JP7133227B2 - 環状分子にポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体を有する置換基を有するポリロタキサン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、環状分子にポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体を有する置換基を有するポリロタキサン、該ポリロタキサンを有する材料、及び該ポリロタキサンの製造方法に関する。
ポリロタキサンは、軸分子に対して、環状分子が可動する特殊な構造で注目されており、環状分子にさまざまな置換基を備えることにより、その特性を変化させている。
例えば、特許文献1及び2は、モノマーからグラフト重合したグラフト鎖をポリロタキサンの環状分子に付与する技術を開示する。
具体的には、特許文献1は、ポリロタキサンの環状分子に-M-A、-M-B及び-Cの修飾基で修飾されたポリロタキサンを開示する。ここで、Mは式IV又は式Vで表される平均重合度(n)が1~20の修飾基であり、該修飾基はポリエステルまたはポリアミド構造、具体的にはポリカプロラクトン又はポリカプロラクタムであることを開示する。
また、特許文献2は、ポリロタキサンの環状分子がラジカル重合開始部位を有するポリロタキサンを開示する。該ラジカル重合開始部位を介して、ラジカル重合性モノマーによって重合したグラフト鎖を有するポリロタキサンを開示する。モノマーの重合でできたグラフト鎖は具体的にポリアクリル酸エステル鎖である。
さらに、特許文献3は、ポリロタキサン同士が化学結合を介して結合してなる架橋ポリロタキサンを開示し、該ポリロタキサンのシクロデキストリンの水酸基の一部が非イオン性結合基で結合されていることを開示する。非イオン性結合基として、2-ヒドロキシプロピル基を開示する。
また、特許文献4は、ポリロタキサンのシクロデキストリンの水酸基の一部が式(1)で表される置換基、例えば2-ヒドロキシブチル置換基などで置換されることを開示する。
しかしながら、特許文献1~4は、耐加水分解性が乏しく耐久性に問題を有するか、及び/又は、ポリロタキサン以外の材料との相溶性・親和性が乏しいという問題を有していた。即ち、特許文献1又は特許文献2は、環状分子がグラフト鎖を有していたとしても、ポリエステル構造又はポリアミド構造(特許文献1)であるか、又はポリアクリルエステル構造(特許文献2)であり、耐加水分解性が乏しく耐久性に問題があった。また、特許文献3及び4では、環状分子がグラフト鎖を有していないため、所望の材料との相溶性、親和性を得ることができなかった。
WO2009/145073。 WO2009/136618。 WO2005/080469。 WO2013/099842。
そこで、本発明の目的は、耐久性、特に耐加水分解性を有し、且つ所望の材料、例えばポリロタキサン以外のポリマー材料との相溶性を保持するポリロタキサンを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、該ポリロタキサンを有する材料を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて、該ポリロタキサンを有する架橋体を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて、該ポリロタキサン、該材料、及び/又は該架橋体を有する成形品を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて、該ポリロタキサン、該材料、該架橋体、及び/又は該成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、次の発明を見出した。
<1> 環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンであって、
環状分子が、下記式I
(式I中、Rは、-CH、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、及び-CH-O-CH-(CH、-フェニル基からなる群から選択される少なくとも1種の基であり、
は、H、-CH、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基であり、
nは、環状分子に付加したポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体の見かけ上の重合度であり、その値は1.1~10.0である)
で表される置換基を有することを特徴とするポリロタキサン。
Figure 0007133227000001
<2> 上記<1>において、nの値が2.0~8.0、好ましくは3.0~6.0であるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、Rが-CH、-CH-CH、及び-CH-O-CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基、好ましくは-CH、及び-CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのがよい。
<4> 上記<1>~<3>のいずれかにおいて、RがH、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基、好ましくはH、及び-OCONH-(CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのがよい。
<5> (a)環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンAを準備する工程;及び
(b)下記式II(式II中、Rは上記と同じ定義を有する)で表される化合物をポリロタキサンAと反応させ、環状分子に上記式I(式I中、R、R、及びnは上記と同じ定義を有する)で表される置換基を設ける工程;
を有することにより、
環状分子が上記式Iで表される置換基を有するポリロタキサンBを得る、ポリロタキサンBの製造方法。
Figure 0007133227000002
<6> 上記<5>の(b)工程において、i)超強塩基、又はii)重合開始剤、の存在下で反応させるのがよい。
<7> 上記<1>~<4>のいずれかのポリロタキサンを含有する材料。
<8> 上記<1>~<4>のいずれかのポリロタキサン、及び上記<1>~<4>のいずれかのポリロタキサン以外の物質を有する材料であって、前記ポリロタキサンの少なくとも一部と前記物質の少なくとも一部とが直接または間接的に結合する材料。
<9> 上記<1>~<4>のいずれかのポリロタキサンを有して形成される成形品。
<10> 上記<7>又は<8>の材料を有して形成される成形品。
本発明により、耐久性、特に耐加水分解性を有し、且つ所望の材料、例えばポリロタキサン以外のポリマー材料との相溶性を保持するポリロタキサンを提供することができる。
また、本発明により、上記効果に加えて、該ポリロタキサンを有する材料を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加えて、該ポリロタキサンを有する架橋体を提供することができる。
また、本発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加えて、該ポリロタキサン、該材料、及び/又は該架橋体を有する成形品を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果の他に、又は上記効果に加えて、該ポリロタキサン、該材料、該架橋体、及び/又は該成形品の製造方法を提供することができる。
実施例4で得られたポリロタキサンA4のH-NMR(DMSO-d)のチャートを示す図である。 比較例1で得られたポリロタキサンC1のH-NMR(DMSO-d)のチャートを示す図である。
以下、本願に記載する発明を詳細に説明する。
<本発明のポリロタキサン>
本願は、環状分子がポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体を有する置換基、具体的には下記式Iで表される置換基を有するポリロタキサンを提供する。
Figure 0007133227000003
上記式Iで表される置換基を有することにより、該置換基が、ポリエステル構造又はポリアミド構造とは異なり、耐加水分解性を有するため、本発明のポリロタキサンは、耐久性を備えることができる。
また、下記式Iで表される置換基、即ちポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体を有することにより、次のような効果を奏することができる。
i)溶媒に対する溶解性が向上し、本発明のポリロタキサンを用いる際に種々の溶媒を用いることができる。
ii)ポリロタキサンと所望の材料との相溶性を保持させることができる。具体的には本発明のポリロタキサンと該ポリロタキサン以外のポリマーとの相溶性を保持させることができる。これにより、所望の材料、例えばポリロタキサン以外のポリマーとの配合やブレンドの拡張、材料の複合化などによる高機能化が期待される。
iii)本発明のポリロタキサンを有する材料の力学特性を制御することができる。例えばポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体の柔軟性との相乗効果により、該柔軟性の向上、耐熱性向上、誘電率などの特性向上を期待することができる。
上記式I中、nは、環状分子に付加したポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体の見かけ上の重合度である。
付加したポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体に分散があるため、nの値は小数点で表される。
nの値は1.1~10.0、好ましくは2.0~8.0、より好ましくは3.0~6.0であるのがよい。
nの値は、本発明のポリロタキサンのH-NMRの測定結果であるH-NMRチャートから算出することができる。しかしながら、H-NMRチャートにおいて、多くのピーク重複により真の重合度を算出することは困難である。そのためにnを見かけ上の重合度と定義した。
nの算出方法として、原料ポリロタキサンA(以下、単に「ポリロタキサンA」と略記する場合がある)にアルキレンオキシドモノマー又はその誘導体(以下、単に「モノマーC」と略記する場合がある)が反応し、本発明の、環状分子がポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体を有する置換基を有するポリロタキサンB(以下、単に「変性ポリロタキサンB」と略記する場合がある)が得られる場合を例として説明する。また、原料ポリロタキサンAの環状分子がα-シクロデキストリン(以下、単に「α-CD」と略記する)である場合を説明する。
nは、次に示す「付加率」と同じ数値である。
ここで、「付加率」とは、原料「ポリロタキサンA」における環状分子であるα-CDの水酸基の数に対して、「変性ポリロタキサンB」における「モノマーC」の数を表したものである。
反応する「モノマーC」は、オキシラン基(エポキシ基)を有する構造であり、1個の水酸基に複数のモノマーが逐次的に反応できる。そのため、付加率が原料の水酸基に対して100%を超える場合が生じる。この場合、ポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体が原料「ポリロタキサンA」の環状分子であるα-CD水酸基の少なくとも一部に付与されることになる。例えば、付加率120%の場合、平均的にα-CDの18個の水酸基の20%が複数個の「モノマーC」に付加されることになる。
ここで、実際に、本発明のポリロタキサンで得られたH-NMRチャートを参照しつつ、「付加率」について説明する。
図1は、後述する実施例4で得られた、本発明のポリロタキサン、即ちポリプロピレンオキシド鎖を有するポリロタキサンのH-NMRチャートである。
該チャートにおいて、1ppmでのピークは、プロピレンオキシド基の-CHに由来する。1ppmでのピークの積分値をLとする。
また、4.2~6.5ppmでのピークは、複数種のH由来であり、具体的には、「α-CDの水酸基のH」、「反応したプロピレンオキシドの末端水酸基のH」、及び「α-CDのグルコース部位のC1のH」に由来する。4.2~6.5ppmでのピークの積分値をMとする。
プロピレンオキシドの付加率をYとすると、1ppmでのピーク(プロピレンオキシド基の-CHに由来)の積分値Lは、「Y×3×18」である。
一方、4.2~6.5ppmでのピークの積分値Mは、「α-CDの水酸基のH」由来の「(1-Y)×18」と、「反応したプロピレンオキシドの末端水酸基のH」由来の「Y×18」と、「α-CDのグルコース部位のC1のH」由来の「6」との合算である。
積分値LとMとの比率は、以下の式であり、それぞれ測定結果(Lは307.69、Mは24.0)を当てはめることにより付加率Yを算出することができる。
L:M=(Y×3×18):{(1-Y)×18+Y×18+6}
54Y:24=307.69/24.0。
付加率Y=5.69(569%)。
上述したとおり、付加率はnと同じ値であるから、見かけの重合度nは5.69となる。
図2は、後述する比較例1で得られたポリロタキサンのH-NMRチャートである。
1ppmでのピークの積分値L(26.88)と4.2~6.5ppmでのピークの積分値M(24.0)から、付加率Y=0.497(50%)が算出され、見かけの重合度nは0.5である。
なお、付加率、即ち見かけの重合度nを、「変性ポリロタキサンB」の重量平均分子量と「原料ポリロタキサンA」の重量平均分子量との差、即ち「重量平均分子量の増加量」;及び「原料ポリロタキサンA」の「包接率」(「変性ポリロタキサンB」の一分子あたりのα-CDの数)から、測定することもできる。しかしながら、「変性ポリロタキサンB」及び「原料ポリロタキサンA」の極性の違い、それらのGPCの溶媒への溶解性の違いなどから、「重量平均分子量の増加量」から付加率を算出することは正確さに欠けている、といえる。
なお、「包接率」は次のように求めることができる。
「包接率」は、「原料ポリロタキサンA」及び「変性ポリロタキサンB」において、環状分子(α-CD)が最密度で配置された場合の個数に対して、実際に配置された環状分子(α-CD)の割合を示す値である。ここで、α-CDの最密度(最大包接量)は、直鎖状分子の長さと環状分子の厚みにより決定される。直鎖状分子がポリエチレングリコール(PEG)の場合、Macromolecules 1993,26,5698-5703に記載された方法で求められる。ポリエチレングリコールの-(O-CH-CH-の繰返し単位2個分がα-CDの分子厚みに相当する。例えば、数平均分子量35000のPEGの場合、α-CDの最大包接量は35000/88=398個となり、数平均分子量35000のPEGに398個のα-CDが包接される場合、包接率が100%となる。
「α-CDの包接率」は、上記のα-CDの最大包接量の場合のPEGのHを基準に、H-NMRからα-CD由来のHとPEGのHの積分値の比から求められる。
式I中、Rは、-CH、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、及び-CH-O-CH-(CH、-フェニル基からなる群から選択される少なくとも1種の基であり、-CH、-CH-CH、及び-CH-O-CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのが好ましく、-CH、及び-CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのがより好ましい。
式I中、Rは、H、-CH、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基であり、H、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのが好ましく、H、及び-OCONH-(CH-CHからなる群から選択される少なくとも1種の基であるのがより好ましい。
本発明のポリロタキサンは、上記式Iで表される置換基を有する以外、環状分子、直鎖状分子、及び封鎖基を有して形成され、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置して形成される。以下、ポリロタキサンに含まれる各構成要素である、環状分子、直鎖状分子、及び封鎖基について、説明する。
<<環状分子>>
環状分子は、環状であり、開口部を有し、直鎖状分子によって串刺し状に包接されるものであれば、特に限定されない。
環状分子は、所望とする後述の材料、所望とする後述の架橋体、所望とする後述の成形品などに依存するが、水酸基(-OH基)を有するのがよい。
水酸基(-OH基)は、所望とする材料、所望とする架橋体、所望とする成形品の特性などに依存するが、環状分子の環状骨格に直接結合していても、環状骨格とは第1のスペーサを介して結合していてもよい。
また、環状分子は、所望とする材料、所望とする架橋体、所望とする成形品の特性などに依存して、その他の基、例えば、1)メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、ブチルカルバモイル基のような疎水性修飾基;2)-NH、-COOH、及び-SH;からなる群から選ばれる基、3)アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、ビニリデン基、無水マレイン酸含有官能基の重合性基;からなる群から選ばれる基;などを有してもよい。
環状分子として、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンからなる群から選択されるのがよい。
<<直鎖状分子>>
直鎖状分子は、用いる環状分子の開口部に串刺し状に包接され得るものであれば、特に限定されない。
例えば、直鎖状分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル-スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル-メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体からなる群から選ばれるのがよい。例えばポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれるのがよい。特にポリエチレングリコールであるのがよい。
直鎖状分子は、その重量平均分子量が1,000以上、好ましくは3,000~100,000、より好ましくは6,000~50,000であるのがよい。
ポリロタキサンにおいて、(環状分子、直鎖状分子)の組合せが、(α-シクロデキストリン由来、ポリエチレングリコール由来)であるのがよい。
<封鎖基>
封鎖基は、擬ポリロタキサンの両端に配置され、用いる環状分子が脱離しないように作用する基であれば、特に限定されない。
例えば、封鎖基として、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、ピレン類、置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、フェニルなどを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多核芳香族類(置換基として、上記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及びステロイド類からなる群から選ばれるのがよい。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、及びピレン類からなる群から選ばれるのが好ましく、より好ましくはアダマンタン基類又はシクロデキストリン類であるのがよい。
<本発明のポリロタキサンを有する材料>
本願は、上記の本発明のポリロタキサンを有する材料を提供する。
該材料は、上記の本発明のポリロタキサン以外の物質を有してもよい。
該物質として、ポリロタキサンと結合できる物質、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリジエン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアミド酸及びそれらの誘導体などを挙げることができるがこれらに限定されない。
本発明の材料が、該物質の少なくとも一部と本発明のポリロタキサンの少なくとも一部が直接または間接的に結合して架橋体を形成してもよい。
ここで、「間接に、結合できる物質」とは、架橋剤などの介在物質を用いて、その架橋剤などの介在物質を介してポリロタキサンと結合できる物質をいう。一方、「直接、結合できる物質」とは、上述の介在物質を用いずに、熱、触媒、開始剤などの存在下で、ポリロタキサンと結合できる物質をいう。
例えば、該物質がポリアクリル酸の場合、触媒の存在下でポリロタキサンと直接結合することができる。また、該物質がプロピレングリコールの場合、ポリプロピレングルコールと本発明のポリロタキサンの水酸基との間に、架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネートのような多官能イソシアネート化合物を介して間接的に結合できる。なお、架橋剤として、ポリロタキサンとポリロタキサン以外の物質とを反応で官能基を有する化合物であれば特に限定されない。架橋剤の例として、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボン酸、多官能カルボン酸無水物、多官能エポキシ化合物、多官能カルボジイミド、ポリオール、ポリアミンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
<本発明のポリロタキサンを有する成形品>
本願は、上記の本発明のポリロタキサンを有して形成される成形品を提供する。
また、本願は、上述の材料を有して形成される成形品を提供する。
さらに、本願は、上述の材料、特に架橋体を有して形成される成形品を提供する。
これらの成形品は、成形品に所望の特性を付与する種々の成分を有してもよい。これらの成分として、可塑剤、界面活性剤、UV吸収剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤、粘度調整剤、強化繊維、微粒子、難燃剤などを挙げることができるがこれらに限定されない。
本発明のポリロタキサン、材料、架橋体、及び/又は成形品は、その特性から、種々の応用がある。応用として、例えば、粘着剤・接着剤、耐キズ性膜、防振・制振・免振材料、塗料、コーティング剤、シール材、インク添加物・バインダー、電気絶縁材料、電気・電子部品材料、光学材料、摩擦制御剤、化粧品材料、ゴム添加剤、樹脂改質・強靭化剤、レオロジー制御剤、増粘剤、繊維、医療用生体材料、機械・自動車材料、建築材料、衣料・スポーツ用品などを挙げることができるがこれらに限定されない。
<本発明のポリロタキサンの製造方法>
上述した本発明のポリロタキサンは、次の方法により製造することができる。
即ち、
(a)環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンAを準備する工程;
(b)下記式II(式II中、Rは上記と同じ定義を有する)で表される化合物を前記ポリロタキサンAと反応させ、環状分子に下記式I(式I中、R、R、及びnは、上記と同じ定義を有する)で表される置換基を設ける工程;
を有することにより、
本発明のポリロタキサンであるポリロタキサンBを得ることができる。
Figure 0007133227000004
<<工程(a)>>
工程(a)は、ポリロタキサンAを準備する工程である。
この工程は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、WO2005/052026又はWO2013/147301に記載された方法で、ポリロタキサンAを準備することができる。なお、ポリロタキサンAを市販購入することにより工程(a)を行うことができる。
<<工程(b)>>
工程(b)は、上記式IIで表される化合物をポリロタキサンAと反応させ、環状分子に上記式Iで表される置換基を設ける工程である。なお、RはH以外の場合、上記式IIで表される化合物をポリロタキサンAと反応させてから該当するR基をその末端水酸基(R=Hの末端水酸基)の全部又は一部に付与するのがよい。
工程(b)は、用いるポリロタキサンA、用いる化合物に依存して、反応条件を定めるのがよいが、i)超強塩基の存在下、又はii)重合開始剤、の存在下、で反応を行うのがよい。
i)超強塩基として、フォスファゼン塩基、グアニシン塩基、プロアザフォスファトラン塩基、金属塩基を挙げることができるがこれらに限定されない。特にフォスファゼン塩基が好ましく用いられる。また、超強塩基を用いる場合、その条件として、20℃から100℃、常圧又は加圧の条件下を挙げることができるがこれらに限定されない。
ii)重合開始剤として、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウムを挙げることができるがこれらに限定されない。また、重合開始剤を用いる際、強塩基と組み合わせて用いるのがよい。該強塩基として、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、トリメチルアミン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができるがこれらに限定されない。また、重合開始剤を用いる場合、その条件として、20℃から100℃、常圧又は加圧の条件下を挙げることができるがこれらに限定されない。
工程(b)は、さらなる溶媒を用いても、さらなる溶媒を用いなくてもよい。さらなる溶媒を用いる場合、該溶媒として、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなどを挙げることができるがこれらに限定されない。
工程(b)は、常圧から加圧下で反応を行うのがよいが、加圧のほうが反応を促進できる。反応温度は、用いるポリロタキサンA、用いる化合物、用いる溶媒など依存するが、室温~130℃で行うのがよい。
<本発明の材料の製造方法>
上記で得られた、本発明のポリロタキサンを用いて材料を製造することができる。
材料の製造方法は、本発明のポリロタキサン以外に用いる物質に依存する。例えば、本発明のポリロタキサン以外に用いる物質として、上述した物質を挙げることができ、これらを用いる場合、上述したとおり、本発明のポリロタキサンの少なくとも一部と該物質の少なくとも一部とが直接又は間接的に結合させることができ、架橋体を形成することができる。
該物質としてプロピレングリコールジオールを用いる場合を例示して説明すると、(c)-1.架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネートのような多官能イソシアネート化合物の存在下、本発明のポリロタキサンと上記ポリロタキサン以外の物質、具体的にはプロピレングリコールジオール及びヘキサメチレンジイソシアネートのような多官能イソシアネート化合物とを反応させることにより、本発明のポリロタキサンの少なくとも一部とプロピレングリコールジオールの少なくとも一部とがヘキサメチレンジイソシアネートのような多官能イソシアネート化合物を介して間接的に結合させることができ、架橋体を形成することができる。なお、架橋剤は、上述したものを用いることができることができる。
また、(c)-2.触媒、開始剤の存在下、本発明のポリロタキサンと上記ポリロタキサン以外の物質とを反応させることにより、本発明のポリロタキサンの少なくとも一部と該物質の少なくとも一部とが直接結合させることができ、架橋体を形成することもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、ポリロタキサンAPR20(直鎖状分子:PEG Mw20,000、環状分子:α-CD、封鎖基:アダマンタン基、重量平均分子量Mw=83,600)を、WO2005/052026又はWO2013/147301に記載された方法にしたがって準備した。
また、ポリロタキサンAPR35(直鎖状分子:PEG Mw35,000、環状分子:α-CD、封鎖基:アダマンタン基;重量平均分子量Mw=95,000)を、WO2005/052026又はWO2013/147301に記載された方法にしたがって準備した。
(実施例1)
反応容器にポリロタキサンAPR20 70g、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)10ml、1Nフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF)7.5mlの混合溶液に溶解し、撹拌しながらプロピレンオキシド40mlを室温(25℃)で滴下した。撹拌を室温で72時間続けた後、得られた反応物を透析膜で精製し、乾燥し、精製物A1 30gを得た。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率113%(α-CDの水酸基に対して)であった。したがって、α-CDの水酸基の少なくとも一部にポリプロピレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。上述したとおり、付加率とnは同じ値であるので、n=1.1であった。
(実施例2)
実施例1において、DBN 10mlの代わりにDBN 20mlを使用し、撹拌を48時間にした以外、実施例1と同様な方法により、精製物A2 32gを得た。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率112%(α-CDの水酸基に対して)。したがって、α-CDの水酸基の少なくとも一部にポリプロピレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.1であった。
(実施例3)
実施例1において、撹拌を144時間にした以外、実施例1と同様な方法により、精製物A3 38gを得た。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率204%(α-CDの水酸基に対して)。したがって、α-CDの水酸基の少なくとも一部にポリプロピレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=2.0であった。
(実施例4)
ポリロタキサンAPR20 1gをプロピレンオキシド20mlに導入し、撹拌しながら、DBN 2ml、1N TBAF 1mlを導入した。30℃で反応を72時間続けた後、得られた反応物を透析膜で精製し、乾燥し、精製物A4 3.3gを得た。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率570%(α-CDの水酸基に対して)。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mw:168,000、分散Mw/Mn:1.2であった。α-CDの水酸基にポリプロピレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=5.7であった。
(比較例1)
ポリロタキサンAPR35 10gを1.5N NaOH水溶液50mlに溶解し、プロピレンオキシド200gをゆっくり滴下した後、25℃、72時間反応させた。反応液を塩酸で中和し、透析膜で精製し、乾燥し、精製物C1 11.5gを得た。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率50%であった。nは0.5であった。
(実施例5)
ポリロタキサンAPR20 5gをブチレンオキシド50mlに導入し、撹拌しながら、DBN 10ml、1N TBAF 5mlを導入した。50℃で反応を72時間続けた後、得られた反応物を3回水洗し、乾燥し、精製物A5 12.0gを得た。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mw:173,000、分散Mw/Mn:1.2であった。
H-NMRで分析した結果、ブチレンオキシドの付加率131%であった(α-CDの水酸基に対して)。α-CDの水酸基にポリブチレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.3であった。
(実施例6)
ポリロタキサンAPR20 5gをブチレンオキシド50mlに導入し、撹拌しながら、トリエチルアミン40ml、1N TBAF 20mlを導入した。50℃で反応を48時間続けた後、得られた反応物を3回水洗し、乾燥し、精製物A6 13gを得た。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mw:133,000、分散Mw/Mn:1.3であった。
H-NMRで分析した結果、ブチレンオキシドの付加率116%であった(α-CDの水酸基に対して)。α-CDの水酸基にポリブチレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.2であった。
(実施例7)
ポリロタキサンAPR20 5gをエチルグリシジルエーテル200mlに導入し、撹拌しながら、DBN 10ml、1N TBAF 20mlを導入した。60℃で反応を48時間続けた後、得られた反応物を3回水洗し、乾燥し、精製物A7 18gを得た。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mwは191,000であって、分散Mw/Mnは1.3であった。
H-NMRで分析した結果、エチルグリシジルエーテルの付加率112%であった(α-CDの水酸基に対して)。α-CDの水酸基に-(CHCH(OCHCH)O)-Hグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.1であった。
(実施例8)
ポリロタキサンAPR20 1gをジメチルスルホキシド(DMSO)10mlに溶解し、プロピレンオキシド10mlに導入し、撹拌しながら、DBN 2ml、1N TBAF 1mlを導入した。30℃で反応を72時間続けた後、得られた反応物を3回水洗し、乾燥し、精製物A8 3.2gを得た。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mw:168,000、分散Mw/Mn:1.3であった。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率142%であった(α-CDの水酸基に対して)。α-CDの水酸基にポリプロピレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.4であった。
(比較例2)
実施例8において、DBNを使用しない以外、実施例8と同様な方法により、精製物C2 0.8gを得た。
GPCで測定した結果、重量平均分子量Mw:81,600、分散Mw/Mn:1.3であった。
H-NMRで分析した結果、プロピレンオキシドの付加率0%であった(α-CDの水酸基に対して)。つまり、反応が進行しなかった。
(実施例9)
ポリロタキサンAPR35 1gをDMSO 10mlに溶解し、ホスファゼンベーズP4-t-Bu 0.8Mヘキサン溶液(Aldrich製)1.34ml、ブチレンオキシド5gを導入し、60℃20時間反応させた。生成物を3回水洗し、乾燥し、精製物A9 3.1gを得た。
GPC分析により、重量平均分子量Mw:258,000、Mw/Mn:1.3であった。
H-NMRで分析した結果、ブチレンオキシドの付加率126%であった(α-CDの水酸基に対して)。α-CDの水酸基にポリブチレンオキシドグラフト鎖が付与されていることを確認した。n=1.3であった。
(比較例3)
実施例9において、ホスファゼンベーズP4-t-Bu 0.8Mヘキサン溶液(Aldrich製)1.34mlの代わりに、ジアザビシクロウンデセン(DBU) 1mlを使用した以外、実施例9と同様な方法により、精製物C3 1.3を得た。
GPC分析により、重量平均分子量Mw:125,000、Mw/Mn:1.3であった。
H-NMRで分析した結果、ブチレンオキシドの付加率23.1%であった(α-CDの水酸基に対して)。即ち、n=0.23であった。
(実施例10)
実施例4で得られた精製物A4と比較例1で得られた精製物C1を用いて、各種材料への溶解性、相溶性を行った。以下の基準で評価した。
○は、対象材料に対して、精製物が2wt%以上溶解し、相溶した。
×は、対象材料に対して、精製物が不溶。
その結果を表1に示す。なお、PPG400、PPG700、PPG1000は数平均分子量400、700、1000のポリプロピレングリコールである(和光純薬製)。
表1から明らかなように、本発明のポリロタキサンである精製物A1は、比較例1の精製物C1に比べて、PPG材料に対する相溶性が飛躍的に向上した。
Figure 0007133227000005
(実施例11)
反応容器に1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(三井化学社製タケネート600)9.0gを入れ、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した。ポリプロピレングリコール700(和光純薬製)7.1gを上記反応容器へ、ゆっくりと滴下した後、更に3時間攪拌して、両末端にイソシアネート基変性したポリプロピレングリコール有するポリマーを16g得た(ポリマーP)。
得られたポリマーP 0.5gと実施例4で得られたポリプロピレンオキシドグラフト鎖を有するポリロタキサン2.0gを素早く混合し、均一な混合液を得た。その溶液をガラス基板に塗布し、80℃で30分間、加熱硬化した。柔軟で透明なエラストマーシートを得た。

Claims (4)

  1. 環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンであって、
    前記環状分子が、下記式I
    (式I中、Rは、-CH、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、及び-CH-O-CH-(CH、-フェニル基からなる群から選択される少なくとも1種の基であり、
    は、H、-CH、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基であり、
    nは、環状分子に付加したポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体の見かけ上の重合度であり、その値は1.1~10.0である)
    で表される置換基を有することを特徴とするポリロタキサン。
    Figure 0007133227000006
  2. (a)環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンAを準備する工程;及び
    (b)下記式II
    (式II中、Rは、-CH、-CH-CH、-CH-O-CH、-CH-O-CH-CH、及び-CH-O-CH-(CH、-フェニル基からなる群から選択される少なくとも1種の基である)
    で表される化合物を前記ポリロタキサンAと反応させ、前記環状分子に下記式I
    (式I中、Rは上記と同じ定義を有し、
    は、H、-CH、-OCONH-(CH-CH、-OCONH-C1837、及び-COCHからなる群から選択される少なくとも1種の基であり、
    nは、環状分子に付加したポリアルキレンオキシド鎖又はその誘導体の見かけ上の重合度であり、その値は1.1~10.0である)
    で表される置換基を設ける工程であって、i)超強塩基、又はii)重合開始剤、の存在下で反応させる工程
    を有することにより、
    前記環状分子が下記式Iで表される置換基を有するポリロタキサンBを得る、ポリロタキサンBの製造方法。
    Figure 0007133227000007
  3. 請求項1記載のポリロタキサンを含有する材料。
  4. 請求項1記載のポリロタキサン以外の物質をさらに含有し、該物質と請求項1記載のポリロタキサンの一部とが直接または間接的に結合することを特徴とする請求項記載の材料。
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