WO2013099842A1 - 修飾化ポリロタキサン及びその製造方法、並びに修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、溶解性が向上した、高い工業利用性を有する修飾化ポリロタキサンを提供する。本発明は、シクロデキストリン(CD)の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端にCDが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを修飾化した修飾化ポリロタキサンであって、CDが有する水酸基の少なくとも一部が以下の式(I)(式中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる基である)で表される第1の置換基で置換される、上記修飾化ポリロタキサンを提供する。

Description

修飾化ポリロタキサン及びその製造方法、並びに修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料
 本発明は、環状分子がシクロデキストリンであって該シクロデキストリンの水酸基を特定の基で修飾した修飾化ポリロタキサンに関する。
 また、本発明は、該修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料、該修飾化ポリロタキサンの製造方法に関する。
 代表的な超分子であるポリロタキサンに関する研究開発が盛んに行われているが、具体的に製品用途に注力した開発がまだ少ない。
 特に、直鎖分子にポリエチレングリコール、環状分子にシクロデキストリン、キャッピング基にアダマンタン基からなるポリロタキサンは、ジメチルスルホキシド、強アルカリ水、ジメチルアセトアミド/LiCl溶液、イオン性液体にしか溶解しないため、用途開発の大きな課題になっている。
 例えば、特許文献1は、ポリロタキサンの環状分子であるシクロデキストリンの水酸基の一部を種々な修飾基で修飾して、修飾ポリロタキサンの水溶性を高め、ハイドロゲルの材料とすることを開示する。
 また、非特許文献1は、種々な修飾基でポリロタキサンの有機溶媒に対する溶解性を検討している。
 特許文献2は、アシル基と特定の修飾基の組み合わせによって、ポリロタキサンの有機溶媒に対する溶解性がさらに高められることを開示する。
 特許文献3は、シクロデキストリン上にヒドロキシプロピル基を介してカプロラクトン基を修飾した。ヒドロキシプロピル基修飾したポリロタキサンは、溶解性が向上されているので、カプロラクトン基を修飾させるための中間体とすることを開示する。
WO2005/080469号公報。 WO2008/108411号公報。 特許第4521875号公報。
J. Araki, K. Ito, Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry 44(21), 6312-6323, 2006。
 しかしながら、シクロデキストリンの水酸基を修飾基で修飾することで、水酸基の一部がなくなり、残存する水酸基が少なくなる。一般的に、修飾度(全体の水酸基に対する修飾の割合)が高いほど、溶媒に対する溶解性が高まる傾向にある。修飾ポリロタキサンに残存する活性な水酸基が、架橋反応やさらなる化学構造の改変に重要であり、十分に確保する必要がある。上記特許文献及び非特許文献において、ヒドロキシプロピル基で修飾されたポリロタキサンを開示している。ヒドロキシプロピル基には水酸基を有するため、修飾後のポリロタキサンにおいて十分な水酸基を確保できるが、特定な溶媒との親和性を高めるための炭化水素の数が少なく、低修飾度において、溶解性の改良が不十分という課題がある。
 また、工業利用上において、特許文献3に記載されているプロピレンオキシド(1,2-エポキシプロパン)を用いて、シクロデキストリンにヒドロキシプロピル基を修飾するには、以下のような問題が考えられる。例えば、1,2-エポキシプロパンが低沸点(34℃)であるため、反応時に反応熱により蒸発し、反応生成物の物性制御が困難になる。また、1,2-エポキシプロパンが高い揮発性、高毒性であり、大量生産において、扱いにくく保管において特別な貯蔵庫が必要となる。
 本発明の目的は、上記の課題を解決することにある。
 具体的には、本発明の目的は、溶解性が向上した、高い工業利用性を有する修飾化ポリロタキサンを提供することにある。
 また、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記修飾化ポリロタキサンを有する材料を提供することにある。
 さらに、本発明の目的は、上記目的以外に、又は上記目的に加えて、上記修飾化ポリロタキサンの製造方法を提供することにある。
 本発明者らは、次の発明を見出した。
 <1> シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端にシクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを修飾化した修飾化ポリロタキサンであって、
 シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が以下の式(I)(式中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の基である)で表される第1の置換基で置換される、上記修飾化ポリロタキサン。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 <2> 上記<1>において、水酸基の少なくとも一部が、第1の置換基をさらに修飾した、以下の式(II)(式中、Xは、炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、及びエーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基からなる群から選ばれる、少なくとも1種の第2の基であり、nは1~200である)で表される第2の置換基で置換されるのがよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 <3> 上記<1>において、第1の置換基の置換率は、シクロデキストリンが有する水酸基の全てが置換された状態を1.0とする場合、0.10~0.60、好ましくは0.20~0.50、より好ましくは0.25~0.45であるのがよい。
 <4> 上記<1>又は<3>において、修飾化ポリロタキサンのJIS K0070に準ずる水酸基価が440~300mgKOH/g、好ましくは420~320mgKOH/g、より好ましくは400~330mgKOH/gであるのがよい。
 <5> 上記<2>において、-X-は、-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-及び-(CH-O-(CH-からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレン基、好ましくは-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレン基、より好ましくは-(CH-であるのがよい。
 <6> 上記<2>又は<5>において、修飾化ポリロタキサンの分子量分布が2.0以下、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下であるのがよい。
 <7> 上記<2>、<5>又は<6>に記載される修飾化ポリロタキサンが架橋に含まれる架橋形成材料。
 <8> 上記<2>、<5>又は<6>に記載される修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料。
 <9> 修飾化ポリロタキサンの製造方法であって、
 a)シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端にシクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを準備する工程;及び
 b)シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部を以下の式(I)(式中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表される第1の置換基で置換する工程;
を有する、上記方法。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 <10> 上記<9>において、b)工程の置換は、水酸基の少なくとも一部と、1,2-ブチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、グリシジルエチルエーテル、グリシジルプロピルエーテル及びグリシジルイソプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の化合物とを反応させて行うのがよい。
 <11> 上記<9>又は<10>において、第1の置換基の置換率は、シクロデキストリンが有する水酸基の全てが置換された状態を1.0とする場合、0.10~0.60、好ましくは0.20~0.50、より好ましくは0.25~0.45であるのがよい。
 <12> 上記<9>~<11>のいずれかにおいて、修飾化ポリロタキサンのJIS K0070に準ずる水酸基価が440~300mgKOH/g、好ましくは420~320mgKOH/g、より好ましくは400~330mgKOH/gであるのがよい。
 <13> 上記<9>~<12>のいずれかにおいて、c)第1の置換基を基点として、ラクトンモノマーを開環重合し、水酸基の少なくとも一部が、以下の式(II)(式中、Xは、炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、及びエーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基からなる群から選ばれる、少なくとも1種の第2の基であり、nは1~200である)で表される第2の置換基で置換する工程をさらに有するのがよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 <14> 上記<13>のc)工程において、ラクトンモノマーが、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン及びγ-ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて、開環重合を行うのがよい。
 本発明により、溶解性が向上した、高い工業利用性を有する修飾化ポリロタキサンを提供することができる。
 また、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記修飾化ポリロタキサンを有する材料を提供することができる。
 さらに、本発明により、上記効果以外に、又は上記効果に加えて、上記修飾化ポリロタキサンの製造方法を提供することができる。
 以下、本願に記載する発明を詳細に説明する。
<シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(I)で表される第1の置換基で置換される修飾化ポリロタキサン>
 本願は、シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端にシクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを修飾化した修飾化ポリロタキサンであって、シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(I)で表される第1の置換基で置換される、上記修飾化ポリロタキサン(なお、本願において、「シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(I)で表される第1の置換基で置換される修飾化ポリロタキサン」を単に「第1の修飾化ポリロタキサン」と略記する場合がある)を開示する。
 式(I)中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群、好ましくは-CH-CH、-CH-O-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の基である。
 第1の置換基の置換率は、シクロデキストリンが有する水酸基の全てが置換された状態を1.0とする場合、0.10~0.60、好ましくは0.20~0.50、より好ましくは0.25~0.45であるのがよい。
 上記範囲であれば、第1の修飾化ポリロタキサンの溶媒に対する溶解性や他の材料との相溶性が向上する傾向にあり、かつ第1の修飾化ポリロタキサンの製造における収率が高くなる傾向にある。特に、上記下限が第1の修飾化ポリロタキサンの溶媒に対する溶解性や他の材料との相溶性と関連する傾向にあり、上記上限が第1の修飾化ポリロタキサンの製造における収率と関連する傾向にある。
 第1の置換基の置換率は、第1の修飾化ポリロタキサン(及び必要であれば修飾前のポリロタキサン)のH-NMRを測定することにより得ることができる。
 具体的には、「第1の修飾化ポリロタキサン中のシクロデキストリンのグルコース由来のC1のプロトン(-O-CH-O-)及び水酸基(第1の置換基の水酸基及びシクロデキストリン由来の水酸基)由来のプロトン」由来のHピークの実測積算量(A:「水酸基等由来のプロトン実測積算量」と略記する)と「第1の置換基特有のプロトン」由来のHピークの実測積算量(B:「第1の置換基特有のプロトン実測積算量」)との比から求めることができる。
 シクロデキストリンがα-シクロデキストリン(以降、「α-CD」と略記する場合がある)であり、第1の置換基のRがエチル基(-CHCH )の場合を例として説明する。
 「第1の置換基特有のプロトン」は、「第1の置換基のRがエチル基(-CHCH )の該H」に注目する。この「H」のピークは、0.87ppm辺りに現れる。「α-CD」の18個の水酸基がすべて第1の置換基に置換されると、この「H」の数は、(18×3)となる。すべてではなく、ある置換率で置換されると、この「H」の数は、(18×3×置換率)個となる。
 一方、「第1の修飾化ポリロタキサン中のシクロデキストリンのグルコース由来のC1のプロトン(-O-CH-O-)及び水酸基(第1の置換基の水酸基及びシクロデキストリン由来の水酸基)由来のプロトン」のピークは、4~6ppm辺りに現れる。このプロトンの数は、第1の置換基の置換率にかかわらず、24個である。
 これから、A:「水酸基等由来のプロトン実測積算量」とB:「第1の置換基特有のプロトン実測積算量」との比は、{24/(18×3×置換率)}となる。
 要するに、A/B={24/(18×3×置換率)}であり、ここから、置換率を求めることができる。
 なお、上記において、シクロデキストリンがα-CDであり、且つ第1の置換基のRがエチル基(-CHCH)の場合を説明したが、それ以外の場合についても、同様に、第1の置換基の置換率を求めることができる。
 第1の修飾化ポリロタキサンは、JIS K0070に準ずる水酸基価が440~300mgKOH/g、好ましくは420~320mgKOH/g、より好ましくは400~330mgKOH/gであるのがよい。
 JIS K0070に準ずる水酸基価が上記範囲にあると、第1の修飾化ポリロタキサンを用いて他の材料と反応させるのに、種々な溶媒に可溶になると同時に、反応基としての水酸基が十分に確保でき、幅広く材料の設計が可能になる点で有利となる傾向にある。なお、他の材料との反応の例として、他の材料との硬化反応(架橋反応)、他の機能性官能基との反応による新たな修飾化などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 なお、第1の修飾化ポリロタキサン中のシクロデキストリンは、第1の置換基以外の置換基を有してもよい。
 第1の置換基以外の置換基として、-O-アセチル基、-O-プロピオニル基などの-O-アシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基;ブチルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、フェニルエチルカルバモイル基、アクリロイルオキシエチルカルバモイル基、メタクリロイルオキシエチルカルバモイル基などのアルキル又はアリールカルバモイル基;ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基などのポリアルキルオキシ基;カルボン酸基、アミノ基などの反応性基を有する置換基を挙げることができるが、これらに限定されない。
<シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(II)で表される第2の置換基で置換される修飾化ポリロタキサン>
 また、本願は、シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(II)で表される第2の置換基で置換される修飾化ポリロタキサン(なお、本願において、「シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が上記式(II)で表される第2の置換基で置換される修飾化ポリロタキサン」を単に「第2の修飾化ポリロタキサン」と略記する場合がある)を開示する。
 式(II)中、Xは、炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、及びエーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基からなる群から選ばれる、少なくとも1種の第2の基である。
 炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基とは、例えば、-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-、-(CH‐CH(CH)-を挙げることができるが、これらに限定されない。
 アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基とは、例えば、-CH(CHCO)-(CH-を挙げることができるが、これらに限定されない。
 エーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基とは、例えば、-(CH-O-(CH-を挙げることができるが、これらに限定されない。
 -X-は、-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-及び-(CH-O-(CH-からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレン基、好ましくは-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレン基、より好ましくは-(CH-であるのがよい。
 Rは、上述と同じ定義を有する。
 nは1~200、好ましくは2~100、より好ましくは3~50である。なお、nは、構造上、整数であるが、実際には、後述の開環重合により製造されることが多く、その場合、該開環重合が分散性を有するため、整数には限定されない。nについては、第2の修飾化ポリロタキサンの製造方法において詳述する。
 式(II)で表される第2の置換基は、上記第1の置換基をさらに修飾した基であるため、第2の修飾化ポリロタキサンは、第1の修飾化ポリロタキサンから得ることもできる。または、第2の修飾化ポリロタキサンは、第1の修飾化ポリロタキサンを経ないで、例えば、第2の置換基を直接、シクロデキストリンの水酸基と置換することで得ることもできる。
 第2の修飾化ポリロタキサンは、第2の置換基を有していればよく、第2の置換基のみを有しても、第1及び第2の置換基を有しても、第1及び第2の置換基以外の置換基を有してもよい。
 第1及び第2の置換基以外の置換基として、第1の置換基以外の置換基として上述したものを挙げることができるが、それに限定されない。
 第2の修飾化ポリロタキサンは、その分子量分布Mw/Mnが2.0以下、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下であるのがよい。
 なお、本願において、分子量分布Mw/Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography、GPC)によって測定することができる。
 第2の修飾化ポリロタキサンは、第1の修飾化ポリロタキサンと同様の理由に加えて、材料加工後における優れた粘弾特性の確保の観点から、JIS K0070に準ずる水酸基価が50~120mgKOH/g、好ましくは60~100mgKOH/g、より好ましくは65~90mgKOH/gであるのがよい。
<修飾化ポリロタキサンの構成要素>
 以下、第1及び第2の修飾化ポリロタキサンに共通する構成要素について、説明する。
<<シクロデキストリン>> 
 本願において、シクロデキストリンは、直鎖状分子の選択、修飾化ポリロタキサンに求める特性などに依存するが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンなどを挙げることができる。
 なお、シクロデキストリンは水酸基を有するが、その他の基を有してもよい。なお、「その他の基」として、「第1の置換基以外の置換基」として挙げた基を挙げることができるが、これらに限定されない。
<<直鎖状分子>>
 本発明のポリロタキサンの直鎖状分子は、用いるシクロデキストリンの開口部に串刺し状に包接され得るものであれば、特に限定されない。
 例えば、直鎖状分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体からなる群から選ばれるのがよい。例えばポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれるのがよい。特にポリエチレングリコールであるのがよい。
 直鎖状分子は、その重量平均分子量が3,000以上、好ましくは5,000~100,000、より好ましくは10,000~50,000であるのがよい。
 本願の、修飾化ポリロタキサンにおいて、(シクロデキストリン、直鎖状分子)の組合せが、(α-シクロデキストリン由来、ポリエチレングリコール由来)であるのがよい。
<<封鎖基>> 
 本願の、修飾化ポリロタキサンの封鎖基は、擬ポリロタキサンの両端に配置され、用いるシクロデキストリンが脱離しないように作用する基であれば、特に限定されない。
 例えば、封鎖基として、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、ピレン類、置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、フェニルなどを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多核芳香族類(置換基として、上記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及びステロイド類からなる群から選ばれるのがよい。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、及びピレン類からなる群から選ばれるのが好ましく、より好ましくはアダマンタン基類又はシクロデキストリン類であるのがよい。
 本願は、第2の修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料、及び第2の修飾化ポリロタキサンが架橋に含まれる架橋形成材料、を開示する。
 第2の修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料とは、該材料に、第2の修飾化ポリロタキサンが含まれることを意味する。第2の修飾化ポリロタキサンが、材料に含まれる他の物質と結合及び/又は架橋を有しても、有していなくてもよい。なお、第2の修飾化ポリロタキサンは、材料中、他の物質と結合することにより、該第2の修飾化ポリロタキサンの特性を発揮することができる。結合(架橋)された第2の修飾化ポリロタキサンがシクロデキストリン分子に沿って移動可能であるため、応力を均一に分散することができる。架橋点が移動可能であるため、架橋密度を高くしても材料の伸縮性を保持できる。このような特性を利用し、例えば、塗料(コーティング)用材料、アクチュエータ材料、有機分散型エレクトロルミネッセンス材料、熱伝導材料のバインダー、などへの用途が考えられる。また、優れた柔軟性と強度のため、特に低駆動圧アクチュエータ材料やその他圧電素子への応用も大いに期待できる。その他に、電機絶縁材料、電気・電子部品材料、光学材料、摩擦制御材料、医療用生体材料、機械・自動車材料、建築材料、防振・免振材料、制振材料、粘着剤・接着剤、チップ状防振部材、電気機器制振パッド、靴底、スポーツ用品、衣料やスポーツウェアーのクッション材、建築用緩衝材、防音材料自動車、電化製品、家具などの塗料や塗装用材料、自動社の内装材料、印刷版の材料、歯科衛生材料、機械や自動社などの擦動部材、シーリング材、防水材、絶縁材、封止材、伝熱材、導電材のバインダーなどの電子電気材料、化粧品材料、レオロジー制御剤、繊維用材料、医療用生体材料、ゴムの改質剤、などへの応用も考えられる。
 第2の修飾化ポリロタキサンが架橋に含まれる架橋形成材料とは、該材料中、第2の修飾化ポリロタキサンが含まれるだけでなく、第2の修飾化ポリロタキサン同士が架橋するか、及び/又は、第2の修飾化ポリロタキサン以外の物質と第2の修飾化ポリロタキサンとが架橋している材料を意味する。
 なお、架橋の方法は、用いる第2の修飾化ポリロタキサン、存在する場合、用いる第2の修飾化ポリロタキサン以外の物質、などに依存するが、一般的な熱硬化性樹脂の架橋と同じ方法で架橋することができる。例えば、材料に架橋剤を加えて、基材上に塗布して加熱し架橋する方法、モールドに注入し加熱し架橋する方法、加圧して加熱し架橋する方法などを挙げることができるが、これに限定されない。
 また、第2の修飾化ポリロタキサンが架橋に含まれる架橋形成材料は、次の方法により製造することができるが、これに限定されない。
 即ち、E-(1)第2の修飾化ポリロタキサンを準備する工程;
 E-(2)架橋剤を準備する工程;及び
 E-(3)第2の修飾化ポリロタキサンと架橋剤とを反応させる工程;
を有することにより、架橋形成材料を得ることができる。
 上記E-(1)工程において、第2の修飾化ポリロタキサンに、第2の修飾化ポリロタキサン以外のポリマーを混合してもよい。また、第2の修飾化ポリロタキサンを、又は、第2の修飾化ポリロタキサン及び第2の修飾化ポリロタキサン以外のポリマーを、溶媒で溶解してもよい。
 第2の修飾化ポリロタキサン以外のポリマーとして、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル類;ポリカプロラクトン、片末端水酸基化ポリカプロラクトン、ポリラクチドなどのポリエステル類;ポリジメチルシロキサン、片末端水酸基化ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類;ポリカーボネート、片末端水酸基化ポリカーボネートなどのポリカーボネート類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのポリアクリル類;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリエン類;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリフェニレンオキシド;これらの共重合体などが挙げられるが、それらに限定されない。
 E-(1)工程に用いる溶媒として、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、これらの混合溶媒などを挙げることができるが、それらに限定されない。
 E-(2)工程の架橋剤として、
(i)既存の架橋剤(多官能イソシアネート化合物など)を使用するか、
(ii)プレポリマーを使用するか、又は
(iii)上記(i)と(ii)とを併用する、
ことができる。
 上記(i)架橋剤の例として、多官能性イソシアネートが好ましい。例として、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1、5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、これらのイソシアネートの多量体:アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体、ウレチジンジオン体などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 上記(ii)のプレポリマーは、一般的に、次のような方法で作製することができる。ポリオールの水酸基に対して、当量以上の多官能イソシアネート化合物を反応させ、イソシアネート基を有するポリマーを主成分とする架橋剤(プレポリマー)ができる。このプレポリマーをそのまま第2の修飾化ポリロタキサン、及び/又は、第2の修飾化ポリロタキサン以外のポリマーなどと配合してもよい。
 また、プレポリマーのイソシアネート基に活性水素を有する化合物と反応することでイソシアネート基を保護(ブロック)し、ブロックプレポリマーとしてもよい。ブロックプレポリマーにすることで、特定な温度に加熱すると脱保護し、イソシアネート基を再生できる。ブロックプレポリマーにすることによって保存性が優れた一液型の熱硬化性ポリロタキサン含有組成物を提供することができる。また、活性水素を有する化合物の種類によって、反応する温度(架橋温度)も制御できる。脱保護する反応に、触媒を使用するのがよい。
 活性水素を有する化合物の例として、ε-カプロラクタム、1,2-ピラゾール、ブタノンオキシム、1,2,4-トリアゾール、ジイソプロピルアミン、3,5-ジメチルピラゾール、ジエチルマロネート、ジメチルマロネート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、N,N’-ジフェニルホルムアミジンからなる群から選ばれるのがよい。好ましくはε-カプロラクタム、3,5-ジメチルピラゾール又はブタノンオキシムであるのがよく、より好ましくはε-カプロラクタム又は3,5-ジメチルピラゾールであるのがよい。
 脱保護する反応に使用する触媒としてジラウリン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジオクチル錫、トリ(アセテート)ブチル錫、ジ(アセテート)ジブチル錫、アセテートトリブチル錫、メトキシトリブチル錫、トリ(2-エチルヘキサノエート)ブチル錫、ビス(2-エチルヘキサノエート)ジブチル錫、トリ(ラウレート)ブチル錫、ジ(オクタノエート)ジブチル錫、トリ(オクタノエート)ブチル錫、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫ヒドロキサイドオキサイド、2-エチルヘキサン酸錫等の錫系触媒;トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-メチルモルホリン、1,2-ジメチルイミダゾール、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン-7(以下、DBUと略称)、これらアミン系触媒のボラン塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBU炭酸塩等の各種アミン塩系触媒;ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸鉛、酢酸カリウム等のカルボキシレート類;トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類;ナトリウムメトキサイド等のアルカリ金属のアルコキシド類;亜鉛系有機金属触媒等を挙げることができるがこれに限定されない。
 ポリオールとして、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート又はポリエン、もしくはそれらの共重合体、もしくはそれらの混合体を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコールジオール、ポリエチレングリコールジカルボン酸末端、ポリエチレングリコールジチオール酸末端、ポリプロピレンジオール、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(テトラヒドロフラン)ビス(3-アミノプロピル)末端、ポリプロピレングリコールビス(2-アミノプロピルエーテル)、グリセロールプロポキシレート、グリセロールトリス[ポリ(プロピレングリコール)アミノ末端]、ペンタエリトリトールエトキシレート、ペンタエリトリトールプロポキシレートなどのポリエーテル類;ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1、3-プロピレンアジペート)ジオール末端、ポリ(1、4-ブチレンアジペート)ジオール末端、ポリラクトンなどのポリエステル類;変性ポリブタジエン、変性ポリイソプレンなどのポリエン類;ポリジメチルシロキサンジシラノール末端、ポリジメチルシロキサン水素化末端、ポリジメチルシロキサンビス(アミノプロピル)末端、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル末端、ポリジメチルシロキサンジカルビノール末端、ポリジメチルシロキサンジビニール末端、ポリジメチルシロキサンジカルボン酸末端などのシロキサン類;1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどを成分とするポリアルキレンカーボネートジオール類;を挙げることができるが、これらに限定されない。特に、重合体部位は、ポリエーテル類又はポリカーボネート類であるのがよい。
 上記(ii)多官能イソシアネート化合物として、上記(i)の多官能イソシアネートと同一のものを使用することができる。
 E-(3)工程前に、酸化防止剤、抗菌剤/雑菌剤、UV吸収剤、粘度調整剤、可塑剤、界面活性剤、微粒子などを添加してもよい。
 酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 抗菌剤/雑菌剤として、銀、亜鉛、銅化合物または錯体及びそのイオン;有機ケイ素化合物;有機リン化合物などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 UV吸収剤として、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、サリチル酸2-エチルヘキシル、2、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2、2、6、6-テトラメチル-4-ピペリジル)-セバケート、パラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、メトキシケイ皮酸オクチルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
 粘度調整剤として、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
 界面活性剤として、ポリオキシエチレン(8)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタンなどの非イオン性界面活性剤;硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルピリジニウムクロリド、などのイオン性界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 微粒子として、シリカ;アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ダイアモンド、窒化珪素、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ゼオライト、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、ポリマー微粒子などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 E-(3)工程は、溶媒の有無、溶媒の種類、架橋剤の種類などによって反応条件が異なる。例えば、多官能イソシアネートやプレポリマーを使用する場合、反応温度が室温から150℃で、常圧で行うことができる。ブロックプレポリマーを使用する場合、脱ブロックして、イソシアネート基を再生する温度以上、例えば80℃から200℃で、常圧また加圧下で行うことができる。
<第1の修飾化ポリロタキサンの製造方法>
 上記の第1の修飾化ポリロタキサンは、次のように製造することができる。
 即ち、
 a)シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端にシクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを準備する工程;及び
 b)シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部を上記式(I)で表される第1の置換基で置換する工程;
を有することにより、第1の修飾化ポリロタキサンを製造することができる。
 なお、シクロデキストリン、直鎖状分子、封鎖基、第1の置換基などの語については、上記と同じ定義を有する。
 上記方法は、a)工程後にb)工程を設けるのがよい。
 a)工程は、ポリロタキサンを準備する工程である。この工程は、WO2005/052026号公報などにより得ることができる。
 b)工程は、次の各工程を有するのがよい。
b)-1)ポリロタキサンを適当な溶媒に溶解させる工程;
b)-2)エポキシ基を有する化合物を添加して反応させて、第1の置換基で置換する工程;及び
b)-3)反応生成物の精製分離する工程。
 b)-1)工程の溶媒として、用いるポリロタキサンに依存するが、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミドとLiCl塩からなる溶媒、水酸化ナトリウム水溶液などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 b)-2)工程のエポキシ基を有する化合物として、1,2-ブチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、グリシジルエチルエーテル、グリシジルプロピルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテルを挙げることができるが、これらに限定されない。
 なお、b)-2)工程の触媒として、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアミノピリジンなどの塩基を用いることができる。
 b)-2)工程の条件は、用いるポリロタキサン、用いる溶媒、用いるエポキシ基を有する化合物などに依存するが、例えば、室温から150℃で、1時間から24時間、という条件を挙げることができるが、これらに限定されない。
 b)-3)工程は、反応生成物を精製・分離する工程である。反応溶液を貧溶媒に投入し析出させる再沈方法、透析膜を利用し、不純物を除去する方法などの方法を使用することができる。精製した第1の修飾化ポリロタキサンを遠心分離、棚段乾燥、噴霧乾燥(例:圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、超音波ノズルなどのノズルを用いる方法、回転ディスク法など)、薄膜乾燥(例:ドラムドライヤー、遠心薄膜乾燥機を用いる方法など)、凍結乾燥などの方法で乾燥することができる。
 なお、得られる第1の修飾化ポリロタキサンにおいて、第1の置換基の置換率、及びJIS K0070に準ずる水酸基価は、上述した範囲であるのがよい。
<第2の修飾化ポリロタキサンの製造方法>
 第2の修飾化ポリロタキサンは、上記製法で得られた第1の修飾化ポリロタキサンをさらに修飾することにより得ることができる。
 即ち、上記a)工程及びb)工程の後に、
 c)第1の置換基を基点として、ラクトンモノマーを開環重合し、水酸基の少なくとも一部が、上記式(II)で表される第2の置換基で置換する工程をさらに有することにより、第2の修飾化ポリロタキサンを得ることができる。
 第2の置換基は、上述と同じ定義を有する。
 なお、nは、上述した通りの定義を有する。nは、構造上、整数であるが、ラクトンモノマーの開環重合により製造され、該開環重合が分散性を有するため、整数には限定されない。次に、ラクトンモノマーとしてε-カプロラクトンモノマーを用い、第1の置換基としてヒドロキシブチル基を用いる場合を例として、nの算出方法を記載する。
 ε-カプロラクトンモノマーを用いて、第1の置換基の水酸基に開環重合を行う。反応に使用するモノマーの消費をガスクロマトグラフィー(GC)(例えば、GC-2014 株式会社島津製作所製、使用カラム CBP1-W12-100)で確認する。モノマーの消費量はほとんど供給量と一致する(ほぼ全て反応する)。従って、第2の修飾化ポリロタキサンである、ポリカプロラクトンでグラフトされたポリロタキサンにおける[モノマー]/[OH]の値が算出でき、その値を平均nとする。ここで、[OH]はヒドロキシブチル化ポリロタキサンの[OH]の計算値であって、H-NMR測定により算出されたポリロタキサンの包接率(0.25)とヒドロキシブチル基の置換率(0.26)から計算した(下記の実施例1を参照)。上記の例で、1gのヒドロキシブチル基修飾したポリロタキサンを用いて、4.5gのε-カプロラクトンを使用し、全てが消費された場合、n=(4.5/114.1*1000)/10.8=3.7になる。
 c)工程は、次の各工程を有するのがよい。
 c)-1)第1の修飾化ポリロタキサンをラクトンモノマーに溶解する工程;及び
 c)-2)重合反応を開始、成長する工程。
 c)-1)工程において、ラクトンモノマー以外に、溶媒を用いない場合であっても、用いる場合であってもよい。
 溶媒を用いる場合、該溶媒として、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、それらの混合溶媒などを挙げることができるが、これらに限定されない。
 ラクトンモノマーとして、β-プロピオラクトン、β-メチルプロピオラクトンなどの4員環ラクトン;γ-ブチロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-ヘプタノラクトン、γ-オクタノラクトン、α-ヘプチル-γ-ブチロラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトン、α, α-ジメチル-γ-ブチロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチレン-γ-ブチロラクトンなどの5員環ラクトン;δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、δ-オクタノラクトンなどの6員環ラクトン;ε-カプロラクトンなどの7員環ラクトン;ラクチド、1,5-ジオキセパン-2-オンを挙げることができるが、これらに限定されない。
 ラクトンモノマーとして、好ましくは、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるのがよい。
 c)-1)工程において、加熱して溶解を行ってもよい。この工程において材料中の水分が純度を低下させる場合があるので、c)-1)工程前に又は後に、必要に応じて第1の修飾化ポリロタキサン中の残存水分を除去する工程を設けてもよい。例えば、第1の修飾化ポリロタキサンを予め乾燥し残存水分を除去する方法、モノマーに溶解した後の組成物を乾燥空気又は窒素の気流下で乾燥し残存水分を除去する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
 c)-2)工程は、用いる第1の修飾化ポリロタキサン、用いる溶媒、用いるモノマーに依存するが、80℃~160℃で行うことができる。
 反応における圧力は、特に限定されないが、通常、大気圧で行うのがよい。
 モノマーの重合は触媒下で行うことが好ましい。該触媒として、ジラウリン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジオクチル錫、トリ(アセテート)ブチル錫、ジ(アセテート)ジブチル錫、アセテートトリブチル錫、メトキシトリブチル錫、トリ(2-エチルヘキサノエート)ブチル錫、ビス(2-エチルヘキサノエート)ジブチル錫、トリ(ラウレート)ブチル錫、ジ(オクタノエート)ジブチル錫、トリ(オクタノエート)ブチル錫、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫ヒドロキサイドオキサイド、2-エチルヘキサン酸錫等の錫系触媒、四塩化チタン、三塩化チタン、四臭化チタン、三臭化チタンなどのチタン触媒、酢酸モリブデン、酢酸ジルコニウム、酢酸タングステンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
 反応生成物を溶媒無しで回収してもよい。他樹脂に相溶して混合物として回収してもよい。適当な溶媒に溶解して、溶液として回収してもよい。
 以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<ポリロタキサンの調製>
 直鎖分子:ポリエチレングリコール(重量平均分子量3.5万)、環状分子:α-シクロデキストリン(以下、単に「α-CD」と略記する場合がある)、封鎖基:アダマンタンアミン基からなるポリロタキサン(以下、単に「APR」と略記する場合がある)をWO2005/052026号公報に記載されている方法で作製した。なお、H-NMR測定(400MHz JEOL JNM-AL400(日本電子株式会社製)。以降、H-NMR測定は、この装置による)によって計算されたAPRの包接率は0.25である。なお、包接率は、α-CDがポリエチレングリコールにより串刺し状に包接される際にα-CDが最大限に包接される量を1として得た(Macromolecules 1993, 26, 5698-5703を参照こと。なお、この文献の内容はすべて本明細書に組み込まれる)。計算されたAPRの水酸基の量は13.3mmol/gである。
<第1の修飾化ポリロタキサンBAPR1の調製>
 1.5N NaOH水溶液100mlを反応容器に入れ、APR10gを溶解した。反応溶液を室温(約20℃)に保持しながら、ブチレンオキシド20g(0.28mol)を20分かけて滴下し、続いて20時間撹拌した。反応溶液を6N塩酸で中和した。この溶液を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48時間、水道水流水下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回行った。凍結乾燥を行い、得られたヒドロキシブチル化APR1(以下、「ヒドロキシブチル化APR」を単に『BAPR』と略記する場合がある)の収量は12gであった。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは150,000、分子量分布Mw/Mnは1.2であった。
 ヒドロキシブチル基の置換率を、上述の方法により、具体的にはH-NMRを用いて測定、求めた。4~6ppmに現れるα-CDのグルコースのC1のプロトン及び修飾ポリロタキサンの水酸基(2-ヒドロキシブチル由来及びα-CD由来)のプロトン実測積算量は、24.0であり、0.87ppmに現れる2-ヒドロキシブチル基の-CH由来のピークの実測積算量は14.0であることから、(3×18×置換率)/24=14.0/24.0となる。このことから、置換率は0.26であった。計算上の[OH]は10.8mmol/gである。
 なお、本願において、GPCは、次の条件で測定した。TOSOH HLC-8220 GPC装置を用い、カラム:TSKガードカラム Super AW-HとTSKgel Super AWM-H(2本連結)、溶離液:ジメチルスルホキシド/0.01M LiBr、カラムオーブン:50℃、流速:0.5ml/min、試料濃度:約0.2wt/vol%、注入量:20μl、前処理:0.2μmフィルターでろ過、スタンダード分子量:PEO(ポリエチレンオキシド)、の条件下で測定した。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)0.87(t、14.0H)、1.27(broad、4.7H)、1.44(broad、4.7H)、3.0-4.0(m、115H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンBAPR2の調製>
 実施例1において、ブチレンオキシドの量を30g(0.42mol)に変えた以外、実施例1と同様な方法により、BAPR2を12.1g合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは154,000、分子量分布Mw/Mnは1.2であった。 ヒドロキシブチル基の置換率を、上述の方法により、具体的には実施例1とほぼ同様に、H-NMRにより測定し求めたところ、0.33であった。計算上の[OH]は10.3mmol/gである。なお、JIS K0070に準ずる水酸基価は400mgKOH/gであった。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)0.87(t、17.8H)、1.27(broad、5.9H)、1.44(broad、5.9H)、3.0-4.0(m、120H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンBAPR3の調製>
 実施例1において、ブチレンオキシドの量を30g(0.42mol)及び1.5N NaOH水溶液の量を50mlに変えた以外、実施例1と同様な方法により、BAPR3を11.8g合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは180,000、分子量分布Mw/Mnは1.2であった。ヒドロキシブチル基の置換率を上述の方法により、H-NMRにより測定し求めたところ、0.35であった。計算上の[OH]は10.1mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)0.87(t、18.9H)、1.27(broad、6.3H)、1.44(broad、6.3H)、3.0-4.0(m、122H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンBAPR4の調製>
 実施例2において、反応温度を50℃、反応時間を5時間に変更した以外、実施例2と同様な方法により、BAPR4を12.0g合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは185,000、分子量分布Mw/Mnは1.2であった。なお、GPC測定において、3時間以上では変化がなくなるため、3.5時間を反応終点とした。ヒドロキシブチル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.40であった。計算上の[OH]は9.8mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)0.87(t、21.6H)、1.27(broad、7.2H)、1.44(broad、7.2H)、3.0-4.0(m、125H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンEGAPR1の調製>
 1.5N NaOH水溶液50mlを反応容器に入れ、APR10gを溶解した。反応溶液を室温(20℃)に保持しながら、グリシジルエチルエーテル20g(0.20mol)を20分かけて滴下し、続いて20時間撹拌した。反応溶液を6N塩酸で中和した。この溶液を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48時間、水道水流水下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回行った。凍結乾燥を行い、ヒドロキシプロピルエチルエーテル化APR1(以下、「ヒドロキシプロピルエチルエーテル化APR」を単に『EGAPR』と略記する場合がある)を得た。EGAPR1の収量は12gであった。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは158,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピルエチルエーテル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.35であった。計算上の[OH]は9.1mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)1.10(t、18.8H)、3.0-4.0(m、157H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンEGAPR2の調製>
 実施例5において、グリシジルエチルエーテルの量を30g(0.30mol)に変更した以外、実施例5と同様な方法により、EGAPR2を11.0g合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは203,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピルエチルエーテル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.44であった。計算上の[OH]は8.3mmol/gである。なお、JIS K0070に準ずる水酸基価は325mgKOH/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)1.10(t、23.7H)、3.0-4.0(m、173H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンIGAPR1の調製>
 1.5N NaOH水溶液50mlを反応容器に入れ、APR10gを溶解した。反応溶液を室温(20℃)に保持しながら、グリシジルイソプロピルエーテル20g(0.17mol)を20分かけて滴下し、続いて20時間撹拌した。反応溶液を6N塩酸で中和した。この溶液を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48時間、水道水流水下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回行った。凍結乾燥を行い、ヒドロキシプロピルイソプロピルエーテル化APR1(以下、「ヒドロキシプロピルイソプロピルエーテル化APR」を単に『IGAPR』と略記する場合がある)を得た。IGAPR1の収量は11.7gであった。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは154,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピルイソプロピルエーテル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.25であった。計算上の[OH]は9.7mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)1.07(d、27.1H)、3.0-4.0(m、133H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンIGAPR2の調製>
 実施例7において、グリシジルイソプロピルエーテルの量を30g(0.26mol)に変更した以外、実施例7と同様な方法により、IGAPR2を12.0g合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは168,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピルイソプロピルエーテル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.39であった。計算上の[OH]は8.4mmol/gである。なお、JIS K0070に準ずる水酸基価は330mgKOH/gであった。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)、δ(ppm)1.07(d、42.1H)、3.0-4.0(m、154H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
(比較例1)
<HAPR1の調製>
 1.5N NaOH水溶液250mlを反応容器に入れ、APR50gを溶解した。反応溶液を5℃に保持しながら、プロピレンオキシド65g(1.12mol)を50分かけて滴下し、続いて20時間撹拌した。反応溶液を6N塩酸で中和した。この溶液を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48時間、水道水流水下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回行った。凍結乾燥を行い、ヒドロキシプロピル化APR1(以下、ヒドロキシプロピル化APR」を単に『HAPR』と略記する場合がある)を得た。HAPR1の収量は55gであった。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは110,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.33であった。計算上の[OH]は10.8mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)δ(ppm)1.0(s、17.8H)、3.0-4.0(m、94H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
(比較例2)
<HAPR2の調製>
 比較例1において、プロピレンオキシドの量を110gに変えた以外、比較例1と同様な方法でHAPR2を合成した。
 GPCにより、重量平均分子量Mwは120,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった。ヒドロキシプロピル基の置換率をH-NMRにより測定し求めたところ、0.50であった。計算上の[OH]は9.7mmol/gである。
H-NMR、(DMSO-d、400MHz)δ(ppm)1.0(s、27.1H)、3.0-4.0(m、105H)、4.0-6.0(m、24.0H)。
<第1の修飾化ポリロタキサンの溶解性・親和性>
 実施例1~8の第1の修飾化ポリロタキサン、並びに比較例1~2のHAPR1及びHAPR2の各溶媒への溶解性/親和性を評価した。
 溶解性/親和性の評価は、次のように行った。各試料である固体ポリロタキサンを、各種溶媒に0.5wt%となるように添加し、室温で撹拌子により激しく撹拌し、溶解性を評価した。評価において、次の指標を用いた。
○:溶解する。
△:溶け残りが少しある。
×:溶けない。
 これらの結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表1から、本発明の第1の修飾化ポリロタキサン(実施例1~8)が未修飾ポリロタキサン(APR)や同置換率のヒドロキシプロピル修飾ポリロタキサン(HAPR1及びHAPR2)に比べて、溶解性が改善されていることがわかる。特に、工業利用価値が高いアルコール類やラクトンモノマーに対しての改善効果が顕著であることがわかる。
 また、本発明の材料の合成において、実施例4に示したように、加熱により、反応時間を短縮できるとともに置換率が少し向上することを確認した。
(実施例9~実施例16)
<第2の修飾化ポリロタキサンの調製>
 実施例1~実施例8で得られた第1の修飾化ポリロタキサンを原料として用いて、それぞれ第2の修飾化ポリロタキサン(実施例9:BAPR1-g-PCL;実施例10:BAPR2-g-PCL;実施例11:BAPR3-g-PCL;実施例12:BAPR4-g-PCL;実施例13:EGAPR1-g-PCL;実施例14:EGAPR2-g-PCL;実施例15:IGAPR1-g-PCL;実施例16:IGAPR2-g-PCL)を調製した。
 具体的には、第1の修飾化ポリロタキサンの第1の置換基の起点とし、ε-カプロラクトンなどのモノマーの開環重合を行った。より具体的には、次のように行った。
 第1の修飾化ポリロタキサン(実施例Y(Yは1~8を表す))5.0gを三口フラスコに入れ、窒素をゆっくり流しながら、ε-カプロラクトン22.5gを導入した。100℃、30分間メカニカル撹拌機によって均一に撹拌した後、反応温度を130℃まで上げ、予めトルエンで薄めた2-エチルヘキサン酸スズ(50wt%溶液)0.40gを添加し、6時間反応させ、溶媒を除去し、反応生成物を得た。赤外線吸収スペクトル(IR、Nicolet6700 FT-IR(サーモフィッシャー製))を測定した結果、1736cm-1のエステル由来のピークが見られた。また、ガスクロマトグラフィー(GC-2014 株式会社島津製作所製)による分析結果、未反応のε-カプロラクトンの量は投入量に対して1.0wt%以下であった。
 得られた第2の修飾化ポリロタキサンについて、次の物性:重量平均分子量、分子量分布、純度(GPCにより測定)、水酸基価(表2中、「mgKOH/g」の値である)、グラインドゲージ試験結果、粘度を測定した。その結果を表2に示す。なお、グラインドゲージ試験結果、及び粘度は、次のように測定した。
 粘度は、デジタル粘度計TVB-10(TOYO SANGYO製)を用いて測定した。表2における値は、40℃、35wt%キシレン溶液を用いたときの「mPa・s」として記載する。
 グラインドゲージ試験(表2中、「GG試験」と略記する):第2の修飾化ポリロタキサンの35wt%のキシレン溶液を準備し、グラインドメータGW-3098M(太佑機材製)を用いて該溶液をブレードで引き、その直後の異物の有無を目視で確認し、以下のように評価した。
 ○:異物無し。
 △:僅かに異物あり。
 ×:明らかに異物あり。
(比較例3及び比較例4)
 比較例1のHAPR1、比較例2のHAPR2を用いて、実施例9~16と同様な方法により、ε-カプロラクトンの開環グラフト重合を行い、ポリカプロラクトンでグラフト化したグラフトポリロタキサン(比較例3:HAPR1-g-PCL;及び比較例4:HAPR2-g-PCL)を得た。これの物性についても表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 表2から次のことがわかる。即ち、第2の修飾化ポリロタキサン(実施例9~16)は、比較例3及び比較例4の修飾化ポリロタキサンと比較すると、第1の修飾化ポリロタキサンの第1の置換基の置換率が比較的に低くても、得られた第2の修飾化ポリロタキサンの粘性が低く、不溶物がないものを製造することができる。特に、比較例3ではグラインドゲージ試験結果から異物が多く存在し且つその結果、粘度測定もできないことから、比較例3と比べると、実施例9~16における効果が顕著であることがわかった。
(実施例17)
<第2の修飾化ポリロタキサンを有して形成される架橋体>
 第2の修飾化ポリロタキサンを用いて、ポリオールのプレポリマーによる架橋で熱硬化エラストマーを作製した。作製に必要なプレポリマーの合成例を以下に示す。
<<プレポリマーP1の合成>>
 1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(三井化学社製タケネート600)2.80kgを反応槽に入れ、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した。ポリカーボネートジオール(ポリアルキレンカーボネートジオール、デュラノール(登録商標)T-5650J(旭化成ケミカルズ株式会社製、Mn:800;1,5-ペンタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールを繰返し単位とする。以降、単に「ポリカーボネートジオール デュラノール(登録商標)T5650J」と略記する)4.98kgを70℃に温め、上記反応槽へ、4時間かけてゆっくりと滴下した後、更に3時間攪拌して、両末端にイソシアネート基変性したポリカーボネートジオール及び1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを有するプレポリマー1(P1)(7.78kg)を得た。
<<ブロックプレポリマーBP1の合成>>
 上記で得たP1(7.78kg)を反応槽に入れ、窒素気流下で攪拌しながら100℃に昇温した。これにε-カプロラクタム(2.04kg)を入れて6時間攪拌して、ポリカーボネートの両末端のイソシアネート基をε-カプロラクタムで保護したブロックプレポリマー1(BP1)を得た。FT-IR(Nicolet6700 FT-IR)で測定した結果、2250cm-1付近におけるイソシアネート基由来のピークが消失していることから、イソシアネート基が保護されたことを確認した。
<<架橋体E-1の合成>>
 実施例10のBAPR2-g-PCLを用いて、表3に示した組成比で各成分を混合し、80℃で脱泡した後、半径30mm、高さ15mmの円柱のモールドに入れて150℃のオーブン内で5時間、反応を行い、架橋体E-1を得た。赤外分光法により、BAPR2-g-PCLのOH基に由来する3450cm-1付近でのピークの減少から、BP1のイソシアネート基とBAPR2-g-PCLのOH基とが反応し、架橋が形成されたことを確認した。
(実施例18)
<<架橋体E-2の合成>>
 実施例16のIGAPR2-g-PCLを用いて、表3に示した組成比で各成分を混合し、室温で脱泡した後、テフロン(登録商標)モールドに入れて50℃で1日放置した。モールドから取り出し、80℃で減圧乾燥を行い、架橋体E-2を得た。
(比較例5)
<<架橋体H-1の合成>>
 比較例4のHAPR2-g-PCLを用いて、実施例17と同様な方法で反応を行い、架橋体H-1を得た。
(比較例6)
<<架橋体H-2の合成>>
 比較例4のHAPR2-g-PCLを用いて、実施例18と同様な方法で反応を行い、架橋体H-2を得た。
 得られた架橋体E-1及びE-2、並びに架橋体H-1及びH-2について、伸長率が50%での応力(以下、「50%モジュラス」と略記する場合がある)、伸長率が100%での応力(以下、「100%モジュラス」と略記する場合がある)、最大応力、破断伸張、及び圧縮永久歪を測定した。その結果についても表3に示す。
 なお、それぞれの測定項目は、次のように測定した。
 50%モジュラス、100%モジュラス、最大応力、破断伸張の測定は、測定する架橋体をダンベル3号形試験片又はダンベル7号形試験片とし、室温でJIS K6251に準じた方法で測定した。
 圧縮永久歪(100℃、24時間)は、測定する架橋体を円柱試験片(半径30mm、厚み15mm)とし、JIS K6262に準じた方法で測定した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
 表3から分かるように、本願の第2の修飾化ポリロタキサンを用いることにより、柔軟性が優れたエラストマー(低モジュラス、高い破断伸張)を提供することができる。さらに、架橋体E-1(実施例17)と架橋体H-1(比較例5)とを比較すると、本願の第2の修飾化ポリロタキサンを用いるか否か以外については同一な組成物で架橋体を作製しているが、本願の第2の修飾化ポリロタキサンを用いると、圧縮永久歪がかなり小さくなり、へたりが少ない材料を提供できることがわかる。

Claims (11)

  1.  シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記シクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを修飾化した修飾化ポリロタキサンであって、
     前記シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部が以下の式(I)(式中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の基である)で表される第1の置換基で置換される、上記修飾化ポリロタキサン。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
  2.  前記水酸基の少なくとも一部が、前記第1の置換基をさらに修飾した、以下の式(II)(式中、Xは、炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、及びエーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基からなる群から選ばれる、少なくとも1種の第2の基であり、nは1~200である)で表される第2の置換基で置換される請求項1記載の修飾化ポリロタキサン。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
  3.  前記第1の置換基の置換率は、前記シクロデキストリンが有する水酸基の全てが置換された状態を1.0とする場合、0.10~0.60である請求項1記載の修飾化ポリロタキサン。
  4.  前記-X-は、-(CH-、-(CH-、-CH(CH)-CH-CH-及び-(CH-O-(CH-からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレン基である請求項2記載の修飾化ポリロタキサン。
  5.  前記修飾化ポリロタキサンの分子量分布が2.0以下である請求項2又は4記載の修飾化ポリロタキサン。
  6.  請求項2、4又は5記載の修飾化ポリロタキサンが架橋に含まれる架橋形成材料。
  7.  請求項2、4又は5記載の修飾化ポリロタキサンを有して形成される材料。
  8.  修飾化ポリロタキサンの製造方法であって、
     a)シクロデキストリンの開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記シクロデキストリンが脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンを準備する工程;及び
     b)前記シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一部を以下の式(I)(式中、-Rは、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、-CH-O-CH-CH-CH及び-CH-O-CH-(CHからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表される第1の置換基で置換する工程;
    を有する、上記方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
  9.  前記b)工程の置換は、前記水酸基の少なくとも一部と、1,2-ブチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、グリシジルエチルエーテル、グリシジルプロピルエーテル及びグリシジルイソプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1の化合物とを反応させて行う請求項8記載の方法。
  10.  c)前記第1の置換基を基点として、ラクトンモノマーを開環重合し、前記水酸基の少なくとも一部が、以下の式(II)(式中、Xは、炭素数が2~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、アセチル基分岐を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基、及びエーテル結合を有する炭素数が3~8の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基からなる群から選ばれる、少なくとも1種の第2の基であり、nは1~200である)で表される第2の置換基で置換する工程をさらに有する、請求項8又は9記載の方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
  11.  前記c)工程において、ラクトンモノマーが、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン及びγ-ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いて、前記開環重合を行う請求項10記載の方法。
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