JP3152639U - 液体計量キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体計量キャップの残量を低減させることで、液体計量キャップの計量と払出し量の差を少なくして適正な洗浄効果を生じさせることができる液体計量キャップを提供する。【解決手段】略筒状の周壁10と前記周壁10の一端部を閉塞する底面12を有した略椀状を呈し、液体を収納して計量可能な収容部14を備えた液体計量キャップにおいて、液体計量キャップの中心軸に沿う方向に平行な断面において、前記周壁10と底面12とが連接部20でなす角度Aが110度以上の鈍角である液体計量キャップ。【選択図】図2

Description

本考案は、液体洗剤、柔軟剤、薬剤等を容器本体に収容し、その液体を計量する液体計量キャップに関する。
従来の液体計量キャップは、一般的な形状は、輸送中や使用時の操作段階で容易に液漏れしないよう、容器本体との嵌合は、ネジ構造による嵌合方式が一般的である。
そのため、液体計量キャップでは、断面形状が円筒状であり、底部形状は一時仮置きしても転倒しないように、平坦に形成されている。
そのことより、底部と円筒側面の接続部形状は、断面でほぼ垂直となるため、使用時(計量後の洗濯槽などへの排出行動)から戻したときの液体計量キャップ内の残量が、特に粘度の高い液体では、かなりの残量があり、計量と払出し量との間に誤差を生じさせていた。
例えば実開平3−111965号(特許文献1)では、天面壁と筒状上部側壁で構成された液体計量キャップにおいて天面壁に近づくにつれてその断面積が小さくなるものを開示している。しかしながら、この特許文献1の液体計量キャップでは、天面壁が平坦であるので計量後の液体残量は減少されていない。
実開平3−111965号
本考案は、前述の問題点を解決するものであって、液体計量キャップの残量を低減させることで、液体計量キャップの計量と払出し量の差を少なくして適正な洗浄効果を生じさせることができる液体計量キャップを提供しようとするものである。
本考案は液体計量キャップに係るものである。
本考案は、略筒状の周壁と前記周壁の一端部を閉塞する底面を有した略椀状を呈し、液体を収納して計量可能な収容部を備えた液体計量キャップにおいて、
液体計量キャップの中心軸に沿う方向に平行な断面において、前記周壁と底面とが連接部でなす角度が110度以上の鈍角であることを特徴とする液体計量キャップである。
本考案においては、底面側の設置面に、液体計量キャップを正立させるために3以上でかつ奇数個の突起を設けたことが好適である。この場合、突起を5個以上でかつ奇数個の突起を設けるのがさらに好適である。
また、本考案においては、前記突起が、底面中心点から同心円状に等間隔で配列されているのが好適である。
本考案の液体計量キャップによれば、液体計量キャップの中心軸に沿う方向に平行な断面において、前記周壁と底面とが連接部でなす角度が110度以上の鈍角であるので、連接部で滞ることなく滑らかに液体を流して液残りを生じ難くし、計量と払出しとの誤差を少なくすることができる。
また、本考案において、底面側の設置面に、液体計量キャップを正立させるために3以上でかつ奇数個の突起を設けたことによって、突起が偶数個である場合に比較して突起同士間の接地長を長くして液体計量キャップを確実に正立させることができる。この場合、突起を5個以上でかつ奇数個の設けることによって、最短部を長くでき、より転倒しにくい構成にできる。
また、本考案において、前記突起が、底面中心点から同心円状に等間隔で配列されていることによって、どの方向に傾いても倒れにくく確実に復帰し易い等の優れた効果を奏し得る。
本考案の実施形態に係る液体計量キャップの装着状態を説明する図であって、(a)が液体計量キャップの一側面図、(b)が同他側面図を示す。 図1の液体計量キャップの(a)が平面図、(b)が(a)のB−B線に沿う縦断面図である。 比較例および本考案に係る液体計量キャップの内容物の残量を比較して説明するための評価結果図である。 (a)、(b)液体計量キャップに設ける突起の奇数個、偶数個の各例の説明図、(c)〜(h)は仮想接地面と中心点までの距離Lについて、突起が3個〜8個の各場合の説明図である。 本考案に係る液体計量キャップにおいて突起を4つ設けた例の説明図であって、(a)が側面視図、(b)が縦断面図、(c)が下面図である。 本考案に係る液体計量キャップにおいて突起を5つ設けた例の説明図であって、(a)が側面視図、(b)が縦断面図、(c)が下面図である。 図4(c)〜(h)の各場合の接地長と傾斜角度と中心最短距離の計測結果を示す図表である。
以下、本考案の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1〜図7は実施形態に係る液体計量キャップの各説明図である。
実施形態に係る液体計量キャップは、図1〜図2に示すように、略筒状の周壁10と前記周壁10の一端部を閉塞する底面12を有した略椀状を呈し、液体を収納して計量可能な収容部14を備えたものである。
液体計量キャップは、周壁10の側面外周を取り囲むように椀状蓋部16が形成されていてその椀状蓋部16の内面には、雌ネジ16aが形成されている。
前記液体計量キャップは、椀状蓋部16の雌ネジ16aを、液体を収容する容器本体18の口元部18aにネジ嵌合して固定するようになっている。
液体計量キャップの中心軸Cに沿う方向に平行な断面において、前記周壁10と底面12とは断面で緩やかな弧を描く連接部20を介して連続している。
それらの周壁10と底面12とが連接部20でなす角度が110度以上の鈍角である。
また、前記液体計量キャップにおいては、前記液体計量キャップを容器本体18に取り付けていた状態とは上下を逆にして収容部14の開口部14aを上に向け底面12(設置面12a)がテーブル等の平面に接置できる状態、すなわち、液体計量キャップを正立させるために3以上でかつ奇数個の突起22を設けたものである。図1〜図2に示す実施形態では、5個の突起22を突出形成している。
また、前記突起22が、底面12の中心点(中心軸C通る箇所)から同心円状に等間隔かつ等角度で配列されている(図2(a)参照)。
したがって、液体計量キャップの中心軸Cに沿う方向に平行な断面において、前記周壁10と底面12とが連接部20でなす角度が110度以上の鈍角であるので、連接部20で滞ることなく滑らかに液体を流して液残りを生じ難くし、計量と払出しとの誤差を少なくすることができる。
また、底面12側の設置面に、液体計量キャップを正立させるために5個の突起22を設けたことによって、突起22が偶数個である場合に比較して液体計量キャップを確実に正立させることができる。
また、前記突起22が、底面12中心点から同心円状に等間隔で配列されていることによって、どの方向に傾いても確実に復帰し易い。
考案者は、本考案例と比較例との液体計量キャップを種々に形成して、本考案に係る液体計量キャップを評価した。
〔連接部20の角度と内容物の残量の関係についての評価〕
まず、周壁10と底面12とが連接部20でなす角度と内容物の残量の関係について評価した。
図2に示すように、底面12と周壁10とが連接部20を中心として角度Aについて、角度Aを93度にした比較例1の液体計量キャップと、角度Aを110度にした実施例1の液体計量キャップ、角度Aを130度にした実施例2の液体計量キャップについて以下の実験を行った。
各液体計量キャップの材質は、ポリプロピレン、寸法は周壁10の径は26mm、底面12のRは13.7mmであった。
また、液体は液体洗剤リキッドトップ(商品名:ライオン株式会社製)であった。
各液体計量キャップに20gずつの液体洗剤を注ぎ、これを30度(中心軸Cが水平に対してなす角度)まで傾けて払い出した後、これを正立状態に戻し、液体洗剤の残量を計測した。全操作に要する時間を20秒とした。
計測結果を図3に示す。
図3に示すように、比較例1では残量が1.75g、実施例1では残量が1.15g、実施例2では、残量が0.7gであった。比較例1では、連接部20周辺に液体洗剤が滞った状態で残量となっていたが、実施例1、実施例2では、連接部20周辺に液体洗剤が滞らずに残量が少なかったものである。以上の結果より、本考案の液体計量キャップの形状は明らかに残量が少ないと言える。
〔傾斜転倒角度についての評価〕
突起22の形成による液体計量キャップの傾斜転倒角度について評価した。
この場合、液体計量キャップは上記と同材質で上記角度Aが130度のものであってそれに下記の突起22を設けたものである。
突起22は、略半球状の底面12の中心から半径8.5mmの同心円状に半径1.0mmの突起(突起状の足)をN個配置して各液体計量キャップを形成したものである。
この場合、突起22は奇数個のときは図4(a)のように、二つの突起22の中心位置と最も離れた突起22までの距離が接地長となり、偶数個のときは図4(b)のように、二つの突起22の中心位置と他の二つの突起22中心の間の距離が接地長となる。
液体計量キャップの傾斜状態を突起22が4個の場合を図5に、5個の場合を図6に示す。図5、図6で(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は下面図である。図中Hは水平な設置面、Vは垂直方向をそれぞれ示している。
さらに、突起22を3以上設けた場合、仮想接地面(隣接する突起22同士の間)Pと中心点(液体計量キャップの中心軸の通る点:符号Cで示している)までの距離Lについて、突起22が3個〜8個の各場合を図4(c)〜(h)に示す。
突起数(設置点数)に対する接地長、傾斜角度、中心最短距離の計測結果を図7に示す。
図7の結果から、接地長については、突起22を5個と7個の奇数個設けた場合が、突起22を4個や8個設けた場合に比較して接地長が長いので、突起22を奇数個設けるのが好適であることが理解される。
また、仮想設置面の端部と中心点との距離Lを比較したところ、突起22が3個では他の配置に比較して最端部が短いことから、より安定性を増すためには、突起22を5個以上設けることが望ましいことが判明した。
本考案の液体計量キャップは、液体洗剤、柔軟剤、薬剤等を容器本体に収容し、その液体を無駄なく計量する液体計量キャップに利用することができる。
10 周壁
12 底面
12a 設置面
14 収容部
14a 開口部
16 椀状蓋部
16a 雌ネジ
18 容器本体
18a 口元部
20 連接部
22 突起
A 角度
C 中心軸
P 突起間の仮想設置面
L 仮想接地面から中心までの距離

Claims (3)

  1. 略筒状の周壁と前記周壁の一端部を閉塞する底面を有した略椀状を呈し、液体を収納して計量可能な収容部を備えた液体計量キャップにおいて、
    液体計量キャップの中心軸に沿う方向に平行な断面において、前記周壁と底面とが連接部でなす角度が110度以上の鈍角であることを特徴とする液体計量キャップ。
  2. 底面側の設置面に、液体計量キャップを正立させるために3以上でかつ奇数個の突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体計量キャップ。
  3. 前記突起が、底面中心点から同心円状に等間隔で配列されていることを特徴とした請求項1または2に記載の液体計量キャップ。
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