WO2018207818A1 - アブラナ科野菜調味料及びその製造方法、並びにアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法 - Google Patents

アブラナ科野菜調味料及びその製造方法、並びにアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法 Download PDF

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Definitions

  • the ratio of the component content (ppb) of (D): dimethyltrisulfide (D) or (E): butylisothiocyanate is within a specific range, the body is strengthened;
  • the content (ppb) of the components (A) to (E) with respect to the total mass of cruciferous vegetables-containing food and drink in a specific Brix is within a specific range, the body is strengthened.

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Abstract

少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み;この減香加熱処理は、アブラナ科野菜を減香加熱することを含み、この付香加熱処理は、このアブラナ科野菜の液を付香加熱することにより加熱香を付加することを含み、この付香加熱処理はこの減香加熱処理よりも後に行われる、アブラナ科野菜調味料の製造方法。

Description

アブラナ科野菜調味料及びその製造方法、並びにアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法
 本発明が関係するのは、アブラナ科野菜調味料及びその製造方法、並びにアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品におけるコクを強化する方法である。
 本願は、2017年5月12日に、日本に出願された特願2017-95879号、及び2017年5月15日に、日本に出願された特願2017-96137号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 近年、飲食品における「コク」は、おいしさを決定する重要な因子として注目されている。「コク」とは、味や香り、食感が寄与することで、口中における複雑さ、持続性等を有する官能特徴である。「コク」に寄与する成分は、これまで、水溶性成分、脂溶性成分等が知られてきている。
 「コク」が左右するのは、飲食品の美味しさであることから、「コク」が食味を決定付ける重要な因子として捉えられているのは、飲食品、とりわけ、調味料の分野である。
 調味料において重要な成分は、アミノ酸である。そのような観点から、調味料で用いられるのは、動物性原料であり、例えば、肉類や魚類等である。他方で、市場で求められるのは、動物性原料の不使用である。そのような需要を受けて、動物性原料に代わるのは、タンパク質の豊富な植物性原料であり、例示すると、豆類である。
 そのような背景の下、本発明者が着想したのは、アブラナ科野菜のコクに注目したアブラナ科野菜調味料である。アブラナ科野菜調味料とは、その原料の全部又は一部がアブラナ科野菜である調味料を意味する。これに関連して、既知なのは、ソフリットである。近年では、ソフリットの様な野菜由来の調味料も知られており、飲食品に使われることがある。ソフリットとは、香味野菜(タマネギやニンニク等)を炒めたものをいう。香味野菜の欠点の一つは、コクの弱さである。この欠点を解決できる一つの手段は、アブラナ科野菜である。アブラナ科野菜のアミノ酸含量は、他の野菜に比して高いからである。
 一方、アブラナ科野菜は、特有の異臭(青臭さ)を有する。この青臭さは、忌避される。アブラナ科野菜を飲食品の原材料として使う場合、この青臭さを低減する方法は、種々検討されている。特許文献1には、アブラナ科野菜の処理方法、具体的には、特有の異臭を低減するために、細断前に特定条件で蒸して、搾汁液を陰イオン交換するアブラナ科野菜の処理方法が記載されている。特許文献2には、アブラナ科野菜の搾汁液の製造方法、具体的には、アブラナ科野菜の異臭を低減するために、アブラナ科野菜の香り成分を吸着する(アブラナ科野菜の搾汁液を、多孔性合成吸着樹脂で接触処理させる)、搾汁液の製造方法が記載されている。
日本国特許第3676178号公報 特開平10-313834号公報
 本発明が解決しようとする課題は、アブラナ科野菜調味料におけるコクの強化である。より詳しくは、アブラナ科野菜調味料におけるコクの強化及び青臭さの抑制である。前述のとおり、アブラナ科野菜に内在するのは、「コク」と「青臭さ」のトレードオフの関係である。すなわち、コクも強いが、青臭さも強い。アブラナ科野菜調味料の製造方法に求められるのは、コクをより強くしながらも、青臭さを抑制することである。
 別の側面として、本発明が解決しようとする課題は、アブラナ科野菜含有飲食品におけるコクの強化である。より詳しくは、アブラナ科野菜由来の青臭さの抑制、及びコクの強化である。
 本願発明者は、如何に、アブラナ科野菜調味料のコクに寄与する成分を増加させ、青臭さ成分を除去するかを検討した。その結果、本願発明者は、(1)加熱により、コクに寄与する香気が増加すること、(2)青臭さが強いと、コクを感じにくくなること、(3)青臭さに寄与する成分は揮発性が高く、気化を伴う工程によりその含有量が減少しやすいこと、さらには、(4)加熱により、青臭さに寄与する成分を発生させる酵素を失活できること、を見出した。上記機序を応用して、本発明を定義すると、以下のとおりである。
 本発明に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法を構成するのは、少なくとも、減香加熱及び付香加熱である。この付香加熱が行われるのは、当該減香加熱より後である。
 すなわち、本発明に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法は、1つの側面として、少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み、かつ前記付香加熱処理は、前記減香加熱処理より後に行われることを含む、製造方法である。
 本明細書において「アブラナ科野菜調味料」とは、その原料の全部又は一部がアブラナ科野菜である調味料を意味する(以下、本欄では同じ。)。ここでいう「原料」とは、アブラナ科野菜調味料を製造するもとになる材料を意味する。
 また、本明細書において「減香加熱」とは、香りを減ずるために加熱することを意味する(以下、本欄では同じ。)。減香加熱処理としては、例えば、茹でること(以下、ブランチングということもある)等が挙げられる。
 また、本明細書において「付香加熱」とは、香りを付加するために加熱することを意味する(以下、本欄では同じ。)。付香加熱処理としては、例えば、加熱濃縮等が挙げられる。
 また、アブラナ科野菜が減香加熱処理されることで、アブラナ科野菜の内在酵素が失活する。
 アブラナ科野菜の液は、付香加熱処理されることで、加熱香が付加される。本明細書において「アブラナ科野菜の液」とは、減香加熱処理されたアブラナ科野菜に由来する液体(例えば、搾汁液、固液分離により得られた液等)を意味する。
 本明細書において「加熱香が付加される」とは、加熱により特定の成分、例えば、フェニルアセトアルデヒドが加熱前の含有量よりも増加する(生成する)。
 更に別の観点で定義すると、本発明に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法を構成するのは、少なくとも、減香加熱及び付香加熱である。この付香加熱が行われるのは、前記減香加熱と同時である。
 すなわち、本発明に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法は、別の側面として、少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み、かつ前記付香加熱処理は、前記減香加熱処理と同時に行われることを含む、製造方法である。
 アブラナ科野菜が減香加熱処理されることで、このアブラナ科野菜に含まれる香気成分が気化する。同時に、アブラナ科野菜は、付香加熱処理されることで、加熱香が付加される。これらの加熱処理としては、例えば、焼くことや炒めること等が挙げられる。
 この製造方法を更に構成するのは、分画である。すなわち、前記製造方法は、付香加熱処理(例えば、焼いたり、炒めたり)されたアブラナ科野菜に由来する、うま味成分及び香気成分を含む成分を、さらに分画することを含んでもよい。
 分画は、例えば、溶媒抽出や搾汁等により行うことができる。
 また、本発明者は、アブラナ科野菜含有飲食品を作製する中で、試行錯誤の末、香気成分がコクに影響することを見出した。すなわち、本発明者は、特定の香気成分の含量を高めることで、コクを強化することができること、より好ましくは、前記特定の香気成分とは別の特定の香気成分の含量を低くすることで、コクを強化することができることを見出した。
 具体的には、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3―one)、(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、又は(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)と、の成分含有量(ppb)の比が特定の範囲内である場合、コクが強化されること、別の側面として、特定のBrixにおける、アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)~(E)成分の含有量(ppb)がそれぞれ特定の範囲内である場合、コクが強化されることを、本発明者は見出した。すなわち、(A)成分が多く含まれるとコクを感じやすくなり、青臭さに関わる(B)~(E)成分が多く含まれるとコクが抑えられてしまうということである。
 なお、前記飲食品としては、搾汁液、エキス(すなわち、抽出物)、又は紛体の何れであってもよい。
 本発明は以下の態様を含む。
[1]少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み;
 前記減香加熱処理は、アブラナ科野菜を減香加熱することを含み、
 前記付香加熱処理は、前記アブラナ科野菜の液を付香加熱することにより加熱香を付加することを含み、
 前記付香加熱処理は前記減香加熱処理よりも後に行われる、
 アブラナ科野菜調味料の製造方法。
[2]前記減香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を減香加熱することによって、さらに、前記アブラナ科野菜の内在酵素を失活させることを含む、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記減香加熱処理は、茹でることである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 前記付香加熱処理は、加熱濃縮である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5]少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み、
 前記減香加熱処理は、アブラナ科野菜を減香加熱することを含み、
 前記付香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を付香加熱することにより加熱香を付加することを含み、
 前記減香加熱処理と前記付香加熱処理が同時に行われる、
 アブラナ科野菜調味料の製造方法。
[6]前記減香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を減香加熱することによって、前記アブラナ科野菜に含まれる香気成分を気化させることを含む、[5]に記載の製造方法。
[7]前記減香加熱処理及び前記付香加熱処理は、何れも、焼くこと又は炒めることである、[5]又は[6]に記載の製造方法。
[8]さらに、減香加熱処理及び前記付香加熱処理された前記アブラナ科野菜から、少なくともうま味成分及び香気成分を含む成分を分画することを含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9]アブラナ科野菜含有飲食品であって、
 少なくとも、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と、
 所望により、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、を含み;
 (A)成分と(B)~(D)成分との含有量の比が、
0≦(B)/(A)≦0.00539、
0≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
0≦(D)/(A)≦0.290である、
アブラナ科野菜含有飲食品。
[10]アブラナ科野菜含有飲食品であって、
 (A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)を含み;
 (A)成分と(B)~(D)成分との含有量の比が、0.00187≦(B)/(A)≦0.00539、
0.0129≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
0.0607≦(D)/(A)≦0.290である、
 アブラナ科野菜含有飲食品。
[11]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分の含有量(ppb)は、89.0以上である、[9]又は[10]に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[12]さらに、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分~(D)成分の含有量(ppb)が、(A):89.0以上107.0以下、
(B):0.20以上0.48以下、
(C):1.38以上3.87以下、及び
(D):6.50以上25.83以下である、
 [9]又は[10]に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[13]さらに所望により(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)を含み、(A)成分と(E)成分との含有量の比が、0≦(E)/(A)≦0.00045である、[9]~[12]のいずれか一つに記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[14]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の含有量(ppb)が、0以上0.04以下である、[13]に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[15]アブラナ科野菜含有飲食品であって、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品は、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)を含み;
 前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分~(D)成分の含有量(ppb)が、
(A):89.0以上107.0以下、
(B):0.20以上0.48以下、
(C):1.38以上3.87以下、かつ
(D):6.50以上25.83以下である、
 アブラナ科野菜含有飲食品。
[16]さらに所望により(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)を含み、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の含有量(ppb)が、0以上0.04以下である、[15]に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[17]前記飲食品が、搾汁液、エキス(抽出液)、又は紛体の何れかである、[9]~[16]のいずれか一つに記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[18]前記飲食品の原料が、少なくともブロッコリー、タマネギ、セロリ、及びニンジンである、[9]~[17]のいずれか一つに記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
[19]アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品における(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量を、
0≦(B)/(A)≦0.00539、
0≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
0≦(D)/(A)≦0.290、
の関係を満たすよう調整することを含む、
 アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
[20]アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品における(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量を、
0.00187≦(B)/(A)≦0.00539、
0.0129≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
0.0607≦(D)/(A)≦0.290、
の関係を満たすよう調整することを含む、
 アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
[21]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(A)の含有量(ppb)を、89.0以上に調整することを含む、[19]又は[20]に記載の方法。
[22]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(A)~(D)成分の含有量(ppb)を、
(A):89.0以上107.0以下、
(B):0.20以上0.48以下、
(C):1.38以上3.87以下、かつ
(D):6.50以上25.83以下、
に調整することを含む、[19]又は[20]に記載の方法。
[23]さらに(A)成分と(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)との含有量の比が、0≦(E)/(A)≦0.00045、となるよう調整することを含む、[19]~[22]のいずれか1つに記載の方法。
[24]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E)成分の含有量(ppb)を、0以上0.04以下、となるよう調整することを含む、[23]に記載の方法。
[25]アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
 前記アブラナ科野菜含有飲食品において、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量(ppb)を、
(A):89.0以上107.0以下、
(B):0.20以上0.48以下、
(C):1.38以上3.87以下、かつ
(D):6.50以上25.83以下、
となるよう調整することを含む、
 アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
[26]前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E)成分の含有量(ppb)を、0以上0.04以下、となるよう調整することを含む、[25]に記載の方法。
[27]前記飲食品が、搾汁液、エキス(抽出液)、又は紛体の何れかである、[19]~[26]のいずれか一つに記載の方法。
[28]前記飲食品の原料が少なくともブロッコリー、タマネギ、セロリ、及びニンジンである、[19]~[27]のいずれか一つに記載の方法。
 本発明によれば、コクが強化されたアブラナ科野菜調味料を提供できる。
また、本発明によれば、コクが強化されたアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品におけるコクの強化方法を提供できる。
第1-1の実施の形態に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法の流れ図である。 第1-2の実施の形態に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法の流れ図である。 第1-3の実施の形態に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法の流れ図である。
[第1の態様]
 <アブラナ科野菜調味料>
 本発明の一実施形態であるアブラナ科野菜調味料(以下、「本野菜調味料」ということがある。)とは、原料の全部又は一部がアブラナ科野菜である調味料を意味する。ここで、「調味料」とは、調味用途の材料を意味する。アブラナ科以外の原料は、好ましくは、後述する野菜である。
 <本野菜調味料の系統及び性状>
 本野菜調味料の系統は、特に限定されておらず、例えば、だし系、ソース系、砂糖系、塩系、酢系、醤油系、味噌系、酒系、油系、香辛料系等が挙げられる。だしの呼び名は、多岐にわたっており、例えば、だし(出汁)、スープストック、ブイヨン、フォン・ド・ヴォー、湯(タン)等が挙げられる。また、本野菜調味料の性状は、特に限定されておらず、例えば、液状(抽出物、搾汁液、及びそれらの濃縮物等を含む)、ペースト状、固形状、粉状等が挙げられる。
 <アブラナ科野菜>
 アブラナ科野菜とは、学術上の分類がアブラナ科である野菜を意味する。アブラナ科野菜としては、例えば、キャベツ、ブロッコリー、ケール、クレソン、コマツナ、チンゲンサイ、カイワレダイコン、カリフラワー、ハクサイ、ナバナ、タカナ、コールラビ等が挙げられる。本野菜調味料においては、アブラナ科野菜の部位(花、葉や茎等)の全部又は一部を原料とすることができる。本野菜調味料においては、これらのアブラナ科野菜のうち一又は複数を原料とすることができ、ブロッコリー、又はキャベツを原料とすることが好ましい。
 <アブラナ科野菜以外の野菜>
 本野菜調味料は、さらにアブラナ科野菜以外の野菜を原料としてもよい。前記野菜の種類は、特に限定されておらず、例えば、ニンジン、タマネギ、カブ、大根、セロリ、ホウレンソウ、ピーマン、アスパラガス、大麦若葉、春菊、カラシ菜、サラダ菜、小松菜、明日葉、甘藷、馬鈴薯、トマト、モロヘイヤ、パプリカ、パセリ、セロリ、三つ葉、レタス、ラディッシュ、紫蘇、茄子、インゲン、カボチャ、牛蒡、ネギ、生姜、大蒜、ニラ、トウモロコシ、さやえんどう、オクラ、かぶ、きゅうり、ウリ、ズッキーニ、へちま、もやし等が挙げられる。アブラナ科野菜以外の野菜としては、全体的な味のバランスが良くなることから、ニンジン、タマネギ、セロリ等が好ましい。
 <本野菜調味料の製造方法>
 本野菜調味料の製造方法(以下、「本製法」ということもある。)は、少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を行うことを含む。減香加熱とは、香りを減ずるために加熱することを意味し、減香加熱処理としては、例えばブランチング(ゆでること)、焼くこと、炒めること等が挙げられる。具体的には、減香加熱処理により青臭さが減ぜられる。付香加熱とは、香りを付加するために加熱することを意味し、付香加熱処理としては、例えば、加熱濃縮、焼くこと、炒めること等が挙げられる。具体的には、付香加熱処理により加熱香が付加される。前記付香加熱処理の実施時期は、減香加熱処理と同時又はそれより後である。
 減香加熱処理の温度は45℃~200℃が好ましい。
 付香加熱処理の温度は、45℃~200℃が好ましい。
 また別の側面として、減香加熱処理と付香加熱処理が同時に行われる場合、加熱温度は、45℃~200℃が好ましく、75℃~180℃がより好ましい。加熱時間は、10~120分間が好ましく、15~90分間がより好ましい。
 さらに別の側面として、減香加熱処理の後に付香加熱処理が行われる場合、減香加熱処理の温度は50℃~200℃が好ましく、50℃~100℃がより好ましい。加熱時間は10分間~3時間が好ましく、付香加熱処理の温度は45~200℃が好ましい。
 なお、本明細書において、「焙炒」とは、焼くこと、又は炒めることを意味する。「焼くこと」とは、調理技法の一種であって、熱媒の利用有無を問わず、加熱調理することを意味する。
「炒めること」とは、調理技法の一種であって、熱媒を利用して加熱調理することを意味する。炒めるにあたり、油を使用しても良い。また、炒めるにあたり、原料をかき混ぜながら加熱することが好ましい。
「茹でること」とは、熱水で加熱・調理することを意味する。
 本製法は、さらにうま味成分と香味成分を含む成分を分画すること(例えば、溶媒抽出や搾汁)を含んでもよい。これらの成分は、付香加熱処理されたアブラナ科野菜に由来する成分である。
 うまみ成分としては、例えば、アミノ酸、核酸等が挙げられる。
 香気成分としては、例えば、フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、2-ヘキセナール(2-Hexenal)、1-オクテン-3-オン(1-Octen-3―one)、ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、ブチルイソチオシアネート等の揮発性成分が挙げられる。
 本製法としては、例えば、以下の第1-1~第1-3の実施の形態が挙げられる。
 <第1-1の実施の形態>
 図1は、第1-1の実施の形態に係る製造方法の流れを示す図である。第1-1の実施の形態の製造方法は、切断(S10)、焼き又は炒め(S20)、水出し(S30)、固液分離(S40)、濃縮(S50)、並びに、殺菌及び充填(S60)を含む。本実施の形態において、減香加熱処理及び付香加熱処理は、少なくとも、焼き又は炒め(S20)により同時に行われる。また、分画は、少なくとも、水出し(S30)により行われる。前記第1-1の実施の形態では、比較的粘度が低い性状の調味料を製造することができ、種々の飲食品に適用しやすいことが特徴である。
 <切断(S10)>
 アブラナ科野菜及びその他の野菜(以下、単に「野菜」ということもある。)を切断する目的は、加熱時間の短縮である。他の目的は、抽出時間の短縮である。野菜の一部(例えば、花部や虫食われた葉等)は、捨てても良い。切断された野菜の大きさは、任意であるが、好ましくは、長さの最大値が5mm~5cm程度である。
 <焼き又は炒め(S20)>
 切断された野菜を焼き又は炒める目的は、青臭さの抑制である。すなわち、アブラナ科野菜を焼き又は炒めることでアブラナ科野菜の青臭さ成分(すなわち、青臭さに寄与する香気成分)が気化される。もう一つの目的は、コクの強化である。すなわち、野菜を焼き又は炒めることで、加熱香が生成され、加熱香により感じられるのは香味の持続感である。加熱香は、人にコクを感じさせる香りである。本発明者は特に、フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)が加熱により増加する成分(すなわち、加熱香に寄与する成分)であり、コクに寄与していることを見出した。
 フェニルアセトアルデヒドは、アミノ酸の一種であるフェニルアラニンが加熱により分解され、生成した成分であると推測される。青臭さに寄与する成分は、加熱香に寄与する成分よりも沸点が低く、比較的揮発性が高い。焼き又は炒めるのが不十分であると、青臭さが抑制されない。焼き又は炒めるのが過剰であると、コゲ臭が強くなる。強いコゲ臭は、忌避される。そのような観点から、野菜を焼き又は炒める温度は、45℃~200℃であり、好ましくは、75℃~180℃である。また、焼き又は炒める時間は、好ましくは10~120分間である。焼き又は炒めは、公知の方法で行えば良く、例えば、ニーダーや焙焼釜等で行うことができる。熱源としては、火に限らず、IH等でもよい。
 ここでいう焼き又は炒める温度は、熱源、又は熱媒の温度を意味する。
 <水出し(S30)>
 水出しの目的は、焼き又は炒められた野菜からその含有成分(すなわち、減香加熱処理及び付加加熱処理された野菜に由来する成分)を抽出(分画)することである。焼き又は炒められた野菜を浴することで、焼き又は炒められた野菜の含有成分が溶け出す。前記成分が溶け出す先は、水(溶媒)である。水(溶媒)の温度が低すぎると、抽出時間が長くなる。他方で、水(溶媒)の温度が高すぎると、野菜由来の成分が劣化してしまう。そのような観点から、水(溶媒)の温度は、好ましくは、85~98℃である。水出し時間は、好ましくは、10分~2時間である。
 水出しに用いる水(溶媒)の量は、例えば、焼き又は炒められた野菜の総質量の1~10倍が好ましい。
 <固液分離(S40)>
 固液分離の目的は、青臭さの抑制である。野菜の青臭さが多く残留しているのは、野菜の固形部分である。前記固形部分を取り除くことで、青臭さが低下する。他の目的は、後工程の効率化である。固形を取り除くことで、後工程の濃縮を行う際に、濃縮度が上がる。また、固形部分を取り除くことで、液体の粘度が低下し、種々の飲食品への適用が容易となる。固液分離の方法は、公知の方法で行えば良く、例えば、ふるい式、遠心分離式等が挙げられる。遠心分離の原理は連続式、バッチ式のいずれの方法でもよく、遠心分離装置としては、例えば、デカンターが挙げられる。本工程の実施要否は、最終的な素材の用途を考慮して判断することができる。
 <濃縮(S50)>
 固液分離で得られた液体部分(液体)を濃縮する目的は、素材のハンドリングの向上である。液体を濃縮することで、液体の容積が減る。つまり、液体の保管コストが下がる。濃縮方法は、公知の方法で行うことができ、例えば、真空濃縮、膜濃縮、凍結濃縮等が挙げられる。但し、前記濃縮方法として、後述の付香加熱処理としての加熱濃縮は除く。 固液分離で得られた液体部分(液体)は、例えば、2~20倍に濃縮されるのが好ましい。
 <殺菌及び充填(S60)>
 以上に加えて、本製法が適宜採用するのは、殺菌及び充填である。これらの方法は、公知の方法で行えば良く、例えば、プレート式殺菌、チューブラー式殺菌方法等が挙げられる。
 <第1-2の実施の形態>
 図2は、第1-2の実施の形態に係る製造方法の流れを示す図である。第1-2の実施の形態の製造方法は、切断(S10)、焼き又は炒め(S20)、搾り(S31)、固液分離(S40)、濃縮(S50)、並びに、殺菌及び充填(S60)を含む。本実施の形態において、減香加熱処理及び付香加熱処理は、少なくとも、焼き又は炒め(S20)により同時に行われる。また、うま味成分及び香気成分を含む成分の分画は、少なくとも、搾り(S31)により行われる。第1-2の実施の形態に係る製法の特徴のみ以下に説明する。その他の説明は、前述の第1-1の実施の形態における説明に同旨である。前記第1-2の実施の形態では、比較的粘度が高く、Brixも高い調味料を製造することができることが特徴である。
 <搾り(S31)>
 切断された野菜を搾って得られるのは、搾汁及び粕である。つまり、野菜を搾る方法は、公知の方法で行えば良く、例えば、圧搾式、遠心分離式等が挙げられる。搾汁装置を例示すると、エクストルーダー、フィルタープレス、デカンター、ギナー等が挙げられる。
 <第1-3の実施の形態>
 図3は、第1-3の実施の形態に係る製造方法の流れを示す図である。第1-3の実施の形態の製造方法は、切断(S10)、ブランチ(S21)、搾り(S31)、固液分離(S40)、加熱濃縮(S51)、並びに、殺菌及び充填(S60)を含む。本実施の形態において、減香加熱処理は、少なくとも、ブランチ(S10)により行われる。また、付香加熱処理は、少なくとも、加熱濃縮(S51)により行われる。さらに、うま味成分及び香気成分を含む成分の分画は、少なくとも、搾り(S31)により行われる。第1-3の実施の形態に係る製法の特徴のみ以下に説明する。その他の説明は、前述の第1-1及び第1-2の実施の形態における説明と同旨である。前記第1-3の実施の形態では、ブランチ工程を含むことで、硝酸、シュウ酸等のえぐみ、渋味に関わる成分が低減された調味料を製造することができることが特徴である。
 <ブランチ(S21)>
 切断された野菜をブランチする目的は、酵素の失活である。
 他の目的は、アク除去である。切断された野菜をブランチする方法は、特に限定されず、具体的には、蒸気や温水等が挙げられる。切断された野菜をブランチする温度は、50~100℃が好ましい。ブランチの時間は10分間~2時間が好ましい。
 ここでいう「ブランチする温度」とは、蒸気や温水の温度を意味する。
 ブランチングの具体的な説明のために本願明細書が取り込むのは、日本国特許第3771919号公報の内容である。
 <加熱濃縮(S51)>
 搾汁又は固液分離で得られた野菜の液を加熱濃縮する目的は、素材のハンドリングの向上である。素材を濃縮することで、容積を減らすことができ、保管コストを低減することができる。他の目的は、コクの強化である。搾汁又は固液分離で得られた野菜の液を加熱濃縮することで、加熱香が付与され、コクが強くなる。この場合、加熱濃縮における加熱温度は、45℃~100℃であることが好ましい。
 加熱濃縮は、特に限定されないが、搾汁又は固液分離で得られた野菜の液を、例えば、2~20倍に濃縮するのが好ましい。
 <コク>
 本発明における「コク」とは、官能特性の一つである。コクの判断の主たる要素は、香味の持続性であり、より好ましくは、香味の複雑さも加味される。
 本明細書において「香味」とは、香りと味を意味する。
 本明細書において、「香味の持続性」とは、香味を保ち続ける性質を意味する。
 本明細書において、「香味の複雑さ」とは、官能試験において、香味を多く感じられるが、特定の香味が際立ってなく、かつ、明確に香味を分解できない状態を意味する。
 <青臭さ>
 本明細書において「青臭さ」とは、アブラナ科野菜が有する青臭さを意味する。
 なお、青臭さに寄与する成分としては、例えば、2-ヘキセナール(2-Hexenal)、1-オクテン-3-オン(1-Octen-3―one)、ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、ブチルイソチオシアネート等が挙げられる。
 <糖度(Brix)>
 本実施の形態に係るアブラナ科野菜を含む野菜調味料において、Brixは、特に限定されないが、好ましくは、1.0以上60.0以下である。Brixの測定方法は、公知の方法でよい。例えば、測定時の品温を20℃とし、光学屈折率計(NAR-3T ATAGO社製)により測定できる。
 なお、本明細書において「Brixの換算(調整)」とは、試料を水で希釈することにより、所望のBrixに調整することを意味する。
 <pH>
 本実施の形態に係るアブラナ科野菜を含む野菜調味料のpH(測定時の品温20℃)は、特に限定されないが、好ましくは、4.0~7.0である。pHが低くなりすぎて酸味が強くなると、酸味が強調されることでコクが感じにくくなる。また、pHが高すぎると、衛生管理上の観点から強い殺菌が必要となり、香味への影響等の観点からも好ましくない。より好ましくは、前記pHは、5.0~7.0である。
 <遠心沈殿量>
 遠心沈殿量とは、試料を一定条件で遠心処理した際の沈殿量を体積割合で表したものである。本実施の形態で採用する測定方法は、次のとおりである。すなわち、10ml容の沈殿管(目盛付きスピッチグラス)にアブラナ科野菜を含む野菜調味料を10ml入れ、3,000rpm(1,600×g)で10分間、20℃で遠心後の沈殿物の体積を測定する。遠心沈殿量は特に限定されないが、好ましくは、Brix2.9に換算(調整)したときの遠心沈殿量が、野菜調味料全体に対して、0%以上30%未満である。より好ましくは、Brix2.9における遠心沈殿量が、0%以上5%未満である。さらに、より好ましくは、Brix2.9に換算(調整)したときの遠心沈殿量が、野菜調味料全体に対して、0%以上1%未満である。遠心沈殿量が少ないことで、粘度を低下させることができ、種々の商品に適用しやすくなる。遠心沈殿量を少なくする方法は、公知の方法で良いが、具体的には、ふるいによるパルプ分の除去、及び遠心分離によるパルプの除去等が挙げられる。
 <累積%粒子径>
 粒子径とは、粒子の長径を測定した値である。ここで「累積a%粒子径」とは、測定で得られた粒度分布において、粒子集団の全体積を100%として累積頻度を求めたとき、累積頻度がa%に達する粒子径をいう。すなわち、累積50%粒子径(D50と略すことがある)とは、累積頻度が50%となる点の粒子径をいう。また、累積90%径(D90と略すことがある)とは、累積頻度が90%となる点の粒子径をいう。粒子径を測定する手段は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置である。
 本発明におけるアブラナ科野菜を含む野菜調味料の粒子径は、特に限定されないが、好ましくは、D50が0μm以上250μm以下である。また、好ましくは、D90が0μm以上700μm以下である。より好ましくは、D50が0μm以上100μm以下である。また、より好ましくは、D90が0μm以上400μm以下である。粒子径を小さくすることで、性状が滑らかなものとなり、種々の商品に適用しやすくなる。粒子径を小さくする方法は、公知の方法で良いが、具体的には、微細処理機による微細化、ふるいによるパルプ分の除去、及び遠心分離によるパルプの除去等が挙げられる。
 1つの側面として、本発明のアブラナ科野菜調味料の製造方法は、
 アブラナ科野菜と、所望により前記アブラナ科野菜以外の野菜と、を切断すること;
 前記切断された野菜を、焼き又は炒めによって同時に減香加熱処理及び付香加熱処理すること;
 前記減香加熱処理及び付香加熱処理された野菜を水出しし、次いで固液分離することにより、少なくともうま味成分及び香気成分を含む液体を分画すること;
 前記分画により得られた液体を濃縮すること;及び
 所望により、前記濃縮された液体を殺菌し、容器に充填すること、を含む製造方法である。
 さらに、前記減香加熱処理及び付香加熱処理の温度は、45℃~200℃、好ましくは75℃~180℃であってもよく;
 前記減香加熱処理及び付香加熱処理の時間は、好ましくは10~120分間であってもよく;
 前記分画の温度は、85~98℃であってもよい。
 1つの側面として、本発明のアブラナ科野菜調味料の製造方法は、
 アブラナ科野菜と、所望により前記アブラナ科野菜以外の野菜と、を切断すること;
 前記切断された野菜を、焼き又は炒めによって同時に減香加熱処理及び付香加熱処理すること;
 前記減香加熱処理及び付香加熱処理された野菜を搾汁し、次いで固液分離を行うことによって、前記減香加熱処理及び付香加熱処理された野菜から、うま味成分及び香気成分を含む液体を分画すること;
 前記分画により得られた液体を濃縮すること;及び
 所望により、前記濃縮された液体を殺菌し、容器に充填すること、を含む製造方法である。
 さらに、前記減香加熱処理及び付香加熱処理の温度は、45℃~200℃、好ましくは75℃~180℃であってもよく;
 前記減香加熱処理及び付香加熱処理の時間は、好ましくは10~120分間であってもよい。
 1つの側面として、本発明のアブラナ科野菜調味料の製造方法は、
 アブラナ科野菜と、所望により前記アブラナ科野菜以外の野菜と、を切断すること;
 前記切断された野菜をブランチングにより減香加熱処理すること;
 前記減香加熱処理された野菜を搾汁し、次いで固液分離することにより、液体を分画すること;
 前記分画により得られた液体を、加熱濃縮により付香加熱処理すること;及び
 所望により、前記付香加熱処理された液体を殺菌し、容器に充填することを含む製造方法である。
 さらに、前記減香加熱処理は、50℃~100℃であってもよく;
 前記減香加熱の時間は10分~2時間であってもよく;
 前記付香加熱処理の温度は45~100℃であってもよい。
[第2の態様]
 <飲食品>
 本発明の第2の態様における飲食品とは、飲用又は食用の物であり、例示すると、飲料、食品、調味料、飲食品の原料、搾汁液、エキス(抽出物)、紛体、ポーション、サプリメント、等である。
 <アブラナ科野菜>
 本発明の第2の態様におけるアブラナ科野菜とは、前記第1の態様で説明したアブラナ科野菜と同じ野菜である。第2の態様における飲食品の原料は、これらの野菜のうち1種、又は複数種であってもよい。また、前記原料は、これら野菜の部位(花、葉や茎)の全部、又は一部であってもよい。
 <アブラナ科野菜含有飲食品>
 第2の態様におけるアブラナ科野菜含有飲食品とは、原料が少なくともアブラナ科野菜由来のものである飲食品を意味し、前記飲食品には、さらに他の原料が含まれていてもよい。アブラナ科野菜由来の原料を例示すると、アブラナ科野菜、アブラナ科野菜の切断物、破砕物、搾汁液、搾汁粕、抽出物、又はこれらの乾燥物等である。他に含まれる原料としては、野菜であることが好ましく、当業界で通常用いられる野菜であれば特に限定されず、例として、ニンジン、タマネギ、カブ、大根、セロリ、ホウレンソウ、ピーマン、アスパラガス、大麦若葉、春菊、カラシ菜、サラダ菜、小松菜、明日葉、甘藷、馬鈴薯、トマト、モロヘイヤ、パプリカ、パセリ、セロリ、三つ葉、レタス、ラディッシュ、紫蘇、茄子、インゲン、カボチャ、牛蒡、ネギ、生姜、大蒜、ニラ、トウモロコシ、さやえんどう、オクラ、かぶ、きゅうり、ウリ、ズッキーニ、へちま、もやし、等が挙げられる。好ましくは、前記飲食品の原料が、アブラナ科野菜以外に、さらに、ニンジン、タマネギ、およびセロリであると、全体的な味のバランスが良くなる。
 <香気成分>
 本発明の効果に寄与する香気成分は、少なくとも、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と;(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、及び(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)から選択される少なくとも1つの成分である。
香気成分は、原料由来のものでも、添加によって含まれるものでも構わないが、添加物を避ける観点から原料由来の成分が好ましい。
 <(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)>
 (A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)は、一般に、ハチミツ様の香特徴を有する。本発明者は、加熱工程を経ることで前記成分が増加することを見出した。フェニルアセトアルデヒドはアミノ酸の一種であるフェニルアラニンが加熱により分解され、生成したものと推測される。本発明の効果に寄与する上で、飲食品のBrixが5.0のときの(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)の含有量は、飲食品の総質量に対して、89.0ppb以上であり、好ましくは、89.0ppb以上、かつ116.0ppb以下であり、より好ましくは、89.0ppb以上、かつ107.0ppb以下であり、特に好ましくは98.0ppb以上、かつ107ppb以下である。
 <(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)>
 (B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)は一般に、草や葉の新鮮な、又は青臭い香特徴を有し、野菜類、果物類に含まれる。本発明の効果に寄与する上で、アブラナ科野菜含有飲食品のBrixが5.0のときの(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)の含有量は、飲食品の総質量(ppb)に対して、好ましくは0.48ppb以下であり、より好ましくは、0.20ppb以上、かつ0.48ppb以下であり、特に好ましくは0.20ppb以上、0.40ppb以下である。
 <(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)>
 (C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3―one)は、一般に、キノコ様の香特徴を有する。本発明の効果に寄与する上で、飲食品のBrixが5.0のときの(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)の含有量は、飲食品の総質量に対して、好ましくは3.87ppb以下であり、より好ましくは、1.38ppb以上、かつ3.87ppb以下であり、さらに好ましくは、1.38ppb以上、かつ2.80ppb以下ある。
 <(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)>
 (D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)は、一般に、新鮮なタマネギ様の香特徴を有し、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー等のアブラナ科野菜に含まれる。本発明の効果に寄与する上で、飲食品のBrixが5.0のときの(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量は、飲食品の総質量に対して、好ましくは25.83ppb以下であり、より好ましくは、6.50ppb以上、かつ25.83ppb以下であり、さらに好ましくは、6.50ppb以上、かつ15.00ppb以下である。
 <(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)>
 (E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)は、一般に、刺激臭を有し、アブラナ科野菜等に含まれる。本発明の効果に寄与する上で、飲食品のBrixが5.0のときの(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の含有量は、飲食品の総質量に対して、好ましくは0ppb以上、0.04ppb以下であり、より好ましくは0ppbである。
 <香り成分含有量の比>
 本発明において、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)が比較的多く含まれることにより、本発明の効果(すなわち、コクの強化)に寄与する。一方、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、又は(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)が比較的多く含まれた場合、本発明の課題が解決できなくなる。そのため、(A)の含量と、(B)~(E)から選ばれる成分の含量との比が、本発明の課題を解決する上で重要な因子である。
 本発明の課題を解決する上で、(A)~(D)の香気成分の好ましい含有量(ppb)の比は、0≦(B)/(A)≦0.00539、0≦(C)/(A)≦0.0435、かつ0≦(D)/(A)≦0.290の条件を満たすときである。
 より好ましくは、(A)~(E)の香気成分の好ましい含有量(ppb)の比は、0.00187≦(B)/(A)≦0.00539、0.0129≦(C)/(A)≦0.0435、かつ0.0607≦(D)/(A)≦0.290の条件を満たすときである。さらにより好ましくは、前記条件を満たし、かつ0≦(E)/(A)≦0.00045の条件を満たすときである。
 <コク>
 第2の態様において、「コク」とは、前記第1の態様における「コク」で説明した通りある。
 本発明における香味の「持続性」及び「複雑さ」は、人による官能評価試験において評価されるが、評価者間で基準の違いが生じないように、パネル内でトレーニングを行うことが好ましい。より具体的には、次のステップを踏むことが好ましい。まず、パネルの主観により、香味の持続性及び複雑さを有するサンプル(ポジティブコントロール)と有さないサンプル(ネガティブコントロール)とを準備し、それぞれの官能特徴に関して、評価者間で言葉だしを行う。次に、言葉だしで出てきた具体的な表現を用いて、評価者間で目合わせを行い、「持続性」及び「複雑さ」について共通認識となるよう定義づけを行う。そして、「持続性」及び「複雑さ」に関して、その有無や強度の評価基準を設定し、各種試験サンプルを評価する。官能特徴を正確に描き出すため、訓練されたパネルが合意に達するまで官能特徴を自由に議論する、フレーバープロファイル法を用いるのが好ましい。
 <青臭さ>
 第2の態様における、「青臭さ」とは、アブラナ科野菜の有する2-ヘキセナール(2-Hexenal)、ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、及び1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、から感じられる青臭さであり、より詳しくは、前記香り成分に加え、さらにブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)から感じられる青臭さである。
 <糖度(Brix)>
 第2の態様における飲食品において、Brixは、特に限定されないが、好ましくは、1.0以上60.0以下である。Brixの測定方法は、前記第1の態様と同じ方法で測定できる。
<アブラナ科野菜含有飲食品の製造方法>
 第2の態様におけるアブラナ科野菜含有飲食品は、得られる飲食品中の(A)~(E)成分の含有量や、(A)~(E)成分の含有量の比が本発明の数値範囲を満たすような製造方法であれば、特に限定されない。例えば、公知の製造工程において、加熱処理条件、分画条件、濃縮条件等を、適宜選択することによって、好適に製造することができる。特定の香気成分を添加して製造しても良い。
 1つの側面として、本発明の第2の態様におけるアブラナ科野菜含有飲食品は、
 前記アブラナ科野菜の切断物、破砕物、搾汁液、搾汁粕、抽出物、又は、これらの乾燥物等を含む飲食品であり、
 前記飲食品の原料は、少なくともアブラナ科野菜と所望により前記アブラナ科野菜以外の野菜であり、好ましくは、少なくともブロッコリー、タマネギ、セロリ、及びニンジンであり;
 前記飲食品は、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)を含み;
 前記飲食品のBrixが5.0に換算したとき、前記飲食品の総質量に対して、
 (A)の含有量が、89.0ppb以上、好ましくは、89.0ppb以上116.0ppb以下、より好ましくは、89.0ppb以上107.0ppb以下、特に好ましくは98.0ppb以上107ppb以下であり、
 (B)成分の含有量が、0.48ppb以下、より好ましくは、0.20ppb以上0.48ppb以下、特に好ましくは0.20ppb以上0.40ppb以下であり、
 (C)成分の含有量が、3.87ppb以下、より好ましくは、1.38ppb以上、かつ3.87ppb以下、さらに好ましくは1.38ppb以上、かつ2.80ppb以下であり、かつ
 (D)成分の含有量が、25.83ppb以下、より好ましくは、6.50ppb以上25.83ppb以下、さらに好ましくは、6.50ppb以上15.00ppb以下であり;
 (A)成分と、(B)~(D)成分との含有量の比が、
 0<(B)/(A)≦0.00539、好ましくは、0.00187≦(B)/(A)≦0.00539であり、
 0<(C)/(A)≦0.0435、好ましくは0.0129≦(C)/(A)≦0.0435であり、かつ
 0<(D)/(A)≦0.290、好ましくは0.0607≦(D)/(A)≦0.290の関係を満たす、
 アブラナ科野菜含有飲食品である。
 前記アブラナ科野菜含有飲食品は、さらに(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)を含んでいてもよく、
 (E)成分の含有量は、前記飲食品のBrixが5.0に換算したとき、前記飲食品の総質量に対して、0ppb超、0.04ppb以下であってもよく、
 (A)成分と(E)成分との含有量の比は、0<(E)/(A)≦0.00045であってもよい。
 [野菜調味料の製造とそれらのコクの評価]
 <比較例1A>
 ブロッコリーを5mm程度に細断し、細断したブロッコリーの2倍量の水で95℃、1h抽出した。0.5mmメッシュのふるいで固形部と液部とに分離し、液部を試料とした。
 <実施例1A>
 ブロッコリーを5mm程度に細断し、140℃で焙炒した。その後、細断したブロッコリーの2倍量の水で95℃、1h抽出した。0.5mmメッシュのふるいで固形部と液部に分離し、液部を試料とした。
 <比較例2A>
 ブロッコリーを5mm程度に細断し、搾汁機で搾汁した後、ホットパック充填を行った。
 <実施例2A>
 ブロッコリーを5mm程度に細断し、140℃で焙炒した。その後、搾汁機で搾汁した後、ホットパック充填を行った。
 <比較例3A>
 キャベツを2cm程度に切断し、切断したキャベツの2倍量の水で95℃、1h抽出した。0.5mmメッシュのふるいで固形部と液部に分離し、液部を試料とした。
 <実施例3A>
 キャベツを2cm程度に切断し、140℃で焙炒した。その後、切断したキャベツの2倍量の水で95℃、1h抽出した。0.5mmメッシュのふるいで固形部と液部に分離し、液部を試料とした。
 <比較例4A>
 ブロッコリー、タマネギ、セロリ、ニンジンを2cm程度に切断し、切断した野菜の2倍量の水で95℃、1h熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈した。
 <実施例4A>
 ブロッコリー、タマネギ、セロリ、ニンジンを2cm程度に切断し、切断した野菜を140℃で焙炒後、切断した野菜の2倍量の水で95℃、1h熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈した。
 <糖度(Brix)の測定>
 本測定で採用した糖度(Brix)の測定器は、屈折計(NAR-3T ATAGO社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
 <pHの測定>
 本測定で採用したpHの測定器は、pH計(pH METER F-52 HORIBA社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
 <遠心沈殿量>
 10ml容の沈殿管(目盛付きスピッチグラス)にアブラナ科野菜を含む野菜調味料(Brix2.9)を10ml入れ、3,000rpm(1,600×g)で10分間遠心後の沈殿物の体積を測定した。
 <粒子径の測定>
 レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA製「LA-960」を用い、体積換算で頻度の累積が50%になる粒子径(D50)、及び90%になる粒子径(D90)を測定した。屈折率を「1.60-0.00i」、循環速度を「3」、撹拌速度を「1」とした。
 <官能評価>
 香味評価に鋭敏な感覚を持つ官能評価者(パネル)を選定した。(比較例1A及び実施例1Aを併せて区分1Aと呼び、区分2A~4Aについても、以下同様とする。)官能評価は、区分1A及び区分2Aに関しては、蒸留水でBrixを2.9に合わせ、区分3に関してはBrixを1.9に合わせて行った。区分1A~区分4Aに関して、比較例、及び実施例に関する識別性評価を、9名のパネルによる3点識別法により行った。
 さらに、各区分それぞれに関して、比較例と実施例を比較し、香味における「コクの強化、及び青臭さの抑制」の評価を、11名のパネルによる2点比較法により行った。コクの定義は、香味の「持続性」、及び「複雑さ」とし、「複雑さ」については、定義を以下のとおりとした。
  「複雑さ」を感じる・・・香味を多く感じられるが、特定の香味が際立ってなく、かつ、明確に香味を分解できない状態。
 <官能評価基準>
 識別性の判断は、各パネリストの評価を基にして、個別項の2項分布確率(BINOMDIST関数)により、危険率(P値)5%にて判断した。2点比較法による官能評価は、同区分内において、比較例を対照として、実施例のコクが強化されているか、及び青臭さが抑制されているかをパネルが評価した。
「コクの強化、及び青臭さの抑制」の有無
に関する評価(「コクの強化、及び青臭さの抑制」が有る場合を「Y」、「コクの強化、及び青臭さの抑制」が無い場合を「X」とする)は、各パネリストの評価を基にして、個別項の2項分布確率(BINOMDIST関数)により、危険率(P値)5%にて判断した。 
 <結果>
 区分1A~4Aそれぞれに関して、比較例と実施例は有意に異なり、識別可能であるという結果であった。また、区分1A~4Aそれぞれに関して、実施例は比較例と比較してコクが強化され、かつ青臭さが抑制されているという結果であった。表中の「Bx」はBrixを意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 <まとめ>
 以上の試験結果より、焼き又は炒め工程を経たアブラナ科野菜を水出して、固液分離することにより、コクが強化されたエキス(抽出液)を製造することが可能であった。また、焼き又は炒め工程を経たアブラナ科野菜を搾汁することにより、コクが強化された搾汁液を製造することが可能であった。さらに、アブラナ科野菜に加えて他の野菜を併用した場合にも、本発明の効果を確認することができた。上記結果をまとめると、本発明に係るアブラナ科野菜調味料の製造方法を構成するのは、少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理であることがわかった。すなわち、本発明のアブラナ科野菜調味料の製造方法は、少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含むことで、コクが強化されたアブラナ科野菜調味料を製造できることがわかった。
 この付香加熱が行われるのは、前記減香加熱処理より後、又は同時である。
 [試験1B:アブラナ科野菜調味料の製造とそれらのコクに関する評価]
 <比較例1B>
 ブロッコリー、タマネギ、セロリ、ニンジンを5mm程度に切断し、切断された野菜の2倍量の水90℃以上で熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈したものを比較例1Bとした。
 <実施例1B>
 ブロッコリー、タマネギ、セロリ、ニンジンを5mm程度に切断し、切断された野菜を焙炒後、切断された野菜の2倍量の水90℃以上100℃以下で熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈したものを実施例1Bとした。
 <比較例2B>
 ブロッコリーを5mm程度に切断し、切断された野菜の2倍量の水90℃以上100℃以下で熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈したものを比較例2Bとした。
 <実施例2B>
 ブロッコリーを5mm程度に切断し、切断された野菜を焙炒後、切断された野菜の2倍量の水90℃以上100℃以下で熱水抽出した。固形分を除去後、抽出液を真空濃縮により、Brix20まで濃縮した。濃縮試料を水でBrix5.0まで希釈したものを実施例2Bとした。
 <糖度(Brix)の測定>
 本測定で採用した糖度(Brix)の測定器は、屈折計(NAR-3T ATAGO社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
 <揮発性成分分析>
 作製した比較例1Bと実施例1Bに含まれる揮発性成分濃度の比較、及び比較例2Bと実施例2Bに含まれる揮発性成分濃度の比較を行うことで、香味の違いに寄与する香成分を特定した。本測定は、GERSTEL社製オートサンプラー(MPS2)、ダイナミックヘッドスペースモジュール(DHS)、加熱脱着装置(TDU)、昇温気化型注入口(CIS4)を装着したAgilent社製7890GC/5975 MSDを用いて実施した。試料を専用バイアルに0.5~2g量り取り、超純水で総量5gとなるよう希釈した。内部標準として1,2-Dichlorobenzeneの10ppm溶液を5μl添加した。
 DHS法により、香気成分を専用Tenax TA tubeに捕集し、TDU-1D-GC/MS システムによる加熱脱着分析を実施した。
GC/MS条件
カラム:Agilent DB-WAX 60m×0.25mm×0.5μm
オーブン温度:40℃(3min)→10℃/min→240℃(27min)
キャリアガス:3.1ml/min(ヘリウム)
MSモード:SCAN(質量範囲29~450)
 比較例1Bと実施例1Bとの間、及び比較例2Bと実施例2Bとの間でBrix5.0にて揮発成分の含有量を比較した際、比較例1Bに比して実施例1Bに多い成分、かつ比較例2Bに比して実施例2Bに多い成分を特定した。また、比較例1Bに比して実施例1Bに少ない成分、かつ比較例2Bに比して実施例2Bに少ない成分を特定した。さらにその中で、一般的な知見の中で人が香りを感じられることが分かっている成分かつ、人の官能に影響がある程度の量含まれる成分を特定したところ、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)、及び(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)、の5成分が特定された。比較例1B、及び実施例1Bにおける各成分の濃度を表1Bに示した。
 <比較例1Bと実施例1Bの可溶性成分分析>
 比較例1Bと実施例1Bに関して、アミノ酸、核酸、有機酸、及び糖の分析を行った。その結果、比較例1Bと実施例1Bに関して含有量は同等であった。測定された成分の中で、香味に影響がある濃度含まれている成分をピックアップし、Brix5.0におけるそれぞれの成分の濃度を表2Bに示した。
 <アミノ酸濃度の測定>
 本測定で採用したアミノ酸濃度の測定法は、HPLC法である。具体的には、本測定で採用したアミノ酸の測定器は、高速アミノ酸分析計L-8000シリーズ((株)日立製作所)である。測定条件は、アンモニアフィルタカラム:#2650L[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、分析カラム:#2622[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、ガードカラム:#2619[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、移動相:クエン酸リチウム緩衝液、反応液:ニンヒドリン溶液、検出波長:VIS  570nmである。
 <核酸濃度の測定>
 本測定で採用した核酸濃度の測定法は、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略すことがある)法である。具体的な測定条件は以下のとおりである。
カラム:DevelosilRPAQUEOUS AR-5、4.6mm×250mm[野村化学製]
溶離液:A;リン酸ナトリウム緩衝液(pH2.5)、B;90%アセトニトリル
グラジエント条件:A液の割合100%(0~5分)-92.5%(25分)-80%(25.1~28分)-100%(28.1~32分)
流速:1.0ml/min
検出波長:254nm
カラム温度:40℃
 <有機酸濃度の測定>
 本測定で採用した核酸濃度の測定法は、HPLC法である。具体的な測定条件は以下のとおりである。
カラム:C610H-S[日立製作所製]
溶離液:3mM過塩素酸
反応液:0.1mM BTB、15mM リン酸水素ナトリウム、2mM 水酸化ナトリウム
グラジエント条件:A液の割合100%(0~5分)-92.5%(25分)-80%(25.1~28分)-100%(28.1~32分)
流速:溶離液0.5ml/min、反応液0.5ml/min
検出波長:440nm
カラム温度:50℃
 <糖濃度の測定>
 本測定で採用した核酸濃度の測定法は、HPLC法である。具体的な測定条件は以下のとおりである。
カラム:ShodexAsahipak NH2P-50 4E
溶離液:アセトニトリル/水=75/25
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率検出器
カラム温度:50℃
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 <官能評価トレーニング>
 香味評価に鋭敏な感覚を持つ7人を官能評価者(パネリスト)として選定し、パネルを形成した。7人で構成されるパネルにより、比較例1B及び実施例1Bに関して、香味の持続性、及び複雑さを評価した結果、全てのパネリストにおいて、比較例1Bと実施例1Bの違いを感じ、かつ、実施例1Bにおいて香味の持続性、及び複雑さを感じるという結果となった。同様に、比較例2Bと実施例2Bの違いを感じ、かつ、実施例2Bにおいて香味の持続性、及び複雑さを感じるという結果となった。
 比較例1Bと実施例1Bの香味の違いに関して、7人で構成されるパネルで言葉出しを行い、その中で出てきた具体的な表現を用いて、香味の「持続性」及び「複雑さ」に関する定義づけを行った。香味の「持続性」及び「複雑さ」の定義を以下のとおりとした。
 「持続性」を感じる・・・青臭さがなく、飲み込んだ後にはちみつ様の香を感じる状態。
 「複雑さ」を感じる・・・香味を多く感じられるが、特定の香味が際立ってなく、かつ、明確に香味を分解できない状態。
(A)~(E)の香成分標準品それぞれを用いて、パネルのオルソネーザル、及びレトロネーザルによる官能評価により、「青臭さ」の香味特徴や、パネルで定義づけした「持続性」、及び「複雑さ」に関与している香味特徴が、(A)~(E)の標準品の香成分と関連していることを確認した。特に(A)の成分が「持続性」に影響しているとのパネルの意見であった。
 [試験2B:モデル液を用いた、コク強化範囲の特定]
 <モデル液を用いた官能評価>
 糖(スクロース、フルクトース、グルコース)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、ピログルタミン酸)、及びアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン)の標準品、及び水を用いて、ベース液を調整した。各成分含有量は、表2Bに記載の、比較例1Bと実施例1Bの測定値の中間値とした。ベース液に対して、(A)~(E)の香成分標準品を、以下の表3Bに記載の区分1B~6Bの成分含有量となるように調整した。区分1Bは比較例1Bの成分含有量と同等になるよう調整したものであり、区分4Bは実施例1Bの成分含有量と同等になるように調整したものである。区分1B~6Bに関して、前記官能評価トレーニングにより訓練されたパネルによる官能評価を行った。
 「持続性」に関する官能評価は、以下表4Bの5段階による評価を行った。評価の基準サンプルとして、比較例1Bで感じられる香味の「持続性」を「2」とし、実施例1Bで感じられる香味の「持続性」を「4」とした。
「複雑さ」に関する官能評価は、「複雑である」又は「複雑でない」を選択する、絶対評価を行った。
 区分3B~6Bに関しては、青臭さを感じないものの、区分1B及び2Bについては青臭さを感じるというパネルの意見であり、区分1B及び2Bに関しては、「青臭さ」に関する官能評価も併せて行った。「青臭さ」に関する官能評価は、以下表4Bの5段階による評価を行った。評価の基準サンプルとして、比較例1Bで感じられる香味の「青臭さ」を「4」とし、実施例1Bで感じられる「青臭さ」を「2」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 <官能評価基準>
 「持続性」に関する評価は、各パネリストが評価した点数を基にして、平均値が「3(やや感じる)」以上であり、かつ、比較例1Bで感じられる持続性「2(ほとんど感じない)」と有意に差がある場合(Tukeyの検定)に「Y」とした。それ以外は「X」とした。危険率(P値)は5%にて判断した。
「複雑さ」の有無に関する評価(複雑である場合を「Y」とし、複雑でない場合を「X」とする)は、各パネリストの評価を基にして、個別項の2項分布確率(BINOMDIST関数)により、危険率(P値)5%にて判断した。
「複雑でない」を選ぶ危険率が5%未満の場合、「複雑さ」あり(複雑である)(a)と判断した。
 「青臭さ」に関する評価は、各パネリストが評価した点数を基にして、平均値が「4(感じる)」以上、又は、比較例1Bで感じられる青臭さ「4(感じる)」と有意に差がない場合に「X」とした。
 コクの評価については、少なくとも「持続性」が有るものには「Y」を、さらに「複雑さ」を有するものについては「Z」、とした。「持続性」も「複雑さ」もないものを「X」とした。
官能評価結果を、以下表5Bに示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 <香成分の比>
 区分1B~6Bに関して、各香成分含有量の比を算出したものを以下の表6Bに示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
 [試験3B:オミッション試験による関与成分の特定]
 以下、表7Bの通り、区分1B又は区分4Bを基に、香成分を1成分ずつオミッションしたモデル液(区分4B-b~4B-d及び区分1B-a)、あるいは1成分だけ添加したモデル液(区分4B-a)を作製した。対照(1)(区分1B)を標品として提示し、官能による3点識別法により、区分1B-aと識別可能か評価を行った。同様に、対照(4)(区分4B)を標品として提示し、それぞれ、区分4B-a~4B-dに関して3点識別法により識別可能か評価を行った。パネリストの人数は8人で行い、危険率を5%として有意差検定を行ったところ、区分1B-a、区分4B-aはそれぞれの対照と有意な差がないことが分かった。
 つまり、ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)は、本発明の効果に実質的には寄与していないことが考えられた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
 以下、表8Bの通り、区分2B及び区分3Bを基に、ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の濃度を0ppbとしたモデル液を作製した。対照(2)(区分2B)を標品として提示し、官能による3点識別法により、区分2B-aと識別可能か評価を行った。同様に、対照(3)(区分3B)を標品として提示し、区分3B-aに関して3点識別法により識別可能か評価を行った。パネル人数は8人で行い、危険率を5%として有意差検定を行ったところ、いずれも対照と有意な差がないことが分かった。
 併せて、区分2Bと区分3B-aをパネルにより評価を行ったところ、区分3B-aの方が有意に青臭さが抑制され、コクがある結果となった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 以上より、ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)は、区分1B~6Bの範囲において、本発明の効果に寄与していないことが分かった。
 [試験4B:青臭さがコクに与える影響評価]
 成分(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)が一定の濃度において、青臭さに関与する成分が増加することによる、香味の持続性に与える影響を評価した。
 区分4Bの、フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)の濃度を固定し、青臭さに関与する3成分(B)、(C)、及び(D)を区分1B相当の濃度になるまで段階的に引き上げた。具体的には、表9Bの濃度となるように区分1B’~区分3B’及び区分4Bを調整した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 5人のパネリストによる官能評価により、区分1B’~区分3B’及び区分4Bにおける香味の持続性評価を行ったところ、区分2B’と区分3B’の間において、危険率5%として有意な差があることが分かった(検定方法:一元配置分散分析)。そして、区分1B’、区分2B’に比較して、区分3B’、区分4Bの方が香味の持続性は強い結果となった。
 以上より、一定のフェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)の濃度であっても、(B)~(D)の濃度が高くなるに従い、香味の持続性は低下することが分かった。
 <まとめ>
 以上の試験結果を考慮した結果、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)との含有量の関係が、0≦(B)/(A)≦0.00539、0≦(C)/(A)≦0.00435、かつ0≦(D)/(A)≦0.290であることで、コクを感じられることがわかった。また、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0にしたときの各成分の含有量が、(A):89.0ppb以上であり、(B):0.48ppb以下であり、(C):3.87ppb以下であり、(D):25.83ppb以下であり、(E):0.04ppb以下であることで、コクを感じられることがわかった。
 本発明は、コクが強化されたアブラナ科野菜調味料、コクが強化されたアブラナ科野菜含有飲食品、及びアブラナ科野菜含有飲食品におけるコクの強化方法を提供できるので、産業上極めて有用である。

Claims (28)

  1.  少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み;
     前記減香加熱処理は、アブラナ科野菜を減香加熱することを含み、
     前記付香加熱処理は、前記アブラナ科野菜の液を付香加熱することにより加熱香を付加することを含み、
     前記付香加熱処理は前記減香加熱処理よりも後に行われる、
     アブラナ科野菜調味料の製造方法。
  2.  前記減香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を減香加熱することによって、さらに、前記アブラナ科野菜の内在酵素を失活させることを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3.  前記減香加熱処理は、茹でることである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4.  前記付香加熱処理は、加熱濃縮である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5.  少なくとも、減香加熱処理及び付香加熱処理を含み、
     前記減香加熱処理は、アブラナ科野菜を減香加熱することを含み、
     前記付香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を付香加熱することにより加熱香を付加することを含み、
     前記減香加熱処理と前記付香加熱処理が同時に行われる、
     アブラナ科野菜調味料の製造方法。
  6.  前記減香加熱処理は、前記アブラナ科野菜を減香加熱することによって、前記アブラナ科野菜に含まれる香気成分を気化させることを含む、請求項5に記載の製造方法。
  7.  前記減香加熱処理及び前記付香加熱処理は、何れも、焼くこと又は炒めることである、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8.  さらに、前記減香加熱処理及び前記付香加熱処理された前記アブラナ科野菜から、少なくともうま味成分及び香気成分を含む成分を分画することを含む、
     請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9.  アブラナ科野菜含有飲食品であって、
     少なくとも、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と、
     所望により、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、を含み;
     (A)成分と(B)~(D)成分との含有量の比が、
    0≦(B)/(A)≦0.00539、
    0≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
    0≦(D)/(A)≦0.290である、
    アブラナ科野菜含有飲食品。
  10.  アブラナ科野菜含有飲食品であって、
     少なくとも、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)を含み;
     (A)成分と(B)~(D)成分との含有量の比が、0.00187≦(B)/(A)≦0.00539、
    0.0129≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
    0.0607≦(D)/(A)≦0.290である、
     アブラナ科野菜含有飲食品。
  11.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分の含有量(ppb)が、89.0以上である、請求項9又は10に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  12.  さらに、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分~(D)成分の含有量(ppb)が、(A):89.0以上107.0以下、
    (B):0.20以上0.48以下、
    (C):1.38以上3.87以下、及び
    (D):6.50以上25.83以下である、
     請求項9又は10に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  13.  さらに、所望により(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)を含み、
     (A)成分と(E)成分との含有量の比が、
    0≦(E)/(A)≦0.00045である
     請求項9~12のいずれか一項に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  14.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の含有量(ppb)が、
    0以上0.04以下である、請求項13に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  15.  アブラナ科野菜含有飲食品であって、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品は、(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)を含み;
     前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する(A)成分~(D)成分の含有量(ppb)が、
    (A):89.0以上107.0以下、
    (B):0.20以上0.48以下、
    (C):1.38以上3.87以下、かつ
    (D):6.50以上25.83以下である、
     アブラナ科野菜含有飲食品。
  16.  さらに所望により(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)を含み、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)の含有量(ppb)が、0以上0.04以下である、請求項15に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  17.  前記飲食品が、搾汁液、エキス(抽出液)、又は紛体の何れかである、請求項9~16のいずれか一項に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  18.  前記飲食品の原料が、少なくともブロッコリー、タマネギ、セロリ、及びニンジンである、請求項1~17のいずれか一項に記載のアブラナ科野菜含有飲食品。
  19.  アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
    前記アブラナ科野菜含有飲食品における(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量を、
    0≦(B)/(A)≦0.00539、
    0≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
    0≦(D)/(A)≦0.290、
    の関係を満たすよう調整することを含む、
    アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
  20.  アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品における(A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量を、
    0.00187≦(B)/(A)≦0.00539、
    0.0129≦(C)/(A)≦0.0435、かつ、
    0.0607≦(D)/(A)≦0.290、
    の関係を満たすよう調整することを含む、
     アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
  21.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの,
     前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(A)の含有量(ppb)を、89.0以上に調整することを含む、請求項19又は20に記載の方法。
  22.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(A)~(D)成分の含有量(ppb)を、
    (A):89.0以上107.0以下、
    (B):0.20以上0.48以下、
    (C):1.38以上3.87以下、かつ
    (D):6.50以上25.83以下、
    に調整することを含む、請求項19又は20に記載の方法。
  23.  さらに、(A)成分と(E):ブチルイソチオシアネート(Butylisothiocyanate)との含有量の比が、
    0≦(E)/(A)≦0.00045、となるよう調整することを含む、
    請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
  24.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E)成分の含有量(ppb)を、0以上0.04以下、となるよう調整することを含む、請求項23に記載の方法。
  25.  アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法であって、
     前記アブラナ科野菜含有飲食品において、前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、
    (A):フェニルアセトアルデヒド(Phenylacetaldehyde)と、(B):2-ヘキセナール(2-Hexenal)、(C):1-オクテン-3-オン(1-Octen-3-one)、及び(D):ジメチルトリスルフィド(Dimethyltrisulfide)の含有量(ppb)を、
    (A):89.0以上107.0以下、
    (B):0.20以上0.48以下、
    (C):1.38以上3.87以下、かつ
    (D):6.50以上25.83以下、
     となるよう調整することを含む、
     アブラナ科野菜含有飲食品のコクを強化する方法。
  26.  前記アブラナ科野菜含有飲食品のBrixを5.0に換算したときの、前記アブラナ科野菜含有飲食品の総質量に対する、(E)成分の含有量(ppb)を、0以上0.04以下、となるよう調整することを含む、
     請求項23に記載の方法。
  27.  前記飲食品が、搾汁液、エキス(抽出液)、又は紛体の何れかである、請求項19~26のいずれか一項に記載の方法。
  28.  前記飲食品の原料が少なくともブロッコリー、タマネギ、セロリ、及びニンジンである、請求項19~27のいずれか一項に記載の方法。
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