JP6393162B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、排水性能を悪化させることなく、耐偏摩耗性能を向上させた重荷重用空気入りタイヤに関する。
トレッド部に、主溝と横溝とで区分された複数のブロックを有するブロックパターンの重荷重空気入りタイヤが知られている。このようなブロックパターンは、各ブロックに、ヒールアンドトウ摩耗等の偏摩耗が生じやすい。耐偏摩耗性能を向上させるために、例えば、横溝に、その溝底を隆起させたタイバーを設けた重荷重用空気入りタイヤが提案されている。タイバーは、ブロックが路面に接地したときの変形を抑え、ひいては各ブロックの摩耗を抑えることができる。
しかしながら、上述のようなタイバーは、トレッド部の摩耗が進むにつれて路面に接地するようになり、比較的早期に横溝を消滅させる。このため、上記のような重荷重用空気入りタイヤは、排水性能が早期に低下するという問題があった。
特開2012−51504号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、センターブロック及びミドルブロックを改善することを基本として、排水性能を長期に亘って維持しながら、良好な耐偏摩耗性能を発揮しうる重荷重用空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部に、タイヤ赤道上でタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびる1本のセンター主溝、前記センター主溝の両側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるミドル主溝、及び、前記各ミドル主溝のタイヤ軸方向外側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるショルダー主溝が設けられることにより、前記センター主溝と前記ミドル主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のセンター陸部、及び、前記ミドル主溝と前記ショルダー主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のミドル陸部が形成された重荷重用空気入りタイヤであって、前記センター陸部は、前記センター陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記センター主溝のジグザグの頂部と前記ミドル主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のセンター横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のセンターブロックに区分され、前記ミドル陸部は、前記ミドル陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記ミドル主溝のジグザグの頂部と前記ショルダー主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のミドル横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のミドルブロックに区分され、前記ミドルブロックのタイヤ周方向の長さ(LM)とタイヤ軸方向の幅(WM)との比であるミドルブロック縦横比(LM/WM)は、前記センターブロックのタイヤ周方向の長さ(LC)とタイヤ軸方向の幅(WC)との比であるセンターブロック縦横比(LC/WC)よりも小であることを特徴とする。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センター横溝及び前記ミドル横溝の溝深さが、前記ミドル主溝の溝深さよりも小であり、前記センター横溝及び前記ミドル横溝の溝深さと、前記ミドル主溝の溝深さとの差は、4.5mm未満であるのが望ましい。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センターブロック縦横比が、2.0〜2.6であり、前記ミドルブロック縦横比は、1.9〜2.5であるのが望ましい。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センター主溝が、長辺部と、前記長辺部よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部とを交互に含むのが望ましい。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センターブロックが、前記長辺部と前記ミドル主溝のタイヤ軸方向外側へ凸となるジグザグの頂部とを継ぐセンターサイプが設けられるのが望ましい。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センター主溝の溝幅が、前記ミドル主溝の溝幅よりも小であり、前記ミドル主溝の溝幅は、前記ショルダー主溝の溝幅よりも小であるのが望ましい。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記センター横溝のタイヤ軸方向に対する角度が、15度以下であるのが望ましい。
本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、センター陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる位置にセンター横溝が設けられることによって、踏面が六角形状のセンターブロックを有する。同様に、ミドル陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる位置にミドル横溝が設けられることにより、踏面が六角形状のミドルブロックが形成される。このようなセンターブロック及びミドルブロックのタイヤ軸方向の幅は、タイヤ周方向の中央部分から両端部に向かって小さくなるため、ブロックの両端部は、ブロックの踏み込み時及び蹴り出し時に適度に変形することにより、路面に対する滑りが抑制される。これにより、センターブロック及びミドルブロックの両端部に作用する摩耗エネルギーが低減される。
一方、トレッド部のプロファイル等に基づき、直進走行時では、センターブロックの接地圧がミドルブロックの接地圧よりも一般的に大きい。従って、センターブロックとミドルブロックとの間で摩耗差を無くし均一摩耗に近づけるためには、接地圧分布に応じたブロックのタイヤ周方向剛性の調整が必要になる。
本発明では、上述の接地圧分布に基づいて、ミドルブロック縦横比が、センターブロック縦横比よりも小さく設定される。ミドルブロック縦横比は、ミドルブロックのタイヤ周方向の長さLMとタイヤ軸方向の幅WMとの比LM/WMで定義される。同様に、センターブロック縦横比は、センターブロックのタイヤ周方向の長さLCとタイヤ軸方向の幅WCとの比LC/WCで定義される。これらの縦横比LM/WM、LC/WCは、いずれも、ブロックの全体的なタイヤ周方向剛性と相関を有し、縦横比が大きいブロックほど、大きなタイヤ周方向剛性を持つ。従って、センターブロックには、ミドルブロックよりも、大きなタイヤ周方向剛性が与えられるので、両ブロック間での摩耗差を減らすことができる。
以上のように、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、踏面が六角形状に設定されるとともに、センターブロックに、ミドルブロックよりも大きな縦横比を与えることで、各ブロックのヒールアンドトウ摩耗や、センターブロックとミドルブロックとの間での摩耗差を減らすことができる。従って、本発明によれば、例えば、排水性能の低下を招きやすいタイバーに頼ることなく、又は、タイバーをより小型化しながら、耐偏摩耗性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 図1のセンター陸部の拡大図である。 センター横溝の横断面図である。 図1の右側のミドル陸部及びショルダー陸部の拡大図である。 比較例のトレッド部の展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示す重荷重用空気入りタイヤ1のトレッド部2の展開図が示される。本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、例えばトラック・バス等用として好適に利用される。
図1に示されるように、トレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる主溝が設けられている。本実施形態の主溝は、タイヤ赤道C上に設けられる1本のセンター主溝3、センター主溝3の両側に各1本配されるミドル主溝4、及び、各ミドル主溝4、4とそのタイヤ軸方向外側のトレッド端Teとの間に配される一対のショルダー主溝5、5を含んでいる。
前記「トレッド端」Teは、外観上、明瞭なエッジによって識別しうるときには当該エッジとする。しかしながら、エッジが識別不能の場合には、正規リムにリム組みされかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態において、トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
センター主溝3は、ジグザグ状にのびている。本実施形態のセンター主溝3は、センター長辺部3Aと、センター短辺部3Bとを交互に含んでいる。センター長辺部3Aは、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜している。センター短辺部3Bは、センター長辺部3Aとは逆向きに傾斜しかつセンター長辺部3Aよりもタイヤ周方向の長さが小である。このようなセンター主溝3は、センター主溝3の両側の陸部の踏面と路面との間の水膜を効果的に集めることができるため、排水性能を高める。また、センター短辺部3Bは、タイヤ周方向に対する角度θ2が大きいため、直進走行時、センター短辺部3Bを閉じる向きに力が作用するので、センター短辺部3B近傍の陸部のタイヤ周方向への変形が抑制され、路面に対する滑りが小さくなる。これにより、ヒールアンドトウ摩耗が抑制される。
センター主溝3は、センター長辺部3Aとセンター短辺部3Bとの交差位置でタイヤ軸方向一方側(図1では右側)へ凸となるジグザグの頂部3hと、センター長辺部3Aとセンター短辺部3Bとの交差位置でタイヤ軸方向他方側(図1では左側)へ凸となるジグザグの頂部3kとを有している。
センター長辺部3Aのタイヤ周方向に対する角度θ1は、好ましくは、0.5〜6.5度である。センター短辺部3Bのタイヤ周方向に対する角度θ2は、好ましくは、5〜15度である。センター長辺部3Aの角度θ1が6.5度を超える場合、又は、センター短辺部3Bの角度θ2が15度を超える場合、センター主溝3のジグザグの頂部3h、3k近傍の陸部の剛性が過度に低下するおそれがある。また、センター長辺部3Aの角度θ1が0.5度未満の場合、又は、センター短辺部3Bの角度θ2が5度未満の場合、センター主溝3の両側の陸部の踏面と路面との間の水膜を効果的に集めることができないおそれがある。
センター主溝3の両側の陸部の剛性を大きくするとともに、センター主溝3の両側の陸部の路面に対する滑りを小さくする観点より、センター長辺部3Aのタイヤ周方向の長さL1とセンター短辺部3Bのタイヤ周方向の長さL2との比L1/L2は、1.3〜2.3が望ましい。
図2に示されるように、ミドル主溝4は、ジグザグ状にのびている。本実施形態のミドル主溝4は、ミドル第1部分4Aとミドル第2部分4Bとを交互に含んでいる。ミドル第1部分4Aは、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜している。ミドル第2部分4Bは、ミドル第1部分4Aとは逆向きに傾斜しかつミドル第1部分4Aとタイヤ周方向の長さが同じである。このようなミドル主溝4は、排水抵抗を小さくできるので、溝内の水をスムーズに排出し得る。ミドル主溝4近傍の陸部は、センター主溝3近傍の陸部に比して、直進走行時の接地圧が小さいので、陸部の変形抑制よりも排水性能の向上を優先することができる。なお、ミドル第1部分4Aとミドル第2部分4Bとは、異なるタイヤ周方向の長さであっても良い。
ミドル主溝4は、ミドル第1部分4Aとミドル第2部分4Bとの交差位置でタイヤ軸方向外側へ凸となるジグザグの頂部4hと、ミドル第1部分4Aとミドル第2部分4Bとの交差位置でタイヤ軸方向内側へ凸となるジグザグの頂部4kとを有している。
ミドル主溝4のタイヤ周方向に対する角度θ3は、好ましくは、2〜8度である。これにより、ミドル主溝4両側の陸部の踏面の水膜を効果的に集積できるとともに、スムーズな排水が実現される。
同様の観点より、ミドル第1部分4A、ミドル第2部分4Bのタイヤ周方向の長さL3は、好ましくは、トレッド幅TWの10%〜20%である。
ショルダー主溝5は、ジグザグ状にのびている。本実施形態のショルダー主溝5は、ショルダー第1部分5Aとショルダー第2部分5Bとを交互に含んでいる。ショルダー第1部分5Aは、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜している。ショルダー第2部分5Bは、ショルダー第1部分5Aとは逆向きに傾斜しかつショルダー第1部分5Aと同じタイヤ周方向の長さを有している。ショルダー主溝5は、ショルダー主溝5の両側の陸部の踏面と路面との間の水膜を効果的に集めることができるため、排水性能が向上する。なお、ショルダー第1部分5Aとショルダー第2部分5Bとは、異なるタイヤ周方向の長さであっても良い。
ショルダー主溝5は、ショルダー第1部分5Aとショルダー第2部分5Bとが交差位置でタイヤ軸方向外側へ凸となるジグザグの頂部5hと、ショルダー第1部分5Aとショルダー第2部分5Bとが交差位置でタイヤ軸方向内側へ凸となるジグザグの頂部5kとを有している。
ショルダー主溝5のタイヤ軸方向外側の陸部には、旋回走行時に大きな横力が作用する。このため、ショルダー主溝5のタイヤ周方向に対する角度θ4を小さくすることで、この陸部のタイヤ軸方向の剛性をタイヤ周方向に亘って均等化できるので、耐偏摩耗性能を向上させることができる。また、このようなショルダー主溝5は、回転方向の後着側へスムーズに排水しうる。このような観点より、ショルダー主溝5の角度θ4は、好ましくは1〜7度である。
上述の作用を効果的に発揮させるため、ショルダー第1部分5A、ショルダー第2部分5Bのタイヤ周方向の長さL4は、好ましくは、トレッド幅TWの10%〜20%である。
ショルダー主溝5の溝幅W3は、ミドル主溝4の溝幅W2よりも大であるのが望ましい。また、ミドル主溝4の溝幅W2は、センター主溝3の溝幅W1よりも大であるのが望ましい。これにより、直進走行時、大きな接地圧が作用するタイヤ赤道C近傍側の陸部のタイヤ周方向剛性を、トレッド端Te側の陸部のタイヤ周方向剛性よりも高めることができるので、ヒールアンドトウ摩耗等の耐偏摩耗性能が向上する。また、溝幅の大きいショルダー主溝5によって、トレッド部2全体での溝容積が確保されるので、排水性能の悪化が抑制される。このような観点より、センター主溝3の溝幅W1は、好ましくは、トレッド幅TWの0.5%〜3%である。ミドル主溝4の溝幅W2は、好ましくは、センター主溝3の溝幅W1の1.5〜3.0倍である。ショルダー主溝5の溝幅W3は、好ましくは、センター主溝3の溝幅W1の2.0〜4.0倍である。
各主溝3乃至5の溝深さ(図示省略)については、慣例に従って種々定めることができる。各主溝3乃至5の溝深さは、例えば、10〜16.5mmが望ましい。
このような各主溝3乃至5によって、トレッド部2には、各一対のセンター陸部6、6、ミドル陸部7、7、及び、ショルダー陸部8、8が設けられている。センター陸部6は、センター主溝3とミドル主溝4との間に形成されている。ミドル陸部7は、ミドル主溝4とショルダー主溝5との間に形成されている。ショルダー陸部8は、ショルダー主溝5とトレッド端Teとの間に形成されている。
図3は、図1のセンター陸部6の拡大図である。図3に示されるように、センター陸部6は、本実施形態では、センター主溝3及びミドル主溝4のジグザグ位相が約半ピッチずれることによって、タイヤ軸方向の幅Wcがタイヤ周方向に増減を繰り返している。即ち、センター陸部6は、最大幅部6Aと、最小幅部6Bとを有している。最大幅部6Aは、センター主溝3のいずれかのジグザグの頂部3h、3kと、ミドル主溝4のジグザグの外側の頂部4hとを継ぐことでタイヤ軸方向の幅Wcが最大となる部分である。最小幅部6Bは、センター主溝3のいずれかのジグザグの頂部3h、3kと、ミドル主溝4のジグザグの内側の頂部4kとを継ぐことでタイヤ軸方向の幅Wcが最小となる部分である。最大幅部6Aと最小幅部6Bとは、タイヤ周方向に交互に設けられている。
センター陸部6は、センター陸部6の最小幅部6Bをのびるセンター横溝9がタイヤ周方向に複数本設けられている。このようなセンター横溝9は、センター陸部6の踏面6nの水膜を集めて、センター主溝3又はミドル主溝4に排水できるので、排水性能を向上させる。また、このようなセンター横溝9は、タイヤ軸方向の長さが小さいので、溝内の水を容易に両側の主溝3、4へ排出し得る。
センター横溝9は、直線状にのびている。これにより、センター横溝9の両側のセンター陸部6の剛性を高くなるので、ヒールアンドトウ摩耗を抑制することができる。
センター横溝9は、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このようなセンター横溝9は、タイヤ周方向成分を有するので、タイヤの転動を利用して、センター横溝9内の水を両側の主溝3、4に排出し得る。センター横溝9のタイヤ軸方向に対する角度θ5が大きい場合、センター横溝9近傍のセンター陸部6の剛性が低下するおそれがある。このため、センター横溝9のタイヤ軸方向に対する角度θ5は、5〜15度が望ましい。
センター横溝9の溝幅W4は、トレッド幅TWの1.5%〜4.5%が望ましい。これにより、センター陸部6の剛性を確保しつつ、センター陸部6の踏面の水膜を効果的に集めることができる。
図4は、センター横溝9の横断面である。図4に示されるように、センター横溝9は、溝を埋めて得られるセンター陸部6の仮想踏面6sと実質的に平行な溝底9aと、溝底9aの両側からセンター陸部6の踏面6nまでのびる一対の溝壁面9b、9bとを有している。このような溝底9aは、溝容積を大きく確保して排水性能を向上することができる。なお、センター横溝9の溝底9aは、このような形状に限定されるものではない。
排水性能を長期に亘って維持するとともに、センター陸部6の剛性を高く確保してヒールアンドトウ摩耗等の偏摩耗を抑制するため、センター横溝9の溝深さD1は、ミドル主溝4の溝深さ(図示省略)よりも小であるのが望ましく、また、ミドル主溝4の溝深さとの差が、0.5mmを超えて4.5mm未満であるのがさらに望ましい。
図3に示されるように、センター陸部6は、センター横溝9によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のセンターブロック11に区分される。このようなセンターブロック11のタイヤ軸方向の幅Wcは、タイヤ周方向の中央部分11cから両端部11tに向かって小さくなるため、センターブロック11の両端部11tは、センターブロック11の踏み込み時及び蹴り出し時に適度に変形することにより、路面に対する滑りが制抑される。これにより、センターブロック11の両端部11tに作用する摩耗エネルギーが低減されるので、耐偏摩耗性能が大きく向上する。なお、「六角形状」とは、厳密な六角形である必要はなく、センターブロック11のタイヤ周方向の中央部分11c側から両端部11t側に向かって、センターブロック11のタイヤ軸方向の幅が小さくなっていれば良い。
センターブロック11には、センター主溝3とミドル主溝4との間を継ぐオープンタイプのセンターサイプ13が設けられている。これにより、センターブロック11は、センターサイプ13の両側のセンターブロック片11a、11aに区分される。センターサイプ13は、センターブロック11の踏面11nの水膜を吸収するので排水性能を高めるのに役立つ。また、幅の小さいサイプは、センターブロック11のタイヤ周方向のブロック縁の接地時、幅を閉じる向きに変形するので、隣合うサイプの壁面同士が密着して支え合い、陸部の剛性低下を抑制する。従って、センターサイプ13は、高い接地圧が作用しかつ排水し難いセンターブロック11において、排水性能と耐偏摩耗性能とをバランス良く高める。
センターサイプ13は、ジグザグ状にのびている。これにより、センターブロック片11a、11aのタイヤ軸方向への変形も抑制するので、路面に対する滑りの抑制をさらに確保する。なお、センターサイプ13は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、波状や正弦波状や直線状にのびるものでも良い。
センターサイプ13は、本実施形態では、センター主溝3のセンター長辺部3Aとミドル主溝4のタイヤ軸方向外側へ凸となるジグザグの頂部4hとを継いでいる。このようにセンターサイプ13は、センターブロック11のタイヤ周方向剛性の大きい部分に配されているので、各センターブロック片11a、11aの剛性バランスを高く維持する。
センターサイプ13は、センター横溝9と同じ向きに傾斜しているのが望ましい。これにより、センターブロック片11aのタイヤ周方向の剛性をタイヤ軸方向の両側で均等に確保することができるので、ヒールアンドトウ摩耗等を抑制することができる。このような作用を一層高めるため、センターサイプ13のタイヤ周方向に対する角度θ6は、センター横溝9と同じ角度θ5で傾斜するのが望ましい。本実施形態のようにジグザグ状にのびるサイプの角度は、ジグザグの振幅中心線で定義される。
特に限定されるものではないが、上述の作用を効果的に発揮させるため、センターサイプ13の深さ(図示省略)は、好ましくは、ミドル主溝4の溝深さの80%以上、より好ましくは84%以上であり、また、好ましくは96%以下、より好ましくは92%以下である。
図5は、図1の右側のミドル陸部7及びショルダー陸部8の拡大図である。図5に示されるように、ミドル陸部7は、本実施形態では、ミドル主溝4及びショルダー主溝5のジグザグ位相が約半ピッチずれることによって、タイヤ軸方向の幅Wmがタイヤ周方向に増減を繰り返している。このように、ミドル陸部7は、最大幅部7Aと、最小幅部7Bとを有している。最大幅部7Aは、ミドル主溝4の内側の頂部4kとショルダー主溝5の外側の頂部5hとを継ぐことでセンター主溝3のタイヤ軸方向の幅Wmが最大となる部分である。最小幅部7Bは、ミドル主溝4の外側の頂部4hとショルダー主溝5の内側の頂部5kとを継ぐことでタイヤ軸方向の幅Wmが最小となる部分である。最大幅部7Aと最小幅部7Bとは、タイヤ周方向に交互に設けられている。
ミドル陸部7は、最小幅部7Bをのびるミドル横溝15がタイヤ周方向に複数本設けられている。このようなミドル横溝15は、ミドル陸部7の踏面7nの水膜を集めて、ミドル主溝4又はショルダー主溝5に排水できるので、排水性能を向上させる。また、ミドル横溝15は、タイヤ軸方向の長さが小さいので、溝内の水を容易に両側の主溝4、5へ排出し得る。
ミドル横溝15は、直線状にのびている。これにより、ミドル横溝15の両側のミドル陸部7の剛性を高く確保して、路面に対する滑りを抑制する。
本実施形態のミドル横溝15は、センター横溝9と同様に、溝を埋めて得られる仮想踏面と実質的に平行な溝底(図示省略)と、溝底の両側からミドル陸部7の踏面7nまでのびる一対の溝壁面とを有している。
ミドル横溝15は、タイヤ軸方向に対して傾斜している。このようなミドル横溝15は、タイヤ周方向成分を有するので、タイヤの転動を利用して、ミドル横溝15内の水を両側の主溝4、5に排出し得る。
ミドル横溝15の角度θ7は、センター横溝9の角度θ5(図3に示す)よりも小さいのが望ましい。一般的に、旋回走行時に生じる横力は、タイヤ軸方向外側の陸部ほど大きく作用するので、センター陸部6とミドル陸部7との摩耗差を小さくするには、ミドル陸部7のタイヤ軸方向の剛性をセンター陸部6のタイヤ軸方向の剛性よりも大きく確保することも望ましい。このため、ミドル横溝15の角度θ7は、4〜14度が望ましい。
ミドル横溝15の溝幅W5は、センター横溝9の溝幅W4(図3に示す)よりも大きいのが望ましい。これにより、センター陸部6の踏面6nの水膜をセンター主溝3を介してミドル主溝4へスムーズに排水できる。ミドル陸部7の剛性を確保する観点より、ミドル横溝15の溝幅W5は、センター横溝9の溝幅W4の1.5〜2.5倍が望ましい。
ミドル陸部7の剛性を確保するため、ミドル横溝15の溝深さ(図示省略)は、ミドル主溝4の溝深さよりも小であるのが望ましく、ミドル主溝4の溝深さとの差が、2.7mmを超えて5.3mm未満であるのがさらに望ましい。なお、ミドル横溝15の溝深さは、センター横溝9の溝深さよりも小さいのが望ましい。このようなミドル横溝15は、ミドル横溝15の両側のミドル陸部7のタイヤ周方向剛性を高め、ミドル陸部7の路面に対する滑りを抑制する。
ミドル陸部7は、ミドル横溝15によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のミドルブロック17に区分される。このようなミドルブロック17のタイヤ軸方向の幅Wmは、タイヤ周方向の中央部分17cから両端部17tに向かって小さくなるため、ミドルブロック17の両端部17tは、ミドルブロック17の踏み込み時及び蹴り出し時に適度に変形することにより、路面に対する滑りが制抑される。これにより、ミドルブロック17の両端部17tに作用する摩耗エネルギーが低減されるので、耐摩耗性能が大きく向上する。なお、「六角形状」とは、センターブロック11の場合と同様に定義される。
本実施形態のミドルブロック17は、その踏面17nに、溝やサイプが設けられていないプレーン状のブロックである。このようなミドルブロック17は、大きな剛性を有するので、偏摩耗が抑制される。
ミドルブロック17のタイヤ周方向の長さ(LM)とタイヤ軸方向の幅(WM)との比であるミドルブロック縦横比(LM/WM)は、センターブロック11のタイヤ周方向の長さ(LC(図3に示す))とタイヤ軸方向の幅(WC)との比であるセンターブロック縦横比(LC/WC)よりも小である。即ち、トレッド部2のプロファイル等に基づき、直進走行時では、センターブロック11の接地圧がミドルブロック17の接地圧よりも一般的に大きい。そして、縦横比は、ブロックの全体的なタイヤ周方向剛性と相関を有しており、縦横比が大きいブロックほど、大きなタイヤ周方向剛性を持つ。従って、ミドルブロック縦横比をセンターブロック縦横比よりも小と規定することにより、接地圧分布に応じたブロックのタイヤ周方向剛性を調整することができるので、センターブロック11とミドルブロック17との間で、とりわけ、ヒールアンドトウ摩耗の摩耗差を無くし均一摩耗に近づけることができる。なお、ブロック縦横比におけるタイヤ周方向の長さは、ブロックのタイヤ周方向最大長さであり、タイヤ軸方向の幅は、ブロックのタイヤ軸方向最大幅である。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、ミドルブロック縦横比(LM/WM)は、1.9〜2.5が望ましい。また、センターブロック縦横比(LC/WC)は、2.0〜2.6であるのが望ましい。
ショルダー陸部8は、本実施形態では、ジグザグ状のショルダー主溝5によって、タイヤ軸方向の幅Wsがタイヤ周方向に増減を繰り返している。これにより、ショルダー陸部8は、最大幅部8Aと、最小幅部8Bとを有している。最大幅部8Aは、ショルダー主溝5の外側の頂部5hとトレッド端Teとを継ぐことでタイヤ軸方向の幅が最大となる部分である。最小幅部8Bは、ショルダー主溝5の内側の頂部5kとトレッド端Teとを継ぐことでタイヤ軸方向の幅が最小となる部分である。最大幅部8Aと最小幅部8Bとはタイヤ周方向に交互に設けられている。
ショルダー陸部8は、ショルダー陸部8の最小幅部8Bをのびるショルダー横溝21がタイヤ周方向に複数本設けられている。このようなショルダー横溝21は、タイヤ軸方向の長さが小さく形成されるので、溝内の排水をスムーズにトレッド端Teの外側に排出し得る。
本実施形態のショルダー横溝21は、ショルダー内側部21Aと、ショルダー外側部21Bとを含んでいる。ショルダー内側部21Aは、ショルダー主溝5からタイヤ軸方向外側にのびショルダー陸部8内で終端する外端21eを有している。ショルダー外側部21Bは、ショルダー内側部21Aの外端21eとトレッド端Teとを継ぎかつ溝幅W6がタイヤ軸方向外側に漸増している。このようなショルダー外側部21Bは、さらに排水性能を向上する。
ショルダー内側部21Aは、本実施形態では、直線状にのびている。これにより、ショルダー内側部21Aの両側のショルダー陸部8の剛性を高く確保しうる。
ショルダー横溝21のタイヤ軸方向に対する角度θ8は、ミドル横溝15の前記角度θ7よりも小さいのが望ましい。これにより、旋回走行時に大きな横力の作用するショルダー陸部8のショルダー横溝21の両側のタイヤ軸方向剛性を大きく確保することができるので、片落ち摩耗等の偏摩耗を抑制することができる。ショルダー横溝21の角度θ8は、好ましくは5度以下であり、より好ましくは2度以下である。
本実施形態では、ショルダー横溝21の角度θ8をミドル横溝15の角度θ7よりも小さく、ミドル横溝15の角度θ7よりもセンター横溝9の角度θ5よりも小さく規定することにより、トレッド端Te側のショルダー陸部8のタイヤ軸方向剛性を高めるとともに、タイヤ赤道C側のセンター横溝9のタイヤ周方向成分を高めることで、排水性能と耐偏摩耗性能とをバランス良く向上している。
ショルダー横溝21の溝幅W6は、ミドル横溝15の溝幅W5の80%〜120%であるのが望ましい。これにより、ショルダー陸部8のタイヤ周方向剛性が確保され、ヒールアンドトウ摩耗が抑制されるとともに、ショルダー横溝21の排水抵抗が小さく維持される。ショルダー横溝21の溝幅W6は、溝中心線上の平均の溝幅である。
ショルダー横溝21の溝深さ(図示省略)は、ショルダー主溝5の溝深さの16%〜32%が望ましい。このようなショルダー横溝21は、大きな横力の作用するショルダー陸部8のタイヤ軸方向剛性を高く確保し、肩落ち摩耗等の偏摩耗を抑制する。
本実施形態のショルダー陸部8は、ショルダー横溝21によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が五角形状のショルダーブロック23に区分されている。このようなショルダーブロック23のタイヤ軸方向の幅Wsは、タイヤ周方向の中央部分23cから両端部23tに向かって小さくなるため、ミドルブロック17と同様に路面に対する滑りを制抑する効果を発揮する。
本実施形態のショルダーブロック23は、その踏面23nに、溝やサイプが設けられていないプレーン状のブロックである。このようなショルダーブロック23は、大きな剛性を有するので、偏摩耗が抑制される。
ショルダーブロック23のタイヤ周方向の長さ(LS)とタイヤ軸方向の幅(WS)との比であるショルダーブロック縦横比(LS/WS)は、ミドルブロック縦横比(LM/WM)よりも小であるのが望ましい。これにより、接地圧分布に応じたブロックのタイヤ周方向剛性を調整することができるので、ミドルブロック17とショルダーブロック23と間で、ヒールアンドトウ摩耗等の摩耗差を小さくすることができる。また、ショルダーブロック23は、ミドルブロック17よりも大きな横力が作用する。そして、縦横比が小さいブロックほど、大きなタイヤ軸方向剛性を持つ。このため、ショルダーブロック23において発生し易い肩落ち摩耗等を減らすことができる。
このように本実施形態のタイヤ1は、各ブロック11、17、23の幅を、タイヤ周方向の中央部分から両端側に向かって小さくするとともに、センターブロック11に、ミドルブロック17よりも大きな縦横比を与え、ミドルブロック17に、ショルダーブロック23よりも大きな縦横比を与えることで、各ブロック11、17、23のヒールアンドトウ摩耗や、センターブロック11とミドルブロック17とショルダーブロック23との間における摩耗差を減らすことができる。従って、本実施形態によれば、例えば、排水性能の低下を招きやすいタイバーに頼ることなく、又は、タイバーをより小型化しながら、耐偏摩耗性能を向上させることができる。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、ショルダーブロック縦横比(LS/WS)は、1.2〜1.8が望ましい。
トレッド部2のランド比は、好ましくは70%〜82%、より好ましくは73%〜79%である。これにより、各主溝3乃至5や各横溝9、15、21の溝容積を確保しつつ、各ブロック11、17、23の剛性が高く維持されるので、耐偏摩耗性能と排水性能とがバランス良く向上する。
以上、本発明の重荷重用空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施しうるのは言うまでもない。
図1の基本パターンを有するサイズ275/80R22.5のタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、各試供タイヤの耐偏摩耗性能及び排水性能がテストされた。各試供タイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
トレッド幅TW:231mm
各主溝の溝深さ:16.5mm
センターサイプの深さ/センター主溝の溝深さ:94%
ミドル横溝の角度θ7:10度
ショルダー横溝の角度θ8:1度
テスト方法は、次の通りである。
<耐偏摩耗性能(ヒールアンドトウ摩耗)>
各テストタイヤが、下記の条件で、10屯積み2−D車の全輪に装着され、テストドライバーが、上記車両を乾燥アスファルト路面のテストコースを60000km走行させた。そして、後輪のセンターブロック、ミドルブロック及びショルダーブロックのタイヤ周方向両側の摩耗量の差が測定された。測定は、各ブロックについて、8個のブロックで行なわれた。結果は、全測定値の平均値で表示している。数値が小さいほど良好である。
リム(全輪):22.5×7.50
内圧(全輪):900kPa
積載荷重:5トン(荷台前方に積載)
<排水性能>
テストドライバーが、水深5mmの水たまりを設けた上記テストコースを走行させて、このときのハンドル応答性、旋回性、トラクション及びグリップ等に関する走行特性がテストドライバーの官能により評価された。結果は、実施例1の値を100とする指数で表示された。テストドライバーが顕著な性能差を認めるものについては、20ポイントの差が付され、明らかな性能差を認めるものについては、10ポイントの差が付された。数値が大きいほど、良好である。
テストの結果が表1に示される。
Figure 0006393162
Figure 0006393162
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて耐偏摩耗性能及び排水性能がバランス良く向上していることが確認できる。また、タイヤサイズを変化させてテストを行ったが、このテスト結果と同じであった。
1 重荷重用空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 センター主溝
4 ミドル主溝
5 ショルダー主溝
6 センター陸部
7 ミドル陸部
9 センター横溝
11 センターブロック
15 ミドル横溝
17 ミドルブロック

Claims (5)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道上でタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびる1本のセンター主溝、前記センター主溝の両側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるミドル主溝、及び、前記各ミドル主溝のタイヤ軸方向外側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるショルダー主溝が設けられることにより、
    前記センター主溝と前記ミドル主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のセンター陸部、及び、前記ミドル主溝と前記ショルダー主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のミドル陸部が形成された重荷重用空気入りタイヤであって、
    前記センター陸部は、前記センター陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記センター主溝のジグザグの頂部と前記ミドル主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のセンター横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のセンターブロックに区分され、
    前記ミドル陸部は、前記ミドル陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記ミドル主溝のジグザグの頂部と前記ショルダー主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のミドル横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のミドルブロックに区分され、
    前記ミドルブロックのタイヤ周方向の長さ(LM)とタイヤ軸方向の幅(WM)との比であるミドルブロック縦横比(LM/WM)は、前記センターブロックのタイヤ周方向の長さ(LC)とタイヤ軸方向の幅(WC)との比であるセンターブロック縦横比(LC/WC)よりも小であり、
    前記センターブロック縦横比は、2.0〜2.6であり、
    前記ミドルブロック縦横比は、1.9〜2.5であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. トレッド部に、タイヤ赤道上でタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびる1本のセンター主溝、前記センター主溝の両側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるミドル主溝、及び、前記各ミドル主溝のタイヤ軸方向外側に各1本配されタイヤ周方向にジグザグ状に連続してのびるショルダー主溝が設けられることにより、
    前記センター主溝と前記ミドル主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のセンター陸部、及び、前記ミドル主溝と前記ショルダー主溝との間に、タイヤ軸方向の幅がタイヤ周方向に増減を繰り返す一対のミドル陸部が形成された重荷重用空気入りタイヤであって、
    前記センター陸部は、前記センター陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記センター主溝のジグザグの頂部と前記ミドル主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のセンター横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のセンターブロックに区分され、
    前記ミドル陸部は、前記ミドル陸部のタイヤ軸方向の幅が最小となる前記ミドル主溝のジグザグの頂部と前記ショルダー主溝のジグザグの頂部とを継ぐ複数本のミドル横溝によって、タイヤ周方向に並ぶ踏面が六角形状のミドルブロックに区分され、
    前記ミドルブロックのタイヤ周方向の長さ(LM)とタイヤ軸方向の幅(WM)との比であるミドルブロック縦横比(LM/WM)は、前記センターブロックのタイヤ周方向の長さ(LC)とタイヤ軸方向の幅(WC)との比であるセンターブロック縦横比(LC/WC)よりも小であり、
    前記センター主溝は、長辺部と、前記長辺部よりもタイヤ周方向の長さが小さい短辺部とを交互に含み、
    前記センターブロックは、前記長辺部と前記ミドル主溝のタイヤ軸方向外側へ凸となるジグザグの頂部とを継ぐセンターサイプが設けられることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記センター横溝及び前記ミドル横溝の溝深さは、前記ミドル主溝の溝深さよりも小であり、
    前記センター横溝及び前記ミドル横溝の溝深さと、前記ミドル主溝の溝深さとの差は、4.5mm未満である請求項1又は2記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記センター主溝の溝幅は、前記ミドル主溝の溝幅よりも小であり、
    前記ミドル主溝の溝幅は、前記ショルダー主溝の溝幅よりも小である請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記センター横溝のタイヤ軸方向に対する角度は、15度以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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