JP2002193061A - 助手席用エアバッグドア構造 - Google Patents

助手席用エアバッグドア構造

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JP2002193061A JP2000393652A JP2000393652A JP2002193061A JP 2002193061 A JP2002193061 A JP 2002193061A JP 2000393652 A JP2000393652 A JP 2000393652A JP 2000393652 A JP2000393652 A JP 2000393652A JP 2002193061 A JP2002193061 A JP 2002193061A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグドアを飛散させることなく、バッ
グの展開性能を安定化させる。 【解決手段】 両開きタイプのエアバッグドアのドア基
材後部68に、幅方向ティアライン、前後方向ティアラ
イン、第1ティアライン延長部72Cの他に第2ティア
ライン延長部72Dを追加し、更に両者間に形成された
後側ドアヒンジ部84をドアヒンジ薄肉部84Aと第2
ティアライン延長部72Dに沿って狭幅に設けられたド
アヒンジ厚肉部84Bとで構成した。従って、後側ドア
ヒンジ部84は線状ではなく面状になり、展開しやすく
なる共に展開後のドア後部のスプリングバックも抑制さ
れる。しかも、ドアヒンジ厚肉部84Bを設けているた
め、ドアヒンジ薄肉部84Aが破断してエアバッグドア
が飛散することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インストルメント
パネルの助手席側の所定位置に設けられる助手席用エア
バッグ装置に適用される助手席用エアバッグドア構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】助手席用エアバッグ装置のエアバッグド
アには、衝突時にウインドシールドガラス側へ片開きす
る片開きタイプと、衝突時にウインドシールドガラス側
と助手席側の双方に開く両開きタイプとがある。特開平
10−236263号公報には両開きタイプのエアバッ
グドアが開示されており、本発明が解決しようとする課
題を説明するのに好適な先行技術であるので、以下に簡
単に説明する。
【0003】図13に示されるように、助手席用エアバ
ッグ装置150のエアバッグドア152はインストルメ
ントパネル154に一体に形成されており、表皮156
と発泡層(ウレタン層)158とドア基材160の三層
によって構成されている。表皮156の裏面側には、衝
突時にエアバッグドア152を両開きさせるための表皮
側ティアライン(表皮側開裂部)162が形成されてい
る。これに対応して、ドア基材160の表面側には、表
皮側ティアライン162と対向する位置に熱変形吸収用
の凹部164が形成されている。
【0004】上記構成によれば、衝突時になると、エア
バッグケース166内に折り畳み状態で収容されたバッ
グが膨張し、その膨張圧でエアバッグドア152の表皮
156が表皮側ティアライン162に沿って開裂してい
く。そして、エアバッグドア152の前部152Aはウ
インドシールドガラス側へ開き、エアバッグドア152
の後部152Bは助手席側へ開きながら、バッグが助手
席側へと展開していく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
は記載されていないが、通常はエアバッグドアのドア基
材に、衝突時の展開中心となるドアヒンジ部を設定す
る。例えば、ドア基材の裏面側にV溝を形成すること
で、薄肉のドアヒンジ部を設定する。
【0006】このV溝の溝幅は1mm〜2mm程度とさ
れ、このためドアヒンジ部は「線」に近いヒンジとな
る。この場合、展開中心としては鋭敏な性能を示すが、
ドア展開時にドアヒンジ部の上方に位置する発泡層(ウ
レタン層)が干渉するため(即ち、弾性復元力に抗して
発泡層が圧縮されるため)、エアバッグドアの展開動作
に抵抗を与える。さらに、この展開動作に対する抵抗が
大きいと、一旦助手席側へ展開したエアバッグドアの後
部が発泡層(ウレタン層)の弾性復元力によってバッグ
を上方側へ押し上げる所謂スプリングバックが生じる可
能性がある。
【0007】従って、従来の助手席用エアバッグ装置に
よる場合、発泡層(ウレタン層)の干渉、更にはスプリ
ングバックによって、バッグの最適な展開形態を持続さ
せるのが難しく、バッグの展開性能を不安定にする要因
の一つと考えられている。
【0008】なお、上記の課題を解決するために、ドア
ヒンジ部の板厚を薄くしたり、ティアラインを追加して
ヒンジ幅を狭めかつヒンジ長を長くしたドアヒンジ部を
設定することも考えられるが、高低温環境下(特には、
寒冷環境下)におけるバッグ展開時のエアバッグドアの
飛散が懸念される。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、エアバッグド
アを飛散させることなく、バッグの展開性能を安定化さ
せることができる助手席用エアバッグドア構造を得るこ
とが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、所定値以上のバッグ膨張圧を受けることにより開裂
する基材側ティアラインを有し、当該基材側ティアライ
ンに沿って開裂した後はウインドシールドガラス側及び
助手席側の双方へ展開される樹脂製のドア基材と、この
ドア基材の表面側に離間して配置され、基材側ティアラ
インに対応して形成されかつ前記バッグ膨張圧が作用す
ることにより開裂する表皮側ティアラインを有する樹脂
製のドア表皮と、このドア表皮とドア基材との間に介在
されて両者を一体化する発泡層と、を含んで構成された
助手席用エアバッグドア構造であって、前記ドア基材に
おいて少なくとも助手席側へ展開する部分であるドア基
材後部を画定する後部側ティアラインは、略平行に形成
された一対の前後方向ティアラインと、当該一対の前後
方向ティアラインの両後端部からドア内方側へ所定寸法
だけそれぞれ延長された一対の第1ティアライン延長部
と、当該一対の第1ティアライン延長部の内端部から車
両前方側へ所定寸法だけそれぞれ延長された一対の第2
ティアライン延長部と、を有しており、さらに、前記一
対の第2ティアライン延長部に挟まれたドアヒンジ部
は、ドア基材一般部よりも薄肉に形成されたドアヒンジ
薄肉部と、当該第2ティアライン延長部に沿って狭幅に
設けられかつ当該ドアヒンジ薄肉部よりも厚肉に形成さ
れた一対のドアヒンジ厚肉部と、を有する、ことを特徴
としている。
【0011】請求項2記載の本発明に係る助手席用エア
バッグドア構造は、請求項1記載の発明において、前記
ドアヒンジ薄肉部は、前記ドア基材一般部よりもドア上
方側へオフセットされている、ことを特徴としている。
【0012】請求項3記載の本発明は、所定値以上のバ
ッグ膨張圧を受けることにより開裂する基材側ティアラ
インを有し、当該基材側ティアラインに沿って開裂した
後はウインドシールドガラス側及び助手席側の双方へ展
開する樹脂製のドア基材と、このドア基材の表面側に離
間して配置され、基材側ティアラインに対応して形成さ
れ前記バッグ膨張圧が作用することにより開裂する表皮
側ティアラインを有する樹脂製のドア表皮と、このドア
表皮とドア基材との間に介在されて両者を一体化する発
泡層と、を含んで構成された助手席用エアバッグドア構
造であって、前記ドア基材において少なくとも助手席側
へ展開する部分であるドア基材後部の展開中心となるド
アヒンジ部には、当該ドア基材後部をドア基材本体部か
ら分離させるための破断用の脆弱部が形成されており、
さらに、当該ドア基材後部におけるドアヒンジ部側とバ
ッグを収容するエアバッグケース又はエアバッグドアの
エアバッグケースへの取付用脚部とがストラップで連結
されている、ことを特徴としている。
【0013】請求項1記載の本発明によれば、衝突時に
バッグが膨張すると、その際のバッグ膨張圧がエアバッ
グドアのドア基材の裏面に作用する。かかるバッグ膨張
圧が所定値以上になると、ドア基材は基材側ティアライ
ンに沿って開裂し、発泡層を介してドア表皮にもバッグ
膨張圧が作用するため、ドア表皮も表皮側ティアライン
に沿って開裂していく。その結果、エアバッグドアは、
ウインドシールドガラス側及び助手席側の双方へ展開
し、助手席側へ向けてバッグが膨出される。
【0014】本発明の場合、ドア基材において少なくと
も助手席側へ展開する部分であるドア基材後部を画定す
る後部側ティアラインが、各々一対の前後方向ティアラ
イン、第1ティアライン延長部、第2ティアライン延長
部を有しているため、前後方向ティアライン、第1ティ
アライン延長部、第2ティアライン延長部の順に開裂し
てドア基材後部が形成され、当該ドア基材後部は一対の
第2ティアライン延長部に挟まれたドアヒンジ部を展開
中心として助手席へ展開される。
【0015】ここで、本発明では、ドアヒンジ部が第1
ティアライン延長部及び第2ティアライン延長部によっ
て帯状に形成(「線」ではなく「面」で構成)されかつ
ドア基材一般部よりも薄肉に設定されたドアヒンジ薄肉
部を有するため、柔軟なドアヒンジ部が構成される。よ
って、ドアヒンジ部はドア基材本体部から容易に分離し
てドア基材後部を助手席側へ展開させる。さらに、本発
明では、ドアヒンジ薄肉部の他に第2ティアライン延長
部に沿って狭幅なドアヒンジ厚肉部が設けられいるた
め、ドアヒンジ部のヒンジ幅(ドア幅方向のドアヒンジ
部の幅)を狭くしても、ドアヒンジ部の両側部の剛性は
確保される。従って、ドア基材が第1ティアライン延長
部に沿って開裂した際に、その開裂を第2ティアライン
延長部に確実に移行させることができる(即ち、開裂が
第2ティアライン延長部に移行せず、そのまま第1ティ
アライン延長部の延長方向へ進行してしまうのを食い止
めることができる)。よって、ドア展開時にドアヒンジ
部が破断してエアバッグドアが飛散するのを確実に防止
することができる。
【0016】上記より、本発明によれば、ドア展開時に
エアバッグドアを飛散させることなく、ドア展開時にお
ける(ドアヒンジ部の上方側に位置する)発泡層の干渉
を緩和することができ、ひいてはドア展開後のスプリン
グバックを最小限に抑えることができる。
【0017】請求項2記載の本発明によれば、ドアヒン
ジ薄肉部がドア基材一般部よりもドア上方側へオフセッ
トされているため、ドアヒンジ薄肉部の上方側に位置す
る発泡層の厚さが薄くなる。また、ドアヒンジ薄肉部が
ドア基材一般部よりもドア上方側へオフセットされてい
る分、エアバッグドアが展開する際の実質的なヒンジ長
がより長くなる。
【0018】請求項3記載の本発明によれば、衝突時に
バッグが膨張すると、その際のバッグ膨張圧がエアバッ
グドアのドア基材の裏面に作用する。かかるバッグ膨張
圧が所定値以上になると、ドア基材は基材側ティアライ
ンに沿って開裂し、発泡層を介してドア表皮にもバッグ
膨張圧が作用するため、ドア表皮も表皮側ティアライン
に沿って開裂していく。その結果、エアバッグドアは、
ウインドシールドガラス側及び助手席側の双方へ展開
し、助手席側へ向けてバッグが膨出される。
【0019】ここで本発明では、ドア基材において少な
くとも助手席側へ展開する部分であるドア基材後部の展
開中心となるドアヒンジ部に破断用の脆弱部を形成した
ので、ドア基材後部が所定値以上のバッグ膨張圧を受け
ると、脆弱部から破断してドア基材後部がドア基材本体
部から分離される。さらに本発明では、当該ドア基材後
部におけるドアヒンジ部側とバッグを収容するエアバッ
グケース又はエアバッグドアのエアバッグケースへの取
付用脚部とがストラップで連結されているため、ストラ
ップが伸びてエアバッグドアは容易に展開される。かか
るストラップは任意の材料でかつ任意の幅及び長さに設
定することが可能であるから、ドア展開時におけるドア
ヒンジ部の上方側に位置する発泡層の干渉によるスプリ
ングバックの問題を容易に回避することができる。言い
方を換えれば、請求項1、請求項2に記載された本発明
によってもスプリングバックを最小限に抑えることがで
きるが、例えばスプリングバックをゼロにしたい場合に
は、本発明は極めて有効である。
【0020】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、図1〜図
7を用いて、本発明に係る助手席用エアバッグドア構造
の第1実施形態について説明する。なお、これらの図に
おいて適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印
UPは車両上方側を示し、矢印INは車両室内側を示し
ている。
【0021】図7には、本実施形態に係るインストルメ
ントパネル10の外観が斜視図にて示されている。この
図に示されるように、インストルメントパネル10にお
ける助手席側の頂部には、所謂トップダッシュタイプの
助手席用エアバッグ装置12のエアバッグドア14が配
設されている。以下、説明の便宜上、インストルメント
パネル10におけるエアバッグドア14以外の部分を
「インパネ一般部16」と称す。
【0022】図1には、助手席用エアバッグ装置12の
縦断面構造が示されている。この図に示されるように、
助手席用エアバッグ装置12は、機能部品が収容された
装置本体部18と、通常は装置本体部18の上端開口部
を閉止し衝突時には展開する前記エアバッグドア14と
によって構成されている。
【0023】装置本体部18は、略箱体形状のエアバッ
グケース20を備えている。エアバッグケース20の下
端部には、取付用ブラケット22が配設されている。一
方、車両幅方向を長手方向として配設された高強度のイ
ンパネリインフォース24には、車両後方側へ向けて突
出するステー26が取り付けられている。そして、取付
用ブラケット22がステー26にボルト・ナット等の固
定具で固定されることにより、装置本体部18が車体側
構成部材であるインパネリインフォース24に支持され
ている。
【0024】エアバッグケース20の内部には、電気着
火式又は機械着火式の略円柱形状のインフレータ28が
収容されている。インフレータ28の内部には、着火
剤、伝火剤、ガス発生剤、フィルタ、クーラント等が収
容されている。また、インフレータ28の周囲には、車
両急減速時に膨張するバッグ30(図5参照)が折り畳
み状態で配設されている。
【0025】インパネ一般部16は、以下に説明する如
く、三層構造とされている。すなわち、インパネ一般部
16は、車両室内側〔ウインドシールドガラス56(図
5参照)側〕に配置された樹脂製〔例えば、PVC(塩
ビ)、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマ)、ウ
レタン等の軟質樹脂製〕のインパネ表皮32と、このイ
ンパネ表皮32と離間して配置された樹脂製〔PP(ポ
リプロピレン)、PPO(ポリフェニレンオキサイ
ド)、PA(ポリアミド)等の硬質樹脂製〕のインパネ
基材34と、これらのインパネ表皮32とインパネ基材
34との間に充填されたウレタン等のインパネ発泡層3
6とによって構成されている。なお、インパネ基材34
の所定部位には、後述するエアバッグドア14のドア基
材44が配置されると共に車両急減速時にバッグ30を
膨出させるための開口38が形成されている。なお、開
口38の周縁部には、段差部40が一体に形成されてい
る。
【0026】一方、前記開口38を閉止するエアバッグ
ドア14も、インパネ一般部16と同様の三層構造とさ
れており、ドア表皮42とドア基材44と両者の間に充
填されて当該両者を一体化するドア発泡層46とによっ
て構成されている。このエアバッグドア14は、後述す
る表皮側ティアライン52及び基材側ティアライン66
によって、図5に示される如く、衝突時にウインドシー
ルドガラス56側へ展開するドア前部48と、助手席側
へ展開するドア後部50とに実質的に区分されており、
所謂両開きタイプのエアバッグドアを構成している。
【0027】図6に示されるように、ドア表皮42に形
成された表皮側ティアライン(表皮開裂部)52は略矩
形の枠状に形成されており、エアバッグドア14のドア
後部50に対応するティアラインとして設けられてい
る。なお、ドア後部50はバッグ30の膨出側となるた
め、図5に示される如く、衝突時にドア後部50を大き
く展開させる必要があり、そのためには積極的なティア
ラインが必要となるが、ドア前部48については、ティ
アラインを設定すると意匠性を損なう可能性があること
や、ウインドシールドガラス56側へ展開することもあ
ってバッグ30の助手席側への膨出を阻害しない程度に
展開すればよいことから、本実施形態では、ドア前部4
8専用のティアラインは設定していない。但し、ドア前
部48専用のティアラインを設定したとしても、一向に
差し支えない。
【0028】また、本実施形態では、図1に示される如
く、インパネ表皮32の端末部32Aとドア表皮42の
端末部42Aとを重ね合わせて先端部をカットすること
により、表皮側ティアライン52を構成しているが、必
ずしもこの構成に拠る必要はなく、他の表皮側ティアラ
イン(表皮開裂部)の構成を採ってもよい。
【0029】一方、ドア基材44は、略平板状に形成さ
れたドア基材本体部58と、このドア基材本体部58の
裏面から略垂直に延出された取付用脚部60とによって
構成されている。取付用脚部60の先端側には矩形状の
係合孔62が複数個形成されており、これに対応してエ
アバッグケース20の側壁には略J字状のフック64が
複数個固着されている。これらのフック64に係合孔6
2が係合されることにより、エアバッグドア14がエア
バッグケース20に取り付けられている。エアバッグド
ア14がエアバッグケース20に取り付けられた状態で
は、ドア基材本体部58の周縁部58Aがインパネ基材
34の段差部40に係止されるようになっている。
【0030】また、ドア基材本体部58には基材側ティ
アライン66が設定されている。図4には実線で又図6
には破線でそれぞれ示されるように、基材側ティアライ
ン66は、平面視で略コ字形に形成されてドア基材後部
68を画定する後側ティアライン72と、略ハ字形に形
成されてドア基材前部70を画定する前側ティアライン
74とによって構成されている。後側ティアライン72
は、前述した表皮側ティアライン52に略重合するよう
に形成されている(図6参照)。
【0031】より具体的に説明すると、後側ティアライ
ン72は、ドア基材幅方向に沿って形成された幅方向テ
ィアライン72Aと、当該幅方向ティアライン72Aの
両端部から緩やかにカーブを描いてドア前後方向に沿っ
て略平行に形成された一対の前後方向ティアライン72
Bと、当該一対の前後方向ティアライン72Bの両後端
部からドア内方側へ所定寸法だけそれぞれ延長された一
対の第1ティアライン延長部72Cと、当該一対の第1
ティアライン延長部72Cの内端部から更に車両前方側
へ所定寸法だけそれぞれ延長された一対の第2ティアラ
イン延長部72Dとによって構成されている。前側ティ
アライン74は、後側ティアライン72における幅方向
ティアライン72Aの両端側を起点として形成されてい
る。
【0032】また、図1に示される如く、ドア基材一般
部68Aにおける幅方向ティアライン72Aの両側に
は、当該幅方向ティアライン72Aに沿ってドア上方側
へ突出する一対の凸条76が一体に形成されている。従
って、凸条76が形成された部分のドア発泡層46の厚
さは、ドア基材一般部68A側のドア発泡層46の厚さ
よりも薄くなっており、これら一対の凸条76の間に表
皮側ティアライン52の前側部分が位置されることで衝
突時に迅速に破断するように構成されている。
【0033】上述したドア基材44の裏面側の所定位置
(各取付用脚部60の根元隣接位置)には凹溝78、8
0がそれぞれ形成されており、これらの凹溝78、80
が形成されたことによりその部分の肉厚が薄肉化され、
これにより衝突時にドア基材前部70の展開中心となる
前側ドアヒンジ部82及びドア基材後部68の展開中心
となる後側ドアヒンジ部84がそれぞれ形成されてい
る。なお、後側ドアヒンジ部84の板厚は前側ドアヒン
ジ部82の板厚よりも薄く設定されている。
【0034】ここで、本実施形態では、後側ドアヒンジ
部84の構成に特徴があり、以下に詳細に説明する。
【0035】まず、形成範囲についてであるが、後側ド
アヒンジ部84は、上述した一対の第2ティアライン延
長部72Dによって挟まれた範囲(図4に破線の斜線を
付した部分)に形成されている。
【0036】次に、構造についてであるが、後側ドアヒ
ンジ部84は、図1〜図3(特には、図3)に示される
ように、板厚b1がドア基材一般部68Aの板厚Tより
も薄いドアヒンジ薄肉部84Aと、その両サイドに設け
られかつ板厚b2がドアヒンジ薄肉部84Aの板厚b1
よりも厚いドアヒンジ厚肉部84Bとの複合体として構
成されている(図3(A)参照)。なお、ドアヒンジ厚
肉部84Bの板厚b2はドアヒンジ薄肉部84Aの板厚
よりも厚いことが必要であるが、どの程度の厚さに設定
するかは、ドア基材後部68の展開容易性も考慮して決
定される。また、後側ドアヒンジ部84と取付用脚部6
0との接続部位の内側には所定曲率半径のR形状部83
が形成されており、更に外側には肉盗み部85が設けら
れており、両者相俟って展開時の破断防止を図ってい
る。
【0037】次に、形状についてであるが、ドアヒンジ
薄肉部84Aは平面形状がヒンジ幅c、ヒンジ長aの幅
広な矩形(帯状)とされており、ドアヒンジ厚肉部84
Bはヒンジ幅d(d’)、ヒンジ長aで第2ティアライ
ン延長部72Dに沿った狭幅な矩形とされている(図3
(B)参照)。なお、本実施形態では、右側のドアヒン
ジ厚肉部84Bのヒンジ幅dと左側のドアヒンジ厚肉部
84Bのヒンジ幅d’とを等しく設定しかつ厚さも同一
に設定しているが、ガス噴出口の位置が片寄っているハ
イブリッドインフレータを使用する場合には、当該イン
フレータのガス噴出口に近い方の左側のドアヒンジ厚肉
部84Bの板厚をより厚くするのが好ましい。
【0038】次に、機能についてであるが、実際にヒン
ジ機能を発揮するのはドアヒンジ薄肉部84Aであり、
ドアヒンジ厚肉部84Bは第1ティアライン延長部72
Cの開裂がドアヒンジ薄肉部84Aに及んで当該ドアヒ
ンジ薄肉部84Aが破断するのを防止するストッパとし
て機能する。なお、本実施形態では、ドアヒンジ厚肉部
84Bを第2ティアライン延長部72Dに沿う位置にの
み設定したが、ドアヒンジ薄肉部84Aの幅方向中間部
付近に別の短めなドアヒンジ厚肉部84Cを追加しても
よい。この場合、ドア展開時に、左側のドアヒンジ厚肉
部84B(d’側)が存在するにも拘わらず、これを乗
り越えてクラックHが入った場合に、当該クラックHの
進行を食い止める働きをする。また、ヒンジ長aは、第
2ティアライン延長部72Dの延長長さeと同じに設定
されているのが理想であるが、これよりも大きくても差
し支えないし、或いは小さくても差し支えない。但し、
延長長さeがヒンジ長aよりも短い場合には、ヒンジ長
aの実質的寸法は減少してeになる。
【0039】さらに、図3(A)及び図2に示されるよ
うに、上述したドアヒンジ薄肉部84Aは、ドア基材一
般部68Aよりもドア上方側へオフセット(突出)され
ている。具体的には、ドアヒンジ薄肉部84Aは、ドア
基材一般部68Aから斜め上方へ延出された傾斜部84
A1と、この傾斜部84A1からドア基材一般部68A
に沿って略車両後方側へ平行に延設されたストレート部
84A2とによって構成されている。なお、傾斜部84
A1は広義にはドア展開時に伸長してヒンジ長を長くす
る「ヒンジ伸長部」として把握される要素であり、スト
レート部84A2はドア展開時に伸長せずにそのヒンジ
長を維持する「ヒンジ長維持部」として把握される要素
である。
【0040】次に、本実施形態の作用並びに効果を説明
する。
【0041】衝突時(車両急減速時)になると、図示し
ないエアバッグセンサがこれを感知して、インフレータ
28を作動させる。これにより、インフレータ28から
大量のガスが発生し、折り畳み状態のバッグ30内へ流
入される。従って、バッグ30が膨張し、その際のバッ
グ膨張圧がエアバッグドア14のドア基材44の裏面に
作用する。かかるバッグ膨張圧が所定値以上になると、
ドア基材44は、基材側ティアライン66に沿って幅方
向ティアライン72A、前後方向ティアライン72B、
第1ティアライン延長部72C、第2ティアライン延長
部72Dの順に開裂していく。ドア基材44が基材側テ
ィアライン66に沿って開裂していくと、その際のバッ
グ膨張圧(押圧力)がドア発泡層46を介してドア表皮
42にも作用するため、ドア表皮42も枠状の表皮側テ
ィアライン52に沿って開裂していく。これにより、エ
アバッグドア14は、ドア前部48にあってはウインド
シールドガラス56側へ展開し、ドア後部50にあって
は助手席側へ大きく展開される。その結果、バッグ30
が助手席側へ向けて膨出される。バッグ30の膨張が完
了した状態では、図5に実線で示されるように、バッグ
30は助手席に着座する乗員の頭部から腹部・腰部まで
の範囲をカバーするように下方展開し、乗員を保護す
る。
【0042】ところで、本実施形態では、ドア基材後部
68を画定する後側ティアライン72が、幅方向ティア
ライン72A、前後方向ティアライン72B、第1ティ
アライン延長部72C、第2ティアライン延長部72D
の四種類の要素によって構成されているため、開裂する
際にはこの順に開裂してドア基材後部68が形成され
る。そして、当該ドア基材後部68は、一対の第2ティ
アライン延長部72Dに挟まれた後側ドアヒンジ部84
を展開中心として助手席へ展開される。
【0043】ここで、本実施形態では、後側ドアヒンジ
部84が第1ティアライン延長部72C及び第2ティア
ライン延長部72Dによって帯状に形成(「線」ではな
く「面」で構成)されかつドア基材一般部68Aよりも
薄肉に設定されたドアヒンジ薄肉部84Aを有するた
め、柔軟なドアヒンジ部が構成される。よって、後側ド
アヒンジ部84はドア基材本体部58から容易に分離し
てドア基材後部68を助手席側へ展開させる。さらに、
本実施形態では、ドアヒンジ薄肉部84Aの他に第2テ
ィアライン延長部72Dに沿って狭幅なドアヒンジ厚肉
部84が設けられいるため、後側ドアヒンジ部84のヒ
ンジ幅(ドア幅方向のドアヒンジ部の幅)を狭くして
も、後側ドアヒンジ部84の両側部の剛性は確保され
る。従って、ドア基材44が第1ティアライン延長部7
2Cに沿って開裂した際に、その開裂を第2ティアライ
ン延長部72Dに確実に移行させることができる(即
ち、開裂が第2ティアライン延長部72Dに移行せず、
そのまま第1ティアライン延長部72Cの延長方向へ進
行してしまうのを食い止めることができる)。よって、
ドア展開時に後側ドアヒンジ部84が破断してエアバッ
グドア14が飛散するのを確実に防止することができ
る。
【0044】上記より、本実施形態によれば、ドア展開
時にエアバッグドア14を飛散させることなく、ドア展
開時における(後側ドアヒンジ部84の上方側に位置す
る)ドア発泡層46の圧縮による干渉を緩和することが
でき、ひいてはドア展開後のスプリングバック(即ち、
膨張したバッグ30がドア後部50の弾性復元力によっ
て図5の実線図示位置から二点鎖線図示位置へ向けて押
し上げられること)を最小限に抑えることができる。そ
の結果、本実施形態によれば、エアバッグドア14を飛
散させることなく、バッグ30の展開性能を安定化させ
る(バッグ30を最適な形態で展開させる)ことができ
る。
【0045】さらに、本実施形態によれば、図1に示さ
れる如く、ドアヒンジ薄肉部84Aがドア基材一般部6
8Aよりもドア上方側へオフセットされているため、ド
アヒンジ薄肉部84Aの上方側に位置するドア発泡層4
6の厚さt1がドア基材一般部68Aの上方側に位置す
るドア発泡層46の厚さt2よりも薄くなる。また、ド
アヒンジ薄肉部84Aがドア基材一般部68Aよりもド
ア上方側へオフセットされている分、エアバッグドア1
4が展開する際の実質的なヒンジ長がより長くなる。つ
まり、ドアヒンジ薄肉部84Aが図2の二点鎖線図示状
態から実線図示状態になる際に、傾斜部84A1が伸長
して、ドアヒンジ薄肉部84Aのヒンジ長a(図3
(B)参照)を長くする役割を果たす。その結果、本実
施形態によれば、よりスムーズにエアバッグドア14を
展開させることができる。
【0046】〔第2実施形態〕以下、図8及び図9を用
いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、
上述した第1実施形態と同一構成部分については、同一
番号を付してその説明を省略する。
【0047】これらの図に示されるように、本実施形態
においても、エアバッグドア14のドア基材44の裏面
側には、ドア基材後部68を画定する後側ティアライン
90と、ドア基材前部70を画定する前側ティアライン
74とから成る基材側ティアライン92が形成されてい
る点で、上述した第1実施形態と共通している。
【0048】但し、本実施形態では、後側ティアライン
90が幅方向前側ティアライン90A、一対の前後方向
ティアライン90B、幅方向後側ティアライン90Cか
ら成る枠状に形成されている点で、上述した第1実施形
態の後側ティアライン72とは相違している。つまり、
本実施形態では、前述した第1実施形態においては後側
ドアヒンジ部84とされていた部分に、「脆弱部」とし
ての凹溝94(図9参照)が形成されており、幅方向後
側ティアライン90Cとして機能するようになってい
る。
【0049】さらに、本実施形態では、ドア基材後部6
8の表面側でかつ幅方向後側ティアライン90Cの若干
前側となる位置に、直線状のストラップ収容溝96が形
成されている。このストラップ収容溝96の長手方向の
両端部にはドア基材44の板厚方向に貫通する図示しな
いストラップ挿通孔が形成されており、更にエアバッグ
ドア14の取付用脚部60の側壁部60Aには、別のス
トラップ挿通孔100が形成されている。そして、スト
ラップ収容溝96内に紐状(帯状でもよい)のストラッ
プ102が通されて、更にその両端部のストラップ挿通
孔からドア基材後部68の裏面側へ引出された後、取付
用脚部60側のストラップ挿通孔100から装置外へ引
出されて固結びされている。
【0050】かかるストラップ102によって、ドア基
材後部68と取付用脚部60とが連結されている。な
お、前述した第1実施形態において説明したが、エアバ
ッグドア14は、この取付用脚部60に形成された係合
孔62にエアバッグケース20側のフック64が係合さ
れることにより、エアバッグケース20に取り付けられ
ているため、結果的にはドア基材後部68のドアヒンジ
部側がエアバッグケース20に支持されていることにな
る。また、ストラップ収容溝96にはストラップ102
を挿通させた後に、図示しない蓋が被嵌されるようにな
っている。
【0051】上記構成によれば、衝突時になると、バッ
グ30が膨張してエアバッグドア14のドア基材44の
裏面にバッグ膨張圧が作用する。このバッグ膨張圧が所
定値以上になると、エアバッグドア14のドア後部50
は、幅方向前側ティアライン90A、一対の前後方向テ
ィアライン90Bだけでなく、幅方向後側ティアライン
90Cからも破断される。しかし、ドア基材後部68と
取付用脚部60とはストラップ102で連結されている
ため、ストラップ102が伸びて、エアバッグドア14
のドア後部50は図9(B)に示される如く容易に破断
して展開していく。また、前記の如く、ドア基材後部6
8と取付用脚部60とはストラップ102で連結されて
いるため、ドア後部50が飛散することもない。
【0052】のみならず、ストラップ102は任意の材
料でかつ任意の幅及び長さに設定することが可能である
から、ドア展開時におけるドアヒンジ部の上方側に位置
するドア発泡層46の干渉によるスプリングバックの問
題を容易に回避することができる。その結果、本実施形
態によれば、バッグ30の展開性能を安定化させる(バ
ッグ30を最適な形態で展開させる)ことができる。
【0053】なお、上記第2実施形態では、ストラップ
102の各端部を単独で取付用脚部60の外側にて各々
固結びした(結び目を設けた)が、両端部を取付用脚部
60の外側で固結びしてもよいし、ストラップ102の
通し方を変えて取付用脚部60の内側でストラップ10
2を結んでもよく、確実な連結状態が得られるのであれ
ば、ストラップ102の通し方・結び方は任意である。
さらに、ストラップ102をエアバッグケース20に直
接結んでもよい。
【0054】また、上記第2実施形態では、脆弱部とし
て凹溝94を形成したが、必ずしも凹溝94を形成する
必要はなく、強度を意図的に低下させることができて脆
弱部として機能する構成であれば、すべて適用可能であ
る。
【0055】さらに、上記第1実施形態及び第2実施形
態では、ドア基材後部68の後側ドアヒンジ部84に対
してのみ本発明を適用したが、ドア基材前部70の前側
ドアヒンジ部82に対しても本発明を適用してもよい。
【0056】〔開示例〕以下、図10乃至図12を用い
て、開示例について説明する。なお、この開示例は、本
発明の実施形態という位置付けではなく、技術の公開の
みを目的とするものである。
【0057】この開示例では、図10に示される如く、
PVC、TPU等の樹脂材料によって構成されたインパ
ネ表皮110に平面形状が枠状でかつ断面形状がロング
U形状とされた表皮側ティアライン(表皮開裂部)11
2が形成されており、かかるロングU断面形状の表皮側
ティアライン112の前側部分112Aの両サイドに三
角形状の一対のノッチ116を形成した点に特徴があ
る。このノッチ116が形成される部位は、前述した第
1実施形態及び第2実施形態における前側ティアライン
74の根元付近、つまり前側ティアライン74の後側テ
ィアライン72、90への接続部位とされている。
【0058】図11はノッチ116を拡大したものであ
るが、ノッチ116の開き角度θ、高さh、頂角部分の
曲率半径等は、任意に設定される。また、ノッチ116
は、インパネ表皮110を製造する際の型構造を工夫す
ることにより形成されているが、必ずしも型でノッチ1
16を形成する必要はなく、ナイフ等で予め切れ目を入
れておいてもよい。
【0059】上記の如く表皮側ティアライン112の前
側部分114Aに予めノッチ116を入れておくと、図
12に示される如く、ドア基材の前側ティアラインに沿
ってドア基材ひいてはドア前部がウインドシールドガラ
ス側へ展開する際に、ノッチ116の形成部位が破断起
点となり、ドア前部が展開しやすくなると共にドア前部
の展開状態を安定化させることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明に係る助手席用エアバッグドア構造は、少なくとも
ドア基材後部を画定する後部側ティアラインにおける一
対の前後方向ティアラインの他に、当該前後方向ティア
ラインの後端部からドア内方側へ延びる第1ティアライ
ン延長部及び当該第1ティアライン延長部の内端部から
車両前方側へ延びる第2ティアライン延長部を設け、さ
らに、ドア基材一般部よりも薄肉に形成されたドアヒン
ジ薄肉部と、当該第2ティアライン延長部に沿って狭幅
に設けられかつ当該ドアヒンジ薄肉部よりも厚肉に形成
された一対のドアヒンジ厚肉部とを含んでドアヒンジ部
を構成したので、ドア展開時における(ドアヒンジ部の
上方側に位置する)発泡層の干渉を緩和してドア展開後
のスプリングバックを最小限に抑えることができ、その
結果、エアバッグドアを飛散させることなく、バッグの
展開性能を安定化させる(バッグを最適な形態で展開さ
せる)ことができるという優れた効果を有する。
【0061】請求項2記載の本発明に係る助手席用エア
バッグドア構造は、請求項1に記載の発明において、ド
アヒンジ薄肉部をドア基材一般部よりもドア上方側へオ
フセットさせたので、ドアヒンジ薄肉部の上方側の発泡
層の厚さが薄くなると共にドアヒンジ部の実質的なヒン
ジ長がより長くなり、その結果、よりスムーズにエアバ
ッグドアを展開させることができるという優れた効果を
有する。
【0062】請求項3記載の本発明に係る助手席用エア
バッグドア構造は、少なくともドア基材後部の展開中心
となるドアヒンジ部に、当該ドア基材後部をドア基材本
体部から分離させるための破断用の脆弱部を形成すると
共に、当該ドア基材後部におけるドアヒンジ部側とバッ
グを収容するエアバッグケース又はエアバッグドアのエ
アバッグケースへの取付用脚部とをストラップで連結し
たので、ストラップの材料、幅、長さ等を任意に設定す
ることによりドア展開時におけるスプリングバックの問
題を容易に回避することができ、その結果、エアバッグ
ドアを飛散させることなく、バッグの展開性能を安定化
させる(バッグを最適な形態で展開させる)ことができ
るという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る助手席用エアバッグドア構
造を示す図7の1−1線に沿う拡大縦断面図である。
【図2】図1に示される2線矢視部(後側ドアヒンジ
部)の拡大断面図である。
【図3】(A)は後側ドアヒンジ部のドア基材部分のみ
を抽出した拡大断面図であり、(B)は当該後側ドアヒ
ンジ部を構成するドアヒンジ薄肉部及びドアヒンジ厚肉
部の形成範囲、寸法等を説明するための裏面図である。
【図4】後側ドアヒンジ部の形成範囲を基材側ティアラ
インとの関係で示す概略平面図である。
【図5】第1実施形態に係る助手席用エアバッグ装置が
もたらす効果(スプリングバックの抑制)を説明するた
めの概略側面図である。
【図6】インストルメントパネルの助手席用エアバッグ
ドアの表皮側ティアライン及び基材側ティアラインを示
す概略平面図である。
【図7】インストルメントパネルの外観斜視図である。
【図8】第2実施形態に係るドア基材を示す全体斜視図
である。
【図9】(A)及び(B)はドア後部の破断前後の状態
を示す図8の9−9線に沿う拡大縦断面図である。
【図10】表皮側ティアラインを改良した開示例を示す
インストルメントパネルの要部概略斜視図である。
【図11】図10に示されるノッチの拡大図である。
【図12】図10に示されるインストルメントパネルの
表皮が開裂して展開した状態を示す要部概略斜視図であ
る。
【図13】従来例に係る助手席用エアバッグ装置の縦断
面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 12 助手席用エアバッグ装置 14 エアバッグドア 20 エアバッグケース 30 バッグ 42 ドア表皮 44 ドア基材 46 ドア発泡層 52 表皮側ティアライン 56 ウインドシールドガラス 58 ドア基材本体部 60 取付用脚部 66 基材側ティアライン 68 ドア基材後部 68A ドア基材一般部 72 後側ティアライン 72B 前後方向ティアライン 72C 第1ティアライン延長部 72D 第2ティアライン延長部 84 後側ドアヒンジ部 84A ドアヒンジ薄肉部 84B ドアヒンジ厚肉部 90 後側ティアライン 92 基材側ティアライン 94 凹溝(脆弱部) 102 ストラップ
フロントページの続き (72)発明者 金子 研二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 根木 陽子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA01 BA07 BA11 BA14 BB01 BC03 BC07 BC13 BC15 BC21 BC30 3D054 AA03 AA07 AA14 BB09 BB10 BB16 BB23 BB24 DD13 DD24 DD28 EE14 FF04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定値以上のバッグ膨張圧を受けること
    により開裂する基材側ティアラインを有し、当該基材側
    ティアラインに沿って開裂した後はウインドシールドガ
    ラス側及び助手席側の双方へ展開される樹脂製のドア基
    材と、 このドア基材の表面側に離間して配置され、基材側ティ
    アラインに対応して形成されかつ前記バッグ膨張圧が作
    用することにより開裂する表皮側ティアラインを有する
    樹脂製のドア表皮と、 このドア表皮とドア基材との間に介在されて両者を一体
    化する発泡層と、 を含んで構成された助手席用エアバッグドア構造であっ
    て、 前記ドア基材において少なくとも助手席側へ展開する部
    分であるドア基材後部を画定する後部側ティアライン
    は、略平行に形成された一対の前後方向ティアライン
    と、当該一対の前後方向ティアラインの両後端部からド
    ア内方側へ所定寸法だけそれぞれ延長された一対の第1
    ティアライン延長部と、当該一対の第1ティアライン延
    長部の内端部から車両前方側へ所定寸法だけそれぞれ延
    長された一対の第2ティアライン延長部と、を有してお
    り、 さらに、前記一対の第2ティアライン延長部に挟まれた
    ドアヒンジ部は、ドア基材一般部よりも薄肉に形成され
    たドアヒンジ薄肉部と、当該第2ティアライン延長部に
    沿って狭幅に設けられかつ当該ドアヒンジ薄肉部よりも
    厚肉に形成された一対のドアヒンジ厚肉部と、を有す
    る、 ことを特徴とする助手席用エアバッグドア構造。
  2. 【請求項2】 前記ドアヒンジ薄肉部は、前記ドア基材
    一般部よりもドア上方側へオフセットされている、 ことを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ
    ドア構造。
  3. 【請求項3】 所定値以上のバッグ膨張圧を受けること
    により開裂する基材側ティアラインを有し、当該基材側
    ティアラインに沿って開裂した後はウインドシールドガ
    ラス側及び助手席側の双方へ展開する樹脂製のドア基材
    と、 このドア基材の表面側に離間して配置され、基材側ティ
    アラインに対応して形成され前記バッグ膨張圧が作用す
    ることにより開裂する表皮側ティアラインを有する樹脂
    製のドア表皮と、 このドア表皮とドア基材との間に介在されて両者を一体
    化する発泡層と、 を含んで構成された助手席用エアバッグドア構造であっ
    て、 前記ドア基材において少なくとも助手席側へ展開する部
    分であるドア基材後部の展開中心となるドアヒンジ部に
    は、当該ドア基材後部をドア基材本体部から分離させる
    ための破断用の脆弱部が形成されており、 さらに、当該ドア基材後部におけるドアヒンジ部側とバ
    ッグを収容するエアバッグケース又はエアバッグドアの
    エアバッグケースへの取付用脚部とがストラップで連結
    されている、 ことを特徴とする助手席用エアバッグドア構造。
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