JP2019001990A - 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、ポリオール化合物との相溶性が高いポリロタキサンを提供することである。【解決手段】 本発明の課題は、1又は複数の水酸基が、修飾されている修飾ポリロタキサンであって、このポリロタキサン中の1又は複数の水酸基がさらに官能基(B)により修飾され、この水酸基の修飾の割合がポリロタキサン(A)に存在する水酸基に対し2〜50%であって、官能基(B)中のRが、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、この官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンのポリオール化合物への相溶性を1とした時、当該相溶性比が1.2〜40である、修飾ポリロタキサンによって解決される。【選択図】 図1

Description

本発明は、末端基がさらに修飾された修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法に関する。
環状分子と、この環状分子の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子と直鎖状分子との分離を防止する封鎖基を有するポリロタキサンは、環状分子が直鎖状分子上をスライドできるという特性から、様々な材料にいろいろな機能を付与することが期待され、種々の開発、応用が進められている。
ポリロタキサンにおいては、環状分子としてα−シクロデキストリンを使用し、このα−シクロデキストリンの水酸基をポリカプロラクトンで修飾する、有機溶剤に可溶な疎水性ポリロタキサンが提案されている(特許文献1参照)。
また、疎水性ポリロタキサンに、部分的に親水性基を付与することで、疎水性基を有しつつも、良好に水系溶媒に分散することができるポリロタキサンが提案されている(特許文献2参照)。
また、ポリロタキサンとポリマーを用いた架橋材料では、ポリロタキサンが有する特性と、ポリマーが有する特性とを併せ持つ材料が提案されている(特許文献3参照)。
国際公開第2007/026578号 国際公開第2009/145073号 国際公開第2005/095493号
しかしながら、特許文献2のポリロタキサンは、水系溶媒に分散できるが、有機溶剤への溶解性が低くなり、有機溶剤系材料用途への展開が難しいという問題があった。特許文献1のポリロタキサンは、トルエンや酢酸エチルなどの、モノマー系有機溶剤には可溶であるが、ポリエーテルポリオールなどの、ポリオール化合物との相溶性が低く、ポリオール化合物を使用するウレタン材料用途では、架橋構造を形成しにくいという課題があった。また、特許文献3では、ポリロタキサンとポリオール化合物との相溶性が低いため、双方への溶解性が高い溶媒を使用しなければならないという課題があった。
さらに、工業的に好適な方法により、修飾ポリロタキサンを製造する必要があった。
そこで、本発明では、ポリオール化合物との相溶性が高いポリロタキサンを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、具体的には、次のような構成を有するものである。
1.環状分子(Aa)と、前記環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、前記直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)において、1又は複数の水酸基が、下式の一般式(1):
(式中、Rは、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、波線は、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の酸素原子との結合位置を示す)
で示される、1又は複数の官能基(B)によって修飾されている修飾ポリロタキサンであって、
ここで、前記環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
前記シクロデキストリンの水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
このポリロタキサン中の水酸基の一部又は全部が、下記式(2):
(式中、nは1以上の整数を示し、波線が水酸基の酸素原子との結合位置を示す)
で示されるカプロラクトン由来の修飾基(Ad)で修飾され、
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が、ポリロタキサン(A)に存在する水酸基に対し、2〜50%であって、
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンの、ポリオール化合物への相溶性を1とした時、当該相溶性比が1.2〜40である、修飾ポリロタキサン。
2.Rが、炭素数5〜19の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数5〜19の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、前記1に記載の修飾ポリロタキサン。
3.前記直鎖状分子(Ab)が、分子の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体であり、前記封鎖基(Ac)がアダマンチルアミノ基である、前記1又は2に記載の修飾ポリロタキサン。
4.前記ポリオール化合物が、ポリエーテルポリオール化合物である、前記1〜3のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン。
5.前記1〜4のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物。
6.ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体からなる群から選ばれる用途で使用される、前記5に記載の修飾ポリロタキサン。
7.環状分子(Aa)と、前記環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、前記直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)であって、
ここで、前記環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
前記シクロデキストリンの水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
このポリロタキサン中の水酸基の一部又は全部が、下記式(2):
(式中、nは1以上の整数を示し、波線は水酸基の酸素原子との結合位置を示す。)
で示されるカプロラクトン由来の修飾基(Ad)で修飾されたポリロタキサン(A)と、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基に対し0.02モル当量〜1.5モル当量の、1又は複数の下記式(3):
[式中、Rは、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子、イミダゾール基、水酸基、又は下記式(4):
(式中、波線は、式(3)中のカルボニル炭素原子との結合位置を示し、Rは前記と同義である)で示される基である]
で示される化合物とを反応させることを特徴とする、修飾ポリロタキサンの製造方法。
本発明では、ポリオール化合物との相溶性が高いポリロタキサンを提供することができる。
また、本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等の用途で使用することができる。
さらに、工業的に好適な方法により、修飾ポリロタキサンを製造することができる。
本発明において、修飾ポリロタキサンの模式図である。
<ポリロタキサン(A)>
本発明に使用されるポリロタキサン(A)は、環状分子(Aa)と、前記環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、前記直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)が配置されている構成を有する包接化合物である。ポリロタキサンとしては、CAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサンが好ましい。このCAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサン(A)中の水酸基をアシル化剤と反応させた、修飾ポリロタキサンの模式図は図1に記載の通りである。
<環状分子(Aa)>
前記環状分子(Aa)は、その開口部に、直鎖状分子(Ab)を串刺し状に包接しうる程度の大きさの分子であれば、特に限定されない。この環状分子(Aa)は、ポリロタキサン(A)の製造にあたって、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記環状分子(Aa)は、通常水酸基を有し、ポリロタキサン(A)は、その水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル基等の疎水性基及び/又は修飾基(Ad)で修飾される。
前記修飾基の導入ができることから、上記環状分子(Aa)としては、例えば、シクロデキストリンが挙げられ、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンが好ましく、α−シクロデキストリンがより好ましい。
<修飾基(Ad)>
前記修飾基(Ad)は、ポリロタキサンに良好な架橋性を付与するとともに、ポリロタキサンを親水性化したり、又はポリロタキサンを疎水性化したりすることができる。
特に前記修飾基(Ad)は、ポリオール化合物との相溶性を向上させるために、ポリロタキサンを疎水性化する疎水性基を有していることが好ましい。この疎水性基は、前記環状分子(Aa)の水酸基の一部又は全部を修飾している。
前記疎水性基としては、例えば、炭素数1〜50の置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素数6〜50の置換基を有していてもよいアリーレン基、炭素数4〜50の置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基、炭素数3〜12のジオールやオキシアルキレンに由来する2価のポリエーテル基、炭素数3〜12のヒドロキシカルボン酸や環状エステル等に由来する2価のポリエステル基、炭素数3〜8のラクタムに由来する2価のポリアミド基等が挙げられる。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ドデシルオクチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
なお、これらの置換基中の炭素は、前記アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基における炭素数にカウントしない。
また前記ヘテロアリーレン基としては、例えば、フリレン基、チエニレン基、ピリジニレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、トリアジニレン基、イミダゾリニレン基、ピラゾリニレン基、チアゾリニレン基、キナゾリニレン基、フタラジニレン基等が挙げられる。
さらに、前記疎水性基の、前記環状分子(Aa)を修飾する部位の他端に結合している反応性基は、互いに反応することができる基であり、そのような基の例としては、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基等の光反応性基、イソシアナト基、ブロックイソシアナト基、ケトン基、アルデヒド基、エポキシ基、オキセタン基及びカルボジイミド基等が挙げられる。
前記反応性基として、ポリカプロラクトンの水酸基又はポリカプロラクタムのアミノ基が好ましく、ポリカプロラクトンの水酸基がより好ましい。前記「ポリ」は、繰り返し単位が2以上であることを意味する。なお、ポリカプロラクトン又はポリカプロラクタムのうち、反応性基の例として挙げた基に該当する部分以外の部分は、前記疎水性基の一部を構成することになる。
したがって、修飾基(Ad)は、カプロラクタム由来の基、又はカプロラクトン由来の基が好ましく、カプロラクトン由来の基がより好ましい。
また、以上説明した修飾基(Ad)の環状分子(Aa)への導入方法としては、例えば、以下の方法を採用できる。前記環状分子(Aa)としてシクロデキストリンを用い、当該シクロデキストリンの水酸基の一部又は全部をプロピレンオキシドによりヒドロキシプロピル化し、その後、ヒドロキシプロピル化されたポリロタキサンにε−カプロラクトンを添加し、触媒として2−エチルへキサン酸スズを添加する。これによって、反応性基として水酸基を有する修飾基(Ad)がシクロデキストリンの水酸基及び/又はヒドロキシプロピル基の水酸基を介して環状分子(Aa)に導入されたポリロタキサン(A)が得られる。また、前記の通り、修飾基(Ad)の環状分子(Aa)への導入する際に、シクロデキストリンの水酸基をプロピレンオキシド等によりヒドロキシアルキル化してもよいし、ヒドロキシアルキル化しなくてもよい。
なお、本発明において、ヒドロキシプロピル基とは、図1に記載されている通り、2−ヒドロキシプロピル基である。
また、カプロラクトン由来の基は下記式(2)で示される通りである。
式中、nは1以上の整数を示し、波線は水酸基の酸素原子との結合位置を示す。nはポリオール化合物との相溶性や架橋剤としての利用等の観点から、2〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。
このときのシクロデキストリンに対するプロピレンオキシド及びε−カプロラクトンの添加割合を変更することで、修飾度を任意に制御できる。ここで、ポリオール化合物との相溶性や架橋剤としての利用等の観点から、前記シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02〜0.99の修飾度で修飾されていることが好ましく、0.10〜0.60の修飾度で修飾されていることがより好ましい。なお、この修飾度は、ポリロタキサン(A)一分子で見たときの、ポリロタキサン(A)中に含まれる全ての水酸基に対する、修飾された水酸基の割合である。
以上説明した方法と同様な方法、又はその他の水酸基との反応を利用した公知の方法によって、種々の修飾基(Ad)を環状分子(Aa)に導入することができる。
このように修飾基(Ad)によって、ポリロタキサン(A)分子の本体から少し離れた位置に架橋点が導入されると、立体障害が減るなどの理由により、様々な反応性基との反応が進行しやすくなる。
<(Ab)直鎖状分子>
ポリロタキサン(A)に用いられる直鎖状分子(Ab)は、環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通して、環状分子(Aa)に包接され得るものであれば、特に限定されない。なお、直鎖状分子(Ab)の両末端には、後述する封鎖基(Ac)を導入する際の反応点となる官能基が存在する。前記官能基の例としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルホニル基等が挙げられる。
ポリロタキサン(A)の製造に当たっては、直鎖状分子(Ab)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記直鎖状分子(Ab)の例としては、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体、共重合体等が挙げられる。
前記「誘導体」とは、分子末端の置換基を化学的に変換した化合物を意味し、使用する封鎖基(Ac)により適宜変更される。例えば、封鎖基(Ac)としてアミノ基を用いる場合、分子の両末端にカルボキシル基を有する誘導体であることが好ましい。
これらのうち、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、及びこれらの誘導体が好ましい。
さらにこれらの中でも、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン及びこれらの誘導体がより好ましく、ポリカプロラクトン及、ポリエチレングリコール及びこれらの誘導体がさらに好ましく、水溶性であることからポリエチレングリコール及びこれらの誘導体がさらにより好ましい。
直鎖状分子(Ab)の重量平均分子量は、1,000以上であり、2,000以上であることが好ましい。また、直鎖状分子(Ab)の重量平均分子量は、100,000以下であり、80,000以下であることが好ましく、40,000以下であることがより好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
また、直鎖状分子(Ab)が環状分子(Aa)により包接される際に、直鎖状分子(Ab)が最大限に包接される量(最大包接量)を1とした場合、その平均包接量は通常0.001〜0.6であり、0.01〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.4であることがより好ましい。
なお、環状分子(Aa)の最大包接量は、直鎖状分子(Ab)の長さと、環状分子(Aa)の直鎖状分子(Ab)の鎖方向における厚さとにより決定することができる。例えば、直鎖状分子(Ab)がポリエチレングリコールであり、環状分子(Aa)がα−シクロデキストリンの場合、その最大包接量は、Macromolecules 1993,26,5698−5703に記載されているように実験的に求められている。
<(Ac)封鎖基>
本発明に使用されるポリロタキサン(A)の封鎖基(Ac)は、直鎖状分子(Ab)の両端に配置され、環状分子(Aa)と直鎖状分子(Ab)とが分離しないように作用する基であれば、特に限定されない。そのような封鎖基(Ac)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記封鎖基(Ac)の例としては、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、アダマンチルアミノ基、トリチル基、フルオレセニル基、ピレニル基、置換フェニル基(前記フェニル基の置換基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、水酸基、ハロゲン、シアノ基、スルホニル基、カルボキシ基、アミノ基及びフェニル基等を挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多環芳香族基(前記多環芳香族基の置換基としては、前記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)及びステロイド類等が挙げられる。
これらの中でも、封鎖基(Ac)の導入のしやすさの観点から、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、アダマンチルアミノ基、トリチル基、フルオレセニル基及びピレニル基が好ましく、アダマンチル基、アダマンチルアミノ基及びトリチル基がより好ましく、アダマンチルアミノ基がさらに好ましい。
封鎖基(Ac)は、直鎖状分子(Ab)の両端に存在する官能基と反応する基を有し、かつその基とは別に、前記封鎖基(Ac)となる部位を有する化合物を、直鎖状分子(Ab)と反応させることによって、直鎖状分子(Ab)の両端へ導入することができる。具体的な導入方法は国際公開公報2005−080469に記載の通りである。
<官能基(B)>
本発明の官能基(B)は、下式の一般式(1)で示される。
(式中、Rは、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、波線は、ポリロタキサン(A)中の水酸基の酸素原子との結合位置を示す。)
式(1)中のRにおいて、炭素数1〜21の直鎖状脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(ノルマルプロピル基)、ブチル基(ノルマルブチル基)、トリデシル基(ノルマルトリデシル基)、ペンタデシル基(ノルマルペンタデシル基)、ヘプタデシル基(ノルマルヘプタデシル基)、プロピルデシル基(ノルマルプロピルデシル基)、などの炭素数1〜21の直鎖状アルキル基;又はtrans−2−ペンテニル基、cis−2−ペンテニル基、trans−8−オクタデセニル基、cis−8−オクタデセニル基などの炭素数5〜21の直鎖状アルケニル基が挙げられる。炭素数3〜25の分岐鎖状脂肪族炭化水素基の例としては、1−メチルエチル基(イソプロピル基ともいう)、1,1−ジメチルエチル基(ターシャリーブチル基ともいう)、2−メチルプロピル基、3−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、イソトリデシル基、イソプロピルデシル基、イソペンタデシル基、イソヘプタデシル基などの炭素数3〜25の分岐鎖状アルキル基;又はイソペンテニル基、2−エチル−3−ヘキセニル基などの炭素数3〜25の分岐鎖状アルケニル基が挙げられる。炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基の例としては、シクロヘキシル基などの炭素数3〜29のシクロアルキル基;又はシクロヘキシルメチル基などの炭素数3〜29のシクロアルキル−アルキル基が挙げられる。炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基の例としては、フェニル基などの炭素数6〜18のアリール基;又はベンジル基などの炭素数6〜18のアラルキル基が挙げられる。
これらの中でも、相溶性向上や取り扱いの容易さ等の観点から、炭素数5〜19の直鎖状脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜19の分岐鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数7〜17の直鎖状アルキル基又は炭素数7〜17の分岐鎖状アルキル基であることがより好ましく、炭素数9〜17の直鎖状アルキル基又は炭素数9〜17の分岐鎖状アルキル基であることがさらに好ましく、炭素数13〜17の直鎖状アルキル基又は炭素数13〜17の分岐鎖状アルキル基であることがさらにより好ましい。中でも、具体的には、ノルマルトリデシル基、イソトリデシル基、ノルマルペンタデシル基、イソペンタデシル基、ノルマルヘプタデシル基、イソヘプタデシル基であることがより好ましく、ノルマルペンタデシル基、イソペンタデシル基がさらに好ましい。また、修飾ポリロタキサン中、修飾基は、Rが異なる、複数種の官能基(B)であってもよく、2種のRが含まれていることが好ましい。前述の長鎖アルキル基を有する修飾ポリロタキサンは、短鎖アルキル基を有する修飾ポリロタキサンに比べ、ポリオール化合物との相溶性比が向上するため、好ましく用いられる。なお、長鎖アルキル基とは、炭素数5以上のアルキル基であってもよく、炭素数7以上のアルキル基であってもよい。
また、前記「分岐鎖状」とは、直鎖状脂肪族炭化水素基に対して、末端ではない炭素上の水素原子が脂肪族炭化水素基に置換されていることを示す。本発明においては、どの炭素上で分岐していても発明の効果を奏するが、下記式(6)の構造であることが好ましく、原料入手の容易性や取り扱いの容易性等の観点から、主鎖の炭化水素基の炭素数に対し、側鎖の炭化水素基の炭素数が50〜70%であることがより好ましい。
式(6)において、Ra及びRbは脂肪族炭化水素基であり、好ましくはアルキル基である。
Raの炭素数はRbの炭素数と同数、又はこれより大きい。置換基全体の炭素数Ra+Rb+1は、前記の分岐鎖状脂肪族炭化水素基の炭素数の範囲に含まれる。
また、Raを含む鎖を主鎖、Rbを含む鎖を側鎖という。
<ポリオール化合物>
本発明の修飾ポリロタキサンとの相溶性が向上するポリオール化合物として、具体的には、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの共重合ポリオール、及びそれらをブレンドしたポリオール等のポリエーテルポリオール類;
アジピン酸などのジカルボン酸とエチレングリコールなどのポリオールとの縮合により得られる縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びそれらをブレンドしたポリオール等のポリエステルポリオール類;
脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、及び芳香族ポリオールモノマー等のポリオールモノマーが挙げられる。
中でも、ポリエーテルポリオール類が好ましく、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールがより好ましく、ポリプロピレングリコールがさらに好ましい。また、より大きな相溶性比を得る観点から、ポリオール化合物の数平均分子量は500〜10000が好ましく、2000〜4200であることがさらに好ましい。そのような好ましいポリエーテルポリオール類は、商品名サンニックスPP−2000(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール)又はサンニックスPP−4000(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量4160のポリプロピレングリコール)として入手することができる。
<相溶性比>
修飾ポリロタキサンと、前記ポリオール化合物との相溶性比は以下の方法により測定する。まず、一定量の修飾ポリロタキサンを、トルエンに溶解させ、この調製液に、ポリオール化合物を攪拌しながらゆっくり添加し、濁りが発生した時点の添加量を測定する。同様の方法により、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンについても添加量を測定する。この未修飾ポリロタキサンについても添加量を1.0とした時、修飾ポリロタキサンへのポリオール化合物の添加量を比で表した数値が、修飾ポリロタキサンと、ポリオール及び有機溶媒の混合溶媒との相溶性比である。
相溶性比は、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等の用途に利用する観点から、1.2以上であることが好ましく、1.4以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらに好ましい。後述する官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合や前記ポリエーテルポリオール類との相溶性比を考慮すると、前記相溶性比は、1.2〜40.0であり、1.5〜30.0であることが好ましく、2.0〜25.0であることがより好ましく、3.0〜23.0であることがさらに好ましく、4.0〜20.0であることがさらにより好ましく、9.0〜20.0であることが特に好ましい。
<組成物>
本発明は、修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物を提供する。必要に応じて、有機溶媒を含んでいてもよい。なお、修飾ポリロタキサン及びポリオール化合物は前記と同義である。有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン等のハロゲン化アルキル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒類等が挙げられる。
また、組成物100質量%中、ポリロタキサンの含量は、ポリロタキサンの構成成分、組成物中に含まれるその他の成分、組成物の応用分野などに依存するが、5〜95質量%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましい。
本組成物には、用途に応じて、触媒、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、可塑剤、離型剤、補強剤、充填剤(無機充填剤・有機充填剤)、安定剤、着色剤(顔料・染料)、難燃性向上剤、光安定剤等を添加することができる。本組成物の用途としては、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等が挙げられる。
<修飾ポリロタキサンの製造方法>
本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリロタキサン(A)中の水酸基を、アシル化反応によりアシル化することで得ることができる。このアシル化反応は、アシル化剤をポリロタキサン(A)に添加することにより進行する。
アシル化剤は、下記式(3)で示される。
式(3)中のRは、前記の通りである。
式(3)中のXは、ハロゲン原子、水酸基、イミダゾール基、又は下記式(4)で示される。
式(4)において、波線は式(3)中のカルボニル炭素原子との結合位置を示し、Rは前記と同義である。
式(3)中のRは、前記の通りである。
式(3)中のXは、ハロゲン原子、水酸基、イミダゾール基、又は下記式(4)で示される。修飾基(Ad)との反応性と副生成物の除去の容易性等の観点から、Xはハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子又は臭素原子であることがより好ましく、塩素原子であることがさらに好ましい。
(式(4)において、波線は式(3)中のカルボニル炭素原子との結合位置を示し、Rは前記と同義である。)
アシル化剤としては、前記Rを有するカルボン酸(RCOOHと示される)、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の直鎖状脂肪族カルボン酸、2−メチルプロピオン酸、3−メチルブタン酸、4−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分岐鎖状脂肪族カルボン酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸等の環状構造を有するカルボン酸、安息香酸、フェニル酢酸等の芳香環構造を有するカルボン酸が挙げられ、前記カルボン酸類の無水物、前記カルボン酸類のハロゲン化物、前記カルボン酸類のイミダゾール化物等が挙げられる。これらのアシル化剤は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
なお、イソパルミチン酸はCAS No.25354−97−6で特定される化合物であり、イソステアリン酸はCAS No.22890−21−7で示される化合物である。
これらの中でも、反応性や取り扱いの容易さ等の観点から、前記カルボン酸類のハロゲン化物が好ましく、前記カルボン酸類の塩化物がより好ましく、ミリスチン酸クロライド、パルミチン酸クロライド、ステアリン酸クロライドがさらに好ましく、パルミチン酸クロライドがさらにより好ましい。
アシル化剤の添加量は、前記官能基(B)によるポリロタキサン中の水酸基の修飾の割合に応じて適宜調節されるが、反応に使用するポリロタキサン(A)中に存在する水酸基1モルに対して、0.02モル当量〜1.5モル当量が好ましく、0.02モル当量〜0.8モル当量がより好ましく、0.03モル当量〜0.6モル当量がさらに好ましく、0.05モル当量〜0.3モル当量がさらにより好ましい。
アシル化反応は、溶媒を使用して実施してもよいし、無溶媒で実施してもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン等のハロゲン化アルキル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒類等が挙げられる。これらの溶媒は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。溶媒の添加量は、反応に使用するポリロタキサン(A)の質量に対して、0.5〜10倍質量が好ましく、1〜8倍質量がより好ましく、2〜5倍質量がさらに好ましい。
アシル化反応は、触媒の存在下で実施してもよいし、無触媒で実施してもよいが、触媒存在下で実施することが好ましい。触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン等の有機第三級アミン類、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン又はピリジン誘導体類、硫酸、リン酸、蟻酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸類等が挙げられる。これらの触媒は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。触媒の添加量は、反応に使用するアシル化剤1モルに対して、0.05〜5.0モル当量が好ましく、0.1〜4.0モル当量がより好ましく、0.2〜3.0モル当量が特に好ましい。
アシル化反応の反応温度は、0〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましく、0〜50℃がさらに好ましい。反応温度が低いと、反応の進行が遅く効率的に反応が進行しない場合があり、反応温度が高いと、熱分解反応が進行して反応収率が低下する場合がある。
アシル化反応の反応時間は、10分〜10時間が好ましく、20分〜8時間がより好ましく、30分〜5時間がさらに好ましい。反応時間が短いと、反応の進行が十分ではない場合があり、反応時間が長いと、分解反応が進行して反応収率が低下する場合がある。
本発明の修飾ポリロタキサンは、例えば、再沈殿操作、デカンテーション、抽出洗浄又はろ過等の一般的な方法によって精製できる。精製方法は使用する溶媒や基質等により適宜調節される。
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基に対し、2%〜50%であってもよく、5〜50%であってもよく、10〜40%であってもよく、20〜30%であってもよい。官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が小さいと、ポリオール化合物との相溶性が低く、架橋反応が進行しにくい場合があり、官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が大きいと、修飾基(Ad)の反応性の末端官能基の数が少なくなり、この末端官能基と反応することができる他の材料の官能基との反応が十分に進行しない場合がある。
また、Rが長鎖アルキル基の場合、水酸基の修飾率が低くても相溶性比を向上させることができるため、修飾率は前記範囲より小さくでも構わない。具体的には、Rが長鎖アルキル基の場合、官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基に対し、2%〜50%であってもよく、5〜30%であってもよく、10〜25%であっても構わない。
<官能基(B)による修飾率の計算>
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中の水酸基の修飾の割合(x)は、例えば、環状分子(Aa)がα−シクロデキストリンであり、修飾基(Ad)が下記式(2)で示されるカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)であり、カプロラクトン由来の基を有するポリカプロラクトンをシクロデキストリンに導入する前にプロピレンオキシドを使用し、官能基(B)中のRがノルマルペンタデシル基である場合、以下の方法で計算することができる。
(x)={(a2)×(a4)/(a3)}/(a1)×100(%)
ここで、(a1)は、ポリロタキサン(A)1mol中に存在する水酸基のモル数、(a2)は、ポリロタキサン(A)1モル中に存在する、ポリカプロラクトン中の繰り返しユニットである下記式(5)の基のモル数である。(a3)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、(−CO(CHOH)基を有するポリカプロラクトン中の繰り返しユニットであるカプロラクトン1モル当たりに換算されたプロトンシグナルの積分比、(a4)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、ノルマルペンタデシル基1モル当たりに換算されたプロトンシグナルの積分比である。
(a2)は、ポリロタキサン(A)の理論分子量(b1)と、ポリロタキサン(A)中の(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの質量割合(b2)から、
(a2)=(b1)×(b2)/114
により算出できる。
式中、114は、下記式(5)で示される繰り返し単位(モノマー)の分子量である。
ポリロタキサン(A)の理論分子量(b1)は、直鎖状分子(Ab)の分子量(c1)、シクロデキストリンの直鎖状分子(Ab)への最大包接数(c2)、シクロデキストリンの直鎖状分子(Ab)への包接率(c3)、シクロデキストリンの水酸基のヒドロキシプロピル基への置換度(c4)、封鎖基(Ab)の分子量(c5)、ポリロタキサン(A)中のポリカプロラクトンの質量割合(b2)から、
(b1)={(c1)+(c2)×(c3)×973+(c2)×(c3)×18×(c4)×58+(c5)×2}/{1−(b2)}
により算出できる。
式中、973はα−シクロデキストリンの分子量であり、18はα−シクロデキストリン1分子中の水酸基の数であり、58はプロピレンオキシド由来の基の分子量である。
ポリロタキサン(A)中の(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの質量割合(b2)は、(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンを導入する前のポリロタキサンの質量(d1)、導入する(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの質量(d2)から、
(b2)=(d2)/{(d1)+(d2)}
により算出できる。
(a1)は、
(a1)=(c2)×(c3)×18
により算出できる。
なお、シクロデキストリン上の水酸基がヒドロキシルプロピル基やカプロラクトン等で修飾されていたとしても、末端の基は水酸基となるため、前記式(3)で示されるアシル化剤と反応させる前のポリロタキサン(A)中の水酸基の数は、ポリロタキサン(A)に含まれるシクロデキストリン中の全ての水酸基の数と等しい。
(a3)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、約2.3ppmに検出される、(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの繰り返しユニットであるカプロラクトンのカルボニル基の炭素に結合するメチレン基の水素の積分比からペンタデシル基のカルボニル基の炭素に結合するメチレン基の水素の積分比を差し引き、水素原子1モル当たりに換算した積分比である。
(a4)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、約0.9ppmに検出される、ノルマルペンタデシル基のメチル基の水素の積分比を、水素原子1モル当たりに換算した積分比である。
官能基(B)中のRがノルマルペンタデシル基以外の基である場合も、同様に計算できる。すなわち、前記「ノルマルペンタデシル基」を「官能基(B)中のR」に置き換え、(a4)は、プロトン核磁気共鳴測定で、対応する基のケミカルシフト値のピークの積分値から算出すればよい。
本願において、「官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合」とは、以上の方法により計算された値である。
なお、修飾ポリロタキサンの水酸基の修飾の割合が、アシル化剤の純度を100%としたときのアシル化剤の使用量から計算される、水酸基の修飾の割合の理論値よりも、大きくなることがある。
以上の通り計算された、官能基(B)によるポリロタキサン(A)中の水酸基の修飾の割合が、ポリロタキサン(A)中の全ての水酸基に対し、2%〜50%であることが好ましく、5%〜50%であることがより好ましく、10%〜40%であることがさらに好ましく、20%〜30%であることがさらにより好ましい。
この範囲の下限値より修飾率が低いときは、ポリオール化合物との相溶性が十分に向上しない。また、この範囲の上限値より修飾率が高くしようとすると、前記(3)で示される化合物と副反応を起こし、着色することがあるため、好ましくない。
また、ゲル分率を向上させるためには、相溶性比は前記範囲の上限値より小さいことが好ましい。修飾率が高いと、反応性基が減少するため、ウレタン材料として好適ではなくなるからである。また、ゲル分率測定のためのポリウレタン材料は、国際公開公報2015/159875等に記載された、ワンショット法やプレポリマー法等により合成することができる。
次に、以下の実験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[参考例1]
直鎖状分子(Ab)として、ポリエチレングリコール(質量平均分子量11000)、環状分子(Aa)としてα-シクロデキストリン、封鎖基(Ac)としてアダマンチルアミノ基からなるポリロタキサンに、ヒドロキシプロピル基を導入したポリロタキサン(ヒドロキシプロピル基の置換度50%、環状分子の包接率32%)を国際公開2005/080469号公報記載の方法と同様の方法により調製した。この調製したポリロタキサン34.5gと、ε-カプロラクトン122.5gを混合し、2−エチルヘキサン酸スズ0.10gを加え、窒素雰囲気下、130℃で13.5時間反応させ、カプロラクトン変性したポリロタキサン(理論分子量32万)を127.4g得た。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例1]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン30.1gとトルエン80.0gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミン4.9gを添加し、混合した後、トルエン10.1gで希釈した塩化アセチル3.8g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.72当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で3時間反応させた。得られた反応液に、451.4gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去した。得られた沈殿物に、再度448.6gのメタノールを添加し、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をアセチル化したポリロタキサン27.7gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−1)におけるアセチル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は38%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例2]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.1gとトルエン100.3gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミ4.62gを添加し、混合した後、塩化ピバロイル5.35g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して1.0当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液から吸引ろ過で塩を除去した。ろ液に310.0gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をピバロイル基で修飾したポリロタキサン15.8gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−2)におけるピバロイル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は15%であった。本試料を用いて、後述の通り、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例3]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン10.1gとトルエン50.1gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミ2.84gを添加し、混合した後、塩化ピバロイル3.34g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して1.25当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液から吸引ろ過で塩を除去した。ろ液に141.65gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物に、再度201.8gのメタノールを添加し、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をピバロイル基で修飾したポリロタキサン7.76gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−3)におけるピバロイル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は33%であった。本試料を用いて、後述の通り、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例4]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン15.0gとトルエン75.4gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミン4.32gを添加し、混合した後、塩化ピバロイル2.03g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.5当量)をゆっくりと添加し、さらに塩化ブチリル1.81gをゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液から吸引ろ過で塩を除去した。ろ液に141.65gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物に、再度201.8gのメタノールを添加し、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をピバロイル基とブチリル基で修飾したポリロタキサン13.7gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−4)におけるピバロイル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は4%で、ブチリル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は45%であった。本試料を用いて、後述の通り、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例5]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン10.1gとトルエン50.1gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミン2.27gを添加し、混合した後、塩化イソブチリル1.22g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.5当量)をゆっくりと添加し、さらに塩化ブチリル1.20g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.5当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液から吸引ろ過で塩を除去した。ろ液に189.7gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をイソブチリル基とブチリル基で修飾したポリロタキサン8.08gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−5)におけるイソブチリル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は9%で、ブチリル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は36%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例6]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン150.0gと2‐ブタノン75.0gを、窒素雰囲気下、60℃で1時間混合した。30mmHgに減圧し2‐ブタノンを溜去した。2−ブタノン300.0gを添加し20℃で30分攪拌した。トリエチルアミン7.5gを添加し、混合した後、パルミチン酸クロライド20.4g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.22当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた後、エタノールを添加し、一晩静置した。得られた反応液にイオン交換水480.0gを添加し、20分攪拌後、10分静置し分液操作で水層を除去した。得られた有機層に2−ブタノン100.0gとイオン交換水480gを添加し、同様の分液操作を行った。得られた有機層を減圧溜去した後、真空乾燥機で乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をペンタデシル化したポリロタキサン154.5gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−2)におけるペンタデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は27%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[比較例1]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン80.0gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。トリエチルアミン6.6gを添加し、混合した後、トルエン20.0gで希釈した塩化アセチル5.1g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して1.80当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で3時間反応させた。得られた反応液に、400.7gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をアセチル化したポリロタキサン15.0gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−13)におけるアセチル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は51%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例7]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン60.0gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.92gを添加し、混合した後、2−エチルヘキサン酸クロライド1.49g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.2当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、170gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部を2−エチルペンチル化したポリロタキサン9.9gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−7)における2−エチルペンチル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は9%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例8]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン60.3gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.92gを添加し、混合した後、ミリスチン酸クロライド2.28g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.2当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、130gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をトリデシル化したポリロタキサン18.9gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−8)におけるトリデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は19%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例9]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.1gとトルエン60.2gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.45gを添加し、混合した後、塩化パルミチン酸1.26g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.1当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、200gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をペンタデシル化したポリロタキサン18.0gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−9)におけるペンタデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は10%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例10]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン60.0gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.93gを添加し、混合した後、イソパルミチン酸クロライド2.73g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.2当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、200gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をイソペンタデシル化したポリロタキサン17.5gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−10)におけるイソペンタデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は9%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例11]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン60.3gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.93gを添加し、混合した後、ステアリン酸クロライド2.68g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.2当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、130gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をヘプタデシル化したポリロタキサン19.8gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−2)におけるヘプタデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は22%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例12]
参考例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン20.0gとトルエン60.2gを、窒素雰囲気下、60℃で30分混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた。室温(25℃)まで冷却後、トリエチルアミン0.91gを添加し、混合した後、イソステアリン酸クロライド2.78g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.2当量)をゆっくりと添加し、室温(25℃)で1時間反応させた。得られた反応液に、130gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、100gのメタノールを添加、攪拌し、上澄み液を除去することにより、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をイソヘプタデシル化したポリロタキサン17.5gを得た。得られたポリロタキサン(PR−1−M−12)におけるイソヘプタデシル基による、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は17%であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
(修飾ポリロタキサンの評価)
実施例、比較例及び参考例で得られた修飾ポリロタキサンについて、各種物性の評価を以下に示す方法により行った。結果を表1に示す。
(相溶性比の評価)
参考例1記載のカプロラクトン変性したポリロタキサン1.0gを、トルエン5.0gに溶解したトルエン溶液を調製し、この調製液に、ポリオール化合物(サンニックス PP−2000(三洋化成工業株式会社製;数平均分子量2000;ポリプロピレングリコール))を攪拌しながらゆっくり添加し、濁りが発生した時点の添加量を測定した。同様に、実施例1で得られた修飾ポリロタキサンについてもポリオール化合物の添加量を測定した。
ポリオールへの相溶性比は、参考例1の試料(ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサン)を用いた場合のポリオール化合物の添加量を1.0とした時、実施例1の修飾ポリロタキサンへのポリオール化合物の添加量を比で表した数値である。
同様の方法で、参考例1の試料を基準として実施例2〜6の試料の相溶性比をそれぞれ求めた。また、別のポリオール化合物(サンニックス PP−4000(三洋化成工業株式会社製;数平均分子量4000;ポリプロピレングリコール)についても同様に測定した。
(水酸基価の評価)
JIS K 0070に記載の方法で、各実施例、比較例及び参考例の試料の水酸基価を測定した。
(融点の評価)
融点測定器(ATM−01 アズワン株式会社製)を使用して、各実施例、比較例及び参考例の試料の融点を測定した。
(色の評価)
実施例及び比較例及び参考例のサンプルについて、着色を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:サンプルの全体に着色がない。
×:サンプルの全体に着色がある。
以上の結果は、下表1の通りである。なお表1において、Meはメチル基(炭素数1)、nPrはノルマルプロピル(炭素数3)、iPrはイソプロピル(炭素数3)、tBuはターシャリーブチル(炭素数4)、iC7は2−エチルヘキシル基(炭素数7)C13はトリデシル基(炭素数13)、C15はノルマルペンタデシル基(炭素数15)、iC15はイソペンタデシル基(炭素数15)、C17はヘプタデシル基(炭素数17)、iC17はイソヘプタデシル基(炭素数17)を示し、−は未測定を示し、○はサンプルの着色が無いこと、×はサンプルの着色があることを示す。
表1において、PPG−1とは、前記サンニックスPP−2000(三洋化成工業株式会社製)を示し、PPG−2とは、サンニックスPP−4000(三洋化成工業株式会社製)を示す。
実施例1〜6のいずれにおいても、ポリオール化合物との相溶性の高い修飾ポリロタキサンを得ることができた。
本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、成形体等、及びこれらの材料、組成物等として、広い分野で好適に使用することができる。
Aa 環状分子
Ab 環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子
Ac 環状分子(Aa)と直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基
Ad 環状分子(Aa)を修飾する修飾基
B 修飾基(Ad)の末端を修飾する官能基
n カプロラクトン由来の基の繰り返し単位数(1以上の整数)
m カプロラクトン由来の基の繰り返し単位数(1以上の整数)
R 官能基(B)中の炭化水素基

Claims (7)

  1. 環状分子(Aa)と、前記環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、前記直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)において、1又は複数の水酸基が、下式の一般式(1):
    (式中、Rは、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、波線は、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の酸素原子との結合位置を示す)
    で示される、1又は複数の官能基(B)によって修飾されている修飾ポリロタキサンであって、
    ここで、前記環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
    前記シクロデキストリンの水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
    このポリロタキサン中の水酸基の一部又は全部が、下記式(2):
    (式中、nは1以上の整数を示し、波線が水酸基の酸素原子との結合位置を示す)
    で示されるカプロラクトン由来の修飾基(Ad)で修飾され、
    官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が、ポリロタキサン(A)に存在する水酸基に対し、2〜50%であって、
    官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンの、ポリオール化合物への相溶性を1とした時、当該相溶性比が1.2〜40である、修飾ポリロタキサン。
  2. Rが、炭素数5〜19の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数5〜19の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、請求項1に記載の修飾ポリロタキサン。
  3. 前記直鎖状分子(Ab)が、分子の両末端にカルボキシル基を有するポリエチレングリコール誘導体であり、前記封鎖基(Ac)がアダマンチルアミノ基である、請求項1又は2に記載の修飾ポリロタキサン。
  4. 前記ポリオール化合物が、ポリエーテルポリオール化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の修飾ポリロタキサン。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物。
  6. ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体からなる群から選ばれる用途で使用される、請求項5に記載の修飾ポリロタキサン。
  7. 環状分子(Aa)と、前記環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、前記直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)であって、
    ここで、前記環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
    前記シクロデキストリンの水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
    このポリロタキサン中の水酸基の一部又は全部が、下記式(2):
    (式中、nは1以上の整数を示し、波線は水酸基の酸素原子との結合位置を示す。)
    で示されるカプロラクトン由来の修飾基(Ad)で修飾されたポリロタキサン(A)と、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基に対し0.02モル当量〜1.5モル当量の、1又は複数の下記式(3):
    [式中、Rは、炭素数1〜21の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜25の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜29の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜18の芳香環構造を有する炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子、イミダゾール基、水酸基、又は下記式(4):
    (式中、波線は、式(3)中のカルボニル炭素原子との結合位置を示し、Rは前記と同義である)で示される基である]
    で示される化合物とを反応させることを特徴とする、修飾ポリロタキサンの製造方法。
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