JPH08112073A - クロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法 - Google Patents

クロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法

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JPH08112073A
JPH08112073A JP6252101A JP25210194A JPH08112073A JP H08112073 A JPH08112073 A JP H08112073A JP 6252101 A JP6252101 A JP 6252101A JP 25210194 A JP25210194 A JP 25210194A JP H08112073 A JPH08112073 A JP H08112073A
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juice
chlorophyll
blanching
vegetables
calcium hydroxide
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Hirohisa Tatezawa
弘久 立澤
Takahiro Inaguma
隆博 稲熊
Yukio Ishiguro
幸雄 石黒
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Kagome Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロロフィル含有野菜の緑色の褪色及び風味
の変化を防止する効果に優れ、更に得られた搾汁液が分
離することやpH変化による緑色の褪色が少ない等の保
存安定性に優れるクロロフィル含有野菜の搾汁液製造方
法を提供する。 【構成】 クロロフィル含有野菜の搾汁液を製造するに
あたって、クロロフィルを含む野菜を、好ましくはカキ
殻カルシウム製剤を用いて調製した、0.005重量%
〜0.07重量%の水酸化カルシウムを含有する水溶液
でブランチングした後、搾汁する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロロフィル含有野菜
の搾汁液製造方法に関し、詳しくは、野菜に含まれるク
ロロフィルの分解を防止することで緑色を保持し且つ風
味を保持する効果に優れ、更に搾汁液の保存安定性に優
れるクロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、長期保存を可能とする野菜の加工
製品が数多く開発され、種々の野菜が缶詰め、ビン詰
め、レトルト詰め、凍結乾燥品、冷凍保存品、搾汁液等
に製品化され販売されている。
【0003】この様にして加工製品化される野菜のうち
でもクロロフィルを含有する野菜については、加工工程
においてクロロフィルの変性が起こり、緑色が褪色する
ことが問題となるが、これを防止するために、ブランチ
ング(弱い加熱)によるクロロフィルの安定化(クロロ
フィリンの生成)や、弱アルカリから中性域(pH6〜
7)の状態に保つことで、褐色物質であるフェオフィチ
ン複合体への変性を抑える方法が取られている。
【0004】例えば、乾燥製品においては、緑色野菜を
カルシウムイオン、マグネシウムイオン又はこれら両イ
オンの0.001〜0.1モルを含むアルカリ性溶液中
(pH8.0以上)にてブランチングし、磨砕した後乾
燥する方法(特開昭50−71856号公報)や、乾燥
時及び保存時の色、香りの変化を抑制することを目的と
して、野菜を、pH7〜10でマグネシウムイオンを
0.01〜20g/L含有する水溶液にてブランチング
した後、乾燥する方法(特開昭60−58033号公
報)、クロロフィル含有植物の葉を、クロロフィル保護
のためにサイクロデキストリンとカルシウム塩を含む水
溶液で処理し、更にアルギン酸あるいはキトサンを含む
水溶液で処理して乾燥する方法(特開平4−28800
1号公報)等が開示されている。
【0005】また、乾燥製品以外では、クロロフィル含
有物に塩基性物質好ましくは水酸化カルシウムを添加し
クロロフィルを安定化してこの含有物を保存する方法
(特開昭60−234554号公報)、緑色野菜のブラ
ンチングの前にアルカリ性溶液に浸漬する、更に、ブラ
ンチング後にアルカリ性溶液とともにパウチ詰し、これ
を加熱処理する方法(特開昭61−47141号公
報)、緑色野菜をプロタミン水溶液で処理することで、
変色を防止する方法(特開平6−7083号公報)等が
開示されている。
【0006】この様に、クロロフィル含有植物の緑色保
持のためには、植物体をアルカリで処理する方法がいく
つも提唱されている。しかし、野菜の搾汁液を対象とし
た場合、上記何れの方法でも、アルカリでクロロフィル
の緑色を保持することは可能であるが、アルカリを加え
ることで風味が変化してしまうという問題があった。更
に、搾汁液では、上記の様にしてアルカリを加えると、
粘性が上がってドロドロになる等性状に問題が起こるこ
とや、経時的に搾汁液が分離したりあるいはpH変化に
よって緑色が褪色する等、保存安定性にも問題があり、
クロロフィル含有野菜の緑色を保持し且つ風味を保持す
る効果に優れ、更に搾汁液の保存安定性に優れたクロロ
フィル含有野菜の搾汁液製造方法の開発が望まれてい
た。
【0007】一方、カキ殻カルシウム製剤については、
かき貝殻を酸素を遮断した状態で高温で焼成することに
よって得た粉末状焼成体からなるカルシウム剤(特開昭
55−332号公報)や、インシュリン分泌促進剤(特
開昭55−2654号公報)、かき貝殻を焼成して得ら
れる酸化カルシウム型焼成物及び/又はその水和物であ
る水酸化カルシウム型焼成物からなる殺菌剤及びこれを
食品中に含有させることを特徴とする食品の鮮度保持方
法(WO93/11670号公報)等が開示されている
が、これを、クロロフィル含有野菜の加工品の緑色保持
のために用いたという報告はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、クロロフィル含有野菜の緑色の
褪色及び風味の変化を防止する効果に優れ、更に得られ
た搾汁液が分離することやpH変化による緑色の褪色が
少ない等の保存安定性に優れるクロロフィル含有野菜の
搾汁液製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、クロロフィル含
有野菜を、特定量の水酸化カルシウムを含有する水溶液
でブランチングすることにより、加工時あるいは保存時
において野菜の緑色の褪色や風味の変化を防止できると
ともに、出来上がった搾汁液が分離をほとんど起こさ
ず、pHの変化による緑色の褪色も少ないことを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、クロロフィルを含む野
菜を0.005重量%〜0.07重量%の水酸化カルシ
ウムを含有する水溶液でブランチングした後、搾汁する
ことを特徴とするクロロフィル含有野菜の搾汁液製造方
法である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のクロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法は、クロ
ロフィルを含有する野菜を0.005重量%〜0.07
重量%の水酸化カルシウム含有水溶液でブランチングし
た後、これを搾汁することを特徴とする。
【0012】本発明の搾汁液製造方法が適用されるクロ
ロフィル含有野菜としては、一般に搾汁液に加工される
クロロフィルを含有する野菜、例えば、ホウレンソウ、
セロリ、クレソン、キャベツ、レタス、ブロッコリー、
コマツナ、ダイコン葉、モロヘイヤ等を挙げることがで
きる。
【0013】本発明の搾汁液製造方法においては、ブラ
ンチング液を0.005重量%〜0.07重量%の水酸
化カルシウムを含有する水溶液とするが、このブランチ
ング液の調製は、水に、水酸化カルシウム、水溶液中で
水酸化カルシウムとなる酸化カルシウム等及びこれらを
含有する組成物から選ばれる1種又は2種以上を、水酸
化カルシウムの濃度として0.005重量%〜0.07
重量%となる分量だけ加えることで行われる。
【0014】更に、本発明においては、上記ブランチン
グ液(水酸化カルシウム水溶液)の調製に、カキ殻カル
シウム製剤を用いることが好ましい。カキ殻カルシウム
製剤としては、例えば、カキ殻を研磨して、内部の真珠
層のみを通電ジュール加熱処理(220V、60〜10
0A、10〜60分間)した後、粉砕したものや、前記
特開昭55−332号公報に示される、かき貝殻を酸素
を遮断した状態で高温で焼成することによって得た粉末
状焼成体からなるカルシウム剤等を挙げることができ
る。また、この様なカキ殻カルシウム製剤は、例えば、
カイホー(株)よりハイセア−Sとして市販されている
ので、これら市販品を本発明に用いることも可能であ
る。
【0015】上記のようにして得られるカキ殻カルシウ
ム製剤の主成分はカルシウムであり、全体のおおよそ、
60〜70重量%を占め、これが水溶液中で水酸化カル
シウムとなってクロロフィルの分解を防止する。また、
カキ殻カルシウム製剤には、その他の微量成分として、
酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、
酸化第二鉄、酸化チタン、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、三酸化イオウ、五酸化リン等が含まれるが、これら
が上記ブランチング液中で、水酸化カルシウムの働きを
阻害することはほとんどない。
【0016】本発明の製造方法においては、ブランチン
グ液中の水酸化カルシウム含有量は、0.005重量%
〜0.07重量%とすることが好ましい。水酸化カルシ
ウムの含有量が0.005重量%より小さいと野菜中の
クロロフィルの分解を防止する作用が十分でなくなり、
搾汁液において緑色を保持することができないことがあ
り、0.07重量%を越えて含有すると搾汁液の風味が
悪くなることがある。
【0017】また、本発明においてブランチング液に
は、上記水酸化カルシウム以外に任意成分として鉄成
分、銅成分、マグネシウム成分等を含有させることも可
能である。
【0018】本発明におけるクロロフィル含有野菜のブ
ランチング方法であるが、ブランチング液に上記水酸化
カルシウム溶液を用いること以外は、通常に野菜搾汁液
を製造する場合のブランチングと同様にして行うことが
可能である。例えば、ブランチング液の量は、重量でク
ロロフィル含有野菜の約5〜10倍を用い、このブラン
チング液を沸騰させた中に、洗浄済みのクロロフィル含
有野菜をその野菜に適した時間だけ、例えば、ホウレン
ソウでは約0.5〜2分間、セロリでは約1〜5分間、
ブロッコリーでは約3〜10分間浸漬する。
【0019】ブランチング後の搾汁工程に関しても、通
常通り行えばよく、例えば、ブランチング液から取り出
したクロロフィル含有野菜を篩い上で適当な時間(約1
〜10分間)静置した後、フィルタープレス、スクリュ
ープレス等の搾汁装置を用いて搾汁する等である。搾汁
液の保存期間が短期間であれば、そのまま冷蔵保存する
ことも可能であるが、必要に応じて、得られた搾汁液を
殺菌等の目的で、プレートヒーター等で135〜145
℃に達温加熱する工程を加えることも可能である。
【0020】この様にして、得られたクロロフィル含有
野菜の搾汁液は、加工時、保存時において緑色の褪色も
なく、風味の変化もないばかりか、性状もドロドロとせ
ず、放置しておいてもほとんど分離することがなく、p
H変化による緑色の褪色の少ない搾汁液である。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、実
施例に用いたカキ殻カルシウム製剤はカイホー(株)製
のハイセア−Sである。
【0022】
【実施例1〜4】 ホウレンソウ搾汁液 ホウレンソウを水で洗浄した後、このホウレンソウ10
kgづつを沸騰した50kgの表1に示す各種溶液でそ
れぞれ1分間ブランチング処理した。ブランチング処理
後、ホウレンソウを25メッシュの篩いに引き揚げ、搾
汁開始まで静置した。ブランチング処理されたホウレン
ソウの搾汁は、ブランチング液からの引き揚げ3分後
に、試験用エキストラクターを用いて行われた。その
後、得られた搾汁液にプレートヒーターを用いて140
℃の達温加熱処理を施し、実施例のホウレンソウ搾汁液
を得た。
【0023】同様にして、表1に示す、蒸留水のみ(比
較例1)、本発明の水酸化カルシウム以外のカルシウム
塩を含有する水溶液(比較例2〜9)、本発明の水酸化
カルシウム以外の水酸化物を含有する水溶液(比較例1
0、11)又は本発明の範囲外で水酸化カルシウムを含
有する水溶液(比較例12、13)を用いてブランチン
グ処理し、搾汁、加熱処理したもの、ブランチングせず
に、搾汁後、搾汁液にカキ殻カルシウム製剤を添加し
(比較例14、15)、加熱処理した比較例のホウレン
ソウ搾汁液も製造した。
【0024】
【表1】
【0025】<本発明の製造方法で得られたホウレンソ
ウ搾汁液の評価>上記、各実施例及び各比較例で得られ
たホウレンソウ搾汁液について、色調、風味、分離性に
ついての評価を行った。
【0026】(1)搾汁液の色調測定 搾汁液の色調(a値)は、日本電色工業(株)製の色差
計ND−Σ80で測定した。尚、このa値が負に大きい
程、緑色が単色の緑色に近いといえる。評価の基準とし
ては、a値が−9付近では搾汁液はくすんだ暗い緑色で
ありホウレンソウの緑色を保持しているとは言えず、−
11付近では搾汁液はくすみの少ない緑色でありホウレ
ンソウの緑色を保持していると言える。
【0027】(2)搾汁液の風味評価 搾汁液の風味は官能評価により行われ、厳選された官能
検査員100名(男50名、女50名)が、各実施例、
比較例で得られた搾汁液と比較例1で得られた搾汁液と
を2点嗜好の比較で官能評価した。評価は、その実施例
又は比較例で得られた搾汁液が比較例1で得られた搾汁
液と比較して味覚上劣っているとした人数を用いて行っ
た。この人数が、59名以上であれば5%、63名以上
であれば1%、66名以上であれば0.1%の危険率
で、その実施例又は比較例は、比較例1に比べて味覚上
劣っているといえる。
【0028】(3)搾汁液の分離テスト 搾汁液の分離テストは、各実施例、比較例で得られた搾
汁液をそれぞれ100mLのメスシリンダーに入れ、室
温で3時間放置した後に、搾汁液が分離してできた透明
な液部の占める容量を測定し、この透明な液部の占める
容量の搾汁液全量に対する割合(%)を算定することで
行われた。
【0029】上記色調測定、官能評価、分離テストの結
果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法で得られた搾汁液は、色、風味、分離ともに問題
がないのに比べ、ブランチングを蒸留水で行って得られ
た搾汁液は、色と分離性に問題がある。ブランチング液
に塩化カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、
炭酸カルシウム等の水酸化カルシウム以外のカルシウム
塩水溶液を用いた場合には、濃度を低くすると野菜の緑
色は保持されず更に搾汁液の分離も起こってしまい、濃
度を高くすると野菜の風味がそこなわれまた搾汁液の分
離も改善されない。
【0032】ブランチング液に水酸化カルシウム水溶液
を用いた場合でも、水酸化カルシウムの濃度が本発明の
範囲より小さいと緑色は褪色しており、濃度が大きいと
風味の変化が大きい。また、ブランチングせずに、搾汁
し、得られた搾汁液に水酸化カルシウムを加えても色や
味に問題がでてしまう。
【0033】また、ブランチング液を水酸化カルシウム
以外の水酸化物の水溶液とすれば、色、風味、分離性に
問題はないものの、水酸化ナトリウム水溶液の場合、搾
汁液の性状がドロドロしてしまい、好ましくない。水酸
化マグネシウム水溶液では、性状にも問題がないが、以
下の試験によりpH変化による緑色の変化が大きいこと
がわかった。
【0034】(4)pH変化による搾汁液の緑色の変化 実施例1で得られた搾汁液及びブランチング液に水酸化
マグネシウム水溶液を用いた比較例11で得られた搾汁
液(共にpHは7)を100gづつ用意した。この2種
類の搾汁液に塩酸(和光純薬工業(株)製、試薬特級)
を所定のpH(6、5、4)となるように順次添加し、
pHが6の時、5の時、4の時に随時、色調を測定し
た。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【実施例5】 セロリ搾汁液 ブランチング時間が2分間である以外は、上記実施例1
〜4と同様の方法でセロリの搾汁液を製造した。また、
比較のため、ブランチング液として蒸留水のみ(比較例
16)、又は本発明の範囲外で水酸化カルシウムを含有
する水溶液(比較例17、18)を用いた以外は同様の
方法で製造したセロリ搾汁液も用意した。実施例及び比
較例のブランチング液について表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】<本発明の製造方法で得られたセロリ搾汁
液の評価>ホウレンソウ搾汁液の評価方法と同様にして
セロリ搾汁液の色調、風味、分離性の評価を行った。
尚、搾汁液の風味官能評価は、各実施例、比較例で得ら
れた搾汁液と比較例16で得られた搾汁液とを2点嗜好
の比較で官能評価した結果である。評価結果を表5に示
す。
【0039】
【表5】
【0040】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法で得られた搾汁液はセロリの場合でも、色、風
味、分離ともに問題がないのに比べ、ブランチングを蒸
留水で行って得られた搾汁液は、色と分離性に問題があ
る。また、ブランチング液に水酸化カルシウム水溶液を
用いた場合でも、水酸化カルシウムの濃度が本発明の範
囲より小さいと緑色は褪色しており、濃度が大きいと風
味の変化が大きい。
【0041】
【実施例6】 ブロッコリー搾汁液 ブランチング時間が5分間である以外は、上記実施例1
〜4と同様の方法でブロッコリーの搾汁液を製造した。
また、比較のため、ブランチング液として蒸留水のみ
(比較例19)、又は本発明の範囲外で水酸化カルシウ
ムを含有する水溶液(比較例20、21)を用いた以外
は同様の方法で製造したブロッコリー搾汁液も用意し
た。実施例及び比較例のブランチング液について表6に
示す。
【0042】
【表6】
【0043】<本発明の製造方法で得られたブロッコリ
ー搾汁液の評価>ホウレンソウ搾汁液の評価方法と同様
にしてブロッコリー搾汁液の色調、風味、分離性の評価
を行った。尚、色調の評価の基準は、ブロッコリーの場
合、a値が−12付近では搾汁液はブロッコリーの緑色
を保持しているとは言えず、−14付近では搾汁液はブ
ロッコリーの緑色を保持していると言える。また、搾汁
液の風味官能評価は、各実施例、比較例で得られた搾汁
液と比較例19で得られた搾汁液とを2点嗜好の比較で
官能評価した結果である。評価結果を表7に示す。
【0044】
【表7】
【0045】この結果から明らかなように、本発明の製
造方法で得られた搾汁液はブロッコリーの場合でも、
色、風味、分離ともに問題がないのに比べ、ブランチン
グを蒸留水で行って得られた搾汁液は、色と分離性に問
題がある。また、ブランチング液に水酸化カルシウム水
溶液を用いた場合でも、水酸化カルシウムの濃度が本発
明の範囲より小さいと緑色は褪色しており、濃度が大き
いと風味の変化が大きい。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、クロロフィ
ル含有野菜の搾汁液が、野菜の緑色の褪色及び風味の変
化をおこすことなく得られ、また得られる搾汁液の性状
は粘性等の問題もなく、分離をほとんど起こさずpH変
化に対する色の変化も少ない等、保存安定性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロロフィルを含む野菜を0.005重
    量%〜0.07重量%の水酸化カルシウムを含有する水
    溶液でブランチングした後、搾汁することを特徴とする
    クロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水酸化カルシウム水溶液が、カキ殻
    カルシウム製剤を水に溶解させて得られることを特徴と
    する請求項1記載のクロロフィル含有野菜の搾汁液製造
    方法。
JP6252101A 1994-10-18 1994-10-18 クロロフィル含有野菜の搾汁液製造方法 Pending JPH08112073A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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