JP5191054B2 - エアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収納されたエアバッグを覆うエアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置に関する。
従来、自動車のインストルメントパネルに配置される助手席乗員用のエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、箱状をなすケース体を備え、このケース体の内側に、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを膨張させるガスを噴射するインフレータとを収納しているとともに、ケース体の上側の開口部は、インストルメントパネルに沿って取り付けられるカバー体により覆われている。そして、このカバー体には、平面略H字状や平面略C字状などの破断可能なテアラインが形成され、このテアラインに囲まれた部分が扉予定部として区画形成されている。そして、自動車の衝突時には、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、このエアバッグの膨張の圧力によりテアラインを破断して扉部を形成するとともに、テアラインを形成していない部分をヒンジとしてドア部に展開させて膨出口を形成し、この膨出口からエアバッグを膨張させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
このようなカバー体について、外観の向上などを図り、カバー体をインストルメントパネルと一体的に形成した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、インストルメントパネルを構成するアウタ部の裏面側に薄肉な溝部を設けてテアラインを形成するとともに、アウタ部の裏面側に別体のインナ部を溶着して構成されている。そして、このインナ部は、軟質の樹脂にて形成され、ヒンジ部が設けられているとともに、振動溶着によりアウタ部に固着されている。
また、このようなカバー体について、テアラインは、断面三角状の溝状をなし、回転刃による彫刻などの後加工により形成する他、金型によりアウタ部の射出成形時に形成する構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2006−335152号公報 (第3頁、図1) 特開2004−175303号公報 (第4−6頁、図1)
上記のように、テアラインを金型によりアウタ部の射出成形時に形成する構成では、製造工程を削減して製造コストを削減できるとともに、種々の平面形状のテアラインを容易に形成できる。しかしながら、テアラインを金型により形成する構成では、金型からの型抜きを円滑に行うため、テアラインの溝部の断面形状が制限され、例えば片開方向に広がる鈍角状の三角状に設定され、あるいは、テアラインの中央部分に沿った線に対して両側の角度が異なる傾斜面となる場合がある。ここで、テアラインの溝部が鋭角状をなす場合は、エアバッグの展開時に受ける力がテアラインの中央部分に近く、容易にテアラインの中央部分に沿って展開させることができる。一方、テアラインの溝部が鈍角状をなす場合は、エアバッグの展開時に受ける力がテアラインの中央部分から遠く、さらに、テアラインの中央部分に沿った線に対して両側の角度が異なる傾斜面となる場合には、テアラインの中央部分から離れた部分でテアラインが破断する可能性が生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、破断予定部を所望の状態で容易に破断できるエアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体は、収納されたエアバッグを覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが膨出する圧力により破断されるエアバッグ装置のカバー体であって、板状をなすアウタ扉予定部及びこのアウタ扉予定部の少なくとも一部を区画する破断予定部を備え、この破断予定部は、前記アウタ扉予定部よりも厚さ寸法が小さく前記エアバッグが膨出する圧力により破断する破断予定線、この破断予定線に向かって厚さ寸法が小さくなる漸減部、及びこの漸減部の前記エアバッグ側に臨む連設面を設けたアウタ部と、前記アウタ扉予定部の前記エアバッグ側に配置されるインナ扉予定部、このインナ扉予定部から突設され前記アウタ扉予定部の前記エアバッグ側に固着された溶着リブ、及び前記インナ扉予定部から前記破断予定部側に突設され先端部に当接面を有し少なくとも前記エアバッグの膨出時に前記破断予定線に対して離間された位置にて前記連設面に前記当接面が当接しこの前記連設面を押圧する突設部を設け、前記アウタ部よりも軟質の樹脂で形成されたインナ部とを具備したものである。
そして、この構成では、収納されたエアバッグが膨出すると、このエアバッグによりインナ体のインナ扉予定部からアウタ扉予定部に力が伝わり、破断予定部が破断して膨出口が形成され、この膨出口からエアバッグが膨出して、被保護物を保護する。エアバッグの膨出時には、インナ部に設けた突設部の先端部の当接面が破断予定部の漸減部の破断予定線に対して離間された位置で連設面に当接して押動するため、漸減部の破断を抑制し破断予定部を所望の破断予定線に沿って破断させることが容易になる。破断予定部の形状の自由度が大きくなり、製造コストの低減が容易になる。突設部は、アウタ部よりも軟質の樹脂のインナ部に形成されたため、突設部がエアバッグに与える影響が抑制される。
請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体において、溶着リブは、互いに並んで複数突設され振動溶着によりアウタ扉予定部に溶着されるリブ部を備え、突設部は、前記リブ部と並んで突設されたものである。
そして、この構成では、突設部が、振動溶着のためのリブ部と同様に容易に形成され、製造コストが低減される。
請求項3記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項1または2記載のエアバッグ装置のカバー体において、突設部は、常時連設面に当接するものである。
そして、この構成では、エアバッグの膨出時に、インナ扉予定部からアウタ扉予定部に力が迅速に伝わり、破断予定部が迅速に破断するとともに、常時において、破断予定部の部分での変形を抑制し、外観が向上する。
請求項4記載のエアバッグ装置は、収納部を設けたケース体と、このケース体に収納され、ガスが導入されて膨張展開するエアバッグと、このエアバッグにガスを供給するインフレータと、収納された前記エアバッグの膨出側を覆う請求項1ないし3いずれか一記載のカバー体とを具備したものである。
そして、この構成では、請求項1ないし3いずれか一記載のカバー体を備えたため、破断予定部を所望の破断予定線に沿って破断させることが容易になるとともに、破断予定部の形状の自由度が大きくなり、製造コストの低減が容易になる。
本発明によれば、破断予定部を所望の破断予定線に沿って容易に破断できるとともに、破断予定部の形状の自由度が大きくなり、製造コストを容易に低減できる。
本発明のエアバッグ装置のカバー体の一実施の形態を示す一部を拡大した断面図である。 同上エアバッグ装置の説明図である。 同上インナ体を示す一部を省略した斜視図である。 同上インナ体を示す一部を省略した平面図である。 同上インナ体の一部を拡大した断面図である。 本発明のエアバッグ装置のカバー体の他の実施の形態を示すインナ体の断面図である。 同上インナ体の一部を拡大した断面図である。
以下、本発明のエアバッグ装置のカバー体及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、自動車のインストルメントパネル部3に備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成するものである。そして、インストルメントパネル部3は、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり設けられ、このインストルメントパネル部3の上方には、フロントウィンドウガラスが位置している。そして、このインストルメントパネル部3の内部には、助手席の乗員に対向して、エアバッグ装置1が設置されている。そして、このエアバッグ装置1は、被取付部材でありリテーナとも呼ばれるケース体4と、このケース体4の下部に配置されたインフレータ5と、ケース体4の上部に折り畳んで収納されたエアバッグ6と、このエアバッグ6すなわちケース体4の上部の開口部を覆うカバー体11とを備えている。そして、このエアバッグ装置1は、ケース体4が、図示しないブラケットを介して、車体に固定されている。また、ケース体4の上部とインフレータ5との間は、必要に応じて上下に連通するガス噴出口を設けた図示しないミッドリテーナで区画されている。さらに、ケース体4の上部の前面及び後面には、被取付部として断面略C字状などのフック4aが取り付けられている。また、インフレータ5は、円盤状あるいは円柱状などの形状で、燃焼タイプ(パイロタイプ)、あるいはガスを圧縮して貯留するストアードタイプ、これらを組み合わせたハイブリッドタイプなど、各種のインフレータ5が用いられる。
そして、このエアバッグ装置1を備えた自動車が衝突などすると、インフレータ5から供給されるガスによりエアバッグ6が膨出し、この膨出する圧力により、カバー体11を破断して膨出口を形成し、膨出側である所定方向としての上方Aに向かってエアバッグ6が突出し、エアバッグ6が乗員の前方に膨張展開する。なお、以下、エアバッグ6の膨出側すなわち乗員側である所定方向を上方(図2に示す矢印A方向)、正面側あるいは表面側とし、膨出側の反対側を下方、背面側あるいは裏面側として説明する。また、このエアバッグ装置1を自動車に取り付けた状態における前後方向及び両側方向を、前後方向及び両側方向として説明するが、エアバッグ装置1の取付状態は、この構成に限られず、例えば、膨出側が後側上方あるいは後方に向かう状態で取り付けることもできる。
そして、カバー体11は、いわゆるインストルメントパネルを構成するアウタ部21と、このアウタ部21の裏面側に振動溶着機を用いた振動溶着で取り付けられたインナ部22と、アウタ部21の表面側を覆って形成された表皮部23とを備え、自動車用の内装パネルであるインストルメントパネル部3に一体的に構成されるいわゆるシームレスリッドあるいはシームレスインパネと呼ばれる部材を構成している。
そして、アウタ部21は、アウター、表皮パネル、アウタパネル部、パネル体、リッドアウターなどととも呼ばれるもので、インストルメントパネル部3の表面側を一体的に覆って外部に露出し、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり略板状に設けられている。そして、このアウタ部21は、熱可塑性の樹脂製で、例えば、ポリプロピレン樹脂を金型に射出して形成した射出成形品で、いわゆる硬質の樹脂にて形成されている。
そして、このアウタ部21の裏面側には、ケース体4の上部の開口部に略対向して、破断予定部としての弱部であるテアライン24が形成され、非展開部であるアウタ外郭部25と、このアウタ外郭部25に囲まれた前後一対の平面長方形状のアウタ扉予定部26,26が区画形成されている。そして、このアウタ扉予定部26,26が、通常時に折り畳んで収納されたエアバッグ6の膨出側を覆っている。そして、テアライン24は、テア、テア溝、破断予定部、開裂予定溝、扉予定線部あるいは破断部などとも呼び得るもので、隣接する部分より脆弱で、破断可能及び変形容易な弱部であり、本実施の形態では、中央部を両側に延びる中央テアライン24aと、外郭を構成する外郭テアライン24bとを有した略「日」の字状で、いわば閉ループ状である四角形枠状のテアラインを組み合わせた構成になっている。また、中央テアライン24aは、外郭テアライン24bよりも厚さ寸法が小さく、外郭テアライン24bよりも容易にすなわち迅速に破断するようになっている。また、テアライン24は、射出成形時に金型のキャビティの形状により成形され、鈍角状に下方に開く断面三角状の溝部27により、テアライン24の幅方向の略中央部のいわばテアセンター部が最も厚さ寸法が小さい最薄部である破断予定線28となっている。そして、テアライン24は、この破断予定線28に沿って破断することが好ましく、この破断予定線28がいわば所望の破断位置となっている。
さらに、中央テアライン24aは、金型の型抜きを円滑にするため、図1に示すように、破断予定線28の両側部に、破断予定線28に向かって厚さ寸法が小さくなる漸減部29が形成されている。すなわち、この漸減部29の下方に向かう面である一対の連設面29a,29bは、鈍角状に下方に開く一対の面を構成している。さらに、この中央テアライン24aは、破断予定線28を中心としてテアライン24の漸減部29の断面形状が幅方向に非対称であり、一方の連設面29aが他方の連設面29bよりも長く形成されている。
一方、インナ部22は、図1ないし図5に示すように、インナー、バッキング、バッキング部材、あるいはリッドインナーなどとも呼ばれるもので、アウタ部21を構成する材料よりも軟質の材料にて形成された軟質樹脂製で、テアライン24の内側及び外側に位置してアウタ部21に溶着され、すなわち、アウタ部21の裏面のアウタ扉予定部26に結合されて扉予定部Cを形成するとともに、このアウタ扉予定部26の周囲のアウタ外郭部25に結合されて外郭部Dを形成している。そして、このインナ部22は、エラストマー系の樹脂で形成され、例えば、TPO樹脂(サーモプラスチックオレフィン)の射出成形品である。
そして、このインナ部22は、アウタ部21のアウタ外郭部25の裏面側に固着された四角板枠状のインナ外郭部31と、このインナ外郭部31の内周側の端部から下方に突設された四角筒状の取付片部32と、インナ外郭部31の内周側に位置して各アウタ扉予定部26,26の裏面側に固着された四角板状のインナ扉予定部33,33と、これらインナ扉予定部33,33をインナ外郭部31に連結する複数のヒンジ部34とが一体に形成されている。そして、インナ外郭部31とインナ扉予定部33,33とは、ほぼ面一すなわち同一平面上に形成されている。また、インナ部22は、外郭テアライン24bの短辺と中央テアライン24aに対向する位置に沿って、ヒンジ部34を除きインナ扉予定部33,33の外周部の部分は、小さい幅の切り溝状の溝部35により分離されている。
また、取付片部32は、立ち壁、あるいはリテーナ取付用縦壁とも呼びうるもので、アウタ部21の外郭テアライン24bの外側に沿って、いわば膨出口に沿った四角筒状に形成されている。そして、この取付片部32の長手となる前後に対向する面部37,37には、それぞれ取付部であり四角状の角孔である取付孔39が複数形成され、これら取付孔39に、ケース体4に設けたフック4aが係止され、カバー体11とケース体4とが連結されている。さらに、これら前後の面部37,37は、インナ外郭部31及びインナ扉予定部33,33の面方向に対して垂直ではなく、傾斜した状態で突設されている。
さらに、各ヒンジ部34は、外郭部Dと扉予定部Cとを変形可能に連結するものであり、一部のテアライン24に対向する部位に沿って、本実施の形態では、前後のテアライン24に対向する部位に沿って、下方Bすなわち収納されたエアバッグ6側に膨出するように湾曲してテアライン24を跨ぎ、インナ外郭部31とインナ扉予定部33とを可撓的に連結している。このように、ヒンジ部34は、テアライン24から下方に離間して形成され、低温時などにも扉部を容易に円滑に回動できるようになっている。
さらに、インナ外郭部31及び各インナ扉予定部33の接合面すなわち上面には、溶着前において、溶着リブ44が上方に突設して形成されている。この溶着リブ44は、上側に所定の突出寸法で垂直状に突設され、中央テアライン24aに沿った方向である両側方向に延びるリブ部としての横リブ45と、この横リブ45に直交する縦リブ46とがそれぞれ所定の間隔で平行に並んだ格子状をなしている。そして、アウタ部21とインナ部22とを重ねた状態で、振動溶着機を用いてアウタ部21に対してインナ部22を相対的に振動させる振動溶着により、溶着リブ44を突出方向すなわち上下方向に沿った寸法で例えば1.0ミリ溶融し、インナ外郭部31がアウタ外郭部25に溶着して接合されるとともに、インナ扉予定部33,33がアウタ扉予定部26,26に溶着して接合されている。なお、各図においては、インナ部22の構成を明確に示すため、溶着リブ44は一部のみが図示されているが、溶着リブ44は、各ヒンジ部34の部分を除き、インナ外郭部31及びインナ扉予定部33,33のほぼ全面に設けられている。
さらに、一方のインナ扉予定部33の先端部からは、上方に向かって突設された突設部48が一体に突設されている。この突設部48は、テアライン24の中央テアライン24aに対向し、例えば横リブ45と平行に配置され、溶着リブ44と同様のリブ状の凸形状に形成されているが、突出寸法が溶着リブ44よりも大きく、すなわち、溶着リブ44よりも上方に突出するように形成されている。また、この突設部48の先端部には、傾斜した当接面48aが形成されている。そして、溶着リブ44をアウタ部21に1.0ミリ溶着した状態で、突設部48の当接面48aは、テアライン24の一方の連設面29aに常時当接しかつ溶着しないいわゆるゼロタッチの状態になっている。
このように、テアライン24の中央テアライン24aの部分において、インナ部22に設けた突設部48の当接面48aが、アウタ部21に設けられたテアライン24の溝部27の内側の傾斜面である連設面29aに常時当接して、いわば作用点が破断予定線28の直近となり、エアバッグ6の膨出時にインナ部22に加わる力がアウタ部21の破断予定線28に近接した位置の漸減部29に瞬時に伝わる状態になっている。
また、表皮部23は、アウタ部21の表面側を覆って外観や触感を向上するもので、軟質の樹脂で形成されている。そして、本実施の形態では、アウタ部21とインナ部22とを振動溶着により接合した部材を芯材として金型内に配置すなわちインサートし、ポリオールとイソシアネートとの反応射出成形(RIM成形)による無発泡ウレタンとして、芯材を覆う表皮部23が形成されている。
そして、図1に示す状態から、エアバッグ装置1が作動し、エアバッグ6にガスが流入して膨出すなわち膨張展開すると、エアバッグ6がケース体4内で膨張する膨張力により、インナ部22の前後のインナ扉予定部33,33を押圧し、このインナ扉予定部33,33を介してアウタ部21の前後のアウタ扉予定部26,26を押し上げる。そして、この力により、中央テアライン24a及び外郭テアライン24bが破断し、すなわちアウタ部21の弱部であるテアライン24が全長にわたり破断してアウタ扉予定部26がアウタ部21の他の部分から切り離されて扉部が形成され、ヒンジ部34が引き延ばされながらアウタ扉予定部26が扉部として回動すなわち展開し、エアバッグ6の膨出口を形成する。
この際、テアライン24の中央テアライン24aの部分では、アウタ部21のテアライン24の連設面29aに常時当接するインナ部22の突設部48により、エアバッグ6の膨出時にインナ部22に加わる力がアウタ部21の破断予定線28に近接した位置に瞬時に伝わり、テアライン24を破断予定線28に沿って破断する。
なお、エアバッグ6の展開時には、中央テアライン24aは全長にわたり破断するが、外郭テアライン24bは、全長にわたって破断する場合のほか、温度条件などによっては、両側の短手側のみが破断し、ヒンジ部34に沿った部分の一部あるいは全部は、破断せずに容易に屈曲するヒンジとして機能する場合もある。
このように、本実施の形態によれば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置1の膨出口を覆うカバー体11に関し、エアバッグ6の膨出時に、インナ部22に設けた突設部48がテアライン24の連設面29aに当接して押動するため、テアライン24を所望の破断予定線28に沿って容易に確実に破断できる。すなわち、本実施の形態のように、テアライン24を金型で形成する構成ではテアライン24の形状に制約があり、すなわち、型抜きを容易にするために溝部27が鈍角になり、さらに、傾斜する方向に型抜きするために断面形状か非対称になって一方の連設面29aが長くなる。すると、インナ部22がアウタ部21を押圧する位置と破断予定線28とが離間するとともに、一対の連設面29a,29bの一方に大きな力が加わりやすくなり、温度条件などによっては、所望の破断予定線28から逸れて一方の連設面29aすなわち漸減部29での破断が生じるおそれがある。この点、本実施の形態によれば、インナ部22に設けた突設部48が連設面29aに当接するため、漸減部29での破断を防止し、破断予定線28に近接した位置でアウタ部21を押圧し、いわばテアライン24の部分におけるカバー体11の剛性を向上し、どのような形状のテアライン24においても、所望の破断予定線28に沿ってテアライン24を確実に破断して、エアバッグ6の膨張展開時におけるカバー体11のテアライン24の好ましい開裂特性すなわち扉部の好ましい展開特性を容易に実現できる。
そして、テアライン24を確実に破断できるため、テアライン24の形状の自由度が大きくなるとともに、金型を用いた射出成形などによりテアライン24を備えたアウタ部21を形成して作業工数を削減でき、さらには型抜き方向の自由度が大きくなり、金型の構成の自由度を大きくして、製造コストを容易に低減できる。
また、突設部48は、溶着リブ44と同様の構成であり、溶着リブ44の横リブ45と並んで突設されるため、振動溶着のための溶着リブ44と同様に容易に形成でき、製造コストを低減できる
さらに、アウタ部21よりも軟質の樹脂のインナ部22に形成されたため、エアバッグ6の膨出時に摺接した突設部48がエアバッグ6に与える影響を抑制できる。
そして、突設部48は、テアライン24の連設面29aに対して、常時当接しかつ溶着しないいわゆるゼロタッチの状態とすることにより、エアバッグ6の膨出時に、インナ扉予定部33からアウタ扉予定部26に力を迅速に伝えてテアライン24を迅速に破断できるとともに、常時においてテアライン24の部分での変形を抑制し、破断予定線28以外の部分の剛性を向上させて、外観を向上でき、さらに、溶着によるテアライン24の破断特性の変化を防止できる。
なお、上記のように、突設部48がテアライン24の連設面29aに対して、常時当接しかつ溶着しないゼロタッチの状態が好ましい状態であるが、僅かに溶着し、あるいは僅かに離間する状態とすることもできる。例えば、溶着リブ44がアウタ部21に1.0ミリ溶着された状態で突設部48がテアライン24の連設面29aにゼロタッチする構成では、溶着リブ44がアウタ部21に1.1ミリ溶着された場合には、突設部48がテアライン24の連設面29aに0.1ミリ程度溶着されることになるが、0.1ミリ程度であればいわゆるバリもほとんど発生せず、テアライン24の破断に影響を与えずに許容される範囲である。また、例えば溶着リブ44がアウタ部21に0.9ミリ溶着された場合には、突設部48がテアライン24の連設面29aと0.1ミリ程度離間することになるが、0.1ミリ程度であればエアバッグ6が膨出する力はインナ部22の突設部48からアウタ部21のテアライン24に瞬時に伝わり許容される範囲である。また、突設部48は連続的に当接するほか、断続的に当接させることもできる。
また、本実施の形態では、インナ部22の溶着リブ44を振動溶着によりアウタ部21に溶着し、インナ部22とアウタ部21とを固着した後に、これらインナ部22とアウタ部21とを型内に装着して反応射出成形などによりアウタ部21の表面側に一体的に表皮部23を形成したため、テアライン24の部分の反りの発生や、ひけと呼ばれる樹脂の収縮による外観の悪化を抑制し、また、インナ部22とアウタ部21とを溶着する際に生じるアウタ部21の表面側の変形を修正しながら表皮部23で覆うことが可能になり、外観を容易に向上できる。
このようにして、テアライン24を所望の破断予定部を所望の破断予定線28に沿って容易に確実に破断できるともに、テアライン24の形状の自由度が大きく、かつ、製造コストの低減が容易で、自動車のエアバッグ装置1のカバー体11に好適な構成を提供でき、特に、インストルメントパネルと一体的に構成される助手席乗員用のエアバッグ装置1のカバー体11に好適な構成を提供できる。
なお、上記の実施の形態においては、インナ部22の一対のインナ扉予定部33について、一方すなわち片側のインナ扉予定部33の先端部についてのみ突設部48を設けたが、この構成に限られるものではない。例えば、図6及び図7に示すように、両方のインナ扉予定部33の先端部にそれぞれ突設部48を設け、一方の突設部48の当接面48aを一方の連設面29aに当接するとともに、他方の突設部48の当接面48aを他方の連設面29bに当接することもできる。
また、突設部48は、連設面29aに当接する構成のみなせず、連設面29aに十分に溶着させることにより、破断予定線28以外の部分のテアライン24の剛性を向上させて、破断予定線28以外の部分の破断を確実に抑制することもできる。
また、破断予定部としてのテアライン24の断面は、断面略三角状の溝部27を備える構成に限られず、例えば、断面略台形状の溝部により傾斜した連設面同士の間に平面部が設けられた構成や、断面U字状の溝部により湾曲した連設面を備えた構成に適用することもできる。
また、テアライン24の一部あるいは全部は、アウタ部21の成形後に、射出成形により平坦に形成された平坦部分にフライス刃などの回転刃により彫刻し、いわゆる後加工の切削溝として形成することもできる。
また、上記の実施の形態では、前後一対のアウタ扉予定部26,26を備え、前後に観音開き状に展開するいわゆるダブルフラップの構成を示したが、この構成に限られず、例えば、略四角状の扉予定線部により区画形成された1個の扉予定部を備え、扉予定線部の破断により形成された扉部を例えば前方向に展開させるいわゆるシングルフラップの構成とすることもできる。
さらに、上記の各実施の形態では、インストルメントパネル部3の助手席乗員用のエアバッグ装置1のカバー体11について説明したが、この構成に限られず、例えば、自動車の内装パネルとしてインストルメントパネル部3以外の場所に設置されるエアバッグ装置のカバー体に適用することもできる。
本発明は例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置のカバー体に適用できる。
1 エアバッグ装置
4 ケース体
5 インフレータ
6 エアバッグ
11 カバー体
21 アウタ部
22 インナ部
24 扉予定部としてのテアライン
26 アウタ扉予定部
28 破断予定線
29 漸減部
29a,29b 連設面
33 インナ扉予定部
44 溶着リブ
45 リブ部としての横リブ
48 突設部
48a 当接面

Claims (4)

  1. 収納されたエアバッグを覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが膨出する圧力により破断されるエアバッグ装置のカバー体であって、
    板状をなすアウタ扉予定部及びこのアウタ扉予定部の少なくとも一部を区画する破断予定部を備え、この破断予定部は、前記アウタ扉予定部よりも厚さ寸法が小さく前記エアバッグが膨出する圧力により破断する破断予定線、この破断予定線に向かって厚さ寸法が小さくなる漸減部、及びこの漸減部の前記エアバッグ側に臨む連設面を設けたアウタ部と、
    前記アウタ扉予定部の前記エアバッグ側に配置されるインナ扉予定部、このインナ扉予定部から突設され前記アウタ扉予定部の前記エアバッグ側に固着された溶着リブ、及び前記インナ扉予定部から前記破断予定部側に突設され先端部に当接面を有し少なくとも前記エアバッグの膨出時に前記破断予定線に対して離間された位置にて前記連設面に前記当接面が当接しこの前記連設面を押圧する突設部を設け、前記アウタ部よりも軟質の樹脂で形成されたインナ部と
    を具備したことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
  2. 溶着リブは、互いに並んで複数突設され振動溶着によりアウタ扉予定部に溶着されるリブ部を備え、突設部は、前記リブ部と並んで突設された
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体。
  3. 突設部は、常時連設面に当接する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置のカバー体。
  4. 収納部を設けたケース体と、
    このケース体に収納され、ガスが導入されて膨張展開するエアバッグと、
    このエアバッグにガスを供給するインフレータと、
    収納された前記エアバッグの膨出側を覆う請求項1ないし3いずれか一記載のカバー体と
    を具備したことを特徴とするエアバッグ装置。
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