569A JP6401577B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218569A JP6401577B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016084046A JP2016084046A (ja) 2016-05-19
JP6401577B2 true JP6401577B2 (ja) 2018-10-10

Family

ID=55973059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014218569A Active JP6401577B2 (ja) 2014-10-27 2014-10-27 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6401577B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7152362B2 (ja) * 2019-06-14 2022-10-12 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6361602A (ja) * 1986-08-29 1988-03-17 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 耐偏摩耗性の優れたラジアルタイヤ
JP3463831B2 (ja) * 1995-02-24 2003-11-05 東洋ゴム工業株式会社 キャップベース構造のトレッドを具えたラジアルタイヤ
JP4453435B2 (ja) * 2004-05-10 2010-04-21 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP2009096255A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP5972618B2 (ja) * 2012-03-16 2016-08-17 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016084046A (ja) 2016-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5238050B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6378799B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
EP2439083B1 (en) Pneumatic tire
JP6006772B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5957405B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6055521B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5452388B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2018008558A (ja) 空気入りタイヤ
EP3162593A1 (en) Tire
JP6317942B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2014184808A (ja) 空気入りタイヤ
JP5895778B2 (ja) 空気入りタイヤ
US10173476B2 (en) Pneumatic tire
CN109501524B (zh) 轮胎
JP5952797B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6575254B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN107031306B (zh) 轮胎
JP2019026241A (ja) タイヤ
JP5181934B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN106427402B (zh) 充气轮胎
JP6401577B2 (ja) 空気入りタイヤ
US20210331522A1 (en) Pneumatic tire
JP2015223916A (ja) 空気入りタイヤ
JP2004359077A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019043492A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6401577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250