JP2004024163A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧無段変速装置を駆動するのに高馬力を出力する原動機を搭載しなければならず、車速を低くする構成のものでは、作業能率が低くなる問題を生じる。
【解決手段】油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバイン。
【選択図】 図4
【解決手段】油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバイン。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、機体を移動しながら、例えば、圃場の穀稈(稲、麦、大豆、そば等の作物)を刈り取って脱穀処理し、脱穀物をタンクに収容するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインは、一般に、オイルを利用した流体静圧型の無段変速機(ハイドロスタティックトランスミッション、HST)の回転動力をギヤ・軸等に伝動する油圧無段変速走行手段を利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンバインで収穫作業を行う場合、油圧無段変速装置を駆動するのに高馬力を必要とするために高馬力を出力する原動機を搭載しなければならず、また、車速を低くする構成のものでは、作業能率が低くなる問題を生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決し、作業能率を向上することができるコンバインを提供するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。
【0005】
すなわち、請求項1に記載した発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えることにより、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバインとした。
【0006】
このコンバインによって収穫作業を行なう時、まず、運転者は運転操作部5の座席に坐り、操作パネルに設けたスイッチを操作して原動機8を起動すると、原動機8から出力した回転動力は伝動手段を介してギヤポンプのようなオイル圧送手段を駆動し、さらに、切換手段を介して油圧無段変速装置9を駆動する。
【0007】
つぎに、運転者は、スロットルレバ−によって原動機8を所定回転数にする操作や刈取部4・脱穀部6のクラッチの入り操作を行なうと、原動機8の回転数は作業に合った回転まで上がり、そして、原動機8から出力された回転動力は伝動手段を介して刈取部4や脱穀部6の入力部に伝動し、それぞれの回転各部を駆動する。また、変速操作レバ−を操作して所望の走行速を選択操作すると、この操作に連動する油圧無段変速装置9の油圧ポンプ10の斜板が所定位置に移動するので、この位置に対応する量のオイルが圧送されて油圧モータ11の出力軸を所定の回転数にする。
【0008】
そして、出力軸から出力された回転動力は走行ケ−ス1の伝動機構Aを介して走行ケ−ス1から機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸2及び走行装置3を回転する。
【0009】
運転者は上記のように各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0010】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0011】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0012】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0013】
また、請求項2の発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、可変式の油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、可変式の油圧モータ11の斜板を中立に位置して閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバインとした。
【0014】
したがって、運転者は各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0015】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0016】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0017】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の可変モータの斜板を中立に位置するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0018】
そして、請求項3の発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路は開閉手段を介して開放することを特徴とするコンバインとした。
【0019】
したがって、運転者は各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0020】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0021】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0022】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路は開閉手段を介して開放されるという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明では、機体の進行方向の修正作業を円滑におこない得るとともに原動機8の回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができるので、収穫作業能率を向上する。
【0024】
請求項2記載の発明では、機体の進行方向の修正作業を円滑におこない得るとともに原動機8の回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができるので、収穫作業能率を向上する。さらに、油圧無段変速装置9の可変式の油圧モータ11の斜板を中立に位置するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0025】
請求項3記載の発明では、開閉手段によって、油圧無段変速装置9の閉回路を開放するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0027】
まず、その構成について説明すると、コンバイン12は、走行装置3と機体の前後に配置した刈取部4及び脱穀部8と脱穀部8の横側方に配置したタンク9と該タンク9の前方で機体の前部に配置した運転操作部7と、を前後及び左右方向に配置した枠体を一体に枠組み構成した車体フレ−ム(以下、車台と呼ぶ)13に直接又は間接的に取り付け、そして、前記脱穀部8の後部に排藁等の排出物を処理する処理装置14を着脱自在に取り付けている。
【0028】
走行装置3は伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1を前記車台13に着脱自在に取付け、該走行ケース1の下部に機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて左右一対の駆動軸2,2を回転可能に突出し、該駆動軸2のそれぞれの軸端部にスプロケット15を取り付け、車台13に連結した転輪フレ−ム16に機体の進行方向に所定間隔置きに配置して回転可能に転輪17を取り付け、該複数個の転輪17とスプロケット15間に無端の可撓性のクローラ18を巻き掛けて適正に張設して構成している。なお、ここでいう左側及び右側とはコンバイン12が前進する方向に向かってを言い、以下、同様の呼び方とする。
【0029】
伝動機構Aは走行ケ−ス1における伝動経路下手側から操向伝動部19、差動ギヤ部20、旋回切換部21、旋回伝動部22、変速クラッチ部23、副変速部24を順に設け、回転動力を副変速部24、変速クラッチ部23、旋回伝動部22、旋回切換部21、差動ギヤ部20を経由して操向伝動部19に伝動する構成としている。
【0030】
該操向伝動部19は左右方向に軸芯を有し且つ左右両軸端部を走行ケ−ス1に軸受して回転可能に設けたクラッチ軸27、該クラッチ軸27の軸芯方向における中央部に軸着するとともに左右の両横側面に噛み合い部29を設けたセンタギヤ28、クラッチ軸27の外面を軸芯方向に移動して噛み合い部29に噛み合い又は離間する第1ギヤ30および前記スプロケット15とは反対側における駆動軸2の軸端部にそれぞれ軸着した駆動軸ギヤ31と常時噛み合うサイドギヤ32からなるサイドギヤ体33、サイドギヤ32を噛み合い部29に常時噛み合うよう押圧するばね(図示せず)等で構成している。 すなわち、センタギヤ28の噛み合い部29と左・右のサイドギヤ32とが噛み合い又は離間することにより、前記左又は右の駆動軸2への回転動力の伝動を入り切りする操向クラッチを構成している。
【0031】
差動ギヤ部20は水平方向に軸芯を有する差動ギヤ34と回転方向に軸芯を有する差動ギヤ35を噛み合わせて差動ケース36に設けた差動装置37、該差動ケース36の一端部外周に一体に設けた差動ケースギヤ38、一端部に差動ギヤ34を取り付けるとともに他端部が差動ケース36を貫通して前記走行ケース1に回転可能に設けた横軸芯を有する左右の差動ギヤ軸39、差動ケースギヤ38の横側方に位置して第1ギヤ30と常時噛み合うとともに前記各差動ギヤ軸39に一体に設けた左右一対の差動軸ギヤ40等で構成している。なお、差動ギヤ部20の変速は、該実施例では、左右の差動ギヤ軸39の回転数をX,Yとし、差動ケース3の回転数をZとするとき、2Z=X+Yとなるように構成しているが、目的に応じて任意に選択することができる。
【0032】
旋回切換部21は走行ケース1に回転可能に設けた旋回切換軸41の中央部に前記差動ケースギヤ38と常時かみ合う旋回ギヤ42を固定し、さらに、該旋回切換軸41の一側部には、ブレーキギヤ43と一体に設けてブレーキギヤ43の回転を入り切りさせるブレーキクラッチ44及びマイルドギヤ45と一体に設けてマイルドギヤ45の回転を入り切りさせるマイルドクラッチ46を軸着している。また、旋回ギヤ42を挟んでマイルドクラッチ45とは反対側の旋回切換軸41の軸端部を走行ケース1の外壁から突出させ、そして、該突出軸部にスピン旋回用クラッチ47を軸着している。
【0033】
旋回伝動部22は走行ケース1に回転可能に設けた旋回伝動軸48に、前記センタギヤ28と常時噛み合う旋回センタギヤ49、ブレーキギヤ43と常時噛み合う旋回ブレーキギヤ50、マイルドギヤ45と常時噛み合う旋回マイルドギヤ51、変速伝動ギヤ52、変速伝動第2ギヤ52aをそれぞれ軸着している。
【0034】
変速クラッチ部23は走行ケース1に回転可能に設けた変速クラッチ軸53に2連の低中速ギヤ54を遊転して設けるとともにこの低中速ギヤ54と一体に設けて低中速ギヤ54の回転を入り切りさせる低中速クラッチ55及び高速ギヤ56と一体に設けて高速ギヤ56の回転を入り切りさせる高速クラッチ57を軸着し、さらに、前記変速伝動ギヤ52と常時噛み合う変速クラッチ伝動ギヤ58を軸着している。
【0035】
副変速部24は、外周面にスプライン(図示せず)を形成した副変速軸60の右端部を、走行ケース1の右側方に突出させて刈取出力プーリ59を着脱自在に取り付けているとともに左端部をモータ11の継ぎ手に連結して走行ケース1に回転可能に設けている。そして、該副変速軸60の外周面に前記スプラインに噛み合いながらも軸芯方向に摺動可能に2連の低中速伝動ギヤ61を設け、さらに、軸部に前記高速ギヤ56と常時かみ合う高速伝動ギヤ62、副変速入力ギヤ63を軸着している。
【0036】
カウンタ部25は走行ケース1の上部空間部に可変式の油圧ポンプ10の軸端部に設けた継ぎ手部に連結した油圧入力軸65を回転可能に設けており、そして、該油圧入力軸65は中間部にポンプ駆動ギヤ66を軸着するとともに副変速入力ギヤ63と常時噛み合うカウンタギヤ67を自由回転可能に設けている。
【0037】
入出力部26は、右端部が走行ケース1の右側方に突出して入力プーリ68を設けている入出力軸69を、走行ケース1の上部に回転可能に設け、そして、該入出力軸69の中央部に、切換操作によってポンプ駆動ギヤ66と噛み合う第1入力ギヤ70に回転動力を伝動するか、副変速軸ギヤ64と噛み合う第2入力ギヤ71に回転動力を伝動する第2伝動機構Bかの何れかを選択することができる入力切替クラッチ72を設けている。
【0038】
なお、通常は、入力切換クラッチ72が入出力軸69の回転動力を第1入力ギヤ70に伝動する状態にあって、入力切替クラッチ72の切換操作によって入出力軸69の回転動力を第2入力ギヤ71に伝動する構成としているので、回転動力は油圧無段変速装置9を介して伝動機構Aに伝動される。
【0039】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−ス1の中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、この油圧ポンプ10と油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路(閉回路)を構成している。
【0040】
複数の羽根を有するファン73は入力プーリ68よりも右側に位置する入出力軸69の軸端部に着脱自在に取り付けており、入力プ−リ68に回転動力が伝動されると、ファン73が回転して風を左側に向けて送って油圧無段変速装置9を冷却するので、油圧無段変速装置9の伝動効率を向上することができる。
【0041】
刈取部4は左右横方向に複数個配置した分草体74、後方斜め上方に向けて移動する引き起こしラグを有する引き起こし装置75、バリカン型の刈取装置76、刈取った穀稈を後方上方に搬送する刈取穀稈搬送装置77及び前後方向に配置した軸の後端を前端よりも上方に位置すると共に後端部に左右方向に軸芯を有する中空の回動体78を一体に取り付けた刈取主フレ−ム79とを一体に構成している。なお、該刈取主フレーム79は引き起こし装置75、刈取装置76、刈取穀稈搬送装置77等に回転動力を伝動する刈取主軸(図示せず)を回転可能に内装している。
【0042】
刈取駆動軸80は回動体78に回転可能に内装するとともに右側端部を回動体78の右端から外方に突出させ、そして、軸端部に刈取入力プ−リ81を着脱自在に取り付けている。また、刈取駆動軸80の刈取入力プ−リ81とは反対側の軸部には、刈取主軸の上側軸端部に取り付けたベベルギヤ(図示せず)と噛み合うベベルギヤ(図示せず)を設け、さらに、回動体78の左側端部はベベルギヤの回転動力を供給搬送チェンの駆動部に伝動する伝動ケース(図示せず)を着脱自在に取り付けている。
【0043】
そして、該刈取入力プ−リ81と前記刈取出力プ−リ59とにベルト82を巻き掛け、運転操作部5に設けた刈取入切操作レバ−83の操作によりテンションプ−リ84を作動して、このベルトを張圧又は解除し、回転動力の伝動を入り切りするテンションクラッチを構成している。
【0044】
なお、刈取部4の回動体78は前記油圧無段変速装置9の前方において側面視略平面に形成した走行ケ−ス1の上部に着脱自在に取り付けた刈取懸架メタル85に、横軸芯を中心に回動するが、前後及び左右方向への移動を規制されて取り付けられている。
【0045】
刈取部4の昇降手段は基部を前記車台13に揺動自在に枢着したシリンダと、先端部を刈取主フレ−ム78に揺動自在に枢着したピストンからなる油圧式の刈取部昇降装置86を構成している。
【0046】
脱穀部6は機体の進行方向に回転する穀稈自動送り込み装置87を一側部に有し、前記刈取部4が搬送してきた穀稈の株元部を挟持後搬送して穂先部を扱室内に送り込み脱穀する自脱型の構成であって、前記車台13に搭載してボルトやナット等で着脱自在に取り付けている。なお、コンバインの形態として、刈り取った穀稈を脱穀内に供給して処理する普通型の刈取部および脱穀部でもよい。
【0047】
タンク7は脱穀部6の右側方に位置あって、底部に下部螺旋(図示せず)を有し、前記脱穀部6の揚穀装置88によって上方に搬送された穀粒を一時収容すると共に横側方に向けて回動自在に設けている。そして、該下部螺旋の搬送終端部はタンク7の後方に軸芯を縦方向に位置した縦揚穀装置88の下端部に連通し、また、該縦揚穀装置89の上端部は、排出口が上下及び左右方向に回動する排出オ−ガ90に連通している。
【0048】
なお、脱穀部6の回転各部と縦揚穀装置89や排出オ−ガ90は、原動機8から出力される回転動力を、プ−リ、ベルト、ベルトテンションクラッチ、ベベルギヤ、軸、継ぎ手等の伝動機構を介して伝動する構成としている。
【0049】
運転操作部5はタンク7の前方に設けた座席の左側方と前方にかけて逆L状の操作パネル91を配置し、右側から乗り降りする構成としている。そして、該前側の操作パネル91の左側部にブザ−停止スイッチや作業灯スイッチ等の各種スイッチを設け、中間部にウインカ及びホ−スイッチ、キ−スイッチ等を設け、右側寄りに前側又は後側に傾倒すると刈取部4を昇降するとともに左側または右側に傾倒すると操向クラッチを入り切りして機体を左側又は右側への旋回を行なうパワステレバ−92を設けている。
【0050】
左側の操作パネル91は連繋機構を介して油圧無段変速装置9の斜板に連結して斜板を回動操作する変速操作レバ−93、副変速部24に設けた2連の低中速伝動ギヤ61を切換操作する副変速レバ−94、刈取部4及び脱穀部(タンク部を含む)6への回転動力の伝動を入り切りする前記刈取入切操作レバ−83、スロットルレバ−等を設けている。
【0051】
原動機8は前記操作パネル91の前部に設けたキ−スイッチを操作することにより起動・停止する構成であって、弾性体を介して座席の下方における車台13に着脱自在に取り付けているとともに油圧無段変速装置9の入力プ−リ68や脱穀部8等複数箇所にベルト等の伝動機構を介して回転動力を伝動することができる原動機出力プ−リ95を設けている。
【0052】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0053】
なお、走行ケース1に貯留しているオイルを、油圧無段変速装置9及び作業機(例えば、刈取部4を昇降する刈取部昇降装置86)用のオイルとして用いたものであって、さらに、該可変ポンプ軸97に取り付けチャージポンプ96を刈取上下弁99にオイルを圧送する作業機用のギヤポンプとして兼用するものにあっては、油圧配管を簡素化することができるとともに油圧無段変速装置9、走行ケース1及びチャージポンプ96を一体で車台13に着脱することができるので、組み立てや点検調整等のメンテナンス効率を高め得る。
【0054】
また、該チャージポンプ96は油圧無段変速装置9及び作業機(例えば、刈取部4を昇降する刈取部昇降装置86)用のオイルとして用いたものであって、さらに、該可変ポンプ軸97に取り付けチャージポンプ96を刈取上下弁99にオイルを圧送する作業機用のギヤポンプとして兼用するものであるとともに刈取上下弁99を一体に設けているものにあっては、オイルの配管構成を一層簡素化することができる。
【0055】
ギヤポンプ98は軸端部にギヤポンプ入力プーリ(図示せず)を取り付けたギヤポンプ入力軸(図示せず)を回転可能に有し、該ギヤポンプ入力プーリと前記原動機出力プ−リ95との間にベルトを巻きかけるとともにベルトテンション装置によって常時張圧する構成である。したがって、原動機8が駆動すると、原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、ベルトを介してギヤポンプ入力プーリ及びポンプ入力軸を回転させ、ギヤポンプ98を駆動する。
【0056】
そして、走行ケ−ス1とギヤポンプ98と刈取上下弁99と操向電磁弁100と左右操向シリンダ101,102と油圧無段変速装置9はパイプ等の油路を介して連通しており、ギヤポンプ98の駆動によるサクション機能及び可変ポンプ10の駆動によって、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルをギヤポンプ98、刈取上下弁99、操向電磁弁100、操向シリンダ101,102、油圧無段変速装置9、各機器を連通する複数のパイプ、オイルを浄化するフィルタ−等を通って再び走行ケース1に戻るように循環する構成である。すなわち、走行ケース1に供給した1種類のオイルを油圧無段変速装置9、ギヤポンプ98、刈取部4の昇降や機体の操向等の作業用に利用するものである。
【0057】
つぎに、図4の油圧回路について説明すると、分流弁103は、入り口側をギヤポンプ98に接続するとともに出口側を副変速電磁弁104、伝動切換弁105、操向電磁弁100に接続し、ギヤポンプ98によって圧送されてきたオイルをこれらの弁100,104,105に分流する。
【0058】
副変速電磁弁104がOFFの状態(ソレノイドに通電していない場合)のとき、回転動力を低中速伝動ギヤ61から低中速ギヤ54に伝動し、ON(ソレノイドに通電されている場合)の状態のとき、回転動力を高速伝動ギヤ62から高速ギヤ56に伝動する。
【0059】
伝動切換弁105がOFFの状態(ソレノイドに通電していない場合)のとき、入力切替クラッチ72が入出力軸69の回転動力を第1入力ギヤ70、可変ポンプ駆動ギヤ66、油圧無段変速装置9を介して伝動機構Aに伝動する。そして、伝動切換弁105がON(ソレノイドに通電されている場合)の状態のとき、入力切替クラッチ72の切換操作によって、回転動力を第2入力ギヤ72からカウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動するとともに可変モータアクチュエータ106を作動して斜板を中立に位置する構成である。
【0060】
操向電磁弁100はパワステレバー92の左側又は右側方向への回動操作によるスイッチ(図示せず)の入り作用によって、圧送されてきたオイルを左操向シリンダ101又は右操向シリンダ102に案内する構成であって、左操向シリンダ101にオイルが案内されると、左操向ピストン107が摺動して左シフタ108を作動して左側のサイドギヤ体33を移動させ、右操向シリンダ102にオイルが案内されると、右操向ピストン109が摺動して右シフタ110を作動して右側のサイドギヤ体33を移動させ、サイドギヤ体33の第1ギヤ30とセンタギヤ28との噛み合い部29を解く構成である。
【0061】
その後、パワステレバー92が中立位置に復帰してスイッチを切りにすると、操向電磁弁100は切り換って操向シリンダ100,101へのオイルの案内を停止するとともにシリンダ内のオイルを走行ケース側に案内する。これに関連して、左操向ピストン107又は右操向ピストン109は元の位置まで後退するので、ばねによって押されたサイドギヤ体33は右側又は左側に移動し、噛み合い部29を介してセンタギヤ28と一体構成になる。
【0062】
そして、左操向シリンダ101及び右操向シリンダ102の摺動側中間部で合流する合流部とオイルの戻り側である走行ケース側との間に形成した油路111の途中部に、合流部側から電磁比例弁112とパワステリリーフ弁113を設けている。なお、該パワステリリーフ弁113はパワステレバー92の操作量(回動量)によって揺動する揺動板(図示せず)の揺動作用に関連して圧力制御を行う構成であるが、パワステレバー92の操作量をポテンショメータ等のセンサが読み取って、アクチュエータを介してパワステリリーフ弁113の圧力を制御する構成としてもよい。
【0063】
さらに、前記合流部は油路114を介して旋回切換部21のクラッチ部と連通してあって、左側の走行シリンダ107又は右側の操向シリンダ108から排出されたオイルをブレーキ等のクラッチ部に案内するので、ばね115で押圧されて状態に入り状態にあるマイルドクラッチ46は切り状態になり、切り状態にあるブレーキクラッチ44は入り状態に切り換わる。なお、油路114を流れるオイルの圧力は、作業者が、例えば、ダイヤルスイッチ等の操作具でもって電磁比例弁112の励磁力を変更することによって強弱調整可能に設けている。
【0064】
また、操向電磁弁100は刈取部4の前部下方位置に設けた方向制御用のセンサ116と電気的に接続しており、方向制御用のセンサ116の感知状態によって自動的に切り替え、穀稈を踏み倒さないように構成している。
【0065】
連繋体117は一端部を運転操作部7の下面のフロアに位置し且つ横軸回りに回動・復帰可能に設けた駐車用のフットペダル118に接続するとともに他端部がサイドギヤ体33を摺動させる左右サイドシフタ119,120に連動可能に連結している。そして、作業者がこのフットペダル118を所定位置まで踏み込むと、旋回切換軸41をロックするように連動可能に連結しており、フットペダル118を最下位置まで踏み込むことによって、サイドギヤ32,32がセンタギヤ28の噛み合い部29から同時に噛み合わない位置まで摺動するとともに旋回切換軸41をロックして駐車ブレーキに兼用する構成である。
【0066】
上記の構成において、運転者はコンバイン12の運転操作部5の右側から座席に座ってフットペダル118を踏み込んで、安全を確認してからキ−をキ−スイッチに入れて原動機8を起動すると、原動機出力プ−リ95の回転によって出力される回転動力はベルト等の伝動機構を介してギヤポンプ98及び入力プ−リ68を回転し、さらに、この回転動力は入出力軸69、入力切換クラッチ72、第1入力ギヤ70、可変ポンプ駆動ギヤ66、油圧入力軸65を介してポンプ10及びチャージポンプ96を駆動する。
【0067】
これに関連して、ギヤポンプ98の駆動によるサクション機能、ポンプ10の駆動及びによって、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルはギヤポンプ98、刈取上下弁99、操向電磁弁100、操向シリンダ101,102、油圧無段変速装置9、各機器を連通する複数のパイプ、オイルを浄化するフィルタ−等を通って再び走行ケース1に戻るように循環され、モータ11を駆動するとともに油圧無段変速装置9の油圧回路にオイルを補給する。
【0068】
このとき、入出力軸69に取り付けたファン73の回転によって風を左側に送るので、風は走行ケース1や油圧無段変速装置9を冷却し、湯温の異常上昇を防止し、伝動効率を向上することができる。
【0069】
そして、スロットルレバ−を前後方向に回動すれば原動機8の回転数を所定の回転数に選択することができる。また、副変速を選択操作するには、副変速レバ−94を所望位置に操作して低中速伝動ギヤ61と低中速ギヤ54を噛み合わせると、可変モータ11の回転による副変速軸60の回転動力は、低中速伝動ギヤ61から低中速ギヤ54、低中速クラッチ55を介して変速クラッチ軸53に伝動され、そして、低中速クラッチ55を切り、高速クラッチ57を入りにすると、副変速軸60の回転動力は高速伝動ギヤ62から高速ギヤ56、高速クラッチ57を介して変速クラッチ軸53に伝動されるので、低速、中速(標準速)又は高速のいずれかを選択することができる。
【0070】
つぎに、パワステレバ−92を後側に倒してこれに連動している連繋機構でもって刈取上下弁99を切り換えると、油圧オイルは刈取上下弁99からオイル案内管を通って刈取昇降装置86のシリンダに入りピストンを伸ばすので、刈取懸架メタル85に設けている回動体78が横軸芯を中心に回動し刈取部4を上側に向けて上昇し、反対に、パワステレバ−92を前側に倒してこれに連動している連繋機構により刈取上下弁99を切り換えると、シリンダ内のオイルはオイル案内管を通って刈取上下弁99に戻るので、刈取部4を下降する。
【0071】
そして、運転者はフットペダル118の踏み込みを解除し、変速操作レバ−93を前側に傾倒すると、連繋機構を介して回動して斜板を回動するので、変速操作レバ−5の位置に対応した可変モ−タ11の出力軸72の回転数を選択することができ、前記副変速軸60を回転させる。
【0072】
これに関連して、変速クラッチ軸53の回転動力は変速クラッチ伝動ギヤ58、変速伝動ギヤ52、旋回伝動軸48、旋回センタギヤ49、センタギヤ28、左右の噛み合い部29、サイドギヤ体33の第1ギヤ30・サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介してスプロケット15及びクロ−ラ18を同じ方向で且つ略同じ回転数でもって回転させ、機体を前進させる。
【0073】
反対に、変速操作レバー93を中立の位置から後側に傾倒すると、連繋機構を介して回動して斜板を前進側とは反対側に回動するので、変速操作レバ−5の位置に対応した可変モ−タ11の出力軸72の回転数を選択することができるとともに、副変速軸60を前進側とは逆の方向に回転させる。
【0074】
これに関連して、変速クラッチ軸53の回転動力は変速クラッチ伝動ギヤ58、変速伝動ギヤ52、旋回伝動軸48、旋回センタギヤ49、センタギヤ28、左右の噛み合い部29、サイドギヤ体33の第1ギヤ30・サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介してスプロケット15及びクロ−ラ18を同じ方向で且つ略同じ回転数でもって回転させ、機体を後進させる。
【0075】
なお、このように前後進し且つ直進する場合、旋回マイルドギヤ51及びマイルドギヤ45が噛み合っているものの、マイルドクラッチ46は滑り回転するので、メカロックを起こすことがない。
【0076】
前進時において、機体を構成する走行装置3や他の部材が圃場の穀稈を踏み倒さないようにするために、機体の前進方向を左側又は右側に修正して刈取部4の左右横方向に複数個配置した分草体74を刈取っていく穀稈列の適正な所に位置する必要があるが、例えば、パワステレバ−92を左側に傾倒すると、励磁したソレノイドが操向電磁弁100を切り換える。
【0077】
すると、ギヤポンプ98からホ−ス、分流弁103、刈取上下弁99、オイル案内管等を通って操向電磁弁100に圧送されたオイルは、左操向シリンダ101の中に送り込まれて左操向ピストン107を伸長し、連繋機構(ワイヤ等)117を介して左サイドシフタ119を作動する。これに関連して、サイドギヤ体33はばねを押しながらクラッチ軸27に沿って左側に摺動し、センタギヤ28の噛み合い部29との噛み合いを解くので、操向クラッチの一方は切りの状態になって機体を左側に旋回する。
【0078】
その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−92を元の位置である中立の位置に復帰させると、スイッチが切りになってソレノイドの励磁を停止し、操向電磁弁100を元の中立位置に切り換える。すると、サイドギヤ41はばね43の押圧力によってクラッチ軸27の軸芯に沿って右側に摺動しセンタギヤ28の噛み合い部29と噛み合うので、操向クラッチ16は入りの状態になって機体を直進させることができる。
【0079】
反対に、機体の前進方向を右側に変更する場合、パワステレバ−92を右側に傾倒すると、励磁したソレノイドが操向電磁弁100を切り換える。すると、ギヤポンプ98からホ−ス、分流弁103、刈取上下弁99、オイル案内管等を通って操向電磁弁100に圧送されたオイルは、左操向シリンダ101の中に送り込まれて左操向ピストン107を伸長し、ワイヤ等の連繋機構117を介して左サイドシフタ119を作動する。これに関連して、サイドギヤ体33はばねを押しながらクラッチ軸27に沿って左側に摺動し、センタギヤ28の噛み合い部29との噛み合いを解くので、操向クラッチの一方(左側)は切りの状態になって機体を左側に旋回する。
【0080】
その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−92を元の位置である中立の位置に復帰させると、スイッチが切りになってソレノイドの励磁を停止し、操向電磁弁100を元の中立位置に切り換える。すると、サイドギヤ41はばね43の押圧力によってクラッチ軸27の軸芯に沿って右側に摺動しセンタギヤ28の噛み合い部29と噛み合うので、操向クラッチ16は入りの状態になって機体を直進する。
【0081】
このような機体の進行方向の修正作業において、圃場や路上条件等によって、マイルド旋回(緩旋回)、ブレーキ旋回(芯地旋回)、あるいはスピン旋回(超芯地旋回)を行うことによって利便性が向上し、作業能率を高めることができる。
【0082】
例えば、パワステレバー92を左側に所定角度倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断ち、また、旋回マイルドギヤ51の回転動力はマイルドギヤ45、旋回切換軸41、旋回ギヤ42及び差動ケースギヤ38を介して差動ケース36と作動ギヤ34,35を回転する。これによって、右側の駆動軸2はセンタギヤ28、サイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動され、左側の駆動軸2は左側の差動ギヤ軸39、差動軸ギヤ40、第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動される。このとき、あらかじめ、差動ギヤ軸39の回転数を低くなるように各ギヤのギヤ比を設定しているので、左右いずれのクローラ18も同じ方向に回転するが、旋回外側である右側のクローラ18が左側のクローラ18の回転数よりも高速で回転するマイルド旋回を行う。
【0083】
ブレーキ旋回を行う場合は、パワステレバー92を前記マイルド旋回の場合よりも大きく左側に倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断つとともにオイル(圧力が高くなる)を合流部から油路111及び油路114に送られる。そして、油路114を流れる高圧のオイルは旋回切換部21のクラッチ部に送り込まれ、ばね115によって押圧されて入り状態にあるマイルドクラッチ46を切り状態にし、反対に、切り状態にあるブレーキクラッチ44を入り状態に切り換える。
【0084】
すると、旋回ブレーキギヤ50の回転動力はブレーキギヤ43、旋回切換軸41、旋回ギヤ42及び作動ケースギヤ38を介して作動ケース36と差動ギヤ34,35を回転し、また、右側の駆動軸2はセンタギヤ28、サイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動され、左側の駆動軸2は左側の差動ギヤ軸39、差動軸ギヤ40、第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動される。このとき、あらかじめ、差動ギヤ軸39の回転数をゼロ(回転しない状態)になるように各ギヤのギヤ比を設定しているので、左側のクローラ18は回転しないで右側のクローラ18が回転することになり、機体を左側にブレーキ旋回させる。
【0085】
スピン旋回を行う場合は、パワステレバー92を最左側端部に倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断つとともにオイル(圧力が高くなる)を合流部から油路111及び油路114に送られる。そして、油路114を流れる高圧のオイルは旋回切換部21のクラッチ部に送り込まれ、ばね115によって押圧されて入り状態にあるマイルドクラッチ46を切り状態にし、反対に、切り状態にあるブレーキクラッチ44を入り状態に切り換えて、旋回切換軸41を回転させる状態にある。しかし、パワステレバー92を最左側端部へ傾倒することによって、スピン旋回用クラッチ47が旋回伝動軸48を回転させないように固定するので、旋回切換軸41もロックされた状態になる。
【0086】
したがって、旋回センタギヤ49からの回転動力はセンタギヤ28、右側のサイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して右側の駆動軸2に伝動され、また、右側の第1ギヤ30の回転動力は右側の差動軸ギヤ40、右側の差動ギヤ軸39、差動ギヤ34,35、左側の差動ギヤ軸39、左側の差動軸ギヤ40、左側のサイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、左側の駆動軸ギヤ31を介して左側の駆動軸2に伝動される。そして、該左側の駆動軸2の回転方向は右側の駆動軸2の回転方向と逆であるので、右側のクローラ18は前進側に回転するが左側のクローラ18は後進側に回転してスピン旋回を行う。
【0087】
なお、パワステレバー92を左側に傾倒した場合について説明したが、機体の進行方向を右側に旋回する場合はパワステレバー92を右側に傾倒すればよく、さらに、変速操作レバー93を後側に傾倒して機体を後進する場合においても同様の作業を行う。
【0088】
そして、刈取入切操作レバ−83を入り側に操作すると、刈取部4のテンションップ−リ84は原動機出力プ−リ95と刈取入力プ−リ81とに巻き掛けたベルト82を張圧して、回転動力を原動機出力プ−リ95から刈取入力プ−リ81刈取駆動軸80を介して刈取主軸(図示せず)に伝動し、刈取部4の引き起こし装置75、刈取装置76及び刈取穀稈搬送装置77等を回転する。
【0089】
上記のような機体を前進又は後進を繰り返す作業やパワステレバー92を前後・左右方向へ回動する作業等によって、機体が穀稈の前あるいは近くに移動したとき、運転者は機体の作業部分の回転数の調節、穀稈列に対する機体位置、穀稈に対する刈取部4の刈高さ位置等を適正に選択していうことを再確認してから、変速操作レバ−93を前側に操作して所望する作業速度を選択し、作業を開始する。なお、機体を前進又は後進を繰り返すとき、変速操作レバー83を前側又は後側に傾倒する操作により、簡単に機体の前進又は後進を行うことができるとともに車速も簡単に選択することができる。
【0090】
すると、引き起こし装置75の引き起こしケ−スに沿って斜め後方上方に移動する引き起こしラグに引き起こされた穀稈の株元部は、刈取装置76で切断されたあと、刈取穀稈搬送装置77に引き継がれてさらに後方上方に搬送される。そして、搬送終端部に到達した穀稈は穀稈自動送込装置に挟持されて後方に搬送され、カッタ−等の排稈処理装7に送り込まれて排稈等の処理をされるが、一方、穀稈の穂部は扱室内に送り込まれて脱穀処理される。これによって生じた穀粒などの処理物は風選されて穀粒とわら屑に分離され、穀粒は揚穀装置88によってタンク9に送り込まれ収容される。その後、タンク内の穀粒が満杯になると、運転者は収穫作業を中断して穀粒の排出操作をすれば、穀粒は縦揚穀装置89及び排出オ−ガ90を通って排出口から機外に排出されるので、トラック等の運搬車に移し換えればよい。
【0091】
収穫作業時に、圃場や穀稈の条件が良好で車速をより高速で刈取作業を行うことが可能な場合、あるいは、別の段取り等の条件によって早く作業を終えたいと望む場合がある。このとき、作業者は、まず伝動切換弁105のソレノイドと電源とを通電状態に操作すると、励磁したソレノイドは伝動切換弁105を切り換え作動する。すると、ギヤポンプ98によって圧送され、分流弁103及び伝動切換弁105をその順に通ってきたオイルは、入力切換クラッチ72を切り換え作動するとともに可変モータアクチュエータ106を作動して油圧モータ11の斜板(図示せず)を中立に位置する。
【0092】
これによって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するとともに油圧無段変速装置9側への伝動が断たれるので、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動、すなわち、第2伝動機構Bから伝動機構Aに伝動される。
【0093】
したがって、原動機8の出力が油圧無段変速装置9に取られることもなく、伝動機構Aに回転動力を伝動することができるので、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0094】
その後、次の刈取作業を行うために、例えば直立している穀稈群のコーナー部で機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、入力切換クラッチ72を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができるので、利便性を向上する。
【0095】
【別実施例1】
図5に記載した別実施例は、上記したコンバインと略同形態であるので、上
記実施例と共用する符号を使用することとし、相違する部材について新たな符号を使用して説明する。
【0096】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−スの中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、油圧ポンプ10と油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路を構成している。
【0097】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0098】
開閉切換電磁弁(実施例ではアンロード弁を使用している)121は前記油圧無段変速装置9の閉回路である油圧モータ11から油圧ポンプ10への送油回路に設けているとともに伝動切換弁105への通電操作に関連して切換作動する構成である。
【0099】
すなわち、作業者は伝動切換弁105のソレノイドと電源とを通電状態に操作すると、励磁したソレノイドは伝動切換弁105を切り換え作動し、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力を、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動する。しかも、励磁したソレノイドは開閉切換電磁弁121を切換作動して閉回路を開放し、油圧モータ11から油圧ポンプ10への油路を遮断するので、油圧モータ11が回転しても圧送オイルが循環しない。
【0100】
したがって、該実施例においても、油圧無段変速装置9側への伝動が断たれるので、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動、すなわち、第2伝動機構Bから伝動機構Aに伝動される。
【0101】
したがって、原動機8の出力が油圧無段変速装置9に取られることもなく、伝動機構Aに回転動力を伝動することができるので、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0102】
その後、次の刈取作業を行うために、例えば直立している穀稈群のコーナー部で機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、入力切換クラッチ72を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができるので、利便性を向上する。
【0103】
【別実施例2】
図6に記載した別実施例は、上記したコンバインと略同形態であるので、上記実施例と共用する符号を使用することとし、相違する部材について新たな符号を使用して説明する。
【0104】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−スの中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、該油圧ポンプ10と該油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路を構成している。
【0105】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0106】
変速操作レバー93は握り部122又はその近くに、制御モータ123の回転を正転するモータ増速スイッチ124及び制御モータ123の回転を逆転するモータ減速スイッチ125を並べて設け、基部に変速操作レバー93の回動操作量を検出する検出装置(実施例ではポテンショメータを使用)126と連動構成している。
【0107】
該モータ増速スイッチ124又はモータ減速スイッチ125は押す(入りにする)ことによって制御モータ123をステップ増速又はステップ減速することができる。そして、該制御モータ123の駆動によって回転動力を出力する制御モータ軸127の軸端部に大ギヤ128と噛み合う小ギヤ129を設けている。該大ギヤ128の基部はポテンショメータ130と連動可能に連結しており、ポテンショメータ130が大ギヤ128の回動角度を検出する。該大ギヤ128と連繋具131は、モータ増速スイッチ124を押し操作することによって制御モータ123及び制御モータ軸127をステップ増速させ、さらに、小ギヤ129、大ギヤ128及び連繋具131を介して前記油圧モータ11の斜板132を直立側に回動するように、大ギヤ128と連繋具131と斜板132を連動連結している。
【0108】
さらに、モータ増速スイッチ124の押し操作を行うと、これに起因して刈取モータ133を駆動し、刈取部4の刈取入力プ−リ81と前記走行ケース1側に設けた刈取出力プ−リ59とに巻き掛けたベルト82の張圧を強制的に解除する構成であるが、該刈取入切操作レバ−83のテンションクラッチを作動する刈取入切操作レバ−83を作動して、ベルト82の張圧を強制的に解除する構成としてもよい。
【0109】
上記構成において、変速操作レバー93を所定の最傾倒位置に回動操作すると、これに関連して、変速操作レバー93と連動構成している油圧ポンプ10の斜板も最大流量位置まで回動する。このような状態で、作業者は制御モータ123に押し操作をして、制御モータ123を駆動すると、制御モータ123の回転動力は制御モータ軸127、小ギヤ129、大ギヤ128及び連繋具131を介して前記油圧モータ11の斜板132を直立側に回動するので、油圧モータ11から出力する回転動力の回転数を高め、伝動機構Aに伝動する。その結果、副変速部24の変速ギヤを切り換えることもなく車速を高めることができる。
【0110】
さらに、モータ増速スイッチ124を押し操作することによって、制御モータ123の制御モータ軸127から出力する回転動力の回転数を段階的に高めることができる。そして、ポテンショメータ126が大ギヤ128の回動位置があらかじめ設定した最大位置に到達したことを検出すると、作業者がモータ増速スイッチ124に押し操作を与えても、制御モータ123をそれ以上増速させないので、制御モータ123の焼損、油圧モータ11、連繋具131、大小ギヤ128,129等の回動部材の変形や破損を防止する。
【0111】
そして、制御モータ123の押し操作に起因して刈取モータ133を駆動し、刈取部4の刈取入力プ−リ81と前記走行ケース1側に設けた刈取出力プ−リ59とに巻き掛けたベルト82の張圧を強制的に解除して刈取部4への回転動力の伝動を断つので、刈取性能や脱穀処理性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】一部切除したコンバインの正面図。
【図3】走行ケースの背断面図。
【図4】油圧回路図。
【図5】別実施例の走行ケースの背断面図。
【図6】別実施例の走行ケースの背断面図。
【図7】車速と可変ポンプの作動関係図。
【符号の説明】
1 走行ケ−ス 2 駆動軸
3 走行装置 4 刈取部
5 運転操作部 6 脱穀部
7 タンク 8 原動機
9 油圧無段変速装置 10 油圧ポンプ
11 油圧モータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、機体を移動しながら、例えば、圃場の穀稈(稲、麦、大豆、そば等の作物)を刈り取って脱穀処理し、脱穀物をタンクに収容するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインは、一般に、オイルを利用した流体静圧型の無段変速機(ハイドロスタティックトランスミッション、HST)の回転動力をギヤ・軸等に伝動する油圧無段変速走行手段を利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンバインで収穫作業を行う場合、油圧無段変速装置を駆動するのに高馬力を必要とするために高馬力を出力する原動機を搭載しなければならず、また、車速を低くする構成のものでは、作業能率が低くなる問題を生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決し、作業能率を向上することができるコンバインを提供するものであって、つぎのような技術的手段を講じた。
【0005】
すなわち、請求項1に記載した発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えることにより、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバインとした。
【0006】
このコンバインによって収穫作業を行なう時、まず、運転者は運転操作部5の座席に坐り、操作パネルに設けたスイッチを操作して原動機8を起動すると、原動機8から出力した回転動力は伝動手段を介してギヤポンプのようなオイル圧送手段を駆動し、さらに、切換手段を介して油圧無段変速装置9を駆動する。
【0007】
つぎに、運転者は、スロットルレバ−によって原動機8を所定回転数にする操作や刈取部4・脱穀部6のクラッチの入り操作を行なうと、原動機8の回転数は作業に合った回転まで上がり、そして、原動機8から出力された回転動力は伝動手段を介して刈取部4や脱穀部6の入力部に伝動し、それぞれの回転各部を駆動する。また、変速操作レバ−を操作して所望の走行速を選択操作すると、この操作に連動する油圧無段変速装置9の油圧ポンプ10の斜板が所定位置に移動するので、この位置に対応する量のオイルが圧送されて油圧モータ11の出力軸を所定の回転数にする。
【0008】
そして、出力軸から出力された回転動力は走行ケ−ス1の伝動機構Aを介して走行ケ−ス1から機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて突出した走行用の駆動軸2及び走行装置3を回転する。
【0009】
運転者は上記のように各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0010】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0011】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0012】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0013】
また、請求項2の発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、可変式の油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、可変式の油圧モータ11の斜板を中立に位置して閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバインとした。
【0014】
したがって、運転者は各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0015】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0016】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0017】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の可変モータの斜板を中立に位置するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0018】
そして、請求項3の発明は、伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路は開閉手段を介して開放することを特徴とするコンバインとした。
【0019】
したがって、運転者は各操作レバ−を操作して刈取部4や脱穀部等の機体の回転各部を駆動すると共に機体を前進させて作業を開始すると、刈取部4で刈り取られて後方に搬送された穀稈は、脱穀部6で脱穀処理され、そして、脱粒した脱穀物は脱穀部6からタンク9に送られて貯留され、その後、排出装置によって機外に排出される。そして、所定の穀稈列を刈り終えた後、再び次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるとき、油圧無段変速装置9を使用しているものにあっては、変速操作レバーを前側や後側に操作するという簡単な操作によって前進及び後進を行うことができ、しかも、該レバーの回動量によって車速を変速することができる。
【0020】
また、圃場が乾田であり、穀稈も湿度が低くて直立状態にあり、さらに、直進での刈取作業が長い場合等、収穫時における作業条件が良好な場合は、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置側に伝動するのではなく、第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ伝動するので、原動機8から出力される回転動力が油圧無段変速装置9にとられず、すなわち、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0021】
その後、次の刈取作業を行うために、機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、切換手段を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって、機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができる。
【0022】
そして、切換手段によって第2伝動機構側に伝動経路を切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路は開閉手段を介して開放されるという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明では、機体の進行方向の修正作業を円滑におこない得るとともに原動機8の回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができるので、収穫作業能率を向上する。
【0024】
請求項2記載の発明では、機体の進行方向の修正作業を円滑におこない得るとともに原動機8の回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができるので、収穫作業能率を向上する。さらに、油圧無段変速装置9の可変式の油圧モータ11の斜板を中立に位置するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0025】
請求項3記載の発明では、開閉手段によって、油圧無段変速装置9の閉回路を開放するという簡単な作業でもって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するので、回転動力は第2伝動機構Bを介して伝動機構Aへ円滑に伝動されるとともに走行装置3の駆動を良好に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0027】
まず、その構成について説明すると、コンバイン12は、走行装置3と機体の前後に配置した刈取部4及び脱穀部8と脱穀部8の横側方に配置したタンク9と該タンク9の前方で機体の前部に配置した運転操作部7と、を前後及び左右方向に配置した枠体を一体に枠組み構成した車体フレ−ム(以下、車台と呼ぶ)13に直接又は間接的に取り付け、そして、前記脱穀部8の後部に排藁等の排出物を処理する処理装置14を着脱自在に取り付けている。
【0028】
走行装置3は伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1を前記車台13に着脱自在に取付け、該走行ケース1の下部に機体の進行方向に対して左側及び右側に向けて左右一対の駆動軸2,2を回転可能に突出し、該駆動軸2のそれぞれの軸端部にスプロケット15を取り付け、車台13に連結した転輪フレ−ム16に機体の進行方向に所定間隔置きに配置して回転可能に転輪17を取り付け、該複数個の転輪17とスプロケット15間に無端の可撓性のクローラ18を巻き掛けて適正に張設して構成している。なお、ここでいう左側及び右側とはコンバイン12が前進する方向に向かってを言い、以下、同様の呼び方とする。
【0029】
伝動機構Aは走行ケ−ス1における伝動経路下手側から操向伝動部19、差動ギヤ部20、旋回切換部21、旋回伝動部22、変速クラッチ部23、副変速部24を順に設け、回転動力を副変速部24、変速クラッチ部23、旋回伝動部22、旋回切換部21、差動ギヤ部20を経由して操向伝動部19に伝動する構成としている。
【0030】
該操向伝動部19は左右方向に軸芯を有し且つ左右両軸端部を走行ケ−ス1に軸受して回転可能に設けたクラッチ軸27、該クラッチ軸27の軸芯方向における中央部に軸着するとともに左右の両横側面に噛み合い部29を設けたセンタギヤ28、クラッチ軸27の外面を軸芯方向に移動して噛み合い部29に噛み合い又は離間する第1ギヤ30および前記スプロケット15とは反対側における駆動軸2の軸端部にそれぞれ軸着した駆動軸ギヤ31と常時噛み合うサイドギヤ32からなるサイドギヤ体33、サイドギヤ32を噛み合い部29に常時噛み合うよう押圧するばね(図示せず)等で構成している。 すなわち、センタギヤ28の噛み合い部29と左・右のサイドギヤ32とが噛み合い又は離間することにより、前記左又は右の駆動軸2への回転動力の伝動を入り切りする操向クラッチを構成している。
【0031】
差動ギヤ部20は水平方向に軸芯を有する差動ギヤ34と回転方向に軸芯を有する差動ギヤ35を噛み合わせて差動ケース36に設けた差動装置37、該差動ケース36の一端部外周に一体に設けた差動ケースギヤ38、一端部に差動ギヤ34を取り付けるとともに他端部が差動ケース36を貫通して前記走行ケース1に回転可能に設けた横軸芯を有する左右の差動ギヤ軸39、差動ケースギヤ38の横側方に位置して第1ギヤ30と常時噛み合うとともに前記各差動ギヤ軸39に一体に設けた左右一対の差動軸ギヤ40等で構成している。なお、差動ギヤ部20の変速は、該実施例では、左右の差動ギヤ軸39の回転数をX,Yとし、差動ケース3の回転数をZとするとき、2Z=X+Yとなるように構成しているが、目的に応じて任意に選択することができる。
【0032】
旋回切換部21は走行ケース1に回転可能に設けた旋回切換軸41の中央部に前記差動ケースギヤ38と常時かみ合う旋回ギヤ42を固定し、さらに、該旋回切換軸41の一側部には、ブレーキギヤ43と一体に設けてブレーキギヤ43の回転を入り切りさせるブレーキクラッチ44及びマイルドギヤ45と一体に設けてマイルドギヤ45の回転を入り切りさせるマイルドクラッチ46を軸着している。また、旋回ギヤ42を挟んでマイルドクラッチ45とは反対側の旋回切換軸41の軸端部を走行ケース1の外壁から突出させ、そして、該突出軸部にスピン旋回用クラッチ47を軸着している。
【0033】
旋回伝動部22は走行ケース1に回転可能に設けた旋回伝動軸48に、前記センタギヤ28と常時噛み合う旋回センタギヤ49、ブレーキギヤ43と常時噛み合う旋回ブレーキギヤ50、マイルドギヤ45と常時噛み合う旋回マイルドギヤ51、変速伝動ギヤ52、変速伝動第2ギヤ52aをそれぞれ軸着している。
【0034】
変速クラッチ部23は走行ケース1に回転可能に設けた変速クラッチ軸53に2連の低中速ギヤ54を遊転して設けるとともにこの低中速ギヤ54と一体に設けて低中速ギヤ54の回転を入り切りさせる低中速クラッチ55及び高速ギヤ56と一体に設けて高速ギヤ56の回転を入り切りさせる高速クラッチ57を軸着し、さらに、前記変速伝動ギヤ52と常時噛み合う変速クラッチ伝動ギヤ58を軸着している。
【0035】
副変速部24は、外周面にスプライン(図示せず)を形成した副変速軸60の右端部を、走行ケース1の右側方に突出させて刈取出力プーリ59を着脱自在に取り付けているとともに左端部をモータ11の継ぎ手に連結して走行ケース1に回転可能に設けている。そして、該副変速軸60の外周面に前記スプラインに噛み合いながらも軸芯方向に摺動可能に2連の低中速伝動ギヤ61を設け、さらに、軸部に前記高速ギヤ56と常時かみ合う高速伝動ギヤ62、副変速入力ギヤ63を軸着している。
【0036】
カウンタ部25は走行ケース1の上部空間部に可変式の油圧ポンプ10の軸端部に設けた継ぎ手部に連結した油圧入力軸65を回転可能に設けており、そして、該油圧入力軸65は中間部にポンプ駆動ギヤ66を軸着するとともに副変速入力ギヤ63と常時噛み合うカウンタギヤ67を自由回転可能に設けている。
【0037】
入出力部26は、右端部が走行ケース1の右側方に突出して入力プーリ68を設けている入出力軸69を、走行ケース1の上部に回転可能に設け、そして、該入出力軸69の中央部に、切換操作によってポンプ駆動ギヤ66と噛み合う第1入力ギヤ70に回転動力を伝動するか、副変速軸ギヤ64と噛み合う第2入力ギヤ71に回転動力を伝動する第2伝動機構Bかの何れかを選択することができる入力切替クラッチ72を設けている。
【0038】
なお、通常は、入力切換クラッチ72が入出力軸69の回転動力を第1入力ギヤ70に伝動する状態にあって、入力切替クラッチ72の切換操作によって入出力軸69の回転動力を第2入力ギヤ71に伝動する構成としているので、回転動力は油圧無段変速装置9を介して伝動機構Aに伝動される。
【0039】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−ス1の中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、この油圧ポンプ10と油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路(閉回路)を構成している。
【0040】
複数の羽根を有するファン73は入力プーリ68よりも右側に位置する入出力軸69の軸端部に着脱自在に取り付けており、入力プ−リ68に回転動力が伝動されると、ファン73が回転して風を左側に向けて送って油圧無段変速装置9を冷却するので、油圧無段変速装置9の伝動効率を向上することができる。
【0041】
刈取部4は左右横方向に複数個配置した分草体74、後方斜め上方に向けて移動する引き起こしラグを有する引き起こし装置75、バリカン型の刈取装置76、刈取った穀稈を後方上方に搬送する刈取穀稈搬送装置77及び前後方向に配置した軸の後端を前端よりも上方に位置すると共に後端部に左右方向に軸芯を有する中空の回動体78を一体に取り付けた刈取主フレ−ム79とを一体に構成している。なお、該刈取主フレーム79は引き起こし装置75、刈取装置76、刈取穀稈搬送装置77等に回転動力を伝動する刈取主軸(図示せず)を回転可能に内装している。
【0042】
刈取駆動軸80は回動体78に回転可能に内装するとともに右側端部を回動体78の右端から外方に突出させ、そして、軸端部に刈取入力プ−リ81を着脱自在に取り付けている。また、刈取駆動軸80の刈取入力プ−リ81とは反対側の軸部には、刈取主軸の上側軸端部に取り付けたベベルギヤ(図示せず)と噛み合うベベルギヤ(図示せず)を設け、さらに、回動体78の左側端部はベベルギヤの回転動力を供給搬送チェンの駆動部に伝動する伝動ケース(図示せず)を着脱自在に取り付けている。
【0043】
そして、該刈取入力プ−リ81と前記刈取出力プ−リ59とにベルト82を巻き掛け、運転操作部5に設けた刈取入切操作レバ−83の操作によりテンションプ−リ84を作動して、このベルトを張圧又は解除し、回転動力の伝動を入り切りするテンションクラッチを構成している。
【0044】
なお、刈取部4の回動体78は前記油圧無段変速装置9の前方において側面視略平面に形成した走行ケ−ス1の上部に着脱自在に取り付けた刈取懸架メタル85に、横軸芯を中心に回動するが、前後及び左右方向への移動を規制されて取り付けられている。
【0045】
刈取部4の昇降手段は基部を前記車台13に揺動自在に枢着したシリンダと、先端部を刈取主フレ−ム78に揺動自在に枢着したピストンからなる油圧式の刈取部昇降装置86を構成している。
【0046】
脱穀部6は機体の進行方向に回転する穀稈自動送り込み装置87を一側部に有し、前記刈取部4が搬送してきた穀稈の株元部を挟持後搬送して穂先部を扱室内に送り込み脱穀する自脱型の構成であって、前記車台13に搭載してボルトやナット等で着脱自在に取り付けている。なお、コンバインの形態として、刈り取った穀稈を脱穀内に供給して処理する普通型の刈取部および脱穀部でもよい。
【0047】
タンク7は脱穀部6の右側方に位置あって、底部に下部螺旋(図示せず)を有し、前記脱穀部6の揚穀装置88によって上方に搬送された穀粒を一時収容すると共に横側方に向けて回動自在に設けている。そして、該下部螺旋の搬送終端部はタンク7の後方に軸芯を縦方向に位置した縦揚穀装置88の下端部に連通し、また、該縦揚穀装置89の上端部は、排出口が上下及び左右方向に回動する排出オ−ガ90に連通している。
【0048】
なお、脱穀部6の回転各部と縦揚穀装置89や排出オ−ガ90は、原動機8から出力される回転動力を、プ−リ、ベルト、ベルトテンションクラッチ、ベベルギヤ、軸、継ぎ手等の伝動機構を介して伝動する構成としている。
【0049】
運転操作部5はタンク7の前方に設けた座席の左側方と前方にかけて逆L状の操作パネル91を配置し、右側から乗り降りする構成としている。そして、該前側の操作パネル91の左側部にブザ−停止スイッチや作業灯スイッチ等の各種スイッチを設け、中間部にウインカ及びホ−スイッチ、キ−スイッチ等を設け、右側寄りに前側又は後側に傾倒すると刈取部4を昇降するとともに左側または右側に傾倒すると操向クラッチを入り切りして機体を左側又は右側への旋回を行なうパワステレバ−92を設けている。
【0050】
左側の操作パネル91は連繋機構を介して油圧無段変速装置9の斜板に連結して斜板を回動操作する変速操作レバ−93、副変速部24に設けた2連の低中速伝動ギヤ61を切換操作する副変速レバ−94、刈取部4及び脱穀部(タンク部を含む)6への回転動力の伝動を入り切りする前記刈取入切操作レバ−83、スロットルレバ−等を設けている。
【0051】
原動機8は前記操作パネル91の前部に設けたキ−スイッチを操作することにより起動・停止する構成であって、弾性体を介して座席の下方における車台13に着脱自在に取り付けているとともに油圧無段変速装置9の入力プ−リ68や脱穀部8等複数箇所にベルト等の伝動機構を介して回転動力を伝動することができる原動機出力プ−リ95を設けている。
【0052】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0053】
なお、走行ケース1に貯留しているオイルを、油圧無段変速装置9及び作業機(例えば、刈取部4を昇降する刈取部昇降装置86)用のオイルとして用いたものであって、さらに、該可変ポンプ軸97に取り付けチャージポンプ96を刈取上下弁99にオイルを圧送する作業機用のギヤポンプとして兼用するものにあっては、油圧配管を簡素化することができるとともに油圧無段変速装置9、走行ケース1及びチャージポンプ96を一体で車台13に着脱することができるので、組み立てや点検調整等のメンテナンス効率を高め得る。
【0054】
また、該チャージポンプ96は油圧無段変速装置9及び作業機(例えば、刈取部4を昇降する刈取部昇降装置86)用のオイルとして用いたものであって、さらに、該可変ポンプ軸97に取り付けチャージポンプ96を刈取上下弁99にオイルを圧送する作業機用のギヤポンプとして兼用するものであるとともに刈取上下弁99を一体に設けているものにあっては、オイルの配管構成を一層簡素化することができる。
【0055】
ギヤポンプ98は軸端部にギヤポンプ入力プーリ(図示せず)を取り付けたギヤポンプ入力軸(図示せず)を回転可能に有し、該ギヤポンプ入力プーリと前記原動機出力プ−リ95との間にベルトを巻きかけるとともにベルトテンション装置によって常時張圧する構成である。したがって、原動機8が駆動すると、原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、ベルトを介してギヤポンプ入力プーリ及びポンプ入力軸を回転させ、ギヤポンプ98を駆動する。
【0056】
そして、走行ケ−ス1とギヤポンプ98と刈取上下弁99と操向電磁弁100と左右操向シリンダ101,102と油圧無段変速装置9はパイプ等の油路を介して連通しており、ギヤポンプ98の駆動によるサクション機能及び可変ポンプ10の駆動によって、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルをギヤポンプ98、刈取上下弁99、操向電磁弁100、操向シリンダ101,102、油圧無段変速装置9、各機器を連通する複数のパイプ、オイルを浄化するフィルタ−等を通って再び走行ケース1に戻るように循環する構成である。すなわち、走行ケース1に供給した1種類のオイルを油圧無段変速装置9、ギヤポンプ98、刈取部4の昇降や機体の操向等の作業用に利用するものである。
【0057】
つぎに、図4の油圧回路について説明すると、分流弁103は、入り口側をギヤポンプ98に接続するとともに出口側を副変速電磁弁104、伝動切換弁105、操向電磁弁100に接続し、ギヤポンプ98によって圧送されてきたオイルをこれらの弁100,104,105に分流する。
【0058】
副変速電磁弁104がOFFの状態(ソレノイドに通電していない場合)のとき、回転動力を低中速伝動ギヤ61から低中速ギヤ54に伝動し、ON(ソレノイドに通電されている場合)の状態のとき、回転動力を高速伝動ギヤ62から高速ギヤ56に伝動する。
【0059】
伝動切換弁105がOFFの状態(ソレノイドに通電していない場合)のとき、入力切替クラッチ72が入出力軸69の回転動力を第1入力ギヤ70、可変ポンプ駆動ギヤ66、油圧無段変速装置9を介して伝動機構Aに伝動する。そして、伝動切換弁105がON(ソレノイドに通電されている場合)の状態のとき、入力切替クラッチ72の切換操作によって、回転動力を第2入力ギヤ72からカウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動するとともに可変モータアクチュエータ106を作動して斜板を中立に位置する構成である。
【0060】
操向電磁弁100はパワステレバー92の左側又は右側方向への回動操作によるスイッチ(図示せず)の入り作用によって、圧送されてきたオイルを左操向シリンダ101又は右操向シリンダ102に案内する構成であって、左操向シリンダ101にオイルが案内されると、左操向ピストン107が摺動して左シフタ108を作動して左側のサイドギヤ体33を移動させ、右操向シリンダ102にオイルが案内されると、右操向ピストン109が摺動して右シフタ110を作動して右側のサイドギヤ体33を移動させ、サイドギヤ体33の第1ギヤ30とセンタギヤ28との噛み合い部29を解く構成である。
【0061】
その後、パワステレバー92が中立位置に復帰してスイッチを切りにすると、操向電磁弁100は切り換って操向シリンダ100,101へのオイルの案内を停止するとともにシリンダ内のオイルを走行ケース側に案内する。これに関連して、左操向ピストン107又は右操向ピストン109は元の位置まで後退するので、ばねによって押されたサイドギヤ体33は右側又は左側に移動し、噛み合い部29を介してセンタギヤ28と一体構成になる。
【0062】
そして、左操向シリンダ101及び右操向シリンダ102の摺動側中間部で合流する合流部とオイルの戻り側である走行ケース側との間に形成した油路111の途中部に、合流部側から電磁比例弁112とパワステリリーフ弁113を設けている。なお、該パワステリリーフ弁113はパワステレバー92の操作量(回動量)によって揺動する揺動板(図示せず)の揺動作用に関連して圧力制御を行う構成であるが、パワステレバー92の操作量をポテンショメータ等のセンサが読み取って、アクチュエータを介してパワステリリーフ弁113の圧力を制御する構成としてもよい。
【0063】
さらに、前記合流部は油路114を介して旋回切換部21のクラッチ部と連通してあって、左側の走行シリンダ107又は右側の操向シリンダ108から排出されたオイルをブレーキ等のクラッチ部に案内するので、ばね115で押圧されて状態に入り状態にあるマイルドクラッチ46は切り状態になり、切り状態にあるブレーキクラッチ44は入り状態に切り換わる。なお、油路114を流れるオイルの圧力は、作業者が、例えば、ダイヤルスイッチ等の操作具でもって電磁比例弁112の励磁力を変更することによって強弱調整可能に設けている。
【0064】
また、操向電磁弁100は刈取部4の前部下方位置に設けた方向制御用のセンサ116と電気的に接続しており、方向制御用のセンサ116の感知状態によって自動的に切り替え、穀稈を踏み倒さないように構成している。
【0065】
連繋体117は一端部を運転操作部7の下面のフロアに位置し且つ横軸回りに回動・復帰可能に設けた駐車用のフットペダル118に接続するとともに他端部がサイドギヤ体33を摺動させる左右サイドシフタ119,120に連動可能に連結している。そして、作業者がこのフットペダル118を所定位置まで踏み込むと、旋回切換軸41をロックするように連動可能に連結しており、フットペダル118を最下位置まで踏み込むことによって、サイドギヤ32,32がセンタギヤ28の噛み合い部29から同時に噛み合わない位置まで摺動するとともに旋回切換軸41をロックして駐車ブレーキに兼用する構成である。
【0066】
上記の構成において、運転者はコンバイン12の運転操作部5の右側から座席に座ってフットペダル118を踏み込んで、安全を確認してからキ−をキ−スイッチに入れて原動機8を起動すると、原動機出力プ−リ95の回転によって出力される回転動力はベルト等の伝動機構を介してギヤポンプ98及び入力プ−リ68を回転し、さらに、この回転動力は入出力軸69、入力切換クラッチ72、第1入力ギヤ70、可変ポンプ駆動ギヤ66、油圧入力軸65を介してポンプ10及びチャージポンプ96を駆動する。
【0067】
これに関連して、ギヤポンプ98の駆動によるサクション機能、ポンプ10の駆動及びによって、走行ケ−ス1の内部に貯溜しているオイルはギヤポンプ98、刈取上下弁99、操向電磁弁100、操向シリンダ101,102、油圧無段変速装置9、各機器を連通する複数のパイプ、オイルを浄化するフィルタ−等を通って再び走行ケース1に戻るように循環され、モータ11を駆動するとともに油圧無段変速装置9の油圧回路にオイルを補給する。
【0068】
このとき、入出力軸69に取り付けたファン73の回転によって風を左側に送るので、風は走行ケース1や油圧無段変速装置9を冷却し、湯温の異常上昇を防止し、伝動効率を向上することができる。
【0069】
そして、スロットルレバ−を前後方向に回動すれば原動機8の回転数を所定の回転数に選択することができる。また、副変速を選択操作するには、副変速レバ−94を所望位置に操作して低中速伝動ギヤ61と低中速ギヤ54を噛み合わせると、可変モータ11の回転による副変速軸60の回転動力は、低中速伝動ギヤ61から低中速ギヤ54、低中速クラッチ55を介して変速クラッチ軸53に伝動され、そして、低中速クラッチ55を切り、高速クラッチ57を入りにすると、副変速軸60の回転動力は高速伝動ギヤ62から高速ギヤ56、高速クラッチ57を介して変速クラッチ軸53に伝動されるので、低速、中速(標準速)又は高速のいずれかを選択することができる。
【0070】
つぎに、パワステレバ−92を後側に倒してこれに連動している連繋機構でもって刈取上下弁99を切り換えると、油圧オイルは刈取上下弁99からオイル案内管を通って刈取昇降装置86のシリンダに入りピストンを伸ばすので、刈取懸架メタル85に設けている回動体78が横軸芯を中心に回動し刈取部4を上側に向けて上昇し、反対に、パワステレバ−92を前側に倒してこれに連動している連繋機構により刈取上下弁99を切り換えると、シリンダ内のオイルはオイル案内管を通って刈取上下弁99に戻るので、刈取部4を下降する。
【0071】
そして、運転者はフットペダル118の踏み込みを解除し、変速操作レバ−93を前側に傾倒すると、連繋機構を介して回動して斜板を回動するので、変速操作レバ−5の位置に対応した可変モ−タ11の出力軸72の回転数を選択することができ、前記副変速軸60を回転させる。
【0072】
これに関連して、変速クラッチ軸53の回転動力は変速クラッチ伝動ギヤ58、変速伝動ギヤ52、旋回伝動軸48、旋回センタギヤ49、センタギヤ28、左右の噛み合い部29、サイドギヤ体33の第1ギヤ30・サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介してスプロケット15及びクロ−ラ18を同じ方向で且つ略同じ回転数でもって回転させ、機体を前進させる。
【0073】
反対に、変速操作レバー93を中立の位置から後側に傾倒すると、連繋機構を介して回動して斜板を前進側とは反対側に回動するので、変速操作レバ−5の位置に対応した可変モ−タ11の出力軸72の回転数を選択することができるとともに、副変速軸60を前進側とは逆の方向に回転させる。
【0074】
これに関連して、変速クラッチ軸53の回転動力は変速クラッチ伝動ギヤ58、変速伝動ギヤ52、旋回伝動軸48、旋回センタギヤ49、センタギヤ28、左右の噛み合い部29、サイドギヤ体33の第1ギヤ30・サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介してスプロケット15及びクロ−ラ18を同じ方向で且つ略同じ回転数でもって回転させ、機体を後進させる。
【0075】
なお、このように前後進し且つ直進する場合、旋回マイルドギヤ51及びマイルドギヤ45が噛み合っているものの、マイルドクラッチ46は滑り回転するので、メカロックを起こすことがない。
【0076】
前進時において、機体を構成する走行装置3や他の部材が圃場の穀稈を踏み倒さないようにするために、機体の前進方向を左側又は右側に修正して刈取部4の左右横方向に複数個配置した分草体74を刈取っていく穀稈列の適正な所に位置する必要があるが、例えば、パワステレバ−92を左側に傾倒すると、励磁したソレノイドが操向電磁弁100を切り換える。
【0077】
すると、ギヤポンプ98からホ−ス、分流弁103、刈取上下弁99、オイル案内管等を通って操向電磁弁100に圧送されたオイルは、左操向シリンダ101の中に送り込まれて左操向ピストン107を伸長し、連繋機構(ワイヤ等)117を介して左サイドシフタ119を作動する。これに関連して、サイドギヤ体33はばねを押しながらクラッチ軸27に沿って左側に摺動し、センタギヤ28の噛み合い部29との噛み合いを解くので、操向クラッチの一方は切りの状態になって機体を左側に旋回する。
【0078】
その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−92を元の位置である中立の位置に復帰させると、スイッチが切りになってソレノイドの励磁を停止し、操向電磁弁100を元の中立位置に切り換える。すると、サイドギヤ41はばね43の押圧力によってクラッチ軸27の軸芯に沿って右側に摺動しセンタギヤ28の噛み合い部29と噛み合うので、操向クラッチ16は入りの状態になって機体を直進させることができる。
【0079】
反対に、機体の前進方向を右側に変更する場合、パワステレバ−92を右側に傾倒すると、励磁したソレノイドが操向電磁弁100を切り換える。すると、ギヤポンプ98からホ−ス、分流弁103、刈取上下弁99、オイル案内管等を通って操向電磁弁100に圧送されたオイルは、左操向シリンダ101の中に送り込まれて左操向ピストン107を伸長し、ワイヤ等の連繋機構117を介して左サイドシフタ119を作動する。これに関連して、サイドギヤ体33はばねを押しながらクラッチ軸27に沿って左側に摺動し、センタギヤ28の噛み合い部29との噛み合いを解くので、操向クラッチの一方(左側)は切りの状態になって機体を左側に旋回する。
【0080】
その後、機体を所定位置に変更したとき、パワステレバ−92を元の位置である中立の位置に復帰させると、スイッチが切りになってソレノイドの励磁を停止し、操向電磁弁100を元の中立位置に切り換える。すると、サイドギヤ41はばね43の押圧力によってクラッチ軸27の軸芯に沿って右側に摺動しセンタギヤ28の噛み合い部29と噛み合うので、操向クラッチ16は入りの状態になって機体を直進する。
【0081】
このような機体の進行方向の修正作業において、圃場や路上条件等によって、マイルド旋回(緩旋回)、ブレーキ旋回(芯地旋回)、あるいはスピン旋回(超芯地旋回)を行うことによって利便性が向上し、作業能率を高めることができる。
【0082】
例えば、パワステレバー92を左側に所定角度倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断ち、また、旋回マイルドギヤ51の回転動力はマイルドギヤ45、旋回切換軸41、旋回ギヤ42及び差動ケースギヤ38を介して差動ケース36と作動ギヤ34,35を回転する。これによって、右側の駆動軸2はセンタギヤ28、サイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動され、左側の駆動軸2は左側の差動ギヤ軸39、差動軸ギヤ40、第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動される。このとき、あらかじめ、差動ギヤ軸39の回転数を低くなるように各ギヤのギヤ比を設定しているので、左右いずれのクローラ18も同じ方向に回転するが、旋回外側である右側のクローラ18が左側のクローラ18の回転数よりも高速で回転するマイルド旋回を行う。
【0083】
ブレーキ旋回を行う場合は、パワステレバー92を前記マイルド旋回の場合よりも大きく左側に倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断つとともにオイル(圧力が高くなる)を合流部から油路111及び油路114に送られる。そして、油路114を流れる高圧のオイルは旋回切換部21のクラッチ部に送り込まれ、ばね115によって押圧されて入り状態にあるマイルドクラッチ46を切り状態にし、反対に、切り状態にあるブレーキクラッチ44を入り状態に切り換える。
【0084】
すると、旋回ブレーキギヤ50の回転動力はブレーキギヤ43、旋回切換軸41、旋回ギヤ42及び作動ケースギヤ38を介して作動ケース36と差動ギヤ34,35を回転し、また、右側の駆動軸2はセンタギヤ28、サイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動され、左側の駆動軸2は左側の差動ギヤ軸39、差動軸ギヤ40、第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して伝動される。このとき、あらかじめ、差動ギヤ軸39の回転数をゼロ(回転しない状態)になるように各ギヤのギヤ比を設定しているので、左側のクローラ18は回転しないで右側のクローラ18が回転することになり、機体を左側にブレーキ旋回させる。
【0085】
スピン旋回を行う場合は、パワステレバー92を最左側端部に倒すと、前記したように、左操向ピストン107を伸長して左側の操向クラッチを切りにして左側の駆動軸2への伝動を断つとともにオイル(圧力が高くなる)を合流部から油路111及び油路114に送られる。そして、油路114を流れる高圧のオイルは旋回切換部21のクラッチ部に送り込まれ、ばね115によって押圧されて入り状態にあるマイルドクラッチ46を切り状態にし、反対に、切り状態にあるブレーキクラッチ44を入り状態に切り換えて、旋回切換軸41を回転させる状態にある。しかし、パワステレバー92を最左側端部へ傾倒することによって、スピン旋回用クラッチ47が旋回伝動軸48を回転させないように固定するので、旋回切換軸41もロックされた状態になる。
【0086】
したがって、旋回センタギヤ49からの回転動力はセンタギヤ28、右側のサイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、駆動軸ギヤ31を介して右側の駆動軸2に伝動され、また、右側の第1ギヤ30の回転動力は右側の差動軸ギヤ40、右側の差動ギヤ軸39、差動ギヤ34,35、左側の差動ギヤ軸39、左側の差動軸ギヤ40、左側のサイドギヤ体33の第1ギヤ30、サイドギヤ32、左側の駆動軸ギヤ31を介して左側の駆動軸2に伝動される。そして、該左側の駆動軸2の回転方向は右側の駆動軸2の回転方向と逆であるので、右側のクローラ18は前進側に回転するが左側のクローラ18は後進側に回転してスピン旋回を行う。
【0087】
なお、パワステレバー92を左側に傾倒した場合について説明したが、機体の進行方向を右側に旋回する場合はパワステレバー92を右側に傾倒すればよく、さらに、変速操作レバー93を後側に傾倒して機体を後進する場合においても同様の作業を行う。
【0088】
そして、刈取入切操作レバ−83を入り側に操作すると、刈取部4のテンションップ−リ84は原動機出力プ−リ95と刈取入力プ−リ81とに巻き掛けたベルト82を張圧して、回転動力を原動機出力プ−リ95から刈取入力プ−リ81刈取駆動軸80を介して刈取主軸(図示せず)に伝動し、刈取部4の引き起こし装置75、刈取装置76及び刈取穀稈搬送装置77等を回転する。
【0089】
上記のような機体を前進又は後進を繰り返す作業やパワステレバー92を前後・左右方向へ回動する作業等によって、機体が穀稈の前あるいは近くに移動したとき、運転者は機体の作業部分の回転数の調節、穀稈列に対する機体位置、穀稈に対する刈取部4の刈高さ位置等を適正に選択していうことを再確認してから、変速操作レバ−93を前側に操作して所望する作業速度を選択し、作業を開始する。なお、機体を前進又は後進を繰り返すとき、変速操作レバー83を前側又は後側に傾倒する操作により、簡単に機体の前進又は後進を行うことができるとともに車速も簡単に選択することができる。
【0090】
すると、引き起こし装置75の引き起こしケ−スに沿って斜め後方上方に移動する引き起こしラグに引き起こされた穀稈の株元部は、刈取装置76で切断されたあと、刈取穀稈搬送装置77に引き継がれてさらに後方上方に搬送される。そして、搬送終端部に到達した穀稈は穀稈自動送込装置に挟持されて後方に搬送され、カッタ−等の排稈処理装7に送り込まれて排稈等の処理をされるが、一方、穀稈の穂部は扱室内に送り込まれて脱穀処理される。これによって生じた穀粒などの処理物は風選されて穀粒とわら屑に分離され、穀粒は揚穀装置88によってタンク9に送り込まれ収容される。その後、タンク内の穀粒が満杯になると、運転者は収穫作業を中断して穀粒の排出操作をすれば、穀粒は縦揚穀装置89及び排出オ−ガ90を通って排出口から機外に排出されるので、トラック等の運搬車に移し換えればよい。
【0091】
収穫作業時に、圃場や穀稈の条件が良好で車速をより高速で刈取作業を行うことが可能な場合、あるいは、別の段取り等の条件によって早く作業を終えたいと望む場合がある。このとき、作業者は、まず伝動切換弁105のソレノイドと電源とを通電状態に操作すると、励磁したソレノイドは伝動切換弁105を切り換え作動する。すると、ギヤポンプ98によって圧送され、分流弁103及び伝動切換弁105をその順に通ってきたオイルは、入力切換クラッチ72を切り換え作動するとともに可変モータアクチュエータ106を作動して油圧モータ11の斜板(図示せず)を中立に位置する。
【0092】
これによって、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止するとともに油圧無段変速装置9側への伝動が断たれるので、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動、すなわち、第2伝動機構Bから伝動機構Aに伝動される。
【0093】
したがって、原動機8の出力が油圧無段変速装置9に取られることもなく、伝動機構Aに回転動力を伝動することができるので、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0094】
その後、次の刈取作業を行うために、例えば直立している穀稈群のコーナー部で機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、入力切換クラッチ72を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができるので、利便性を向上する。
【0095】
【別実施例1】
図5に記載した別実施例は、上記したコンバインと略同形態であるので、上
記実施例と共用する符号を使用することとし、相違する部材について新たな符号を使用して説明する。
【0096】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−スの中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、油圧ポンプ10と油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路を構成している。
【0097】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0098】
開閉切換電磁弁(実施例ではアンロード弁を使用している)121は前記油圧無段変速装置9の閉回路である油圧モータ11から油圧ポンプ10への送油回路に設けているとともに伝動切換弁105への通電操作に関連して切換作動する構成である。
【0099】
すなわち、作業者は伝動切換弁105のソレノイドと電源とを通電状態に操作すると、励磁したソレノイドは伝動切換弁105を切り換え作動し、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力を、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動する。しかも、励磁したソレノイドは開閉切換電磁弁121を切換作動して閉回路を開放し、油圧モータ11から油圧ポンプ10への油路を遮断するので、油圧モータ11が回転しても圧送オイルが循環しない。
【0100】
したがって、該実施例においても、油圧無段変速装置9側への伝動が断たれるので、原動機8の原動機出力プ−リ95から出力した回転動力は、入力プ−リ68、入出力軸69、入力切換クラッチ72、第2入力ギヤ72、カウンタギヤ67、副変速入力ギヤ63を介して伝動機構Aに伝動、すなわち、第2伝動機構Bから伝動機構Aに伝動される。
【0101】
したがって、原動機8の出力が油圧無段変速装置9に取られることもなく、伝動機構Aに回転動力を伝動することができるので、回転がドロップせずに高速で刈取作業を行うことができ、収穫作業能率を向上する。
【0102】
その後、次の刈取作業を行うために、例えば直立している穀稈群のコーナー部で機体を何度も前・後進させて機体の進行方向を修正する必要があるときは、入力切換クラッチ72を操作して、回転動力を油圧無段変速装置9に伝動させることにより、変速操作レバーの簡単な操作でもって機体の前後進及び進行方向の修正を容易に行うことができるので、利便性を向上する。
【0103】
【別実施例2】
図6に記載した別実施例は、上記したコンバインと略同形態であるので、上記実施例と共用する符号を使用することとし、相違する部材について新たな符号を使用して説明する。
【0104】
油圧無段変速装置9は走行ケース1の上面と走行ケ−ス1の上面にまたがる空間部の所定場所に位置させてボルト等でもって走行ケース1に着脱自在に取り付けており、ケ−スの中に可変式の油圧ポンプ10、可変式の油圧モ−タ11、該油圧ポンプ10と該油圧モータ11の間に所定の圧力をかけている弁、複数個(実施例では2個)のチェック弁等を設けた油圧回路を構成している。
【0105】
チャージポンプ96は可変ポンプ軸97に取り付けるとともに油圧無段変速装置9の左側壁に着脱自在に取り付けており、油圧ポンプ10が駆動すると、チャージポンプ96も駆動する構成であって、油圧無段変速装置9の油圧回路を流れるオイルを補給するとともに走行ケース1と油圧無段変速機9とチャージポンプ96を一体に組み付けた状態で車台13に着脱することができる。
【0106】
変速操作レバー93は握り部122又はその近くに、制御モータ123の回転を正転するモータ増速スイッチ124及び制御モータ123の回転を逆転するモータ減速スイッチ125を並べて設け、基部に変速操作レバー93の回動操作量を検出する検出装置(実施例ではポテンショメータを使用)126と連動構成している。
【0107】
該モータ増速スイッチ124又はモータ減速スイッチ125は押す(入りにする)ことによって制御モータ123をステップ増速又はステップ減速することができる。そして、該制御モータ123の駆動によって回転動力を出力する制御モータ軸127の軸端部に大ギヤ128と噛み合う小ギヤ129を設けている。該大ギヤ128の基部はポテンショメータ130と連動可能に連結しており、ポテンショメータ130が大ギヤ128の回動角度を検出する。該大ギヤ128と連繋具131は、モータ増速スイッチ124を押し操作することによって制御モータ123及び制御モータ軸127をステップ増速させ、さらに、小ギヤ129、大ギヤ128及び連繋具131を介して前記油圧モータ11の斜板132を直立側に回動するように、大ギヤ128と連繋具131と斜板132を連動連結している。
【0108】
さらに、モータ増速スイッチ124の押し操作を行うと、これに起因して刈取モータ133を駆動し、刈取部4の刈取入力プ−リ81と前記走行ケース1側に設けた刈取出力プ−リ59とに巻き掛けたベルト82の張圧を強制的に解除する構成であるが、該刈取入切操作レバ−83のテンションクラッチを作動する刈取入切操作レバ−83を作動して、ベルト82の張圧を強制的に解除する構成としてもよい。
【0109】
上記構成において、変速操作レバー93を所定の最傾倒位置に回動操作すると、これに関連して、変速操作レバー93と連動構成している油圧ポンプ10の斜板も最大流量位置まで回動する。このような状態で、作業者は制御モータ123に押し操作をして、制御モータ123を駆動すると、制御モータ123の回転動力は制御モータ軸127、小ギヤ129、大ギヤ128及び連繋具131を介して前記油圧モータ11の斜板132を直立側に回動するので、油圧モータ11から出力する回転動力の回転数を高め、伝動機構Aに伝動する。その結果、副変速部24の変速ギヤを切り換えることもなく車速を高めることができる。
【0110】
さらに、モータ増速スイッチ124を押し操作することによって、制御モータ123の制御モータ軸127から出力する回転動力の回転数を段階的に高めることができる。そして、ポテンショメータ126が大ギヤ128の回動位置があらかじめ設定した最大位置に到達したことを検出すると、作業者がモータ増速スイッチ124に押し操作を与えても、制御モータ123をそれ以上増速させないので、制御モータ123の焼損、油圧モータ11、連繋具131、大小ギヤ128,129等の回動部材の変形や破損を防止する。
【0111】
そして、制御モータ123の押し操作に起因して刈取モータ133を駆動し、刈取部4の刈取入力プ−リ81と前記走行ケース1側に設けた刈取出力プ−リ59とに巻き掛けたベルト82の張圧を強制的に解除して刈取部4への回転動力の伝動を断つので、刈取性能や脱穀処理性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの左側面図。
【図2】一部切除したコンバインの正面図。
【図3】走行ケースの背断面図。
【図4】油圧回路図。
【図5】別実施例の走行ケースの背断面図。
【図6】別実施例の走行ケースの背断面図。
【図7】車速と可変ポンプの作動関係図。
【符号の説明】
1 走行ケ−ス 2 駆動軸
3 走行装置 4 刈取部
5 運転操作部 6 脱穀部
7 タンク 8 原動機
9 油圧無段変速装置 10 油圧ポンプ
11 油圧モータ
Claims (3)
- 伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、
該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し、且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えることにより、油圧無段変速装置9の閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバイン。 - 伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、
該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、可変式の油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し、且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、可変式の油圧モータ11の斜板を中立に位置して閉回路における送油を中止することを特徴とするコンバイン。 - 伝動機構Aを内装している走行ケ−ス1から左側及び右側に突出させて設けた駆動軸2の回転動力によって回転する走行装置3と、刈取部4と、運転操作部5と、脱穀部6と、脱穀処理した穀物を収容するタンク7と、脱穀部6等の駆動源である原動機8と、を備えたコンバインであって、該原動機8の出力部から伝動機構Aに至る間に、油圧ポンプ10及び油圧モータ11を有し且つ回転動力を伝動機構Aへ出力する油圧無段変速装置9と油圧無段変速装置9を介さないで伝動機構Aへ伝動する第2伝動機構Bと油圧無段変速装置9又は第2伝動機構Bのいずれかに切り換え可能な切換手段を設け、該切換手段を第2伝動機構B側に切り換えると、油圧無段変速装置9の閉回路は開閉手段を介して開放することを特徴とするコンバイン。
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---|---|---|---|
JP2002187715A JP2004024163A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | コンバイン |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002187715A Pending JP2004024163A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | コンバイン |
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JP (1) | JP2004024163A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078776A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Kubota Corp | 作業機の走行変速構造 |
JP2010172213A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Kubota Corp | 刈取収穫機 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187715A patent/JP2004024163A/ja active Pending
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