JP4093847B2 - エアバッグ装置のカバー体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置のカバー体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車の内装パネルであるインストルメントパネル(以下、インパネという)の内側すなわち裏面側に配置される助手席乗員用のエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、箱状のリテーナ内に、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを膨張させるインフレータとを収納している。また、リテーナ上側の開口部は、インパネに沿って取り付けられるカバー体により覆われている。さらに、このカバー体には、平面略C字状などの破断可能なテアラインが形成され、このテアラインに囲まれた部分が扉予定部として区画形成されている。そして、このエアバッグの下部は、インパネの内側に配置されたリインフォースに固定され、リテーナの上部は、カバー体の裏面側に一体に形成された支持体としての取付片に係止されている。そして、自動車の衝突時には、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、このエアバッグの膨張の圧力によりテアラインを破断し、テアラインを形成していない部分をヒンジとしてカバー体を扉状に展開させて突出口を形成し、この突出口からエアバッグを膨張させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
【0003】
この点、例えばカバー体をインパネと一体に形成し、すなわち、インパネの裏面側に前後一対の取付片を形成するとともに、これら取付片の裏面側に溝状のテアラインを形成した、いわゆるシームレスインストルメントパネル(以下、シームレスインパネという)が知られている。
【0004】
そして、この種のシームレスインパネは、テアラインが閉ループ状に形成されているとともに、扉予定部の裏面に扉補強部としての裏当部材が配置され、この裏当部材は、テアラインの内側に位置した取付片にそれぞれ固着されて断面T字状のヒンジ部を形成している。そして、エアバッグ装置の作動時には、エアバッグの膨張の圧力により裏当部材を介して扉予定部の全面が押し上げられ、テアラインの破断により、扉予定部がインパネの他の部分から切り離されて突出口を形成する。さらに、切り離された扉予定部は、ヒンジ部を支点として展開し、外側に展開するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、他のシームレスインパネは、テアラインが閉ループ状に形成されているとともに、このテアラインを越えて支持体としての裏当部材が配置され、テアラインの内側に位置した扉予定部およびテアラインの外側に位置した取付片にそれぞれ固着されている。さらに、裏当部材のテアラインに対応する部分である取付片の内側には、インパネから離間される方向である下方に膨出した弧状のヒンジ部が設けられている。そして、エアバッグ装置の作動時には、エアバッグの膨張の圧力により裏当部材を介して扉予定部の全面が押し上げられ、テアラインの破断により、扉予定部がインパネの他の部分から切り離されて突出口を形成する。さらに、切り離された扉予定部は、ヒンジ部を介して外側に展開するようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−267708号公報(第3−4頁、図2)
【0007】
【特許文献2】
特表2002−507172号公報(第3頁、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、エアバッグの膨出用通路となる突出口は、特許文献1に記載されているように、インパネにおけるリテーナの開口部に対向した部分全体に設定することが好ましい。
【0009】
しかしながら、この場合には、ヒンジ部が取付片と裏当部材との交点に形成されるので、扉予定部がヒンジ部を介して外側に展開する際のヒンジ部の曲げに対して不利となる。
【0010】
このため、例えば超低温条件でもヒンジ部の動作に充分な余裕があるように、リテーナの開口部よりも内側に位置した特許文献2に記載のヒンジ部の構造が考えられる。
【0011】
しかしながら、この場合には、突出口が狭まり、取付片の内周である扉予定部の外周とリテーナの開口部との間に、開裂しない非展開部としての額縁部が形成され、この額縁部をエアバッグの展開時に強固に固定する必要があり、厳重な補強構造と適切な材料選択が必要になるという問題を生じる。
【0012】
また、エアバッグの突破口をより確実に形成するために、テアラインの外側のインパネである周壁の外側の非展開部の強化も望まれている。ここで、特許文献1には、図6および図9に示すように、金属製の枠板およびボルトなどによる非展開部の強化について記載されているが、部品点数および重量が増加し、コストを低減することが容易でない。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、所望の特性を確保できるエアバッグ装置のカバー体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体は、折畳んで収納されたエアバッグを覆うとともに、このエアバッグの膨張時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバー体であって、表皮体と、この表皮体の前記エアバッグ側である裏面側に配置される支持体とを具備し、前記表皮体は、前記エアバッグに対向する扉予定部と、この扉予定部を囲む非展開部と、これら扉予定部および非展開部を閉ループ状に区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断する破断部とを備え、前記支持体は、前記扉予定部に固着される扉補強部と、前記破断部よりも前記扉予定部側に位置して設けられた支持部と、前記扉補強部よりも薄肉に形成されこの扉補強部および前記支持部を連結する変形可能なヒンジ部と、前記非展開部に固着された固定部と、この固定部と前記支持部との間に傾斜状に位置し、これら固定部と支持部とを連結する連結体と、前記支持部および前記固定部の間に前記破断部に対向して設けられ前記破断部が破断して前記扉予定部が扉補強部とともに展開する際に前記破断部の破断により形成された前記扉予定部の端縁部を収容可能なポケット部とを備え、前記扉補強部、前記支持部、前記ヒンジ部、前記固定部および前記連結体が、樹脂により一体に成形され、前記支持部は、前記表皮体に対向した位置に前記破断部が破断して前記扉予定部が前記補強部とともに展開する際の支点となる支点部を有したものである。
【0015】
そして、傾斜状の連結体を介して支持部と連結されて樹脂により一体成形された固定部を非展開部に固着することにより、エアバッグの膨張時に非展開部に加わる力を連結体により支持部へと逃がして非展開部が強固に保持されるとともに、固定部と支持部との間に、破断部が破断して扉予定部が扉補強部とともに展開する際に破断部の破断により形成された扉予定部の端縁部を収容可能なポケット部を設けることにより、エアバッグの膨張の際に扉予定部の端縁部がポケット部に収容され、扉予定部および扉補強部が容易に安定して展開する所望の特性が確保され、かつ、支持部の表皮体に対向した位置に、破断部が破断して扉予定部が扉補強部とともに展開する際の支点となる支点部を設けることにより、エアバッグの膨張時に、エアバッグの膨張の圧力により扉予定部が押されると支点部を支点として破断部に確実に力が加わるので、破断部が確実に破断する。
【0016】
請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体において、表皮体は、自動車の内装パネルを構成するものである。
【0017】
そして、表皮体にて自動車の内装パネルを構成することにより、エアバッグの突出口を安定して形成する所望の特性が容易に確保される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエアバッグ装置のカバー体の一実施の形態の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
【0019】
図1ないし図6において、1は自動車のインストルメントパネル部(以下、インパネ部1という)で、このインパネ部1は、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり設けられ、このインパネ部1の上方には、フロントウィンドウガラス2が位置している。
【0020】
そして、このインパネ部1の内部には、助手席の乗員に対向して、エアバッグ装置3が設置されている。このエアバッグ装置3は、リテーナとも呼ばれるケース体5と、このケース体5の下部のリアクションキャニスタ6内に収納されたインフレータ7と、ケース体5の上部のエアバッグ収納部8に折り畳んで収納されたエアバッグ9と、このエアバッグ収納部8の開口部10を覆うカバー体11とを備えている。そして、このエアバッグ装置3は、ケース体5のリアクションキャニスタ6をブラケット14を介して自動車の車体の一部であるリインフォース15に固定して取り付けられている。また、エアバッグ収納部8とリアクションキャニスタ6との間は、上下に連通するガス噴出口16aを設けたミッドリテーナ16で区画されている。さらに、エアバッグ収納部8の前面および後面には、断面略C字状などのフック18が取り付けられている。なお、本実施の形態では、インフレータ7は燃焼タイプ(パイロタイプ)であるが、ガスを圧縮して貯留するタイプなど、他種のインフレータを用いることもできる。
【0021】
そして、カバー体11は、いわゆる継ぎ目なしインストルメントパネル、すなわちシームレスインストルメントパネル(以下、シームレスインパネという)を構成する表皮体としてのパネル体21と、このパネル体21の下面である裏面に取り付けられた支持体としての裏当部材であるバッキング部材22とを備えている。
【0022】
パネル体21は、インパネ部1の表面側を一体的に覆い、すなわち、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり設けられている。このパネル体21は、例えばタルクなどの添加剤を加えた硬質ポリプロピレン樹脂などによる射出成形品である。
【0023】
さらに、パネル体21の裏面側には、ケース体5のエアバッグ収納部8の開口部10に略対向して、破断部としての第1のテアライン24が閉ループ状である四角形枠状に形成されている。また、この第1のテアライン24の前後方向の中央部には、両側方向に伸びる第2のテアライン24aが形成されており、これら各テアライン24,24aにより非展開部25に囲まれた平面長方形状の前後一対の扉予定部26,26が区画形成されている。ここで、これら各テアライン24,24aは、テア溝、破断予定線、開裂予定薄肉溝などとも呼ばれる破断可能な弱部であり、金型にて射出成形時に形成、あるいは射出成形後にフライス刃などの回転刃、あるいはレーザカッタなどにより彫刻して形成する。
【0024】
またさらに、第1のテアライン24は、図2および図3に示すように、直線状に形成された2対の対向する4辺の直線部27と、これら直線部27同士を連結する単純な円弧状のコーナ部28とにより長方形状に形成されている。
【0025】
そして、上記各テアライン24,24aの断面は、図1および図2に示すように上方に向けて鋭角状に形成された略三角形状となっており、パネル体21の表面からこれら各テアライン24,24aの上端部までの厚さ寸法、いわゆるテア厚は、0.3〜1.5mm、好ましくは0.6〜0.7mmに形成されている。
【0026】
一方、バッキング部材22は、例えばTPO樹脂(サーモプラスチックオレフィン)などのパネル体21を構成する樹脂よりも軟質の軟質樹脂製で、扉予定部26,26よりも大きい平面形状を有し、第1のテアライン24の内側および外側に固着され、すなわち、パネル体21の裏面の扉予定部26,26およびこれら扉予定部26の周囲の非展開部25に結合されている。
【0027】
そして、このバッキング部材22は、扉予定部26,26と略等しい平面形状を有する略平板状の基板部31、この基板部31の面に沿った方向である面方向に対して交差する方向、すなわち下方に延設された支持部としての連結片である四角筒状の交差壁部32、基板部31および交差壁部32を連結する弾性変形可能なヒンジ部33、交差壁部32の非展開部25側に連結された固定部としての外周縁部である平板状の周縁補強部34、および、ヒンジ部33と周縁補強部34との間に形成されたポケット部35を備えている。
【0028】
ここで、基板部31には、パネル体21の第2のテアライン24aに対向する部位に沿って、小さい幅のスリット状の切断部36が直線状に形成され、扉予定部26,26に接合される平板状の前後一対の扉補強部37,37が区画形成されている。
【0029】
また、交差壁部32は、第1のテアライン24に沿って、かつこの第1のテアライン24よりも内側、すなわち扉予定部26,26側に設けられている。この交差壁部32の扉予定部26,26の裏面に当接する部分である上端部には、ポケット部35に隣接して支点部38が形成されている。この支点部38は、上方に突出した断面突弧状に形成され、外側に向かって徐々に下方向に離間されている。したがって、支点部38は、扉予定部26,26の裏面に断面視点状に固着され、交差壁部32全体では、扉予定部26,26のそれぞれの第1のテアライン24の内側に沿って平面視略C字状に線接触している。
【0030】
さらに、ヒンジ部33は、基板部31よりも薄肉状に形成されており、基板部31と交差壁部32とを一体に連結して扉予定部26,26の裏面に固着されている。
【0031】
またさらに、周縁補強部34は、非展開部25の裏面に面接触により固着されている。そして、この周縁補強部34の裏面は、下面が交差壁部32に向けて下方に傾斜した連結体としての三角板形状の複数の補強リブ39を介して交差壁部32と一体に連結されている。すなわち、これら補強リブ39は、周縁補強部34と交差壁部32との間に傾斜状に設けられている。これら補強リブ39は、図4に示すように、扉予定部26,26の全周、すなわち長手方向および幅方向それぞれの全長に沿って形成されており、互いに略等間隔に離間された状態で交差壁部32の外側面に対してほぼ垂直に形成されている。
【0032】
また、ポケット部35は、補強リブ39の上部に断面矩形状に切り欠き形成されている。このポケット部35は、第1のテアライン24に対向した部分にわたって設けられており、幅寸法である前後方向の寸法が、パネル体21の厚さ寸法よりも若干大きく形成されている。また、このポケット部35は、第1のテアライン24に対して相対的に内側すなわち扉予定部26,26の内周側に偏倚する位置関係にある。
【0033】
さらに、交差壁部32の前後に対向する面部には、それぞれ四角状の角孔であるリテーナ固定穴としての取付孔45が形成されており、これら取付孔45に、ケース体5の各フック18が係止されている。すなわち、カバー体11は、エアバッグ装置3の被取付部材としてのケース体5に連結固定されている。
【0034】
なお、バッキング部材22のパネル体21への溶着は、振動溶着によるもので、溶着前の段階で、バッキング部材22のパネル体21に対向する面には溶着リブを形成し、パネル体21のバッキング部材22に対向する部位は一切のリブを形成せず、すなわち、ほぼ平坦な面を形成する。そして、振動溶着の作業の際は、互いに接触する溶着リブと平坦な面とのうち、TPO樹脂からなる溶着リブが溶けて、パネル体21とバッキング部材22とが溶着層である接合部46を介して互いに接合される。
【0035】
次に、エアバッグ装置3が作動した際のエアバッグ9の展開挙動を説明する。
【0036】
本実施の形態のエアバッグ装置3を装着した自動車が衝突すると、インフレータ7からガス噴出口16aを介してエアバッグ9へガスが噴出される。すると、エアバッグ9は、ケース体5内で膨張して、その膨張力により、バッキング部材22およびパネル体21の扉予定部26,26が上方に押し上げられる。この時、非展開部25に周縁補強部34が面状に固着された状態でエアバッグ9の膨張力が作用することにより、支点部38を支点として応力が各テアライン24,24aに集中して、これら各テアライン24,24aが全長にわたって確実に破断し、扉予定部26,26をパネル体21の他の部分から切り離すことができる。
【0037】
そして、扉予定部26,26を切り離した状態で、図6に示すように、扉予定部26,26はいわば円滑にスイングアップし、エアバッグ9の突出口を形成することができる。さらに、この突出口から突出したエアバッグ9は、図1に2点鎖線9aで示すように、フロントウィンドウガラス2に沿って膨張展開し、助手席の乗員を保護する。
【0038】
また、扉予定部26,26および扉補強部37,37は、各テアライン24,24aの破断により形成されたパネル体21の扉予定部26,26の周縁補強部34側の端縁部である端末部51が、下側すなわちヒンジ部33側に大きく膨出することなく、ヒンジ部33が上方向に弾性変形しつつ扉予定部26,26を支えて保持する。同時に、扉予定部26,26の端末部51がポケット部35内に引き込まれて収容され、扉予定部26,26が立ち上がってエアバッグ9の突出口が開成される。
【0039】
このように、上記実施の形態によれば、内装パネルによって覆われるエアバッグ装置の作動に際して円滑に扉部を形成して、良好なエアバッグ膨出通路である突出口を開成する所望の特性を確保できる内装パネルを提供できる。
【0040】
すなわち、補強リブ39にて交差壁部32と連結した周縁補強部34を非展開部25に固着することにより、非展開部25を強固に保持するとともに、交差壁部32と周縁補強部34との間に第1のテアライン24に対向してポケット部35を形成する。この結果、エアバッグ9の膨張時の圧力による応力を各テアライン24,24aに確実に伝達してこれら各テアライン24,24aを確実に破断させ、かつ各テアライン24,24aの破断によりパネル体21から展開された扉予定部26,26が、端末部51をポケット部35内に確実に収容されつつ扉予定部26,26が扉補強部37,37とともに展開するため、扉予定部26,26を容易に円滑に展開できる。
【0041】
また、第1のテアライン24の位置をポケット部35の幅方向の中心より外周側に位置させたため、第1のテアライン24が破断した場合、車体に対して固定されたパネル体21の非展開部25側には、自由端は全く形成されないか、ごくわずかに形成されるのみとなる。このため、非展開部25の扉予定部26,26側の端末部51あるいはヒンジ部33などへの干渉を抑制し、扉予定部26,26をより円滑に展開させてエアバッグ9の突出口を開成できる。
【0042】
さらに、展開する扉予定部26,26の端末部51がポケット部35内に収容されることにより、ヒンジ部33に局所的に大きな力が作用することを効果的に抑制できる。なお、このような効果は、扉予定部26,26の端末部51がポケット部35に完全に入る場合はもとより、一部でも入って展開する場合にも得られる。
【0043】
またさらに、交差壁部32のパネル体21に対向した位置に、各テアライン24,24aが破断して扉予定部26,26が扉補強部37,37とともに展開する際の支点となる支点部38を設けることにより、エアバッグ9の膨張時に、エアバッグ9の膨張の圧力により扉予定部26,26が押されると支点部38を支点として各テアライン24,24aに確実に力が加わるので、各テアライン24,24aを確実に破断できる。
【0044】
また、支点部38を上方に向けた突弧状に形成したことにより、エアバッグ9の膨張時の圧力による応力が各テアライン24,24aにより集中しやすく、これら各テアライン24,24aをより確実に破断できる。
【0045】
さらに、周縁補強部34を非展開部25の裏面に面状に固着したことにより、非展開部25をより強固に固定できる。またさらに、補強リブ39を非展開部25と交差壁部32との間に設けたことにより、エアバッグ9の膨張時に非展開部25に加わる上向きの力を補強リブ39により交差壁部32側へと逃がすため、非展開部25をより強固に上下方向に固定できる。そして、交差壁部32をエアバッグ装置3に固定することにより、交差壁部32を強固に固定し、この交差壁部32に補強リブ39を介して連結された周縁補強部34を強固に固定できる。このため、エアバッグ9の膨張時にも周縁補強部34にて非展開部25を確実に係止した状態で各テアライン24,24aを確実に破断できる。
【0046】
この結果、常温においてバッキング部材22の樹脂が適当な伸びを有している場合、低温においてバッキング部材22の伸びが低下した場合、および、高温においてバッキング部材22が軟化した場合のいずれの場合においても、扉予定部26,26を容易に円滑かつ確実に展開でき、広い温度域で所望の特性を得ることができる。
【0047】
また、ヒンジ部33全体をパネル体21の扉予定部26,26の裏面に固着したことにより、扉予定部26,26が展開した際にこれら扉予定部26,26をヒンジ部33にて確実に係止できるとともに、ヒンジ部33にてエアバッグ9の収納空間を占有する空間を低減し、エアバッグ9の収納空間を容易に確保できる。
【0048】
さらに、バッキング部材22は樹脂であるため、復元作用を有しているので、ヒンジ部33が展開後に突出口側に戻る傾向を有しており、展開するエアバッグ9を押動し、エアバッグ9の展開特性を乗員の胸部や腹部に向かう指向性を生じるように誘導することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態において、図7および図8に示すように、ヒンジ部33をエアバッグ9を収納する空間に向かって膨出する断面U字状のリブ状に形成することもできる。このヒンジ部33の厚さ寸法は、例えば1mmないし6mm、好ましくは2mmとする。ここで、このヒンジ部33の厚さ寸法は、使用する樹脂の特性とエアバッグ9のサイズすなわち容量、形状や、インフレ−タ7の形式やガス噴射特性など、種々の因子を考慮して設定する。また、エアバッグ9の膨張に際しては、ヒンジ部33にエアバッグ9の膨張圧力が加わることから、ヒンジ機能を発揮しうる範囲で潰れ変形を少なくすることも考慮すべきであり、上記寸法は好ましい範囲である。
【0050】
この場合にも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
また、ヒンジ部33の断面形状は、断面V字状に形成したり、左右非対称としたり、あるいはヒンジ部33に沿って厚みを変化させたりなど、種々の変形が可能である。
【0052】
さらに、切断部36の代わりに、図9に示すように、下部破断部としての断面三角形状の下部テアライン52を、第2のテアライン24aに対向したバッキング部材22の基板部31に第2のテアライン24aに沿って設けることもできる。この場合にも、切断部36を設けた場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
またさらに、第1のテアライン24のコーナ部28は、各直線部27を直接接続した角部とすることもできる。
【0054】
そして、上記各テアライン24,24aの断面形状は、パネル体21の裏側から表側に向けて幅寸法が小さくなるように形成した断面略台形状とすることもできる。
【0055】
また、ヒンジ部33は、第1のテアライン24の前後両側の直線部27に沿って長手方向に連続して形成したが、この構成に限られず、例えば、複数のヒンジ部33を間欠的に配置することもできる。
【0056】
さらに、補強リブ39は、扉予定部26,26の全周に連続した板状に形成することもできる。
【0057】
またさらに、上記実施の形態では、一対の扉予定部26,26をいわゆる観音開き様式で展開させる構成を示したが、1個の扉予定部26を一方向、例えば前方向に展開させるように第1のテアライン24を形成した構成も可能である。
【0058】
そして、交差壁部32が取り付けられる被取付部材は、ケース体5に限定されず、車体側の被取付部材に固定することもできる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体によれば、傾斜状の連結体を介して支持部と連結されて樹脂により一体成形された固定部を非展開部に固着することにより、エアバッグの膨張時に非展開部に加わる力を連結体により支持部へと逃がして非展開部が強固に保持されるとともに、固定部と支持部との間に、破断部が破断して扉予定部が扉補強部とともに展開する際に破断部の破断により形成された扉予定部の端縁部を収容可能なポケット部を設けることにより、エアバッグの膨張の際に扉予定部の端縁部がポケット部に収容され、扉予定部および扉補強部が容易に安定して展開する所望の特性を確保でき、かつ、支持部の表皮体に対向した位置に、破断部が破断して扉予定部が扉補強部とともに展開する際の支点となる支点部を設けることにより、エアバッグの膨張時に、エアバッグの膨張の圧力により扉予定部が押されると支点部を支点として破断部に確実に力が加わるので、破断部を確実に破断できる。
【0060】
請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体によれば、請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体の効果に加え、表皮体にて自動車の内装パネルを構成することにより、エアバッグの突出口を安定して形成する所望の特性を容易に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエアバッグ装置のカバー体を備えたエアバッグ装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 同上エアバッグ装置のカバー体を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図3】 同上エアバッグ装置のカバー体を示す平面図である。
【図4】 同上エアバッグ装置のカバー体を示す裏面図である。
【図5】 同上エアバッグ装置のカバー体を示す図4のB−B断面図である。
【図6】 同上エアバッグ装置のカバー体の動作を示す断面図である。
【図7】 本発明のエアバッグ装置のカバー体の他の実施の形態を示す図2の矢印A相当方向から見た断面図である。
【図8】 同上エアバッグ装置のカバー体の動作を示す断面図である。
【図9】 本発明のエアバッグ装置のカバー体のさらに他の実施の形態を示す図2の矢印A相当方向から見た断面図である。
【符号の説明】
3 エアバッグ装置
9 エアバッグ
11 カバー体
21 表皮体としてのパネル体
22 支持体としてのバッキング部材
24 破断部としての第1のテアライン
25 非展開部
26 扉予定部
32 支持部としての交差壁部
33 ヒンジ部
34 固定部としての周縁補強部
35 ポケット部
37 扉補強部
38 支点部
39 連結体としての補強リブ
Claims (2)
- 折畳んで収納されたエアバッグを覆うとともに、このエアバッグの膨張時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバー体であって、
表皮体と、この表皮体の前記エアバッグ側である裏面側に配置される支持体とを具備し、
前記表皮体は、前記エアバッグに対向する扉予定部と、この扉予定部を囲む非展開部と、これら扉予定部および非展開部を閉ループ状に区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断する破断部とを備え、
前記支持体は、前記扉予定部に固着される扉補強部と、前記破断部よりも前記扉予定部側に位置して設けられた支持部と、前記扉補強部よりも薄肉に形成されこの扉補強部および前記支持部を連結する変形可能なヒンジ部と、前記非展開部に固着された固定部と、この固定部と前記支持部との間に傾斜状に位置し、これら固定部と支持部とを連結する連結体と、前記支持部および前記固定部の間に前記破断部に対向して設けられ前記破断部が破断して前記扉予定部が扉補強部とともに展開する際に前記破断部の破断により形成された前記扉予定部の端縁部を収容可能なポケット部とを備え、
前記扉補強部、前記支持部、前記ヒンジ部、前記固定部および前記連結体が、樹脂により一体に成形され、
前記支持部は、前記表皮体に対向した位置に前記破断部が破断して前記扉予定部が前記補強部とともに展開する際の支点となる支点部を有した
ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。 - 表皮体は、自動車の内装パネルを構成する
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体。
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