WO2014196354A1 - 金属ナノワイヤ含有組成物 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、金属ナノワイヤ含有組成物の保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜の導電性、透明性及び濁度と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立した金属ナノワイヤ含有組成物を提供することにある。 金属ナノワイヤ、バインダー、界面活性剤及び溶媒を含有し、 バインダーが下記のバインダー(A)及びバインダー(B)を含有することを特徴とする金属ナノワイヤ含有組成物、 バインダー(A):多糖類 バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種。

Description

金属ナノワイヤ含有組成物
 本発明は、金属ナノワイヤと、バインダーと、界面活性剤と、溶媒を含有し、前記バインダーがバインダー(A):多糖類、並びに、バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種、を含有することを特徴とする金属ナノワイヤ含有組成物に関するものである。
 近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイや電子ペーパーなどの表示デバイス、タッチパネルなどの入力センサー、薄膜型アモルファスS i 太陽電池や色素増感太陽電池などの太陽光を利用した太陽電池などの利用が増えており、これらのデバイスに必須の部材である透明導電膜の需要も増えている。
 金属ナノワイヤの直径はナノオーダーと小さいため、可視光領域での光透過性が高く、ITO(酸化インジウムスズ)に代わる透明導電膜としての応用が期待されている。中でも高い導電性と安定性を有する金属ナノワイヤを用いた透明導電膜が提案されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。
 金属ナノワイヤを用いた透明導電膜は、金属ナノワイヤ含有組成物を塗布して成膜する方法が一般的である。一方、金属ナノワイヤ含有組成物は、少なくとも金属ナノワイヤと分散媒、もしくはバインダーから構成されるが、分散媒、もしくはバインダーに比べ、金属ナノワイヤの比重が高いため、金属ナノワイヤ含有組成物中で金属ナノワイヤが非常に沈降し易く、長時間安定な金属ナノワイヤ含有組成物を得ることは困難である。また、沈降堆積した金属ナノワイヤは経時により相互に融着することで再分散性が低下しやすい。さらに、再分散を図る場合には、強い撹拌力を与えると金属ナノワイヤが損傷を受け、平均長軸長が低下することで金属ナノワイヤとしての特性が低下する可能性がある。高品質な透明導電膜を製造するためには、保存安定性が良好な金属ナノワイヤ含有組成物が求められる。
 透明導電膜は、前記した液晶ディスプレイやタッチパネルなどの入力センサー等の用途に利用されるため、金属ナノワイヤ含有組成物として高い塗工適性が、金属ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜として高い導電性と透明性、低い濁度が求められる。また、上記の電子機器に組み込む工程において性能を損なわないために、耐水性、耐摩擦性、耐アルコール性、ならびに基板密着性が求められる。よって、透明導電膜に用いる金属ナノワイヤ含有組成物は、金属ナノワイヤ含有組成物としての保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜としての導電性、透明性及び濁度と、塗膜としての耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立する必要がある。
 特許文献2には、バインダーとしてポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が記載されているが、これらの樹脂は金属ナノワイヤとの親和性が低く、金属ナノワイヤ組成物中で金属ナノワイヤ同士が相互に融着し易いため、金属ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗工適性、金属ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の導電性、透明性が乏しく、濁度が高いと考えられる。一方、特許文献3に記載の金属ナノワイヤ含有組成物は、バインダーとして多糖類を用いている。多糖類は、その構造上、水、アルコールに溶解し易いため、金属ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性が乏しいと考えられる。
特開平9-324324号公報 特開2005-317395号公報 米国特許出願公開2007/0074316号明細書
 本発明は、金属ナノワイヤ含有組成物の保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜の導電性、透明性及び濁度と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立した金属ナノワイヤ含有組成物を提供することにある。
 本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、金属ナノワイヤ含有組成物中にバインダーとして、バインダー(A):多糖類、並びに、バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂の少なくとも何れかひとつ、を含有する場合、金属ナノワイヤ含有組成物の保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜の導電性、透明性及び濁度と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立することを見出し、本発明を完成させるに至った。
 すなわち、本発明は、
(1)金属ナノワイヤ、バインダー、界面活性剤、及び溶媒を含有し、前記バインダーが下記のバインダー(A)及びバインダー(B)を含有することを特徴とする金属ナノワイヤ含有組成物、
バインダー(A):多糖類
バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種、
(2)バインダー(B)が、水性ポリエステル樹脂であることを特徴とする、(1)に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(3)バインダー(A)が、ヒドロキシプロピルグアーガム及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びその誘導体、並びに、メチルセルロース及びその誘導体、から選ばれる、何れか1種であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(4)バインダー(A)が、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類の誘導体であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(5)金属ナノワイヤを、金属ナノワイヤ含有組成物全質量100部に対して多くても質量比で10部を含有し、バインダーを、金属ナノワイヤ100部に対して質量比で10~400部を含有し、界面活性剤を金属ナノワイヤ100部に対して質量比で0.05~10部を含有することを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(6)バインダー(A)と、バインダー(B)と、の質量比が、バインダー(A)/バインダー(B)=25/75~75/25であることを特徴とする、(1)~(5)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(7)バインダー(B)が、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した、水性ポリエステル樹脂であることを特徴とする、(1)~(6)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(8)更に、シランカップリング剤を含有することを特徴とする、(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(9)更に、ポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物、
(10)更に、光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤、並びに、重合性モノマー及び/又はマクロモノマーを含有することを特徴とする、(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
(11)透明導電膜用であることを特徴とする(1)~(10)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
(12)更に、アルカリ型増粘剤またはウレタン型増粘剤を含有することを特徴とする、(1)~(7)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
(13)金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである(1)~(12)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
(14)銀ナノワイヤが、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において25~180℃で反応させる工程を含む製造方法で製造されたものである、(13)に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
(15)(1)~(14)のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物によって形成された金属ナノワイヤ含有塗膜。
(16)基板と、該基板上に形成された(15)の金属ナノワイヤ含有塗膜と、を含む透明導電体。 
 なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリルおよびメタクリル」を表すものであり、以下も同様に略することがある。
 本発明によれば、金属ナノワイヤ含有組成物の保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜の導電性、透明性及び濁度と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立した金属ナノワイヤ含有組成物を提供することができる。
 以下、本発明について詳細に説明する。
[金属ナノワイヤ含有組成物]
 本発明における金属ナノワイヤ含有組成物とは、金属ナノワイヤと、バインダーと、界面活性剤と、溶媒を含有し、前記バインダーがバインダー(A):多糖類、並びに、バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種、を含有し、さらに必要に応じて適宜その他の成分を含有してなる組成物である。本発明の金属ナノワイヤにおける金属としては、金、銀、銅、ニッケル、プラチナ、パラジウム、コバルト、すず、鉛等が挙げられる。また、これらの金属の合金、金属化合物、あるいはめっき処理した金属も本発明の金属ナノワイヤに利用することができる。金属化合物としては、金属酸化物が挙げられ、めっき処理された金属としては例えば金めっきされた銀などが挙げられる。これらの金属のうちでも銀がより好ましい。以下、本発明の金属ナノワイヤの代表として、銀ナノワイヤを用いる場合について説明する。他の金属ナノワイヤを用いる場合には以下の説明において「銀ナノワイヤ」を「金属ナノワイヤ」と読み替えて使用すればよい。
[銀ナノワイヤ]
 本発明における「銀ナノワイヤ」とは、断面直径が1μm未満であり、アスペクト比(長軸長/直径)が10以上である、断面直径がナノレベルのワイヤ状の銀構造体である。
 本発明における「銀ナノワイヤ分散液」とは、銀ナノワイヤと溶媒と、からなる分散液である。
 銀ナノワイヤの直径は、5nm以上250nm未満であることが好ましく、10nm以上150nm未満であることがより好ましい。本発明の組成物を透明導電膜として用いる場合、銀ナノワイヤによる散乱の影響を軽減し、塗膜の透明性を高め、濁度を低くするために、銀ナノワイヤの直径は250nm未満であると有利であり好ましい。また、銀ナノワイヤの導電性を高め、塗膜の耐久性が向上させるため、5nm以上であると有利で好ましい。
 銀ナノワイヤの長軸長は、0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、2.5μm以上100μm以下であることがより好ましい。本発明の組成物を透明導電膜として用いる場合、銀ナノワイヤが互いに接触し合い、3次元的な導電ネットワーク構造が空間的に広く分布して形成されることにより、導電性を発現するため、銀ナノワイヤの長軸長は0.5μm以上であると有利であり好ましい。また、銀ナノワイヤ同士の絡まり合いを防ぎ、銀ナノワイヤ組成物の保存安定性を向上させるため、500μm以下であると有利であり好ましい。
 上記の銀ナノワイヤは、特に限定されず公知の製造方法で得られたものを用いることができる。本発明においては、銀ナノワイヤの銀ナノワイヤ含有組成物中での分散性、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の導電性、透明性、濁度の観点から、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において25~180℃で反応させる工程を含む製造方法が特に好ましい。
 銀ナノワイヤ含有組成物中の銀ナノワイヤの含有量は、銀ナノワイヤ組成物全質量に対して、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。銀ナノワイヤ同士の絡まり合いを防ぎ、銀ナノワイヤ組成物の保存安定性を向上させるため、銀ナノワイヤの含有量は30質量%以下であると有利であり好ましい。また、銀ナノワイヤの含有量が少ない場合、多重塗布を行うことで銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜に導電性を付与できるが、生産性の観点から、0.01質量%以上であると有利であり好ましい。
[バインダー]
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、バインダーとして、バインダー(A)多糖類、並びに、バインダー(B)水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種、を含有する。また、本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、その特性を損なわない範囲で、上記バインダー(A)、バインダー(B)以外の任意のバインダーを含んでも良い。
 本発明においては、バインダーとして前記バインダー(A)及びバインダー(B)を併用することで、銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗工適性、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性を最大限に向上させることができる。
[多糖類]
 本発明において、(A)多糖類とは、多糖及びその誘導体を言う。多糖の具体例としては、デンプン、プルラン、グアーガム、セルロース、キトサン及びローカストビーンガム、並びに、それらの酵素分解物等を挙げることができる。また、多糖の誘導体の具体例としては、多糖に、メチル、エチル、プロピル等のアルキル基、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル基、カルボキシメチル、カルボキシエチル等のカルボキシアルキル基、およびその金属塩、の少なくともひとつを導入した部分エーテル化多糖の誘導体;多糖や部分エーテル化多糖の誘導体に、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖の誘導体や部分エーテル化多糖の誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシプロピルグアーガム及びその誘導体であるヒドロキシプロピルグアーガム類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びその誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロース類並びにメチルセルロース及びその誘導体であるメチルセルロース類、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、これらに(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したものが好ましく、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、これらに(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したものがより好ましく、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガムがさらに好ましい。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記の(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類は従来公知の方法によって製造される。本発明において、グラフト重合法の具体例として、重合性不飽和基を導入した多糖類または部分エーテル化多糖類の存在下で、(メタ)アクリル酸エステルを重合反応させる方法が挙げられる。多糖類に重合性不飽和基を導入する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。本発明においては、塗膜の透明性、濁度の観点から、重合性不飽和基を有する有機カルボン酸無水物を多糖類に付加する方法、フタル酸無水物等の有機カルボン酸無水物を多糖類に付加し、カルボキシル基を導入した後、重合性不飽和基を有するグリシジル基含有化合物を付加する方法、重合性不飽和基を有するアルコキシシラン基含有化合物を多糖類に付加する方法、重合性不飽和基を有するイソシアネート基含有化合物を多糖類に付加する方法、重合性不飽和基を有するメチロール基含有化合物を多糖類類に付加する方法が好ましい。重合性不飽和基を有する有機カルボン酸無水物として、(メタ)アクリル酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等が挙げられる。重合性不飽和基を有するグリシジル基含有化合物として、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合性不飽和基を有するアルコキシシラン基含有化合物として、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル等が挙げられる。重合性不飽和基を有するイソシアネート基含有化合物として、2-イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合性不飽和基を有するメチロール基含有化合物として、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
 (メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類における用いられる(メタ)アクリル酸エステルは(メタ)アクリル酸のエステルであればよく、具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。本発明においては、銀ナノワイヤ組成物の塗工適性、塗膜の透明性、濁度の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 (メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類において用いられる(メタ)アクリル酸エステル以外に、本発明の効果を損なわない範囲で他の重合性モノマーを用いる多糖の誘導体とすることができる。他の重合性モノマーの具体例として、(メタ)アリルアルコール、グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリル化合物;スチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 本発明において好ましい態様として用いられる、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類は、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合することにより同一分子内に疎水部位と親水部位を有することで、銀ナノワイヤとの親和性が高まり、バインダー(B)との親和性が高まる。よって、銀ナノワイヤ含有組成物中での銀ナノワイヤの分散性を向上させると考えられ、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の導電性、透明性、濁度、耐摩擦性、塗膜と基板との密着性が向上する。
 多糖類は、銀ナノワイヤとの親和性が高いこと、組成物の粘度を増加させることにより、銀ナノワイヤの銀ナノワイヤ含有組成物中での分散性を向上させることで、銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗工適性、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の透明性、濁度、導電性に寄与すると考えられる。
 本発明におけるバインダーのもう一つの成分であるバインダー(B)は、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
[水性ポリエステル樹脂]
 水性ポリエステル樹脂は水性のポリエステル樹脂であればよく、具体例としては、多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体と、ポリオールおよびそのエステル形成性誘導体と、の重縮合物が挙げられる。また、水性ポリエステル樹脂には、水性ポリエステル樹脂からの誘導体も含まれる。水性ポリエステル樹脂の誘導体の具体例としては、水性ポリエステルに(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した、(メタ)アクリル変性水性ポリエステル樹脂が挙げられる。水性ポリエステル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した水性ポリエステル樹脂が水性ポリエステル樹脂に比べ、耐水性、耐アルコール性が向上し、(メタ)アクリル酸エステルでグラフト重合された多糖類と併用した場合、銀ナノワイヤ含有組成物の塗工適性、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の耐水性、耐アルコール性が向上するため好ましい。水性ポリエステル樹脂の好ましい態様としての(メタ)アクリルエステルグラフト重合した水性ポリエステル樹脂は、上記に記載した多糖類に(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合するような従来公知の方法によって(メタ)アクリル酸エステルを水性ポリエステル樹脂にグラフト重合することにより得ることができる。
 上記の多価カルボン酸は2個以上のカルボン酸基を有する化合物であればよく、具体的には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;直鎖、分岐及び脂環式のシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタール酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリカルボン酸;スルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸、4-スルホイソフタル酸、2-スルホイソフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸等の金属スルホネート基含有ジカルボン酸とそのアルカリ金属塩等が挙げられる。多価カルボン酸のエステル形成性誘導体として、多価カルボン酸の無水物、エステル、酸クロライド、ハロゲン化物等の誘導体が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記のポリオールは2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、エチレングリコールおよびジエチレングリコール、トリメチロールプロパンおよびグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール等のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等が挙げられる。ポリオールのエステル形成性誘導体として、ポリオールのヒドロキシル基がアセテート化された誘導体等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
[水性ポリウレタン樹脂]
 水性ポリウレタン樹脂は、水系溶媒あるいは水系分散媒に、溶解あるいは分散しうるポリウレタン樹脂であれば、特に限定はなく用いることができる。水性ポリウレタン樹脂の具体例として、ジイソシアネートと、ポリオールと、を重付加反応させ、さらに、中和および鎖伸長し、水性化したもの等を挙げることができる。上記のジイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類、2,4-トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類等が挙げられる。上記のポリオールの具体例としては、エチレングリコールおよびジエチレングリコール等のポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の低分子量グリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類、エチレングリコールとアジピン酸などの縮合物であるポリエステル類、2,2-ジメチロールプロピオン酸等のポリヒドロキシカルボン酸類、ポリカプロラクトン等が挙げられる。上記の中和剤の具体例として、塩酸等の無機酸、酢酸、乳酸等の有機酸、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。鎖伸長剤の具体例として、エチレングリコール、プロピレングリコール等のポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミン、メチルジエタノールアミン等のジアミン類、水等がある。
[水性アクリル樹脂]
 水性アクリル樹脂としては、水系溶媒あるいは水系分散媒に、溶解あるいは分散しうるアクリル樹脂であれば、特に限定はなく用いることができる。水性アクリル樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル類とアニオン性の重合性モノマーとの共重合体である、アニオン性の水性アクリル樹脂や、(メタ)アクリル酸エステル類とカチオン性の重合性モノマーとの共重合体である、カチオン性の水性アクリル樹脂が挙げられる。アニオン性の水性アクリル樹脂は、アニオン性基の一部、又は全てをカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物等で中和されていても良い。カチオン性の水性アクリル樹脂は、カチオン性基の一部、又は全てを、塩酸、燐酸等の無機酸、酢酸、乳酸、ホスホン酸類等の有機酸等で中和されていてもよい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。アニオン性の水性アクリル樹脂に用いることのできるアニオン性の重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類;ビニルホスホン酸、α-フェニルビニルホスホン酸等の不飽和ホスホン酸類が挙げられる。また、カチオン型水性アクリル樹脂に用いることのできるカチオン性の重合性モノマーとしては、N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N-ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート類;N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキルアミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド類;アリルアミン、ジアリルアミンおよびこれらの塩や第4級化物等が挙げられる。
 また、本発明の水性アクリル樹脂は、必要に応じて上記した(メタ)アクリル酸エステル類やアニオン性またはカチオン性の重合性モノマー以外に、他の重合性モノマーも用いることができる。他の重合性モノマーの具体例として、(メタ)アリルアルコール、グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリル化合物;スチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
[水性エポキシ樹脂]
 水性エポキシ樹脂としては、水系溶媒あるいは水系分散媒に、溶解あるいは分散しうるエポキシ樹脂であれば、特に限定はなく用いることができ、公知の方法で得られる、あるいは市販品の水性エポキシ樹脂であれば特に限りはなく用いることができる。水性エポキシ樹脂の具体例としては、a)ビスフェノール型エポキシオリゴマー、b)ビスフェノール型エポキシオリゴマーと、脂肪酸およびその誘導体、脂肪酸アミド、不飽和基含有アミン類、のいずれかと反応させた変性エポキシ樹脂、c)ビスフェノール型エポキシオリゴマーとポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルとの混合物にビスフェノールAを反応させた変性エポキシ樹脂、のいずれかを原料として、前記a)~c)原料樹脂中のエポキシ基にアミン化合物を反応させ、導入したアミン基の一部を酸で中和して水溶化または水分散性化した水性エポキシ樹脂が挙げられる。また、前記a)~c)原料樹脂存在下で、アニオン性モノマーを重合し、アニオン性基の一部、又は全てをカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物等で中和して水溶化または水分散性化した水性エポキシ樹脂が挙げられる。さらには、前記a)~c)原料樹脂存在下で、カチオン型重合性モノマーを重合し、カチオン性基の一部、又は全てを、塩酸、燐酸等の無機酸、酢酸、乳酸等の有機酸等で中和して水溶化または水分散性化した水性エポキシ樹脂が挙げられる。
 水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、水性エポキシ樹脂は、基板との親和性が高く、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性が高くなると考えられる。
 バインダー(B)は多糖類との相溶性が高く、バインダー(A)及びバインダー(B)を併用することで、バインダーは銀ナノワイヤと基板の両方と良好な親和性を実現でき、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布する際、基板上でも銀ナノワイヤが良好な分散性を維持したまま溶媒が蒸発し、銀ナノワイヤが均一に分散した塗膜を形成することができると考えられる。そのため、バインダー(A)、バインダー(B)を併用することで、バインダー(A)を単独で使用した場合よりも、さらに銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜の透明性、導電性が向上し、濁度が低下する。また、バインダー(B)を単独で使用した場合よりも、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性が向上する。これら前記したバインダー(B)の中でも、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性と、塗膜の耐水性、耐アルコール性の観点から、水性ポリエステル樹脂が好ましい。
 本発明においては、銀ナノワイヤ含有組成物中のバインダーの含有量は、銀ナノワイヤに対して、1質量%以上800質量%以下であることが好ましく、10質量%以上400質量%以下であることがより好ましく、100質量%以上200質量%以下であることがさらに好ましい。銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗工適性、銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜の導電性、透明性、濁度、耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、塗膜と基板との密着性の観点から、バインダーの含有量は、銀ナノワイヤに対して、1質量%以上であると有利で好ましい。さらに、銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜の導電性、耐摩擦性、基板との密着性の観点から、10質量%以上であるとより有利で好ましい。また、塗膜の導電性の観点から、800質量%以下であると有利で好ましい。
 本発明においては、銀ナノワイヤ含有組成物中のバインダー(A)と、バインダー(B)と、の質量比は、バインダー(A)/バインダー(B)=10/90~99/1であることが好ましく、バインダー(A)/バインダー(B)=25/75~75/25であることがより好ましく、バインダー(A)/バインダー(B)=35/65~65/35であることがさらに好ましい。銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性及び塗工適性と、塗工した塗膜の導電性、透明性及び濁度と、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性及び基板密着性が、高水準でバランスよく両立できることから、銀ナノワイヤ含有組成物中のバインダー(A)と、バインダー(B)と、の質量比は、バインダー(A)/バインダー(B)=10/90~99/1であることが有利で好ましく、バインダー(A)/バインダー(B)=25/75~75/25であるとより有利で好ましく、バインダー(A)/バインダー(B)=35/65~65/35であるとさらに有利で好ましい。
 バインダー(A)の合計含有量は、全バインダーに対して、10質量%以上99質量%以下であることが好ましく、25質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、35質量%以上65質量%以下であることがさらに好ましい。銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、塗膜と基板との密着性の観点から、バインダー(A)の合計含有量は、全バインダーに対して、99質量%以下であると有利で好ましい。さらに、塗膜の耐摩擦性、基板との密着性の観点から、75質量%以下であるとより有利で好ましい。また、銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗工適性、塗膜の導電性、透明性、濁度の観点から、10質量%以上であると有利で好ましい。さらに、塗膜の導電性の観点から、25質量%以上であるとより有利で好ましい。
 バインダー(B)の合計含有量は、全バインダーに対して、1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、25質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、35質量%以上65質量%以下であることがさらに好ましい。銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、塗膜と基板との密着性の観点から、バインダー(B)の合計含有量は、全バインダーに対して、1質量%以上であると有利で好ましい。さらに、塗膜の耐摩擦性、基板との密着性の観点から、25質量%以上であるとより有利で好ましい。また、銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗工適性、塗膜の導電性、透明性、濁度の観点から、90質量%以下であると有利で好ましい。さらに、塗膜の導電性の観点から、75質量%以下であるとより有利で好ましい。
[界面活性剤]
 本発明の界面活性剤は、界面活性機能を有する化合物であればよく、銀ナノワイヤの銀ナノワイヤ含有組成物中での分散性を向上させ、銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性や、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布して得られる塗膜の導電性、透明性、濁度に寄与すると考えられる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗膜の導電性、耐久性の観点から、界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
 上記のノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルイミダゾリン類等が挙げられる。銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗膜の導電性、耐久性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類、アルキルイミダゾリン類が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル類、アルキルイミダゾリン類がより好ましい。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記のアニオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩類等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記のカチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミン塩類、テトラアルキルアンモニウム塩類、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記の両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン類、アルキルアミンオキサイド類等が挙げられる。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
 本発明においては、上記の界面活性剤の含有量は、銀ナノワイヤに対して、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。本発明の組成物を透明導電膜として用いる場合、銀ナノワイヤ同士の絡まり合いを防ぎ、銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、銀ナノワイヤ組成物を塗布した塗膜の透明性、濁度、導電性を向上させるため、界面活性剤の含有量は0.01質量%以上であると有利であり好ましい。また、耐水性、耐アルコール性、塗膜と基板との密着性を向上させるため、20質量%以下であると有利であり好ましい。
[溶媒]
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、溶媒を含有する。溶媒は銀ナノワイヤの分散媒であるとともに、銀ナノワイヤ含有組成物中の他の成分を溶解させ、成膜時に蒸発することで均一な塗膜を形成する。本発明において、溶媒として、水、アルコール類が挙げられる。アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチルプロパノール、1,1-ジメチルエタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1-メトキシ-2-プロパノールジエチレングリコール、グリセリン、テルピネオール、エチルジエチレングリコール等が挙げられる。銀ナノワイヤ組成物の保存安定性、塗膜の導電性の観点から、本発明においては、溶媒として、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールが好ましい。これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
[シランカップリング剤]
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物には、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性を向上させる目的で、更にシランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、1分子中にアルコキシシラン基と反応性官能基を有する化合物であれば特に限定されない。反応性官能基の具体例としては、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシランおよびn-オクチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン、およびポリエーテル変性アルコキシシラン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
[ポリイソシアネート化合物]
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物には、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性を向上させる目的で、更にポリイソシアネート化合物を含有することができる。ポリイソシアネート化合物としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシネート、および、これらジイソシアネート単量体のアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体等の多量体が挙げられる。また、必要に応じてこれらポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ε-カプロラクタム、フェノール、クレゾール、オキシム、アルコール等の化合物でブロックしたブロックイソシアネートを使用することもできる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
[光重合開始剤、熱重合開始剤、重合性モノマー及びマクロモノマー]
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物には、銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した塗膜と基板との密着性、塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性を向上させる目的で、更に光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤、並びに、重合性モノマー及び/又はマクロモノマー、を含有できる。
[光重合開始剤]
 光重合開始剤としては、光による重合開始剤であれば特に限定されない。光重合開始剤の具体例としては、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルホリニル)-1-プロパノン、キサントン、アントラキノン、2-メチルアントラキノン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
[熱重合開始剤]
 熱重合開始剤としては、熱による重合開始剤であれば特に限定されない。熱重合開始剤の具体例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物類;過硫酸塩類や過酸化物類と亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、ブドウ糖、アスコルビン酸等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物類、が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
[重合性モノマー及びマクロモノマー]
 重合性モノマー及びマクロモノマーとしては、可視光、または紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接または開始剤の作用を受けて重合反応を生じるモノマー及びマクロモノマーであれば、特に限定されない。1分子中に1個の官能基を有する重合性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ-トリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アリルアルコール、グリセロールモノ(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリル化合物;スチレン、メチルスチレン、ブチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;(メタ)アクリルアミド、N-シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。また、1分子中に2個以上の官能基を有する重合性モノマーの具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。マクロモノマーの具体例としては、1分子あたり平均1個以上重合性不飽和基を有する重合性ウレタンアクリレート樹脂、重合性ポリウレタン樹脂、重合性アクリル樹脂、重合性エポキシ樹脂、重合性ポリエステル樹脂、を用いることができる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、その特性を損なわない範囲で、腐食防止剤、pH調整剤、導電補助剤、増粘剤等の任意成分を含んでも良い。
 上記の腐食防止剤は、金属製品の錆を防ぐことができる化合物であればよく、具体例としては、イミダゾール、1-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ベンゾイミダゾール、1-メチルベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類;ベンゾトリアゾール、1-メチルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類;1H-テトラゾール等のテトラゾール類;チアゾール、2-メチルチアゾール等のチアゾール類;ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール類;2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール等のチアジアゾール類が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記のpH調整剤は、銀ナノワイヤ含有組成物のpHを調整するために用いられる化合物であり、具体例としては、塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 上記の導電補助剤は、銀ナノワイヤ含有組成物にさらなる導電性を向上されることができる化合物であればよく、具体例としては、置換あるいは無置換のポリアニリン、置換あるいは無置換のポリピロール、置換あるいは無置換のポリチオフェン、これら導電性高分子の前駆体モノマーを2種類以上共重合した共重合体等の導電性高分子、金属、合金及び導電性金属酸化物からなる微粒子、カーボンナノチューブ、グラフェン等、炭素構造体などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 増粘剤は、銀ナノワイヤ含有組成物の粘度を増加させることができる化合物であればよく、具体的には、アルカリ型増粘剤とウレタン型増粘剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、上述した成分を、公知の方法で攪拌、混合、加熱、冷却、溶解、分散等を適宜選択して行うことによって製造できる。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物を用いて、透明導電膜を有する基板を製造することができる。基板に本発明の銀ナノワイヤ含有組成物を塗布した後、溶媒を除去して、基板上に透明性、濁度、導電性が良好で、さらに、塗膜の耐水性、耐摩擦性、耐アルコール性、ならびに基板密着性が高い塗膜を形成できる。基板は用途に応じて適宜選択し、堅くてもよく、曲がり易くてもよい。また、着色されていてもよい。基板の材料の具体例として、ガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルが挙げられる。基板には、有機機能性材料および無機機能性材料が、さらに形成されても良い。また、基板は多数積層されても良い。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物の基板への塗布方法としては、公知な塗布方法を用いることができる。本発明の銀ナノワイヤ含有組成物の基板への塗布方法の具体例としては、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、平板印刷法、ディスペンス法およびインクジェット法等が挙げられる。また、これらの塗布方法を用いて複数回塗り重ねてもよい。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、塗布方法に応じて任意の濃度に希釈して塗布することができる。希釈剤として、水、アルコール類が挙げられる。本発明においては、希釈剤として、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールが好ましい。これらは1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
 本発明の銀ナノワイヤ含有組成物は、保存安定性及び塗工適性が高く、かつ、塗工した塗膜の透明性、濁度、導電性が良好で、さらに、塗膜の耐水性、耐摩擦性、耐アルコール性、ならびに基板密着性が高い透明導電膜を提供することができるため、例えば、液晶ディスプレイ用電極材、プラズマディスプレイ用電極材、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ用電極材、電子ペーパー用電極材、タッチパネル用電極材、薄膜型アモルファスS i 太陽電池用電極材、色素増感太陽電池用電極材、電磁波シールド材、帯電防止材等の各種デバイスの透明導電膜を形成するために幅広く適用される。
 以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準である。実施例、比較例中において、構成成分としての水は純水を用いた。実施例、比較例中において、銀ナノワイヤ含有組成物を基板に塗布した後、溶媒を除去して調製した塗膜を銀ナノワイヤ含有塗膜と記述することがある。各評価項目における、測定方法または評価方法は以下の方法に従った。
[銀ナノワイヤの直径]
 走査型電子顕微鏡(SEM;日本電子(株)製、JSM-5610LV)を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から銀ナノワイヤの直径を求めた。 
[銀ナノワイヤの長軸長]
走査型電子顕微鏡(SEM;日本電子(株)製、JSM-5610LV)を用い、100個の銀ナノワイヤを観察し、その算術平均値から銀ナノワイヤの長軸長を求めた。
[銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性]
 銀ナノワイヤ含有組成物が充填された試験管を試験管立てに立て、暗所、室温で一か月間静置した後、銀ナノワイヤ含有組成物全体の高さと発生した上澄み部の高さを計測し、下記式で算出した上澄み発生率の値を評価した。さらに、手で試験管を10往復震盪した際の銀ナノワイヤの再分散性の状態を目視で判定した。ここで上澄みとは、銀ナノワイヤが沈降することで濃度が下がり、目視で透明~半透明の希薄な銀ナノワイヤ含有組成物となった部分を指す。
上澄み部のみの高さ/銀ナノワイヤ含有組成物全体の高さ×100=上澄み発生率(%)
評価基準
◎:上澄み発生率5%未満、かつ、再分散性良好
○:上澄み発生率5%以上25%未満、かつ、再分散性良好
○△:上澄み発生率25%以上、かつ、再分散性良好
△:上澄み発生率25%以上、かつ、再分散性不良
×:ほとんどが上澄みとなり銀ナノワイヤが下部に沈殿している、かつ、再分散性不良
[銀ナノワイヤ含有組成物の塗工適性]
 銀ナノワイヤ含有組成物を純水又はエタノールで銀ナノワイヤ含有量が0.2質量%となるように希釈調製し、PET基板A4100(東洋紡社製)(以下、PET基板と略することがある)上に、バーコーター#4を用いて塗布した後、銀ナノワイヤ含有組成物の塗工適性を目視で判定した。
◎:弾きは認められない。
○:基板の端部にわずかに弾きが認められる。
△:基板の各所にはっきりと弾きが認められる。
×:弾きにより造膜不能。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の平均表面電気抵抗]
 前記塗工適性評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物のPET基板塗布物を、110℃の乾燥機内で3分間乾燥する、又は、110℃の乾燥機内で3分間乾燥した後、紫外線照射装置UV1501C-SZ(セルエンジニアリング(株)製)を用いて、PET基板上に、上方から500mJ/cmの条件でUV光を照射することで、銀ナノワイヤ含有塗膜を調製した。銀ナノワイヤを塗布したPET基板上の異なる10部位の表面電気抵抗(Ω/□)を測定し、その算術平均値から銀ナノワイヤ含有塗膜の平均表面電気抵抗を求めた。前記塗工適性評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物のPET基板塗布物は、塗布した銀ナノワイヤ含有組成物中の銀ナノワイヤ含有量が一定であることから、塗膜中の銀ナノワイヤ含有量も一定と考えられる。そのため、前記銀ナノワイヤ含有塗膜の平均表面電気抵抗の値を比較することで、同一含有量を有する銀ナノワイヤ含有塗膜の導電性を比較することができ、平均表面電気抵抗の値が低い方が、銀ナノワイヤ含有塗膜の導電性が高い。表面電気抵抗の測定方法は、四探針法を用いた。四探針測定法(JIS K 7194に準拠)には、Loresta-GP MCP-T610(三菱化学(株)製)を用いた。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の表面電気抵抗の均一性]
 前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板上の異なる10部位の表面電気抵抗(Ω/□)を測定し、その変動係数を求めた。変動係数は、銀ナノワイヤ含有塗膜の同一塗膜内で異なる10部位の表面電気抵抗(Ω/□)の標準偏差を、上記平均表面電気抵抗(Ω/□)で除したものであり、その値が小さい方が、銀ナノワイヤ含有塗膜の表面電気抵抗の均一性が高い。表面電気抵抗の測定方法は、四探針法を用いた。四探針測定法(JIS K 7194に準拠)には、Loresta-GP MCP-T610(三菱化学(株)製)を用いた。
[銀ナノワイヤ含有塗膜による基板の全光線透過率変化量]
 未塗工のPET基板と、前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板の全光線透過率を測定し、その差から銀ナノワイヤ含有塗膜によるPET基板の全光線透過率変化量を求めた。全光線透過率変化量は一般に負の値を有し、その絶対値が低い方が、銀ナノワイヤ含有塗膜の透明性が高い。測定には、NDH5000(日本電色工業(株)製)を用いた。
[銀ナノワイヤ含有塗膜による基板のヘイズ変化量]
 未塗工のPET基板と、前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板のヘイズを測定し、その差から銀ナノワイヤ含有塗膜によるPET基板のヘイズ変化量を求めた。ヘイズ変化量が低い方が、銀ナノワイヤ含有塗膜の濁度が低い。測定には、NDH5000(日本電色工業(株)製)を用いた。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の耐摩擦性]
 前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板上に、乾いた不織布を載せ、100g/cmの荷重を掛けてフィルムを横断するように10回往復させ、試験前と比較して、表面電気抵抗の変化率を求めた。
◎:変化率が0%以上5%未満。
○:変化率が5%以上50%未満。
△:変化率が50%以上500%未満。
×:変化率が500%以上。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の耐水性]
 前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板上に、純水を湿らせた不織布を載せ、100g/cmの荷重を掛けてフィルムを横断するように10回往復させ、試験前と比較して、表面電気抵抗の変化率を求めた。
◎:変化率が0%以上10%未満。
○:変化率が10%以上100%未満。
△:変化率が100%以上500%未満。
×:変化率が500%以上。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の耐アルコール性]
 前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板上に、2-プロパノールを湿らせた不織布を載せ、100g/cmの荷重を掛けてフィルムを横断するように10回往復させ、試験前と比較して、表面電気抵抗の変化率を求めた。
◎:変化率が0%以上20%未満。
○:変化率が20%以上200%未満。
△:変化率が200%以上1000%未満。
×:変化率が1000%以上。
[銀ナノワイヤ含有塗膜の基板密着性]
 前記平均表面電気抵抗評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物を塗布したPET基板に、JIS  K5400に記載されている碁盤目試験に準じて25マス(5X5)の碁盤目を作成し、セロハンテープを用いた剥離試験を行い、銀ナノワイヤ含有塗膜の基板密着性を評価した。
◎:剥離が全く無い。
○:1個以上10個未満の剥離が見られる。
△:10個以上50個未満の剥離が見られる。
×:50個以上の剥離が見られる。
[銀ナノワイヤ分散液(1)の調製]
 遮光下において、攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコ(以下、「攪拌装置、温度計、窒素導入管を備えた四口フラスコ)を「四つ口フラスコ」と略する)に窒素を送入しながら、銀ナノワイヤ成長制御剤として重量平均分子量50万のN-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド重合体1.04質量部と、エチレングリコール97.9質量部とを加え、120℃で攪拌し溶解させた。
ここに、エチレングリコール10.0質量部と塩化アンモニウム0.0064質量部とを加え、140℃に昇温し、15分間攪拌した。さらにエチレングリコール40.0質量部と硝酸銀1.02質量部とを加え、140℃で45分間攪拌し、銀ナノワイヤを作成した。得られた銀ナノワイヤ分散液に大過剰の純水を加え、銀ナノワイヤ成分を濾別し、残渣を水に再分散させた。この操作を複数回繰り返すことで銀ナノワイヤ成分を精製し、銀ナノワイヤ含有量17.5質量%の銀ナノワイヤ分散液(1)を調製した。得られた銀ナノワイヤは平均長軸長24μm、平均直径71nmであった。
[銀ナノワイヤ分散液(2)の調製]
 銀ナノワイヤ分散液(1)の調製と同様に、銀ナノワイヤ成長制御剤として重量平均分子量4万のビニルピロリドン重合体(関東化学(株)品、製品名 ポリビニルピロリドン K=30)1.11質量部と、エチレングリコール147.7質量部を加え、25℃で攪拌し溶解させた。ここに、塩化ナトリウム0.0186質量部と硝酸銀1.13質量部を加え、25℃で15分間攪拌した後、5分間で150℃まで昇温し、さらに30分間攪拌し、銀ナノワイヤを作成した。得られた銀ナノワイヤ分散液に大過剰の純水を加え、銀ナノワイヤ成分を濾別し、残渣を水に再分散させた。この操作を複数回繰り返すことで銀ナノワイヤ成分を精製し、銀ナノワイヤ含有量5.0質量%の銀ナノワイヤ分散液(2)を調製した。得られた銀ナノワイヤは平均長軸長14μm、平均直径155nmであった。
[バインダー(A)の調製]
 四つ口フラスコにヒドロキシプロピルグアーガム(三晶(株)品、製品名 HP-8)20質量部、純水980質量部を仕込んだ後、室温で6時間攪拌し、ヒドロキシプロピルグアーガム分散液である2.0質量%であるバインダー(A-1)を調製した。
 バインダー(A-1)の調整例の多糖類、溶媒を以下の表1のようにした以外は同様にして2.0質量%であるバインダー(A-2)~(A-10)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 四つ口フラスコにヒドロキシプロピルグアーガム(三晶(株)品、製品名 HP-8)20質量部、純水950質量部を仕込んだ後、5質量%燐酸0.3質量部を添加し、50℃まで昇温した。続けて、N-メチロールアクリルアミド0.1質量部を添加し、6時間攪拌した。さらに、70℃まで昇温し、窒素ガスを通しながら、メチルメタクリレート15質量部、n-ブチルアクリレート5質量部、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液8質量部を添加し、3時間攪拌し、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したヒドロキシプロピルグアーガム分散液である4.0質量%のバインダー(A-11)を合成した。
 ヒドロキシプロピルグアーガムをメチルセルロース(信越化学工業(株)品、製品名 メトローズSM8000)に変更した以外はバインダー(A-11)と同様にして(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したメチルセルロース分散液である4.0質量%のバインダー(A-12)を合成した。
 ヒドロキシプロピルグアーガムをヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業(株)品、製品名 メトローズ90SH15000)に変更した以外はバインダー(A-11)と同様にして(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合したヒドロキシプロピルメチルセルロース分散液である4.0質量%のバインダー(A-13)を合成した。
[バインダー(B)の合成]
 四つ口フラスコに、窒素ガスを通しながら、テレフタル酸ジメチル106質量部、イソフタル酸ジメチル78質量部、5-スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム18質量部、エチレングリコール124質量部、無水酢酸ナトリウム0.8質量部を仕込んだ後、攪拌しながら150℃まで昇温した。生成するメタノールを反応系外に留去しながら、さらに180℃まで昇温し、3時間攪拌した。テトラ-n-ブチルチタネート0.2質量部を添加し、攪拌しながら230℃まで昇温し、10hPaの減圧下で、生成するエチレングリコールを反応系外に留去しながら、7時間攪拌した後、180℃まで冷却した。無水トリメリット酸1質量部を添加し、3時間攪拌した後、室温まで冷却することで、水性ポリエステル樹脂(B-1)を合成した。
 四つ口フラスコに上記の水性ポリエステル樹脂(B-1)100質量部、純水900質量部を仕込んだ後、室温で6時間攪拌し、10.0質量%の水性ポリエステル樹脂分散液であるバインダー(B-2)を調製した。
 四つ口フラスコに、上記の水性ポリエステル樹脂(B-1)200質量部、純水298質量部を仕込んだ後、攪拌しながら60℃まで昇温し、水性ポリエステル樹脂を溶解させた。グリシジルメタクリレート2.5質量部を添加し、1時間攪拌した。さらに、純水279質量部を添加し、40℃まで攪拌しながら冷却し、メチルメタクリレート37.5質量部、n-ブチルアクリレート12.5質量部を添加し、70℃まで攪拌しながら昇温した。窒素ガスを通しながら、1質量%過硫酸アンモニウム4質量部を添加し、4時間攪拌した後、純水167部を添加し、10.0質量%の(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した水性ポリエステル樹脂分散液であるバインダー(B-3)を合成した。
 四つ口フラスコに、窒素ガスを通しながら、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール8.0質量部、アセトン50質量部、ジブチルジドデカン錫0.017質量部を仕込んだ後、攪拌しながら40℃まで昇温し、イソホロンジイソシアネート22.7質量部を添加した。60℃で1時間還流した後、50℃まで冷却し、N-メチルジエタノールアミン6.0質量部を添加し、さらに1時間攪拌した。6質量%酢酸40質量部を添加し、純水100質量部で希釈した後、減圧下でアセトンを留去し、22.0質量%の水性ポリウレタン樹脂分散液であるバインダー(B-4)を合成した。
 四つ口フラスコに、窒素ガスを通しながら、純水604質量部、2-プロパノール10質量部、メチルメタクリレート60質量部、n-ブチルアクリレート83質量部、2-エチルヘキシルアクリレート102質量部、80質量%メタクリル酸15質量部、50%質量部アクリルアミド67質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10質量部を仕込んだ後、攪拌しながら40℃まで昇温した。25質量%過硫酸アンモニウム16質量部、25質量%重亜硫酸ナトリウム13質量部を添加し、80℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却し、トリエチルアミンを用いてpHを6.8に調整することで、30.0質量%の水性アクリル樹脂分散液であるバインダー(B-5)を合成した。
<脂肪酸アミド溶液(1)の合成>
 四つ口フラスコに、オレイン酸とリノール酸の不飽和脂肪酸混合物(日油(株)品、製品名 NAA-300)を578質量部、トリエチレンテトラミン(東ソー(株)品、製品名 TETA)を146質量部仕込み、窒素気流下に2時間かけて175℃まで温度を上げた。さらに175℃で7時間以上保温して、内容物の酸価が5以下になるまで同温度で反応を続けた。冷却後、ブチルセロソルブで固形分80%になるように希釈して、脂肪酸アミド溶液(1)を得た。
<脂肪酸アミド溶液(2)の合成>
 四つ口フラスコに、オレイン酸とリノール酸の不飽和脂肪酸混合物(日油(株)品、製品名 NAA-300)を578質量部と、ジエチレントリアミン(東ソー(株)品、製品名 DETA)103質量部を仕込み、窒素気流下に2時間かけて175℃まで温度を上げた。さらに175℃で7時間以上保温して、内容物の酸価が5以下になるまで同温度で反応を続けた。冷却後、ブチルセロソルブで固形分80%になるように希釈して、脂肪酸アミド溶液(2)を得た。
<水性エポキシ樹脂分散液の合成>
 四つ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(DIC(株)品、製品名 エピクロン7050、エポキシ当量1980)73.9質量部、ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(DIC(株)品、製品名 エピクロン4050、エポキシ当量950)58.4質量部、ブチルセロソルブ56.7質量部を仕込み、窒素気流下100℃で溶解させた後に、ポリオキシプロピレンジグリシジルエーテル(ナガセケムテック(株)品、製品名 デナコールEX-920)4.5質量部、ブチルセロソルブ1.9質量部を加えて混合した。次に反応装置内の温度を90℃まで冷却して、ジアリルアミン1.2質量部を加えて15分間反応させ、次いで、脂肪酸アミド溶液(1)21.1質量部、脂肪酸アミド溶液(2)39.5質量部、ブチルセロソルブ9.1質量部を加え90℃で2時間反応させ、脂肪酸アミド変性エポキシ樹脂を得た。
 ついで反応装置内の温度を90℃に維持した状態で、アクリル酸12.3質量部、スチレン4.2質量部、アクリル酸ブチル4.2質量部、ブチルセロソルブ8.9質量部および有機過酸化物系開始剤(化薬アクゾ(株)品、製品名 カヤエステルO)1.7質量部からなる混合物を30分かけて滴下し2時間反応させた。85℃に冷却後、トリエチルアミン15.5質量部および純水272質量部を順に添加混合することにより、中和して水中に分散して不揮発分35.0%、pH9.5の水性エポキシ樹脂分散液であるバインダー(B-6)を合成した。
[実施例1]
 四つ口フラスコに、17.5質量%の銀ナノワイヤ分散液(1)2.857質量部、バインダー(A)として、バインダー(A-4)26.25質量部、バインダー(B)として、バインダー(B-5)0.75質量部、界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(日本乳化剤(株)品、製品名 ニューコール2308)0.01質量部、溶媒として純水70.133質量部を仕込んだ後、均一な分散液になるまで攪拌し、銀ナノワイヤ含有組成物を調製した。表5に実施例1の銀ナノワイヤ含有組成物の各成分の濃度、質量比を示す。基板への塗布は、純水で2.5倍に希釈し、銀ナノワイヤ含有量を0.2質量%としたものを用いた。また、表8に、実施例1の銀ナノワイヤ含有組成物の沈降性試験結果(「保存安定性」)、塗工適性試験結果、及び銀ナノワイヤ含有塗膜の各物性の評価結果を示す。
[実施例2~35]
 実施例1において各成分を表2~4のように変えて仕込んだ以外は、実施例1と同様にして、銀ナノワイヤ含有組成物を得た。その他の成分として、実施例29にはシランカップリング剤を、実施例30にはポリイソシアネート化合物を、実施例31にはアルカリ型増粘剤が、実施例32にはウレタン型増粘剤を、実施例34には光重合開始剤と重合性マクロモノマーを、それぞれ添加した。表5~7に実施例2~35の銀ナノワイヤ含有組成物の各成分の濃度、質量比を示す。基板への塗布は実施例33と34の銀ナノワイヤ含有組成物はエタノールで、それ以外の実施例では純水で、それぞれ銀ナノワイヤ含有量が0.2質量%となるように希釈したものを用いた。実施例34の銀ナノワイヤ含有組成物は、塗工適性評価に用いた銀ナノワイヤ含有組成物のPET基板塗布物を、110℃の乾燥機内で3分間乾燥した後、紫外線照射装置UV1501C-SZ(セルエンジニア(株)製)を用いて、PET基板上に、上方から500mJ/cmの条件でUV光を照射することで、銀ナノワイヤ含有塗膜を調製し、それ以外の実施例では、110℃の乾燥機内で3分間乾燥することで、銀ナノワイヤ含有塗膜を調製した。また、表8~10に、実施例2~35で得られた銀ナノワイヤ含有組成物の沈降性試験結果、塗工適性試験結果、及び銀ナノワイヤ含有塗膜の物性の評価結果を示す。
[比較例1~6]
 実施例1において各成分を表3のように変えて仕込んだ以外は、実施例1と同様にして、銀ナノワイヤ含有組成物を得た。表6に比較例1~6で得られた銀ナノワイヤ含有組成物の各成分の濃度、質量比を示す。基板への塗布は、純水で銀ナノワイヤ含有量が0.2質量%となるように希釈したものを用いた。また、表9に、比較例1~6で得られた銀ナノワイヤ含有組成物の沈降性試験結果(「保存安定性」)、塗工適性試験結果、及び銀ナノワイヤ含有塗膜の各物性の評価結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表2~4中の各薬剤は以下のことを意味する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:日本乳化剤(株)品、製品名 ニューコール2308ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル:日本乳化剤(株)品、製品名 ニューコール714
アルキルイミダゾリン:花王(株)品、製品名 ホモゲノールL-95
シランカップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)品、製品名 KBM-403
ポリイソシアネート化合物:旭化成ケミカルズ(株)品、製品名 デュラネートWB40-100
アルカリ型増粘剤:DIC(株)品、製品名 ボンコートHV-E
ウレタン型増粘剤:(株)ADEKA品、製品名 アデカノールUH-540
光重合開始剤:1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、BASFジャパン(株)品、製品名 イルガキュア2959
重合性マクロマー:重合性ウレタンアクリレート樹脂、新中村化学工業(株)品、製品名 UA7200
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 比較例1~3は、バインダー(A)として好ましくないポリビニルアルコール等を用いているため、実施例1に比べ、銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗工適性が乏しく、塗膜の導電性、透明性が低く、濁度が高いことがわかる。
 比較例4は、バインダー(B)を含有しないため、実施例1、2及び3に比べ塗膜の導電性、透明性が低く、濁度が高く、耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、基板との密着性が低いことがわかる。
 比較例5は、界面活性剤を含有しないため、実施例1に比べ銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗膜の導電性、透明性が低く、濁度が高いことがわかる。
 比較例6は、バインダー(A)を含有しないため、実施例1に比べ銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗工適性が乏しく、塗膜の導電性、透明性が低く、濁度が高く、耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性も低いことがわかる。
 実施例6は、バインダー(B)として水性ポリエステル樹脂を含有するため、実施例1~5に比べて塗膜の耐水性、耐アルコール性、及び基板との密着性が高いことがわかる。
 実施例7~9は、バインダー(A)としてより好ましいヒドロキシプロピルグアーガム等を用いているため、実施例6に比べて銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗膜の導電性、透明性が高く、濁度も低いことがわかる。
 実施例13~15は、バインダー(A)として各々実施例10~12で用いたバインダーを(メタ)アクリル変性したものを用いているため、対応する未変性の実施例10~12に比べて塗膜の導電性、透明性が高く、濁度が低く、耐摩擦性、基板との密着性が高いがわかる。
 実施例18は、界面活性剤を銀ナノワイヤに対して好ましい量で含有するため、好ましい範囲外である実施例13に比べて銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗膜の導電性、透明性が高く、濁度が低いことがわかる。
 実施例19は、界面活性剤を銀ナノワイヤに対して好ましい量で含有するため、好ましい範囲外である実施例14に比べて塗膜の耐水性、耐アルコール性、基板との密着性が高いことがわかる。
 実施例20は、バインダーを銀ナノワイヤに対して好ましい量で含有するため、好ましい範囲外である実施例15に比べて塗膜の導電性が高いことがわかる。
 実施例21は、バインダーを銀ナノワイヤに対して好ましい量で含有するため、好ましい範囲外である実施例16に比べて塗膜の耐摩擦性や基板との密着性が高いことがわかる。
 実施例22は、銀ナノワイヤを銀ナノワイヤ含有組成物に対して好ましい割合で含有するため、好ましい割合を超えて銀ナノワイヤを含有する実施例17に比べ、銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性が高いことがわかる。
 実施例25は、バインダー(A)、(B)の質量比が好ましい範囲にあるので、好ましい範囲外である実施例23に比べて塗膜の耐摩擦性、基板との密着性が高いことがわかる。
 実施例26は、バインダー(A)、(B)の質量比が好ましい範囲にあるので、好ましい範囲外である実施例24に比べて塗膜の導電性が高いことがわかる。
 実施例28は、バインダー(B)として実施例27で用いている水性ポリエステル樹脂を(メタ)アクリル変性したものを用いているため、未変性の実施例27に比べて銀ナノワイヤ含有組成物の塗工適性、塗膜の耐水性、耐アルコール性が高いことがわかる。
 実施例29は、シランカップリング剤を含有するため、実施例7に比べ塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、基盤との密着性が高いことがわかる。
 実施例30は、ポリイソシアネート化合物を含有するため、実施例8に比べ塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、基盤との密着性が高いことがわかる。
 実施例31は、アルカリ型増粘剤を含有するため、実施例7に比べ銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性が高いことがわかる。
 実施例32は、ウレタン型増粘剤を含有するため、実施例8に比べ銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性が高いことがわかる。
 実施例34は、光重合開始剤並びに、重合性マクロモノマーを含有するため、実施例33に比べ塗膜の耐摩擦性、耐水性、耐アルコール性、基盤との密着性が高いことがわかる。
 実施例7は、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において100~180℃で反応させる工程を含む製造方法で製造された銀ナノワイヤを含有するため、実施例35に比べ銀ナノワイヤ含有組成物の保存安定性、塗膜の導電性、透明性が高く、濁度も低いことがわかる。
 本発明の金属ナノワイヤ含有組成物は、保存安定性及び塗工適性が高く、かつ、塗工した塗膜の透明性、濁度、導電性が良好で、さらに、塗膜の耐水性、耐摩擦性、耐アルコール性、ならびに基板密着性が高いため、例えば、透明導電膜を形成し、液晶ディスプレイ用電極材、プラズマディスプレイ用電極材、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ用電極材、電子ペーパー用電極材、タッチパネル用電極材、薄膜型アモルファスS i 太陽電池用電極材、色素増感太陽電池用電極材、電磁波シールド材、帯電防止材等の各種デバイスなどに幅広く適用される。

Claims (16)

  1. 金属ナノワイヤ、バインダー、界面活性剤及び溶媒を含有し、
    バインダーが下記のバインダー(A)及びバインダー(B)を含有することを特徴とする金属ナノワイヤ含有組成物、
    バインダー(A):多糖類
    バインダー(B):水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂及び水性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種。
  2. バインダー(B)が、水性ポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  3. バインダー(A)が、ヒドロキシプロピルグアーガム及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びその誘導体、並びに、メチルセルロース及びその誘導体から選ばれる、いずれか1種であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  4. バインダー(A)が、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した多糖類であることを含有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  5. 金属ナノワイヤを、金属ナノワイヤ含有組成物全質量100部に対して多くても質量比で10部を含有し、バインダーを、金属ナノワイヤ100部に対して質量比で10~400部を含有し、界面活性剤を金属ナノワイヤ100部に対して質量比で0.05~10部を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  6. バインダー(A)と、バインダー(B)と、の質量比が、バインダー(A)/バインダー(B)=25/75~75/25であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  7. バインダー(B)が、(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合した水性ポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  8. 更に、シランカップリング剤を含有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  9. 更に、ポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  10. 更に、光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤並びに重合性モノマー及び/又はマクロモノマーを含有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  11. 透明導電膜用であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  12. 更に、アルカリ型増粘剤またはウレタン型増粘剤を含有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  13. 金属ナノワイヤが銀ナノワイヤである請求項1~12のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  14. 銀ナノワイヤが、N置換アクリルアミド含有重合体をワイヤ成長制御剤として、銀化合物をポリオール中において25~180℃で反応させる工程を含む製造方法で製造されたものである、請求項13に記載の金属ナノワイヤ含有組成物。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ含有組成物によって形成された金属ナノワイヤ含有塗膜。
  16. 基板と、該基板上に形成された請求項15の金属ナノワイヤ含有塗膜と、を含む透明導電体。
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