JP7009184B2 - 計量キャップ - Google Patents

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本発明は、収容した内容液を注出口から注出する注出容器に装着され、取り外したときには内容液を計量することが可能な計量キャップに関するものである。
収容した内容液を注出口から注出する注出容器に装着され、取り外したときには内容液を計量することが可能な計量キャップが知られている(例えば特許文献1参照)。この種の計量キャップには、例えば目盛が設けられていて、注出容器から注ぎ入れた内容液を計量することが可能である。また使用後は、注出容器に対して注出口を覆って倒立姿勢で装着されるように構成されていて、注出口を閉鎖することができる。
実開平2-8745号公報
ところでこのような計量キャップは、洗濯用の液体洗剤などを収容する注出容器に装着され、衣類の量に合せて洗剤を計量し、そのまま洗濯機に投入するものとして多用されている。ここで衣類を洗濯する際は、洗濯機で洗う前に襟などを部分的に洗いたいことがあるが、そのためにブラシ等を取り出さなければならず手間を要している。
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであり、注出容器の内容液を計量できる機能に加え、細かい部分の汚れを落とすことも可能な計量キャップを提供することを目的とする。
本発明は、内容液を注出する注出口を備える注出容器に対し、該注出口を覆って倒立姿勢で装着される計量キャップであって、
底部と、該底部につながるとともに該底部との間で前記注出容器から注出した内容液を計量する計量空間を区画する周壁部とを備え、該周壁部の開口端部に、該周壁部の軸線に沿って突出する形態をなす洗浄部を備え、
前記底部と、該底部につながる底部側周壁部と、該底部とは逆側で該底部側周壁部につながる連結周壁部とを備える第1計量キャップと、
前記洗浄部が設けられた前記開口端部を備える端部側周壁部と、該端部側周壁部に設けられ前記注出容器に着脱可能に保持される保持部と、該端部側周壁部に設けられ前記連結周壁部の外周面を取り囲む連結筒と、を備え、該連結筒に該連結周壁部が挿入された状態で前記第1計量キャップを回り止め且つ抜け止め保持する第2計量キャップと、を備え、
前記周壁部は、前記底部側周壁部と、前記連結周壁部と、前記端部側周壁部とで構成され、該底部側周壁部は該連結周壁部よりも大径であって、前記第1計量キャップが前記第2計量キャップに保持された状態で前記連結周壁部の内周面は前記開口端部に前記洗浄部が設けられた部位における前記端部側周壁部の内周面に対して上下方向に直線状に連続する計量キャップである。
前記洗浄部を、前記周壁部の軸線に沿って突出する複数の突出体によって構成される刷毛部として設けることが好ましい。
前記刷毛部は、前記突出体が直線状に並ぶ列が、前記計量空間から外側に向かって複数列並ぶものであることが好ましい。
本発明における計量キャップは、内容液を計量するための計量空間を区画する周壁部の開口端部に、周壁部の軸線に沿って突出する形態をなす洗浄部を備えている。そしてこのような形態をなす洗浄部を使って襟などを局所的に擦ることができるため、従来のようにブラシ等を取り出す必要もなく、手軽に細かい部分の汚れを落とすことができる。なお、周壁部における洗浄部を設けていない側が下方に位置するようにして計量キャップを傾ければ、従来のものと同様にして内容液を投入することができる一方、洗浄部を設けた側が下方に位置するようにして傾ければ、洗浄部を伝うようにして内容液を投入することもできる。また内容液が洗剤等である場合は、このようにして投入すると洗浄部にも内容液が付着するため、改めて内容液を付けることなくそのまま細かい部分の汚れを落とすことができるという利点もある。
通常、周壁部は厚みが薄い円筒状であることから、刷毛部を構成する突出体は周壁部に沿うように一列に並べて設けてもよいが、周壁部の厚みを部分的に広げる等して突出体を複数列設けることが好ましい。このようなものとしては、突出体が直線状に並ぶ列を、計量空間から外側に向かって複数列並べたり、突出体が計量空間から離反する向きに凹をなして並ぶ列を、計量空間から外側に向かって複数列並べたりすることが挙げられる。ここで、突出体が計量空間から離反する向きに凹をなして並ぶように刷毛部を構成する場合は、刷毛部を伝わらせて計量した内容液を投入する際、この凹状となる部分が樋のように機能するため、内容液が周囲に溢れにくくなる。
底部側周壁部が端部側周壁部よりも大径である場合は、単に周壁部が円筒状になる場合に比して、より多くの内容液を収容することができる。また、計量空間の容積は変えずに計量キャップの高さを抑えることもできるため、コンパクト化を図ることも可能である。
このように底部側周壁部を端部側周壁部よりも大径にする場合は、計量キャップを、底部、底部側周壁部、及び連結周壁部を備える第1計量キャップと、刷毛部、端部側周壁部、及び連結周壁部を保持する連結筒を備えるとともに注出容器に着脱可能に保持される保持部を備える第2計量キャップの2つの部材で構成することが好ましい。すなわち、2つの部材に分けることによって、例えば第1計量キャップは押出ブロー成形で形成し、第2計量キャップはインジェクション成形で形成するというように、形状に応じた最適な手法を採用することができる。特に、押出ブロー成形を採用する場合は、第1計量キャップの形状として様々なものを選択することができるため、デザインの幅を広げることができる。
本発明に従う計量キャップの一実施形態を、注出容器に装着した状態で示した側面視での断面図である。 図1に示す計量キャップの底面図である。 本発明に従う計量キャップの他の実施形態を、注出容器に装着した状態で示した側面視での断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に従う計量キャップの一実施形態について説明する。図1では、注出容器を構成するものとして、容器本体1と注出キャップ2を示している。また符号3は、一実施形態としての計量キャップを示している。
容器本体1はボトル状に形成されていて、内容液を収容することが可能である。また容器本体1は、円筒状の口部1aを備えていて、口部1aの外周面には、雄ねじ部1bが設けられている。
注出キャップ2は、口部1aを取り囲む円筒状の外周壁2aを備えていて、外周壁2aの内周面には、雄ねじ部1bに対応する注出キャップ雌ねじ部2bを備えている。これにより注出キャップ2は、容器本体1にねじ込まれて保持されている。また外周壁2aの上端には、径方向内側に向けて延在する連結壁2cが設けられている。連結壁2cには、口部1aから離れる向きに延在する環状壁2dが設けられていて、環状壁2dの外面には、第2雄ねじ部2eが設けられている。そして連結壁2cの内縁部には、口部1aに沿って延在する内周壁2fが設けられていて、内周壁2fには、周方向の一側からこれに対向する他側に向けて傾く傾斜壁2gが設けられている。傾斜壁2gには、筒状をなすとともに容器本体1の内容液を注出する注出口として機能する注出筒2hが設けられている。なお注出筒2hには、傾斜壁2gとともに注出筒2hを切り欠く切り欠き部2jが設けられている。
計量キャップ3は、注出キャップ2に対して倒立姿勢で着脱可能に装着されるものである。また計量キャップ3は、注出キャップ2から取り外して内容液を計量する際に下方に位置する円板状の底部3aと、底部3aの外縁部に連結する円筒状の周壁部3bとを備えていて、底部3aと周壁部3bによって内容液を計量するための計量空間Kを区画している。本実施形態の周壁部3bは、図1に示すように、内周壁2fの径方向内側において内周壁2fに重なる位置まで延在している。なお図示は省略するが、周壁部3bには計量空間Kに注ぎ入れた内容液の量を示す目盛等が設けられている。
また周壁部3bには、計量キャップ3を注出キャップ2に対して着脱可能に保持する保持部3cが設けられている。本実施形態の保持部3cは、周壁部3bの外周面から径方向外側に向けて延在するフランジ3dと、環状壁2dを取り囲んでフランジ3dの外縁部に連結する保持部周壁3eと、第2雄ねじ部2eに対応する雌ねじ部3fで構成されている。なお保持部3cとしては、アンダーカットを利用するものなど、種々の構造が採用可能である。またフランジ3dには、環状壁2dの内周面に液密に当接する環状のシール壁3gが設けられている。
そして周壁部3bにおける開口端部3hには、周壁部3bの軸線Oに沿って突出する形態をなす洗浄部が設けられている。本実施形態における洗浄部は、軸線Oに沿って延在する複数の突出体によって形成される刷毛部3jとして設けられている。ここで刷毛部3jの長さは、図示のように計量キャップ3を注出キャップ2に装着した状態において、その先端が傾斜壁2gに接触しないように設定されている。また本実施形態の刷毛部3jは、周壁部3bと同種の材料であって周壁部3bに一体に連結する突起状の突出体によって構成されている。このような刷毛部3jを設ける手段としては、例えば溶融した合成樹脂素材を金型内に注入して固化させるインジェクション成形で形成することが挙げられるが、これに限られるものではない。例えば刷毛部3jは、周壁部3bとは別異の材料を使用した突出体によって構成されるものでもよい。また刷毛部3jは、図示したものより直径が小さい繊維状になる突出体によって構成されるものでもよい。なお、本実施形態の周壁部3bは、図2に示すように計量空間Kに面する側面が平面状になっていて、刷毛部3jを構成する突出体は、この側面の縁部まで設けられている。
このような構成になる計量キャップ3を使用して内容液を計量するには、注出キャップ2から取り外して上下逆さまに反転させ、注出筒2hから計量空間Kに向けて意図した量になるまで内容液を注ぎ込めばよい。
そして、計量した内容液を洗濯機等に投入した後は、刷毛部3jによって襟などを局所的に擦ることができるため、細かい部分の汚れを落とすことができる。また従来のようにブラシ等を取り出す必要もないため、使い勝手が良いという点でも利点がある。
ところで、計量した内容液を投入するにあたっては、刷毛部3jを設けていない側が下方に位置するようにして計量キャップ3を傾けてもよいし、刷毛部3jを設けた側が下方に位置するようにして、内容液が刷毛部3jを伝うようにしてもよい。すなわち、洗濯機の洗剤投入口は比較的狭いものの、刷毛部3jを伝うようにして内容液を投入すれば、刷毛部3jが内容液を誘導するように機能するため、意図した場所に注ぎ入れることができる。また、このようにして投入することによって刷毛部3jには内容液が付着するため、刷毛部3jを使って細かい部分の汚れ落としを行う場合にも、改めて内容液を付着させる必要がない。
なお、本実施形態の刷毛部3jは、突出体が直線状に並ぶ列が、計量空間Kから外側に向かって複数列並ぶものであるが、底面視において突出体がV字状やU字状をなすように並ぶものでもよい。このようなV字状やU字状をなす刷毛部3jによれば、計量した内容液を投入する際、刷毛部3jを下方に向けて計量キャップ3を傾けると、このV字状やU字状をなす内側部分が樋のように機能するため、投入先が狭い場所でも周囲に溢れにくくなる。
次に、本発明に従う他の実施形態の計量キャップについて、図3を参照しながら説明する。本実施形態の計量キャップも、前述の注出キャップ2に対して着脱可能に装着される。また本実施形態の計量キャップは、第1計量キャップ4と第2計量キャップ5の2つの部材で構成されている。
第1計量キャップ4は、円板状の底部4aと円筒状の底部側周壁部4bとを備えている。なお、底部4aと底部側周壁部4bは、前述の底部3a及び周壁部3bよりも大径に形作られている。また底部側周壁部4bには、周壁部3bと略同径になる連結周壁部4cが設けられている。そして連結周壁部4cの外周面には、第1計量キャップ4を第2計量キャップ5に対して回り止め保持するための回り止め凹部4dが設けられている。なお、連結周壁部4cの外周面には、後述する連結筒によって保持されるような段差も設けられている。このような第1計量キャップ4を形成する手段としては、例えばチューブ状に押し出した合成樹脂素材を金型で挟み、内部に空気を導入して中空品を形成する押出ブロー成形(EBM成形)が挙げられる。
また第2計量キャップ5は、連結周壁部4cに連続する端部側周壁部5aを備えている。本実施形態では、先に説明した周壁部3bに対応するものが底部側周壁部4b、連結周壁部4c、端部側周壁部5aであって、底部4aと、これら底部側周壁部4b、連結周壁部4c、及び端部側周壁部5aとの間で計量空間Kを区画している。また端部側周壁部5aは、連結周壁部4cを取り囲むとともに、連結周壁部4cの外面に設けた段差に係合する爪形状を有する円筒状の連結筒5bを備えている。ここで連結筒5bの内周面には、回り止め凹部4dに適合する回り止め凸部5fが設けられている。なお、回り止め凹部4dを第2計量キャップ5に設けるとともに、回り止め凸部5fを第1計量キャップ4に設けてもよいし、これらに限られずに他の回り止め機構を用いてもよい。更に端部側周壁部5aは、第2計量キャップ5を注出キャップ2に対して着脱可能に保持する保持部5cを備えている。なお、本実施形態の保持部5cは、先に説明した保持部3cと同様の構成になるものである。また端部側周壁部5aの開口端部5dには、先に説明した刷毛部3jと同様の刷毛部5eが設けられている。このような第2計量キャップ5を形成する手段としては、例えばインジェクション成形が挙げられる。
このような第1計量キャップ4と第2計量キャップ5で構成される計量キャップにおいては、底部4aと円筒状の底部側周壁部4bが大径であるため、計量空間Kの容積が広がってより多くの内容液を計量することができる。また、例えば注出筒2hの高さを抑えれば、計量空間Kの容積は先に述べた実施形態の計量キャップから変えることなく第1計量キャップ4と第2計量キャップ5の高さを抑えることもできるため、容器本体1及び注出キャップ2を含めてコンパクト化を図ることも可能である。更に、押出ブロー成形を採用する場合は、例えば本実施形態の如き底部4aと底部側周壁部4bを大径にすることのように、第1計量キャップ4の形状として様々なものを選択することができるため、デザインの幅を広げることができる。そして本実施形態の計量キャップにおいても、先に説明した計量キャップと同様、刷毛部5eによって細かい部分の汚れ落としを手軽に行うことができ、また計量した内容液を投入する際には刷毛部5eによって意図した場所に注ぎ入れることができる。
以上、本発明について具体的な実施形態を示しながら説明したが、本発明に従う計量キャップは上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。例えば洗浄部は、複数の突出体によって構成される刷毛部として設けられるものに限られず、へら状になるものでもよい。また上述した2つの実施形態間で構成を相互に入れ替えてもよい。
1:容器本体
1a:口部
1b:雄ねじ部
2:注出キャップ
2a:外周壁
2b:注出キャップ雌ねじ部
2c:連結壁
2d:環状壁
2e:第2雄ねじ部
2f:内周壁
2g:傾斜壁
2h:注出筒
2j:切り欠き部
3:計量キャップ
3a:底部
3b:周壁部
3c:保持部
3d:フランジ
3e:保持部周壁
3f:雌ねじ部
3g:シール壁
3h:開口端部
3j:刷毛部(洗浄部)
4:第1計量キャップ
4a:底部
4b:底部側周壁部
4c:連結周壁部
4d:回り止め凹部
5:第2計量キャップ
5a:端部側周壁部
5b:連結筒
5c:保持部
5d:開口端部
5e:刷毛部
5f:回り止め凸部
K:計量空間

Claims (3)

  1. 内容液を注出する注出口を備える注出容器に対し、該注出口を覆って倒立姿勢で装着される計量キャップであって、
    底部と、該底部につながるとともに該底部との間で前記注出容器から注出した内容液を計量する計量空間を区画する周壁部とを備え、該周壁部の開口端部に、該周壁部の軸線に沿って突出する形態をなす洗浄部を備え、
    前記底部と、該底部につながる底部側周壁部と、該底部とは逆側で該底部側周壁部につながる連結周壁部とを備える第1計量キャップと、
    前記洗浄部が設けられた前記開口端部を備える端部側周壁部と、該端部側周壁部に設けられ前記注出容器に着脱可能に保持される保持部と、該端部側周壁部に設けられ前記連結周壁部の外周面を取り囲む連結筒と、を備え、該連結筒に該連結周壁部が挿入された状態で前記第1計量キャップを回り止め且つ抜け止め保持する第2計量キャップと、を備え、
    前記周壁部は、前記底部側周壁部と、前記連結周壁部と、前記端部側周壁部とで構成され、該底部側周壁部は該連結周壁部よりも大径であって、前記第1計量キャップが前記第2計量キャップに保持された状態で前記連結周壁部の内周面は前記開口端部に前記洗浄部が設けられた部位における前記端部側周壁部の内周面に対して上下方向に直線状に連続する計量キャップ。
  2. 前記洗浄部を、前記周壁部の軸線に沿って突出する複数の突出体によって構成される刷毛部として設けてなる請求項1に記載の計量キャップ。
  3. 前記刷毛部は、前記突出体が直線状に並ぶ列が、前記計量空間から外側に向かって複数列並ぶものである請求項2に記載の計量キャップ。
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