WO2014167878A1

WO2014167878A1 - 収穫機及び作業機

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Publication number: WO2014167878A1
Application number: PCT/JP2014/051895
Authority: WO
Inventors: 松下博昭; 吉田有作; 上北千春; 成田靖; 古木大樹; 舘野裕介; 中川文里; 岡田幹夫; 福岡義剛; 内孝広; 新家衛; 木村竜一; 永田康弘; 熊取剛
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 2013-04-08
Filing date: 2014-01-29
Publication date: 2014-10-16
Also published as: CN112449877A; CN109964653B; CN112449877B; CN109964653A; CN105208850B; CN105208850A

Abstract

　メータパネルを前方視に影響し難い状態で装備できる収穫機が開示される。走行車体に設けられた運転キャビン３０と、運転キャビン３０の内部に設けられた運転座席と、走行車体の前部に連結された収穫装置と、を備え、運転キャビン３０の内部において、運転キャビン３０の前壁部３１の上端側にメータパネル６７を設けてある。

Description

収穫機及び作業機

　本発明は、収穫機及び作業機に関する。

　［背景技術１］
　従来、たとえば特許文献１に示されるコンバインがあった。このコンバインでは、運転座席及び運転座席の前方に設けた操縦部を有した運転部が備えられ、運転部を覆うキャビン（運転キャビン）が備えられている。操縦部の上部に計器パネル（メータパネル）が設けられている。

　［背景技術２］
　また、従来、たとえば特許文献２に示される収穫機としてのコンバインがあった。このコンバインでは、運転座席の横側方に、サイドケースとしてのサイドフレームが設けられ、サイドフレームの上端部に、変速レバーを備えたサイドパネルが設けられている。

　［背景技術３］
　また、従来、例えば特許文献３に示されるように、走行機体の前方に配置された収穫装置としての前処理部、走行機体に設けられた運転キャビンとしてのキャビン、キャビンの上部に設けられた前照灯を備えたコンバインがあった。

　［背景技術４］
　また、特許文献４には、変速ケース（文献ではミッションケース）の下部から左右に突出した駆動軸によりクローラ式の走行装置を駆動する伝動機構を有したコンバインが示されている。具体的には、左右の駆動軸の外端にスプロケットを備え、このスプロケットにクローラベルトを巻回する伝動構成を有している。

　この特許文献４の収穫機では、左右の駆動軸に制動力を作用させる左右のブレーキが変速ケースの内部に備えられている。左右のブレーキを操作する際には、爪クラッチの切り操作に連動してブレーキの制動操作を行うように作動形態が設定されている。

　［背景技術５］
　また、上記のように構成された作業機として特許文献５には、変速ケース（文献ではミッションケース）から左右側方に駆動軸ケース（文献では横軸伝動部）を突出するように形成し、この駆動軸ケースの内部に駆動軸（文献では横伝動軸）を内装した田植機が示されている。この作業機では、左右の駆動軸の駆動力を左右の前車輪（走行装置の具体例）に伝える伝動系を備えると共に、変速ケースと駆動軸ケースとの内部空間にオイルを貯留している。

　また、特許文献５にも示されるように、作業機では変速ケースに貯留したオイルを変速ケースにおいて潤滑油として利用するだけではなく、静油圧式の無段変速装置、パワーステアリングユニット、昇降シリンダ等に対して作動油として供給している。この理由から、特許文献５では、変速ケースの内部空間と駆動軸ケースの内部空間とをオイルの貯留空間として利用することで、オイルの貯留量の増大を図り、オイルの温度上昇の抑制を実現している。

特開２００２－３６２４３７号公報特開２０１１－２１号公報特開２００５－５３４４９号公報特開２００２‐２９３１４９号公報特開２０００‐２７２３６４号公報

　上記［背景技術１］に対応する［課題１］は、以下の通りである。
　従来の技術を適用してメータパネルを装備した場合、運転キャビン内から前方を見通すのに、メータパネルが見えて気になり易い。

　このような実情に鑑み、メータパネルを前方の見通しに影響し難い状態で装備できる収穫機の提供が望まれていた。

　また、上記［背景技術２］に対応する［課題２］は、以下の通りである。
　従来の技術を適用して運転部を構成した場合、サイドパネルが運転座席から前方に長く突出し、サイドフレームも運転座席から前方に長く突出することにより、運転座席に対してサイドパネルが位置する側における床面横端が、運転座席の付近に位置して、運転部の横端まで至らず、運転座席の前方における床面レベルでの運転部スペースの横幅が狭くなる。

　このような実情に鑑み、変速操作具の操作を行い易くしながら、床面レベルでの運転部スペースを広くできる収穫機の提供が望まれていた。

　また、上記［背景技術３］に対応する［課題３］は、以下の通りである。
　上記した従来の前照灯に関する技術を適用した場合、前照灯による照明光の前方に向けての照射を高所から行わせることにより、収穫装置には前照灯による照明の影響が及び難く、夜間作業の際、収穫装置が見え難くい問題があった。

　このような実情に鑑み、前照灯を利用して収穫装置を照明し易い収穫機の提供が望まれていた。

　また、上記［背景技術４］に対応する［課題４］は、以下の通りである。
　収穫機として自脱型のコンバインを考えると、この種のコンバインは穀粒タンクを備えているため作業時には重量化する。このような理由から、特許文献４に記載されるように駆動軸の駆動力を走行装置に対して直接的に伝える伝動構成では、走行に必要とするトルクを得るために変速ケースでは大きい減速比となる変速装置を必要とし、変速ケースの大型化を招くものであった。

　また、駆動軸に大きいトルクが作用するものでは、駆動軸の強度を高めるため駆動軸の大径化を招くことにも繋がるものであった。

　異なる観点から考えると、作業時に重量化した機体の走行を停止するためには強力な制動力を得るブレーキを必要とする。これに対して、特許文献４に記載されるように変速ケースの内部にブレーキを備える収穫機では、強力に制動を行うために大型のブレーキを必要とし、変速ケースの大型化を招くものであった。

　このような実情に鑑み、走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備えた収穫機を合理的に構成することが望まれていた。

　また、上記［背景技術５］に対応する［課題５］は、以下の通りである。
　特許文献５に示される田植機に限らず、コンバイン、トラクタ等の作業機では、変速ケースに貯留される潤滑油をアクチュエータに対して作動油として供給する構成が多く採用されている。従って、変速ケースにおいて潤滑を充分に行いながら、オイルの温度上昇を抑制し、また、オイルに対する空気の混入を抑制するためには多量のオイルを貯留することが望ましい。

　また、走行機体の搭載スペースを小さくする観点や、軽量化する観点から考えると変速ケースは小型であることが望ましい。これと同様の理由から、変速ケースから走行装置に駆動力を伝える駆動軸を収容するための駆動軸ケースも小型であることが望ましい。従って、変速ケースや駆動軸ケースが小型化されたものでは、特許文献５に示されるように変速ケースと、駆動軸ケースとの内部空間にオイルを貯留空間にしてもオイル量が充分でないことも考えられる。

　変速ケース等に貯留されるオイルをアクチュエータ等に対して作動油として供給する場合には、オイルに空気が混入していないことが望まれる。しかしながら、変速ケースの内部のようにギヤが高速回転する空間ではオイルに気泡が発生するため、空気が混入しやすく改善の余地がある。

　このような実情に鑑み、充分な量のオイルの貯留が可能で、取り出されたオイルに空気が混入し難い作業機を合理的に構成することが望まれていた。

　上記［課題１］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　すなわち、本発明による収穫機は、
　走行車体に設けられた運転キャビンと、
　前記運転キャビンの内部に設けられた運転座席と、
　前記走行車体の前部に連結された収穫装置と、を備え、
　前記運転キャビンの内部において、前記運転キャビンの前壁部の上端側にメータパネルを設けてある。

　本構成によると、メータパネルを運転キャビンの前壁部の上端側に設けるものだから、運転キャビン内から前方を普通に見る視界から上方にメータパネルの全体あるいはほとんどが外れるようにできる。

　従って、本発明によると、メータパネルによって各種の情報を得ることができるものでありながら、メータパネルをあまり気にせずに前方を見ることができて走行や作業をし易い。

　上記構成において、前記前壁部のほぼ全体にわたるフロントガラスを設け、前記メータパネルは、前記フロントガラスの上端よりも上方に位置する構成を採用すると好適である。

　本構成によると、メータパネルがフロントガラスから上方に外れた箇所に位置するから、運転キャビン内から前方を見る視界からメータパネルの全体が外れる。

　従って、メータパネルをほとんど気にせずに前方を見ることができて走行や作業をし易い。

　上記構成において、前記メータパネルが前記運転キャビンの走行車体横方向中心に対して走行車体横外側方に偏倚する構成を採用すると好適である。

　本構成によると、前壁部の上端部における中央側の箇所に対して走行車体横外側に位置ずれした箇所にメータパネルを位置させて、前壁部の上端部における中央側の箇所を他の物の設置のために開けることができる。

　従って、運転者の前に位置しがちな前壁部の上端部における中央側にサンバイザーなどを設けることができるなど有利である。

　上記構成において、前記前壁部の上端部における中央側にサンバイザーを設けると好適である。

　本構成によると、サンバイザーを運転者の前から外れないように位置させることができる。

　従って、サンバイザーを有効に使用できる。

　上記構成において、前記メータパネルに隣接させて第１スイッチ群を設けると好適である。

　本構成によると、第１スイッチ群のスイッチを操作するのに、運転座席から前方上方に手を伸ばせば操作できるように、第１スイッチ群を運転座席の前方に位置させることができ、かつ、第１スイッチ群を前方視界に影響し難い箇所に位置させることができる。

　従って、第１スイッチ群のスイッチを操作するのに、運転座席から前方上方に手を伸ばすだけで容易に操作できるものでありながら、第１スイッチ群をあまり気にせずに前方を見ることができて走行や作業をし易い。

　上記構成において、前記第１スイッチ群を前記メータパネルの車体横方向中央側に隣接して配置すると好適である。

　本構成によると、第１スイッチ群をメータパネルの車体横外方側に配置するよりも、第１スイッチ群を運転者に近付けることができる。

　従って、第１スイッチ群のスイッチを操作するのに、手が届き易くて操作し易い。

　上記構成において、前記運転キャビンの前外上部にワイパーを設け、前記第１スイッチ群は、前記ワイパー用のワイパースイッチを含む構成を採用すると好適である。

　本構成によると、ワイパーがワイパースイッチの前方近くに位置することにより、ワイパースイッチを操作する箇所の近くでワイパーのオン及びオフを確認できる。

　従って、ワイパーを所望通りにオン及びオフできたか否かを楽にかつ迅速に確認できて有利である。

　上記構成において、前記運転キャビンの前外上部に作業灯を設け、前記第１スイッチ群は、前記作業灯用の作業灯スイッチを含む構成を採用すると好適である。

　本構成によると、作業灯が作業灯スイッチの前方近くに位置することにより、作業灯スイッチを操作する箇所の近くで作業灯の点灯及び消灯を確認できる。

　従って、作業灯を所望通りに点灯及び消灯できたか否かを楽にかつ迅速に確認できて有利である。

　上記構成において、前記運転座席の横一側方に、走行用の変速操作具を設け、前記メータパネルが、前記運転キャビンの走行車体横方向中心に対して前記横一側方に偏倚する構成を採用すると好適である。

　本構成によると、変速操作具に手を伸ばして変速操作する際、その体勢のままでメータパネルに目を向けてメータパネルを見ることができる。

　従って、変速操作具の操作、及びメータパネルによる変速の確認を楽に行えて、所望の変速を精度よく行い易い。

　上記構成において、前記運転座席が、前記運転キャビンの車体横方向中心に対して、前記メータパネルが偏倚している側とは反対側に偏倚する構成を採用すると好適である。

　本構成によると、運転座席とメータパネルとが近づき過ぎて、メータパネルを見難くなることを防止できる。

　従って、メータパネルを見易くて、メータパネルによる情報を得易い。

　上記構成において、前記運転座席の前方に、操向操作具が備えられた操縦塔を設けると好適である。

　本構成によると、運転座席から前方に手を伸ばすだけで操向操作具を支持して操作できる。

　従って、運転座席から前方に手を伸ばすだけの楽な体勢で操向操作具を操作できて軽快に作業できる。

　上記構成において、前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールである構成を採用すると好適である。

　本構成によると、ステアリングホイールを回転操作することによって走行車体を操向操作できる。

　従って、走行車体を操向操作するのに、ステアリングホイールを回転操作すればよくて行い易い。

　上記構成において、前記操縦塔の上部に運転パネルを設け、前記運転パネルに第２スイッチ群を設けると好適である。

　本構成によると、運転パネルに第２スイッチ群を設けると、運転パネルが操向操作具の近くに位置することにより、操向操作具から手をわずかに移動させるだけで第２スイッチ群のスイッチ操作をできるようにできる。

　従って、操向操作具を支持している際でもスイッチ操作を容易かつ迅速にできる良好な操作性を備えさせられる。

　上記構成において、前記運転座席の横側方に走行用の変速操作具を設け、前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールであり、前記運転パネルのうち、前記ステアリングホイールを支持するハンドル軸に対して前記変速操作具が位置する側とは反対側の部位に、上面視で前記ステアリングホイールの外周の下方箇所近傍まで延出した延出部を設け、前記延出部に前記第２スイッチ群のうち少なくとも一部を配置すると好適である。

　本構成によると、一方の手で変速操作具を支持していても、ステアリングホイールを支持している他方の手をステアリングホイールからわずかに移動させるだけで、第２スイッチ群における一部のスイッチを操作できるようにできる。

　従って、変速操作具及び操向操作具を支持している際でもスイッチ操作を容易かつ迅速にできる良好な操作性を備えさせられる。

　上記構成において、前記運転キャビンに、左右両側部に亘る通路部を設け、前記通路部の前側に、操向操作具が備えられた操縦塔を設け、前記通路部の後方に、前記運転座席及び走行用の変速操作具を設け、前記通路部の上方に、前記メータパネルを設けると好適である。

　本構成によると、運転キャビン内の左右両側部間を移動するのに、通路部を通ることにより、操縦塔と運転座席及び変速操作具との間を移動し易い。

　従って、運転キャビン内の左右両側部間を移動し易くて便利である。

　上記構成において、前記運転座席の横側方に、走行用の変速操作具を有するサイドパネルを設け、前記運転キャビンにおいて、前記サイドパネルの前記運転座席とは反対側、及び前記運転座席の前記サイドパネルとは反対側に、前記通路部と連なる空間を設けると好適である。

　本構成によると、運転座席の両横側方に通路部と連なる空間が位置することにより、両空間を補助作業者や荷物の搭乗や積み込みに利用することができる。

　従って、作業の補助や運転の交代をできるように、補助作業者が搭乗して同行するとか、移動走行を搬送走行に兼ねるように、荷物を積み込んで走行することができて有利である。

　上記構成において、前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールであり、前記ステアリングホイールの角度調節を行うチルト機構と、前記チルト機構を操作するように、前記運転座席の前方下方に設けられたチルトペダルと、を備え、前記チルトペダルが、前記操縦塔の走行車体横方向での中心よりも走行車体左横外側方に位置する箇所と、前記操縦塔の前記中心よりも走行車体右横外側方に位置する箇所とにわたっている走行車体横方向幅を備える構成を採用すると好適である。

　本構成によると、チルトペダルの横幅が広幅になり、通路部のうちの運転座席の両横側における部位からでもチルトペダルに足が届き易くてチルトペダルを操作し易い。

　従って、運転座席の両横側方の一方から他方に通路部を通って移動する際、チルト機構を容易に操作してステアリングホイールを走行車体前方側に移動させることができる。つまり、ステアリングホイールと運転座席との間を広くして、ステアリングホイールと運転座席との間を移動し易くできる。

　上記構成において、前記前壁部のほぼ全体にわたるフロントガラスを設け、前記メータパネルは、前記フロントガラスの上端よりも上方に位置し、前記運転座席の前方に、操向操作具が備えられた操縦塔を設け、前記操縦塔の両横側方の夫々に足載せ台を設けると好適である。

　たとえば収穫装置の状況を知る際、前屈み体勢を採ると、運転キャビンの前方を見易くなる。本発明の構成によると、足載せ台を使用することにより、踏ん張りが効いて前屈み体勢を採り易い。

　従って、運転キャビンの前方を見るのに、前屈み体勢を採り易くて見易いなど便利である。

　上記［課題２］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　すなわち、本発明による収穫機は、
　前記走行車体の前部に連結された収穫装置と、
　前記走行車体に設けられた運転部と、
　前記運転部に設けられた運転座席と、を備え、
　前記運転座席の横側方に、サイドケース及びサイドケースの上端部に配備されたサイドパネルを設け、
　前記運転部の床面を前記運転部の全幅にわたって設けて、前記運転座席及び前記サイドパネルの前方に前記運転部の全幅にわたって位置する通路部を形成し、
　前記サイドパネルのうちの前端寄りの部位に、走行用の変速操作具を設けてある。

　本構成によると、運転座席に対してサイドパネルが位置する側における床面横端が、サイドパネルが位置する箇所を超えて、運転部の横端又はほぼ横端まで至り、運転座席の前方における床面レベルでの運転部スペースの横幅を従来よりも広くできる。

　運転座席の前方における床面レベルでの運転部スペースの横幅が広くするように、床面を運転部の全幅にわたって設けると、サイドパネルを運転座席から前方に突出させることができないとか、あまり長く突出させることができない。しかし、サイドパネルのうちの前端寄りの部位に変速操作具を設けてあるから、変速操作具を運転座席の前端寄りの箇所に位置させて、運転座席に着座した状態での変速操作具の取り扱いを容易にできる。

　従って、本発明によると、変速操作具を容易に操作して走行変速をスムーズにできるものでありながら、運転座席の前方における床面レベルでの運転部スペースの横幅が広く、楽に居住できて軽快に運転できるとか、運転部スペースを補助作業者の搭乗に利用できるなど有利である。

　上記構成において、前記変速操作具を、前記サイドパネルのうちの前記運転座席寄りの部位に設けると好適である。

　本構成によると、変速操作具が運転座席に着座した作業者により近付き、運転座席に着座した作業者の変速操作具の取り扱いをより容易にできる。

　従って、変速操作具をより容易に操作して走行変速をよりスムーズにできる。

　上記構成において、前記変速操作具が走行車体前後方向に揺動操作自在に支持され、前記変速操作具の握り部が、揺動支点となる基部に対して運転座席側に偏倚している構成にすると好適である。

　本構成によると、運転座席から比較的離れて広い作業用スペースを確保し易い箇所で変速操作具を支持させることができながら、変速操作具の握り部を運転座席に着座した作業者に近付けて、着座状態の作業者の変速操作具の取り扱いを容易にできる。

　従って、変速操作具の組付けや保守を広い作業用スペースにおいて容易にできるのみならず、変速操作具を容易に操作して走行変速をスムーズにできる。

　上記構成において、前記変速操作具が、前記握り部側ほど前記運転座席に近づく傾斜姿勢で支持される構成にすると好適である。

　本構成によると、変速操作具の形状を曲がりや屈曲が無い簡素な形状にしながら、運転座席から比較的離れて広い作業用スペースを確保し易い箇所で変速操作具を支持させることができ、かつ変速操作具の握り部を運転座席に着座した作業者に近付けて、着座状態の作業者の変速操作具の取り扱いを容易にできる。

　従って、変速操作具の組付けや保守を広い作業用スペースにおいて容易にでき、かつ着座状態での変速操作具の操作が容易にできてスムーズに変速操作できるのみならず、変速操作具の簡素な形状によって安価に得られる。

　上記構成において、前記サイドケースの走行車体前方側部における上端側部分が下端側部分よりも前方側に膨出している構成にすると好適である。

　本構成によると、床面のサイドケースが位置する部位での車体前後方向長さを狭くせずに、サイドケースの上端側部分を極力前方側に位置させて、サイドパネルの前端側の部位を極力前方側に位置させ、着座状態での変速操作具の取り扱いがより容易になるように、変速操作具をより前方側に配備できる。

　従って、通路部のサイドケース付近での移動を床面の広さによって容易にできながら、着座状態での変速操作具の操作を容易に行って走行変速をスムーズにできる。

　上記構成において、前記サイドパネルの前端における左右角部を、平面視で円弧形状に形成すると好適である。

　本構成によると、通路部のサイドパネル付近を移動する際、サイドパネルの前端における左右角部の円弧形状により、サイドパネルの左右角部に当たり難い。

　従って、通路部を移動する際、サイドパネル付近であっても、サイドパネルの左右角部に当たり難くて移動し易い。

　上記構成において、前記サイドパネルのうち、前記変速操作具に対して前記運転座席が位置する側とは反対側の部位に、エンジン用のアクセル操作具を設けると好適である。

　本構成によると、アクセル操作具が変速操作具と同様にサイドパネルの前端寄りの部位に位置することにより、着座状態でのアクセル操作具の操作を行い易い。アクセル操作具が変速操作具に対して運転座席が位置する側とは反対側に位置することにより、変速操作具を操作する際、アクセル操作具に触れにくい。

　従って、着座状態でのアクセル操作具の操作を行い易くて、エンジンの回転数調節をスムーズにできるのみならず、変速操作具を操作する際、アクセル操作具が付いて動いてエンジン回転数が変化する不測な事態の発生を回避し易い。

　上記構成において、前記変速操作具として主変速操作具を備え、前記サイドパネルのうちの前記主変速操作具よりも後方に位置する部位に、走行用の副変速操作具を設けると好適である。

　本構成によると、主変速操作具及び副変速操作具がサイドパネルに前後に分かれて位置することにより、主変速操作具と副変速操作具との一方から他方に手を前後にわずかに移動させるだけで、主変速操作及び副変速操作を行うことができる。

　従って、副変速操作と主変速操作とによる走行速度の設定を迅速に行うことができる。

　上記構成において、前記サイドパネルのうちの前記変速操作具よりも後方に位置する部位に、前記収穫装置の駆動操作及び停止操作のための作業クラッチ操作具を設けると好適である。

　本構成によると、変速操作具及び作業クラッチ操作具がサイドパネルに前後に分かれて位置することにより、変速操作具と作業クラッチ操作具との一方から他方に手を前後にわずかに移動させるだけで、変速操作、収穫装置の駆動操作及び停止操作を行うことができる。

　従って、旋回走行における走行速度の変更と、収穫装置の駆動及び停止とを迅速に行って能率よく作業できる。

　上記構成において、前記変速操作具として主変速操作具を備え、前記サイドパネルのうちの前記変速操作具よりも後方に位置する部位に、走行用の副変速操作具を設け、前記作業クラッチ操作具が、前記副変速操作具に対して前記運転座席が位置する側とは反対側に位置している構成にすると好適である。

　本構成によると、主変速操作具及び作業クラッチ操作具がサイドパネルに前後に分かれて位置することにより、主変速操作具と作業クラッチ操作具との一方から他方に手を前後にわずかに移動させるだけで、主変速操作、収穫装置の駆動操作及び停止操作を行うことができる。

　従って、副変速操作と主変速操作とによる走行速度の設定を迅速に行って、かつ旋回走行における走行速度の変更と、収穫装置の駆動及び停止とを迅速に行って能率よく作業できる。

　上記構成において、前記変速操作具として主変速操作具を備え、前記サイドパネルの走行車体後方側の部位の上面を、前記サイドパネルの走行車体前方側の部位の上面よりも高く設定し、前記走行車体前方側の部位に、前記主変速操作具を設け、前記走行車体後方側の部位に、前記収穫装置の駆動操作及び停止操作のための作業クラッチ操作具を走行車体前後方向に揺動操作自在に設け、走行車体前方側に揺動操作した前記作業クラッチ操作具の握り部が前記走行車体前方側の部位の上方に位置するように構成すると好適である。

　作業クラッチ操作具の長さを長くし、かつ作業クラッチ操作具の操作ストロークを大きくすることにより、作業クラッチが備える抵抗及びストロークにかからず、収穫装置を駆動操作及び停止操作するための作業クラッチ操作具の操作が容易になる。本構成によると、サイドパネルの走行車体後方側の部位の上面が、サイドパネルの走行車体前方側の部位の上面よりも高く、走行車体前方側に揺動操作した作業クラッチ操作具の握り部が走行車体前方側の部位の上方に位置することにより、作業クラッチ操作具の長さを長くし、かつ作業クラッチ操作具の操作ストロークを大きくしても、サイドパネルに備えるべき前後方向長さを短く済ませることができる。

　従って、作業クラッチ操作具の長さを長くし、かつ作業クラッチ操作具の操作ストロークを大きくして、収穫装置の駆動操作及び停止操作を軽く行えるようにできる。そして、サイドパネルを前後方向長さが短いコンパクトなものにできる。

　上記構成において、前記走行車体前方側の部位に、エンジン用のアクセル操作具を設けると好適である。

　本構成によると、アクセル操作具を運転座席の前端寄りの箇所に位置させて、運転座席に着座した状態でのアクセル操作具の取り扱いを容易にできる。

　従って、アクセル操作具を容易に操作してエンジンの回転数調節をスムーズにできる。

　上記構成において、前記走行車体後方側の部位に、走行用の副変速操作具を設けると好適である。

　本構成によると、副変速操作具がサイドパネルのうちの主変速操作具あるいはアクセル操作具に対して後方側の部位に位置することにより、副変速操作具と主変速操作具あるいはアクセル操作具との一方から他方に手を前後にわずかに移動させるだけで、副変速操作及び主変速操作あるいはアクセル操作を行うことができる。

　従って、副変速操作と主変速操作とによる走行速度の設定を迅速に行うとか、副変速操作とエンジンの回転数調節とを迅速に行って能率よく作業できる。

　上記構成において、前記変速操作具によって走行用の静油圧式無段変速装置を変速操作するように構成し、前記変速操作具のレバーガイドを、前側の前進高速操作域と後側の前進低速操作域とが走行車体横方向に位置ずれする状態で連続するように構成し、前記前進高速操作域のうちの前記前進低速操作域側とは反対の端縁と、前記前進低速操作域の前記前進高速操作域側の端縁とを連結する部位を、後方側ほど前記前進低速操作域に近づく傾斜形状に形成すると好適である。

　本構成によると、主変速操作具を前進高速操作域から前進低速操作域に移動操作する際、主変速操作具を走行車体後方側に移動操作するだけで、主変速操作具は、前記部位の傾斜形状による移動案内を受けて、前進低速操作域にスムーズに移動する。

　従って、主変速操作具を走行車体後方側に移動操作するだけで操作簡単に、静油圧式無段変速装置を前進高速状態から前進低速状態にスムーズに変速させて、走行速度をスムーズに減速できる。

　上記構成において、前記サイドケースに対して前記運転座席が位置する側とは反対側に、制御装置を設けると好適である。

　本構成によると、運転部に搭乗した作業者や運転部に持ち込まれた物品を制御装置に触れ難くするガード機能をサイドケースに備えさせることができる。

　従って、サイドケースをガード手段に利用して安価に制御装置を保護できる。

　上記構成において、前記運転部の床面と後壁部とによって形成される隅部に、前記制御装置を配備すると好適である。

　本構成によると、制御装置が前記隅部に位置することにより、運転部に搭乗した作業者や運転部に持ち込まれた物品が制御装置に当たることを回避し易い。

　従って、隅部をガード手段に利用して安価に制御装置を保護できる。

　上記構成において、前記制御装置の運転部内側を覆うカバーを設けると好適である。

　本構成によると、運転部に搭乗した作業者や運転部に持ち込まれた物品が制御装置に当たることをカバーによって回避し易い。

　従って、作業者や物品の接触や当たりによる制御装置の破損や故障を回避し易い。

　上記構成において、前記運転部を覆う運転キャビンを設けると好適である。

　本構成によると、雨天であっても、運転キャビンによる運転部の覆いによって濡れないように運転部に居住できる。

　従って、雨天でも濡れずに快適に作業できる。

　上記［課題３］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　すなわち、本発明による収穫機は、
　走行車体に設けられた運転キャビンと、
　前記走行車体の前部に連結された収穫装置と、
　前記運転キャビンの前部の上端側に設けた上前照灯と、
　前記運転キャビンの前部の下端側に設けた下前照灯と、を備えてある。

　本構成によると、高所から照明光を照射する上前照灯による照明、及び低所から照明光を照射する下前照灯による照明の両方の照明によって前方を照明するから、照明光の一部が収穫装置に当たるように構成しても、前方の照明を支障なく行わせることができる。

　従って、本発明によると、夜間作業であっても、前方の照明を支障なく行わせて走行し易いのみならず、収穫装置を前照灯によって照明し易く、収穫装置の状況を把握し易くて作業し易い。

　上記構成において、前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設けると好適である。

　本構成によると、作業灯によって収穫装置を後方上方から照明させて収穫装置をより見易くできる。

　従って、収穫装置の状況をより適確に把握し易くて、より作業し易い。

　上記構成において、前記上前照灯及び前記作業灯を、前記運転キャビンの左横端寄り及び右横端寄りの部位それぞれに配置すると好適である。

　本構成によると、上前照灯及び作業灯による前方及び収穫装置の照明を後方上方の左右両側から行わせて、照明漏れを発生し難くできる。

　従って、前方も収穫装置もより見易くて、作物に対する収穫装置に位置合わせ、及び収穫装置の状況把握をより行い易いなど、より作業し易い。

　上記構成において、前記上前照灯と前記作業灯とが走行車体横方向に並ぶ構成を採用すると好適である。

　上前照灯及び作業灯を上下に並べた場合、下側に位置する上前照灯あるいは作業灯の取付高さを所定高さにすると、上側に位置する作業灯あるいは上前照灯の取付高さが高くなりがちである。本構成によると、上前照灯及び作業灯が車体横方向に並ぶから、上前照灯及び作業灯の取付高さを同じ又はほぼ同じ取付高さにしながら、上前照灯及び作業灯の取付高さを所定又はほぼ所定の取付高さにできる。

　従って、上前照灯及び作業灯の取付高さを所定又はほぼ所定の取付高さにして上前照灯及び作業灯による照明を良好に行わせながら、照明灯のために機体高さが高くなることを抑制できる。

　上記構成において、前記上前照灯が前記作業灯よりも走行車体横外側に位置する構成を採用すると好適である。

　本構成の如く上前照灯が作業灯よりも走行車体横外側に位置する場合、収穫装置の横外側方が上前照灯の照明範囲に入るようにするのに、作業灯が上前照灯よりも走行車体横外側に位置する場合に比して、作業灯の取付位置を車体横内側にできる。

　従って、収穫装置の横外側方を上前照灯の照明範囲に入れて、収穫装置の横外側を見易くしても、上前照灯及び作業灯のために機体横幅が広くなることを抑制できる。

　上記構成において、前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、前記上前照灯の走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設けると好適である。

　本構成によると、作業灯の照明範囲と、別の作業灯の照明範囲とによって作業用の照明範囲を広くしたり、作業灯の照明光と、別の作業灯の照明光とによって作業用の照明範囲をより明るく照明したりできる。

　従って、収穫装置のみならず、収穫装置の横外側も作業灯の照明範囲にするとか、収穫装置を明るく照明するなどして、作業をよりし易くできる。

　上記構成において、前記別の作業灯を前記上前照灯よりも下方に配置すると好適である。

　本構成によると、作業用の照明を主目的とする別の作業灯による照明を、走行用の照明を主目的とする上前照灯よりも低い箇所から行わせて、収穫装置や収穫装置の横外側などの照明を良好に行わせることができる。

　従って、収穫装置や収穫装置の横外側の状況をより把握し易いなど、より作業し易い。

　上記構成において、前記下前照灯を、前記運転キャビンの左横端寄りの部位及び右横端寄りの部位それぞれに配備すると好適である。

　本構成によると、左横端寄りの下前照灯による照明範囲と、右横端寄りの下前照灯による照明範囲とによって下前照灯全体による照明範囲を広くしたり、左横端寄りの下前照灯による照明光と、右横端寄りの下前照灯による照明光とによって下前照灯による照明を明るくしたりできる。

　従って、下前照灯全体によって広い範囲にわたって照明するとか、明るく照明することができて、より走行し易い。

　上記構成において、前記下前照灯を、照明光を前下向きに照射する下向き照射状態と、照明光を前記前下向き照射状態の照明光の照射方向よりも上向きに照射する上向き照射状態とに切換え自在に構成すると好適である。

　本構成によると、下前照灯を上向き照射状態に切り換えて前方を遠くまで見易く照明したり、下前照灯を下向き照射状態に切り換えて前方近くを見易く照明したりできる。

　従って、移動走行の際、前方を遠くまで見易く照明して走行し易くしたり、作業走行の際、前方近くを見易く照明して作物に対する収穫装置の位置合わせを容易にしたりできる。

　上記構成において、前記下前照灯を、前記運転キャビンの左横端寄りの部位及び右横端寄りの部位に夫々複数個ずつ設けると好適である。

　本構成によると、左横端寄りの複数個の下前照灯による照明範囲と、右横端寄りの複数個の下前照灯による照明範囲とによって下前照灯全体による照明範囲をより広くしたり、左横端寄りの複数個の下前照灯による照明光と、右横端寄りの複数個の下前照灯による照明光とによって下前照灯による照明をより明るくしたりできる。

　従って、下前照灯全体によってより広い範囲にわたって照明するとか、より明るく照明することができて、より一層走行し易い。

　上記構成において、前記複数の下前照灯のうち少なくとも一つの下前照灯を、照明光を前下向きに照射するように構成し、前記複数の下前照灯のうちの前記少なくとも一つの下前照灯以外の少なくとも一つの下前照灯を、照明光を前記前下向き照射の照明光の照射方向よりも上向きに照射するように構成すると好適である。

　本構成によると、下前照灯を下向き照射状態と上向き照射状態とに切換え自在に構成するのに、照射光を前下向きだけに照射する下向き照射専用の下前照灯部と、照射光を前下向きより上向きだけに照射する上向き照射専用の下前照灯部とを準備するだけで構成できる。

　従って、下前照灯による照明向きを前下向きと前下向きよりも上向きとに切り換えられる便利なものを安価に得ることができる。

　上記構成において、前記複数の下前照灯が走行車体横方向に一列又はほぼ一列に並ぶ構成を採用すると好適である。

　本構成によると、複数個の下前照灯が上下に並ぶ場合に比べ、車体上下方向での広さが狭いスペースに複数個の下前照灯を組み付けることができる。

　従って、複数個の下前照灯を車体上下方向での広さが狭いスペースにコンパクトに組み付けることができる。

　上記構成において、前記複数の下前照灯のうちの走行車体横内側の下前照灯を、照明光を前下向きに照射するように構成し、前記複数の下前照灯のうちの走行車体横外側の下前照灯を、照明光を前記前下向き照射の照明光の照射方向よりも上向きに照射するように構成すると好適である。

　運転キャビンの左横端寄り及び右横端寄りに走行車体横方向に一列又はほぼ一列に設ける複数個の下前照灯のうち、走行車体横外側の下前照灯は、収穫装置の横端部の近くに位置しがちである。収穫装置の横端部に収穫物のこぼれ出しを防止する縦壁部が備えられるなど、収穫装置の横端部の高さが高くなることがある。

　本構成によると、収穫装置の横端部の近くに位置しがちな走行車体横外側の下前照灯を、照射光を前下向きよりも上向きに照射するよう構成してあるから、収穫装置の横端部の近くに位置しがちな下前照灯による照明光の前方照射を収穫装置の横端部による障害を受けにくい状態で行わせることができる。

　従って、運転キャビンの左横端寄りの部位及び右横端寄りの部位に複数個の下前照灯を車体横方向に並べて設けるものでありながら、下前照灯による前方の照明を収穫装置による障害を受けにくい状態で良好に行わせることができる。

　上記構成において、前記上前照灯を走行車体前横外方に対する照明光を照射するように構成すると好適である。

　本構成によると、走行車体前横外側の圃場面や作物を上前照灯によって照明されるから、走行車体前横外側における地面や作物の状況を見易い。

　従って、走行車体の横側での圃場面や作物の状況を把握し易くて走行及び作業をし易い。

　上記構成において、前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、前記上前照灯よりも走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、前記作業灯及び前記別の作業灯のうちの一方を、前記収穫装置に照明光を照射するよう構成すると好適である。

　本構成によると、収穫装置に後方の高い箇所から照明光が照射されるから、収穫装置を照明漏れが発生し難い状態で照明できて収穫装置を全体にわたって見易い。

　従って、収穫装置の全体にわたる状況を把握し易くて作業し易い。

　上記構成において、前記作業灯及び前記別の作業灯のうちの他方を、前記収穫装置よりも走行機体横外側に照明光を照射するように構成すると好適である。

　本構成によると、収穫装置の横外側における地面や作物が作業灯によって照明されて、収穫装置の横外側における地面や作物の状況を見易い。

　従って、収穫装置の横外側おける地面や作物の状況を把握し易くて走行や作業を行ない易い。

　上記構成において、前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、前記上前照灯よりも走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、前記作業灯を、前記収穫装置に照明光を照射するよう構成し、前記別の作業灯を、前記収穫装置よりも走行車体横外側に照明光を照射するように構成すると好適である。

　本構成によると、収穫装置が作業灯によって照明されるから収穫装置を見易いのみならず、収穫装置の走行車体横外側に別の作業灯によって照明光が照射されるから、収穫装置の横外側における地面や作物を照明できて見易い。

　従って、収穫装置の状況を把握し易いのみならず、収穫装置の横外側における地面や作物の状況を把握し易くて作業し易い。

　上記構成において、前記運転キャビンの後部に走行車体後方側を照明する後作業灯を設けると好適である。

　本構成によると、走行車体後方側が後作業灯によって照明されるから、車体後方側の装置部分を見易い。

　従って、夜間でも、照明装置を特別に準備せずとも、車体後方側の状況を知って作業したり走行したりできる。

　上記構成において、前記運転キャビンのルーフ部を支持する上フレームが前記運転キャビンに設けられ、前記上前照灯が前記上フレームに支持される構成を採用すると好適である。

　本構成によると、上フレームを支持部材に利用した簡素な支持構造で上前照灯を強固に支持させることができる。

　従って、上前照灯を強固に支持させるものを、簡素な支持構造の採用によって安価に得ることができる。

　上記構成において、前記運転キャビンの床部を支持する下フレームが前記運転キャビンに設けられ、前記下前照灯が前記下フレームに支持される構成を採用すると好適である。

　本構成によると、下フレームを支持部材に利用した簡素な支持構造で下前照灯を強固に支持させることができる。

　従って、下前照灯を強固に支持させるものを、簡素な支持構造の採用によって安価に得ることができる。

　上記構成において、前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、前記運転キャビンのルーフ部を支持する上フレームが前記運転キャビンに設けられ、前記作業灯が前記上フレームに支持される構成を採用すると好適である。

　本構成によると、上フレームを支持部材に利用した簡素な支持構造で作業灯を強固に支持させることができる。

　従って、作業灯を強固に支持させるものを、簡素な支持構造の採用によって安価に得ることができる。

　上記構成において、前記上前照灯の走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、前記運転キャビンの前壁部を支持する縦フレームが前記運転キャビンに設けられ、前記別の作業灯が前記縦フレームに支持される構成を採用すると好適である。

　本構成によると、縦フレームを支持部材に利用した簡素な支持構造で別の作業灯を強固に支持させることができる。

　従って、別の作業灯を強固に支持させるものを、簡素な支持構造の採用によって安価に得ることができる。

　上記構成において、前記収穫装置がトウモロコシを収穫するよう構成され、前記収穫装置に、トウモロコシを収穫する収穫経路と、前記収穫経路の走行車体横外側に立設され、前記収穫装置外へのトウモロコシのこぼれ出しを防止する縦壁部とを備えると好適である。

　本構成によると、収穫装置によって収穫されるトウモロコシのこぼれ出しが縦壁部によって防止されるから、トウモロコシの収穫装置からのこぼれ出しによる損失を回避し易い。

　従って、トウモロコシのこぼれ出しによる損失が生じにくい良好な状態で収穫作業できる。

　上記構成において、前記上前照灯を、前記縦壁部よりも走行車体横外側に照明光を照射するように構成すると好適である。

　本構成によると、縦壁部よりも走行車体横外側における地面や作物を上前照灯によって照明できて、その地面や作物の状況を見易い。

　従って、トウモロコシのこぼれ出しを縦壁部によって回避しやすいものでありながら、縦壁部の横外側における地面や作物の状況を把握し易くて作業し易い。

　上記構成において、前記下前照灯の点灯操作によって前記上前照灯が点灯されるように構成すると好適である。

　本構成によると、下前照灯の点灯操作によって下前照灯及び上前照灯を一挙に点灯できる。

　従って、下前照灯の点灯操作を行うだけで操作簡単に下前照灯及び上前照灯を点灯させることができて便利である。

　上記［課題４］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　すなわち、本発明による収穫機は、走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備えている収穫機であって、
　前記伝動機構が、前記変速ケースからの駆動力が伝えられる左右一対の走行駆動軸と、この左右一対の走行駆動軸からの駆動力を左右の前記走行装置のうち対応したものに伝える左右一対の伝動ケースと、前記走行駆動軸を収容する状態で前記変速ケースと前記伝動ケースとに対して両端部が連結する筒状の左右一対の駆動軸ケースとを備えて構成されている。

　本構成によると、変速ケースからの駆動力は走行駆動軸から伝動ケースに伝えられ、この伝動ケースから走行装置に伝えられることになる。
　従って、本発明によると、走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備えた収穫機が構成された。

　上記構成において、左右の前記伝動ケースの各々に対してブレーキ機構を内蔵していると好適である。

　本構成によると、変速ケースの内部にブレーキ機構を備えるもののように、変速ケースの大型化を招くことがない。

　上記構成において、前記ブレーキ機構が、多板式の摩擦ブレーキであると好適である。

　本構成によると、ブレーキ機構を構成する多板式の摩擦ブレーキにより強い制動力を得ることが可能となる。

　上記構成において、左右の前記伝動ケースの前記ブレーキ機構を同時に操作する連係操作機構を備えていると好適である。

　本構成によると、連係操作機構により左右のブレーキ機構を同時に操作することが可能となる。

　上記構成において、前記ブレーキ機構が、前記伝動ケースの内部空間のうち前記走行機体の中央側に偏位した位置に配置されていると好適である。

　本構成によると、伝動ケースのうち走行装置から離間する位置にブレーキ機構が配置されるので、ブレーキ機構を大型化した構成でも走行装置との距離を拡大して、走行装置との接触を回避できる。

　上記構成において、前記伝動ケースが、前記走行駆動軸と平行姿勢で前記走行装置に駆動力を伝える車軸を備えると共に、前記伝動ケースの内部空間に、前記走行駆動軸からの駆動力を減速する第１ギヤ減速機構と、この第１ギヤ減速機構で減速された駆動力を減速して車軸に伝える第２ギヤ減速機構とを備え、前記ブレーキ機構が前記第１ギヤ減速機構より走行機体の中央側に配置されていると好適である。

　本構成によると、伝動ケースに第１ギヤ減速機構と第２減速機構とを備えることにより、変速ケースで減速のために用いるギヤの数を低減して変速ケースの小型化が可能となる。また、第１ギヤ減速機構と第２ギヤ減速機構とで構成される減速系より変速ケース側に近い伝動系に制動力を作用させるので、ブレーキ機構に作用するトルクを低減でき、ブレーキ機構の大型化を抑制できる。

　上記構成において、前記伝動ケースの内部空間が、前記第１ギヤ減速機構が配置される内側空間と、前記第２ギヤ減速機構が配置される外側空間とを有し、前記走行機体の左右傾斜時において前記内側空間と前記外側空間との間でのオイルの流れを制限する隔壁が前記伝動ケースの内部に備えられていると好適である。

　本構成によると、走行機体が左右方向に大きく傾斜して第２ギヤ減速機構が持ち上げられる状況でも、この第２ギヤ減速機構が配置された空間のオイルが流れ出す不都合を隔壁が抑制することになり潤滑に必要なオイルを確保できる。

　上記構成において、左右の前記伝動ケースの内部空間同士を連通させるように、左右の前記伝動ケースに連結する筒状の支持フレームを備えていると好適である。

　本構成によると、左右の伝動ケースの内部空間が、駆動軸ケースを介して変速ケースの内部空間と連通する状態となり、更に、支持フレームの内部空間とをオイルの貯留空間に用いるため、オイルの貯留空間を拡大することが可能となる。

　上記構成において、左右の前記伝動ケースの各々に対してブレーキ機構を内蔵し、前記支持フレームに貯留されているオイルを油圧機器に供給する供給油路が形成されると共に、前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が前記伝動ケースの前記ブレーキ機構の上部に接続していると好適である。

　本構成によると、支持フレームのオイルを油圧機器に供給することが可能になると共に、ブレーキ機構が発熱した場合には、油圧機器から戻されるオイルが、ブレーキ機構の上部から下部に流れることによりブレーキ機構の熱をオイルで奪い良好な冷却が実現する。

　上記構成において、前記伝動ケースが、前記走行機体の内側に配置される内側ケースと、前記走行機体の外側に配置される外側ケースとに分離自在に連結して構成され、前記内側ケースが前記走行機体の機体フレームに支持されていると好適である。

　本構成によると、内側ケースと外側ケースとを分離することにより、内部空間を開放して伝動ケースの内部のメンテナンスを容易にする。

　上記構成において、前記変速ケースが、前記エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置を備えて構成されていると好適である。

　本構成によると、無段変速装置により走行速度を無段階に設定できる。

　上記構成において、前記走行機体の前端にトウモロコシの収穫部を備え、この収穫部で収穫させた房状トウモロコシを貯留する貯留部を前記走行機体に備えていると好適である。

　本構成によると、収穫部で房状トウモロコシを収穫して貯留部に貯留する形態でトウモロコシの収穫が可能となる収穫機を構成できる。

　上記［課題５］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　すなわち、本発明による作業機は、作業部と、この作業部を操作する油圧機器と、この油圧機器に供給されるオイルを貯留する貯留部とを走行機体に備えている作業機であって、
　前記走行機体が、前後方向に伸びる左右一対の機体フレームと、平面視において両端部が左右の前記機体フレームに亘って配置される筒状の支持フレームとを備え、この支持フレームの内部空間が前記貯留部として使用されている。

　本構成によると、左右一対の機体フレームに亘る長さの支持フレームを備えるため、この支持フレームの内部空間の容積を容易に大きくして、作業部を操作する油圧機器に供給されるオイルの貯留空間として利用できる。
　従って、本発明によると、充分な量のオイルの貯留が可能で、取り出されたオイルに空気が混入し難い作業機が構成された。

　上記構成において、前記走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備え、前記変速ケースが前記貯留部として使用されていると好適である。

　本構成によると、変速ケースのオイルを支持フレームの内部空間に貯留することが可能となり、変速ケースで使用可能なオイルの増大が可能となる。また、この支持フレームは変速ケースから分離した位置に配置されるため、例えば、変速ケースの内部のようにギヤが高速で回転する環境と比較して、オイルの流動が抑制され空気が混入する不都合を解消できる。

　上記構成において、前記支持フレームの内部空間と前記変速ケースの内部空間とをオイルの流通が可能に連通させる連通部材を備えていると好適である。

　本構成によると、変速ケースのオイルと支持部材のオイルとを連通部材により、互いに流動させることが可能となり、変速ケースの潤滑油として使用した場合でもオイルの交換時期を延ばし、オイルとの温度の上昇を抑制することも可能となる。

　上記構成において、前記伝動機構が、前記変速ケースからの駆動力が伝えられる左右一対の走行駆動軸と、この左右一対の走行駆動軸からの駆動力を左右の前記走行装置のうち対応したものに伝える左右一対の伝動ケースと、前記走行駆動軸を収容する状態で内端が前記変速ケースに連結し、外端が前記伝動ケースに連結する左右一対の駆動軸ケースとを備えると共に、前記駆動軸ケースの内部空間が内端位置で前記変速ケースの内部空間に連通し、前記駆動軸ケースの内部空間が外端位置で前記伝動ケースの内部空間に連通していると好適である。

　本構成によると、変速ケースと、左右一対の駆動軸ケースと、左右一対の伝動ケースとの内部空間にオイルを貯留できるため、オイルの貯留量の増大が可能となる。また、この構成では変速ケースの内部の変速機構に充分な量のオイルを潤滑油として供給できるだけでなく、伝動ケースの内部の減速機構に対しても充分な量のオイルを潤滑油として供給することが可能となる。

　上記構成において、前記支持フレームの左側の端部を左側の前記伝動ケースに連結し、右側の端部を右側の前記伝動ケースに連結すると共に、この支持フレームの内部空間が連結位置において前記伝動ケースの内部空間に連通していると好適である。

　本構成によると、左右の伝動ケースが支持フレームに連結することにより、左右の伝動ケースの位置を強固に保持することが可能となり、左右の伝動ケースの位置を保持するための補強フレーム等を用いる必要がない。また、支持フレームを左右の伝動ケースと連通する状態で備えることにより、変速ケースと、左右一対の駆動軸ケースと、左右一対の伝動ケースと、支持フレームとの内部空間を大容量のオイル貯留空間として利用することが可能となる。

　上記構成において、前記伝動ケースに対して前記支持フレームの端部が連結する位置を、前記伝動ケースの下部位置に設定していると好適である。

　本構成によると、変速ケースのオイルの液面より低い位置に支持フレームの位置を維持することになり、オイルへの空気の混入を一層抑制することが可能となる。

　上記構成において、前記支持フレームが、前記変速ケースに貯留されるオイルの液面より低い位置に配置されていると好適である。

　本構成によると、変速ケースに貯留されるオイルの液面より低い位置に支持フレームが配置されることにより支持フレームの内部空間にはオイルが充満することになり、この内部空間には液面が形成されることがない。従って、走行機体が振動することがあっても支持フレームの内部ではオイルに空気が混入することもない。

　上記構成において、前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が、前記伝動ケースの内部空間に接続していると好適である。

　本構成によると、油圧機器から戻されるオイル伝動ケースの内部空間のギヤ伝動機構等に供給して冷却を行い、潤滑性を高めることが可能となる。

　上記構成において、前記支持フレームに貯留されるオイルを前記油圧機器に供給する供給油路が、前記支持フレームの内部空間に挿入されるオイル吸引用のサクションパイプを備えて構成され、このサクションパイプが、前記支持フレームのうち前記走行機体の左右方向の中央位置において上方から内部に貫通する状態で備えられていると好適である。

　本構成によると、支持フレームの内部空間に貯留されることにより、空気の混入が少なく、温度が低いオイルを、供給油路から油圧機器に対して作動油として供給することが可能となる。また、支持フレームの内部空間にサクションパイプが挿入されるため支持フレームの内部空間のうち下部からオイルを取り出すことが可能となる。このサクションパイプが、走行機体の左右方向での中央位置に備えられているため、例えば、走行機体が左右方向に大きく傾動しても、この中央位置のレベル変化は小さくサクションパイプから空気を吸入する不都合を抑制できる。

　上記構成において、前記供給油路の一部が、前記変速ケースの外壁面に形成されていると好適である。

　本構成によると、例えば、ホース類を用いて供給油路を形成するものと比較すると、供給油路の位置を安定させることが可能となり、供給油路を形成するためのホース類の長さの短縮が可能となる。また、供給油路からのオイルを制御弁やオイルフィルタに導く場合にも、制御弁やオイルフィルタを変速ケースの外壁面に支持することにより、供給油路からのオイルを制御弁やオイルフィルタに対して直接的に供給することが可能となる。

　上記構成において、前記伝動ケースが、前記走行装置に制動力を作用させる摩擦式のブレーキ機構を内蔵しており、前記還元油路の接続位置が前記ブレーキ機構の上部に設定されていると好適である。

　本構成によると、ブレーキ機構が発熱した場合には油圧機器から戻されるオイルが、ブレーキ機構の上部から下部に流れることによりブレーキ機構の熱をオイルで奪い良好な冷却が実現する。

　上記構成において、前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が、前記変速ケースに接続していると好適である。

　本構成によると、変速ケースの内部においてオイルの液面より上方に配置されている変速ギヤ等に対して、上方からオイルを供給して潤滑油の不足を解消すると共に、この変速ギヤ等の冷却を実現する。

　上記構成において、前記変速ケースが、ギヤ式減速機構を内蔵しており、前記還元油路の接続位置が前記ギヤ式減速機構の上方位置に設定されていると好適である。

　本構成によると、ギヤ変速ユニットに対して上方からオイルが落下する形態で供給されるので、例えば、ギヤ変速ユニットが変速ケースの潤滑油の液面より上方に露出していても、このギヤ変速ユニットに対してオイルを供給して良好な潤滑と、冷却とが実現する。

　上記構成において、前記変速ケースが、前記エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置を備え構成されていると好適である。

　本構成によると、静油圧式の無段変速装置により走行機体の走行速度を無段階に変速することが可能になり、また、支持フレームのオイルを静油圧式の無段変速装置に供給することも可能となる。

　上記構成において、前記走行機体の前端にトウモロコシの収穫部を備え、この収穫部で収穫させた房状トウモロコシを貯留する貯留タンクを前記走行機体に備えていると好適である。

　本構成によると、収穫部で房状トウモロコシを収穫して貯留タンクに貯留する形態でトウモロコシの収穫が可能となる作業機を構成できる。

本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す左側面図である。本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す平面図である。本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す右側面図である。本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す正面図である。本発明の第１実施例における運転部を示す正面図である。本発明の第１実施例における運転部を示す平面図である。本発明の第１実施例における運転部を示す側面図である。本発明の第１実施例における上前照灯、作業灯及びメータパネルの支持構造を示す側面図である。本発明の第１実施例における下前照灯の支持構造を示す側面図である。本発明の第１実施例における上前照灯、作業灯、別の作業灯及び後作業灯の照明状態を示す平面図である。本発明の第１実施例における上前照灯、作業灯、別の作業灯、下前照灯及び後作業灯の照明状態を示す側面図である。本発明の第１実施例におけるサイドパネルを示す平面図である。本発明の第１実施例における運転パネルを示す平面図である。本発明の第１実施例における主変速連係機構及び副変速連係機構を示す正面図である。本発明の第１実施例における主変速連係機構及び副変速連係機構を示す側面図である。本発明の第１実施例における主変速連係機構及び副変速連係機構を示す斜視図である。本発明の第１実施例におけるレバーガイドを示す平面図である。本発明の第１実施例におけるメータパネル及びサンバイザーが設けられた運転部の部位を示す後面図である。本発明の第１実施例におけるメータパネルを示す後面図である。本発明の第１実施例における制御装置が設けられた運転部の部位を示す縦断側面図である。本発明の第１実施例における制御装置を示す横断平面図である。本発明の第１実施例とは別の実施構造を備えた収穫機を示す側面図である。本発明の第２実施例におけるトウモロコシ収穫機の全体の側面図である。本発明の第２実施例におけるトウモロコシ収穫機の全体の平面図である。本発明の第２実施例における機体フレームの構成を示す平面図である。本発明の第２実施例における変速ケースと伝動ケースとの側面図である。本発明の第２実施例における変速ケースから前車輪に駆動力を伝える伝動機構の正面図である。本発明の第２実施例における変速ケースと支持フレームとの側面図である。本発明の第２実施例におけるトウモロコシ収穫機の油圧回路図である。本発明の第２実施例における変速ケースから前車輪に駆動力を伝える伝動機構の模式図である。本発明の第２実施例における変速ケースと伝動ケースと支持フレームとの断面図である。本発明の第２実施例における変速ケースの断面図である。本発明の第２実施例における伝動ケースと支持フレームの端部との断面図である。本発明の第２実施例における変速ケースの外壁面に形成された油路の断面図である。本発明の第２実施例における隔壁を示す図である。本発明の第２実施例における磨耗チェッカーを示す断面図である。

［第１実施例］
　以下、本発明の第１実施例を図面に基づいて説明する。
　図１は、本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す左側面図である。図２は、本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す平面図である。図３は、本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す右側面図である。図４は、本発明の第１実施例における収穫機の全体を示す正面図である。図１～４に示すように、本発明の第１実施例における収穫機は、左右一対の駆動自在な前車輪１，１と左右一対の操向操作自在な後車輪２，２とによって自走するよう構成した走行車体と、走行車体の前部に連結された収穫装置６と、走行車体の後部に設けた収穫物回収タンク７と、収穫装置６の後部と収穫物回収タンク７の上方とにわたって設けた搬送装置８と、走行車体の前後輪間の部位に昇降操作自在に支持された細断装置９とを備えている。

　走行車体は、前車輪１と後車輪２との間に設けられ、前車輪１、収穫装置６及び搬送装置８それぞれの駆動力を出力するエンジン４を備えている。走行車体は、車体前部に設けられ、かつ運転キャビン３０によって覆われた運転部３を備え、運転部３に搭乗して運転するように乗用型に構成してある。運転キャビン３０の出入口の横外側に乗降ステップ３ａを設けてある。乗降ステップ３ａに対する乗り降りに使用する階段３ｂを、前車輪１の横外側に位置した使用状態と、前車輪１の後側に格納した格納状態とに揺動切換え自在に構成してある。収穫装置６は、昇降シリンダ５により、デバイダ１１の先端側が圃場面近くに下降した下降作業状態と、デバイダ１１の先端側が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作されるように構成してある。

　収穫機は、収穫装置６を下降作業状態にして走行車体を走行させることにより、収穫装置６によってトウモロコシ植物体のうちのトウモロコシ種子が棒状に連なって房になっている部位）を収穫し、収穫装置６からのトウモロコシを搬送装置８によって走行車体後方側に搬送し、搬送装置８からのトウモロコシを収穫物回収タンク７に回収して貯留していく。収穫装置６は、トウモロコシ植物体のうちのトウモロコシを収穫した茎稈を圃場に植立状態で残していく。細断装置９は、収穫装置６が圃場に残した茎稈を細断して圃場に放出していく。搬送装置８は、運転キャビン３０の下方を通るように配備してある。搬送装置８の搬送終端部には、搬送装置８から収穫物回収タンク７に供給されるトウモロコシに選別風を供給するファン装置８ａ、搬送装置８によって搬送されるトウモロコシに混入した茎稈や葉を除去する除去装置８ｂを設けてある。

　収穫装置６について説明する。
　図１，２，４に示すように、収穫装置６は、３列の収穫経路１２と、収穫経路１２の後側に駆動回動自在に設けられ、各収穫経路１２からのトウモロコシを走行車体横方向に搬送して搬送装置８の前方に寄せ集める回転オーガ１４と、回転オーガ１４の左右の螺旋搬送板１４ａ，１４ａの間の部位に一体回転自在に設けられ、トウモロコシを搬送装置８の入口に掻き込む掻込羽根１５とを備えている。各収穫経路１２は、両横側に駆動回動自在に設けられた無端回動収穫チェーン１６、及び無端回動収穫チェーン１６の下方に走行車体前後向きの軸芯まわりに駆動回動自在に設けられた収穫ロール１６ａを備え、無端回動収穫チェーン１６及び収穫ロール１６ａにより、デバイダ１１から送り込まれたトウモロコシ植物体を後方に移送しながら、トウモロコシ植物体のうちのトウモロコシを茎稈から引き離して収穫する。３列の収穫経路１２のうちの走行車体横方向での両横端の収穫経路１２それぞれの横外側に縦壁部１７を立設してある。左右の縦壁部１７は、無端回動収穫チェーン１６などを覆うケース１８から走行車体上方向きに突設されており、収穫経路１２から収穫装置６の横外側へこぼれ出ようとするトウモロコシを受け止めて、トウモロコシのこぼれ出しを防止する。

　収穫物回収タンク７について説明する。
　以下、収穫物回収タンク７を回収タンク７と略称する。回収タンク７は、回収タンク７の前後側に振り分け配置して車体フレーム１０に立設された前後一対のタンク支柱２２，２２に一本の支軸２３を介して揺動自在に支持されている。前後のタンク支柱２２，２２にわたって一対の補強杆２６，２６を連結してある。一方の補強杆２６は、前のタンク支柱２２の上端部と後のタンク支柱２２の下端部とに連結してあり、他方の補強杆２６は、前のタンク支柱２２の下端部と後のタンク支柱２２の上端部とに連結してある。回収タンク７は、前後のタンク支柱２２と回収タンク７とに連結してある昇降シリンダ２４より、支軸２３の軸芯で成る走行車体前後向きの揺動軸芯まわりに貯留姿勢と排出姿勢とに揺動切換えできる。回収タンク７は、貯留姿勢に切換えると、回収タンク７の上端部に設けてあるトウモロコシ出入口７ａが搬送装置８の排出口の下方に走行車体上方向きに位置し、搬送装置８から送り出されるトウモロコシを回収して貯留する。回収タンク７は、排出姿勢に切換えると、トウモロコシ出入口７ａが走行車体左横外向きになり、貯留していたトウモロコシをトウモロコシ出入口７ａから走行車体の左横外側に自然落下によって排出する。

　運転キャビン３０について説明する。
　図１～５に示すように、運転キャビン３０は、車体フレーム１０の前部に設けられた運転部支持フレーム１０ａに支持されたキャビンフレーム４０と、キャビンフレーム４０に支持された前壁部３１、左右の横壁部３２、後壁部３３、床部３４及びルーフ部３５とを備えて構成してある。

　運転キャビン３０は、運転キャビン３０の左側に設けてある乗降ステップ３ａ、及び運転キャビン３０で成る横幅が走行車体の横幅と同じ又はほぼ同じになるように、走行車体に対して右側に偏倚する状態で走行車体に支持されている。従って、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃが走行車体の横方向での中心Ｂに対して位置ずれしている。具体的には、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃが走行車体の横方向での中心Ｂよりも走行車体右側に位置している。

　前壁部３１は、前壁部３１のうちの下端から上端近くまでのほぼ全体にわたる部分を形成するフロントガラス３１ａと、前壁部３１のうちのフロントガラス３１ａよりも上方に位置する部分を形成する上壁板部３１ｂ（図８参照）とを備えて構成してある。フロントガラス３１ａは、運転キャビン３０の前端側の下部に走行車体横向きに設けられてキャビンフレーム４０を構成している横向きの下フレーム４１、運転キャビン３０の前端側の両横端部に走行車体上下向きに設けられてキャビンフレーム４０を構成して左右一対の縦フレーム４２に支持されている。図８に示すように、上壁板部３１ｂは、ルーフ部３５の前端部から下方向きに延出する状態でルーフ部３５に一体形成されている。上壁板部３１ｂは、運転キャビン３０の前端側の上部に走行車体横向きに設けられてキャビンフレーム４０を構成している横向きの上フレーム４３にルーフ部３５を介して支持されている。

　左右の横壁部３２に、ドア３２ａによって開閉自在な出入口を設けてある。左右の出入口のドア３２ａは、透明なガラス板によって構成してある。左右のドア３２ａは、前端側に位置する走行車体上下向きの開閉軸芯まわりでの揺動によって開閉するように揺動ドアに構成してある。後壁部３３の上部にガラス窓３３ａ（図５参照）を設けてある。

　図２に示すように、ルーフ部３５の上面に、複数の走行車体前後向きの凹入溝３５ａ、及び走行車体前後向きの凹入溝３５ａに連通した複数の走行車体横向きの凹入溝３５ｂを設けてある。走行車体前後向きの凹入溝３５ａ、及び走行車体横向きの凹入溝３５ｂは、排水用の樋機能を備えている。ルーフ部３５は、前記横向きの上フレーム４３に支持される他、運転キャビン３０の上端部の両横側に走行車体前後向きに設けられてキャビンフレーム４０を構成している前後向きの上フレーム４４（図６，８参照）に支持されている。

　床部３４は、前記横向きの下フレーム４１に支持される他、運転キャビン３０の下端部に走行車体前後向きに設けられてキャビンフレーム４０を構成している前後向きの下フレーム４５（図７，９参照）に支持されている。

　照明について説明する。
　図１，４に示すように、運転キャビン３０の前部の上端側に、左右一対の上前照灯５０，５０及び左右一対の作業灯５１，５１を設けてある。運転キャビン３０の上端部の両横側に、前記左右一対の作業灯５１，５１とは別の作業灯５２（以下、別作業灯５２と呼称する。）を設けてある。運転キャビン３０の前部の下端側に、４個の下前照灯５３，５４を設けてある。運転キャビン３０の後部に後作業灯５５を設けてある。

　図４，８に示すように、左右一対の上前照灯５０，５０及び左右一対の作業灯５１，５１の上方が、運転キャビン３０の上端側に設けられた上フロントカバー部３５ｃによって覆われている。

　左の上前照灯５０及び左の作業灯５１は、運転キャビン３０の左横端寄りの部位に配備してある。左の上前照灯５０と左の作業灯５１とは、走行車体横方向に並んでいる。左の上前照灯５０は、左の作業灯５１よりも走行車体左横外側に位置している。左の別作業灯５２は、左の上前照灯５０の走行車体左横外側に配置してある。左の別作業灯５２は、左の上前照灯５０よりも下方に配置してある。

　右の上前照灯５０及び右の作業灯５１は、運転キャビン３０の右横端寄りの部位に配備してある。右の上前照灯５０と右の作業灯５１とは、走行車体横方向に並んでいる。右の上前照灯５０は、右の作業灯５１よりも走行車体右横外側に位置している。右の別作業灯５２は、右の上前照灯５０の走行車体右横外側に配置してある。右の別作業灯５２は、右の上前照灯５０よりも下方に配置してある。

　左右の上前照灯５０及び左右の作業灯５１は、ルーフ部３５を支持する横向きの上フレーム４３に支持されている。
　具体的には、図６，８に示すように、横向きの上フレーム４３に、左右一対のステーを取り付けて構成した左右一対のランプ支持部４３ａ，４３ａを備えてある。左右のランプ支持部４３ａは、前壁部３１のフロントガラス３１ａと上壁板部３１ｂとの間を通って運転キャビン３０の外部に突出している。上前照灯５０は、後部に設けてある連結部が横外側のランプ支持部４３ａに連結ボルトによって連結されることにより、上フレーム４３に支持されるようになっている。作業灯５１は、後部に設けてある連結部が横内側のランプ支持部４３ａに連結ボルトによって連結されることにより、上フレーム４３に支持されるようになっている。

　左右の別作業灯５２は、前壁部３１を支持する縦フレーム４２に支持されている。
　具体的には、図５，６に示すように、縦フレーム４２の所定箇所にステーを取付けて構成した作業灯支持部４２ａを備えてある。作業灯支持部４２ａは、横壁部３２に設けた孔を通って運転キャビン３０の外部に突出している。別作業灯５２は、後部に設けてある連結部を作業灯支持部４２ａに連結ボルトによって連結されることにより、縦フレーム４２に支持されるようになっている。

　４個の下前照灯５３，５４のうちの左側の２個の下前照灯５３，５４は、運転キャビン３０の左横端寄りの部位に配備してある。４個の下前照灯５３，５４のうちの右側の２個の下前照灯５３，５４は、運転キャビン３０の右横端寄りの部位に配備してある。左横端寄りの２個の下前照灯５３，５４、及び右横端寄りの２個の下前照灯５３，５４は、走行車体横方向に一列又はほぼ一列に並んでいる。図１，９に示すように、４個の下前照灯５３，５４は、運転キャビン３０の下端側に設けられた下フロントカバー３６が備える投光孔３６ａの後方に位置している。

　下前照灯５３，５４は、前壁部３１を支持する横向きの下フレーム４１に支持されている。
　具体的には、図５，９に示すように、下フレーム４１の所定箇所に、ステーを取付けて構成した作業灯支持部４１ａを備えてある。各下前照灯５３，５４は、後部に設けられた連結部が作業灯支持部４１ａに連結ボルトによって連結されることにより、下フレーム４１に支持されるようになっている。

　図１０，１１は、上前照灯５０、作業灯５１、別作業灯５２、及び後作業灯５５の照明状態を示す平面図である。図１０，１１に示す照射範囲５０Ｌは、左の上前照灯５０の照射範囲であり、図１０，１１に示す照射範囲５０Ｒは、右の上前照灯５０の照射範囲である。図１０，１１に示すように、左の上前照灯５０は、収穫装置６の上方を通して走行車体前方に照明光を照射するように、かつ左側の縦壁部１７の上方を通して走行車体前左横外方に照明光を照射するように構成してある。右の上前照灯５０は、収穫装置６の上方を通して走行車体前方に照明光を照射するように、かつ右側の縦壁部１７の上方を通して走行車体前右横外方に照明光を照射するように構成してある。従って、上前照灯５０及び下前照灯５３，５４により、走行車体の直前方を照明しながら、かつ、走行車体前方における収穫装置６の左横外側及び右横外側も縦壁部１７の存在にかかわらず照明しながら走行できる。

　図１０，１１に示す照明範囲５１Ｌは、左の作業灯５１の照明範囲であり、図１０に示す照明範囲５１Ｒは、右の作業灯５１の照明範囲である。図１０，１１に示す照明範囲５２Ｌは、左の別作業灯５２の照明範囲であり、図１０，１１に示す照明範囲５２Ｒは、右の別作業灯５２の照明範囲である。図１０，１１に示すように、左右の作業灯５１は、収穫装置６に照明光を照射するように構成してある。左の別作業灯５２は、収穫装置６よりも走行車体左横外側に照明光を照射するように構成してある。右の別作業灯５２は、収穫装置６よりも走行車体右横外側に照明光を照射するように構成してある。従って、左右の作業灯５１及び左右の別作業灯５２により、収穫装置６を照明しながら、かつ収穫装置６及び走行車体の左横外側及び右横外側の地面やトウモロコシ植物体を照明しながら作業走行できる。

　図１０，１１に示す照射範囲５５Ａは、後作業灯５５の照射範囲である。図１０，１１に示すように、後作業灯５５は、運転キャビン３０よりも走行車体後方側に設けてある作業台２０、搬送装置８の後部及び回収タンク７を照明し、ファン装置８ａ及び除去装置８ｂなどを点検や修理するとか、回収タンク７の内部を観察するなどの作業を容易にする。

　図１１に示す照射範囲５４Ｄは、左横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横内側の下前照灯５４、及び右横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横内側の下前照灯５４の照射範囲である。図１１に示す照射範囲５３Ｕは、左横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横外側の下前照灯５３、及び右横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横外側の下前照灯５３の照射範囲である。図１１に示すように、左横端寄り及び右横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横内側の下前照灯５４は、前方照明を下向き照射状態で行うように構成してあり、照明光を前下向きに照射する。左横端寄り及び右横端寄りの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横外側の下前照灯５３は、前方照明を上向き照射状態で行うように構成してあり、走行車体横内側の下前照灯５４による照明光の照射方向よりも上向きの照射方向に照射光を照射する。

　運転部３について説明する。
　図５は、運転部３を示す正面図である。図６は、運転部３を示す平面図である。図５，６に示すように、運転部３には、運転キャビン３０の内部の走行車体横方向での中央部に設けた運転座席６０、運転座席６０の右横側方に設けたサイドパネル６１、運転座席６０の前方に設けた操縦塔６２、操縦塔６２に支持された操向操作具６３、運転座席６０及びサイドパネル６１の前方に設けた通路部６４を備えてある。操縦塔６２の右横側方に、ブレーキペダル６５及びアクセルペダル６６を設けてある。運転座席６０の前方に、メータパネル６７及びサンバイザー６８を通路部６４の上方に配置して設けてある。運転座席６０の前方に、左右一対の足載せ台６９，６９を設けてある。

　運転座席６０は、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して走行車体左横側に偏倚する状態で設けてある。

　通路部６４は、床面３４ａを運転部３の全幅にわたって設けて形成してある。従って、通路部６４は、床面３４ａの上を移動して、かつ運転座席６０及びサイドパネル６１と操縦塔６２との間を移動して運転部３の全幅にわって移動できるように、運転部３の全幅にわたって位置させてある。

　床面３４ａを運転部３の全長にわたって設けるとともに、運転座席６０のサイドパネル６１が位置する側とは反対側（運転座席６０の左横側）、サイドパネル６１の運転座席６０が位置する側とは反対側（サイドパネル６１の右横側）、及び操縦塔６２の両横側に、通路部６４と連なる空間Ｓを設けてある。従って、運転座席６０の横側の空間Ｓ、サイドパネル６１の横側の空間Ｓ、及び操縦塔６２の両横側の空間Ｓを、補助作業者や荷物の搭乗や積み込みなどに利用することが可能である。

　図６，１２に示すように、サイドパネル６１の前端における左右の角部６１ａを、平面視で円弧形状に形成してある。図５，７に示すように、サイドパネル６１は、運転座席６０の横側に立設されたサイドケース７０の上端部に配備されている。サイドケース７０は、走行車体前方側部における上端側部分７０ａが下端側部分７０ｂよりも前方側に膨出した形状に形成してある。従って、サイドケース７０の上端側部分７０ａの下方に床面３４ａを入り込ませながら、サイドパネル６１の前端を運転座席６０の前端寄りに位置させることができる。従って、通路部６４を移動する作業者は、サイドケース７０の付近の床面３４ａが広いことにより、サイドパネル６１の左の角部６１ａ及び右の角部６１ａに当たり難いことにより、移動し易い。

　操縦塔６２に支持された操向操作具６３は、操縦塔６２にハンドル軸６３ａ（図１３参照）を介して回転操作自在に支持されたステアリングホイールによって構成してある。以下、操向操作具６３をステアリングホイール６３と呼称する。ステアリングホイール６３は、左右一対の後車輪２，２の操向操作部に連係されたステアリングシリンダの操作バルブに連係されている。ステアリングホイール６３は、回転操作されることにより、ステアリングシリンダを駆動操作することで、左右一対の後車輪２，２を操向操作する。

　図７に示すように、操縦塔６２にチルト機構７１を内装してある。チルト機構７１にペダルアーム７２ａが連係されたチルトペダル７２を、運転座席６０の前方下方に、操縦塔６２の下部の後側に位置させて設けてある。チルト機構７１は、操縦塔６２のうちのステアリングホイール６３を支持している上側塔部６２ａを床部３４に固定された下側塔部６２ｂに対して走行車体前後方向に揺動させることにより、ステアリングホイール６３の角度調節を行う。チルト機構７１は、チルトペダル７２が踏込み操作されることによってロック解除状態に切り換え操作され、チルトペダル７２の踏込み操作が解除されることによってロック状態に切り換え操作されるように構成してある。

　従って、チルト機構７１は、チルトペダル７２の踏込み操作の維持によってロック解除状態に維持されながら、ステアリングホイール６３の移動操作によって上側塔部６２ａが走行車体前後方向に揺動操作されることにより、ステアリングホイール６３の取付角度を前後に変更調節する。チルト機構７１は、チルトペダル７２の踏込み操作が解除されてロック状態に切り換え操作されることにより、ステアリングホイール６３の取付角を変更調節した取付角に固定する。

　図１３に示すように、チルトペダル７２の走行車体横方向幅７２Ｗを、チルトペダル７２が操縦塔６２の走行車体横方向での中心Ｔよりも走行車体左横外側方に位置する箇所と、操縦塔６２の走行車体横方向での中心Ｔよりも走行車体右横外側方に位置する箇所とにわたって位置する幅に設定してある。

　従って、運転座席６０のサイドパネル側とは反対側の横側方箇所からこの横側方箇所とは反対側に通路部６４を移動する際も、サイドパネル６１の運転座席側とは反対側の横側方箇所からこの横側方箇所とは反対側に通路部６４を移動する際も、チルトペダル７２に足が届き易くてチルトペダル７２を操作し易い。つまり、チルト機構７１を容易に操作し、ステアリングホイール６３と運転座席６０及びサイドパネル６１との間を通り易いように、ステアリングホイール６３を走行車体前方側に移動させることができる。

　図７，１２に示すように、サイドパネル６１に、主変速操作具７５、アクセル操作具７６、副変速操作具７７及び作業クラッチ操作具７８を設けある。

　主変速操作具７５及びアクセル操作具７６は、サイドパネル６１のうちの車体前方側の部位６１Ｆ（前端寄りの部位）に設けてある。主変速操作具７５は、サイドパネル６１の車体前方側の部位６１Ｆのうち、運転座席寄りの部位に設け、アクセル操作具７６は、サイドパネル６１の車体前方側の部位６１Ｆのうち、主変速操作具７５に対して運転座席６０が位置する側とは反対側の部位に設けてある。

　副変速操作具７７及び作業クラッチ操作具７８は、サイドパネル６１のうちの主変速操作具７５よりも後方に位置する部位に設けてある。副変速操作具７７及び作業クラッチ操作具７８は、サイドパネル６１のうちの車体後方側の部位６１Ｒに設けてある。作業クラッチ操作具７８は、サイドパネル６１の車体後方側の部位６１Ｒのうち、副変速操作具７７に対して運転座席６０が位置する側とは反対側の部位に設けてある。

　図１４，１５，１６に示すうように、主変速操作具７５は、サイドケース７０の上端側部分７０ａの内部において支持部材８０に中継部材８１を介して支持されている。中継部材８１は、支持部材８０に対して走行車体横向きの第１揺動軸芯Ｐ１まわりに揺動自在に連結されている。中継部材８１は、主変速操作具７５の基部７５ａを第１揺動軸芯Ｐ１と異なる方向の第２揺動軸芯Ｐ２まわりに揺動自在に支持している。従って、主変速操作具７５は、第１揺動軸芯Ｐ１まわりに走行車体前後方向に揺動操作することができ、第２揺動軸芯Ｐ２まわりに走行車体横方向に揺動可能である。

　主変速操作具７５は、前輪駆動装置８２（図１参照）に設けられた静油圧式無段変速装置８３（図１参照）の変速操作部に連係されている。以下、静油圧式無段変速装置８３を無段変速装置８３と略称する。主変速操作具７５は、サイドケース７０の内部及びサイドパネル６１に設けてあるレバーガイド８４に案内されて走行車体前後方向に揺動操作されることにより、無段変速装置８３を変速操作することによって、左右一対の前車輪１，１を前進側と後進側とに切り換えて駆動操作し、かつ左右一対の前車輪１，１の前進側及び後進側の駆動速度を無段階に変速操作する。

　詳述すると、図１７に示すように、レバーガイド８４に設けた一つの屈曲形状のガイド溝により、前進高速操作域ＦＨと前進低速操作域ＦＬと中立操作域Ｎと後進操作域Ｒとを走行車体前後方向に連続して並ぶ状態で形成してある。ガイド溝の屈曲により、前進高速操作域ＦＨと前進低速操作域ＦＬとを走行車体横方向に位置ずれして連続する状態で形成してある。前進高速操作域ＦＨのうちの前進低速操作域側とは反対の端縁８４ａ（前進高速操作域ＦＨの両横端のうちの前進低速操作域ＦＬに対して遠い側の横端の縁）と、前進低速操作域ＦＬの前進高速操作域側の端縁８４ｂ（前進低速操作域ＦＬの両横端のうちの前進高速操作域ＦＨに近い側の横端の縁）とを連結する部位８４ｃ（以下、部位８４ｃを連結部位８４ｃと呼称する。）を、後方側ほど前進低速操作域ＦＬに近づく傾斜形状に形成してある。

　主変速操作具７５を前進高速操作域ＦＨに操作することにより、無段変速装置８３が移動走行用の前進高速の駆動状態になる。主変速操作具７５を前進低速操作域ＦＬに操作することにより、無段変速装置８３が作業走行用の前進低速の駆動状態になる。主変速操作具７５を中立操作域Ｎに操作することにより、無段変速装置８３が中立状態になる。主変速操作具７５を後進操作域Ｒに操作することにより、無段変速装置８３が後進走行用の駆動状態になる。

　主変速操作具７５は、無段変速装置８３を中立状態に操作した際、前輪駆動装置８２に設けられた走行ブレーキを入り状態に切り換え操作することで左右一対の前車輪１，１にブレーキを掛けるように、走行ブレーキに連係されている。

　前進高速操作域ＦＨから前進低速操作域ＦＬに操作される主変速操作具７５は、連結部位８４ｃの傾斜形状による案内を受け、途中で停止することなく前進低速操作域ＦＬにスムーズに移動する。従って、走行車体を停止操作する際、主変速操作具７５を前進高速操作域ＦＨから中立操作域Ｎにスムーズに切換え操作することができ、無段変速装置８３を中立状態にスムーズに変速でき、かつ前車輪１にブレーキをスムーズに掛けることができる。

　図１４に示すように、主変速操作具７５は、支持部材８０とレバーガイド８４との位置関係の設定により、前進高速操作域ＦＨ、前進低速操作域ＦＬ、中立操作域Ｎ及び後進操作域Ｒのいずれに操作された状態においても、第２揺動軸芯Ｐ２まわりに運転座席側に傾斜した傾斜姿勢、すなわち握り部側ほど運転座席６０に近づく傾斜姿勢で支持される。従って、主変速操作具７５は、握り部７５ｂが揺動支点となる基部７５ａに対して運転座席側に偏倚した状態で支持される。

　図１５、１６に示すように、副変速操作具７７は、サイドケース７０の後部内に設けた支持部材８６に走行車体前後方向及び走行車体横方向に揺動自在に支持されている。副変速操作具７７は、前輪駆動装置８２に設けられたギヤトランスミッションで成る副変速装置８７（図１参照）の変速操作部に連係されている。副変速操作具７７は、サイドケース７０の内部及びサイドパネル６１に設けてあるレバーガイド８８によって案内されて走行車体前後方向に揺動操作されることにより、副変速装置８７を高速、中速、低速の三段階に変速操作して、左右一対の前車輪１，１の駆動速度の副変速を行う。

　アクセル操作具７６は、サイドケース７０の上端側部分７０ａの内部において支持部材８０に走行車体前後方向に揺動自在に支持されている。アクセル操作具７６は、走行車体前後方向に揺動操作することにより、エンジン４に設けられたアクセル装置を変速操作してエンジン４の回転速度を変更調節するように、アクセル装置に連係されている。アクセル操作具７６は、任意の操作位置に摩擦機構によって保持され、エンジン４を調節した回転速度に保持する。

　図１５，１６に示すように、作業クラッチ操作具７８は、サイドケース７０の後部内において支持部材８５に走行車体前後方向に揺動自在に支持されている。作業クラッチ操作具７８は、エンジン４の出力を収穫装置６、搬送装置８及び細断装置９に伝達する主クラッチの操作部に連係されている。作業クラッチ操作具７８は、走行車体前後方向に揺動操作されることにより、主クラッチを入り状態と切り状態とに切換え操作して、収穫装置６を駆動操作及び停止操作する。

　図７に示すように、サイドパネル６１のうちの作業クラッチ操作具７８を設けてある走行車体後方側の部位６１Ｒの上面６１ＲＵを、走行車体前方側の部位６１Ｆの上面６１ＦＵよりも高く設定してある。作業クラッチ操作具７８は、走行車体前方側に揺動操作した場合、（収穫装置６を駆動操作した場合）、握り部７８ａがサイドパネル６１の走行車体前方側の部位６１Ｆの上方に位置するように構成してある。

　アクセルペダル６６は、エンジン４のアクセル装置を調速操作することによってエンジン４の回転数を変更調節するように、アクセル装置に連係されている。

　ブレーキペダル６５は、踏込操作されることにより、前輪駆動装置８２に設けられた走行ブレーキ８９（図１参照）を入り状態と切り状態に切り換え操作して、左右一対の前車輪１，１を制動状態と制動解除状態とに切換え操作するように、走行ブレーキ８９に連係されている。ブレーキペダル６５を踏込操作すると、検出スイッチが作用して、走行車体の後部の左右に設けてあるブレーキランプが点灯される。

　左右一対の足載せ台６９，６９は、操縦塔６２の両横側の夫々に一つずつ位置するように配置してある。左右の足載せ台６９は、運転座席６０に着座した運転者が前屈み体勢を採る際、使用されることにより、踏ん張りを効かせて前屈み姿勢を採り易くする。左右の足載せ台６９は、下向きに開口するＵ字状に形成されたロッド部材によって構成してある。

　図８，１８に示すように、メータパネル６７は、運転キャビン内のうちの運転キャビン３０の前壁部３１の上端側に、計器盤９１に設けたメータ支持部９１ａに支持された状態で設けてある。計器盤９１は、前壁部３１を支持する横向きの上フレーム４３の所定箇所にステーを取付けて設けられた計器盤支持部４３ｂに支持されている。

　メータパネル６７は、運転キャビン３０の前壁部３１を構成するフロントガラス３１ａの上端３１ｔよりも上方に位置している。メータパネル６７は、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して走行車体右横外側方に偏倚している。メータパネル６７が運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して偏倚している方向は、運転座席６０が運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して偏倚している方向とは逆方向になっている。メータパネル６７は、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対し、運転座席６０の主変速操作具７５が位置する側に偏倚している。

　図１９は、メータパネル６７を示す後面図である。図１９に示すように、メータパネル６７は、エンジン４の回転数を表示する回転メータ部９２、エンジン４の稼働時間及びエンジン燃料の残量を表示する液晶表示部９３、バッテリーの充電に関する警告を表示し、かつエンジン４の稼働に関する警告を表示する警告灯部９４、及び方向指示の表示灯９５を備えている。

　計器盤９１のメータ支持部９１ａに、ワイパースイッチ９７及び作業灯スイッチ９８を含んだ第１スイッチ群Ｓ１をメータパネル６７に隣接させて設けてある。第１スイッチ群Ｓ１は、メータパネル６７の車体横方向中央側に隣接している。

　ワイパースイッチ９７は、運転キャビン３０の前外上部に設けたワイパー９９（図４参照）を駆動する電動モータを駆動操作及び停止操作することにより、ワイパー９９を駆動操作及び停止操作するように構成してある。作業灯スイッチ９８は、左右一対の作業灯５１，５１及び左右の別作業灯５２を点灯操作及び消灯操作するように構成してある。

　図８，１８に示すように、サンバイザー６８は、前壁部３１の上端部の内側に上フレーム４３に支持させて設けてある。サンバイザー６８は、支軸６８ａの軸芯まわり上下に揺動操作することにより、下降使用姿勢と上昇格納姿勢とに切り換えることができる。

　図７，１３に示すように、操縦塔６２の上部に運転パネル１００を設けてある。運転パネル１００に、エンジンスタータスイッチ１０１、ホーンスイッチ１０２、方向指示灯スイッチ１０３及び前照灯スイッチ１０４を含む第２スイッチ群Ｓ２を設けてある。運転パネル１００のうち、ハンドル軸６３ａに対して主変速操作具７５が位置する側とは反対側の部位に、上面視でステアリングホイール６３の外周の下方箇所近傍まで延出した延出部１００ａを設けてある。この延出部１００ａに、第２スイッチ群Ｓ２のうちの方向指示灯スイッチ１０３及び前照灯スイッチ１０４を設けてある。

　エンジンスタータスイッチ１０１は、エンジンキーを差し入れて操作されることにより、エンジンスタータ装置を駆動操作することによってエンジン４を始動させるように、エンジンスタータ装置の駆動回路に連係させてある。

　ホーンスイッチ１０２は、入り操作されることによって警報ホーンを作動操作するように、ホーン制御器１１３（図２１参照）に連係させてある。

　方向指示灯スイッチ１０３及び前照灯スイッチ１０４は、コンビネーションスイッチによって構成してある。方向指示灯スイッチ１０３は、操作レバー１０３ａの揺動操作によって切換え操作されることにより、左右の方向指示灯のうち、操作レバー１０３ａの操作方向に対応した方向指示灯を点灯操作するように、方向指示灯の制御ユニット１１２（図２１参照）に連係させてある。

　前照灯スイッチ１０４は、操作部１０４ａの回転操作によって消灯位置、下向き点灯位置及び上向き点灯位置の三位置に切換え自在なスイッチによって構成してある。

　前照灯スイッチ１０４は、下向き点灯位置に操作されることにより、左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横内側の下前照灯５４を点灯操作するように構成してある。従って、この場合、４個の下前照灯５３，５４で成る下前照灯全体としては、下向き照射状態になる。前照灯スイッチ１０４による左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの車体横内側の下前照灯５４の点灯操作によって左右一対の上前照灯５０，５０が点灯操作されるように構成してある。従って、前照灯スイッチ１０４を下向き点灯位置に操作することにより、左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの下前照灯５４及び左右一対の上前照灯５０，５０を点灯させることができる。

　前照灯スイッチ１０４は、上向き点灯位置に操作されることにより、左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの２個の下前照灯５３，５４のうちの走行車体横外側の下前照灯５３を点灯操作するように構成してある。従って、この場合、４個の下前照灯５３，５４で成る下前照灯全体としては、上向き照射状態になる。前照灯スイッチ１０４による左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの走行車体横外側の下前照灯５３の点灯操作によって左右一対の上前照灯５０，５０が点灯操作されるように構成してある。従って、前照灯スイッチ１０４を上向き点灯位置に操作することにより、左横端端寄り及び右横端寄りそれぞれの下前照灯５３及び左右一対の上前照灯５０，５０を点灯させることができる。

　図５，６に示すように、サイドケース７０に対して運転座席６０が位置する側とは反対側に、制御装置１０６を設けてある。具体的には、図２０に示すように、制御装置１０６は、サイドケース７０に対して運転座席６０が位置する側とは反対側において床面３４ａと後壁部３３とによって形成される隅部１０７に、支持台１０８に支持された状態で設けてある。隅部１０７のうちの支持台１０８よりも下方の部位に、後壁部３３の下端部３３ｂを支持台１０８の支持台本体部１０８ａに平行な傾斜姿勢で配備してある。制御装置１０６の運転部内側をカバー１０９によって覆ってある。

　図２０に示すように、支持台１０８は、制御装置１０６を載置されて支持する支持台本体部１０８ａと、支持台本体部１０８ａから前方に延出した前取付部１０８ｂと、支持台本体部１０８ａから後方に延出した後取付部１０８ｃとを備えている。支持台１０８は、前取付部１０８ｂを床面３４ａに当て付けて連結ネジによって連結し、後取付部１０８ｃを後壁部３３に当て付けて連結ネジによって連結することによって支持されている。支持台本体部１０８ａの取付姿勢が後端側ほど高くなる傾斜状態の取付姿勢になっている。

　カバー１０９は、制御装置１０６の上方に支持台本体部１０８ａと平行又はほぼ平行に位置する上カバー部１０９ａと、上カバー部１０９ａの両横端部から支持台１０８に向かって延出した横カバー部１０９ｂとを備えている。カバー１０９は、左右の横カバー部１０９ｂを支持台１０８に連結ネジによって連結することによって支持されている。

　図２１は、制御装置１０６を示す横断平面図である。図２１に示すように、制御装置１０６は、支持台本体部１０８ａに固定されるケース１１１と、ケース１１１に収容された方向指示灯の制御ユニット（フラッシャユニット）１１２と、ホーン制御器１１３と、油圧駆動の電子制御ユニット１１４と、リレー回路装置１１５とを備えている。

　図１４は、主変速操作具７５と無段変速装置８３とを連係する主変速連係機構１２０、及び副変速操作具７７と副変速装置８７とを連係する副変速連係機構１３０を示す正面図である。図１５は、主変速連係機構１２０及び副変速連係機構１３０を示す側面図である。図１６は、主変速連係機構１２０及び副変速連係機構１３０を示す斜視図である。

　図１４，１５，１６に示すように、主変速連係機構１２０は、主変速操作具７５と支持部材８０とを連結する中継部材８１に第１揺動軸芯Ｐ１まわりに一体揺動自在に設けたレバー側揺動アーム１２１と、無段変速装置８３（図１参照）の操作部に連係された回転連動軸１２２に一体回動自在に設けた軸側揺動アーム１２３と、この軸側揺動アーム１２３とレバー側揺動アーム１２１とを連結する連動ロッド１２４とを備えている。

　図１４，１５，１６に示すように、副変速連係機構１３０は、副変速操作具７７と支持部材８６とを連結する中継部材１３１に一体回動自在に設けたレバー側揺動アーム１３２と、副変速装置８７（図１参照）の操作部に連係された連動筒軸１３３に一体回転自在に設けた軸側揺動アーム１３４と、この軸側揺動アーム１３４とレバー側揺動アーム１３２とを連結する連動ロッド１３５とを備えている。連動筒軸１３３と回転連動軸１２２とは、連動筒軸１３３が回転連動軸１２２に相対回転自在に外嵌した二重軸に構成してある。

　副変速連係機構１３０が備える連動ロッド１３５の長さを、主変速連係機構１２０が備える連動ロッド１２４の長さよりも長く設定してある。レバー側揺動アーム１２１及びレバー側揺動アーム１３２に、連動ロッド１２４，１３５の誤った連結向きでの連結を防止するストッパー１２１ａ，１３２ａを設けてある。軸側揺動アーム１２３とレバー側揺動アーム１３２とを通る直線上に、レバー側揺動アーム１３２に対する誤った連動ロッドの連結を防止するストッパー１３６を設けてある。ストッパー１３６は、支持部材１３７を介して支柱１３８に固定してある。

　従って、主変速操作具７５が副変速装置８７に誤って連係される誤作業、及び副変速操作具７７が無段変速装置８３に誤って連係される誤作業を回避できるようになっている。
　つまり、レバー側揺動アーム１２１にあっては、連動ロッド１２４のジョイント１２４ａを矢印１２５で示す連結方向から連結するべきであるのに、反対の連結方向から連結しようとすると、ジョイント１２４ａがストッパー１２１ａに当たって受け止められることにより、連結できない。レバー側揺動アーム１３２にあっては、連動ロッド１３５のジョイント１３５ａを矢印１３９で示す連結方向から連結するべきであるのに、反対の連結方向から連結しようとすると、ジョイント１３５ａがストッパー１３２ａに当たって受け止められることにより、連結できない。

　主変速連係機構１２０のための連動ロッド１２４を、主変速連係機構１２０の軸側揺動アーム１２３に連結した後、副変速連係機構１３０のレバー側揺動アーム１３２に連結しようとしても、連動ロッド１２４の長さが短過ぎることによって連結できない。副変速連係機構１３０のための連動ロッド１３５を、副変速連係機構１３０の軸側揺動アーム１３４に連結した後、主変速連係機構１２０のレバー側揺動アーム１２１に連結しようとしても、連動ロッド１３５の長さが長過ぎることによって連結できない。

　副変速連係機構１３０のための連動ロッド１３５を、副変速連係機構１３０のレバー側揺動アーム１３２に連結した後、主変速連係機構１２０の軸側揺動アーム１２３に連結しようとすると、連動ロッド１３５がストッパー１３６に当接して受け止められて軸側揺動アーム１２３に連結できない。

　副変速連係機構１３０のための連動ロッド１３５を、副変速連係機構１３０のレバー側揺動アーム１３２に連結した後、副変速連係機構１３０の軸側揺動アーム１３４に連結しようとした際、この軸側揺動アーム１３４に主変速連係機構１２０のための連動ロッド１２４が既に連結されていると、連動ロッド１３５を軸側揺動アーム１３４に連結できるにもかかわらず、連動ロッド１２４が既に連結していることにより、この連動ロッド１２４の連結が誤りであることを認識できる。

［第１実施例とは別構造を備えた収穫機］
　図２２は、別の実施構造を備えた収穫機を示す側面図である。別の実施構造を備えた収穫機は、稲、麦など植立穀稈を収穫装置６によって刈取るように構成し、収穫装置６から搬送装置８によって搬送された刈取り穀稈を脱穀処理する脱穀装置１４１、及び脱穀装置１４１からの脱穀粒を貯留する穀粒タンク１４２を備えている。

［第１実施例の別実施例］
（１）上記した第１実施例では、メータパネル６７が運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して走行車体左横外側方に偏倚した構成を採用して例を示したが、運転キャビン３０の走行車体横方向中心Ｃに対して走行車体右横外側方に偏倚した構成を採用して実施してもよい。

（２）上記した第１実施例では、収穫したトウモロコシを収穫物回収タンク７に貯留するよう構成した例を示したが、収穫したトウモロコシを脱穀するように構成して、あるいは収穫したトウモロコシを車体外に放出しながら作業するように構成して実施してもよい。

（３）上記した第１実施例では、副変速装置８７を設けた例を示したが、副変速装置８７を設けずに実施してもよい。この場合、上記した実施で示した主変速操作具７５を変速操作具として備えることになる。

（４）上記した第１実施例では、運転キャビン３０を設けた例を示したが、運転キャビン３０を設けないで実施してもよい。また、運転キャビン３０に替え、運転部３を囲う枠体を設けて実施してもよい。

（５）上記した第１実施例では、上前照灯５０及び下前照灯５３，５４を複数個、設けた例を示したが、上前照灯及び下前照灯を一個ずつ設けて実施してもよい。

（６）上記した第１実施例では、上前照灯５０及び下前照灯５３，５４の複数個を、運転キャビン３０の左右の横端寄りの部位に分けて設けて例を示したが、運転キャビン３０の中央寄りの部位に纏めて設けて実施してもよい。

（７）上記した第１実施例では、４個の下前照灯５３，５４を設けた例を示したが、３個以下あるいは、５個以上、設けて実施してもよい。

（８）上記した第１実施例では、前下向き照射と、前下向きよりも上向きの照射との切換えを可能にするのに、照明光を前下向きに照射する下向き照射専用の前照灯と、照明光を前下向きよりも上向きに照射する上向き照射専用の前照灯とを採用することで可能にした例を示したが、前下向き照射の機能と前下向きよりも上向き照射の機能との両機能を備えた前照灯を採用することで可能にして実施してもよい。また、両機能を備えた前照灯としては、両機能を同一のバルブに備えさせて成る前照灯、あるいは、両機能を別々に備えた一対のバルブをまとめて一つの前照灯に備えさせて成る前照灯を採用してもよい。

（９）上記した第１実施例では、トウモロコシ、稲及び麦を収穫対象とする収穫機を一例に示したが、本発明は、ニンジン、サトウキビ、大豆など各種の作物を収穫対象とする収穫機に利用できる。

［第２実施例］
　以下、本発明の第２実施例を図面に基づいて説明する。
［全体構成］
　図２３、図２４に収穫機（作業機）の一例としてホイール走行型のトウモロコシ収穫機を示している。このトウモロコシ収穫機は、走行装置としての左右一対の前車輪２０１と、左右一対の後車輪２０２とを備えると共に、走行機体Ｆの前部位置にキャビン２０３を備えている。走行機体Ｆの前端に昇降自在に収穫部Ａａを備え、走行機体Ｆの中央位置には収穫部Ａａで収穫したトウモロコシを後方上方に搬送するフィーダＢａを備えている。走行機体Ｆの後端位置にはフィーダＢａで搬送されたトウモロコシを貯留する貯留タンクとしての収穫物タンク２０４を備え、走行機体Ｆの下側で前車輪２０１と後車輪２０２との中間には残稈処理装置Ｃａを備えている。

　本第２実施例では、前車輪２０１を走行装置の具体例として示しているが、走行装置が前車輪２０１と後車輪２０２と駆動する４輪駆動型に構成されるものでも良い。また、走行装置として、６輪や８輪以上の多数の車輪を備え、全ての車輪を駆動する全輪駆動側に構成されるものでも良く、走行装置としてクローラベルトを有するクローラ走行装置に構成されるものでも良い。

　植物としてのトウモロコシは、植立する茎稈に対し収穫時期に多数の実を内包する複数の房状部を作る。この房状部の包葉の内部に多数の種子（穀物としてのトウモロコシ）が含まれ、この種子は棒状の芯の外面に整列する形態で形成される。本発明においてトウモロコシと称する場合には、棒状の芯の外周に多数の種子を備えたもの（収穫物の具体例）を指す。

（走行機体の構成）
　図２３～図２５に示すように、走行機体Ｆは、前後に延びる左右一対の機体フレーム２０６と、この前部位置のキャビンフレーム２０７と、走行機体Ｆの前後方向の中央位置の原動部フレーム２０８と、機体フレーム２０６の後部位置のタンクフレーム２０９とを連結して構成されている。機体フレーム２０６の前部位置には左右の前車輪２０１に駆動力を伝える変速ケースＭが支持されている。機体フレーム２０６の後部位置には左右の後車輪２０２を支持する後車輪フレーム２１１が支持され、この後車輪フレーム２１１と平行する姿勢でステアリングシリンダ２１２（油圧機器の一例）が備えられている。なお、変速ケースＭは、潤滑油（オイル）の貯留部として機能する。

　キャビンフレーム２０７は、キャビン２０３を支持するように配置されている。原動部フレーム２０８は、左右一対の機体フレーム２０６の横幅方向に形成され、これにエンジン２１０が支持され、この上方にラジエータ２１３が備えられる。

　タンクフレーム２０９に対し、走行機体Ｆの左側で前後向き姿勢の切換軸芯Ｑを中心に揺動自在に収穫物タンク２０４が支持され、この収穫物タンク２０４を前後から挟む位置にダンプシリンダ２１９（油圧機器の一例）が配置されている。ダンプシリンダ２１９は、ボトム側を機体フレーム２０６に支持し、ピストンロッドの先端側を収穫物タンク２０４に支持している。

　この構成により、ダンプシリンダ２１９が収縮する状態では、この収穫物タンク２０４の上部開口２０４Ａが上方に開放する格納姿勢に保持され、ダンプシリンダ２１９を伸長させることにより、上部開口２０４Ａが側方に開放してトウモロコシの排出が可能となる排出姿勢に設定される。

　図２３に示すように、収穫部Ａａは、機体フレーム２０６の前端位置に対して横向き姿勢の揺動軸芯Ｒａを中心に揺動自在に支持され、この収穫部Ａａの前端側を昇降させる左右一対のリフトシリンダ２１４（油圧機器の一例）を走行機体Ｆの前部位置に備えている。このリフトシリンダ２１４は基端部が、支持フレーム２６３に支持され、ピストンロッドの先端側が収穫部Ａａに連結されている。この構成により、リフトシリンダ２１４の伸縮により揺動軸芯Ｒａを中心にする揺動により収穫部Ａａの前端側の昇降が可能となる。なお、支持フレーム２６３は潤滑油（オイル）の貯留部として機能する。

　この収穫部Ａａは、横方向に並列する複数列の導入経路が形成され、夫々の導入経路において穀稈から分離されたトウモロコシを後方に挟持搬送するように、導入経路を挟む位置に搬送機構２１５が配置されると共に、搬送機構２１５で搬送されたトウモロコシを横方向の中央位置に移送するように横向き姿勢の軸芯を中心に回転するオーガ２１６を備えている。

　フィーダＢａは、オーガ２１６の中央位置に移送されたトウモロコシを、後方上方に搬送するように斜め姿勢となる筒状ケース２１７の内部にコンベアを備えて構成されている。このフィーダＢａの搬送終端位置にはトウモロコシと共に排出される葉の一部や稈身の一部等の非収穫物を風圧により吹き飛ばす排塵ファン２１８を備えている。

　残稈処理装置Ｃａは、横向き姿勢の回転軸２２１に対して複数の破砕刃２２１Ａを備え、これらを下方に開放する処理ケース２２２の内部に備えた構成を有している。エンジン２１０から伝えられる駆動力により回転軸２２１が回転し、破砕刃２２１Ａが圃場面の残稈を細断破砕し、土壌に拡散させる処理を行う。

　また、走行機体Ｆの中央位置には、縦向き姿勢の昇降シリンダ２２３（油圧機器の一例）が備えられている。昇降シリンダ２２３はボトム側を機体フレーム２０６に支持し、ピストンロッドの先端に回転自在にスプロケットを備えている。機体フレーム２０６に一端を連結し、他端を残稈処理装置Ｃａに連結したチェーン２２４の中間をスプロケットに巻き掛けている。この構成により、昇降シリンダ２２３を収縮させることにより、チェーン２２４を弛緩させて残稈処理装置Ｃａを地面に接地させ、昇降シリンダ２２３を伸長させることにより、残稈処理装置Ｃａを地面から上方に離間させることが可能となる。

　キャビン２０３は前面には透明ガラス製のフロントガラス２２５を備え、側部には開閉自在に透明ガラス製のドア２２６を備えている。キャビン２０３の内部には作業者が着座する運転座席２２７と、ステアリングホイール２２８と、ブレーキペダル２２９を備えている。キャビンフレーム２０７の左側部には、縦向き姿勢の支軸を中心に姿勢変更自在に乗降用のラダー２３０を備えている。

　また、このトウモロコシ収穫機では、エンジン２１０の駆動力をベルト式の主伝動ユニットにより変速ケースＭに伝える走行伝動系を有している。これと同様にエンジン２１０の駆動力をカウンター軸に伝え、このカウンター軸から収穫部ＡａとフィーダＢａと残稈処理装置Ｃａとに伝えるベルト式の伝動ユニットを備えている。

　このような構成から、トウモロコシ収穫機は、左右の前車輪２０１の駆動により走行機体Ｆを走行させ、キャビン２０３の内部のステアリングホイール２２８の操作でステアリングシリンダ２１２を制御して操向制御が可能となる。また、収穫作業時には、収穫部ＡａとフィーダＢａとを駆動することにより、収穫部Ａａでトウモロコシが収穫され、収穫されたトウモロコシがフィーダＢａで搬送され、収穫物タンク２０４の上部開口２０４Ａから内部に落下供給する形態で貯留される。このように収穫物タンク２０４に貯留されたトウモロコシはダンプシリンダ２１９の作動により収穫物タンク２０４から排出可能となる。

　また、フィーダＢａでトウモロコシと伴に搬送される葉の一部や稈身の一部は排塵ファン２１８からの風圧により吹き飛ばされる。更に、収穫作業により圃場面に残された穀稈は、残稈処理装置Ｃａにより破砕され土壌に拡散される形態で処理される。

（走行伝動系）
　図２７、図２８、図３０～図３３に示すように、このトウモロコシ収穫機では、変速ケースＭで変速された駆動力を左右の前車輪２０１（走行装置の一例）に伝える伝動機構を備えている。伝動機構は、変速ケースＭと、左右一対の走行駆動軸２６１と、左右一対の伝動ケースＴａと、左右一対の駆動軸ケース２６２とを備えて構成されている。この伝動機構では、変速ケースＭで変速された駆動力を左右一対の走行駆動軸２６１から左右の伝動ケースＴａに伝え、更に、この伝動ケースＴａから左右の前車輪２０１に伝える。左右の走行駆動軸２６１は、左右の駆動軸ケース２６２に収容されており、この駆動軸ケース２６２で保護される。

　また、駆動軸ケース２６２の内部空間が内端位置で変速ケースＭの内部空間に連通し、駆動軸ケース２６２の内部空間が外端位置で伝動ケースＴａの内部空間に連通している。これにより、変速ケースＭの内部空間と、駆動軸ケース２６２の内部空間と、伝動ケースＴａの内部空間との間での潤滑油（オイル）の流通が可能となる。前述したように変速ケースＭは潤滑油（オイル）の貯留部として機能し、これに連通状態で連結する駆動軸ケース２６２と、伝動ケースＴａとが潤滑油（オイル）の貯留部として機能する。このトウモロコシ収穫機では潤滑油（オイル）を貯留するための専用のタンク（例えば、リザーブタンク）を備え、このタンクを、変速ケースＭ、支持フレーム２６３、あるいは、駆動軸ケース２６２に連通させるように構成しても良い。

　更に、左右の伝動ケースＴａで対向する面（走行機体Ｆの中央に向かう面）に対して筒状の支持フレーム２６３の両端部が連結している。この支持フレーム２６３は、円筒状であり、左側の端部を左側の伝動ケースＴａの下部位置に挿入する状態で連結し、右側の端部を右側の伝動ケースＴａの下部位置に挿入する状態で連結している。これにより左右の伝動ケースＴａの内部空間と支持フレーム２６３の内部空間とが連通し、これらの間での潤滑油（オイル）の流通が可能となる。なお、支持フレーム２６３は４角形や６角形等の多角形となる筒状材を用いることが可能である。

　前述したように支持フレーム２６３に対して左右一対のリフトシリンダ２１４の基端部分が支持されている。この支持フレーム２６３の一方の端部に備えたブラケット２６４が、一方の伝動ケースＴａに連結することにより支持フレーム２６３の位置が固定されている。

（走行伝動系：変速ケース）
　図３０～図３２に示すように、変速ケースＭは、ケース体２３４により外壁が形成されると共に、上部位置には入力プーリ２３５と一体回転する入力軸２３６を備え、これより下側に上部中間軸２３７と、下部中間軸２３８とを備えている。この変速ケースＭの上部位置の外壁面には、静油圧式の無段変速装置Ｖ（油圧機器の一例）を備えている。変速ケースＭの内部で上部中間軸２３７には遊星変速部Ｍｐ（ギヤ式減速機構の一例）を備え、上部中間軸２３７と下部中間軸２３８との間には副変速部Ｍｓを備え、この変速ケースＭの下部にはデファレンシャルギヤＭｄを備えている。なお、無段変速装置ＶとしてベルトＣＶＴやトロイダルＣＶＴを用いても良い。

　静油圧式の無段変速装置Ｖは、変速ケースＭの外壁に連結するポートブロック２４１と、この外面に連結する無段変速ケース２４２とで形成される変速空間に対してアキシャルプランジャ型の可変容量ポンプＶｐと、アキシャルプランジャ型の定容量モータＶｍとを収容している。

　可変容量ポンプＶｐは、受動軸２４３と一体的に回転するシリンダブロックと、このシリンダブロックに嵌め込まれた複数のプランジャの作動量を決める斜板２４５とを備えて構成されている。これと同様に、定容量モータＶｍは、変速出力軸２４４と一体的に回転するシリンダブロックと、このシリンダブロックに嵌め込まれた複数のプランジャの作動を回転力に変換する固定斜板とを備えて構成されている。また、ポートブロック２４１には可変容量ポンプＶｐのシリンダと、定容量モータＶｍのシリンダとに連通する油路が形成されている。

　可変容量ポンプＶｐの受動軸２４３を、変速ケースＭの入力軸２３６と同軸芯で連結しており、定容量モータＶｍの変速出力軸２４４を、上部中間軸２３７と同軸芯で相対回転可能に配置している。

　この無段変速装置Ｖは、可変容量ポンプＶｐの斜板２４５の角度を調節することにより、可変容量ポンプＶｐからポートブロック４６送り出されるオイル量を調節し、このポートブロック２４１から定容量モータＶｍに供給されるオイル量を調節して定容量モータＶｍの回転速度の増減速を実現する一般的な構成を有している。

　斜板２４５の角度を変更自在に支持するトラニオン軸２４５Ａが変速ケースＭのケース体２３４に対して回動自在に支持され、図２８に示すようにトラニオン軸２４５Ａを操作する変速操作アーム２４６が、キャビン２０３の内部の主変速レバー、あるいは、変速ペダルと連係している。

　これにより、主変速レバー等の変速操作に伴い斜板２４５の角度を変化させることにより、変速出力軸２４４を一方の方向に回転させる正転駆動状態と、変速出力軸２４４の回転を停止する停止状態と、変速出力軸２４４を逆方向に回転させる逆転駆動状態との間での無段階の変速を実現する。

　遊星変速部Ｍｐは、変速出力軸２４４の軸端に取り付けたサンギヤ２５１と、上部中間軸２３７と一体回転するキャリア２５２と、このキャリア２５２に対して回転自在に支持したプラネタリギヤ２５３と、上部中間軸２３７に回転自在に支持された内歯型のリングギヤ２５４とを備えている。

　サンギヤ２５１は、複数のプラネタリギヤ２５３と咬合し、この複数のプラネタリギヤ２５３はリングギヤ２５４に咬合する。リングギヤ２５４の外周にはギヤ部２５４Ａが形成され、このギヤ部２５４Ａに対して入力軸２３６と一体回転する入力側ギヤ２３９が咬合している。

　この遊星変速部Ｍｐでは、入力軸２３６からの駆動力で受動軸２４３が回転する場合には入力側ギヤ２３９の駆動力によってリングギヤ２５４が回転する。このリングギヤ２５４の回転方向は走行機体Ｆを前進させる方向である。この構成から、無段変速装置Ｖの変速出力軸２４４が停止する状況では、遊星変速部Ｍｐのリングギヤ２５４の回転により前車輪２０１には前進方向に駆動力が伝えられることになる。

　従って、走行機体Ｆの走行を停止させる場合には、リングギヤ２５４の前進方向への駆動力を、変速出力軸２４４の後進方向への回転により相殺するように、斜板２４５の角度を設定することになる。

　このような構成の採用により、走行機体Ｆを前進させる際の変速操作時における斜板２４５の角度の設定可能領域を拡大するとともに、リングギヤ２５４が常に回転するため、このリングギヤ２５４に対して入力側ギヤ２３９で駆動されない構成と比較して前進速度の増大を実現している。

　上部中間軸２３７と下部中間軸２３８との間には、回転速度を高低２段に切り換えるようにギヤ式の副変速部Ｍｓを備えている。更に、下部中間軸２３８の駆動力をデファレンシャルギヤＭｄに伝える中間伝動ギヤ２４０を備えている。尚、副変速部Ｍｓはキャビン２０３の内部の副変速レバーと連係している。

　デファレンシャルギヤＭｄは、中間伝動ギヤ２４０と咬合するデフリングギヤ２５７と、このデフリングギヤ２５７と一体回転するデフケースに回転自在に支持された一対のピニオンギヤ２５８と、一対のピニオンギヤ２５８に咬合する左右一対のサイドギヤ２５９とを備えて構成されている。

（伝動機構）
　前述したように、伝動機構は、変速ケースＭと、左右一対の走行駆動軸２６１と、左右一対の伝動ケースＴａと、左右一対の駆動軸ケース２６２とを備えて構成されている。また、左右の走行駆動軸２６１の内端は、デファレンシャルギヤＭｄの左右のサイドギヤ２５９のうち対応するものと一体回転するようにスプライン嵌合している。この走行駆動軸２６１の外端は伝動ケースＴａの内部空間に挿通している。

　図３３に示すように、左右の伝動ケースＴａは、走行機体Ｆの内側に配置される内側ケース２６５と、走行機体Ｆの外側に配置される外側ケース２６６とを分離自在にボルトにより連結した構造を有している。内側ケース２６５と外側ケース２６６との境界位置となる内部空間に多板摩擦式のブレーキ機構Ｔｂを備え、外側ケース２６６の内部空間にギヤ減速機構Ｔｇ（第１ギヤ減速機構の一例）と、遊星減速機構Ｔｐ（第２ギヤ減速機構の一例）とを備えている。つまり、伝動ケースＴａにおいて走行機体Ｆの中央側に偏位した位置にブレーキ機構Ｔｂを配置し、これより外側にギヤ減速機構Ｔｇと遊星減速機構Ｔｐとを配置している。このように伝動ケースＴａで減速を行うように構成されているため、走行駆動軸２６１に作用するトルクを低減でき、ブレーキ機構Ｔｂに作用するトルクも低減できる。

　図２６、図２７に示すように、左右の伝動ケースＴａの内側ケース２６５は、各々対応する左右の機体フレーム２０６の下面側にボルトにより連結固定されている。この構成により、伝動ケースＴａのメンテナンス等の作業を行う場合には、内側ケース２６５を走行機体側に残したまま、外側ケース２６６を内側ケース２６５から分離することになり内部空間を大きく開放して作業を容易に行える。

　外側ケース２６６の内部空間には走行駆動軸２６１と平行姿勢で、この走行駆動軸２６１より前側に中間支軸２６７が配置されている。ギヤ減速機構Ｔｇは、走行駆動軸２６１の回転を減速して中間支軸２６７に伝える一対の減速ギヤ２６８を備えて構成されている。

　中間支軸２６７と同軸芯となる車軸２６９が外側ケース２６６に対して回転自在に支持されている。車軸２６９は走行駆動軸２６１と平行姿勢であり、この車軸２６９の外端にはハブ２６９Ａが一体的に形成され、このハブ２６９Ａに対して前車輪２０１が取り付けられる。

　また、ギヤ減速機構Ｔｇが配置される内側空間と、遊星減速機構Ｔｐが配置される外側空間との境界位置には、夫々が配置された空間を仕切る形態で外側空間と内側空間との間でのオイルの流れを制限する隔壁２７０を備えている。図３５に示すように、隔壁２７０の上下方向での中間位置には潤滑油の流れを可能にする複数の開口２７０Ａが形成されている。この構成により、開口２７０Ａが潤滑油の流れを確保すると共に、走行機体Ｆが左右方向の何れかに大きく傾斜して、遊星減速機構Ｔｐの部位が持ち上げられる状況においても隔壁２７０が潤滑油の流れを制限して遊星減速機構Ｔｐは充分な作動油を確保する。なお、隔壁２７０は外側ケース２６６と一体的に形成されたものを示しているが、この隔壁２７０は伝動ケースＴａの内部にビス等で固定されるものや、伝動ケースＴａの内部に嵌め込まれるものであっても良い。

　図３０、図３１、図３３に示すように、遊星減速機構Ｔｐは、中間支軸２６７に備えた減速サンギヤ２７１と、これに咬合する複数の減速プラネタリギヤ２７２と、この複数の減速プラネタリギヤ２７２が咬合する減速リングギヤ２７３と、減速プラネタリギヤ２７２の公転力を車軸２６９に伝える減速キャリア２７４とを備えている。尚、減速リングギヤ２７３は外側ケース２６６に対して固定されている。

　このように、伝動機構は、変速ケースＭで変速された駆動力を左右の走行駆動軸２６１から左右の伝動ケースＴａに伝える。伝動ケースＴａでは、走行駆動軸２６１の駆動力をギヤ減速機構Ｔｇの一対の減速ギヤ２６８が減速して中間支軸２６７に伝える。次に、中間支軸２６７の駆動力は、減速サンギヤ２７１から減速プラネタリギヤ２７２に伝えられ、この減速プラネタリギヤ２７２が減速リングギヤ２７３の内周に沿って公転する作動を行う。この公転により減速された駆動力が減速キャリア２７４から車軸２６９に伝えられ、前車輪２０１の駆動による走行が実現する。

　図３３、図３６に示すように、ブレーキ機構Ｔｂは、走行駆動軸２６１の外端に係合する複数の摩擦板と、ケース内面に係合する摩擦板とで成る摩擦板ユニット２８１を備えると共に、これらに圧接方向に力を作用させる圧接リング２８２とを備えて多板摩擦式に構成されている。この圧接リング２８２は走行駆動軸２６１の軸芯Ｘを中心に回転自在に支持されると共に、この圧接リング２８２には周方向に沿って複数のカム溝２８２Ａが形成され、これらのカム溝２８２Ａの各々にボール２８３が嵌り込んでいる。これらのボール２８３はカム溝２８２Ａと内側ケース２６５の内面とに挟まれる位置に配置される。

　カム溝２８２Ａは、軸芯Ｘを中心に圧接リング２８２が回転した際にボール２８３が乗り上がるように周方向に沿って傾斜する姿勢で形成されている。

　図３０に示すように、左右のブレーキ機構Ｔｂの圧接リング２８２を、軸芯Ｘを中心にして回転操作する一対のブレーキ操作軸２８５が、駆動軸ケース２６２の上方位置で、この駆動軸ケース２６２と平行する姿勢で配置されている。これらブレーキ操作軸２８５にはブレーキ操作アーム２８６を備えており、このブレーキ操作アーム２８６の端部に操作ロッド２８７が連結している。この左右の操作ロッド２８７と、前述したブレーキペダル２２９とが緩衝機構２８８を介して連係している。

　緩衝機構２８８は、左右の操作ロッド２８７の上端に圧縮コイルバネを備え、ブレーキペダル２２９が踏み込み操作された場合に、左右の圧縮コイルバネを圧縮させる形態で左右の操作ロッド２８７を引き上げ方向に操作する構成を有している。なお、この緩衝機構２８８として、圧縮コイルバネに代えて、圧縮されるゴム等の弾性部材を用いることや、引っ張りコイルバネを用いることが可能である。また、この緩衝機構２８８に対してブレーキペダル２２９の操作力を伝えるワイヤを用いても良い。

　このように左右のブレーキ機構Ｔｂを操作する構成によって連係操作機構が構成されている。この連係操作機構の構成から、走行時にブレーキペダル２２９が作業者によって踏み込み操作された場合には、この操作力が、左右のブレーキ操作軸２８５から左右のブレーキ機構Ｔｂの圧接リング２８２を回転させる。そして、この回転によりボール２８３がカム溝２８２Ａに乗り上げる形態となり、圧接リング２８２を軸芯Ｘに沿ってシフトさせ、摩擦板ユニット２８１の複数の摩擦板を圧接させて車軸２６９に制動力を作用させるのである。

　また、緩衝機構２８８を備えたことにより、左右のブレーキ機構Ｔｂの摩擦板ユニット２８１の磨耗量が等しくない状況でも、ブレーキペダル２２９を踏み込み操作した場合には、緩衝機構２８８が左右の摩擦板ユニット２８１の摩擦板が等しく圧接するまで（操作ロッド２８７からの操作反力が等しくなるまで）左右のブレーキ操作軸２８５を回動操作することが可能となり、左右で偏りのない制動を実現する。

　左右の伝動ケースＴａには、ブレーキ機構Ｔｂを構成する摩擦板ユニット２８１の磨耗をチェックするため、図３６に示す磨耗チェッカー２７８を備えている。この磨耗チェッカー２７８は、本体２７８Ａと、これに一体的に形成された大径部２７８Ｂとを有しており、伝動ケースＴａの内側ケース２６５に対し走行駆動軸２６１の軸芯Ｘと平行する方向に移動できるように貫通状態で支持されている。また、大径部２７８Ｂと本体２７８Ａとの境界部分にはオイルシール２７９を備えており、本体２７８Ａの外周には複数のチェックラインを設定間隔で形成したインジケート部２７８Ｃが形成されている。

　この磨耗チェッカー２７８は人為操作により内部に押し込み操作自在に構成されている。チェックを行う場合には、本体２７８Ａの外端側を伝動ケースＴａの内部空間の方向に押し込み操作することにより、大径部２７８Ｂの端部が摩擦板ユニット２８１に接触し、複数の摩擦板同士が接触する状態に達し、磨耗チェッカー２７８の押し込みの限界に達する。

　このように押し込みの限界に達した状態でインジケート部２７８Ｃの複数のチェックラインと伝動ケースＴａの外壁面との位置関係は、摩擦板ユニット２８１の磨耗量により変化するため、磨耗量が増大したことをチェックラインから把握できる。このような原理を利用することにより、磨耗チェッカーを人為的に押し込み操作するだけで、摩擦板ユニット２８１の磨耗量を把握してメンテナンス時期を容易に把握できるようにする。なお、この磨耗チェッカー２７８では、チェックラインに代えて摩擦板ユニット２８１の交換時期を認識させるための目印や数字等を本体２７８Ａの外面に形成しても良い。

（支持フレーム）
　図２６～図３１に示すように、左右の伝動ケースＴａの一部が下方に突出する形状を有しており、この下方への突出部のうち走行機体Ｆの中央側に向かう面を貫通する状態で支持フレーム２６３が備えられている。このように支持フレーム２６３を備えることにより、左右の伝動ケースＴａの内部空間と支持フレーム２６３の内部空間とが連通する。

　この支持フレーム２６３は、変速ケースＭの内部空間に貯留される潤滑油（オイル）の液面Ｌより低い位置に配置されている。尚、変速ケースＭの内部に貯留される潤滑油の液面Ｌは、入力軸２３６と、上部中間軸２３７との中間レベルに設定されている。

　前述したように変速ケースＭの内部空間と、駆動軸ケース２６２の内部空間と、伝動ケースＴａの内部空間とが連通し、左右の伝動ケースＴａの内部空間と、支持フレーム２６３の内部空間とが連通している。このような構成により、変速ケースＭの内部空間と、左右の駆動軸ケース２６２の内部空間と、左右の伝動ケースＴａの内部空間と、支持フレーム２６３の内部空間が潤滑油の貯留部として機能する。これらの内部空間を利用することにより潤滑油の貯留量の増大を実現しており、表面積を拡大して潤滑油の放熱を良好に行わせ得るものにしている。

　支持フレーム２６３の左右方向での中央位置から支持フレーム２６３の内部空間に貯留される作動油を油圧機器に送り出す供給油路が形成されている。この供給油路として、支持フレーム２６３の左右方向での中央位置においてサクションパイプ２９１が上方から内部に向けて貫通する状態で備えられている。更に、このサクションパイプ２９１から送り出された潤滑油を、作動油として油圧機器に供給するように供給油路が構成されている。この供給油路については後述する。

　支持フレーム２６３の内部空間と変速ケースＭの内部空間とをオイルの流通が可能に連通させる連通部材として連通配管２９０を備えている。つまり、支持フレーム２６３に形成されたプラグと、変速ケースＭの下部に形成されたプラグとを繋ぐ状態で連通配管２９０を備えている。このトウモロコシ収穫機では、変速ケースＭの内部空間が、駆動軸ケース２６２の内部空間と、伝動ケースＴａの内部空間とを介して支持フレーム２６３の内部空間と連通しているため、これら駆動軸ケース２６２と伝動ケースＴａとが連通部材として機能する。前述したように連通部材として単一の連通配管２９０を示しているが、この連通部材として、例えば、２つ、あるいは３つ以上となる複数の連通配管２９０を備えることも可能である。また、連通部材として柔軟に変形し得る（可撓性の）樹脂製やゴム製のホースを用いることや、金属パイプを用いることが可能である。

　また、左右の伝動ケースＴａを繋ぐ位置に支持フレーム２６３を備えているので、左右の伝動ケースＴａの相対的な位置関係を維持して左右の前車輪２０１の位置を安定させることが可能となる。更に、支持フレーム２６３が駆動軸ケース２６２より前方位置に配置されるので、走行時に例えば、圃場の突出物が変速ケースＭや駆動軸ケース２６２に接触する状況であっても、この突出物が支持フレーム２６３に先に接触する。これにより、突出物が変速ケースＭや駆動軸ケース２６２に直接接触して破損する不都合を阻止できる。

（油圧回路）
　このトウモロコシ収穫機では、油圧機器として無段変速装置Ｖと、ステアリングシリンダ２１２と、リフトシリンダ２１４と、ダンプシリンダ２１９と、昇降シリンダ２２３とが備えられている。また、油圧機器によって操作される作業部として、ステアリングシリンダ２１２で操作される後車輪２０２と、リフトシリンダ２１４で操作される収穫部Ａａと、ダンプシリンダ２１９で操作される収穫物タンク２０４と、昇降シリンダ２２３で操作される残稈処理装置Ｃａとが備えられている。

　また、油圧機器は、これらに限られるものではなく、例えば、フィーダＢａの排出方向を設定するダクトを備えたものでは、ダクトの排出姿勢を設定する油圧シリンダや油圧モータが油圧機器となる。また、走行機体Ｆの姿勢を左右にローリングさせる構成ではローリング作動を行わせるローリングシリンダが油圧機器となる。また、ローリングシリンダを備えた場合には、このローリングシリンダで上下に作動する車輪やクローラ走行装置が作業部の具体的な構成となる。更に、フィーダＢａにダクトの排出姿勢を設定する構成では、このダクトが作業部の具体的な構成となる。

　図２９に示すように、エンジン２１０によって駆動される第１油圧ポンプＰａ１と第２油圧ポンプＰａ２とが備えられている。リフトシリンダ２１４と、ダンプシリンダ２１９と、昇降シリンダ２２３とに対応するリフト制御弁Ｖ１４と、ダンプ制御弁Ｖ１９と、昇降制御弁Ｖ２３とに対して第１油圧ポンプＰａ１からの作動油を供給する油路が形成されている。また、ステアリングシリンダ２１２を制御するステアリングバルブＶ１２とメータリングポンプＭ１２とに対して第２油圧ポンプＰａ２からの作動油を供給する油路が形成されている。

　無段変速装置Ｖには、受動軸２４３によって駆動されるチャージポンプＰＣを備えており、このチャージポンプＰＣからの作動油は、チャージ用オイルフィルタ２４７を介して可変容量ポンプＶｐと定容量モータＶｍとの間の油路に供給される。

　図３４に示すように、変速ケースＭを構成するケース体２３４の外壁面の一部に凹状部２３４Ａを形成し、この凹状部２３４Ａを覆う位置にプレート２９３を取り付けて供給油路を形成している。また、ケース体２３４の外面には、この供給油路から送られる作動油を清浄化する主オイルフィルタ２９４が取付られている。

　　支持フレーム２６３の内部空間に貯留されている作動油は、サクションパイプ２９１から供給管２９２に送られ、この供給管２９２から変速ケースＭの外壁に溝状に形成された凹状部２３４Ａで成る外部油路に供給される。この外部油路から主オイルフィルタ２９４を通過した作動油は、この後、主オイルフィルタ２９４の上側に形成される凹状部２３４Ａに流れ、この凹状部２３４Ａを覆うプレート２９３に接続するチャージ用油路２９７からチャージポンプＰＣに供給され、このプレート２９３に接続する主供給油路２９８から第１油圧ポンプＰａ１と第２油圧ポンプＰａ２とに供給される。

　また、この油圧回路では油圧機器からの作動油は還元油路２９５に流れ、図３１に示すように、変速ケースＭの主還元ポート２３４Ｐと、左右の伝動ケースＴａの副還元ポート２６５Ｐとに何れかに戻される。

　主還元ポート２３４Ｐは、変速ケースＭの内部の遊星変速部Ｍｐの近傍の上方に配置され、油圧機器から戻される作動油を、遊星変速部Ｍｐの各ギヤに潤滑油として供給できる。つまり、変速ケースＭの内部に貯留される潤滑油の液面Ｌが、入力軸２３６より下方であるので遊星変速部Ｍｐの一部は液面Ｌより上方に位置しており、この部位に作動油を還元することにより潤滑油の供給不足を解消し、遊星変速部Ｍｐの冷却も行う。

　副還元ポート２６５Ｐは、伝動ケースＴａの内部のブレーキ機構Ｔｂの上部に近接する位置に配置され、油圧機器から戻される作動油を、ブレーキ機構Ｔｂの上部に供給してブレーキ機構Ｔｂの冷却を行えるようにしている。前述したように潤滑油の液面Ｌが決められることにより、ブレーキ機構Ｔｂの摩擦板ユニット２８１の上部が液面Ｌより上方に露出する状態となる。このような理由から摩擦板ユニット２８１の露出部位に作動油を還元することによりブレーキ機構Ｔｂの冷却を確実に行えるようにしているのである。

　この油圧回路では、還元油路２９５からの作動油を前述した主還元ポート２３４Ｐと副還元ポート２６５Ｐとにだけ還元する構成に限るものではない。つまり、これらの還元位置に加えて、例えば、変速ケースＭの副変速部Ｍｓの上方に作動油を還元するようにポートを形成する等、変速ケースＭに対して、主還元ポート２３４Ｐとは別に２つあるいは３つ以上となる複数のポートを形成し、これらに還元油路２９５からの作動油を還元するように構成しても良い。尚、無段変速装置Ｖから排出されるオイルの一部はオイルクーラ２９６で放熱した後にオイル貯留部に戻される。

　特に、支持フレーム２６３を変速ケースＭの潤滑油の液面Ｌより低い位置に配置し、しかも、この支持フレーム２６３の内部空間のうち底部に近い部位からサクションパイプ２９１により潤滑油を吸引することにより、空気が混入しない作動油を吸引して、作動油として油圧機器に供給することが可能となる。

［第２実施例の別実施例］
（１）上記した第２実施例では、トウモロコシ収穫機を一例に示したが、本発明は、自脱型コンバイン、普通型コンバイン、サトウキビ収穫機あるいは田植機等の収穫機（作業機）に利用することができる。

（第１実施例）
　３　　　　　運転部
　６　　　　　収穫装置
　１２　　　　収穫経路
　１７　　　　縦壁部
　３０　　　　運転キャビン
　３１　　　　前壁部
　３１ａ　　　フロントガラス
　３１ｔ　　　上端
　３４　　　　床部
　３５　　　　ルーフ部
　３４ａ　　　床面
　４１　　　　下フレーム
　４２　　　　縦フレーム
　４３　　　　上フレーム
　５０　　　　上前照灯
　５１　　　　作業灯
　５２　　　　別の作業灯
　５３，５４　下前照灯
　６０　　　　運転座席
　６１　　　　サイドパネル
　６１Ｆ　　　走行車体前方側の部位
　６１ＦＵ　　上面
　６１Ｒ　　　走行車体後方側の部位
　６１ＲＵ　　上面
　６１ａ　　　角部
　６２　　　　操縦塔
　６３　　　　操向操作具
　６３ａ　　　ハンドル軸
　６４　　　　通路部
　６７　　　　メータパネル
　６８　　　　サンバイザー
　６９　　　　足載せ台
　７０　　　　サイドケース
　７０ａ　　　上端側部分
　７０ｂ　　　下端側部分
　７１　　　　チルト機構
　７２　　　　チルトペダル
　７２Ｗ　　　走行車体横方向幅
　７５　　　　変速操作具（主変速操作具）
　７５ａ　　　基部
　７５ｂ　　　握り部
　７６　　　　アクセル操作具
　７７　　　　副変速操作具
　７８　　　　作業クラッチ操作具
　７８ａ　　　握り部
　８３　　　　静油圧式無段変速装置
　８４　　　　レバーガイド
　８４ａ　　　端縁
　８４ｂ　　　端縁
　８４ｃ　　　部位
　９７　　　　ワイパースイッチ
　９８　　　　作業灯スイッチ
　９９　　　　ワイパー
　１００　　　運転パネル
　１００ａ　　延出部
　１０６　　　制御装置
　１０７　　　隅部
　１０９　　　カバー
　Ｃ　　　　　車体横方向中心
　Ｓ　　　　　空間
　ＦＨ　　　　前進高速操作域
　ＦＬ　　　　前進低速操作域
　Ｓ１　　　　第１スイッチ群
　Ｓ２　　　　第２スイッチ群
　Ｔ　　　　　中心
（第２実施例）
　２０１　　　走行装置（前車輪）
　２０４　　　貯留タンク（収穫物タンク）
　２０６　　　機体フレーム
　２１０　　　エンジン
　２１２　　　油圧機器（ステアリングシリンダ）
　２１４　　　油圧機器（リフトシリンダ）
　２１９　　　油圧機器（ダンプシリンダ）
　２２３　　　油圧機器（昇降シリンダ）
　２３４Ａ　　供給油路（凹状部）
　２６１　　　走行駆動軸
　２６２　　　貯留部（駆動軸ケース）
　２６３　　　貯留部（支持フレーム）
　２６５　　　内側ケース
　２６６　　　外側ケース
　２６９　　　車軸
　２７０　　　隔壁
　２９０　　　連通部材（連通配管）
　２９１　　　供給油路・サクションパイプ
　２９５　　　還元油路
　Ａａ　　　　収穫部
　Ｆ　　　　　走行機体
　Ｌ　　　　　液面
　Ｍ　　　　　貯留部（変速ケース）
　Ｍｐ　　　　ギヤ式減速機構（遊星変速部）
　Ｔａ　　　　貯留部（伝動ケース）
　Ｔｇ　　　　第１ギヤ減速機構（ギヤ減速機構）
　Ｔｐ　　　　第２ギヤ減速機構（遊星減速機構）
　Ｔｂ　　　　ブレーキ機構
　Ｖ　　　　　油圧機器・無段変速装置

Claims

　走行車体に設けられた運転キャビンと、
　前記運転キャビンの内部に設けられた運転座席と、
　前記走行車体の前部に連結された収穫装置と、を備え、
　前記運転キャビンの内部において、前記運転キャビンの前壁部の上端側にメータパネルを設けてある収穫機。
　前記前壁部のほぼ全体にわたるフロントガラスを設け、
　前記メータパネルは、前記フロントガラスの上端よりも上方に位置している請求項１に記載の収穫機。
　前記メータパネルが前記運転キャビンの走行車体横方向中心に対して走行車体横外側方に偏倚している請求項１又は２に記載の収穫機。
　前記前壁部の上端部における中央側にサンバイザーを設けてある請求項３に記載の収穫機。
　前記メータパネルに隣接させて第１スイッチ群を設けてある請求項１～４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記第１スイッチ群を前記メータパネルの車体横方向中央側に隣接して配置してある請求項５に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前外上部にワイパーを設け、
　前記第１スイッチ群は、前記ワイパー用のワイパースイッチを含んでいる請求項５又は６に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前外上部に作業灯を設け、
　前記第１スイッチ群は、前記作業灯用の作業灯スイッチを含んでいる請求項５～７のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転座席の横一側方に、走行用の変速操作具を設け、
　前記メータパネルが、前記運転キャビンの走行車体横方向中心に対して前記横一側方に偏倚している請求項１～８のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転座席が、前記運転キャビンの車体横方向中心に対して、前記メータパネルが偏倚している側とは反対側に偏倚している請求項９に記載の収穫機。
　前記運転座席の前方に、操向操作具が備えられた操縦塔を設けてある請求項１～１０のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールである請求項１１に記載の収穫機。
　前記操縦塔の上部に運転パネルを設け、
　前記運転パネルに第２スイッチ群を設けてある請求項１１又は１２に記載の収穫機。
　前記運転座席の横側方に走行用の変速操作具を設け、
　前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールであり、
　前記運転パネルのうち、前記ステアリングホイールを支持するハンドル軸に対して前記変速操作具が位置する側とは反対側の部位に、上面視で前記ステアリングホイールの外周の下方箇所近傍まで延出した延出部を設け、前記延出部に前記第２スイッチ群のうち少なくとも一部を配置してある請求項１３に記載の収穫機。
　前記運転キャビンに、左右両側部に亘る通路部を設け、
　前記通路部の前側に、操向操作具が備えられた操縦塔を設け、
　前記通路部の後方に、前記運転座席及び走行用の変速操作具を設け、
　前記通路部の上方に、前記メータパネルを設けてある請求項１～１４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転座席の横側方に、走行用の変速操作具を有するサイドパネルを設け、
　前記運転キャビンにおいて、前記サイドパネルの前記運転座席とは反対側、及び前記運転座席の前記サイドパネルとは反対側に、前記通路部と連なる空間を設けた請求項１５に記載の収穫機。
　前記操向操作具が、前記操縦塔に回転操作自在に支持されたステアリングホイールであり、
　前記ステアリングホイールの角度調節を行うチルト機構と、前記チルト機構を操作するように、前記運転座席の前方下方に設けられたチルトペダルと、を備え、
　前記チルトペダルが、前記操縦塔の走行車体横方向での中心よりも走行車体左横外側方に位置する箇所と、前記操縦塔の前記中心よりも走行車体右横外側方に位置する箇所とにわたっている走行車体横方向幅を備えている請求項１５又は１６に記載の収穫機。
　前記前壁部のほぼ全体にわたるフロントガラスを設け、
　前記メータパネルは、前記フロントガラスの上端よりも上方に位置し、
　前記運転座席の前方に、操向操作具が備えられた操縦塔を設け、
　前記操縦塔の両横側方の夫々に足載せ台を設けてある請求項１～１７のいずれか一項に記載の収穫機。
　走行車体の前部に連結された収穫装置と、
　前記走行車体に設けられた運転部と、
　前記運転部に設けられた運転座席と、を備え、
　前記運転座席の横側方に、サイドケース及びサイドケースの上端部に配備されたサイドパネルを設け、
　前記運転部の床面を前記運転部の全幅にわたって設けて、前記運転座席及び前記サイドパネルの前方に前記運転部の全幅にわたって位置する通路部を形成し、
　前記サイドパネルのうちの前端寄りの部位に、走行用の変速操作具を設けてある収穫機。
　前記変速操作具を、前記サイドパネルのうちの前記運転座席寄りの部位に設けてある請求項１９に記載の収穫機。
　前記変速操作具が走行車体前後方向に揺動操作自在に支持され、
　前記変速操作具の握り部が、揺動支点となる基部に対して運転座席側に偏倚している請求項１９又は２０に記載の収穫機。
　前記変速操作具が、前記握り部側ほど前記運転座席に近づく傾斜姿勢で支持されている請求項２１に記載の収穫機。
　前記サイドケースの走行車体前方側部における上端側部分が下端側部分よりも前方側に膨出している請求項１９～２２のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記サイドパネルの前端における左右角部を、平面視で円弧形状に形成してある請求項１９～２３のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記サイドパネルのうち、前記変速操作具に対して前記運転座席が位置する側とは反対側の部位に、エンジン用のアクセル操作具を設けてある請求項１９～２４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記変速操作具として主変速操作具を備え、
　前記サイドパネルのうちの前記変速操作具よりも後方に位置する部位に、走行用の副変速操作具を設けてある請求項１９～２５のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記サイドパネルのうちの前記変速操作具よりも後方に位置する部位に、前記収穫装置の駆動操作及び停止操作のための作業クラッチ操作具を設けてある請求項１９～２６のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記変速操作具として主変速操作具を備え、
　前記サイドパネルのうちの前記主変速操作具よりも後方に位置する部位に、走行用の副変速操作具を設け、
　前記作業クラッチ操作具が、前記副変速操作具に対して前記運転座席が位置する側とは反対側に位置している請求項２７に記載の収穫機。
　前記変速操作具として主変速操作具を備え、
　前記サイドパネルの走行車体後方側の部位の上面を、前記サイドパネルの走行車体前方側の部位の上面よりも高く設定し、
　前記走行車体前方側の部位に、前記主変速操作具を設け、
　前記走行車体後方側の部位に、前記収穫装置の駆動操作及び停止操作のための作業クラッチ操作具を走行車体前後方向に揺動操作自在に設け、
　走行車体前方側に揺動操作した前記作業クラッチ操作具の握り部が前記走行車体前方側の部位の上方に位置するように構成してある請求項１９～２８のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記走行車体前方側の部位に、エンジン用のアクセル操作具を設けてある請求項２９に記載の収穫機。
　前記走行車体後方側の部位に、走行用の副変速操作具を設けてある請求項２９又は３０に記載の収穫機。
　前記変速操作具によって走行用の静油圧式無段変速装置を変速操作するように構成し、
　前記変速操作具のレバーガイドを、前側の前進高速操作域と後側の前進低速操作域とが走行車体横方向に位置ずれする状態で連続するように構成し、
　前記前進高速操作域のうちの前記前進低速操作域側とは反対の端縁と、前記前進低速操作域の前記前進高速操作域側の端縁とを連結する部位を、後方側ほど前記前進低速操作域に近づく傾斜形状に形成してある請求項１９～３１のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記サイドケースに対して前記運転座席が位置する側とは反対側に、制御装置を設けてある請求項１９～３２のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転部の床面と後壁部とによって形成される隅部に、前記制御装置を配備してある請求項３３に記載の収穫機。
　前記制御装置の運転部内側を覆うカバーを設けてある請求項３３又は３４に記載の収穫機。
　前記運転部を覆う運転キャビンを設けてある請求項１９～３５のいずれか一項に記載の収穫機。
　走行車体に設けられた運転キャビンと、
　前記走行車体の前部に連結された収穫装置と、
　前記運転キャビンの前部の上端側に設けた上前照灯と、
　前記運転キャビンの前部の下端側に設けた下前照灯と、を備えてある収穫機。
　前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設けてある請求項３７に記載の収穫機。
　前記上前照灯及び前記作業灯を、前記運転キャビンの左横端寄り及び右横端寄りの部位それぞれに配置してある請求項３８に記載の収穫機。
　前記上前照灯と前記作業灯とが走行車体横方向に並んでいる請求項３８又は３９に記載の収穫機。
　前記上前照灯が前記作業灯よりも走行車体横外側に位置している請求項４０に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、
　前記上前照灯の走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設けてある請求項３７～４１のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記別の作業灯を前記上前照灯よりも下方に配置してある請求項４２に記載の収穫機。
　前記下前照灯を、前記運転キャビンの左横端寄りの部位及び右横端寄りの部位それぞれに配備してある請求項３７～４３のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記下前照灯を、照明光を前下向きに照射する下向き照射状態と、照明光を前記前下向き照射状態の照明光の照射方向よりも上向きに照射する上向き照射状態とに切換え自在に構成してある請求項３７～４４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記下前照灯を、前記運転キャビンの左横端寄りの部位及び右横端寄りの部位に夫々複数個ずつ設けてある請求項３７～４５のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記複数の下前照灯のうち少なくとも一つの下前照灯を、照明光を前下向きに照射するように構成し、
　前記複数の下前照灯のうちの前記少なくとも一つの下前照灯以外の少なくとも一つの下前照灯を、照明光を前記前下向き照射の照明光の照射方向よりも上向きに照射するように構成してある請求項４６に記載の収穫機。
　前記複数の下前照灯が走行車体横方向に一列又はほぼ一列に並んでいる請求項４６又は４７に記載の収穫機。
　前記複数の下前照灯のうちの走行車体横内側の下前照灯を、照明光を前下向きに照射するように構成し、
　前記複数の下前照灯のうちの走行車体横外側の下前照灯を、照明光を前記前下向き照射の照明光の照射方向よりも上向きに照射するように構成してある請求項４８に記載の収穫機。
　前記上前照灯を走行車体前横外方に対する照明光を照射するように構成してある請求項３７～４９のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、
　前記上前照灯よりも走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、
　前記作業灯及び前記別の作業灯のうちの一方を、前記収穫装置に照明光を照射するよう構成してある請求項３７～５０のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記作業灯及び前記別の作業灯のうちの他方を、前記収穫装置よりも走行機体横外側に照明光を照射するように構成してある請求項５１に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、
　前記上前照灯よりも走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、
　前記作業灯を、前記収穫装置に照明光を照射するよう構成し、
　前記別の作業灯を、前記収穫装置よりも走行車体横外側に照明光を照射するように構成してある請求項３７～５２のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの後部に走行車体後方側を照明する後作業灯を設けてある請求項３７～５３のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転キャビンのルーフ部を支持する上フレームが前記運転キャビンに設けられ、
　前記上前照灯が前記上フレームに支持されている請求項３７～５４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの床部を支持する下フレームが前記運転キャビンに設けられ、
　前記下前照灯が前記下フレームに支持されている請求項３７～５５のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記運転キャビンの前部の上端側に作業灯を設け、
　前記運転キャビンのルーフ部を支持する上フレームが前記運転キャビンに設けられ、
　前記作業灯が前記上フレームに支持されている請求項３７～５６のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記上前照灯の走行車体横外側に、前記作業灯とは別の作業灯を設け、
　前記運転キャビンの前壁部を支持する縦フレームが前記運転キャビンに設けられ、
　前記別の作業灯が前記縦フレームに支持されている請求項５７に記載の収穫機。
　前記収穫装置がトウモロコシを収穫するよう構成され、
　前記収穫装置に、トウモロコシを収穫する収穫経路と、前記収穫経路の走行車体横外側に立設され、前記収穫装置外へのトウモロコシのこぼれ出しを防止する縦壁部とを備えてある請求項３７～５８のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記上前照灯を、前記縦壁部よりも走行車体横外側に照明光を照射するように構成してある請求項５９に記載の収穫機。
　前記下前照灯の点灯操作によって前記上前照灯が点灯されるように構成してある請求項３７～６０のいずれか一項に記載の収穫機。
　走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備えている収穫機であって、
　前記伝動機構が、前記変速ケースからの駆動力が伝えられる左右一対の走行駆動軸と、この左右一対の走行駆動軸からの駆動力を左右の前記走行装置のうち対応したものに伝える左右一対の伝動ケースと、前記走行駆動軸を収容する状態で前記変速ケースと前記伝動ケースとに対して両端部が連結する筒状の左右一対の駆動軸ケースとを備えて構成されている収穫機。
　左右の前記伝動ケースの各々に対してブレーキ機構を内蔵している請求項６２に記載の収穫機。
　前記ブレーキ機構が、多板式の摩擦ブレーキである請求項６３に記載の収穫機。
　左右の前記伝動ケースの前記ブレーキ機構を同時に操作する連係操作機構を備えている請求項６３又は６４に記載の収穫機。
　前記ブレーキ機構が、前記伝動ケースの内部空間のうち前記走行機体の中央側に偏位した位置に配置されている請求項６３～６５のいずれか１項に記載の収穫機。
　前記伝動ケースが、前記走行駆動軸と平行姿勢で前記走行装置に駆動力を伝える車軸を備えると共に、前記伝動ケースの内部空間に、前記走行駆動軸からの駆動力を減速する第１ギヤ減速機構と、この第１ギヤ減速機構で減速された駆動力を減速して車軸に伝える第２ギヤ減速機構とを備え、
　前記ブレーキ機構が前記第１ギヤ減速機構より走行機体の中央側に配置されている請求項６３～６６のいずれか１項に記載の収穫機。
　前記伝動ケースの内部空間が、前記第１ギヤ減速機構が配置される内側空間と、前記第２ギヤ減速機構が配置される外側空間とを有し、前記走行機体の左右傾斜時において前記内側空間と前記外側空間との間でのオイルの流れを制限する隔壁が前記伝動ケースの内部に備えられている請求項６７に記載の収穫機。
　左右の前記伝動ケースの内部空間同士を連通させるように、左右の前記伝動ケースに連結する筒状の支持フレームを備えている請求項６２～６８のいずれか１項に記載の収穫機。
　左右の前記伝動ケースの各々に対してブレーキ機構を内蔵し、
　前記支持フレームに貯留されているオイルを油圧機器に供給する供給油路が形成されると共に、前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が前記伝動ケースの前記ブレーキ機構の上部に接続している請求項６９に記載の収穫機。
　前記伝動ケースが、前記走行機体の内側に配置される内側ケースと、前記走行機体の外側に配置される外側ケースとに分離自在に連結して構成され、前記内側ケースが前記走行機体の機体フレームに支持されている請求項６２～７０のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記変速ケースが、前記エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置を備えて構成されている請求項６２～７１のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記走行機体の前端にトウモロコシの収穫部を備え、この収穫部で収穫させた房状トウモロコシを貯留する貯留タンクを前記走行機体に備えている請求項６２～７２のいずれか一項に記載の収穫機。
　作業部と、この作業部を操作する油圧機器と、この油圧機器に供給されるオイルを貯留する貯留部とを走行機体に備えている作業機であって、
　前記走行機体が、前後方向に伸びる左右一対の機体フレームと、平面視において両端部が左右の前記機体フレームに亘って配置される筒状の支持フレームとを備え、この支持フレームの内部空間が前記貯留部として使用されている作業機。
　前記走行機体のエンジンの駆動力を、変速ケースから左右の走行装置に伝える伝動機構を備え、前記変速ケースが前記貯留部として使用されている請求項７４に記載の作業機。
　前記支持フレームの内部空間と前記変速ケースの内部空間とをオイルの流通が可能に連通させる連通部材を備えている請求項７５に記載の作業機。
　前記伝動機構が、前記変速ケースからの駆動力が伝えられる左右一対の走行駆動軸と、この左右一対の走行駆動軸からの駆動力を左右の前記走行装置のうち対応したものに伝える左右一対の伝動ケースと、前記走行駆動軸を収容する状態で内端が前記変速ケースに連結し、外端が前記伝動ケースに連結する左右一対の駆動軸ケースとを備えると共に、
　前記駆動軸ケースの内部空間が内端位置で前記変速ケースの内部空間に連通し、前記駆動軸ケースの内部空間が外端位置で前記伝動ケースの内部空間に連通している請求項７５又は７６に記載の作業機。
　前記支持フレームの左側の端部を左側の前記伝動ケースに連結し、右側の端部を右側の前記伝動ケースに連結すると共に、この支持フレームの内部空間が連結位置において前記伝動ケースの内部空間に連通している請求項７７に記載の作業機。
　前記伝動ケースに対して前記支持フレームの端部が連結する位置を、前記伝動ケースの下部位置に設定している請求項７７又は７８に記載の作業機。
　前記支持フレームが、前記変速ケースに貯留されるオイルの液面より低い位置に配置されている請求項７７～７９のいずれか一項に記載の作業機。
　前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が、前記伝動ケースの内部空間に接続している請求項７７～８０のいずれか一項に記載の作業機。
　前記支持フレームに貯留されるオイルを前記油圧機器に供給する供給油路が、前記支持フレームの内部空間に挿入されるオイル吸引用のサクションパイプを備えて構成され、このサクションパイプが、前記支持フレームのうち前記走行機体の左右方向の中央位置において上方から内部に貫通する状態で備えられている請求項７５～８１のいずれか一項に記載の作業機。
　前記供給油路の一部が、前記変速ケースの外壁面に形成されている請求項８２に記載の作業機。
　前記伝動ケースが、前記走行装置に制動力を作用させる摩擦式のブレーキ機構を内蔵しており、前記還元油路の接続位置が前記ブレーキ機構の上部に設定されている請求項８３に記載の作業機。
　前記油圧機器からのオイルを戻す還元油路が、前記変速ケースに接続している請求項８０～８２のいずれか一項に記載の作業機。
　前記変速ケースが、ギヤ式減速機構を内蔵しており、前記還元油路の接続位置が前記ギヤ式減速機構の上方位置に設定されている請求項８５に記載の作業機。
　前記変速ケースが、前記エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置を備えて構成されている請求項８４～８６のいずれか一項に記載の作業機。
　前記走行機体の前端にトウモロコシの収穫部を備え、この収穫部で収穫させた房状トウモロコシを貯留する貯留タンクを前記走行機体に備えている請求項７４～８５のいずれか一項に記載の作業機。