WO2014007141A1 - キャップ及びキャップ部構造 - Google Patents

Abstract

　容器本体の口部に着脱可能に装着されるキャップ及び容器のキャップ部構造は、有蓋筒状の計量部（２１）における容器外方に突出する蓋部（２１ａ）側の周壁部（２１ｂ）を覆う外殻部（２３）を備え、外殻部（２３）が計量部（２１）の蓋部（２１ａ）側の周壁部（２１ｂ）をキャップ周方向で部分的にキャップ外方に露出させる切り欠き部（２７）を有する。

Description

キャップ及びキャップ部構造

　本発明は、容器本体の口部に装着可能に構成されるキャップ及び容器のキャップ部構造に関する。
　本願は、２０１２年７月２日に、日本に出願された特願２０１２－１４８４０１号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　一般に、液体洗剤、液体漂白剤、液体柔軟剤、溶剤等の液状物や、粒状洗剤、粒状漂白剤、粒状調味料等の粉粒物を収納する容器では、容器本体の口部にキャップを螺合により着脱可能に装着し、このキャップの着脱によって口部を開閉させる。前記キャップの中には、有蓋筒状の計量部の外周に螺合筒部を配置し、計量部における螺合筒部よりも上方（容器外方）に位置する周壁部を外殻部で覆って二重構造としたものがある（例えば、特許文献１参照）。この場合、単なる筒状の計量部の外観に円みを持たせる等のデザイン自由度を高めることができる。

日本国実用新案登録第３１５２６３９号公報

　ところで、上記従来の構成において、比較的大径の螺合筒部の外面ではなく、その上方の外殻部の外面を把持してキャップを回転させる使用者が散見される。しかし、外殻部が円みのある外観の場合は特に、手指が滑り易いことが考えられ、キャップの開閉のし易さの面で改良の余地がある。
　また、計量部の周壁部の内周面には刻印や印字による計量目盛が記されるが、キャップが透明又は半透明であっても、計量部の周壁部が外殻部で覆われた二重構造である場合には、キャップ外方から計量目盛が視認し難く、この点でも改良の余地がある。

　そこで本発明は、容器本体の口部に着脱可能に装着されるキャップ及び容器のキャップ部構造において、キャップの開閉のし易さを向上させることを目的とする。本発明の別の目的は、キャップ内側の計量目盛の視認のし易さを向上させることにある。

　上記課題の解決手段として、本発明の第１の態様では、容器本体の口部に対して装着可能に構成されてなるキャップにおいて、有蓋筒状の本体部と、前記本体部の前記有蓋筒状の筒内に備えられた有蓋筒状の周壁部と、前記本体部に備えられ、前記口部に対して回転操作によって係合可能なように構成されてなる回転係合部と、前記周壁部のうち蓋部側の外周を覆う外殻部とを備え、前記回転係合部は、前記係合により前記本体部を前記口部に対して固定した際に前記周壁部のうち蓋部側の端が前記口部から前記容器の外方に突出するよう構成され、前記外殻部が、前記周壁部の前記容器の外方に突出した部位のうち一部を前記口部の周方向でキャップ外方に露出させるように設けられた切り欠き部を有する。
　別の側面では、この態様では、容器本体の口部に着脱可能に装着されるキャップにおいて、有蓋筒状の本体部と、回転操作を伴い前記口部に対して係合し、前記本体部の蓋部側の周壁部が容器外方に突出した状態で、該本体部を前記口部に固定する回転係合部と、前記本体部の蓋部側の周壁部の外周を覆う外殻部とを備え、前記外殻部が、前記本体部の蓋部側の周壁部を前記口部の周方向で部分的にキャップ外方に露出させる切り欠き部を有する。
　本発明の第２の態様では、第１の態様の構成において、前記切り欠き部が、前記本体部の筒状の中心軸を挟んで対向する二箇所に設けられていてもよい。
　この態様の別の側面では、前記切り欠き部が、前記口部の径方向で相対する二箇所に設けられていてもよい。
　本発明の第３の態様では、第１又は第２の態様の構成において、前記切り欠き部に、前記口部の周方向と交差する面に沿って立壁部が形成されていてもよい。
　本発明の第４の態様では、第１から第３のいずれかの態様の構成において、本体部の前記周壁部の内周面に計量目盛を記した計量部が設けられ、前記本体部の少なくとも前記周壁部における前記切り欠き部によってキャップ外方に露出する部位が、透明又は半透明に構成されていてもよい。
　この態様の別の側面では、第１から第３のいずれかの態様の構成において、前記本体部が、前記周壁部の内周面に計量目盛を記した計量部とされ、少なくとも前記周壁部における前記切り欠き部によってキャップ外方に露出する部位が、透明又は半透明とされていてもよい。
　本発明の第５の態様では、第１から第４のいずれかの態様の構成において、前記回転係合部が、前記口部に螺合により係合可能な螺旋状の回転係合部ネジ山を備え、前記口部が、前記回転係合部に螺合により係合可能な螺旋状の口部ネジ山を備えていてもよい。
　この態様の別の側面では、前記回転係合部が、前記口部に螺合により係合するように構成されていてもよい。
　本発明の第６の態様では、第５の態様のキャップを具備する容器のキャップ部構造において、前記回転係合部ネジ山又は前記口部ネジ山の少なくとも一方の螺合終端部に、他方の螺合先端部を前記キャップの周方向で突き当てて前記キャップの締め込み停止位置を規定する規定部を備えていてもよい。
　この態様の別の側面では、第５の態様のキャップを具備する容器のキャップ部構造において、前記キャップに設けられる当接部を前記口部に設けられる被当接部に当接させて、前記キャップの締め込み停止位置を規定する規定部を備えていてもよい。
　本発明の第７の態様では、前記規定部が、前記回転係合部ネジ山又は前記口部ネジ山の前記螺合終端部に螺合の回転方向とは垂直に延設された当接部で、前記螺合先端部に対して当接可能に構成されてなる
　本発明の第８の態様では、容器本体の口部に対して装着可能に構成されてなるキャップにおいて、有蓋筒状の本体部と、前記本体部の前記有蓋筒状の筒内に備えられた有蓋筒状の周壁部と、前記本体部に備えられ、前記口部に対して回転操作によって係合可能なように構成されてなる回転係合部と、前記周壁部のうち蓋部側の外周を覆う外殻部とを備え、前記回転係合部は、前記係合により前記本体部を前記口部に対して固定した際に前記周壁部のうち蓋部側の端が前記口部から前記容器の外方に突出するよう構成される。
　この態様の別の側面では、容器本体の口部に着脱可能に装着されるキャップにおいて、有蓋筒状の本体部と、回転操作を伴い前記口部に対して係合し、前記本体部の蓋部側の周壁部が容器外方に突出した状態で、該本体部を前記口部に固定する回転係合部と、前記本体部の蓋部側の周壁部の外周を前記口部の周方向で部分的に覆う外殻部とを備えていてもよい。

　本発明の第１の態様によれば、キャップに外殻部を設けることによりデザイン自由度を高めると共に、外殻部の切り欠き部を指掛かり部としてキャップの把持やトルク入力を容易にし、キャップの回転操作をし易くして口部への着脱を容易にすることができる。また、キャップの本体部に内容物を計量するための計量部を設ける場合、周壁部の切り欠き部での露出部分が透明又は半透明であれば、周壁部が全周に渡って外殻部に覆われた二重構造である場合と比べて、本体部内の計量目盛や内容物が視認し易くなり、キャップの計量具としての使い勝手を向上させることができる。
　本発明の第２の態様によれば、キャップに設けられた一対の切り欠き部により、キャップを手指で摘み易くし、かつ周壁部の露出部分を拡大することができる。
　本発明の第３の態様によれば、キャップに立壁部を設けることにより回転操作のトルク入力をより容易にし、キャップの容器本体の口部への着脱をより容易にすることができる。
　本発明の第４の態様によれば、キャップの周壁部の切り欠き部での露出部分から計量目盛や計量部内の内容物を視認し易くし、キャップの計量具としての使い勝手を向上させることができる。
　本発明の第５の態様によれば、キャップの外殻部の切り欠き部を把持可能とすることで口部への螺合操作をし易くし、キャップの容器本体の口部への着脱をより容易にすることができる。
　本発明の第６の態様によれば、キャップの螺合操作のし易さに伴う締め込み過ぎを制限することができる。
　本発明の第７の態様によれば、別の部品を要さず加工しやすく簡易で破損しにくい構造により締め込み過ぎを制限することができる。
　本発明の第８の態様によれば、キャップに設けられた外殻部によりデザイン自由度を高めると共に、外殻部を避けた部位を指掛かり部としてキャップの把持やトルク入力を容易にし、キャップの回転操作をし易くして口部への着脱を容易にすることができる。また、キャップの本体部に内容物を計量するための計量部を設ける場合、周壁部の外殻部を避けた部位での露出部分が透明又は半透明であれば、周壁部が全周に渡って外殻部に覆われた二重構造である場合と比べて、本体部内の計量目盛や内容物が視認し易くなり、キャップの計量具としての使い勝手を向上させることができる。

本発明の実施形態における計量キャップ付き容器のキャップ周辺の縦断面図である。 上記計量キャップ付き容器の計量キャップの斜視図である。 上記計量キャップをＣ１軸方向から見た平面図である。 上記計量キャップの外殻部側を本体部の円筒状における径方向から見た側面図である。 上記計量キャップの切り欠き部側を本体部の円筒状における径方向から見た側面図である。 図４のＶＩ－ＶＩ断面図である。 上記計量キャップの第一の変形例を示す側面図である。 上記計量キャップの第二の変形例を示す斜視図である。 上記計量キャップの第三の変形例を示す斜視図である。 上記計量キャップの締め込み停止位置を規定する規定部を示す側面図である。 上記規定部の変形例を示す側面図である。

　以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

　図１は、計量キャップ付き容器（容器）１の、口部を上向きにして置いた標準的な状態（以下、正立状態）の頂部の縦断面図である。計量キャップ付き容器１は、内容物を収納する容器本体２と、容器本体２における前記頂部に位置する口部３に装着可能に構成されてなる（着脱可能な状態に装着される）計量キャップ（キャップ）２０とを備えている。容器本体２は、一般に内容物として液体洗剤、液体漂白剤、液体柔軟剤、溶剤等の液状物や、粒状洗剤、粒状漂白剤、粒状調味料等の粉粒物を収納するためのものである。容器本体２の口部３は、中空のボトル体４の内口部５と、前記内口部５に装着されたノズルキャップ６とで構成されている。

　ボトル体４は、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いたブロー成型により一体形成されている。ノズルキャップ６は、例えばポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により一体形成されている。計量キャップ２０は、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により一体形成されている。

　内口部５は、容器本体２の上下方向に沿う円筒状をなしている。ボトル体４の内部空間Ｋ１は、この内口部５の形状により、前記正立状態の上方に開放されている。ノズルキャップ６は、概略有底筒状に構成され、この内口部５に対して、この内口部５の上方から装着が可能なように構成されている。図に示した例では、後述するようにノズルキャップ６の内面が内口部５の外面に係合するように構成されている。計量キャップ２０は、概略有蓋筒状に構成され、このノズルキャップ６に対してこのノズルキャップ６の上方から装着が可能なように構成されている。図に示した例では、後述するように計量キャップ２０の内面がノズルキャップ６の外面に係合するように構成されている。内口部５、ノズルキャップ６及び計量キャップ２０は、前記正立状態の上下方向に沿って計量キャップ２０の筒状における略中心軸にあたる軸線Ｃ１（以下、単に軸線Ｃ１という。）を共有している。以下、軸線Ｃ１に沿う方向をキャップ軸方向、軸線Ｃ１に直交する方向をキャップ径方向、軸線Ｃ１中心の周回方向をキャップ周方向と称する。キャップ軸方向における内口部５の開放側をボトル上方、内口部５のボトル内方側をボトル下方と称する。

　ノズルキャップ６は、内口部５にキャップ周方向に対して相対的に回転操作を加えることにより螺合される本体側螺合筒部７と、本体側螺合筒部７のボトル上方側の端部からキャップ径方向内側に延びる環状の本体側フランジ部８とを有している。ノズルキャップ６は、本体側フランジ部８の内周方でボトル下方に膨出して内口部５内に入り込む有底円筒状の挿入部を有している。挿入部９には、ボトル下方に凸のＶ字状に形成された底壁部９ａと、この底壁部９ａの一方の傾斜面からボトル上方に断面Ｕ字状をなして延びる樋部１０が備えられている。ノズルキャップ６は、本体側フランジ部８のキャップ径方向中間部からボトル上方に起立する円筒状の外口部１１と、本体側フランジ部８のキャップ径方向中間部からボトル下方に垂下して内口部５の内周に密接する円筒状の本体側シールリップ部１２とを有している。図中符号Ｓ１は挿入部９における円筒状の周壁部９ｂと樋部１０の底面との間の隙間を、符号１３は底壁部９ａの一方の傾斜面から最下端部にかけて形成されてボトル体４の内部空間Ｋ１を開口させる開口部をそれぞれ示している。

　内口部５の外周には第一ネジ山５ａが螺旋状に突設され、本体側螺合筒部７の内周には第一ネジ山５ａを螺合させるように構成された第二ネジ山７ａが螺旋状に突設されている。外口部１１の外周には第三ネジ山（口部ネジ山）１１ａが螺旋状に突設されている。

　図１及び２に示すように、計量キャップ２０は、ボトル上方から伸長して樋部１０を収容するように挿入部９内に入り込む有蓋円筒状の本体部を有する。図に示した例では、本体部の後述する周壁部２１ｂが内周面に計量目盛を設けられることで、本体部がそのまま計量部２１となっている。計量キャップ２０は、キャップ軸方向において計量部２１の中間部あたる位置に、計量部２１から外周方に離間して設けられている円筒状のキャップ側螺合筒部（回転係合部）２２を有している。計量キャップ２０は、計量部２１の蓋部２１ａの外周縁部から下方に、計量部２１の周壁部２１ｂの外周を覆うように延長され、キャップ側螺合筒部２２のボトル上方まで延びた外殻部２３を有する。計量キャップ２０は、キャップ側螺合筒部２２のボトル上方側の端部から、キャップ径方向の内側に延長され、計量部２１のキャップ軸方向中間部又は外殻部２３の下端縁部に接続されるキャップ側フランジ部２４を有する。キャップ２０は、キャップ側フランジ部２４のキャップ径方向内側からボトル下方に垂下して、ノズルキャップ６の外口部１１の内周に密接する、円筒状のキャップ側シールリップ部２５を有している。図中符号Ｓ２は計量部２１の周壁部２１ｂと外殻部２３との間の隙間を示している。

　計量キャップ２０のキャップ側螺合筒部２２の内周には、上述の第三ネジ山１１ａを螺合させる第四ネジ山（回転係合部ネジ山）２２ａが螺旋状に突設されている。第三ネジ山１１ａに対して第四ネジ山２２ａを螺合させることで、後述する回転係合部２２が本体部２１に対して回転操作によって係合可能となっている。

　計量部２１の蓋部２１ａは、ボトル上方に凸のドーム状をなし、この蓋部２１ａの外周縁部から外殻部２３がボトル下方に向かって湾曲しつつ延びている。蓋部２１ａ及び外殻部２３は連続する球状の一部の外面を形成し、キャップ上部に円みのある（表面が曲面形状を有する）外観を形成している。軸線Ｃ１と平行な断面（縦断面、図１参照）において、計量部２１内で蓋部２１ａと周壁部２１ｂとがなす角度は鈍角（例えば９５°～１２０°、図に示した例では１１０°）である。この蓋部２１ａと周壁部２１ｂとがなす角度が鈍角であることで、計量部２１内における液状の内容物の液残りを抑えることができるよう構成されている。蓋部２１ａの外面には、計量部２１の開放端部２１ｃを上方に向けて計量キャップ２０を載置する際の脚となる接地凸部２６が形成されている。接地凸部２６は、図に示した例では五つ形成されている。設置凸部２６の数は、計量キャップ２０を安定して載置できるように少なくとも三つあればよく、目安としては三つ～九つ程度設置される。設置凸部２６の数は、奇数個の方が偶数個よりも設置凸部２６の相互の距離を大きくとれるのでさらに望ましい。計量部２１の開放端部２１ｃはキャップ径方向外側に湾曲している。この開放端部２１ｃの湾曲のため、計量部２１内の液状の内容物を注ぎ出す際の周壁部２１ｂ外面への内容物の回り込みを抑えることができる。

　周壁部２１ｂの円筒の長さは、蓋部２１ａから回転係合部２２までの長さよりも長く延長している。このため、回転係合部２２と本体部２１との係合を行った際は、周壁部２１ｂは蓋部２１ａに近い端側の一部が容器本体の外方に突出した状態となり、蓋部２１ａから遠い端側の一部が容器本体の内部に収納された状態となる。上述の係合を行った際に周壁部２１ｂの円筒の長さのうちどれだけの割合が本体の外方に突出し、どれだけの割合が本体の内部に収納されるかは適宜選択できる。周壁部２１ｂの円筒の長さのうち１／３～２／３が本体の外方に突出し、その余部が本体の内部に収納されるようにすると、キャップ２０に付着していた内容物がキャップ２０やノズルキャップ６に付着せずにボトル４内部に戻りやすいので望ましい。

　図３、４及び６に示すように、外殻部２３は、例えばキャップ径方向で相対する二箇所に、それぞれキャップ軸方向と平行な切断面２７ａ及び２７ｂに沿うように切り欠かれた切り欠き部２７を有している。換言すれば、外殻部２３の切欠き部２７は、計量部２１の筒状の中心軸Ｃ１を挟んで互いに対抗する位置に（ボトル上方側におけるキャップ径方向で相対する二箇所）にキャップ周方向で互いに離間して設けられている。切り欠き部２７の大きさの目安として、切断面２７ａ及び２７ｂの径方向の幅はキャップ２０の径に対して５０～７５％程度、又は、切断面２７ａ及び２７ｂのそれぞれの面積はキャップ２０の表面積に対して１０～３０％程度が望ましい。

　両切断面２７ａ及び２７ｂは互いに平行に形成され、両切断面２７ａ及び２７ｂ間の距離は計量部２１の外径よりも小とされている。両切り欠き部２７には、計量部２１の周壁部２１ｂのボトル上方側の一部が露出部２１ｄとして配置される。両露出部２１ｄのキャップ周方向両側方には、それぞれ切断面２７ａ及び２７ｂに沿い、キャップ周方向と交差する面に沿って立壁部２８が形成される。キャップ側螺合筒部２２のボトル下方側の開放端部２２ｄよりもボトル上方側において、キャップ内部空間がキャップ外面に開口することはない。周壁部２１ｂの内周面には、刻印又は印字等により計量目盛が記されている。計量キャップ２０は、少なくとも両露出部２１ｄが透明又は半透明に（光透過性を有する素材等により）構成されている。このため、両露出部２１ｄでは、上述の計量目盛をキャップ外方から視認可能に構成されている。

　図３中符号Ｗは切断面２７ａ及び２７ｂと直交する方向から見たときの露出部２１ｄの幅を、符号Ｆは切断面２７ａ及び２７ｂに沿う方向から見たときの外殻部２３の幅をそれぞれ示している。露出部２１ｄの幅Ｗは、視認性や成型時の抜き勾配等を考慮すると、少なくとも２ｍｍは確保することが望ましい。幅Ｗの大きさは目安として約２～２０ｍｍである。

　図５を参照し、図中線Ｌ１はキャップ螺合筒部の上端角部と外殻部２３の外面とに接する接線を示し、図中線Ｒ１は接線Ｌ１と外殻部２３との接点Ｔ１を通過するキャップ周方向に沿う仮想円を示している（図２及び３参照）。両切り欠き部２７は仮想円Ｒ１を切り欠いており、キャップを接線Ｌ１に沿う平面上に載置した際の転がりを抑止することができる。計量キャップ２０の外面には、滑り止めのためのローレット（ナール）やリブが形成されていてもよいが、少なくとも両露出部２１ｄの外面は、計量目盛を見易くするために平滑に形成されていることが望ましい。

　図１及び２を参照し、キャップ側螺合筒部２２の円筒状の外周面は、ボトル下方側の開放端部２２ｄから回り込んだ内容物が付着した場合、計量キャップ２０の着脱時に把持した手指が滑る原因となることがある。
　これに対し、上記計量キャップ２０では、キャップ側螺合筒部２２の開放端部２２ｄから離間した外殻部２３の両切り欠き部２７を把持部とすることで、内容物の付着が抑えられている。それと共に、キャップ側螺合筒部２２の円筒状の外周面よりも手指で摘み易く、かつキャップ周方向と交差する立壁部２８によってトルクも入力し易い。

　すなわち、上記計量キャップ２０では、切り欠き部２７を備えていることで、手指の滑りが十分に抑止され、かつ回転操作がし易く、口部３の開閉が容易になっている。
　また、計量部２１の周壁部２１ｂを覆う外殻部２３を部分的に切り欠き、計量部２１の周壁部２１ｂに部分的な露出部２１ｄを設けていることで、計量部２１の周壁部２１ｂが全周に渡って外殻部２３で覆われた二重構造である場合と比べて、計量部２１内の計量目盛や内容物が視認し易くなっている。

　上記計量キャップ２０はトルクを入力し易いことから、計量キャップ２０が強く締め込まれてしまうことが考えられる。そこで、上記計量キャップ付き容器１では、外口部１１の第三ネジ山１１ａ及びキャップ側螺合筒部２２の第四ネジ山２２ａの少なくとも一方の螺合終端部に、他方の螺合先端部をキャップ周方向で突き当て、強い締め込みを防止するための規制壁部（規定部）が突設されている。

　図１０に示す例では、外口部１１の第三ネジ山１１ａの螺合終端部１１ｃには、第四ネジ山２２ａの螺合の回転方向とは垂直な規制壁部（当接部）３１が延設（連設）されている。この規制壁部３１が、キャップ側螺合筒部２２の第四ネジ山２２ａの螺合先端部２２ｂをボトル周方向で突き当てることができる。規制壁部３１とキャップ側螺合筒部２２の第四ネジ山２２ａの螺合先端部２２ｂとで、計量キャップ２０の締め込み停止位置を規定する規定部３１Ａが構成されている。

　図１０の実施形態の別の態様として、キャップ側螺合筒部２２の第四ネジ山２２ａの螺合終端部２２ｃに、外口部１１の第三ネジ山１１ａの螺合先端部１１ｂをキャップ周方向で突き当てることができる規制壁部（不図示）が連設されていてもよい。この形態では、前記規定部が、規制壁部と外口部１１の第三ネジ山１１ａの螺合先端部１１ｂとで構成されている。

　前記規定部は、各ネジ山を利用して構成するものに限らず、例えば図１１に示すように、前記規定部は、キャップ側螺合筒部２２のボトル下方側の開放端部２２ｄに係合部３３を突設すると共に、開放端部２２ｄとキャップ軸方向で対向する本体側フランジ部８の上面部８ａに係合部３３をキャップ周方向で突き当てる被係合部３４を突設して構成してもよい。この形態では、計量キャップ２０の締め込み停止位置を規定する規定部３４Ａをこれら係合部３３及び被係合部３４とで構成されている。

　また、前記規定部はキャップ周方向での突き当てが可能な構造のみに限らず、例えば前記規定部を、キャップ側螺合筒部２２のボトル下方側の開放端部２２ｄとこれをキャップ軸方向で突き当てることができる本体側フランジ部８の上面部８ａとで構成してもよい。前記規定部を、計量部２１の開放端部２１ｃとこれをキャップ軸方向で突き当てることができる挿入部９の底部とで構成してもよい。樋部１０の先端部１０ａとこれをキャップ軸方向で突き当てることができる計量部２１の蓋部２１ａとで前記規定部を構成していてもよい。さらに、前述の各規定部の構成を適宜組み合わせて用いていてもよい。

　以上説明したように、上記実施形態における計量キャップ２０によれば、計量部２１における容器外方（容器本体２及び計量キャップ２０の外方）に位置する蓋部２１ａ側の周壁部２１ｂを覆う外殻部２３を備えていることで、周壁部２１ｂを型抜き等を考慮した単純な円筒状にしながらも外殻部２３によりデザイン自由度を高めることができる。計量キャップ２０の外殻部２３が計量部２１の周壁部２１ｂをキャップ周方向で部分的に露出させる切り欠き部２７を有している（外殻部２３がキャップ周方向で部分的に設けられる）ことで、両切り欠き部２７を把持部として手指で摘み易くし、かつトルク入力もし易くすることができる。これにより、計量キャップ２０の回転操作をし易くして口部３の開閉を容易にすることができる。計量キャップ２０の外殻部２３の切り欠き部２７にキャップ周方向と交差する立壁部２８を設けていることで、計量キャップ２０へのトルク入力をより容易にして回転操作を容易にすることができる。

　透明又は半透明の周壁部２１ｂが外殻部２３に覆われることなくキャップ外方に露出していることで、計量部２１の周壁部２１ｂが全周に渡って外殻部２３に覆われた二重構造である場合と比べて計量部２１内の計量目盛や内容物が視認し易くなる。これにより、計量キャップ２０の使い勝手を向上させることができる。

　なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、外殻部２３の切り欠き部２７は二箇所に限らず、第一の変形例として、図７に示す計量キャップ１２０のように、切り欠き部２７が一箇所であってもよい。切り欠き部２７は三箇所以上であってもよいが、手指の掛かり易さや露出部２１ｄのキャップ周方向の幅による計量部２１の見易さを考慮すると、切り欠き部２７の数は少数であることが望ましく、特に一箇所又は二箇所であることが望ましい。
　また、第二の変形例として、図８に示す計量キャップ２２０のように、外殻部２３とキャップ側螺合筒部２２との間のキャップ側フランジ部２４による段差を無くし、外殻部２３の外面とキャップ側螺合筒部２２の外面とを面一に形成していることで、主に曲面によって形成された円みのある外観を強調した構成とされていてもよい。
　他方、第三の変形例として、図９に示す計量キャップ３２０のように、計量部２１の蓋部２１ａを平坦状にして角張った外観にしていると共に、計量キャップ２０を計量部２１の開放端部２１ｃを上方に向けて載置する際に高い安定性を有する構成とされていてもよい。

　その他の変形例として、上述の実施形態に記載された構造の一部又は全部は、計量具として用いないキャップ及び前記キャップを具備するキャップ付き容器に適用されていてもよい。キャップ及び口部の螺合構造は、キャップ側を雄ネジ、口部側を雌ネジとして構成されていてもよい。上述の構造は、容器の構造のうち、キャップを螺合により回転係合させるスクリューキャップ構造に限らず、例えばバヨネット係合等の回転係合を用いた構造に適用されていてもよい。上述の構造は、ノズルキャップを有さない容器本体（ボトル体）の口部に直接キャップを装着する容器に適用されていてもよい。
　そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施態様及び実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ定められるものである。

　本発明によれば、容器本体の口部に着脱可能に装着されるキャップ及び容器のキャップ部構造において、キャップの開閉のし易さを向上させる。又、キャップ内側の計量目盛の視認のし易さを向上させる。そのため洗剤やその他の液体等を収納し計量する容器の利便性を向上させ、これらの製品に関わる分野に幅広く役立つものである。

　１　計量キャップ付き容器（容器）
　２　容器本体
　３　口部
　２０，１２０，２２０，３２０　計量キャップ（キャップ）
　２１　計量部（本体部）
　２１ａ　蓋部
　２１ｂ　周壁部
　２２　キャップ側螺合筒部（回転係合部）
　２２ｂ　螺合先端部（当接部）
　２３　外殻部
　２７　切り欠き部
　２８　立壁部
　３１　規制壁部（被当接部）
　３１Ａ　規定部
　３３　係合部
　３４　被係合部
　３４Ａ　規定部
 
 

Claims (8)

1. 　容器本体の口部に対して装着可能に構成されてなるキャップにおいて、
   　有蓋筒状の本体部と、
   　前記本体部の前記有蓋筒状の筒内に備えられた有蓋筒状の周壁部と、
   　前記本体部に備えられ、前記口部に対して回転操作によって係合可能なように構成されてなる回転係合部と、
   　前記周壁部のうち蓋部側の外周を覆う外殻部とを備え、
   　前記回転係合部は、前記係合により前記本体部を前記口部に対して固定した際に前記周壁部のうち蓋部側の端が前記口部から前記容器の外方に突出するよう構成され、
   　前記外殻部が、前記周壁部の前記容器の外方に突出した部位のうち一部を前記口部の周方向でキャップ外方に露出させるように設けられた切り欠き部を有することを特徴とするキャップ。
2. 　前記切り欠き部が、前記本体部の筒状の中心軸を挟んで対向する二箇所に設けられていることを特徴とする請求項１に記載のキャップ。
3. 　前記切り欠き部に、前記口部の周方向と交差する面に沿って立壁部が形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のキャップ。
4. 　前記本体部の前記周壁部の内周面に計量目盛を記した計量部が設けられ、前記本体部の少なくとも前記周壁部における前記切り欠き部によってキャップ外方に露出する部位が、透明又は半透明に構成されてなることを特徴とする請求項１から３の何れか一項に記載のキャップ。
5. 　前記回転係合部が、前記口部に螺合により係合可能な螺旋状の回転係合部ネジ山を備え、
   　前記口部が、前記回転係合部に螺合により係合可能な螺旋状の口部ネジ山を備えてなることを特徴とする請求項１から４の何れか一項に記載のキャップ。
6. 　請求項５に記載のキャップを具備する容器のキャップ部構造において、
   　前記回転係合部ネジ山又は前記口部ネジ山の少なくとも一方の螺合終端部に、他方の螺合先端部を前記キャップの周方向で突き当てて前記キャップの締め込み停止位置を規定する規定部を備えることを特徴とする容器のキャップ部構造。
7. 　前記規定部が、前記回転係合部ネジ山又は前記口部ネジ山の前記螺合終端部に螺合の回転方向とは垂直に延設された当接部で、前記螺合先端部に対して当接可能に構成されてなることを特徴とする請求項７に記載の容器のキャップ部構造。
8. 　容器本体の口部に対して装着可能に構成されてなるキャップにおいて、
   　有蓋筒状の本体部と、
   　前記本体部の前記有蓋筒状の筒内に備えられた有蓋筒状の周壁部と、
   　前記本体部に備えられ、前記口部に対して回転操作によって係合可能なように構成されてなる回転係合部と、
   　前記周壁部のうち蓋部側の外周を覆う外殻部とを備え、
   　前記回転係合部は、前記係合により前記本体部を前記口部に対して固定した際に前記周壁部のうち蓋部側の端が前記口部から前記容器の外方に突出するよう構成されていることを特徴とするキャップ。
    
    

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