JP3386722B2 - クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法 - Google Patents
クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法Info
- Publication number
- JP3386722B2 JP3386722B2 JP22994598A JP22994598A JP3386722B2 JP 3386722 B2 JP3386722 B2 JP 3386722B2 JP 22994598 A JP22994598 A JP 22994598A JP 22994598 A JP22994598 A JP 22994598A JP 3386722 B2 JP3386722 B2 JP 3386722B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorophyll
- decomposition inhibitor
- containing food
- decomposition
- preventing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Description
ィルの分解防止剤に関するものであり、また、クロロフ
ィルを含有する食品の退色を防止する方法に関するもの
である。
から採取されたクロロフィルaおよびクロロフィルbの
ほか、下記およびを含む意味でクロロフィルとい
う。
アルファルファ、茶、青海苔等,クロロフィル含有率の
高い植物体の乾燥粉末、磨砕物等。
の誘導体であって緑色色素として利用されるもの。
光合成に関与しているクロロフィルaおよびクロロフィ
ルbは、さまざまな精製度のものが、さらにはなんらか
の化学的処理を加えて誘導体にしたものが、安全性の高
い緑色色素として食品、化粧料等の着色に利用されてい
る。
分解しやすく、加熱を受けたり光照射を受けたりすると
特に変色し退色しやすい。比較的安定な中性ないし弱ア
ルカリ性でも、光(特に紫外線)を受けると分解しやす
い。このように安定性に問題があることにより、着色料
としてのクロロフィルの用途や使用条件はかなり制限さ
れている。
としては、なるべく中性ないしアルカリ性で使用もしく
は保存するほか、トコフェロール等の酸化防止剤を添加
して安定化を図る方法が知られているが、効果は十分で
ない。また、トコフェロールは水に溶けないため取り扱
いが容易でなく、さらに、多量に添加しないと効果がな
いので食品に使用するとその食品の風味に及ぼす影響が
大きいという問題点があった。
は、使用効果、性状、食品の風味に対する影響等、いず
れの観点からも満足できるクロロフィル分解防止剤を提
供することにある。
加工品がクロロフィルの分解に伴い退色するのを風味や
性状に悪影響を及ぼすことなしに防止する方法を提供す
ることにある。
に成功した本発明は、 <1> フェルラ酸またはそのアルカリ金属塩を有効成
分として含有することを特徴とするクロロフィルの分解
防止剤; <2> 緩衝作用を有する有機酸塩または無機酸塩を配
合して水溶液としたときのpHが4.5〜8である前記
<1>に記載のクロロフィルの分解防止剤; <3> 更に、アラビアガム、デキストリン、ブドウ
糖、乳糖、界面活性剤、エタノール、プロピレングリコ
ールおよびグリセリンから選ばれる1種又は2種以上を
配合した前記<1>又は<2>に記載のクロロフィルの
分解防止剤; <4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のクロ
ロフィルの分解防止剤を含有することを特徴とするクロ
ロフィル含有食品; <5> クロロフィル含有食品をフェラル酸またはその
アルカリ金属塩で処理することを特徴とするクロロフィ
ル含有食品の退色防止方法; <6> フェルラ酸としてクロロフィルの1/10量〜
10倍量を使用する前記<5>に記載のクロロフィル含
有食品の退色防止方法;および、 <7> クロロフィル含有食品を、フェルラ酸濃度が
0.05〜1.0重量%であるクロロフィルの分解防止
剤含有水溶液で処理する前記<5>又は<6>に記載の
クロロフィル含有食品の退色防止方法。を提供するもの
である。
ロキシケイ皮酸)は各種植物体中に見いだされる成分で
あって、本発明の分解防止剤には任意の植物体から分離
されたものをいずれも使用することができる。市販品と
しては、米ぬか油精製工程で発生する残油から抽出、精
製されたものがある。
広いpH範囲で加熱や光照射に対してクロロフィルを安
定化する作用がある。フェルラ酸により安定化されるク
ロロフィルの具体例としては次のようなものがある。
製済みのクロロフィルa,b。 B.クロロフィルa,bを加水分解後、エタノールまた
は有機溶媒で抽出して得られるクロロフィリン。 C.クロロフィルa,bの分子中のマグネシウムを銅に
置き換えた銅クロロフィル、その酸化物である銅クロロ
フィリンナトリウム;クロロフィルa,bの分子中のマ
グネシウムを鉄と置き換えた鉄クロロフィリンナトリウ
ム D.緑色野菜またはその加工品中のクロロフィル
な程度の量が経口摂取されても毒性その他好ましくない
生理的作用を示すおそれがなく、また、塩にすれば事実
上無味無臭かつ無色で化学的にも安定な物質であるな
ど、クロロフィル含有食品の退色防止に使用するのにき
わめて好都合な特性のものである。
の分解を防止するが、水にはやや溶けにくく、またクロ
ロフィル含有食品に使用すると酸味を感じさせることが
あるので、製剤化する場合はモノナトリウム塩などアル
カリ金属塩の形で用いるか、酢酸ナトリウム、コハク酸
ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素
二カリウム等、緩衝作用を有する有機酸塩または無機酸
塩を配合して水溶液としたときのpHが約4.5〜8にな
るようにするのが有利である。
キストリン、ブドウ糖、乳糖、界面活性剤、エタノー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等を配合するこ
とも、フェルラ酸の溶解促進と増量・希釈による取扱い
性向上に有効である。
ビン酸ナトリウムなどクロロフィルの退色防止作用向上
に有効な任意の助剤を配合することができ、剤形も、粉
末状、顆粒状、ペースト状、液状等、任意の剤形を採用
することができる。
態としては次のような例を挙げることができる。 クロロフィルからなる着色料に配合してその品質を
安定化する。 クロロフィルを含有する着色料を用いて着色する
(または着色した)食品、化粧料、雑貨等に配合して、
クロロフィルによる着色を長期間安定に保つ。 緑色野菜やその加工品等、クロロフィルを含有する
食品に付着させるか混入して、クロロフィルの分解によ
る退色を防止する。
ル分解防止剤の好適使用量は使用態様によって異なり、
一律に示すことはできないが、多くの場合、フェルラ酸
としてクロロフィルの約1/10量〜10倍量を使用す
ることにより好結果を得ることができる。
水溶液状態で使用する場合は、フェルラ酸濃度が0.0
5〜1.0重量%程度(望ましくは0.1〜0.5重量%
程度)になるように溶解して使用することが望ましい。
あまり希薄な水溶液では処理効果が十分でなく、また1
重量%をこえる高濃度にしても退色防止作用が向上する
わけではないので使用効率が悪い。
酸50g、クエン酸三ナトリウム100gおよびデキス
トリン350gを80℃の温水2.5リットルに溶解
し、得られた溶液を濃縮、乾燥して、クロロフィル分解
防止剤500gを得た。
0g、リン酸水素二カリウム100gおよびブドウ糖3
50gを80℃の温水3リットルに溶解し、得られた溶
液を濃縮したのち真空乾燥機で乾燥して、クロロフィル
分解防止剤500gを得た。
ムを溶解して、波長660nmにおける吸光度が1.0前
後の溶液を調製する。この緑色溶液に製造実施例1,2
によるクロロフィル分解防止剤を0.5重量%添加し又
は添加せずに、無色透明のガラスビンに入れて直射日光
を照射する。所定の時間経過後、波長660nmの吸光度
を測定し、日光照射開始前の測定値と比較した場合の吸
光度残存率を色素残存率とする。結果は表1のとおり
で、本発明のクロロフィル分解防止剤が銅クロロフィリ
ンナトリウムの光による分解を顕著に防止したことがわ
かる。
漬け込む。次いで製造実施例1,2によるクロロフィル
分解防止剤の1%水溶液に10分間浸漬したのちトレー
パックで包装し、10℃の恒温室に入れて、蛍光灯によ
る約2000ルックスの白色光照射を行う。対照例とし
て、クロロフィル分解防止剤溶液にかえてクロロフィル
分解防止剤を含まない水による浸漬処理をしたもの、お
よびアスコルビン酸ナトリウム1%水溶液を用いる浸漬
処理をしたものについて、同様の光照射試験を行う。
ったキュウリの色の変化を1日後および4日後に観察し
た結果は表2のとおりであった。
石をする(下漬け)。次いで水洗いをしてからカット
し、調味液(pH4)に漬け込む(本漬け)。
下漬けの差し水に対キュウリ1重量%のクロロフィル分
解防止剤(製造実施例1)を含有させさらに同じクロロ
フィル分解防止剤を本漬け用調味液に1重量%含有させ
た場合(実施例2)、下漬けのみにクロロフィル分解防
止剤を使用した場合(実施例3)、本漬け用調味液のみ
にクロロフィル分解防止剤を含有させた場合(実施例
4)、およびクロロフィル分解防止剤をまったく使用し
なかった場合(比較例1)について、漬け込んだキュウ
リ浅漬けを10℃で保存したときの経時的色調変化を観
察した。その結果を表3に示す。
水溶液で生のインゲン豆をブランチング処理した(実施
例5)。
解防止剤の1重量%水溶液に上記と同じインゲン豆を1
時間浸漬後、ブランチング処理した(実施例6)。
水でブランチング処理した(比較例2)。
冷凍し、そのまま約−20℃で保存して色調の経時的変
化を観察した。その結果を表4に示す。
ィルの安定化が可能になり、着色料としてクロロフィル
を利用できる範囲が拡大するほか、クロロフィル含有食
品の品質の安定化も可能になる。
Claims (7)
- 【請求項1】 フェルラ酸またはそのアルカリ金属塩を
有効成分として含有することを特徴とするクロロフィル
の分解防止剤。 - 【請求項2】 緩衝作用を有する有機酸塩または無機酸
塩を配合して水溶液としたときのpHが4.5〜8であ
る請求項1に記載のクロロフィルの分解防止剤。 - 【請求項3】 更に、アラビアガム、デキストリン、ブ
ドウ糖、乳糖、界面活性剤、エタノール、プロピレング
リコールおよびグリセリンから選ばれる1種又は2種以
上を配合した請求項1又は2に記載のクロロフィルの分
解防止剤。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のクロ
ロフィルの分解防止剤を含有することを特徴とするクロ
ロフィル含有食品。 - 【請求項5】 クロロフィル含有食品をフェラル酸また
はそのアルカリ金属塩で処理することを特徴とするクロ
ロフィル含有食品の退色防止方法。 - 【請求項6】 フェルラ酸としてクロロフィルの1/1
0量〜10倍量を使用する請求項5に記載のクロロフィ
ル含有食品の退色防止方法。 - 【請求項7】 クロロフィル含有食品を、フェルラ酸濃
度が0.05〜1.0重量%であるクロロフィルの分解
防止剤含有水溶液で処理する請求項5又は6に記載のク
ロロフィル含有食品の退色防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22994598A JP3386722B2 (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22994598A JP3386722B2 (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000041622A JP2000041622A (ja) | 2000-02-15 |
JP3386722B2 true JP3386722B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=16900190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22994598A Expired - Lifetime JP3386722B2 (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3386722B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5757747B2 (ja) * | 2011-02-16 | 2015-07-29 | 株式会社明治 | クロロフィル含有野菜の処理方法 |
WO2022070919A1 (ja) * | 2020-09-29 | 2022-04-07 | 株式会社J-オイルミルズ | 還元クロロフィル含有組成物の製造方法、及びクロロフィル含有植物体の退色防止方法 |
WO2023190883A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 味の素株式会社 | クロロフィルを含有する食品の退色抑制剤、クロロフィルを含有する食品の退色の抑制方法、および退色が抑制されたクロロフィルを含有する食品の加工品の製造方法 |
-
1998
- 1998-08-03 JP JP22994598A patent/JP3386722B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000041622A (ja) | 2000-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0138250B1 (ko) | 식품변색 방지용 보존제 및 식품변색방지법 | |
US4808330A (en) | Non-toxic detergent for cleaning fruit and vegetables | |
JPS6289601A (ja) | 植物保存剤及び保存方法 | |
WO2015104440A1 (es) | Recubrimiento comestible para la conservación de trozos de fruta, su proceso de fabricación y de aplicación | |
JPH10191927A (ja) | クルクミノイドの安定化法および安定化クルクミノイド組成物 | |
JP3386722B2 (ja) | クロロフィルの分解防止剤、該クロロフィルの分解防止剤を含有するクロロフィル含有食品およびクロロフィル含有食品の退色防止法 | |
JP3404703B2 (ja) | 青果物の変色防止剤 | |
JP3604377B2 (ja) | 乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び該製造方法によって得られた乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブ | |
ES2569952T3 (es) | Procedimiento de tratamiento de las frutas y verduras a base de lecitinas | |
JPS62149605A (ja) | 防黴剤 | |
JP4049944B2 (ja) | 甲殻類の黒変防止剤および黒変防止法 | |
JP3237939B2 (ja) | 緑色野菜及び海草等の着色方法 | |
JPH06239701A (ja) | 切花の活力保持剤及び活力保持方法 | |
JPH09511136A (ja) | 色安定性液体組成物のための乾燥混合物 | |
JPS61282032A (ja) | 赤キヤベツ色素の退色防止法 | |
JP3222419B2 (ja) | バナナ果肉の黒変防止剤、黒変防止バナナ、黒変防止バナナ飲食品及びバナナ果肉の黒変防止法 | |
JP2002218940A (ja) | アスタキサンチン色素含有食品の変色防止剤及び変色防止方法 | |
JP6539892B2 (ja) | アボカド果実加工品の変色防止剤および変色防止方法ならびにアボカド果実加工品の製造方法 | |
JPS63269942A (ja) | 食品のチロシナ−ゼ抑制剤 | |
JP2002017248A (ja) | 食品の鮮度保持剤及び食品の鮮度保持処理方法 | |
SU959733A1 (ru) | Состав дл покрыти фруктов и овощей | |
JP3120820B2 (ja) | 食品の渋味・苦味抑制剤 | |
JP2022050468A (ja) | クロロフィルの分解防止剤、およびそれを含む飲食品 | |
JPH0965851A (ja) | 酸性調味料 | |
JP2002125617A (ja) | わかめ用食用塩 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140110 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |