JP2021178910A - 環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロピレンオキシドの反応効率が高め、且つ得られるポリロタキサンについてもプロピレンオキシ繰り返し単位が、各種溶媒に対して優れた相溶性を示すのに十分な長さであるポリロタキサンの製造方法の提供。【解決手段】(I)水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程;及び(II)第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃の温度範囲で反応させる工程;を有することにより、第1のポリロタキサンの環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有する第2のポリロタキサンを得る、該第2のポリロタキサンの製造方法により、上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサンの製造方法に関する。
環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなるポリロタキサンは、それを用いた材料が、優れた伸び率、優れた柔軟性などを示すことから種々の材料に応用することが期待されている。
該ポリロタキサンの特性を活かすために、ポリロタキサンの環状分子、例えばα−シクロデキストリン(以下、単に「α−CD」と略記する場合がある)の水酸基を種々の修飾基で修飾し、溶媒への相溶性を向上させた報告、機能性を付与する報告が種々存在する。
例えば、特許文献1は、耐加水分解性を有するポリロタキサン、具体的にはポリロタキサンの環状分子であるα−CDの水酸基に平均重合度が1.1〜10.0のプロピレンオキシド側鎖を有するポリロタキサンを開示する。
WO2018/225704。
しかしながら、特許文献1に開示するポリロタキサンの製造方法は、プロピレンオキシドの反応効率が悪く、且つ得られるポリロタキサンについてもプロピレンオキシ繰り返し単位が十分ではなく、各種材料、特にポリアルキレンオキシ部位を有する材料に対して優れた相溶性を示さない、という問題点があった。
そこで、本発明の目的は、プロピレンオキシドの反応効率が高め、且つ得られるポリロタキサンについてもプロピレンオキシ繰り返し単位が、各種材料に対して優れた相溶性を示すのに十分な長さであるポリロタキサンの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、以下の発明を見出した。
<1> (I)水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程;及び
(II)第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは115〜130℃の温度範囲で反応させる工程;
を有することにより、第1のポリロタキサンの環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有する第2のポリロタキサンを得る、該第2のポリロタキサンの製造方法。
<2> 上記<1>の(II)工程において、第1のポリロタキサンの水酸基1当量に対して、プロピレンオキシドを4〜30当量、好ましくは7〜28当量、より好ましくは10〜25当量、反応させるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>の(II)工程において、第1のポリロタキサン1重量部に対して、プロピレンオキシドを3〜15重量部、好ましくは5〜12重量部、より好ましくは6〜10重量部、反応させるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、繰り返し単位が、第1のポリロタキサンの重量部1に対して1.1〜4.0重量部、好ましくは1.8〜3.5重量部、より好ましくは2.0〜3.0重量部であるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかの方法により得られる第2のポリロタキサン。
<6> 上記<5>において、第2のポリロタキサンが、数平均分子量1000以上のポリアルキレンオキシポリオール、好ましくはポリプロピレンオキシポリオール、ポリテトラメチレンオキシポリオール、ポリプロピレンオキシとポリエチレンオキシブロック共重合体のポリオール、ポリプロピレンオキシとポリテトラメチレンオキシブロック共重合体のポリオール、より好ましくはポリプロピレンオキシポリオール、ポリテトラメチレンオキシポリオールに室温で可溶であるのがよい。
本発明により、プロピレンオキシドの反応効率が高め、且つ得られるポリロタキサンについてもプロピレンオキシ繰り返し単位が、各種溶媒に対して優れた相溶性を示すのに十分な長さであるポリロタキサンの製造方法を提供することができる。
以下、本願に記載する発明を詳細に説明する。
本発明は、(I)水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程;及び
(II)第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは115〜130℃の温度範囲で反応させる工程;
を有することにより、第1のポリロタキサンの環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有する第2のポリロタキサンを得る、該第2のポリロタキサンの製造方法を提供する。
<(I)工程>
(I)工程は、水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程である。
この工程は、WO2008/108411などに記載された方法により行うことができる。なお、以下、第1のポリロタキサンを構成する「環状分子」、「直鎖状分子」、「封鎖基」について説明する。なお、これらは従来公知のものを用いることができる。
<<環状分子>>
本発明の第1のポリロタキサンの環状分子は、環状であり、開口部を有し、水酸基を有し、直鎖状分子によって串刺し状に包接されるものであれば、特に限定されない。
環状分子は、任意の連結基を介して上記水酸基を有してもよい。なお、連結基として、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CHCH(OH)−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CO−CH−CH−、−CO−C(CH−CH−、−CO−CH(OH)−CH−、−CO−CH−CH−CH−CH(CH)−などを挙げることができるがこれらに限定されない。
環状分子は、水酸基以外の基を有してもよい。例えば、上記の基以外の基として、アセチル基、プロピオニル基、ブチルエステル基、メトキシ基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基、ブチルカルバモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、フェニル基、ベンジルカルバモイル基、フェニルエチルカルバモイル基、ベンジルエステル基、ブチルベンジルエステル基などを挙げることができるがこれらに限定されない。
環状分子として、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択されるのがよい。
<<直鎖状分子>>
本発明の第1のポリロタキサンの直鎖状分子は、用いる環状分子の開口部に串刺し状に包接され得るものであれば、特に限定されない。
例えば、直鎖状分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体からなる群から選ばれるのがよい。例えばポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれるのがよい。特にポリエチレングリコールであるのがよい。
直鎖状分子は、その重量平均分子量が1,000以上、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは6,000〜50,000であるのがよい。
本願の、第1のポリロタキサンにおいて、(環状分子、直鎖状分子)の組合せが、(α−シクロデキストリン由来、ポリエチレングリコール由来)であるのがよい。
<<封鎖基>>
本発明の第1のポリロタキサンの封鎖基は、擬ポリロタキサンの両端に配置され、用いる環状分子が脱離しないように作用する基であれば、特に限定されない。
例えば、封鎖基として、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、ピレン類、置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、フェニルなどを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多核芳香族類(置換基として、上記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及びステロイド類からなる群から選ばれるのがよい。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、シルセスキオキサン類、及びピレン類からなる群から選ばれるのが好ましく、より好ましくはアダマンタン基類又はシクロデキストリン類であるのがよい。
<(II)工程>
本発明の(II)工程は、第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃、好ましくは110〜140℃、より好ましくは115〜130℃の温度範囲で反応させる工程である。
金属塩基触媒として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどを挙げることができるがこれらに限定されない。金属塩基触媒として、反応に用いる温度、反応に用いる圧力などに依存するが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムであるのが好ましい。
本発明の(II)工程は、加圧下で行うことが好ましい。例えば0〜1.0MPaで行うことができる。
本工程を用いることにより、ポリロタキサンとプロピレンオキシドとを効率よく反応させることができるので好ましい。
上記方法は、上記(I)工程及び(II)工程以外の工程を有してもよい。
(I)工程及び(II)工程以外の工程として、溶媒を除去する工程、精製工程、乾燥工程などを挙げることができるがこれらに限定されない。
また、本発明により得られる第2のポリロタキサンは、各種の溶媒に可溶とすることができ、例えば、数平均分子量1000以上、好ましくは数平均分子量2000以上、より好ましくは数平均分子量3000以上のポリアルキレンオキシポリオール、具体的には例えばポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに室温で可溶とすることができる。
本発明の製造方法により得られた第2のポリロタキサンは、その特性から、種々の応用がある。応用として、例えば、電気・電子部品材料、アクチュエータ用電気絶縁材料、粘着剤・接着剤、センサー用材料、耐キズ性膜、防振・制振・免振材料、吸音材量、塗料、コーティング剤、シール材、インク添加物・バインダー、金属・金属酸化物のバインダー、研磨剤のバインダー、光学材料、摩擦制御剤、化粧品材料、ゴム・エラストマー添加剤、発泡材料、樹脂改質・強靭化剤、樹脂の相溶化剤、電解質材料、レオロジー制御剤、増粘剤、繊維、医療用生体材料、化粧品材料、機械・自動車材料、建築材料、衣料・スポーツ用品などを挙げることができるがこれらに限定されない。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例)
各化合物の分析装置
H−NMR測定は、400MHz JEOL JNM−AL400(日本電子株式会社製)によって測定した。
分子量、分子量分布の測定は、TOSOH HLC−8220GPC装置で行った。カラム:TSKガードカラムSuper AW−HとTSKgel Super AWM−H(2本連結)、溶離液:ジメチルスルホキシド(DMSO)/0.01M LiBr、カラムオーブン:50℃、流速:0.5ml/min、試料濃度を約0.2wt/vol%、注入量:20μl、前処理:0.2μmフィルターでろ過、スタンダード分子量:PEO、の条件下で測定した。
水酸基価、酸価の測定は、JIS K 0070:1992に準ずる方法(ともに電位差滴定法)で測定した。
<合成例1:ヒドロキシプロピル基修飾ポリロタキサンHAPRの合成>
直鎖分子:ポリエチレングリコール(数平均分子量Mn=1.1万)、環状分子:α−シクロデキストリン、封鎖基:アダマンタン基からなるポリロタキサン及び該ポリロタキサンをヒドロキシプロピル基で修飾したポリロタキサン(HAPR)をWO2008−108411に記載された方法で作製した。
GPCにより、得られたHAPRの重量平均分子量Mwを測定したところ、49,800であった。また、NMR分析から、シクロデキストリンの水酸基の50%がヒドロキシプロピルに置換されたことが分かった。水酸基価を測定した結果、398mgKOH/gであった。
<実施例1>
<<反応工程>>
攪拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブに、HAPR(50g、0.36mol)、ジメチルホルムアミド(116.7g)及び水酸化カリウム(0.84g)を入れ、窒素置換を実施し密閉した。
窒素置換後、115℃まで昇温し、プロピレンオキシド(205g、3.53mol)を反応温度115〜120℃、ゲージ圧力0.4MPa以下になるように調整しながら導入した。導入終了後、115〜120℃で内圧が一定となるまで熟成した。反応終了後、60℃まで冷却し、生成物1(372g)を得た。
<<精製工程>>
得られた生成物1の全量、及び蒸留水1430gを3Lフラスコに入れ、攪拌しながら90℃まで昇温した。昇温後、攪拌を停止し、分層させた後、水層を除去した。除去した水層部分と等量の蒸留水を添加し、同条件で水洗を2回繰り返すことにより水洗物1(720g)を得た。
得られた水洗物1を1Lフラスコに入れ、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG1(240g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG1を得た。
ポリロタキサンPR−g−PPG1について、H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が7.5であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価(表1中、「OHV」で表す)を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、α−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度は、WO2018/225704A1(該内容は全て本願に参照により取り込まれる)の段落番号[0021]〜[0026]を参照することにより求めた(以降においても同じ)。
<実施例2>
<<反応工程>>
実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から283g(4.88mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物2(450g)を得た。
<<精製工程>>
実施例1において、生成物1の代わりに生成物2を用い且つ蒸留水の量を1430gから1735gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物2(755g)を得た。
その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG2(310g)を得た。さらにイソプロパノール(IPA)とヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG2を得た。
ポリロタキサンPR−g−PPG2について、実施例1と同様にH−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が13であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
<実施例3>
<<反応工程>>
実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から353g(6.09mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物3(519g)を得た。
<<精製工程>>
実施例1において、生成物1の代わりに生成物3を用い且つ蒸留水の量を1430gから2075gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物3(750g)を得た。
その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG3(386g)を得た。さらにIPAとヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG3を得た。
ポリロタキサンPR−g−PPG3について、実施例1と同様にH−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が19であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
<実施例4>
<<反応工程>>
実施例1において、プロピレンオキシドの量を205g(3.53mol)から457g(7.88mol)に代えた以外、実施例1の反応工程と同様な工程により生成物4(623g)を得た。
<<精製工程>>
実施例1において、生成物1の代わりに生成物4を用い且つ蒸留水の量を1430gから2450gに代えた以外、実施例1の水洗工程と同様な工程により水洗物4(762g)を得た。
その後、実施例1と同様に、減圧脱水を行うことによりポリロタキサンPR−g−PPG4(482g)を得た。さらにIPAとヘプタン(重量比1:5)で洗浄することで純度の高いPR−g−PPG4を得た。
ポリロタキサンPR−g−PPG4について、実施例1と同様にH−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が>19であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
<比較例1>
WO2018/225704の実施例4に記載された方法により、修飾ポリロタキサンPR−g−PPGXを作製した。
具体的には、未修飾ポリロタキサン(APR20とする)は、直鎖状分子として分子量20,000のPEGを用い、WO2005/052026、WO2013/147301に記載された方法に従って作製した。得られたAPR20の重量平均分子量Mwは83,000であった。
反応フラスコにAPR20 1g、プロピレンオキシド20mlを導入し、撹拌しながらジアザビシクロノネン(DBN)1ml、1mol/Lテトラブチルアンモニウムフロオライド(TBAF)1mlを導入し、30℃で72時間撹拌を続けた。得られた反応物を精製した。GPCで分析した結果、得られた修飾ポリロタキサンPR−g−PPGXの重量平均分子量Mwは167,000であった。
ポリロタキサンPR−g−PPGXについて、H−NMRで測定した結果、環状分子であるα−CDに付加されたポリプロピレンオキシ側鎖の見かけの平均重合度が5.7であることがわかった。また、重量平均分子量、分子量分散、水酸基価についても、実施例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
表1の実施例1〜4と比較例1とを比較して、次のことがわかる。
比較例1の原料ポリロタキサン:プロピレンオキシド(PO)モノマー仕込み比率(重量部)」が1:16.6であるのに対して、実施例1〜4の「原料ポリロタキサン:プロピレンオキシド(PO)モノマー仕込み比率(重量部)」は、1:4.1〜1:9.1である。これに対して、「修飾ポリロタキサン中における原料:プロピレンオキシド(PO)付加比率(重量部)」については、実施例1〜4では1:1.5〜1:2.7であり、比較例1では1:1.0である。これは、比較例1では、プロピレンオキシド(PO)モノマーを多く用いても、得られるポリロタキサンにおけるプロピレンオキシド(PO)付加比率が1.0程度と低い一方、実施例1〜4では、プロピレンオキシド(PO)モノマーの量を低く抑えても、得られるポリロタキサンにおけるプロピレンオキシド(PO)付加比率が1.5〜2.7程度にすることができ、プロピレンオキシド(PO)の反応効率が実施例1〜4では高いことがわかる。
また、全反応時間についても、比較例1では、「72時間」かけて、ようやく上記の反応を行うのに対して、実施例1〜4では、「8時間」で、上記の反応を行うことができ、反応時間の面においても、実施例1〜4は反応効率が良好であることがわかる。
さらに、見かけ上の重合度についても、比較例1では、より長い反応時間、より多い「プロピレンオキシド(PO)モノマー仕込み」量で、「見かけの平均重合度」が比較的低い値(5.7)であるのに対して、実施例1〜4では、上記のより短い反応時間、より少ない「プロピレンオキシド(PO)モノマー仕込み」量でも、「見かけ上の重合度」が比較的高い値(7.5〜19以上)となり、「見かけの平均重合度」に関しても、実施例1〜4は、反応効率が良好であることがわかる。
Figure 2021178910

Claims (4)

  1. (I)水酸基を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に前記環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなる第1のポリロタキサンを準備する工程;及び
    (II)前記第1のポリロタキサンとプロピレンオキシドとを、金属塩基触媒下、100〜150℃の温度範囲で反応させる工程;
    を有することにより、第1のポリロタキサンの前記環状分子がプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有する第2のポリロタキサンを得る、該第2のポリロタキサンの製造方法。
  2. 前記(II)工程において、前記第1のポリロタキサンの前記水酸基1当量に対して、プロピレンオキシドを4〜30当量反応させる請求項1記載の方法。
  3. 前記(II)工程において、前記第1のポリロタキサン1重量部に対して、プロピレンオキシドを3〜15重量部反応させる請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記繰り返し単位が、前記第1のポリロタキサンの重量部1に対して1.1〜4.0重量部である請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
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