JP4337340B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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    • B60R21/2165—Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components characterised by the covers for the inflatable member characterised by a tear line for defining a deployment opening

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグ装置に係り、特に天板部と脚片部とを別々に成形した後、接合して製造されたモジュールカバーを備えたエアバッグ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車等の高速移動体に設置されるエアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグが取り付けられたリテーナと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータ（ガス発生器）と、該エアバッグに被さっているモジュールカバー等を備えている。モジュールカバーは天板部と、該天板部の裏面から立設された脚片部とを備えており、この脚片部がリテーナに連結されている。
【０００３】
インフレータがガスを発生すると、エアバッグが膨張を開始し、モジュールカバーがテアラインに沿って開裂して押し開かれ、エアバッグが車両室内に展開し、乗員を保護する。
【０００４】
特開２００２−１２１１６号には、天板部と脚片部とを合成樹脂により別々に成形し、これらを振動溶着によって接合してなるモジュールカバーが記載されている。天板部と脚片部とを一体に成形すると、天板部のうち脚片部が連なる部分にあっては、天板部前面にヒケが生じやすいが、天板部と脚片部とを別々に成形して接合すると、かかる天板部前面のヒケが防止され、美観に優れたモジュールカバーが得られる。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−１２１１６号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開２００２−１２１１６号公報のモジュールカバーにあっては、脚片部は、天板部の裏面に重なる板状の補強部と、この補強部の周縁から立ち上る取付部とからなる枡形状のものである。このように枡形状の脚片部を天板部に振動溶着した場合、該補強部が天板部の中央付近一帯に固着されるため、天板部の剛性が高くなり、エアバッグ膨張時に天板部を押し開くために要する力が大きなものとなる。また、このため、インフレータとして出力の高いものを用いる必要がある。
【０００７】
本発明は、エアバッグ膨張時に天板部が開放し易いものとすることができるモジュールカバーを備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、該エアバッグが取り付けられた容器状のリテーナと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該エアバッグに被さる前記モジュールカバーと、該リテーナに固着された連結金具とを備えてなる助手席用のエアバッグ装置において、該モジュールカバーは、天板部と、該天板部の裏面から起立する脚片部とを有し、該天板部と脚片部とが別々に成形され、成形後に接合されているエアバッグ装置であって、該天板部及び該脚片部はオレフィン系の熱可塑性エラストマーにより成形されており、該天板部と脚片部とが振動溶着により接合されており、該脚片部は、該天板部の裏面に接合された基部と、該基部から立ち上がり天板部の裏面から離反方向に延在する脚片部本体とを有しており、該基部は、該脚片部本体よりも天板部の外縁側にのみ存在しており、前記天板部は、溝よりなるテアラインが設けられたものであり、該インフレータが作動してガスを噴出すると、該エアバッグが膨張を開始し、該テアラインに沿って該天板部が開裂すると共に、該天板部が屈曲して開き出すことを特徴とするものである。
【０００９】
かかる本発明のエアバッグ装置のモジュールカバーにあっては、天板部が比較的可撓性の高い熱可塑性エラストマーにより成形されているので、エアバッグ膨張時に比較的小さな力で天板部を押し開くことができる。
【００１０】
なお、本発明のエアバッグ装置のモジュールカバーにあっても、天板部と脚片部とが別々に成形されているので、天板部前面のヒケが防止され、美観に優れたモジュールカバーが得られる。
【００１１】
本発明のエアバッグ装置のモジュールカバーにおいては、天版部及び脚片部をオレフィン系の熱可塑性樹脂（ＴＰＯ）により成形し、この脚片部と天板部とを振動溶着によって接合するので、両者を容易に且つしっかりと連結することができる。
【００１２】
本発明にあっては、脚片部は、該天板部の裏面に接合された基部と、該基部から立ち上がり天板部の裏面から離反方向に延在する脚片部本体とを有しており、該基部は、該脚片部よりも天板部の外縁側にのみ存在する。
【００１３】
かかる構成とした場合には、脚片部の基部は脚片部本体よりも天板部の外側にのみ配置されているので、脚片部よりも内側の天板部の剛性が基部によって高められることがない。このため、インフレータ出力を高めることなく、エアバッグ膨張時に天板部がスムーズに開放するようになる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第１図は実施の形態に係るエアバッグ装置の縦断面図、第２図は第１図のモジュールカバーの下方からの斜視図、第３図はこのモジュールカバーの分解斜視図である。
【００１５】
このエアバッグ装置は、インストルメントパネル（図示略）に設置される助手席用エアバッグ装置であり、折り畳まれたエアバッグ１０と、このエアバッグ１０が取付金具１６を介して取り付けられた容器状のリテーナ１２と、エアバッグ１０を膨張させるためのインフレータ１４と、エアバッグ１０に被さるモジュールカバー２０と、リテーナ１２に溶接等により固着された連結金具３２等を備えている。
【００１６】
このモジュールカバー２０は、周囲のインストルメントパネルと面一状に配置される天板部２２と、この天板部２２の裏面に接合された脚片部２４とを有する。天板部２２には溝よりなるテアライン２２ａが設けられている。脚片部２４は、天板部２２の裏面に接合された基部２６と、該基部２６から天板部２２の裏方向に立ち上がる脚片部本体２８とからなる。該脚片部本体２８には、連結金具３２のフック部３２ａの係合孔３０が設けられている。
【００１７】
この実施の形態では、脚片部本体２８は、リテーナ１２の全周を囲むように長方形枠状となっている。基部２６は、この長方形枠状の脚片部本体２８の端縁から外方に拡開するフランジ状に設けられている。この実施の形態では、基部２６は脚片部本体２８の全周にわたって設けられている。
【００１８】
この天板部２２はＴＰＯ（オレフィン系の熱可塑性エラストマー）により成形されたものである。また、脚片部２４もＴＰＯにより成形されたものである。第３図の如く、基部２６を天板部２２の裏面に当てて振動溶着することにより該天板部２２と脚片部２４とが接合されている。
【００１９】
このモジュールカバー２０は、エアバッグ１０に被さるようにリテーナ１２と係合され、この際、フック部３２ａが係合孔３０に係合される。
【００２０】
このように構成されたエアバッグ装置にあっては、インフレータ１４が作動してガスを噴出すると、エアバッグ１０が膨張を開始し、テアライン２２ａに沿って天板部２２が開裂し、第１図の２点鎖線にて示すように天板部２２が開放し、エアバッグ１０が助手席乗員の前方に展開する。
【００２１】
このモジュールカバー２０にあっては、天板部２２が比較的可撓性の高いＴＰＯにより成形されたものであるので、エアバッグ１０の膨張に伴い、比較的小さな力で２点鎖線の如く開き出す。
【００２２】
また、このモジュールカバー２０にあっては、脚片部２４の基部２６が脚片部本体２８の外側にのみ存在しているので、天板部２２のうち脚片部本体２８内側領域の剛性は天板部２２の剛性のみである。そのため、膨張するエアバッグ１０に押されることにより天板部２２は容易に２点鎖線の如く屈曲する。従って、インフレータ１４としてガス発生圧力の低い低出力のものを用いてもエアバッグ１０は速やかに膨張展開するようになる。
【００２３】
なお、天板部をＴＰＯにより成形したことにより、エアバッグ展開時の天板部のひきつれ（正規のテア位置できれいに開裂せずに天板部やフラップ部に部材が残る、または飛散する現象）が防止される。また、前述の特開２００２−１２１１６号公報のようにモジュールカバーをポリプロピレンにより成形した場合には、モジュールカバー成形後に該モジュールカバーを加工してテアラインを形成する必要があるが、本発明のようにＴＰＯを用いてモジュールカバーを成形する場合には、モジュールカバーの成形とテアラインの形成とを同時に行うことができるため、製造工程が簡素化される。
【００２４】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の形態をもとりうる。例えば、テアラインの配置は図示以外とされてもよい。上記実施の形態は助手席用エアバッグ装置に関するものであるが、本発明は運転席用エアバッグ装置や後席用エアバッグ装置などにも適用可能である。
【００２５】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、天板部にヒケが無く、またインフレータ出力を増大させることなくスムーズに開放するモジュールカバーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 実施の形態に係るエアバッグ装置の縦断面図である。
【図２】 第１図のモジュールカバーの下方からの斜視図である。
【図３】 第２図のモジュールカバーの分解斜視図である。

Claims (2)

  1. 折り畳まれたエアバッグと、該エアバッグが取り付けられた容器状のリテーナと、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該エアバッグに被さる前記モジュールカバーと、該リテーナに固着された連結金具とを備えてなる助手席用のエアバッグ装置において、
    該モジュールカバーは、天板部と、該天板部の裏面から起立する脚片部とを有し、
    該天板部と脚片部とが別々に成形され、成形後に接合されているエアバッグ装置であって、
    該天板部及び該脚片部はオレフィン系の熱可塑性エラストマーにより成形されており、該天板部と脚片部とが振動溶着により接合されており、
    該脚片部は、該天板部の裏面に接合された基部と、該基部から立ち上がり天板部の裏面から離反方向に延在する脚片部本体とを有しており、
    該基部は、該脚片部本体よりも天板部の外縁側にのみ存在しており、
    前記天板部は、溝よりなるテアラインが設けられたものであり、
    該インフレータが作動してガスを噴出すると、該エアバッグが膨張を開始し、該テアラインに沿って該天板部が開裂すると共に、該天板部が屈曲して開き出すことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項１において、前記脚片部本体は、該リテーナの全周を囲む枠状となっており、
    該脚片部本体には、係合孔が設けられており、該係合孔に該連結金具が係合しており、
    前記基部は、該脚片部本体の端縁から外方に拡開するフランジ状に設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
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