JP2005014747A - エアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エアバッグ装置のカバーを安定して円滑に展開する。
【解決手段】折り畳んだエアバッグを覆うカバー11を、硬質樹脂製のアウタ部21の裏面に軟質樹脂製のインナ部22を固着して構成する。エアバッグの展開時に、アウタ部21の扉予定部26を、テアライン24に沿ってアウタ外郭部25から切り離し、扉部を形成する。インナ部22に設けたヒンジ部34を支点として、扉部が回動し、エアバッグの突出口を形成する。ヒンジ部34は、連設部42を取付片部32に連設し、この連設部42の高さを、インナ外郭部31及び扉補強部33の表面側の高さより下げた位置に設定して、アウタ部21とインナ部22との間に空間部44を形成する。扉部は、低い位置を支点として回動し、扉部の端縁部が下側の空間部44に引き込まれるように回動し、さらに、この扉部の端縁部がヒンジ部34のU字部41に囲まれた空間に引き込まれるようにして、円滑に回動する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車のインストルメントパネルの内側すなわち裏面側に配置される自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置が用いられている。そして、このエアバッグ装置は、箱状をなすリテーナを備え、このリテーナの内側に、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを膨張させるガスを噴射するインフレータとを収納しているとともに、リテーナ上側の開口部は、インストルメントパネルに沿って取り付けられるカバー体により覆われている。さらに、このカバー体には、平面略C字状などの破断可能なテアラインが形成され、このテアラインに囲まれた部分が扉予定部として区画形成されている。そして、このエアバッグの下部は、インストルメントパネルの内側に車幅方向に沿って配置されたリインフォースに固定され、リテーナの上部は、カバー体の裏面側に一体に形成された前後一対の取付片に係止されている。そして、自動車の衝突時には、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、このエアバッグの膨張の圧力によりテアラインを破断し、テアラインを形成していない部分をヒンジとしてカバー体を扉状に展開させて突出口を形成し、この突出口からエアバッグを膨張させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
【0003】
この点、外観の向上などを図り、カバー体をインストルメントパネルと一体的に形成する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の構成では、インストルメントパネルの裏面にはテアラインが形成され、エアバッグの展開時にテアラインが破断して扉部が分離形成されるとともに、インストルメントパネルの裏面に接合されたブラケットのヒンジ部により、扉部が他の部分に回動可能に連結されている。さらに、このヒンジ部は、テアラインに対向し、このテアラインから離間するように断面U字状に湾曲されるとともに、このテアラインの両側で、インストルメントパネルの裏面に接合されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−12116号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のように、単純な断面U字状のヒンジ部によりテアラインの両側を連結する構成では、通常の条件下では所望の展開特性が得られるものの、極端な高温や低温の条件下などでは、例えばテアラインの破断により形成された扉部の端縁部がインストルメントパネルの他の部分に乗り上げるように移動するなどして、扉部の所望の挙動を得ることが容易でない問題を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、所望の特性でエアバッグの突出口が形成されるエアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のエアバッグ装置のカバーは、収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバーであって、前記エアバッグの膨出側に配置された扉予定部、この扉予定部を囲むアウタ外郭部、及び、これら扉予定部とアウタ外郭部とを区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断するループ状の弱部を備えたアウタ部と、前記扉予定部に接合される扉補強部、前記アウタ外郭部に接合されるインナ外郭部、前記弱部の外周側に位置し前記インナ外郭部から前記膨出側の反対側に突設された取付片部、及び、これら扉補強部と取付片部とを連結する変形可能なヒンジ部を備えたインナ部とを具備し、前記ヒンジ部はアウタ部から離間した位置で取付片部に連結され、前記アウタ部と前記離間した位置との間に空間部が設けられたものである。
【0008】
そして、この構成では、エアバッグが膨張すると、この膨張の圧力により、ループ状の弱部が破断し、扉予定部がアウタ外郭部から切り離されて扉部が形成されるとともに、エアバッグの突出口が形成される。扉部は、インナ部によりアウタ外郭部に連結され、ヒンジ部が支点となって回動する。ヒンジ部はアウタ部から離間した位置で取付片部に連結され、アウタ部と離間した位置との間に空間部が設けられたため、温度変化によりヒンジ部の変形特性が変化しても、扉部の端縁部が他の部材に干渉することなく、扉部が所望の特性で容易に安定して回動する。パネル体は、柔軟に変形する特性を備える必要がなく、硬質な樹脂で形成可能であり、エアバッグ装置以外の部材と一体に形成して、外観の向上が容易になる。
【0009】
請求項2記載のエアバッグ装置のカバーは、請求項1記載のエアバッグ装置のカバーにおいて、ヒンジ部は、一端部が扉補強部に連結されエアバッグの膨出側の反対側に曲面部分を向ける断面略U字状をなすU字部と、弱部に対向して前記U字部の他端部と取付片部とを連結する連設部とを備えたものである。
【0010】
そして、この構成では、U字部により、低温時などにも扉部が容易に円滑に回動するとともに、簡略な構造で、扉部が所望の特性で容易に安定して回動する構成が実現され、製造コストが低減される。
【0011】
請求項3記載のエアバッグ装置のカバーは、請求項1または2記載のエアバッグ装置のカバーにおいて、空間部に臨み、取付片部には、弱部の破断により形成された扉部の端縁部を案内する案内部が形成されたものである。
【0012】
そして、この構成では、形成された扉部の端縁部を案内部により案内し、扉部が所望の特性で容易に安定して回動する。
【0013】
請求項4記載のエアバッグ装置は、エアバッグと、このエアバッグにガスを供給するインフレータと、収納された前記エアバッグを覆う請求項1ないし3いずれか一記載のカバーと、前記エアバッグ及びインフレータを収納するとともに、前記カバーの取付片部が取り付けられるケース体とを具備したものである。
【0014】
そして、この構成では、請求項1ないし3いずれか一記載のカバーを備えたため、所望の動作で扉予定部及び弱部の破断により形成された扉部が展開し、容易に所望の特性でエアバッグが展開する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエアバッグ装置のカバー及びエアバッグ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図5において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、自動車のインストルメントパネル部3に備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成するものである。そして、インストルメントパネル部3は、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり設けられ、このインストルメントパネル部3の上方には、フロントウィンドウガラスが位置している。そして、このインストルメントパネル部3の内部には、助手席の乗員に対向して、エアバッグ装置1が設置されている。そして、このエアバッグ装置1は、被取付部材でありリテーナとも呼ばれるケース体4と、このケース体4の下部のリアクションキャニスタ内に収納されたインフレータ5と、ケース体4の上部に折り畳んで収納されたエアバッグ6と、このケース体4の上部の開口部を覆うカバー11とを備えている。そして、このエアバッグ装置1は、ケース体4のリアクションキャニスタをブラケットを介して車体のリインフォースに固定して、車体に取り付けられている。また、ケース体4の上部とリアクションキャニスタとの間は、上下に連通するガス噴出口を設けたミッドリテーナ15で区画されている。さらに、ケース体4の上部の前面及び後面には、被取付部として断面略C字状などのフック16が取り付けられている。また、インフレータ5は、燃焼タイプ(パイロタイプ)、あるいはガスを圧縮して貯留するタイプなど、各種のインフレータ5が用いられる。
【0017】
そして、このエアバッグ装置1を備えた自動車が衝突などすると、インフレータ5から供給されるガスによりエアバッグ6が膨出し、この膨出する圧力により、カバー11を破断して突出口を形成し、膨出側である所定方向に向かってエアバッグ6が突出し、乗員の前方に膨張展開する。なお、以下、エアバッグ6の膨出側である所定方向を上方Aあるいは表面側とし、膨出側の反対方向を下方あるいは裏面側として説明する。また、このエアバッグ装置1を自動車に取り付けた状態における前後方向及び両側方向を前後方向及び両側方向として説明する。
【0018】
そして、カバー11は、図1ないし図5に示すように、いわゆるインストルメントパネルを構成するアウタ部21と、このアウタ部21の裏面側に振動溶着などで取り付けられたインナ部22とを備え、インストルメントパネル部3に一体的に構成されるいわゆるシームレスリッドあるいはシームレスインパネと呼ばれる部材を構成している。
【0019】
そして、アウタ部21は、表皮パネル、アウタパネル部、パネル体、リッドアウターなどととも呼ばれるもので、インストルメントパネル部3の表面側を一体的に覆い、すなわち、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり略板状に設けられている。そして、このアウタ部21は、曲げ弾性率2969〔MPa〕(30300〔kgf/cm〕)の硬質なポリプロピレン樹脂による射出成形品で、いわば硬質の樹脂にて形成され、表面にはフロントウィンドウガラスへの映り込みを防止するとともに、好ましい皮革などを模した外観を得るための艶消しシボ加工が施されている。なお、アウタ部21を構成する樹脂は、曲げ弾性率1078〔MPa〕(11000〔kgf/cm〕)以上、好ましくは、1862〔MPa〕(19000〔kgf/cm〕)以上の硬質樹脂が好適である。具体的には、上記のポリプロピレンの他、例えば、塩化ビニル、ABS、変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)、ポリカーボネート、あるいはこれらを組み合わせた複合樹脂などが使用できる。この複合樹脂としては、例えば、ポリカーボネートとABSの複合樹脂などを用いることができる。また、当該分野または関連分野にて通常使用される樹脂に利用される複合化技術、例えば、タルク、ウィスカー、チタンホワイトなど物性や色調を調整するための種々の添加剤を加えることもできる。
【0020】
そして、このアウタ部21の裏面側には、ケース体4の上部の開口部に略対向して、弱部としてのテアライン24が形成され、非展開部であるアウタ外郭部25と、このアウタ外郭部25に囲まれた前後一対の平面長方形状の扉予定部26,26が区画形成されている。そして、この扉予定部26,26が、通常時に折り畳んで収納されたエアバッグ6の膨出側を覆っている。そして、テアライン24は、テア、テア溝、破断予定線、開裂予定溝あるいは破断部などとも呼ばれる破断可能な弱部であり、本実施の形態では、中央部を両側に延びる中央テアライン24aと、外郭を構成する外郭テアライン24bとを有した略「日」の字状で、閉ループ状である四角形枠状のテアラインを組み合わせた構成になっている。また、このテアライン24は、アウタ部21の成形後に、射出成形により平坦に形成された平坦部分にフライス刃などの回転刃により彫刻して後加工した切削溝として形成されている。
【0021】
一方、インナ部22は、バッキング、バッキング部材、あるいはリッドインナーなどとも呼ばれるもので、アウタ部21を構成する材料よりも軟質の材料にて形成された軟質樹脂製で、扉予定部26を合わせた形状よりも大きい平面形状を有し、テアライン24の内側及び外側に位置してアウタ部21に溶着され、すなわち、アウタ部21の裏面の扉予定部26及びこの扉予定部26の周囲のアウタ外郭部25に結合されている。そして、このインナ部22は、曲げ弾性率274〔MPa〕(2800〔kgf/cm〕)のTPO樹脂(サーモプラスチックオレフィン)の射出成形品である。なお、インナ部22の材質としては、例えば、住友化学製「スミフレックス」(登録商標)が用いられ、また、TPO樹脂の他にも、TPU(ウレタン系)、TPE(ポリエステル系)、SES、SEBS(スチレン系)等の略称で呼ばれる軟質の各種エラストマー樹脂が適用可能であり、曲げ弾性率としては588〔MPa〕(6000〔kgf/cm〕)以下、好ましくは、441〔MPa〕(4500〔kgf/cm〕)以下で選択できる。
【0022】
そして、このインナ部22は、アウタ部21のアウタ外郭部25の裏面側に固着された四角板枠状のインナ外郭部31と、このインナ外郭部31の内周側の端部から下方に突設された四角筒状の取付片部32と、インナ外郭部31の内周側に位置して各扉予定部26,26の裏面側に固着された四角板状の扉補強部33,33と、これら扉補強部33,33を取付片部32に連結する一対のヒンジ部34,34とが一体に形成されている。また、各扉予定部26,26同士の間、及び各扉予定部26,26の両端の短辺の部分に沿って、すなわち、外郭テアライン24bの短辺と中央テアライン24aに対向する位置に沿って、小さい幅の凹溝状の切断部38が平面略H字形に形成されている。
【0023】
また、取付片部32は、リテーナ取付用縦壁とも呼びうるもので、アウタ部21の外郭テアライン24bの外周部に沿って位置し、あるいは、外郭テアライン24bの外周部に近接した位置に沿って形成されている。そして、この取付片部32のこの取付片部32の前後に対向する面部が、前後一対の係止部になっている。そして、これら係止部には、それぞれ取付部であり四角状の角孔である取付孔39が形成され、これら取付孔39に、ケース体4に設けたフックがそれぞれ係止されている。
【0024】
また、各扉補強部33は、各扉予定部26よりも若干面積が小さく、図3に示すように、中央テアライン24aに沿った位置から、取付片部32から若干離間した位置まで形成されている。
【0025】
さらに、各ヒンジ部34は、変形可能であり、一部のテアライン24に対向する部位に沿って、本実施の形態では、前後のテアライン24に対向する部位に沿って、これらテアライン24を跨ぎ、各扉補強部33と取付片部32とを可撓的に連結する。そして、このヒンジ部34は、図1などに示すように、一端部が扉補強部33に連結されエアバッグ6の下方に曲面部分を向け、すなわち下方に膨出するように湾曲した断面弧状さらには断面略U字状の湾曲部であるU字部41と、このU字部41の他端部と取付片部32とを連結しテアライン24に対向する水平板状の連設部42とを備えている。さらに、いわば取付片部32に結合されるインナ部22のヒンジ部34の根本(ヒンジ基部)である連設部42の上側面の高さ位置は、インナ外郭部31及び扉補強部33の上面すなわちアウタ部21の裏面の高さ位置よりも寸法Lだけ低い位置に設定されている。そこで、連設部42と、この連設部42の上方に対向するテアライン24を設けたアウタ部21との間に、これらヒンジ部34、取付片部32、及びアウタ外郭部25に囲まれて、高さ寸法Lの空間部44が形成されている。
【0026】
なお、本実施の形態では、高さ寸法Lは2.5mmに設定されている。また、ヒンジ部34のU字部41及び連設部42は、インナ部22のインナ外郭部31及び扉補強部33と同一の厚さ寸法である3.0mmの厚さ寸法Dで一定に形成されている。さらに、インナ部22の扉補強部33の表面側からヒンジ部34の裏面の裏面側の端部までの深さ寸法H1は12.5mm、扉補強部33の表面側からヒンジ部34の表面の裏面側の端部までの寸法の深さ寸法H2は10.0mm、インナ部22の表面側のヒンジ部34のU字部41の凹部の外幅寸法W1は16.5mm、インナ部22の表面側のヒンジ部34の連設部42のインナ部22の表面側に沿った方向の寸法W2はテアライン24の下端部の幅寸法とほぼ等しい4.8mmに設定されている。
【0027】
すなわち、ヒンジ部34のU字部41は、U字部41の底点Bを中心とする一側である扉補強部33側の長さ寸法は、他側であるインナ外郭部31側の長さ寸法より長く形成されている。
【0028】
なお、空間部44の高さ寸法Lなどの各部の寸法は、使用する樹脂の特性とエアバッグ6のサイズすなわち容量、形状や、インフレ−タ5の形式やガス噴射特性など、種々の因子を考慮しエアバッグ装置1の展開テストの結果を考慮して設定される。
【0029】
次に、エアバッグ装置1が作動した際のカバー11の展開挙動を説明する。
【0030】
図1及び図3に示す状態から、エアバッグ6にガスが流入して膨張展開すると、エアバッグ6は、図5に実線で示すように、ケース体4内で膨張して、その膨張力により、インナ部22の扉補強部33を介してアウタ部21の扉予定部26を押し上げる。そして、この力により、アウタ部21の弱部であるテアライン24が全長にわたって破断し、扉予定部26がアウタ部21の他の部分から切り離され、図4(a)に示すように、扉予定部26が扉部46として回動すなわち展開を開始する。
【0031】
次いで、これら扉部46は、空間部44内のある点を軸として回動し、エアバッグ6の突出口が形成される。
【0032】
そして、本実施の形態では、ヒンジ部34の根本である連設部42を取付片部32に連設し、この連設部42の表面側の高さを、インナ外郭部31及び扉補強部33の表面側の高さより下げた位置に設定し、アウタ部21とインナ部22との間に空間部44を形成している。そこで、扉部46は、連設部42の高さを下げずにインナ外郭部31などと等しくした場合に比べて、低い位置を支点として回動し、テアライン24の破断により形成された扉部46の端縁部47が、図4(b)に示すように、下側の空間部44に引き込まれるように回動し、さらに、この扉部46の端縁部47がヒンジ部34のU字部41に囲まれた空間に引き込まれるようにして、円滑に回動する。
【0033】
このように、本実施の形態によれば、ヒンジ部34のインナ外郭部31側の根本である連設部42を取付片部32に結合し、この連設部42の結合位置を、アウタ部21とインナ外郭部31との境界部分から下方に離間して位置させ、インナ外郭部31のヒンジ部34側の基部である取付片部32に臨んで境界部分に空間部(スペース)44を形成したため、エアバッグ6の展開時には、テアライン24の破断により形成された扉部46は低い位置を支点として回動し、扉部46の端縁部47が、空間部44に入り込むため、扉部46を所望の特性で安定して円滑に展開させることができ、この結果、エアバッグ6を所望の特性で安定して円滑に展開させることができる。
【0034】
この点、仮に、図6(a)に示す比較例のように、ヒンジ部34の根本が扉補強部33と同じ高さでインナ外郭部31側に連結されていると、極端な高温下などの条件では、図6(b)に示すように、扉部46の端縁部47がアウタ部21の表面側に乗り上げるようにして展開する場合があり、扉部を所望の特性で安定して円滑に展開させることが容易でない。この点、本実施の形態によれば、扉部46の端縁部47がアウタ部21の表面側に乗り上げることがなく、所望の特性を安定して実現できる。
【0035】
また、上記の実施の形態では、ヒンジ部34に略U字状のU字部41を設けたため、低温などの条件で樹脂の伸びが小さい場合にも、扉部46の端縁部47をU字部41内に収容し、広い温度域で扉部46を安定して円滑に展開させることができる。
【0036】
また、カバー11は、それぞれ樹脂にて形成したアウタ部21とインナ部22とを接合して形成したため、容易にインストルメントパネルと一体的に構成できるとともに、インストルメントパネル部品に用いられる樹脂とは線膨張係数が大きく異なる金属を用いる構成に比べて、広い範囲の温度条件で熱変形を生じにくく外観の良好なカバー11を提供できる。また、簡潔な構造で良く、コストの増加がなく又は抑制できる。
【0037】
このようにして、自動車のエアバッグ装置1のカバー11に好適な構成を提供でき、特に、インストルメントパネルと一体的に構成されるカバー11に好適な構成を提供できる。
【0038】
また、上記の実施の形態の構成において、取付片部32の空間部44に臨む部分を、扉部46の端縁部47を案内する案内部として利用することにより、扉部46の展開動作について容易に安定した特性を得ることができる。
【0039】
例えば、図7に示すように、取付片部32の空間部44に臨む部分に、ヒンジ部34のU字部41側に向かって傾斜する傾斜面である案内部51を設けることができる。そして、この構成では、扉部46が展開する際は、扉部46の端縁部47が案内部51に摺接して空間部44に案内され、扉部46の展開動作について容易に安定した特性を得ることができる。なお、この案内部51は、平面状とすることもでき、また、曲面状とすることもできる。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、前後一対の扉予定部26,26を備え、前後に観音開き状に展開するいわゆるダブルフラップの構成を示したが、この構成に限られず、例えば、略四角状の弱部により区画形成された1個の扉予定部を備え、弱部の破断により形成された扉部を例えば前方向に展開させるいわゆるシングルフラップの構成とすることもできる。
【0041】
また、扉補強部33,33間の切断部38は、凹溝状に形成する他、扉補強部33,33同士を間欠的に連結したミシン目状とし、あるいは、連続的に離間させたスリットとして形成することもできる。
【0042】
なお、上記の実施の形態では、インストルメントパネル部3の助手席乗員用のエアバッグ装置1のカバー11について説明したが、自動車の内装パネルとして他の場所に設置されるエアバッグ装置のカバーに適用することもできる。
【0043】
また、弱部としてのテアライン24の断面は、断面略三角状の他、適宜の形状を採りうるもので、例えば、断面略台形状とすることもできる。
【0044】
また、ヒンジ部34は、テアライン24の長手方向に沿って長手方向に連続して形成したが、この構成に限られず、例えば、複数のヒンジ部34を間欠的に配置してヒンジ部34を構成することもできる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載のエアバッグ装置のカバーによれば、ヒンジ部はアウタ部から離間した位置で取付片部に連結され、アウタ部と離間した位置との間に空間部が設けられたため、温度変化によりヒンジ部の変形特性が変化しても、扉部の端縁部が他の部材に干渉することなく、扉部を所望の特性で容易に安定して回動させることができる。パネル体は、柔軟に変形する特性を備える必要がなく、硬質な樹脂で形成可能であり、エアバッグ装置以外の部材と一体に形成して、外観を容易に向上できる。
【0046】
請求項2記載のエアバッグ装置のカバーによれば、請求項1記載の効果に加え、U字部により、低温時などにも扉部が容易に円滑に回動できるとともに、簡略な構造で、扉部が所望の特性で容易に安定して回動する構成を実現でき、製造コストを低減できる。
【0047】
請求項3記載のエアバッグ装置のカバーによれば、請求項1または2記載の効果に加え、形成された扉部の端縁部を案内部により案内し、扉部を所望の特性で容易に安定して回動させることができる。
【0048】
請求項4記載のエアバッグ装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載のカバーを備えたため、所望の動作で扉予定部及び弱部の破断により形成された扉部が展開し、容易に所望の特性でエアバッグを展開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置のカバーの一実施の形態を示す図3のII部を拡大した一部の断面図である。
【図2】同上カバーの斜視図である。
【図3】同上カバーのI−I断面図である。
【図4】同上カバーの動作を示す説明図である。
(a)は展開初期の状態
(b)は(a)に続く状態
【図5】同上エアバッグ装置の動作の説明図である。
【図6】比較例のカバーの動作を示す説明図である。
(a)は展開前の状態
(b)は(a)に続く状態
【図7】本発明のエアバッグ装置のカバーの他の実施の形態を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ装置
4 ケース体
5 インフレータ
6 エアバッグ
11 カバー
21 アウタ部
22 インナ部
24 弱部としてのテアライン
25 アウタ外郭部
26 扉予定部
31 インナ外郭部
32 取付片部
33 扉補強部
34 ヒンジ部
41 U字部
42 連設部
44 空間部
46 扉部
47 端縁部
51 案内部

Claims (4)

  1. 収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時にこのエアバッグが突出する突出口が形成されるエアバッグ装置のカバーであって、
    前記エアバッグの膨出側に配置された扉予定部、この扉予定部を囲むアウタ外郭部、及び、これら扉予定部とアウタ外郭部とを区画し前記エアバッグの膨張時の圧力で破断するループ状の弱部を備えたアウタ部と、
    前記扉予定部に接合される扉補強部、前記アウタ外郭部に接合されるインナ外郭部、前記弱部の外周側に位置し前記インナ外郭部から前記膨出側の反対側に突設された取付片部、及び、これら扉補強部と取付片部とを連結する変形可能なヒンジ部を備えたインナ部とを具備し、
    前記ヒンジ部はアウタ部から離間した位置で取付片部に連結され、前記アウタ部と前記離間した位置との間に空間部が設けられた
    ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー。
  2. ヒンジ部は、
    一端部が扉補強部に連結されエアバッグの膨出側の反対側に曲面部分を向ける断面略U字状をなすU字部と、弱部に対向して前記U字部の他端部と取付片部とを連結する連設部とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置のカバー。
  3. 空間部に臨み、取付片部には、弱部の破断により形成された扉部の端縁部を案内する案内部が形成された
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置のカバー。
  4. エアバッグと、
    このエアバッグにガスを供給するインフレータと、
    収納された前記エアバッグを覆う請求項1ないし3いずれか一記載のカバーと、
    前記エアバッグ及びインフレータを収納するとともに、前記カバーの取付片部が取り付けられるケース体と
    を具備したことを特徴とするエアバッグ装置。
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