WO2007063756A1 - 内装パネルアッセンブリ及びエアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

　エアバッグ膨張時におけるヒンジ部への応力集中が抑制された内装パネルアッセンブリ及びこの内装パネルアッセンブリを備えたエアバッグ装置が提供される。内装パネル４０の裏面にドア枠５０が固着されている。インフレータ６３が作動するとエアバッグ６２が膨張を開始する。このエアバッグ６２がドア部４４を裏側から押圧することにより、テアライン４１～４３が断裂し、ドア部４４が室内側へ回動しながら開き出す。ドア枠５０の枠部５２に、脚部５４に沿ってスリット５８を設けているので、ヒンジ部５３がスムーズに変形する。

Description

明 細 書

内装パネルアッセンブリ及びエアバッグ装置

発明の分野

[0001] 本発明は、自動車の助手席等に設置される内装パネルアッセンプリ及びエアバッ グ装置に関するものであり、特にエアバッグの膨張時に内装パネルのドア部が室内 側に回動しながら開放するタイプのエアバッグ装置に関する。

発明の背景

[0002] 自動車に設置される助手席用エアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、この エアバッグが取り付けられたリテーナと、該エアバッグを膨張させるためのインフレ一 タ (ガス発生器)と、該リテーナの前方に配置されたリツド又はインパネドア部等を備え ている。

[0003] インフレータがガスを発生すると、エアバッグが膨張を開始し、リツド又はインパネの ドア部がテアラインに沿って開裂して押し開かれ、エアバッグが車両室内に展開し、 乗員を保護する。

[0004] インパネのドア部を裏打ちしたエアノッグドア支持構造が特開 2004— 161182号 に記載されている。

[0005] 第 6, 7図は同号公報の図 9, 11に記載の構造を示すものであり、内装パネル (この 場合はインストルメントパネル） 10の裏面にテアライン 11, 12, 13が設けられ、ドア部 14が設定されている。このドア部 14付近の裏面にドア枠 20が固着されている。このド ァ枠 20は、ドア部 14に固着したフラップ部 21と、該フラップ部 21を囲む枠部 22と、 該フラップ部 21と枠部 22とをつなぐヒンジ部 23と、該枠部 22から立設された脚部 24 とを有する。枠部 22はドア部 14の周囲の内装パネル 10の裏面に固着されている。ヒ ンジ部 23は略 U字形に湾曲しており、ドア部 14には固着されず、ドア部 14力も離隔 している。

[0006] 脚部 24の引掛孔 25に対しリテーナ 30のフック部 31が掛止されている。該リテーナ 30内にエアノッグ 32 (第 7図）が折り畳まれて収容され、インフレータ 33によって膨 張可能とされている。 [0007] インフレータが作動すると、エアバッグ 32が膨張を開始する。このエアバッグ 32がド ァ部 14を裏側力も押圧することにより、テアライン 11〜13が断裂し、第 7図の通り、ド ァ部 14が室内側へ回動しながら開き出す。

特許文献 1：特開 2004— 161182号

[0008] 上記従来例においては、ドア部 14が開放する際にヒンジ部 23が引き伸ばされ、応 力が集中する。

発明の概要

[0009] 本発明は、ドア部の基端側部分のヒンジ部への応力集中が抑制される内装パネル アッセンブリ及びこの内装パネルアッセンブリを備えたエアバッグ装置を提供すること を目的とする。

[0010] 本発明の第 1アスペクトの内装パネルアッセンブリは、エアバッグに裏側力 押圧さ れることにより車両室内側へ回動して開放するドア部を有した内装パネルと、該内装 パネルの該ドア部及びその周囲の裏面に固着されたドア枠とを備えた内装パネルァ ッセンプリであって、該ドア枠は、該ドア部に固着されたフラップ部と、該フラップ部を 囲み、該ドア部の周囲の内装パネル裏面に固着された枠部と、該フラップ部と枠部と を連結しており、前記ドア部のうち開放時の基端側部分に対面し、且つ該基端側部 分からは離隔して 、るヒンジ部と、該枠部の内縁から立設された脚部とを備えて 、る 内装パネルアッセンプリにおいて、該枠部のうち、該脚部に沿う箇所であって且つ該 ヒンジ部と反対側の少なくとも一部に沿って延在する、スリット及びテアラインの少なく とも一方よりなる開裂線が設けられており、該脚部には、該開裂線の長手方向の少な くとも一方の端部に連なっている、開裂線延長部が設けられていることを特徴とするも のである。

[0011] 本発明の第 2アスペクトのエアバッグ装置は、第 1アスペクトの内装パネルアッセン プリと、該内装パネルのドア部の裏側に対畤して配置されたリテーナと、該リテーナに 収容されたエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテ一 ナと前記ドア枠の脚部とを接続している接続部材とを備えてなることを特徴とするもの である。

図面の簡単な説明 [0012] [図 1]実施の形態に係るエアバッグ装置を示す縦断面図である。

[図 2]ヒンジ部の断面図である。

[図 3]ドア枠の斜視図である。

[図 4]下方力 見たドア枠の斜視図である。

[図 5]ドア枠の変形状況を示すヒンジ部付近の断面図である。

[図 6]従来例を示す断面図である。

[図 7]従来例を示す断面図である。

詳細な説明

[0013] 本発明では、内装パネルアッセンプリのドア枠の枠部のうち、脚部のヒンジ部と反対 側の少なくとも一部に沿ってスリット又はテアラインよりなる開裂線が設けられている。

[0014] エアバッグが膨張するときに、テアラインは断裂する。

[0015] 従って、エアバッグが膨張したときに、脚部及びフラップ部と枠部とが分断状態とな り、脚部の上部側 (枠部側)もヒンジ部と共に変形する。このため、ヒンジ部への応力 集中が抑制される。

[0016] スリット又はテアラインよりなる開裂線に連なる開裂線延長部が脚部にまで延在して いるので、脚部上部側がエアバッグ膨張時に変形し易くなり、応力集中が抑制される

[0017] 以下、図面を参照して実施の形態について説明する。

[0018] 第 1図は実施の形態に係るエアバッグ装置を示す縦断面図、第 2図はヒンジ部の断 面図、第 3図はドア枠の斜視図、第 4図はドア枠の下方力もの斜視図、第 5図はドア 枠の変形状況を示す断面図である。

[0019] 内装パネル（この場合はインストルメントパネル。ただし、リツドであってもよ 、。 ) 40 の裏面にテアライン 41, 42, 43力 S設けられ、該テアライン 41, 42間力 Sドア部 44とな つている。テアライン 41, 42, 43は溝であってもよい。

[0020] このドア部 44付近の裏面にドア枠 50が固着されている。このドア枠 50は、ドア部 44 に固着したフラップ部 51と、該フラップ部 51を囲む枠部 52と、該フラップ部 51と枠部 52とをつなぐヒンジ部 53と、該枠部 52の内縁から立設された脚部 54とを有する。

[0021] 枠部 52はドア部 44の周囲の内装パネル 40の裏面に固着されている。ヒンジ部 53 は、略 U字形に湾曲しており、ドア部 44には固着されず、ドア部 44から離隔している

[0022] 枠部 52のうち脚部 54に沿う箇所であってヒンジ部 53と反対側の部分には、開裂線 を構成するスリット 58が設けられている。このスリット 58は、ヒンジ部 53の全長に沿つ て延在している。スリット 58の両端は、脚部 54の上部に設けられた延長部 58aに連な つている。延長部 58は、枠部 52から離れる方向に延在したスリットよりなる力 溝であ つてもよい。

[0023] この実施の形態では、乗員側のヒンジ部 53の長手方向の両端部と合致した位置に それぞれ延長部 58aが位置している。延長部 58aは脚部 54の高さの 1Z5〜1Z3の 長さを有することが好ましい。

[0024] なお、この実施の形態では、 2枚のフラップ部 51のうち一方 (乗員と反対側（ウィンド シールド側））のフラップ部 51のヒンジ部 53に沿ってのみスリット 58が設けられている 力 乗員側のヒンジ部 53に沿ってスリットが設けられてもよぐ乗員側、ウィンドシール ド側の双方のフラップ部 51, 51のヒンジ部 53, 53に沿ってそれぞれスリット 58が設 けられてもよい。

[0025] 脚部 54の引掛孔 55に対しリテーナ 60のフック部 61が係止されている。該リテーナ 60内にエアバッグ 62が折り畳まれて収容され、インフレータ 63によって膨張可能とさ れている。 64はエアバッグ 62をリテーナ 60に取り付けている取付金具を示す。なお 、エアバッグ 62とリテーナ 60との連結構造はこれに限定されな 、。

[0026] この実施の形態では、リテーナ 60は上方が開いた略長方形の容器状のものであり 、ドア枠 50の脚部 54も略長方形の筒形となっている。枠部 52は、該脚部 54の上端 の全周から側外方へフランジ状に拡開して 、る。

[0027] フラップ部 51は、この実施の形態では 2葉設けられており、各フラップ部 51の基端 側がそれぞれ該枠部 52の内側のうち 1対の長辺部分に対しヒンジ部 53を介して連な つている。フラップ部 51, 51の先端側同士の間には若干のクリアランスがあいており 、前記テアライン 43はこのクリアランスに沿って延在している。

[0028] テアライン 41, 42は、ドア部 44の裏面の基端側に沿って延在している。この実施の 形態では、テアライン 41, 42は枠部 52の内周縁付近に対面して配置されている。 [0029] ドア部 44の基端側は、ヒンジ部 53に対面しており、この部分は前記の通りヒンジ部 53から離隔している。

[0030] この実施の形態では、内装パネル 40は熱可塑性合成樹脂製である。フラップ部 51 、枠部 52及びヒンジ部 53は、脚部 54と共に合成樹脂により一体に成形されている。 フラップ部 51と枠部 52とは、好ましくは振動溶着により内装パネル 40に固着されて いる。

[0031] このように構成されたエアバッグ装置にぉ 、て、インフレータ 63が作動するとエアバ ッグ 62が膨張を開始する。このエアバッグ 62がドア部 44を裏側から押圧することによ り、テアライン 41〜43が断裂し、ドア部 44が室内側へ回動しながら開き出す。

[0032] この実施の形態では、スリット 58を設けているので、ドア部 44及びフラップ部 51が 開放回動する際に、第 5図の通りヒンジ部 53が伸ばされ、脚部 54の上部が枠部 52か ら離れて内側に傾くように変形する。そのため、ヒンジ部 53は枠部 52と強干渉するこ となぐスムーズに変形し、ヒンジ部 53への応力集中が抑制される。

[0033] 上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもと りうる。例えば、上記実施の形態ではスリット 58が設けられている力 エアバッグ膨張 時に破断する強度を有した線状の脆弱部 (テアライン)を設けてもよぐこのテアライン は溝であってもよい。スリットやテアラインは、ヒンジ部 53の全体に沿って設けられる のが好ましいが、一部にのみ沿って設けられてもよい。延長部 58も、また、溝よりなつ てもよい。

[0034] なお、本出願は、 2005年 12月 2日付で出願された日本特許出願 (特願 2005— 3 49457)に基づいており、その全体が引用により援用される。

Claims

請求の範囲

エアバッグに裏側から押圧されることにより車両室内側へ回動して開放するドア部 を有した内装パネルと、

該内装パネルの該ドア部及びその周囲の裏面に固着されたドア枠とを備えた内装

該ドア枠は、

該ドア部に固着されたフラップ部と、

該フラップ部を囲み、該ドア部の周囲の内装パネル裏面に固着された枠部と、 該フラップ部と枠部とを連結しており、前記ドア部のうち開放時の基端側部分に対 面し、且つ該基端側部分力 は離隔して 、るヒンジ部と、

該枠部の内縁から立設された脚部と

を備えて 、る内装パネルアッセンブリにお 、て、

該枠部のうち、該脚部に沿う箇所であって且つ該ヒンジ部と反対側の少なくとも一 部に沿って延在する、スリット及びテアラインの少なくとも一方よりなる開裂線が設けら れており、

該脚部には、該開裂線の長手方向の少なくとも一方の端部に連なっている、開裂 線延長部が設けられて ヽることを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[2] 請求項 1にお 、て、前記開裂線は、前記ヒンジ部のほぼ全長に沿って延在して 、る ことを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[3] 請求項 1において、前記開裂線の両端部にそれぞれ前記開裂線延長部が連なつ ていることを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[4] 請求項 1において、前記開裂線延長部は、前記脚部の上部に設けられ、前記枠部 力 離反する方向に延在していることを特徴とする内装パネルアッセンプリ。

[5] 請求項 1において、開裂線延長部はスリットよりなることを特徴とする内装パネルアツ センブリ。

[6] 請求項 1に記載の内装パネルアッセンプリと、

該内装パネルのドア部の裏側に対畤して配置されたリテーナと、

該リテーナに収容されたエアバッグと、 該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、 該リテーナと前記ドア枠の脚部とを接続している接続部材と を備えてなることを特徴とするエアバッグ装置。