JP6794662B2 - 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法 - Google Patents

修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6794662B2
JP6794662B2 JP2016109666A JP2016109666A JP6794662B2 JP 6794662 B2 JP6794662 B2 JP 6794662B2 JP 2016109666 A JP2016109666 A JP 2016109666A JP 2016109666 A JP2016109666 A JP 2016109666A JP 6794662 B2 JP6794662 B2 JP 6794662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyrotaxane
modified
carbon atoms
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016109666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017214498A (ja
Inventor
鈴枝 改田
鈴枝 改田
大森 潔
潔 大森
幹夫 藤本
幹夫 藤本
昌彦 渡部
昌彦 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2016109666A priority Critical patent/JP6794662B2/ja
Priority to CN201611154344.3A priority patent/CN106866982A/zh
Publication of JP2017214498A publication Critical patent/JP2017214498A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6794662B2 publication Critical patent/JP6794662B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Description

本発明は、末端基がさらに修飾された修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法に関する。
環状分子と、この環状分子の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子と直鎖状分子との分離を防止する封鎖基を有するポリロタキサンは、環状分子が直鎖状分子上をスライドできるという特性から、様々な材料にいろいろな機能を付与することが期待され、種々の開発、応用が進められている。
ポリロタキサンにおいては、環状分子としてα−シクロデキストリンを使用し、このα−シクロデキストリンの水酸基をポリカプロラクトンで修飾する、有機溶剤に可溶な疎水性ポリロタキサンが提案されている(特許文献1参照)。
また、疎水性ポリロタキサンに、部分的に親水性基を付与することで、疎水性基を有しつつも、良好に水系溶媒に分散することができるポリロタキサンが提案されている(特許文献2参照)。
また、ポリロタキサンとポリマーを用いた架橋材料では、ポリロタキサンが有する特性と、ポリマーが有する特性とを併せ持つ材料が提案されている(特許文献3参照)。
国際公開第2007/026578号 国際公開第2009/145073号 国際公開第2005/095493号
しかしながら、特許文献2のポリロタキサンは、水系溶媒に分散できるが、有機溶剤への溶解性が低くなり、有機溶剤系材料用途への展開が難しいという問題があった。特許文献1のポリロタキサンは、トルエンや酢酸エチルなどの、モノマー系有機溶剤には可溶であるが、ポリエーテルポリオールなどの、ポリオール化合物との相溶性が低く、ポリオール化合物を使用するウレタン材料用途では、架橋構造を形成しにくいという課題があった。また、特許文献3では、ポリロタキサンとポリオール化合物との相溶性が低いため、双方への溶解性が高い溶媒を使用しなければならないという課題があった。
さらに、工業的に好適な方法により、修飾ポリロタキサンを製造する必要があった。
そこで、本発明では、ポリオール化合物との相溶性が高いポリロタキサンを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、具体的には、次のような構成を有するものである。
1.環状分子(Aa)と、この環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、この直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)において、末端の水酸基が、下式の一般式(1)で示される官能基(B)によって修飾されている修飾ポリロタキサンであって、
環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
そのシクロデキストリンの水酸基の一部または全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
このポリロタキサン中の水酸基が、下記式(2)で示されるカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)である修飾基(Ad)で修飾され、 官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンの、ポリオール化合物への相溶性比を1とした時、当該相溶性比が1.2〜4.0であり、HLBが1〜19である修飾ポリロタキサン。
(式(1)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。式(1)中のmは、1以上の整数を示し、yは0又は1である。式(1)において、Zは、イミダゾール基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアナート基から誘導される基を示す。式(1)において、波線は修飾基(Ad)中の末端基との結合を示す。)
(式(2)中、nは1以上の整数を示し、波線が水酸基との結合を示す。)
2.HLBが2〜15である、前記1に記載の修飾ポリロタキサン
3.官能基Bが、下記式(1−1)で示される、前記1又は2に記載の修飾ポリロタキサン。
(式(1−1)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。式(1)中のmは、1以上の整数を示す。式(1−1)において、Zはメチレン基又はカルボニル基を示す。式(1−1)において、波線は修飾基(Ad)中の末端基との結合を示す。)
4.Rがメチル基である、前記1〜3のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン。
5.前記直鎖状分子(Ab)がポリエチレングリコール、前記封鎖基(Ac)がアダマンチルアミノ基である、前記1〜4のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン。
6.前記ポリオール化合物が、ポリエーテルポリオール化合物である、前記1〜5のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン。
7.前記1〜6のいずれか一つに記載の修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物。
8.前記修飾ポリロタキサンが、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体からなる群から選ばれる前記1〜6のいずれか1つに記載の修飾ポリロタキサン。
9.環状分子(Aa)と、この環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、この直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)であって、
環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
そのシクロデキストリンの水酸基の一部または全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
下記式(2)で示されるカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)である修飾基(Ad)で修飾されたポリロタキサンと、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基に対し0.05〜5.0モル当量の下記式(3)で示される化合物とを反応させることを特徴とする、前記1に記載の修飾ポリロタキサンの製造方法。
(式(2)中、nは1以上の整数を示し、波線が水酸基との結合を示す。
(式(3)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、または炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。mは、1以上の整数を示す。Lは、ポリロタキサン上の水酸基と反応する原子、又は官能基で、ハロゲン原子、イミダゾール基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアナート基又は下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)で示される。
(式中、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示す。)
(式中、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
(式中、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示す。Rは水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、または炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。mは、1以上の整数を示す。)
本発明では、ポリオール化合物との相溶性が高いポリロタキサンを提供することができる。
また、本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等の用途で使用することができる。
さらに、工業的に好適な方法により、修飾ポリロタキサンを製造することができる。
本発明において、修飾前のポリロタキサンの模式図である。 本発明において、修飾後のポリロタキサンの模式図である。
<ポリロタキサン(A)>
本発明に使用されるポリロタキサン(A)は、環状分子(Aa)と、この環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、この直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)が配置されている構成を有する包接化合物である。ポリロタキサンとしては、図1に示され、CAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサンが好ましい。このCAS No.928045−45−8で特定されるポリロタキサンの末端の水酸基をポリエチレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸等で修飾したポリロタキサンの模式図は図2に記載の通りである。
<環状分子(Aa)>
前記環状分子(Aa)は、その開口部に、直鎖状分子(Ab)を串刺し状に包接しうる程度の大きさの分子であれば、特に限定されない。この環状分子(Aa)は、ポリロタキサン(A)の製造にあたって、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記環状分子(Aa)は、通常水酸基を有し、その水酸基の一部又は全部が、ヒドロキシプロピル基等の疎水性基及び/又は修飾基(Ad)で修飾されている。
前記修飾基の導入ができることから、上記環状分子(Aa)としては、例えば、シクロデキストリンが挙げられ、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンが好ましく、α−シクロデキストリンがより好ましい。
<修飾基(Ad)>
前記修飾基(Ad)は、ポリロタキサンに良好な架橋性を付与するとともに、ポリロタキサンを親水性化したり、又はポリロタキサンを疎水性化したりすることができる。
特に前記修飾基(Ad)は、ポリオール化合物との相溶性を向上させるために、ポリロタキサンを疎水性化する疎水性基を有していることが好ましい。この疎水性基は、前記環状分子(Aa)の水酸基の一部又は全部を修飾している。
前記疎水性基としては、例えば、炭素数1〜50の置換基を有していてもよいアルキレン基、炭素数6〜50の置換基を有していてもよいアリーレン基、炭素数4〜50の置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基、炭素数3〜12のジオールやオキシアルキレンに由来する2価のポリエーテル基、炭素数3〜12のヒドロキシカルボン酸や環状エステル等に由来する2価のポリエステル基、炭素数3〜8のラクタムに由来する2価のポリアミド基等が挙げられる。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ドデシルオクチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
なお、これらの置換基中の炭素は、前記アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基における炭素数にカウントしない。
また前記ヘテロアリーレン基としては、例えば、フリレン基、チエニレン基、ピリジニレン基、ピリダジニレン基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、トリアジニレン基、イミダゾリニレン基、ピラゾリニレン基、チアゾリニレン基、キナゾリニレン基、フタラジニレン基等が挙げられる。
さらに、前記疎水性基の、前記環状分子(Aa)を修飾する部位の他端に結合している反応性基は、互いに反応することができる基であり、そのような基の例としては、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基等の光反応性基、イソシアナト基、ブロックイソシアナト基、ケトン基、アルデヒド基、エポキシ基、オキセタン基及びカルボジイミド基等が挙げられる。
前記反応性基として、ポリカプロラクトンの水酸基又はポリカプロラクタムのアミノ基が好ましく、ポリカプロラクトンの水酸基がより好ましい。前記「ポリ」は、繰り返し単位が2以上であることを意味する。なお、ポリカプロラクトン又はポリカプロラクタムのうち、反応性基の例として挙げた基に該当する部分以外の部分は、前記疎水性基の一部を構成することになる。
したがって、修飾基(Ad)は、カプロラクタム由来の基(−CO(CHNH)、又はカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)が好ましく、カプロラクトン由来の基がより好ましい。
また、以上説明した修飾基(Ad)の環状分子(Aa)への導入方法としては、例えば、以下の方法を採用できる。前記環状分子(Aa)としてシクロデキストリンを用い、当該シクロデキストリンの水酸基をプロピレンオキシドによりヒドロキシプロピル化し、その後、ε‐カプロラクトンを添加し、触媒として2‐エチルへキサン酸スズを添加する。これによって、反応性基としてヒドロキシル基を有する修飾基(Ad)が環状分子(Aa)に導入される。また、前記の通り、修飾基(Ad)の環状分子(Aa)への導入する際に、シクロデキストリンの水酸基をプロピレンオキシド等によりヒドロキシアルキル化してもよいし、ヒドロキシアルキル化しなくてもよい。
なお、カプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)は下記式(2)で示される通りである。
式(2)中、nは1以上の整数を示し、波線は水酸基との結合を示す。なお、水酸基は、ヒドロキシプロピル基又はシクロデキストリン上の水酸基である。
このときのシクロデキストリンに対するプロピレンオキシド及びε‐カプロラクトンの添加割合を変更することで、修飾度を任意に制御できる。ここで、ポリオール化合物との相溶性や架橋剤としての利用等の観点から、前記シクロデキストリンの水酸基が修飾され得る最大数を1とすると、0.02〜0.99修飾度で修飾されていることが好ましく、0.10〜0.60の修飾度で修飾されていることがより好ましい。なお、この修飾度は、ポリロタキサン(A)一分子で見たときの、ポリロタキサン(A)中に含まれる全ての水酸基に対する、修飾された水酸基の割合である。
以上説明した方法と同様な方法、又はその他の水酸基との反応を利用した公知の方法によって、種々の修飾基(Ad)を環状分子(Aa)に導入することができる。
このように修飾基(Ad)によって、ポリロタキサン(A)分子の本体から少し離れた位置に架橋点が導入されると、立体障害が減るなどの理由により、様々な反応性基との反応が進行しやすくなる。
<(Ab)直鎖状分子>
ポリロタキサン(A)に用いられる直鎖状分子(Ab)は、環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通して、環状分子(Aa)に包接され得るものであれば、特に限定されない。なお、直鎖状分子(Ab)の両末端には、後述する封鎖基(Ac)を導入する際の反応点となる官能基が存在する。前記官能基の例としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルホニル基等が挙げられる。
ポリロタキサン(A)の製造に当たっては、直鎖状分子(Ab)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記直鎖状分子(Ab)の例としては、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体、共重合体等が挙げられる。
これらのうち、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルが好ましい。
さらにこれらの中でも、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン及びポリジメチルシロキサンがより好ましく、ポリカプロラクトン及びポリエチレングリコールがさらに好ましく、水溶性であることからポリエチレングリコールがさらにより好ましい。
直鎖状分子(Ab)の重量平均分子量は、1,000以上であり、2,000以上であることが好ましい。また、直鎖状分子(Ab)の重量平均分子量は、100,000以下であり、80,000以下であることが好ましく、40,000以下であることがより好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
また、直鎖状分子(Ab)が環状分子(Aa)により包接される際に、直鎖状分子(Ab)が最大限に包接される量(最大包接量)を1とした場合、その平均包接量は通常0.001〜0.6であり、0.01〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.4であることがより好ましい。
なお、環状分子(Aa)の最大包接量は、直鎖状分子(Ab)の長さと、環状分子(Aa)の直鎖状分子(Ab)の鎖方向における厚さとにより決定することができる。例えば、直鎖状分子(Ab)がポリエチレングリコールであり、環状分子(Aa)がα−シクロデキストリンの場合、その最大包接量は、Macromolecules 1993,26,5698−5703に記載されているように実験的に求められている。
<(Ac)封鎖基>
本発明に使用されるポリロタキサン(A)の封鎖基(Ac)は、直鎖状分子(Ab)の両端に配置され、環状分子(Aa)と直鎖状分子(Ab)とが分離しないように作用する基であれば、特に限定されない。そのような封鎖基(Ac)は、一種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
前記封鎖基(Ac)の例としては、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、トリチル基、フルオレセニル基、ピレニル基、置換フェニル基(前記フェニル基の置換基としては、アルキル基、アルキルオキシ基、水酸基、ハロゲン、シアノ基、スルホニル基、カルボキシ基、アミノ基及びフェニル基等を挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、置換されていてもよい多環芳香族基(前記多環芳香族基の置換基としては、前記と同じものを挙げることができるがこれらに限定されない。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)及びステロイド類等が挙げられる。
これらの中でも、封鎖基(Ac)の導入のしやすさの観点から、ジニトロフェニル基、シクロデキストリンに由来する基、アダマンチル基、アダマンチルアミノ基、トリチル基、フルオレセニル基及びピレニル基が好ましく、アダマンチル基、アダマンチルアミノ基及びトリチル基がより好ましく、アダマンチルアミノ基がさらに好ましい。
封鎖基(Ac)は、直鎖状分子(Ab)の両端に存在する官能基と反応する基を有し、かつその基とは別に、前記封鎖基(Ac)となる部位を有する化合物を、直鎖状分子(Ab)と反応させることによって、直鎖状分子(Ab)の両端へ導入することができる。具体的な導入方法は国際公開公報2005−080469に記載の通りである。
<官能基(B)>
本発明の官能基(B)は、下式の一般式(1)で示される。
式(1)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、または炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。式(1)中のmは、1以上の整数を示し、yは0又は1である。式(1)において、Zは、イミダゾール基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアナート基から誘導される基を示す。式(1)において、波線は修飾基(Ad)中の末端基との結合を示す。
式(1)中のRは、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルペンチル基などの炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、フェニル基、ベンジル基などの炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。
これらの中でも、粘度や取り扱いの容易さ等の観点から、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
式(1)中のmは、官能基B中のポリエチレングリコール鎖の繰り返し単位数を示し、1以上の整数である。mは、反応溶媒への溶解性や反応液の粘度といった取扱の容易さ等の観点から、1〜1000であることが好ましく、2〜500であることがより好ましく、3〜250であることがさらに好ましい。
式(1)中のZは、後述の製造方法により、置換基Lより誘導される基であり、イミダゾール基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアナート基等から誘導される基を示す。具体的には、メチレン基、カルボニル基、アミド基等を挙げることができる。yはこのZの数を示し、0又は1である。Z及びyは、前記mや相溶性、HLB等に応じて適宜選択されるが、式(1)で示される官能基Bとしては、好ましくは、下記一般式(1−1)で示される基が挙げられ、このときのZは、好ましくは、カルボニル基又はメチレン基であり、さらに好ましくはカルボニル基である。
<ポリオール化合物>
本発明の修飾ポリロタキサンとの相溶性が向上するポリオール化合物として、具体的には、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの共重合ポリオール、及びそれらをブレンドしたポリオール等のポリエーテルポリオール類;
アジピン酸などのジカルボン酸とエチレングリコールなどのポリオールとの縮合により得られる縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びそれらをブレンドしたポリオール等のポリエステルポリオール類;
脂肪族ポリオールモノマー、脂環構造を有するポリオールモノマー、及び芳香族ポリオールモノマー等のポリオールモノマーが挙げられる。
中でも、ポリエーテルポリオール類が好ましく、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールがより好ましく、ポリプロピレングリコールがさらに好ましい。また、より大きな相溶性比を得る観点から、ポリオール化合物の数平均分子量は500〜10000が好ましく、2000〜4000であることがさらに好ましい。
修飾ポリロタキサンと、ポリオール化合物との相溶性比は以下の方法により測定する。まず、一定量の修飾ポリロタキサンを、トルエンに溶解させ、この調製液に、ポリオール化合物を攪拌しながらゆっくり添加し、濁りが発生した時点の添加量を測定する。同様の方法により、ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンについても添加量を測定する。この未修飾ポリロタキサンについても添加量を1.0とした時、修飾ポリロタキサンへのポリオール化合物の添加量を比で表した数値が、修飾ポリロタキサンと、ポリオール及び有機溶媒の混合溶媒との相溶性比である。
相溶性比は、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等の用途に利用する観点から、1.2以上であることが好ましく、1.4以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらに好ましい。後述する官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合を考慮すると、前記相溶性比は、1.1〜6.0であることが好ましく、1.2〜4.0であることがより好ましく、1.4〜4.0であることがさらに好ましく、1.6〜4.0であることがさらにより好ましい。
<修飾ポリロタキサンの用途>
本発明の修飾ポリロタキサンは、例えば、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等の用途に用いることができる。中でも、ポリウレタンエラストマー用途としては、熱硬化型ポリウレタンエラストマーの製造原料としての使用が可能である。
より具体的には、ポリオール、ポリイソシアネート、及び本修飾ポリロタキサンとを、公知の条件下で反応させることによって、熱硬化型ポリウレタンエラストマーを製造することができる。
<組成物>
本発明は、修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物を提供する。必要に応じて、有機溶媒を含んでいてもよい。なお、修飾ポリロタキサン、ポリオール化合物、及び有機溶媒は前記と同義である。
また、組成物100重量%中、ポリロタキサンの含量は、ポリロタキサンの構成成分、組成物中に含まれるその他の成分、組成物の応用分野などに依存するが、5〜95重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
本組成物には、用途に応じて、触媒、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、可塑剤、離型剤、補強剤、充填剤(無機充填剤・有機充填剤)、安定剤、着色剤(顔料・染料)、難燃性向上剤、光安定剤等を添加することができる。本組成物の用途としては、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、及び成形体等が挙げられる。
<修飾ポリロタキサンの製造方法>
本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリロタキサン(A)において末端の水酸基を、官能基(B)を有する反応剤と反応させ、官能基(B)で修飾することで得ることができる。この修飾反応は、例えば、官能基(B)を有するアシル化剤を用いたアシル化反応がある。アシル化反応は、アシル化剤をポリロタキサン(A)に添加することにより進行する。
本発明における修飾とは、化学修飾を意味する。すなわち、ポリロタキサン(A)において末端の水酸基を、官能基(B)で修飾するということは、ポリロタキサン(A)の末端水酸基と官能基(B)を有する反応剤が反応し、結合を形成することを示す。
官能基Bを有する反応剤は、下記式(3)で示される。
式(3)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、または炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、または炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。mは、1以上の整数を示す。
式(3)中のLは、ポリロタキサン上の水酸基と反応する原子、または官能基で、ハロゲン原子、イミダゾール基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、イソシアナート基又は下記式(4−1)、(4−2)、(4−3)で示される。
式中、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示す。
式中、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示す。Xはハロゲン原子を示し、塩素原子、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
式(4−3)において、波線は式(3)中のLと結合した炭素原子との結合を示し、Rは前記Rと同義である。mは、1以上の整数を示す。
前記式(3)中のRは、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルペンチル基などの炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、フェニル基、ベンジル基などの炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、粘度や取り扱いの容易さ等の観点から、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
式(3)中のLは、ポリロタキサン上の水酸基と反応する原子、または官能基で、前記と同義である。反応性と取扱の容易さの観点から、ハロゲン原子、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、イソシアナート基、前記式(4−1)及び(4−2)で示される基が好ましく、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、前記式(4−1)及び(4−2)で示される基がより好ましく、カルボン酸ハライド、前記式(4−1)で示される基がさらに好ましい。
下記式(5)で示される化合物より、水酸基を公知の酸化剤により酸化させて、下記式(5−1)で示されるカルボキシル基を有する化合物とし、これをエステル化、イミダゾール化、ハロゲン化、二量化等することにより、下記式(5−2)、(5−3)、(5−4)、(5−5)で示される化合物をそれぞれ得ることができる。
式中、Rは前記Rと同義である。mは、1以上の整数を示す
式中、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルペンチル基などの炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、フェニル基、ベンジル基などの炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、粘度や取り扱いの容易さ等の観点から、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基または炭素数3〜12の分岐鎖状脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
式中、Xはハロゲン原子を示し、塩素原子、臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
なお、前記式(5−3)はLが前記式(4−1)の基である前記式(3)の化合物と対応する。前記式(5−4)はLが前記式(4−2)の基である前記式(3)の化合物と対応する。前記式(5−5)はLが前記式(4−3)の基である前記式(3)の化合物と対応する。
以上の反応剤は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
官能基(B)で修飾する化反応は、触媒の存在下で実施してもよいし、無触媒で実施してもよいが、触媒存在下で実施することが好ましい。触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン等の有機第三級アミン類、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジンまたはピリジン誘導体類、硫酸、リン酸、蟻酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の酸類等が挙げられる。これらの触媒は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。触媒の添加量は、反応に使用するアシル化剤1モルに対して、0.05〜5.0モル当量が好ましく、0.1〜4.0モル当量がより好ましく、0.2〜3.0モル当量が特に好ましい。
官能基Bを有する反応剤の添加量は、前記官能基(B)によるポリロタキサン中の水酸基の修飾の割合に応じて適宜調節されるが、反応に使用するポリロタキサン(A)中に存在する水酸基1モルに対して、0.05モル当量〜5.0モル当量が好ましく、0.1モル当量〜3.0モル当量がより好ましく、0.2モル当量〜2.0モル当量がさらに好ましい。
官能基(B)で修飾する反応は、溶媒を使用して実施してもよいし、無溶媒で実施してもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン等のハロゲン化アルキル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒類等が挙げられる。これらの溶媒は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。溶媒の添加量は、反応に使用するポリロタキサン(A)の質量に対して、0.5〜10倍質量が好ましく、1〜8倍質量がより好ましく、2〜5倍質量がさらに好ましい。
官能基(B)で修飾する反応の反応温度は、0〜100℃が好ましく、0〜80℃がより好ましく、0〜40℃がさらに好ましい。反応温度が低いと、反応の進行が遅く効率的に反応が進行しない場合があり、反応温度が高いと、熱分解反応が進行して反応収率が低下する場合がある。
官能基(B)で修飾する反応の反応時間は、10分〜10時間が好ましく、20分〜5時間がより好ましく、30分〜3時間がさらに好ましい。反応時間が短いと、反応の進行が十分ではない場合がある。
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は、修飾基(Ad)の全末端に対し、1〜80%が好ましく、3〜60%がより好ましい。官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が小さいと、ポリオール化合物との相溶性が低く、架橋反応が進行しにくい場合があり、官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が大きいと、修飾ポリロタキサンの分子量が大きくなり、粘度が上昇し、ハンドリング性が低下する場合がある。
<末端の修飾率の計算>
官能基(B)によるポリロタキサン(A)中の水酸基の修飾の割合(x)は、例えば、環状分子(Aa)がα−シクロデキストリンであり、修飾基(Ad)が下記式(2)で示されるカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)であり、カプロラクトン由来の基を有するポリカプロラクトンをシクロデキストリンに導入する前にプロピレンオキシドを使用し、官能基(B)中のRがメチル基である場合、以下の方法で計算することができる。
(x)={(a2)×(a4)/(a3)}/(a1)×100(%)
ここで、(a1)は、ポリロタキサン(A)1mol中に存在する水酸基のモル数、(a2)は、ポリロタキサン(A)1モル中に存在する、ポリカプロラクトン中の繰り返しユニットである前記式(5)の基のモル数である。(a3)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、(−CO(CHOH)基を有するポリカプロラクトン中の繰り返しユニットであるカプロラクトン1モル当たりに換算されたプロトンシグナルの積分比、(a4)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、官能基(B)中のメチル基1モル当たりに換算されたプロトンシグナルの積分比である。
(a2)は、ポリロタキサン(A)の理論分子量(b1)と、ポリロタキサン(A)中の(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの重量割合(b2)から、
(a2)=(b1)×(b2)/114
により算出できる。
式中、114は、式(5)で示される繰り返し単位(モノマー)の分子量である。
ポリロタキサン(A)の理論分子量(b1)は、直鎖状分子(Ab)の分子量(c1)、シクロデキストリンの直鎖状分子(Ab)への最大包接数(c2)、シクロデキストリンの直鎖状分子(Ab)への包接率(c3)、シクロデキストリンの水酸基のヒドロキシプロピル基への置換度(c4)、封鎖基(Ab)の分子量(c5)、ポリロタキサン(A)中のポリカプロラクトンの重量割合(b2)から、
(b1)={(c1)+(c2)×(c3)×973+(c2)×(c3)×18×(c4)×58+(c5)×2}/{1−(b2)}
により算出できる。
式中、973はα−シクロデキストリンの分子量であり、18はα−シクロデキストリン1分子中の水酸基の数であり、58はプロピレンオキシド由来の基の分子量である。
ポリロタキサン(A)中の(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの重量割合(b2)は、(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンを導入する前のポリロタキサンの重量(d1)、導入する(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの重量(d2)から、
(b2)=(d2)/{(d1)+(d2)}
により算出できる。
(a1)は、
(a1)=(c2)×(c3)×18
により算出できる。
なお、シクロデキストリン上の水酸基がヒドロキシルプロピル基やカプロラクトン等で修飾されていたとしても、末端の基はヒドロキシル基となるため、前記式(3)で示される官能基Bを有する反応剤と反応させる前のポリロタキサン(A)中の水酸基の数は、ポリロタキサン(A)に含まれるシクロデキストリン中の全ての水酸基の数と等しい。
(a3)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、約2.3ppmに検出される、(−CO(CHO−)基を有するポリカプロラクトンの繰り返しユニットであるカプロラクトンのカルボニル基の炭素に結合するメチレン基の水素の積分比を、水素原子1モル当たりに換算した積分比である。
(a4)は、プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定で、約3.4ppmに検出される、官能基(B)中のメチル基の水素の積分比を、水素原子1モル当たりに換算した積分比である。
<修飾ポリロタキサン中の官能基B由来の分子量>
修飾ポリロタキサン中の官能基B由来の分子量(Mw)は、以下の方法で計算することができる。
Mw=官能基Bの分子量×ポリロタキサン(A)1モル中の水酸基のモル数(a1)×ポリロタキサン(A)中の水酸基の修飾の割合(x)
<修飾ポリロタキサンの理論Mの計算>
修飾ポリロタキサンの理論分子量(M)は、以下の方法で計算することができる。
M=ポリロタキサン(A)の理論分子量(b1)+修飾ポリロタキサン中の官能基B由来の分子量(Mw)
<HLBの計算>
HLBとは親水性− 親油性のバランス(Hydrophile−Lipophile Balance) を示す指標であり、本発明においては次式を用いて算出した値を用いている。
HLB=20×(Mw/M)
前記式において、Mwは親水部の分子量、Mは修飾ポリロタキサンの理論分子量を示す。本発明においては、親水部を修飾ポリロタキサン中の官能基B由来の分子量として計算した。
以上の通り計算された、修飾ポリロタキサンのHLBが、1〜19であることが好ましく、1.5〜17であることがより好ましく、2〜15であることがさらに好ましく、2.5〜13がさらにより好ましい。
この範囲の下限値よりHLBが低いときは、ポリオール化合物との相溶性が十分に向上しない。また、この範囲の上限値よりHLBを高くしようとすると、修飾ポリロタキサンンの分子量が著しく増大し、粘度が上昇し、ハンドリング性が悪化するため、好ましくない。
<精製操作>
本反応で得られた修飾ポリロタキサンは、再結晶法、デカンテーション法、洗浄媒体による洗浄法等、公知の方法で精製することができる。精製方法は特に制限されない。
次に、以下の実験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[比較例1]
カプロラクトン変性ポリロタキサンPR−1(HAPR−g−PCL;アドバンスドソフトマテリアルズ社製「スーパーポリマーSH2400P」、ヒドロキシプロピル基の置換度50%、環状分子の包接率30%、理論分子量67万)を用意した。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、融点、を測定した。
[実施例1]
<mPEG‐COOH‐400(数平均分子量400;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノカルボン酸)の作製>
ユニオックスM‐400(日油株式会社製;数平均分子量400;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)29.7g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)0.10g、臭化ナトリウム0.11gをイオン交換水150.6gに溶解させた。次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度13%)94.7gを室温(25℃)で添加し、添加後、室温(25℃)で30分間撹拌した。その後、エタノールを8g添加し、反応液がpH2.4になるまで35%HCl水溶液を加えた。200gの塩化メチレンを用いた抽出操作を2回繰り返した後、得られた有機層の溶媒をエバポレーターで留去し、得られた固形物を乾燥させ、mPEG‐COOH‐400 26.4gを得た。
<修飾ポリロタキサン(PR−PEG−1)の作製>
比較例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン(PR−1)10.0gとトルエン25.0gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた(溶液A)。別の反応器で、mPEG‐COOH‐400 5.1g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.70モル等量)とトルエン10.1gを混合し、完全に溶解させ、室温(25℃)で1,1’-カルボニルジイミダゾール1.6gを添加し、反応液を60℃に昇温させ、30分撹拌した。得られた反応液を室温(25℃)まで冷却し、先に調製したポリロタキサンのトルエン溶液(前記溶液A)に加え、3時間撹拌した。得られた反応液に、233gのメタノールを添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をPEG(ポリエチレングリコール)構造で修飾したポリロタキサン(PR−PEG−1)10.3gを得た。得られたポリロタキサンにおける官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は25%で、理論分子量は76万で、HLBは3.0であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、融点、及び融点を測定した。
[実施例2]
<mPEG‐COOH‐1000(数平均分子量1000;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノカルボン酸)の作製>
ユニオックスM‐1000(日油株式会社製;数平均分子量1000;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)30.3g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)0.10g、臭化ナトリウム0.10gをイオン交換水100.2gに溶解させた。次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度13%)37.9gを室温(25℃)で添加し、添加後、室温(25℃)で30分間撹拌した。その後、エタノールを3g添加し、反応液がpH2.4になるまで35%HCl水溶液を加えた。200gの塩化メチレンを用いた抽出操作を2回繰り返した後、得られた有機層の溶媒をエバポレーターで留去し、得られた固形物を乾燥させ、mPEG‐COOH‐100
0 28.4gを得た。
<修飾ポリロタキサン(PR−PEG−2)の作製>
比較例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン(PR−1)20.0gとトルエン50.1gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた(溶液B)。このトルエン溶液を加熱還流させ、ディーン・スターク管で共沸脱水を行なった。別の反応器で、mPEG‐COOH1000 25.3g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.70モル等量)とトルエン50.6gを混合し、完全に溶解させ、室温(25℃)で1,1’-カルボニルジイミダゾール3.3gを添加し、反応液を60℃に昇温させ、30分反応させた。得られた反応液を室温(25℃)まで冷却し、先に調製したポリロタキサンのトルエン溶液(前記溶液B)に加え、2時間撹拌した。得られた反応液に、400gのエタノール/ヘキサン混合溶媒(重量比1/1)を添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をPEG構造で修飾したポリロタキサン(PR−PEG−2)28.9gを得た。得られたポリロタキサンにおける官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は33%で、理論分子量は108万で、HLBは7.5であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
[実施例3]
<mPEG‐COOH‐4000(数平均分子量4000;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノカルボン酸)の作製>
ユニオックスM‐4000(日油株式会社製;数平均分子量4000;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)80.8g、TEMPO(2,2,6,6‐テトラメチル‐1‐ピペリジニルオキシラジカル)0.40g、臭化ナトリウム0.40gをイオン交換水100.2gに溶解させた。次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度13%)25.8gを室温(25℃)で添加し、室温(25℃)で30分間撹拌した。その後、エタノールを2g添加し、反応液がpH2.4になるまで35%HCl水溶液を加えた。300gの塩化メチレンを用いた抽出操作を2回繰り返した後、得られた有機層の溶媒をエバポレーターで留去し、得られた固形物を乾燥させ、mPEG‐COOH‐4000 73.2gを得た。
<修飾ポリロタキサン(PR−PEG−3)の作製>
比較例1のカプロラクトン変性ポリロタキサン(PR−1)20.0gとトルエン50.1gを、窒素雰囲気下、室温(25℃)で一晩混合し、ポリロタキサンを完全に溶解させた(溶液C)。別の反応器で、mPEG‐COOH‐4000 50.0g(ポリロタキサン中の全ての水酸基に対して0.35モル等量)とトルエン100.7gを混合し、完全に溶解させ、室温(25℃)で1,1’-カルボニルジイミダゾール1.9gを少しずつ添加し、反応液を60℃に昇温させ、30分撹拌した。得られた反応液を室温(25℃)まで冷却し、先に調製したポリロタキサンのトルエン溶液(前記溶液C)に加え、3時間撹拌した。得られた反応液に、500gのエタノール/ヘキサン混合溶媒(重量比1/1)を添加後、15分攪拌、30分静置したのち、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を乾燥させ、環状分子上のカプロラクトン鎖の末端水酸基の一部をPEG構造で修飾したポリロタキサン(PR−PEG−3)17.96gを得た。得られたポリロタキサンにおける官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合は4%で、理論分子量は89万で、HLBは4.8であった。本試料を用いて、後述の通り、相溶性比、水酸基価、及び融点を測定した。
(修飾ポリロタキサンの評価)
実施例、及び比較例で得られた修飾ポリロタキサンについて、各種物性の評価を以下に示す方法により行った。結果を表1に示す。
(相溶性比の評価)
比較例1記載のカプロラクトン変性したポリロタキサン(PR−1)1.0gを、トルエン5.0gに溶解したトルエン溶液を調製し、この調製液に、ポリオール化合物(サンニックス PP−2000(三洋化成工業株式会社製;数平均分子量2000;ポリプロピレングリコール))を攪拌しながらゆっくり添加し、濁りが発生した時点の添加量を測定した。同様に、実施例1で得られた修飾ポリロタキサン(PR−PEG−1)についてもポリオール化合物の添加量を測定した。
ポリオールへの相溶性比は、比較例1の試料(ポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサン)を用いた場合のポリオール化合物の添加量を1.0とした時、実施例1の修飾ポリロタキサンへのポリオール化合物の添加量を比で表した数値である。
同様の方法で、比較例1の試料を基準として実施例2〜3の試料の相溶性比、をそれぞれ求めた。また、別のポリオール化合物(サンニックス PP−4000(三洋化成工業株式会社製;数平均分子量4000;ポリプロピレングリコール)についても同様に測定した。
(粘度の評価)
粘度計(DV2THA ブルック・フィールド社製)を使用して、100℃で各実施例、比較例の試料の粘度を測定した。
(融点の評価)
融点測定器(ATM−01 アズワン株式会社製)を使用して、各実施例、比較例の試料の融点を測定した。
以上の結果は、下表の通りである。
上表において、PPG−1とは、前記サニックスPP−2000(三洋化成工業株式会社製)を示し、PPG−2とは、サニックスPP−4000(三洋化成工業株式会社製)を示す。
実施例1〜3のいずれにおいても、ポリオール化合物との相溶性の高い修飾ポリロタキサンを得ることができた。
本発明の修飾ポリロタキサンは、ポリウレタン樹脂、発泡ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ゴム、プラスチック、ガラス代替物、接着剤、粘着剤、塗料、コーティング材料、研磨材、防振材、断熱材、シール材、パッキン、成形体等、及びこれらの材料、組成物等として、広い分野で好適に使用することができる。
Aa 環状分子
Ab 環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子
Ac 環状分子(Aa)と直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基
Ad 環状分子(Aa)を修飾する修飾基
B 修飾基(Ad)の末端を修飾する官能基
Z カルボキシル基、カルボン酸ハライド等から誘導される基
y Zの数(0又は1)
,n カプロラクトン由来の基の繰り返し単位数(1以上の整数)
m エチレングリコール由来の基の繰り返し単位数(1以上の整数)

Claims (6)

  1. 環状分子(Aa)と、この環状分子(Aa)の開口部を串刺し状に貫通する直鎖状分子(Ab)と、この直鎖状分子(Ab)の両末端に配置され、前記環状分子(Aa)と前記直鎖状分子(Ab)との分離を防止する封鎖基(Ac)と、前記環状分子(Aa)を修飾する修飾基(Ad)を有するポリロタキサン(A)において、末端の水酸基が、下式の一般式(1−1)で示される官能基(B)によって修飾されている修飾ポリロタキサンであって、
    (式(1−1)中のRは、水素原子、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の脂環構造を有する炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香環構造を有する炭化水素基を示す。式(1−1)中のmは、1以上の整数を示す。式(1−1)において、Z はメチレン基又はカルボニル基を示す。式(1−1)において、波線は修飾基(Ad)中の末端基との結合を示す。)
    環状分子(Aa)がシクロデキストリンであり、
    そのシクロデキストリンの水酸基の一部または全部が、ヒドロキシプロピル(HO−C−)基と結合し、
    このポリロタキサン中の水酸基が、下記式(2)で示されるカプロラクトン由来の基(−CO(CHOH)である修飾基(Ad)で修飾され、官能基(B)によるポリロタキサン(A)中に存在する水酸基の修飾の割合が0%である未修飾ポリロタキサンの、ポリオール化合物への相溶性比を1とした時、当該相溶性比が1.2〜4.0であり、HLBが1〜19である修飾ポリロタキサン。
    (式(2)中、nは1以上の整数を示し、波線が水酸基との結合を示す。)
  2. HLBが2〜15である、請求項1に記載の修飾ポリロタキサン
  3. Rがメチル基である、請求項1又は2に記載の修飾ポリロタキサン。
  4. 前記直鎖状分子(Ab)がポリエチレングリコール、前記封鎖基(Ac)がアダマンチルアミノ基である、請求項1〜のいずれか一項に記載の修飾ポリロタキサン。
  5. 前記ポリオール化合物が、ポリエーテルポリオール化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の修飾ポリロタキサン。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の修飾ポリロタキサン、及びポリオール化合物を含む、修飾ポリロタキサン組成物。
JP2016109666A 2015-12-14 2016-06-01 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法 Active JP6794662B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016109666A JP6794662B2 (ja) 2016-06-01 2016-06-01 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法
CN201611154344.3A CN106866982A (zh) 2015-12-14 2016-12-14 修饰聚轮烷、其组合物以及修饰聚轮烷的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016109666A JP6794662B2 (ja) 2016-06-01 2016-06-01 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017214498A JP2017214498A (ja) 2017-12-07
JP6794662B2 true JP6794662B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=60575310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016109666A Active JP6794662B2 (ja) 2015-12-14 2016-06-01 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6794662B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7369461B2 (ja) * 2021-01-04 2023-10-26 平岡織染株式会社 接合強度に優れたターポリン
CN115322358A (zh) * 2022-08-18 2022-11-11 上海东大化学有限公司 基于环糊精的聚醚多元醇的合成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063412A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Nissan Motor Co Ltd 親水性修飾ポリロタキサン及び架橋ポリロタキサン
JP5542056B2 (ja) * 2008-09-01 2014-07-09 アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社 溶媒フリーの架橋ポリロタキサンを有する材料、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017214498A (ja) 2017-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101585279B1 (ko) 폴리로탁산, 수계 폴리로탁산 분산 조성물, 및 폴리로탁산과 중합체의 가교체, 및 이들의 제조 방법
JP2017110211A (ja) 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法
JP2014224270A (ja) 光架橋性ポリロタキサン、該光架橋性ポリロタキサンを有する組成物、及び該組成物由来の架橋体、並びにこれらの製造方法
JP4467262B2 (ja) 架橋体及びその製造方法、並びにそのリサイクル方法
CN113527545B (zh) 一种具有准确穿嵌量的β-环糊精聚轮烷、制备方法及其应用
JP6794662B2 (ja) 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法
JP7017090B2 (ja) 修飾ポリロタキサン、その組成物、及びその製造方法
KR102011170B1 (ko) 히드록시알킬화 폴리로탁산의 제조 방법
Sivanesan et al. Effects of flexible and rigid parts of ε-caprolactone and tricyclodecanediol derived polyurethane on the polymer properties of epoxy resin
Han et al. Preparation and characterization of high molecular weight poly (butylene succinate)
Shipp et al. Elastomeric and degradable polyanhydride network polymers by step-growth thiol–ene photopolymerization
WO2010001898A1 (ja) 多分岐性ポリエステルの製造方法、ポリウレタンの製造方法、ポリウレタン
CN106866982A (zh) 修饰聚轮烷、其组合物以及修饰聚轮烷的制造方法
US11072667B2 (en) Polyrotaxane having substituent having polyalkylene oxide chain or derivative thereof in cyclic molecule, and method for producing said polyrotaxane
JP7205977B2 (ja) トリブロック共重合体およびその製造方法
Qin et al. A novel thermoplastic elastomer from double CO2-route oligomers
CN110845838A (zh) 聚碳酸酯型聚氨酯薄膜及其制备
CN112920396B (zh) 一种端羟基高含氧量高柔顺性叠氮聚合物的合成方法
Yao et al. Synthesis and solution properties of cholesterol end-capped poly (ethylene glycol)
KR101390223B1 (ko) 고차가지구조의 폴리에테르 화합물 및 이를 포함하는 폴리염화비닐 조성물
KR102103011B1 (ko) 폴리락틱산 강인화제용 조성물, 이를 통해 제조된 강인화성 폴리락틱산 공중합체 및 이의 제조방법
JPWO2007088784A1 (ja) ポリウレタン誘導体、その製造方法およびこれからなる生体適合性材料
WO2021230268A1 (ja) 環状分子にプロピレンオキシ繰り返し単位を有して形成される鎖を有する基を有するポリロタキサン
KR20240035577A (ko) 실리콘계 고분자 화합물 및 실리콘계 고분자 재료
Ni et al. Synthesis and characterization of a novel diblock copolymer with a polyrotoxane block

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6794662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250