JP4918958B2 - コンバイン - Google Patents

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JP4918958B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機体を移動しながら、例えば、圃場の穀稈(稲、麦、大豆、そば等の作物)を刈り取って脱穀処理し、脱穀物をタンクに収容するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインは上記のような収穫作業を行なうことは勿論のこと、圃場内や圃場間を移動する場合や狭い農道を走行する場合、機体を左側または右側に旋回(進行方向を変更)する機会が度々ある。そのために、機体の旋回や後進を素早く行ない得ることが必要となり、オイルを利用した流体静圧型の変速機(ハイドロスタティックトランスミッション、HST)とギヤ・軸等の伝動機構との組み合わせによる油圧無段変速走行手段が一般的に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンバインは、左右一対のクロ−ラを具備する走行装置、穀稈を刈り取って搬送する刈取部、搬送されてきた穀稈を脱穀処理する脱穀部、脱穀済の穀物を収容するタンク、作業部の操作や機体の運転を行なう運転操作部7及び排藁等の排物を処理する排物処理部等の作業装置が組み合わされた複合機械であるので、これらを作動させるための油圧手段を利用した配管や配線が多く、しかも複雑になることが多い。
【0004】
また、圃場条件や穀稈の長さによって刈取部を上下動して適切な刈取り高さに設定する必要があるので、この上下位置変更時において、配管が刈取部への干渉を防止し、破損や損傷の発生を防止しておく必要がある。さらに、収穫作業を円滑に能率よく行なうために、作業前あるいは作業後に刈取部の点検や清掃等のメンテナンス作業を行なうことがあるが、この場合、刈取部を容易に着脱できるように配管を設ける必要がある。
【0005】
本発明の課題は、油圧配管を簡素化し、該油圧配管が上下動する刈取部に干渉することなく、また、作業の前後に刈取部のメンテナンス作業時に刈取部を容易に着脱できるようにした作業性の高いコンバインを提供することである。
【0006】
この発明は、上記課題を解決するコンバインを提供するものであって、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1の発明は、オイルやギヤ・軸を備えた伝動機構を内装している走行ケ−スから機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸の回転動力を介して回転する走行装置と、昇降手段により穀稈の刈り取り高さの位置を変更可能に構成し機体の前部に設けた刈取部と、変速操作レバ−や座席を備えた機体の前部に設けた運転操作部と、刈取部の後方に設けた脱穀部及び穀物を収容するタンクと、走行ケ−スと連通してオイルを共用する走行速度を変速するための油圧無段変速装置10と、油圧力が必要な部位にオイルを圧送するオイル圧送手段と、刈取部や脱穀部や油圧無段変速装置10の駆動源である原動機11とを備えたコンバイン12であって、前記走行ケ−ス)は、機体の進行方向に対して内側端面同士が接合する右側の第1走行ケース(B)と左側の第2走行ケース(C)からなり、第2走行ケース(C)の外側面に前記昇降手段及びオイル圧送手段と連通し且つリリ−フ弁13を内装前記刈取部の刈取部を上下させる刈取上下弁14を設け、第1走行ケース(B)の外側面に前記油圧無段変速装置10に連通する第1オイル案内管(130)の接続用のアダプタ(132)を設け、前記第1走行ケース(B)の内壁及び前記第2走行ケース(C)の内壁のそれぞれから内側に向かって延出し、各内側端面をオイルシール(114)で接続して前記リリ−フ弁13を通るオイルを前記刈取上下弁14側から第1走行ケース(B)に案内すると共に前記アダプタ(132)に接続して前記リリ−フ弁(13)からの戻りオイルを前記第1オイル案内管(130)に案内する中空の管状のマニホ−ルド15設けたコンバインとした。
【0007】
したがって、収穫作業を行なう時、まず、運転者は運転操作部7の座席6に坐り、操作パネルに設けたスイッチを操作して原動機11を起動する。すると、原動機11から出力した回転動力は伝動手段を介して、ギヤポンプ100のようなオイル圧送手段や油圧無段変速装置10に伝動して駆動するので、オイルは、走行ケ−ス1、オイルを案内する配管113、ギヤポンプ100等を通って刈取上下弁14に送り込まれ、その後、油圧無段変速装置10を通って走行ケ−ス1に送り込まれたあと、前記と同様なル−トにより再び油圧無段変速装置10に送り込まれて循環する。
【0008】
つぎに、運転者は、スロットルレバ−の操作によって原動機11を所定回転数にする操作や刈取部4・脱穀部8のクラッチの入り操作を行なうと、原動機11の回転数は作業に合った回転まで上がり、そして、出力された回転動力はベルトのような伝動手段を介して刈取部4や脱穀部8の入力部に伝動しそれぞれの回転各部を駆動する。また、変速操作レバ−5を操作して所望の走行速を選択操作すると、この操作に連動する油圧無段変速装置10の斜板が所定位置に移動するので、この位置に対応する量のオイルが圧送されて出力軸(入力軸66)を所定の回転数にする。
【0009】
そして、出力軸(入力軸66)から出力された回転動力は走行ケ−ス1の伝動機構を介して走行ケ−ス1から機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸2及び走行装置3を回転する。なお、変速操作レバ−5を前側に向けて回動操作すると、機体は前進し、後側に向けて回動操作すると、機体は反対に後進する。
【0010】
運転者は上記のように各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部8等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始する。すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部8で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部8からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置96、97によって機外に排出される。
【0011】
このような作業時において、刈取部4の上下操作時に所定以上の負荷がかかった場合、圧送されて刈取上下弁14に送り込まれたオイルはリリ−フ弁13を通ってマニホ−ルド15に入るとともに他側に向けて案内され、その後、油圧無段変速装置10に至る流路に入る。したがって、走行ケ−ス1周辺のオイルを案内する配管を減少することができるので、コストダウンや組立て工数を減少することができると共に走行ケ−ス1周辺の空間部の簡素化が図れることによって藁屑の溜りの減少を図れ、また、刈取部4の上下動を円滑にすることができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、走行ケ−スの前部に操向クラッチ16とその入切手段を設け、機体の側面視において、前記オイルを圧送するオイル圧送手段と連通し且つ前記操向クラッチ16の入切手段(連繋装置123等)と前記油圧無段変速装置10との中間部における上部に前記刈取部の回動部を設け、一端部を操向クラッチ16の入切手段に連通すると共にその他端部を前記油圧無段変速装置10に連通した第2オイル案内管17を設け、さらに、該第2オイル案内管17を側面視逆U状に形成すると共にこの逆U状により形成された空間部18を機体の進行方向で且つ刈取部の回動部の上方に配置した請求項1記載のコンバインとした。
【0013】
したがって、収穫作業を行なう時、まず、運転者は運転操作部7の座席6に坐り、操作パネルに設けたスイッチを操作して原動機11を起動する。すると、原動機から出力した回転動力は伝動手段を介して、ギヤポンプのようなオイル圧送手段や油圧無段変速装置10に伝動して駆動するので、オイルは、走行ケ−ス1、オイルを案内する配管113、ギヤポンプ100等を通ってクラッチ入切手段に送り込まれ、その後、オイル案内管17、油圧無段変速装置10を通って走行ケ−ス1に送り込まれたあと、前記と同様なル−トにより再び油圧無段変速装置10に送り込まれて循環する。
【0014】
つぎに、運転者は、スロットルレバ−の操作によって原動機11を所定回転数にする操作や刈取部4・脱穀部8のクラッチの入り操作を行なうと、原動機11の回転数は作業に合った回転まで上がり、そして、原動機11から出力された回転動力はベルトのような伝動手段を介して刈取部4や脱穀部8の入力部に伝動しそれぞれの回転各部を駆動する。また、変速操作レバ−5を操作して所望の走行速を選択操作すると、この操作に連動する油圧無段変速装置10の斜板が所定位置に移動するので、この位置に対応する量のオイルが圧送されて出力軸(入力軸66)を所定の回転数にする。
【0015】
そして、出力軸(入力軸66)から出力された回転動力は走行ケ−ス1の伝動機構を介して走行ケ−ス1から機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸2及び走行装置3を回転する。なお、変速操作レバ−5を前側に向けて回動操作すると、機体は前進し、後側に向けて回動操作すると、機体は反対に後進する。
【0016】
運転者は上記のように各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部5等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始する。すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部8で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部8からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置96、97によって機外に排出される。
【0017】
このような作業時において、機体の側面視において、クラッチ入切手段側から油圧無段変速装置10に向けてオイルを案内する逆U状のオイル案内管17(連結管127を含む)を刈取部4の回動部よりも上方に位置し、しかも、逆U状の空間部に対向する部位に刈取部4の回動部が位置するので、刈取部4を機体の横方向へ取り出すときに回動部材がオイル案内管17に接触する等の支障ががなく、刈取部4の着脱が簡単になり、点検、調整や清掃等のメンテナンス効率を高め、作業能率の向上を図れる。また、刈取部4を着脱するときに、オイル案内管17をその都度着脱する必要がないので、組立て工数を低減することもできる。
【0018】
そして、請求項3の発明は、前記オイルを圧送するオイル圧送手段と連通し且つ走行ケ−スの前部に設けた操クラッチ16とその入切手段を設け、機体の側面視において、前記操クラッチ16の入り切り動作を行なう操向クラッチ入切手段と前記油圧無段変速装置10との中間部における上部に前記刈取部の回動部(回動体83など)を設け、両端部を前記油圧無段変速装置10とオイルを圧送するオイル圧送手段と連通する操向クラッチ入切手段とにそれぞれ接続した機体の前後方向に配置した第2オイル案内管17を設け、該第2オイル案内管17の中間部に中継体19を介在させて前記操向クラッチ入切手段と中継体19と油圧無段変速装置10とを連通し、操向クラッチ入切手段から中継体19を経由して油圧無段変速装置10に流れるオイルを浄化するためのオイルフィルタ−20を前記中継体19に着脱自在に取り付けた請求項1記載のコンバインとした。
【0019】
したがって、収穫作業を行なう時、まず、運転者は運転操作部7の座席6に坐り、操作パネルに設けたスイッチを操作して原動機11を起動する。すると、原動機11から出力した回転動力は伝動手段を介して、ギヤポンプのようなオイル圧送手段や油圧無段変速装置10に伝動して駆動するので、オイルは、走行ケ−ス1、オイルを案内する配管、ギヤポンプ等を通ってクラッチ入切手段に送り込まれ、その後、オイル案内管17、油圧無段変速装置10を通って走行ケ−ス1に送り込まれたあと、前記と同様なル−トにより再び油圧無段変速装置10に送り込まれ循環する。
【0020】
つぎに、運転者は、スロットルレバ−の操作によって原動機11を所定回転数にする操作や刈取部4・脱穀部8のクラッチの入り操作を行なうと、原動機11の回転数は作業に合った回転まで上がり、そして、原動機11から出力された回転動力はベルトのような伝動手段を介して刈取部4や脱穀部8の入力部に伝動しそれぞれの回転各部を駆動する。また、変速操作レバ−5を操作して所望の走行速を選択操作すると、この操作に連動する油圧無段変速装置10の斜板が所定位置に移動するので、この位置に対応する量のオイルが圧送されて出力軸を所定の回転数にする。
【0021】
そして、出力軸から出力された回転動力は走行ケ−ス1の伝動機構を介して走行ケ−ス1から機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸2及び走行装置3を回転する。なお、変速操作レバ−5を前側に向けて回動操作すると、機体は前進し、後側に向けて回動操作すると、機体は反対に後進する。
【0022】
運転者は上記のように各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部8等の機体の回転各部を駆動し、さらに、クラッチ入切手段と前記油圧無段変速装置10との中間部における上部に前記刈取部の回動部を中心に昇降して刈り高さを選択すると共に機体を前進させて作業を開始する。すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部8で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。
【0023】
このような作業時において、循環するオイルを浄化するオイルフィルタ−20を点検や交換をする必要が生じたとき、オイル案内管17は端部を前記油圧無段変速装置10とオイルを圧送するオイル圧送手段と連通する操向クラッチ入切手段とに接続し、さらに、中間部を分離して形成した別の各端部を中継体19に接続して操向クラッチ入切手段と中継体19と油圧無段変速装置12とを連通し、該中継体にオイル流路と連通するオイルフィルタ−を着脱自在に取り付けているので、操向クラッチ入切手段から中継体19を経由して油圧無段変速装置10に流れるオイルを浄化することができると共にオイル案内管17や中継体19を取り外さなくてもオイルフィルタ−20を簡単に着脱することができ、油圧部の点検等のメンテナンスの利便性を向上することができる。
【0024】
請求項1記載の発明では、走行ケ−ス周辺のオイルを案内する配管を減少することができるので、コストダウンや組立て工数を減少することができると共に走行ケ−ス周辺の空間部の簡素化が図れることによって藁屑の溜りの減少を図れ、また、刈取部の上下動を円滑にすることができる。
また、左右の第1走行ケ−ス(B)と第2走行ケ−ス(C)の内側端面が接合され、それぞれのマニホ−ルド(15)の端面が密着し、さらに、端部に設けたオイルシ−ル(114)によって通路を形成しているので、マニホ−ルド(15)での案内途中で漏れが生じることがなく第1走行ケ−ス(B)に案内できる。そして、第1走行ケ−ス(B)と第2走行ケ−ス(C)の周辺のオイルを案内する配管を減少することができるので、コストダウンや組立て工数を減少することができると共に第1走行ケ−ス(B)と第2走行ケ−ス(C)周辺の空間部の簡素化が図れることによって藁屑の溜りの減少を図れ、また、刈取部(4)の上下動を円滑にすることができる。
【0025】
また、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、刈取部を機体の横方向へ取り出すときに回動部材が第2オイル案内管17に接触する等の支障がなく、刈取部の着脱が簡単になり、点検、調整や清掃等のメンテナンス効率を高め、作業能率の向上を図れる。また、刈取部を着脱するときに、第2オイル案内管17をその都度着脱する必要がないので、組立て工数を低減することもできる。
【0026】
また、請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、操向クラッチ入切手段から中継体19を経由して油圧無段変速装置10に流れるオイルを浄化することができると共に第2オイル案内管17や中継体19をいちいち取り外さなくてもオイルフィルタ−20を簡単に着脱することができ、油圧部の点検等のメンテナンスの利便性を向上することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、その構成について説明すると、コンバイン12は、走行装置3と機体の前後に配置した刈取部4及び脱穀部8と脱穀部8の横側方に配置したタンク9と該タンク9の前方で機体の前部に配置した運転操作部7とを、前後及び左右方向に配置した枠体を一体に枠組み構成した車台(車体フレ−ム)21に直接あるいは間接的に取り付け、そして、前記脱穀部8の後部に排藁等の排出物を処理する処理装置(例えば、カッタ等)22を着脱自在に取り付けている。
【0028】
走行装置3はオイルやギヤ・軸等により構成した伝動機構A(図4参照)を内装すると共に固定具(ボルト、ナット)を取り除くことにより左右方向に分離可能な複数個のケ−ス(実施例では2個)で形成した走行ケ−ス1をボルト・ナット等の取付具でもって前記車台21に着脱自在に取付け、該走行ケ−ス1の下部に機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出し回転可能に設けた左右一対の駆動軸2のそれぞれの軸端部にスプロケット23、27を着脱自在に取り付けている。
【0029】
そして、左側のスプロケット23と機体の進行方向に長く形成して車台21の下部に一体に設けた左側の転輪フレ−ム24に機体の進行方向に所定間隔置きに配置して回転可能に取り付けた左側の転輪25とにクロ−ラ26を巻き掛けて適正に張設し、また、右側のスプロケット27と機体の進行方向に長く形成して車台21の下部に一体に設けた右側の転輪フレ−ム28に機体の進行方向に所定間隔置きに配置して回転可能に取り付けた右側の転輪29とにクロ−ラ30を巻き掛けて適正に張設している。なお、ここでいう左側及び右側とはコンバイン12が前進する方向に向かってを言い、以下、同様の呼び方とする。
【0030】
伝動機構Aは走行ケ−ス1における伝動経路下手側から操向伝動部31と中間伝動部32と副変速部33とカウンタ−部34と入出力部35とを設け、エンジン回転動力を入出力部35からカウンタ−部34、副変速部33及び中間伝動部32を経由して操向伝動部31に伝動する構成である。
【0031】
そして、該操向伝動部31は左右方向に軸芯を有し且つ左右両軸端部を走行ケ−ス1に軸受して回転可能に設けたクラッチ軸36と、該クラッチ軸36の軸芯方向における中央部に軸着したセンタギヤ37と、クラッチ軸36の外面を軸芯方向に移動してセンタギヤ37の噛み合い部38に噛み合い又は離間すると共に前記スプロケット23、27とは反対側における駆動軸2の軸端部にそれぞれ軸着した駆動軸ギヤ39、40と常時噛み合う左・右サイドギヤ41、42と、左・右サイドギヤ41、42をセンタギヤ37の噛み合い部38に常時噛み合うように走行ケース1の両端壁面部から押圧するクラッチ軸36に外嵌したばね43、44と、クラッチ軸36の左右軸端部に横方向に着脱自在に設けたブレ−キ149、150とで構成している。
【0032】
すなわち、センタギヤ37の噛み合い部38と左・右サイドギヤ41、42とが噛み合い又は離間することにより、前記左・右駆動軸2、2への回転動力の伝動を入り切りする操向クラッチ16を構成し、さらに、左サイドギヤ41が左側の所定位置に移動するとブレ−キ149により左側の駆動軸2の回転を制動し、右サイドギヤ42が右側の所定位置に移動するとブレ−キ150により右側の駆動軸2の回転を制動するブレ−キ手段も構成している。
【0033】
中間伝動部32は左右方向に軸芯を有する中間伝動軸45aの軸端部を軸受して走行ケ−ス1に回転可能に設け、該中間伝動軸45aの軸芯方向における中間部の外面にギヤ45とセンタギヤ37に常時噛み合う中間伝動ギヤ46とを軸着し、さらに、該ギヤ45及び中間伝動ギヤ46を挾んで中間伝動軸45aの軸端部に前記ギヤ45より大径のギヤ47と小径のギヤ48をそれぞれ軸着している。
【0034】
副変速部33は左右方向に軸芯を有する副変速軸49の軸端部を軸受して走行ケ−ス1に回転可能に設け、大径のギヤ50とこのギヤ50を挾んで左側に配置したギヤ51(ギヤ50よりも小径)と右側に配置したギヤ52(ギヤ51よりも小径)とを一体に形成した副変速ギヤ体53を副変速軸49の軸芯方向における中間部の外面に軸芯方向に摺動可能に嵌合している。さらに、ギヤ50よりも大径に形成したギヤ54を前記ギヤ48と常時噛み合う位置に配置して副変速軸49の軸芯方向における中間部の外面に空転させている。ギヤ54の中心部には副変速ギア体53のギア52が入いると噛み合う噛み合い部55が設けられている。
【0035】
したがって、前記副変速ギヤ体53が右側に摺動し、ギヤ52とギヤ54の内面に形成した噛み合い部55とが噛み合う構成である。この実施例では、ギヤ51とギヤ47とが噛み合うと低速を選択でき、ギヤ50とギヤ45とが噛み合うと中速を選択でき、そして、ギヤ52とギヤ54の噛み合い部55とが噛み合うと高速(路上を走行する速度)を選択することができる。
【0036】
なお、左右方向に軸芯を有する副変速操作軸56は軸端部を走行ケ−ス1に設け、そして、前記副変速ギヤ体53のギヤ50とギヤ51との間に嵌入するア−ム57と一体に形成して変速操作軸56の外面に設けた副変速体58を変速操作軸56の軸芯方向に摺動することによって副変速の速度を選択することができる。また、該副変速体58はリンク等の連繋部材(図示せず)により運転操作部7に設けた副変速レバ−59と連動可能に構成されており、副変速レバ−59を前後方向に回動操作することにより副変速体58を摺動する構成である。
【0037】
さらに、副変速軸49の両軸端部は走行ケ−ス1の外方に突出しており、そして、右側の走行ケ−スBから突出した軸部に刈取駆動プ−リ60を着脱自在に取付け、左側の走行ケ−スCから突出した軸部に副変速入力ギヤ61を着脱自在に取り付けている。
【0038】
カウンタ−部34は左側の走行ケ−スCの左側から走行ケ−スCにねじ込んで着脱自在に固定した左右方向に軸芯を有するカウンタ−軸62と、該カウンタ−軸62に軸受を介して回転可能に取付けると共に前記副変速入力ギヤ61と常時噛み合うカウンタ−ギヤ63を有している。
【0039】
入出力部35は左側の走行ケ−スCに取り付けた軸受64に、前記カウンタ−ギヤ63と常時噛み合う出力ギヤ65を有し、軸芯部に継ぎ手部67を形成した入力ギヤ軸66の軸端部を差し込んで回転可能に設けていると共に軸芯方向へ移動しないように設けている。また、入出力部35とカウンタ−部34と副変速部33とは、左側の走行ケ−スCの上部を左側方に向けて膨らませて形成すると共に左側部を開放した迂回伝動室68に内装し、また、該迂回伝動室68の開放部を開閉するカバ−69を走行ケ−スCの迂回伝動室68に複数個の取付具(ボルト、ナット等)70でもって着脱自在に取り付けている。
【0040】
そして、該迂回伝動室68の下部側壁に操向伝動部31や中間伝動部32等を内装している走行ケ−ス1の内部と連通する円形の連通孔101を複数個(実施例では5個)並べて設けてある。また、該カバ−69は外方から迂回伝動室68の内部を目視することができる透明状の素材で形成すると、迂回伝動室68内にあるオイル量やオイルの劣化状態やオイルの循環状態を簡単に把握することができ、さらに、オイルの有無をあらかじめ認識することができるので、カバ−69を取り外すときに床等へのオイル漏れを防止可能である。
【0041】
しかも、迂回伝動室68は駆動軸2の回転部とは離れた走行ケ−ス1の上部に位置するので、泥土の付着が少なくなる。そして、カバ−69にレベルラインのような表示を設けておくと、オイル量の適否を簡単に判断することができ、利便性を高め得る。
【0042】
なお、左側の走行ケ−スCの迂回伝動室68は右側の走行ケ−スBの上面よりも上方に突出させ、走行ケ−ス1の正面視、走行ケ−スBの上面の上方と迂回伝動室68の右側面の右側方との間に空間部71を形成していると共に上面に内外連通するねじ孔を形成して縦軸芯を有する縦長の蓋付きのオイル給油管105(図7)を着脱自在に取り付けている。
【0043】
そして、油圧無段変速装置10はケ−ス10aの中に油圧ポンプPと回転可能に設けている出力軸72を有する油圧モ−タMとの間に所定の圧力(実施例では約5kg/cm2)をかけている弁10b、チェック弁10c等を設けた油圧回路を構成しており、油圧モ−タMの出力軸72を前記継ぎ手部67にのぞませて係合するように嵌入しながら右側走行ケ−スBの上面と左側ケ−スCの上面とにまたがる空間部71(図4)における迂回伝動室68の右側面部の所定場所に位置し、取付具(ボルト、ナット等)により着脱自在に取り付けている。したがって、油圧無段変速装置10を取付けた走行ケ−ス1の横幅をコンパクトに構成することができ、機体の小型化を図れる。
【0044】
油圧無段変速装置10の右側方に突出している油圧入力軸73は、その軸端部に入力プ−リ74を着脱自在に取り付けている。さらに、この入力プ−リ74は複数の羽根を有し、回転することにより風を左側に向けて送って油圧無段変速装置10を冷却するファン75を着脱自在に取り付けている。前記ファン75はガイド76により覆われ、固定のア−ム77に着脱自在に取り付けれれている。
【0045】
したがって、詳細な説明は後述するが、エンジン11から出力された回転動力により入力プ−リ74が回転し、油圧無段変速装置1にオイルが送り込まれ、運転者が油圧無段変速装置10に内装されている油圧ポンプPの斜板の角度を調節することにより、油圧モ−タMの出力軸72の回転数を調節することができる。
【0046】
そして、油圧モ−タMの出力軸72の回転により、入出力部35の入力ギヤ軸66及び入力ギヤ65、カウンタ−部34のカウンタ−ギヤ63、副変速部33の副変速入力ギヤ61、副変速軸49、副変速ギヤ体53、ギヤ54、中間伝動部32のギヤ47、48、中間伝動ギヤ46、センタギヤ37、サイドギヤ41、42、駆動軸ギヤ39、40等を介して左・右の駆動軸(車軸)2及びスプロケット23、27を回転させ、クロ−ラ26、30を回転させる構成としている。
【0047】
刈取部4は左右横方向に複数個配置した分草体78と、後方斜め上方に移動する引き起こしラグ79を有し、横方向に複数個配置した引き起こし装置80と、バリカン型の刈取装置81と、刈取った穀稈を後方上方に搬送する刈取穀稈搬送装置82と、前後方向に配置した軸の後端を前端よりも上方に位置すると共に後端部に左右方向に軸芯を有する中空の回動体83(図5、図6)を一体に取り付けた刈取主フレ−ム84(図1、図5)とを一体に構成している。
【0048】
そして、前記回動体83は、この右端から右側方に突出した軸端部に刈取入力プ−リ85を着脱自在に取り付けていると共に反対側の軸端部にベベルギヤ(図示せず)を着脱自在に取り付けた刈取駆動軸86を回転可能に内装している。該刈取入力プ−リ85と前記刈取駆動プ−リ60とにベルト87(図5、図6)を巻き掛け、運転操作部7に設けた刈取入切操作レバ−88の操作によりテンションップ−リ89(図8)を作動して、このベルト87を張圧・解除し、回転動力の伝動を入り切りするテンションクラッチを構成している。なお、刈取部4の回動体83は前記油圧無段変速装置10の前方において側面視略平面に形成した走行ケ−ス1の上部に着脱自在に取り付けた刈取懸架メタル90(図5)に、横軸芯を中心に回動するが、前後及び左右方向への移動を規制されて取り付けられている。
【0049】
刈取部4の昇降手段は、基部を前記車台21に揺動自在に枢着したシリンダ91(図6)と、先端部を刈取主フレ−ム84に揺動自在に枢着してシリンダ91を前後方向に摺動するピストン92からなる刈取部昇降装置93を構成し、そして、該刈取部昇降装置93を正面視において左側の走行ケ−スCの左側面と迂回伝動室68の下面とで形成された空間部K(図5)に軸芯が前後方向に位置するように配置している。
【0050】
この配置により、刈取部昇降装置93が左側に大きく張り出すことがなく走行ケ−ス1の周辺における左右横幅をコンパクトに構成できるので、刈取搬送時に落下した藁切れ・藁屑や泥土が走行ケ−ス1の上に堆積するのを減少することができ、作業後の清掃や走行ケ−ス外部の点検を容易に行い得る。さらに、刈取昇降装置93は刈取部4の左右中心に近い所を支持するので、刈取部4を上下動(昇降)する時、ふらつきによるびびりもなく円滑に上下動することができ、収穫作業が安定する。
【0051】
なお、機体の側面視前後方向において、迂回伝動室68の一部が刈取部4の回動支点軸芯と刈取昇降装置93のシリンダ91の基部取付軸芯部とを結ぶ仮想線94(図6)よりも前方に位置するように設けているので、機体の前後長さをコンパクトに構成できると共に強度を高めることができる。
【0052】
脱穀部8は機体の進行方向に回転する穀稈自動送り込み装置95を一側部に有し、前記刈取部4が搬送してきた穀稈の株元部を挟持後搬送して穂先部を扱室内に送り込み、脱穀する自脱型の構成であって、前記車台21に搭載してボルトやナット等の取付具で着脱自在に取り付けている。なお、刈り取った穀稈を脱穀装置内に供給して処理する構成の普通型の刈取部および脱穀部でもよい。
【0053】
図1〜図3に示すように、タンク9は脱穀部8の右側方に位置してあって、底部に下部螺旋(図示せず)を有し、前記脱穀部3の揚穀装置(図示せず)によって上方に搬送された穀粒を一時収容すると共に横側方に向けて回動自在に設けている。そして、該下部螺旋の搬送終端部はタンク9の後方に軸芯を縦方向に位置した縦揚穀装置96の下端部に連通し、また、該縦揚穀装置96の上端部は、排出口が上下及び左右方向に回動する排出オ−ガ97に連通している。
【0054】
なお、脱穀部8の回転各部と縦揚穀装置96や排出オ−ガ97は、原動機11から出力される回転動力を、図示していないが、プ−リ、ベルト、ベルトテンションクラッチ、ベベルギヤ、軸、継ぎ手等の伝動機構を介して伝動する構成としている。
【0055】
運転操作部7はタンク9の前方に設けた座席6と、機体の進行方向に向かって操作パネル98を座席6の左側方と前方にかけて逆L状に配置し、右側から乗り降りする構成としている。そして、該操作パネル96の前部の左側部にブザ−停止スイッチ、表示切り替えスイッチ、作業灯スイッチ等を設け、中間部にウインカ及びホ−ンスイッチ、キ−スイッチ等を設け、右端寄りに、刈取部4の上・下動を行なう場合は前側または後側に傾倒し、操向クラッチ16の入り切りにより機体を左・右方向に向けて旋回を行なう場合は左側または右側に傾倒するパワステレバ−99を設けている。なお、該パワステレバ−99の基部近くに左・右側への傾倒により入り切りする操向スイッチ102、103(図15)を設けているが、刈取部4の上下動はパワステレバ−99の操作により連繋機構を介して刈取上下弁14を切り替えて行なう構成である。
【0056】
また、操作パネル98(図1、図12)の前側部と左側部とのコ−ナ−部には、内側を低く外側(コ−ナ−側)を高くして座席6に対向するように計器パネル104を斜めに設けている。該計器パネル104(図15)には、燃料量を表示する燃料計、方向指示器の点滅を表示するウインカパイロット、原動機11の回転数を表示する回転計、運転時間を表示するアワメ−タ、コンバインの運転状態(エンジン運転状態、刈取部脱穀部詰り警報、自動装置異常表示、操作スイッチ切換表示、籾タンクレベル表示、車体水平運転状態表示)を表示するマルチアイを設けている。
【0057】
操作パネル98の左側部は、変速操作レバ−5、副変速レバ−59、原動機11から出力される刈取部4及び脱穀部8(タンク部を含む)への回転動力の伝動を入り切りする刈取入切操作レバ−88、副変速レバ−59の前方にスロットルレバ−106を設けている。なお、該各レバ−5、59、88、106は横軸を介して前後方向に回動可能に構成しており、さらに、刈取入切操作レバ−88は1本のレバ−でもって刈取部4と脱穀部8への伝動を入り切り操作を構成しているが、刈取部4への伝動を入り切り操作する操作バ−と脱穀部8への伝動を入り切り操作する操作バ−とをそれぞれ別個に設けることもできる。
【0058】
該変速操作レバ−5は図12に示すように連繋機構10eを介して油圧無段変速装置10の斜板(図示せず)に連結し、他端部を油圧無段変速装置10の外方に突出して回動可能に設けた斜板操作軸(トラニオン軸)10dの軸端部に連動連結しており、変速操作レバ−5の前後方向に回動操作すると、連繋機構10eを介して斜板操作軸10d及び斜板を回動する構成としている。
【0059】
また、該連繋機構10eを変速操作レバ−側連繋部と斜板操作軸側連繋部とに分割し、この変速操作レバ−側連繋部と斜板操作軸側連繋部間をバネ(実施例ではトルクスプリングを使用)10fで連結して連動する構成としている。このように構成すると、変速操作レバ−5の前後操作により前記したように斜板の角度調節を行なうことができ、さらに、トルクスプリングを交換するという簡単な作業でリリ−フ圧を変更することができるので、油圧機器を調整するなどの面倒な手間を省け、メンテナンスの利便性を向上することができる。特に、リリ−フ圧を変更することができるトルクスプリングを変速操作レバ−5の近くに設けることになるので、運転操作部7側からリリ−フ圧を調節することができ、利便性が一層向上する。
【0060】
原動機11は前記操作パネル98の前部に設けたキ−スイッチを操作することにより起動・停止する構成であって、弾性体を介して座席6の下方における車台21に着脱自在に取り付けており、図14、図15に示すように原動機出力軸107の軸端部に油圧無段返送装置10の入力プ−リ74や脱穀部8等の複数箇所にベルト等の伝動機構を介して回転動力を伝動することができる原動機出力プ−リ108を着脱自在に取り付けていると共に原動機11の起動に関連して駆動しオイルを圧送するギヤポンプ100を設けている。さらに、該原動機出力軸107は軸端部に原動機出力軸107の軸芯と略同一線上に軸芯を有し、左側方に延びるファン軸147を着脱自在に取り付けてあって、ファン軸147が回転することにより、風を運転操作部7とは遠ざかる側に吸引することができるファン148をファン軸147の軸端部に着脱自在に取り付けている。
【0061】
本実施例では、機体の正面視において走行ケ−ス1の左側面部付近にファン148やファン軸147が位置しているので、運転操作部7側にある部材(例えば、原動機11)とは比較的大きな間隔を取ることができ、吸引(運転操作部7側から脱穀部側への風の送り)効果を向上することができる。
【0062】
そして、該ギヤポンプ100(図14)の受入れ口と走行ケ−ス1の下端部に設けた開口部とは、ホ−ス109の両端部に設けた接続金具をそれぞれ着脱自在に取り付けて連通しており、ギヤポンプ100が駆動すると、走行ケ−ス1内のオイルはホ−ス109やオイルを浄化するフィルタ−110を通ってギヤポンプ内に吸い込まれる構成である。また、該ギヤポンプ100の排出口111と前記走行ケ−スCの迂回伝動室68の近くにおける外側面に取付具(実施例ではボルトを使用)112(図7)によって着脱自在に取り付けた刈取上下弁14とは、ホ−ス113の両端部に設けた接続金具をそれぞれ着脱自在に取り付けて連通している。
【0063】
図10に示すように刈取上下弁14はリリ−フ弁13を内装しており、そして、該リリ−フ弁13を通るオイルは左右走行ケ−スB、Cのそれぞれの内壁から内側に向かって延出した中空のマニホ−ルド15を通って刈取上下弁側から走行ケ−スBに案内される。すなわち、左右の走行ケ−スB、Cの内側端面を合わせて組み付けると、それぞれのマニホ−ルド15の端面が密着し、さらに、端部に設けたオイルシ−ル114によって通路を形成しているので、マニホ−ルド15での案内途中で漏れが生じることがなく走行ケ−スBに案内し得る。そして、走行ケ−スB、Cの周辺のオイルを案内する配管を減少することができるので、コストダウンや組立て工数を減少することができると共に走行ケ−スB、C周辺の空間部の簡素化が図れることによって藁屑の溜りの減少を図れ、また、刈取部4の上下動を円滑にすることができる。
【0064】
また、刈取上下弁14と走行ケ−ス1の前部に設けた操向電磁弁115(図7、図8、図14)とは、中間部を屈曲した金属性のオイル案内管118の端部に設けた金属性のアダプタ116、117を介して連通しており、さらに、アダプタ116、117を有するオイル案内管118は刈取上下弁14及び操向電磁弁115に着脱自在に取り付けている。
【0065】
該操向電磁弁115は走行ケ−ス1の前面に設けた左右操向シリンダ119、120に連通し、操向スイッチ102、103(図15)の入り切りによる操向電磁弁115の切り替えにより刈取上下弁14、オイル案内管118及び操向電磁弁115にオイルを案内して図9、図14に示す左操向シリンダ119又は右操向シリンダ120に送り込み、左操向シリンダ119に設けている左操向ピストン121を摺動するか右操向シリンダ120に設けている右操向ピストン122を摺動する構成である。
【0066】
そして、左右の操向ピストン121、122に近接して、左操向ピストン121の摺動によりサイドギヤ41(図2)をクラッチ軸36に沿って左側に摺動させ、右操向ピストン122の摺動によりサイドギヤ42をクラッチ軸36に沿って右側に摺動する操向クラッチ連繋機構123を設けている。
【0067】
また、操向電磁弁115は刈取部4の前部下方位置に設けた方向制御用のセンサ(図示せず)によって、自動的に切り替えて機体を穀稈列にしたがって直進するようにも構成し、併用している。
【0068】
図9に示す連繋ワイヤ124は一端部を運転操作部7の下面のフロアに設けた駐車用のフットペダルFに接続し、他端部をサイドギヤ41、42がセンタギヤ37の噛み合い部38から同時に噛み合わない位置まで摺動すると共にブレ−キ149、150(図4、図14)を作動して左・右の駆動軸2の回転を制動することができる操向クラッチ連繋機構123の適所に接続している。
【0069】
図7に示す操向オイル案内管125は前後方向に軸芯を有する金属性のパイプで形成し、前端部に立方体形状である金属性の第1中継体126を接続して連通させ、他端部を操向電磁弁115、操向シリンダ119、120等に連通するべく設けている。
【0070】
そして、図5、図6に示すように該第1中継体126の上面と上下方向に軸芯を有する中継体19の下面とを金属性の中空の連結管127(オイル案内管17の一部である)で接続し、連結管127は中継体19に接続し、該中継体19の上面は金属性のアダプタ128を介して金属性のオイル案内管17の前端部に着脱自在に取り付けて連通している。また、オイル案内管17は、前記刈取主フレ−ム84の回動部83よりも上方に位置し、且つ前後両端部を下方に屈曲して側面視逆U状に形成し、そして、中間部に形成された空間部18(図7)を側面視刈取主フレ−ム84の回動部83に対向させた金属性のオイル案内管17の前端部を、中継体19の上面に着脱自在に設けた金属性のアダプタ128に着脱自在に取り付けて連通しており、さらに、該オイル案内管17の後端部を油圧無段変速装置10の受入れ部に着脱自在に設けた金属性のアダプタ129に着脱自在に取り付けて連通する構成としている。
【0071】
したがって、刈取部4の回動部83を取り付けている刈取懸架メタル90から取外して、運転操作部7とは反対側、すなわち、機体の左側に移動するとき、オイル案内管17は、刈取部4の回動部83の上方に位置し、しかも、空間部18を設けているので、オイル案内管17を取り外すことなく引き出すことができる。したがって、刈取部4を着脱するときに、オイル案内管17をその都度着脱する必要がないので、組立て工数を低減することもできる。
【0072】
図5、図7、図8、図14に示すリリ−フ弁13からの戻りオイルを案内する金属性のオイル案内管130は、その一端部を第1中継体126の前面に設けた金属性のアダプタ131に着脱自在に取り付け、そして、中間部を屈曲して後方に延出し、さらに、後端部を走行ケ−スBのマニホ−ルド15に着脱自在に設けた金属性のアダプタ132に着脱自在に取り付けて常時連通した構成としている。
【0073】
図5、図9に示すオイルフィルタ−20は前記中継体19の前面に着脱自在に取り付けており、中継体19を通って油圧無段変速装置10に送り込まれるオイルを浄化することができるものであるが、オイル案内管17を中継体19から取り外さなくても、オイルフィルタ−20を単独で中継体19から取外して交換や点検を行なうことができ、簡単で利便性がよい。
【0074】
オイル案内管133(図6、図7、図11)は油圧無段変速装置10の出口部と迂回伝動室68における上部の左側側壁とに着脱自在に設けたアダプタ134、135に着脱自在に設けた常時連通した構成としており、油圧無段変速装置10からの戻りオイルを迂回伝動室68に案内する。
【0075】
また、刈取オイル案内ホ−ス136(図14)は刈取部昇降装置93(図5、図14)のシリンダ91に設けたアダプタに着脱自在に取り付けて常時連通した構成としており、刈取上下弁14の切り替えに関連して、刈取上下弁14から刈取部昇降装置93のシリンダ91にオイルを案内することができる。
【0076】
したがって、原動機11が起動すると、原動機11の出力軸107の端部に設けた出力プ−リ108は回転し、そして、この回転動力によって駆動するギヤポンプ100のサクション機能及び油圧ポンプPの駆動により、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルをフィルタ−110、ホ−ス113、刈取上下弁14、オイル案内管118、操向電磁弁115、操向シリンダ119、120、操向オイル案内管125、第1中継体126、連結管127、中継体19、オイルフィルタ−20、オイル案内管17を通って油圧無段変速装置10に送り込まれる。
また、油圧無段変速装置10のケ−ス10aからオイル案内管133を通って迂回伝動室68に入り、さらに、迂回伝動室68の下部に設けた複数個の連通孔101を通って走行ケ−ス1の伝動機構部に入って、その後、再び走行ケ−ス1の下部からホ−ス、フィルタ−110を介してギヤポンプ100に入り循環する構成としている。さらに、マニホ−ルド15の案内終端に案内されてきた戻りオイルは、オイル案内管130を通って第1中継体126に入り、操向オイル案内管125によって第1中継体126に案内されてきたオイルと合流し中継体側に案内される構成としている。
【0077】
また、原動機出力軸107が回転することにより、ファン軸147も回転して原動機11の駆動によって生じた熱風や熱気等が運転操作部75から遠ざかる側に送ることができるの、運転操作部75で運転操作を行なう運転者は熱気等が当たらず、快適な収穫作業を行なうことができる。
【0078】
上記の構成において、運転者はコンバイン12の運転操作部7の右側から乗って座席6に座って駐車ブレ−キペダルFを踏み込んで安全を確認してからキ−をキ−スイッチに入れて原動機11を起動すると、出力軸107及び出力プ−リ108の回転によって出力される回転動力はベルト等の伝動機構を介してギヤポンプ100を駆動すると共に入力プ−リ74と入力軸73を回転して油圧無段変速装置10の油圧ポンプPを駆動すると共にこの入力軸73の軸端部に一体(固定)に取り付けた複数の羽根を有するファン75も回転させる。ファン75の回転によって生じた風は、固定のア−ム77に取り付けたファン75を覆うガイドによって左側に向けて案内して油圧無段変速装置10を冷却するので、湯温が異常に高くならず、機械効率を向上することができる。踏み込んでいた駐車ブレ−キペダルFは、その後、踏み込みを解除する。
【0079】
すると、ギヤポンプ100のサクション機能により、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルは、走行ケ−ス1の下端部からそれぞれ連通しているフィルター110、ホース113、刈取上下弁14、オイル案内管118、操向電磁弁115、操向シリンダ119、120、操向オイル案内管125、第1中継体126、連結管127、中継体19、オイルフィルタ−20、オイル案内管17等を通って油圧無段変速装置10に送り込まれる。そして、オイルの一部は油圧ポンプP、油圧モ−タM、弁10b、チェック弁10c等を設けた油圧回路を約5kg/cm2の圧力がかかった状態で流れるが、残りの多くのオイルはケ−ス10aに貯溜される。
【0080】
そして、該ケ−ス10aからの戻りオイルはオイル案内管133を通って迂回伝動室68に入り、さらに、迂回伝動室68の下部の複数個の連通孔101(図4)を通って走行ケ−ス1の伝動機構部に入る。その後、再び走行ケ−ス1の下部からホ−ス、フィルタ−110を介してギヤポンプ100に入り、上記と同様の作用を行なう。
【0081】
このように、オイルはギヤポンプ100を介して走行ケ−ス1と油圧無段変速装置10との間を循環するので、オイルの共用化を図ることができると共にこの循環作用時に複数のオイルフィルタ−110、20により浄化することができる。特に、オイル案内管17、中継体19、操向オイル案内管125、連結管127等を取り付けた状態でオイルフィルタ−20(図5、図9)を着脱することができるので、オイルフィルタ−20の着脱操作が簡単で利便性がよい。さらに、オイルは循環時において、迂回伝動室68の上部から走行ケ−ス1の下部に流れることになるので、伝動機構Aの全体にわたって注油した状態になり潤滑機能を向上することができる。
【0082】
なお、走行ケ−ス1のオイルが少なくなって補給する必要があるとき、運転者はオイル給油管105(図7)から給油すると、オイルは迂回伝動室68に入って迂回伝動室68内に設けているギヤや軸類を潤滑しながら落下し、その後、迂回伝動室68の下部に設けた複数個の連通孔101を通って走行伝動部側に入るので、迂回伝動室68の所定位置まで供給することができたとき給油を終える。
【0083】
そして、原動機11の回転数を選択操作するには、スロットルレバ−106を前後方向に回動すれば所定の回転数に選択することができる。また、副変速を選択操作するには、副変速レバ−59を所望位置まで前後方向に回動操作すると、リンク等を介して副変速体58(図4)を変速操作軸56に沿って摺動することができるので、副変速ギヤ体53はギヤ50とギヤ51との間に嵌入しているア−ム57に押されて軸芯方向に移動し、例えばギヤ50とギヤ45とが噛み合うと中速(標準速)を選択することができる。
【0084】
つぎに、パワステレバ−99を後側に倒してこれに連動している連繋機構により刈取上下弁14を切り替えると、油圧オイルは刈取上下弁14からオイル案内管118を通って刈取昇降装置93のシリンダ91に入りピストン92を伸ばすので、刈取懸架メタル90(図5)に設けている回動体83が横軸芯を中心に回動し刈取部4を上側に向けて移動(上昇)し、反対に、パワステレバ−99を前側に倒してこれに連動している連繋機構により刈取上下弁14を切り替えると、シリンダ91内のオイルはオイル案内管118を通って刈取上下弁14に戻るので、刈取部4を下側に向けて移動(下降)する。
【0085】
座席6に座っている運転者は上記のようなパワステレバ−99の操作を行なって、刈取部4の刈り高さを調節するが、下降した刈取部4が地面に当たったり、あるいは、上昇死点まで到達しながら、それ以上の上昇操作が行われたとき、オイルはリリ−フ機能を生じたリリ−フ弁13、マニホ−ルド15、オイル案内管130の順に通って第1中継体126(図7、図8)に入り、操向オイル案内管125によって第1中継体126に案内されてきたオイルと合流して中継体126側に案内される。
【0086】
そして、運転者は駐車ブレ−キペダルFの踏み込みを解除し、変速操作レバ−5(図12)を前側に傾倒すると、これに連動して斜板操作軸10dは連繋機構10e及びバネ10fを介して回動してHSTポンプPの斜板を回動するので、変速操作レバ−5の位置に対応した油圧モ−タMの出力軸72の回転数を選択することができ、出力軸72と継ぎ手部67(図4)を介して係合している入力ギヤ軸66の入力ギヤ65を回転させる。さらに、入力ギヤ65の回転動力はカウンタ−部34のカウンタ−ギヤ63、副変速部33の副変速入力ギヤ61、副変速軸49、副変速ギヤ体53、ギヤ54、中間伝動部32のギヤ47、48、中間伝動ギヤ46、操向伝動部31のセンタギヤ37、サイドギヤ41、42、駆動軸ギヤ39、40等を介して左・右の駆動軸(車軸)2に伝動してスプロケット23、27を回転させ、クロ−ラ26、30を回転させ、機体を前進させる。
【0087】
この前進時において、機体を構成する走行装置3や他の部材が圃場の穀稈を踏み倒さないようにするために、機体の前進方向を左側又は右側に修正して刈取部4の左右横方向に複数個配置した分草体78を刈り取っていく穀稈列の適正な所に位置する必要があるが、例えば、パワステレバ−99を左側に傾倒すると、スイッチ102が「入り」になって左ソレノイドを励磁し、操向電磁弁115を切り替える。すると、ギヤポンプ100によってホ−ス113、刈取上下弁14、オイル案内管118を通って操向電磁弁115に圧送されたオイルは、左操向シリンダ119の中に送り込まれて左操向ピストン121を伸長させる。
【0088】
この伸長によって、左操向ピストン121と当接した操向クラッチ連繋機構123は所定の動作を行なうことにより、サイドギヤ41をばね43の押圧力に坑してクラッチ軸36に沿って左側に摺動し、センタギヤ37の噛み合い部38との噛み合いを解いて操向クラッチ16の一方を「切り」にするので、回転動力は右側の駆動軸ギヤ40に伝動されて機体の前進方向を左側に変更する。その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−99を元の位置、すなわち、中立の位置に復帰させると、スイッチ102が「切り」なってソレノイドの励磁をやめ、操向電磁弁115を元の中立位置に切り替わる。
【0089】
すると、ギヤポンプ100によって圧送されていたオイルは操向電磁弁115、操向シリンダ119、120、操向オイル案内管125、第1中継体126(図5)、連結管127、中継体19、オイルフィルタ−20、オイル案内管17を通って油圧無段変速装置10に送り込まれ、また、左操向シリンダ119に送り込まれていたオイルも操向オイル案内管125に還元される。
【0090】
したがって、サイドギヤ41はばね43の押圧力によってクラッチ軸36に沿って右側に摺動し、センタギヤ37の噛み合い部38と噛み合うので、操向クラッチ16は「入り」の状態になって機体を直進させることができる。
【0091】
反対に、機体の前進方向を右側に変更する場合、パワステレバ−99を右側に傾倒すると、スイッチ103が「入り」になって右ソレノイドを励磁し、操向電磁弁115を切り替える。すると、ギヤポンプ100によってホ−ス113、刈取上下弁14、オイル案内管118を通って操向電磁弁115に圧送されたオイルは、右操向シリンダ120の中に送り込まれて右操向ピストン122を伸長させる。
【0092】
この伸長によって、右操向ピストン122と当接した操向クラッチ連繋機構123は所定の動作を行なうことにより、サイドギヤ42をばね44の押圧力に坑してクラッチ軸36に沿って右側に摺動し、センタギヤ37の噛み合い部38との噛み合いを解いて操向クラッチ16の一方を「切り」にするので、回転動力は左側の駆動軸ギヤ39にのみ伝動されて機体の前進方向を左側に変更する。その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−99を元の位置、すなわち、中立の位置に復帰させると、スイッチ103が「切り」なってソレノイドの励磁をやめ、操向電磁弁115を元の中立位置に切り替わる。
【0093】
すると、ギヤポンプ100によって圧送されていたオイルは操向電磁弁115、操向シリンダ119、120、操向オイル案内管125、第1中継体126、連結管127、中継体19、オイルフィルタ−20、オイル案内管17を通って油圧無段変速装置10に送り込まれ、また、左操向シリンダ120に送り込まれていたオイルも操向オイル案内管125に還元される。
【0094】
したがって、サイドギヤ42はばね44の押圧力によってクラッチ軸36に沿って右側に摺動し、センタギヤ37の噛み合い部38と噛み合うので、操向クラッチ16は「入り」の状態になって機体を直進させることができる。
【0095】
なお、機体の後進時においても、パワステレバ−99を左側又は右側に傾倒することにより機体の後進方向を変更することができる。また、このような機体の前進又は後進時に緊急停止することがあるが、この場合、駐車用のフットペダルFを踏み込むと、図9に示す連繋ワイヤ124が操向クラッチ連繋機構123を作動させ、サイドギヤ41、42がセンタギヤ37の噛み合い部38から同時に噛み合わない位置まで摺動して操向クラッチ16を「切り」にすると共にブレ−キ149、150を作動して左・右の駆動軸2の回転を制動することができる。
【0096】
さらに、刈取入切操作レバ−88を入り側に操作すると、刈取部4のテンションップ−リ89(図8)は原動機11の出力プ−リ108(図14)と刈取入力プ−リ85とに巻き掛けたベルト87を張圧して、回転動力を出力プ−リ108から刈取入力プ−リ85に伝動し、刈取部4の引き起こし装置80、刈取装置81及び刈取穀稈搬送装置82(図1)等を回転し、また、プ−リ、ギヤ等の伝動機構を介して脱穀部8の回転各部を駆動する。
【0097】
このように、機体を刈取作業を行なう穀稈の前あるいは近くに移動したとき、運転者は機体の作業部分の回転数の調節、穀稈列に対する機体位置、穀稈に対する刈取部4の刈高さ位置等を適正に選択していうことを再確認してから、変速操作レバ−5を前側に倒して所望する作業速度を選択し、作業を開始する。
【0098】
すると、引き起こし装置13の引き起こしケ−スに沿って斜め後方上方に移動する引き起こしラグ79に引き起こされた穀稈の株元部は、刈取装置81によって切断されたあと、刈取穀稈搬送装置82に引き継がれてさらに後方上方に搬送される。
【0099】
そして、搬送終端部に到達した穀稈は穀稈自動送込装置95に挟持されて後方に搬送され、カッタ−等の排稈処理装置22に送り込まれて排稈等の処理をされるが、一方、穀稈の穂部は扱室内に送り込まれて脱穀処理される。これによって生じた穀粒などの処理物は風選されて穀粒とわら屑に分離され、穀粒は搬送装置によってタンク9に送り込まれ収容される。その後、タンク9内の穀粒が満杯になると、運転者は収穫作業を中断して穀粒の排出操作をすれば、穀粒は縦揚穀装置96及び排出オ−ガ97を取ってこの排出口から機外に排出されるので、トラック等の運搬車に移し換えればよい。
【0100】
図16に示す本発明の別実施例は、上記したコンバインと略同形態であるので、上記実施例と共用する符号を使用することとし、相違する部材について新たな符号を使用して説明する。
【0101】
迂回伝動室137は右側の走行ケ−スBの上部を右側方に向けて膨らませて形成すると共に右側部(運転操作部7側)を開放し、下部側壁に操向伝動部31や中間伝動部32等を内装している走行ケ−ス1の内部と連通する円形の連通孔(図示せず)を複数個(実施例では5個)並べて設けている。また、上面に内外連通するねじ孔を形成して縦軸芯を有する縦長の蓋付きのオイル給油管(図示せず)を着脱自在に取り付けていると共に迂回伝動室137の開放部の右側面は複数個の取付具(ボルト、ナット等)でもってカバ−138を着脱自在に取り付けている。
【0102】
入力軸139は一端部を中空の継ぎ手部(係合部)140を形成して前記迂回伝動室137の内壁に設けた軸受に回転可能に設け、他部をカバ−138に設けた軸受141に回転可能に設けると共にこの軸端部をカバ−138の外方にまで延出している。そして、該延出した軸端部に入力プ−リ142を着脱自在に取り付け、さらに、該入力プ−リ142の右側部に、入力軸139及び入力プ−リ142と一体に回転する複数の羽根を有するファン143を着脱自在に取り付けている。また、該ファン143を覆うガイド144を固定のア−ムに着脱自在に取り付け、入力軸139、入力プ−リ142及びファン143が一体に回転すると、ファン143とガイド144とによって、風を迂回伝動室137に向けて送風する構成である。
【0103】
油圧無段変速装置10はケ−ス10aの中に前記継ぎ手部140と係合する無段変速入力軸145を回転可能に設けた油圧ポンプPと、回転可能に設けた出力軸72を有する油圧モ−タMとの間に所定の圧力(実施例では約5kg/cm2)をかけている図示しない弁、チェック弁等を設けた油圧回路を構成しており、油圧モ−タMの出力軸72を前記継ぎ手部67に臨ませて係合するように嵌入しながら左側走行ケ−スCの上面と右側ケ−スBの上面とにまたがる空間部146における迂回伝動室137の右側面部の所定場所に位置し、取付具(ボルト、ナット等)により着脱自在に取り付けている。したがって、油圧無段変速装置10を取付けた走行ケ−ス1の横幅をコンパクトに構成することができ、機体の小型化を図れる。
【0104】
なお、前記入力プ−リ142は原動機の出力軸に設けた出力プ−リとの間にベルトを巻き掛け、テンションロ−ラ(図示せず)によって常時張圧している。したがって、原動機11の起動によって、出力軸及び該出力軸に設けた出力プ−リを介して出力された回転動力は、入力プ−リ142、入力軸139、無段変速入力軸145に伝動されて油圧ポンプPを回転駆動するので、油圧無段変速装置10にオイルが送り込まれ、そして、運転者が油圧無段変速装置10の斜板の角度を調節することにより、油圧モ−タMの出力軸72の回転数を調節することができる構成としている。
【0105】
油圧無段変速装置(HST)10の入出力部は右側の走行ケ−スBに取り付けた軸受64に、前記カウンタ−ギヤ63と常時噛み合う出力ギヤ65を有する入力ギヤ軸66の軸端部を差し込んで回転可能に設けていると共に軸芯方向へ移動しないように設けている。さらに、該入力ギヤ軸66は軸芯部に出力軸72と係合する継ぎ手部67を形成している。なお、迂回伝動室137は駆動軸2の回転部とは離れた走行ケ−ス1の上部に位置するので、泥土の付着が少ない。
【0106】
このように、原動機の起動によって、原動機出力軸及び該出力軸に設けた出力プ−リを介して出力された回転動力は、入力プ−リ142、入力軸139、無段変速入力軸145に伝動されて油圧ポンプPを回転駆動するので、油圧無段変速装置10にオイルが送り込まれ、そして、運転者がHST10の斜板の角度を調節することにより、油圧モ−タMの出力軸72の回転数を調節することができ、これに関連して、出力軸72と係合する継ぎ手部67を形成した入力ギヤ軸66、出力ギヤ65、カウンタ−ギヤ63、副変速入力ギヤ61等の伝動機構Aを介して駆動軸2、2を正転又は逆転をすることができるので、機体を前・後進することができる。
【0107】
さらに、入力軸139、入力プ−リ142及びファン143が一体に回転すると、ファン143とガイド144とによって、風を迂回伝動室137に向けて送風することにより、迂回伝動室137が冷却されることになって内部を通るオイルの温度を下げることができるので、オイルの劣化を遅くすることができると共に走行ケ−ス1の耐久性も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のコンバインの左側面図。
【図2】 図1のコンバインの右側面図。
【図3】 図1のコンバインの正面図。
【図4】 図1のコンバインの一部破断した伝動部の正面図。
【図5】 図1のコンバインの一部破断した正面図。
【図6】 図1のコンバインの一部切除した拡大側面図。
【図7】 図1のコンバインの一部破断した走行ケ−スの左側面図。
【図8】 図1のコンバインの一部破断した走行ケ−スの右側面図。
【図9】 図1のコンバインの一部切除した走行ケ−スの正面図。
【図10】 図1のコンバインの走行ケ−スのマニホ−ルド部の断面図。
【図11】 図1のコンバインの油圧無段変速装置の平面図。
【図12】 図1のコンバインの運転操作部の側面図。
【図13】 図1のコンバインの一部切除した運転操作部の平面図。
【図14】 図1のコンバインの油圧回路図。
【図15】 図1のコンバインのブロック回路図。
【図16】 本発明の別実施例の一部破断したコンバインの正面図。
【符号の説明】
1 走行ケ−ス 2 駆動軸
3 走行装置 4 刈取部
5 変速操作レバ− 6 座席
7 運転操作部 8 脱穀部
9 タンク 10 油圧無段変速装置
11 原動機 12 コンバイン
13 リリ−フ弁 14 刈取上下弁
15 マニホ−ルド 16 操向クラッチ
17 オイル案内管 18 空間部
19 中継体 20 オイルフィルタ−

Claims (3)

  1. オイルやギヤ・軸を備えた伝動機構を内装している走行ケ−スから機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸の回転動力を介して回転する走行装置と、昇降手段により穀稈の刈り取り高さの位置を変更可能に構成し機体の前部に設けた刈取部と、変速操作レバ−や座席を備えた機体の前部に設けた運転操作部と、刈取部の後方に設けた脱穀部及び穀物を収容するタンクと、走行ケ−スと連通してオイルを共用する走行速度を変速するための油圧無段変速装置10と、油圧力が必要な部位にオイルを圧送するオイル圧送手段と、刈取部や脱穀部や油圧無段変速装置10の駆動源である原動機11とを備えたコンバイン12であって、
    前記走行ケ−ス)は、機体の進行方向に対して内側端面同士が接合する右側の第1走行ケース(B)と左側の第2走行ケース(C)からなり、
    第2走行ケース(C)の外側面に前記昇降手段及びオイル圧送手段と連通し且つリリ−フ弁13を内装前記刈取部の刈取部を上下させる刈取上下弁14を設け、
    第1走行ケース(B)の外側面に前記油圧無段変速装置10に連通する第1オイル案内管(130)の接続用のアダプタ(132)を設け、
    前記第1走行ケース(B)の内壁及び前記第2走行ケース(C)の内壁のそれぞれから内側に向かって延出し、各内側端面をオイルシール(114)で接続して前記リリ−フ弁13を通るオイルを前記刈取上下弁14側から第1走行ケース(B)に案内すると共に前記アダプタ(132)に接続して前記リリ−フ弁(13)からの戻りオイルを前記第1オイル案内管(130)に案内する中空の管状のマニホ−ルド15設けたことを特徴とするコンバイン。
  2. 行ケ−スの前部に操向クラッチ16とその入切手段を設け
    体の側面視において、前記オイルを圧送するオイル圧送手段と連通し且つ前記操向クラッチ16の入切手段と前記油圧無段変速装置10との中間部における上部に前記刈取部の回動部を設け、一端部を操向クラッチ16の入切手段に連通すると共にその他端部を前記油圧無段変速装置10に連通した第2オイル案内管17を設け、さらに、該第2オイル案内管17を側面視逆U状に形成すると共にこの逆U状により形成された空間部18を機体の進行方向で且つ刈取部の回動部の上方に配置したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
  3. 記オイルを圧送するオイル圧送手段と連通し且つ走行ケ−スの前部に設けた操クラッチ16とその入切手段を設け、
    体の側面視において、前記操クラッチ16の入り切り動作を行なう操向クラッチ入切手段と前記油圧無段変速装置10との中間部における上部に前記刈取部の回動部を設け、両端部を前記油圧無段変速装置10とオイルを圧送するオイル圧送手段と連通する操向クラッチ入切手段とにそれぞれ接続した機体の前後方向に配置した第2オイル案内管17を設け、該第2オイル案内管17の中間部に中継体19を介在させて前記操向クラッチ入切手段と中継体19と油圧無段変速装置10とを連通し、操向クラッチ入切手段から中継体19を経由して油圧無段変速装置10に流れるオイルを浄化するためのオイルフィルタ−20を前記中継体19に着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
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