JP4801378B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、耐偏摩耗性能を向上しうる重荷重用タイヤに関する。
近年、トラック、バス等に装着される重荷重用空気入りタイヤは、タイヤ交換が容易ではないため、比較的路面の状況に左右されずにトラクション性能が得られるブロックパターンのものが増加しつつある。ところが、ブロックパターンを有する重荷重用タイヤは、同じタイヤであるにも拘わらず、車両に装着される位置によって異なる摩耗挙動を示すことが近年分かってきた。
例えば操舵輪となる前輪に装着されたタイヤは、旋回時の横力の影響を受け、クラウン部よりもショルダー部が早期に摩耗するショルダー摩耗が発生しやすい。他方、後輪に装着されたタイヤは、車両の積載荷重の変動の影響を受ける。即ち、重荷重用タイヤは許容最大荷重をベースとしてプロファイル等が設計されることが多いため、空荷状態での走行では、トレッド面のクラウン部のみが接地する傾向がある。従って、ショルダー部に比してクラウン部が早期に摩耗するクラウン摩耗が生じやすい。
従来、上述のショルダー摩耗及びクラウン摩耗は、互いに相反する性能と考えられており、これまでの技術では、重荷重用タイヤにおいて、前輪及び後輪にそれぞれ装着された場合、各々の車輪について摩耗後半までトレッド面を均一に摩耗させることは非常に困難であった。
なお、ブロックパターンを有する重荷重用タイヤとしては、次の文献が提案されているが、特に本発明の課題を示唆するものではない。
特開平8−193309号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、トレッド面に設けられたブロックの縦横比、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を、クラウンブロック、ミドルブロック及びショルダブロックそれぞれについて一定範囲に限定することを基本として、車両への装着位置に拘わらず、トレッド面を実質的に均一に摩耗させ得る重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド面に、クラウン領域に配されたクラウンブロックと、ショルダー領域に配されたショルダーブロックと、前記クラウン領域と前記ショルダー領域との間のミドル領域に配されたミドルブロックとを含む重荷重用タイヤであって、各ブロックは、下記式(1)〜(7)を満足するとともに、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷とした基準状態において、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面における前記トレッド面は、曲率半径が520〜680mmであることを特徴とする。
1.50≦ACR≦1.80 …(1)
1.30≦AMD≦1.70 …(2)
0.90≦ASH≦1.20 …(3)
0.93≦BMD/BCR≦1.10 …(4)
1.50≦BSH/BCR≦1.85 …(5)
0.90≦CMD/CCR≦1.05 …(6)
1.55≦CSH/CCR≦1.85 …(7)
ここで、”A”はブロックのタイヤ周方向最大長さをタイヤ軸方向最大長さで除して得られるブロック縦横比、”B”はブロックのタイヤ周方向剛性、”C”はブロックのタイヤ軸方向剛性であり、これらの符号AないしCに付された添字”CR”はクラウンブロック、”MD”はミドルブロック、SHはショルダーブロックの各A、B又はCの値であることを示す。
また請求項2記載の発明は、前記各ブロックは、複素弾性率が5.0〜7.0MPaのゴム組成物からなる請求項1記載の重荷重用タイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記トレッド面の前記曲率半径が580〜680mmである請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤである。
本発明の重荷重用タイヤは、クラウンブロック、ミドルブロック及びショルダブロックそれぞれについて、ブロック縦横比、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を一定範囲に限定することにより、車両への装着位置に拘わらずトレッド面を実質的に均一に摩耗させ得る。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の重荷重用タイヤ1のトレッドパターンの一例を示す展開図である。重荷重用タイヤは、例えば1枚のスチールコードからなるカーカスと、その外側に配された少なくとも2枚以上のスチールベルトプライからなるベルト層とを有する重荷重用空気入りラジアルタイヤとして形成される。
また図において、重荷重用タイヤ1は、トレッド接地端E、E間にトレッド面2が設けられる。前記トレッド接地端Eは、タイヤ1を正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態である基準状態から、タイヤ回転軸に正規荷重を負荷しかつキャンバー角0゜で平面に接地させたときの路面と接地する最も外側の位置である。
ここで、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"である。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
また、トレッド面2は、その中央部をなすクラウン領域CRと、トレッド接地端E側のショルダー領域SHと、これらの間のミドル領域MDとに仮想区分できる。前記クラウン領域CRは、タイヤ赤道Cを中心としたトレッド幅TWの25%の幅を有する領域とする。またショルダ領域SHは、トレッド接地端Eからタイヤ軸方向内側にトレッド幅TWの20%の領域とする。なおトレッド幅TWは、前記基準状態において、トレッド接地端E、E間のタイヤ軸方向距離とする。
また、トレッド面2には、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の縦溝3と、この縦溝3に交差する向きにのびる複数本の横溝4とが設けられる。これらの縦溝3及び横溝4により、トレッド面2には、複数個のブロック5が区画される。
前記縦溝3には、本実施形態では、タイヤ赤道C上をのびる1本の内の縦溝3aと、最もトレッド端E側をのびる一対の外の縦溝3cと、前記内の縦溝3aと外の縦溝3cとの間をのびる中の縦溝3bとが含まれている。即ち、この例では合計5本の縦溝3が設けられている。
また前記横溝4は、本実施形態では、内の縦溝3aと中の縦溝3bとの間を継ぐ内の横溝4aと、中の縦溝3bと外の縦溝3cとの間を継ぐ中の横溝4bと、外の縦溝3cからトレッド接地端Eに至る外の横溝4cとを含んで構成される。
これにより前記トレッド面2には、中の縦溝3b、3b間のクラウンブロック5aと、前記中の縦溝3bと外の縦溝3cとの間のミドルブロック5bと、前記外の縦溝3cとトレッド端Eとの間のショルダブロック5cとが区分される。なおクラウンブロック5aのブロック重心Gcはクラウン領域CRに、ミドルブロック5bのブロック重心Gmはミドル領域MDに、ショルダブロック5bのブロック重心Gsはショルダ領域SHに、それぞれ含まれるものとする。
前記縦溝3は、本実施形態では、いずれもタイヤ周方向にジグザグ状でのびている。このようなジグザグ溝は、ブロック5aないし5cの側縁に平面視略横V字状のエッジを付与しトラクション性能を高めるのに役立つ。ただし、縦溝3には、タイヤ周方向に直線状にのびるストレート状や波状など種々の形状を用いることができる。
また本実施形態では、内、外の縦溝3a及び3cのジグザグの振幅は、中の縦溝3bのジグザグの振幅よりも大きいものが例示される。また各縦溝3a、3b及び3cにおいて、ジグザグのピッチ数はいずれも同数である。また、隣り合う縦溝同士において、好ましくはジグザグのピーク位置が重ならないように、周方向に位相をずらせるのが望ましい。
また、各ブロック5aないし5cのトラクション性能を向上させるために、内の横溝4a及び中の横溝4bは、互いに同じ向きに傾き(図1では左上がり)に傾斜し、かつ、そのタイヤ軸方向に対する角度は8゜以上かつ25°以下に設定されるのが好ましい。これに対して、ショルダ領域SHをのびる外の横溝4cは、そのタイヤ軸方向に対する角度を0〜5°と実質的にタイヤ周方向に沿うものとし、ショルダブロック5cに十分な剛性を与える。また、各横溝4の端部は、本実施形態のように、いずれも縦溝3のジグザグの屈曲部(ジグザグのピーク)に連なるものが望ましい。
縦溝3及び横溝4の溝巾は、特に限定されないが、例えば6.0〜11.0mm程度が好適である。
発明者らは、図1をより簡略化したパターン(これは図6に示される。)に基づき、クラウンブロック5a、ミドルブロック5b及びショルダブロック5cについて、各々のブロックのブロック縦横比、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を種々異ならせて摩耗テストを行ったところ、前輪及び後輪といった車両への装着位置に拘わらず、トレッド面2を実質的に均一に摩耗させ得る前記パラーメータが存在することを知見した。また、このパラメータは、クラウンブロック、ミドルブロック及びショルダブロックを有する重荷重用タイヤであれば、ブロック形状に左右されることなく最適な摩耗特性を示し、図1のパターンにおいても同様に優れた摩耗特性を得ることができる。
以下、各要件について説明する。
(ブロック縦横比A)
クラウンブロック5a、ミドルブロック5b及びショルダブロック5cの各ブロック縦横比ACR、AMD及びASHは、図2(A)〜(C)に示されるように、各々のブロック5aないし5cのタイヤ周方向最大長さBLをタイヤ軸方向最大長さBWで除すことにより得られる。即ち、各ブロック縦横比Aは、比(BL/BW)で表すことができる。なお、ブロック縦横比Aが大きいほど、ブロックは相対的にタイヤ周方向に沿って細長くなる。また、ブロック5の接地面と溝底側とにおいて、前記長さBL又はBWが異なる場合でも、前記ブロック縦横比Aは、接地面において特定される。
本発明の重荷重用タイヤ1では、クラウンブロックのブロック縦横比ACR、ミドルブロック5bのブロック縦横比AMD及びショルダブロック5cの縦横比ASHは、下記式(1)、(2)及び(3)を満たす。
1.50≦ACR≦1.80 …(1)
1.30≦AMD≦1.70 …(2)
0.90≦ASH≦1.20 …(3)
前記クラウンブロック5aのブロック縦横比ACRが、1.50未満の場合、前輪に装着されたときに、センター摩耗が生じやすくなる傾向があり、逆に前記ブロック縦横比ACRが、1.80を超える場合、ヒールアンドトウ摩耗が生じやすくなる。またミドルブロック5bのブロック縦横比AMDが、1.30未満の場合、前輪装着時に、ミドルブロックのみ摩耗が促進されるパンチング摩耗が発生する傾向がある。逆に、前記ブロック縦横比AMDが、1.70を超える場合、ヒールアンドトウ摩耗が生じやすくなる。さらに、ショルダブロック5cのブロック縦横比ASHが、0.90未満の場合、ヒールアンドトウ摩耗が生じやすくなり、逆にブロック縦横比ASHが、1.20を超える場合、前輪装着時に肩落ち摩耗が生じやすい。以上は、いずれも種々の実験によって確かめ得た。
ここで、クラウンブロック5aのブロック縦横比ACRと、ミドルブロック5bのブロック縦横比AMDとは、その範囲が一部オーバーラップしているが、好ましくはACR>AMD とする方が、より均一な摩耗が得られる点で好ましい。言い換えると、ブロック縦横比Aは、タイヤ赤道Cの近くに位置するブロックほど大きいことが望ましい。一般に、トレッド部2には、タイヤ軸方向外側にあるブロックほど大きな横力を受ける。従って、トレッド部において、均一な摩耗エネルギーを得るためには、クラウンブロック5aに比してミドルブロック5bの横方向剛性を高める必要がある。そのために、ブロック縦横比に関しては、ACR>AMDとするのが望ましい。
また、特に好ましくは、各ブロック5aないし5cのブロック縦横比ACR、AMD及びASHは、下記式(1)’、(2)’及び(3)’を満たすことが望ましい。
1.60≦ACR≦1.80 …(1)’
1.50≦AMD≦1.70 …(2)’
1.00≦ASH1.20 …(3)’
(ブロックのタイヤ周方向剛性)
各ブロックのタイヤ周方向剛性Bは、図3に示されるように、ブロック5の接地面5Pに作用するタイヤ周方向の外力Fと、そのときのブロック5のタイヤ周方向の変位yとの比であって、下式(a)で定義される。
B=F/y …(a)
ここで、図4に模式化して示されるように、ブロック5を、溝底で支持されかつ垂直に立ち上がる片持ち梁と考えると、ブロック5のタイヤ周方向の変位yの中には前記外力Fによる曲げ変位及びせん断変位が含まれる。しかし、せん断変位は曲げ変位に比して小さいため無視しても差し支えない。従って、ブロックのタイヤ周方向剛性Bを求める際の前記変位yは、外力Fによる曲げ変位とみなす。また、計算の便宜上、各ブロック5aないし5cは、各々のブロック最大高さhの50%高さ位置での断面輪郭a(図3のようにブロック5の接地面5Pと平行とする。)がブロック最大高さhの長さで連続したものとして近似する。以上より、ブロック5の曲げ変位yは、片持ち梁の曲げ変位として下式(b)で計算できる。
y=Fh3 /3EI1 …(b)
ここで、Fは前記タイヤ周方向に沿った外力、hは前記ブロック最大高さ、Eはブロックを構成するゴムの複素弾性率、I1 は前記断面輪郭aについて、その図心を通るタイヤ軸方向線回りの断面二次モーメントである。
従って、各ブロックのタイヤ周方向剛性Bは、式(b)を式(a)に代入し、下式(c)で求めることができる。
B=3EI1 /h3 …(c)
本発明では、クラウンブロック5a、ミドルブロック5b及びショルダブロック5cは、各々のタイヤ周方向剛性BCR、BMD及びBSHが、下記式(4)及び(5)を満たすようブロック形状が定められる。
0.93≦BMD/BCR≦1.10 …(4)
1.50≦BSH/BCR≦1.85 …(5)
種々の実験の結果、クラウンブロック5aのタイヤ周方向剛性BCRとミドルブロック5bのタイヤ周方向剛性BMDとの比(BMD/BCR)が0.93未満の場合、クラウンブロック5aにヒールアンドトウ摩耗が生じやすくなり、逆に前記比(BMD/BCR)が1.10よりも大の場合、ミドルブロック5bにパンチング摩耗が生じやすくなる。
また、クラウンブロック5aのタイヤ周方向剛性BCRとショルダブロック5cのタイヤ周方向剛性BSHとの比(BSH/BCR)が1.50未満の場合、ショルダブロック5cの剛性が低いために、タイヤがトラック等の前輪に装着されたとくにショルダ摩耗が進行しやすく、逆に比(BSH/BCR)が1.85よりも大の場合、ショルダブロック5cの剛性が過度に大きくなるため、後輪に装着された場合にクラウン摩耗が進行しやすくなる。
以上のような観点より、特に好ましくは、各ブロック5aないし5cのタイヤ周方向剛性Bが、下記式(4)’及び(5)’を満たすことが望ましい。
1.00≦BMD/BCR≦1.10 …(4)’
1.60≦BSH/BCR≦1.85 …(5)’
前記ブロック縦横比Aは、ブロックのタイヤ周方向剛性と比較的相関のあるパラメータである。しかし、前記ブロック縦横比Aだけでは、タイヤ周方向で隣り合うブロック間に例えばタイバーのような溝底隆起部が設けられている場合には、その影響を十分に考慮することができない。そのために、本発明では、各ブロックの周方向剛性が前記ブロック縦横比とは別個に採用される。
(ブロックのタイヤ軸方向剛性)
各ブロックのタイヤ軸方向剛性Cは、タイヤ周方向剛性と同様に求めることができ、外力の方向及び変位をいずれもタイヤ軸方向に変更すれば良い。具体的には下式(d)で近似的に求めることができる。
C=3EI2 /h3 …(c)
ここで、Eはブロックゴムの引張弾性率、I2 は前記断面輪郭aについて、その図心を通るタイヤ周方向線回りの断面二次モーメント、hは前記ブロック最大高さである。
本発明では、クラウンブロック5a、ミドルブロック5b及びショルダブロック5cは、各々のタイヤ軸方向剛性CCR、CMD及びCSHが、下記式(6)及び(7)を満たすようにブロック形状が定められている
0.90≦CMD/CCR≦1.05 …(6)
1.55≦CSH/CCR≦1.85 …(7)
ここで、クラウンブロック5aのタイヤ軸方向剛性CCRと、ミドルブロック5bのタイヤ軸方向剛性CMDとの比(CMD/CCR)が0.90未満の場合、ミドルブロック5bのパンチング摩耗が生じる傾向があり、逆に前記比(CMD/CCR)が1.05を超える場合、クラウンブロック5aにヒールアンドトウ摩耗が生じやすくなる。
また、クラウンブロック5aのタイヤ軸方向剛性CCRと、ショルダブロック5cのタイヤ軸方向剛性CSHとの比(CSH/CCR)が1.55未満の場合、ショルダブロック5cのタイヤ軸方向剛性が相対的に低下し、ひいては旋回時の横力によってショルダブロック5cに大きな滑りが生じやすい。これにより、前輪に使用された場合に、顕著にショルダー摩耗が生じやすくなる。逆に、前記比(CMD/CCR)が1.85を超える場合、ショルダブロック5cのタイヤ軸方向剛性が過度に高められる結果、後輪に装着された場合、クラウンブロック5aに大きな滑りが生じやすく、ひいてはクラウン摩耗が生じやすくなる。
このような観点より、特に好ましくは、各ブロック5aないし5cのタイヤ軸方向剛性Cが、下記式(6)’及び(7)’を満たすことが望ましい。
0.95≦CMD/CCR≦1.00 …(6)’
1.60≦CSH/CCR≦1.75 …(7)’
また、前記各ブロック5aないし5cは、複素弾性率が5.0〜7.0MPaのゴム組成物から形成されることが望ましい。各ブロック5aないし5cの複素弾性率が、5.0MPa未満の場合、同じゴム配合であってもショルダ摩耗が生じやすい傾向がある。逆にブロック5aないし5cの複素弾性率が7.0MPaを超えると、同じゴム配合としてもクラウンブロック5aだけが摩耗しやすくなりクラウン摩耗を招きやすくなる。
なお前記複素弾性率は、4mm巾×30mm長さ×1.5mm厚さの短冊状試料を切り取って、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件で測定した値である。
また重荷重用タイヤ1は、前記基準状態において、図5に示されるように、タイヤ回転軸を含む子午断面におけるトレッド面2の曲率半径Rtが520mm以上とされるが、さらに好ましくは540mm以上が望ましい。本実施形態では、前記トレッド面2が実質的に単一の円弧Rtで形成された態様が示されるが、複数の円弧を繋げたものでも良い。ここで、前記曲率半径Rtが520mm未満の場合、特に前輪に装着されたときにショルダー摩耗が生じやすい傾向がある。逆に前記曲率半径Rtは、680mm以下とされるが、より好ましくは660mm以下、さらに好ましくは640mm以下が望ましい。該曲率半径Rtが680mmを超える場合、特に前輪に装着された場合において、センター摩耗が生じやすくなる。
次に、具体的な実施例により本発明の効果を明らかにする。
表1の仕様に基づいて作られた重荷重用タイヤ(サイズ:11R22.5)を代表的なトラック3種類の前輪及び後輪にそれぞれ装着し、各々の摩耗特性を調べた。各供試タイヤのトレッドパターンは、図6に示されるものをベースとし、縦溝及び横溝の溝深さを一定としてブロック形状のみ異ならせた種々のパターンを試作し、比較実験を行った。
また摩耗特性は、クラウンブロックの最大摩耗が50%になるまで各車両で走行し、前輪及び後輪の摩耗比率(クラウンブロックの摩耗量/ショルダブロックの摩耗)をタイヤ赤道の両側かつタイヤ周方向6カ所で測定し、それを3種の車両条件で全平均した値を示す。数値が1.0に近いほど良好である。また、トラックは、2−D4、22−D及び2−Dの3種(各車両とも、フル積載状態と半積載状態とがほぼ50%になるように荷重及び走行距離が調整された。)、リムは7.50×22.5、内圧は800kPaに統一した。テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004801378
Figure 0004801378
テストの結果、実施例のものは、前輪及び後輪に拘わらず実質的に均一な摩耗状態が得られており、本発明の有意性が確認できた。
本発明の実施形態を示す重荷重用タイヤのトレッド面展開図である。 (A)〜(C)は各ブロックの平面図を示す。 ブロック剛性を説明する斜視図である。 ブロック剛性を説明するブロックを片持ち梁に見立てた模式図である。 基準状態におけるタイヤ回転軸を含むトレッド面の断面図である。 実施例で使用したトレッドパターンを示すトレッド面の展開図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド面
3 縦溝
4 横溝
5 ブロック
5a クラウンブロック
5b ミドルブロック
5c ショルダブロック
CR クラウン領域
MD ミドル領域
SH ショルダ領域

Claims (3)

  1. トレッド面に、クラウン領域に配されたクラウンブロックと、ショルダー領域に配されたショルダーブロックと、前記クラウン領域と前記ショルダー領域との間のミドル領域に配されたミドルブロックとを含む重荷重用タイヤであって、
    各ブロックは、下記式(1)〜(7)を満足するとともに、
    正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷とした基準状態において、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面における前記トレッド面は、曲率半径が520〜680mmであることを特徴とする重荷重用タイヤ。
    1.50≦ACR≦1.80 …(1)
    1.30≦AMD≦1.70 …(2)
    0.90≦ASH≦1.20 …(3)
    0.93≦BMD/BCR≦1.10 …(4)
    1.50≦BSH/BCR≦1.85 …(5)
    0.90≦CMD/CCR≦1.05 …(6)
    1.55≦CSH/CCR≦1.85 …(7)
    (ここで、" A" はブロックのタイヤ周方向最大長さをタイヤ軸方向最大長さで除して得られるブロック縦横比、" B" はブロックのタイヤ周方向剛性、" C" はブロックのタイヤ軸方向剛性であり、これらの符号AないしCに付された添字"CR"はクラウンブロック、"MD"はミドルブロック、"SH"はショルダーブロックの各A、B又はCの値であることを示す。)
  2. 前記各ブロックは、複素弾性率が5.0〜7.0MPaのゴム組成物からなる請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記トレッド面の前記曲率半径が580〜680mmである請求項1又は2に記載の重荷重用タイヤ。
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