JP3937308B2 - 車両内装部材 - Google Patents

車両内装部材 Download PDF

Info

Publication number
JP3937308B2
JP3937308B2 JP2002043932A JP2002043932A JP3937308B2 JP 3937308 B2 JP3937308 B2 JP 3937308B2 JP 2002043932 A JP2002043932 A JP 2002043932A JP 2002043932 A JP2002043932 A JP 2002043932A JP 3937308 B2 JP3937308 B2 JP 3937308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boundary
airbag
main body
pillar
vehicle interior
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002043932A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003237512A (ja
Inventor
和則 高橋
孝司 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoac Corp filed Critical Inoac Corp
Priority to JP2002043932A priority Critical patent/JP3937308B2/ja
Publication of JP2003237512A publication Critical patent/JP2003237512A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3937308B2 publication Critical patent/JP3937308B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両内装部材に関し、更に詳細には、所要形状に形成されて車両の乗員室内へ露出する部材本体と、本体裏面の所要位置に一体成形され、該部材本体の車体取付用部材を固定的に支持する支持台部とからなり、常には車体と前記部材本体との間に収容されたエアバッグ部品を被覆すると共に、エアバッグ装置の作動下に前記エアバッグ部品の押圧力が加わった際に、前記部材本体が変形して該エアバッグ部品が乗員室内へ延出するのを許容する車両内装部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年生産される自動車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、種々のエアバッグ装置が標準的または選択的に装備されるようになっている。例えば、ステアリングのホーンパッド部およびインストルメントパネルの内側には、正面衝突時に乗員を保護するためのエアバッグ装置が搭載されている。また最近では、側面衝突時に乗員を保護するためのエアバッグ装置として、シートバックの側面内部に搭載されて乗員の胸部を保護するサイドエアバッグ装置や、フロントピラーからルーフサイド(およびリアピラー)に亘る部位の内側に搭載されて乗員の頭部を保護するカーテンエアバッグ装置等も実用化されつつある。
【0003】
例えば図10は、前述したカーテンエアバッグ装置10の作動によりエアバッグ(エアバッグ部品)12が膨張展開した状態で示す乗員室内の部分断面図であるが、このカーテンエアバッグ装置10の非作動時には、フロントピラー16に取付けられたピラーガーニッシュ30からルーフ18の端部に取付けられるルーフサイドガーニッシュ28に亘る内部空間に、前記エアバッグ12が折畳まれた状態で収容されている。そして側面衝突事故が発生した際には、例えばセンターピラー下部等に配設した衝撃感知センサー(図示せず)が側面からの衝突を感知し、フロントピラー下部またはリアピラー下部等に配設されたインフレータ(図示せず)が作動することで、前記エアバッグ12が乗員室内へ瞬時に膨張展開してサイドウインドウガラス22を被覆するようになる。なお、カーテンエアバッグ装置10のエアバッグ12は様々な形状のものが実用化されており、例えばピラーガーニッシュ30からルーフサイドガーニッシュ28に亘って延在するもの(図示せず)や、ルーフサイドガーニッシュ28の部位にだけ延在するもの(図10に例示のもの)等があり、前者態様では前記ピラーガーニッシュ30の内側にも該エアバッグ12の一部が収容され、後者態様では該ピラーガーニッシュ30の内側にエアバッグ12の端縁部を支持するエアバッグ支持部材(エアバッグ部品)14を備えている。
【0004】
ここで、エアバッグ部品である前記エアバッグ12およびエアバッグ支持部材14は、側面衝突事故の非発生時にはピラーガーニッシュ30およびルーフサイドガーニッシュ28の内側へ収容され、乗員室に露出しないようにすることが望ましい。そこで、図10に例示のカーテンエアバッグ装置10の場合、前記エアバッグ12はルーフサイドガーニッシュ28とルーフ18との間に画成された空間24内に収容され、前記エアバッグ支持部材14はフロントピラー16とピラーガーニッシュ30との間に画成された空間26内に収容されている(図11)。そして、カーテンエアバッグ装置10の作動により膨張を開始したエアバッグ12は、前記ルーフサイドガーニッシュ28を裏側から押圧して強制的に変形させ、これにより画成された開口部25を介して乗員室へ膨張展開する一方(図10)、前記エアバッグ12の膨張展開に連動して引張られる前記エアバッグ支持部材14は、前記ピラーガーニッシュ30を裏側から押圧して強制的に変形させ(図13)、これにより画成された開口部27を介して乗員室へ延出するようになる(図14)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば前記ピラーガーニッシュ30は、図12に示すように、車体の前記フロントピラー16を被覆し得る形状に形成されたピラー本体32と、本体裏面の所要位置に一体成形され、該ピラー本体32を前記フロントピラー16に取付ける車体取付用部材としてのクリップ36を固定的に支持する支持台部34とから構成されている。そして、前記クリップ36を前記フロントピラー16に開設した係止孔17へ嵌挿して係止させることで該フロントピラー16から取外し不可能に固定され、これにより前記フロントピラー16とピラー本体32との間に画成された空間26に収容された前記エアバッグ支持部材14を被覆する。これによりカーテンエアバッグ装置10の作動時には、前記エアバッグ支持部材14がピラー本体32の端縁部(押圧部位)を裏側から押圧することで該ピラー本体32が変形し、該エアバッグ支持部材14が乗員室へ延出するのを許容するようになる。
【0006】
ところで前記クリップ36を固定する支持台部34は、図11および図12に示すように、ピラー本体32の短手方向へ所要間隔に離間して立設された第1壁部38および第2壁部40により、該ピラー本体32の裏面に連設している。従って、ピラー本体32および支持台部34の境界部位は、前記エアバッグ支持部材14の押圧力により変形するようになる押圧部位42とは交差しない方向、すなわち該押圧部位42と略平行な方向に延在した所謂ニ字形となっている。このため、前記エアバッグ支持部材14の押圧力により変形が許容される前記押圧部位42は、図13に示すように、支持台部34の第1壁部38との連設部位から右側部分だけとされ、該押圧部位42はこの第1壁部38との境界部位を基点として局部的に変形するようになる。従って、例えばポリプロピレン(PP)等の比較的硬質な樹脂素材から形成されたピラーガーニッシュ30では、ピラー本体32の押圧部位42と第1壁部38との境界部位に応力が集中するようになるから、この境界部位でピラー本体32が割れて破損する可能性があると共に分離した押圧部位42が乗員席側へ飛ばされることもあり得る。
【0007】
また、前記ピラー本体32に破損が生じなかった場合には、前述した押圧部位42の分離・飛翔は回避されるとしても、該ピラー本体32の変形に際して前記クリップ36に過大な負荷が掛かるようになるから、該クリップ36が係止孔17から脱離してピラーガーニッシュ30が全体的に飛翔する畏れがあり得る。従って、このような不都合を防ぐために特殊な強化クリップを使用する必要が生じ、これによりコストアップを招来してしまう問題があった。更には、ピラー本体32の変形に大きな力を要するから、前記エアバッグ支持部材14が乗員室へスムーズに延出しないこともあり、前記エアバッグ12の膨張展開が遅延して乗員保護機能が充分に発揮され得ない畏れも指摘される。
【0008】
なお、前述した種々の不都合を回避するひとつの対策として、例えばTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマ)等の柔軟性および靭性に優れた素材からピラーガーニッシュ30を成形することも提案されている。しかしながら、前記TPOは高価なために材料費が嵩んでしまい、コストアップを招来する課題は解決され得ない。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、エアバッグ装置の作動によりエアバッグ部品の押圧力が加わった際に容易に変形する構造とすることで、自体の破損防止を図ると共にエアバッグ部品がスムーズに乗員室へ延出し得るようにした車両内装部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、所要形状に形成されて車両の乗員室内へ露出する部材本体と、本体裏面の所要位置に一体成形され、該部材本体の車体取付用部材を固定的に支持する支持台部とからなり、常には車体と前記部材本体との間に収容されたエアバッグ部品を被覆すると共に、エアバッグ装置の作動下に前記エアバッグ部品の押圧力が加わった際に、前記部材本体が変形して該エアバッグ部品が乗員室内へ延出するのを許容する車両内装部材において、
前記部材本体および支持台部の境界部位は、前記エアバッグ部品の押圧力が加わる該部材本体の押圧部位に対して所要角度で交差する方向に延在する第1境界部と、この第1境界部を挟んで前記押圧部位と反対側に位置して該第1境界部と交差する方向に延在する第2境界部とからなり、
前記第1境界部には、前記支持台部の厚みを前記押圧部位に作用するエアバッグ部品の押圧力により破断可能な薄肉とした破断予定部が形成され、
前記第2境界部には、前記支持台部の厚みを前記押圧部位に作用するエアバッグ部品の押圧力では破断不能とした連設支持部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る車両内装部材につき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0012】
本願が対象とする車両内装部材は、車体に取付けた際に該車体との間に画成された空間にエアバッグ部品を収容すると共に、エアバッグ装置が作動して前記エアバッグ部品の押圧力が加わった際には、自体が適宜変形して該エアバッグ部品が乗員室内へ延出するのを許容するようになっている車両内装部材であって、例えばピラーガーニッシュやルーフサイドガーニッシュ等が挙げられる。そこで本実施例では、図10に示したピラーガーニッシュ30を例示して説明する。なお、図10〜図14をもとに説明した従来技術の項で既出の部材および装置と同一の部材、装置は、同一の符号を付して説明する。
【0013】
図1は、本発明の好適実施例に係る車両内装部材としてのピラーガーニッシュ30を、車体のフロントピラー16に取付けた状態で示す概略断面図、図2は、該ピラーガーニッシュ30の部分斜視図である。本実施例のピラーガーニッシュ30は、基本的には図10〜図14に示した従来のピラーガーニッシュ30と同様に、前記フロントピラー16を被覆し得る所要形状に形成されて車両の乗員室内へ露出する部材本体としてのピラー本体32と、このピラー本体32の裏面所要位置に一体成形され、該ピラー本体32を車体に取付ける車体取付用部材としてのクリップ36を固定的に支持する支持台部34とから構成されている。このピラーガーニッシュ30は、例えばポリプロピレン(PP)等の樹脂素材をインジェクション成形して形成されたもので、前記ピラー本体32と支持台部34とが一体的に連設している。
【0014】
前記ピラー本体32は、前記フロントピラー16を被覆し得る長尺の樋形状を呈し、このフロントピラー16に対して乗員室内の側から取付けた際に該フロントピラー16との間に適宜の空間26を画成するようになっており、この空間26内に収容された前記カーテンエアバッグ装置10(図10)を構成するエアバッグ部品としての前記エアバッグ支持部材14を被覆し得るようになっている。そして後述するように、エアバッグ支持部材14により押圧部位42が裏側から押圧された際に適宜変形して姿勢変位することで、該エアバッグ支持部材14が乗員室へ延出するのを許容するようになっている。なおピラー本体32の外表面には、質感向上を図るため成形時にシボ加工が施されたり、あるいは成形後にファブリックや合成皮革等の表皮材が貼着される場合もある。
【0015】
前記支持台部34は、図2〜図5に示すように、前記エアバッグ支持部材14の押圧力が加わる前記押圧部位42の側に開口する箱枠状を呈している。すなわち支持台部34は、ピラー本体32の長手方向に所要間隔に離間しかつ該ピラー本体32の短手方向へ延在するよう立設された第1壁部46,46と、これら第1壁部46,46における該押圧部位42とは反対側の側端縁間に連設されて前記ピラー本体32の長手方向へ延在するよう立設された第2壁部48と、これら第1壁部46,46および第2壁部48の上端縁に連設されて前記クリップ36を固定的に支持する支持部52を立設した第3壁部50とから構成されている。
【0016】
これにより、相互に一体成形されたピラー本体32および支持台部34の境界部位Sは、前記エアバッグ支持部材14の押圧力が加わる前記押圧部位42の側に向けて開口する略コ字形に延在している(図5)。換言すると、ピラー本体32および支持台部34の境界部位Sは、前記押圧部位42に対して所要角度で交差する方向に延在する第1境界部S1と、この第1境界部S1を挟んで前記押圧部位42と反対側に位置して該第1境界部S1と交差する方向に延在する第2境界部S2とに、便宜上区分されている。
【0017】
前記クリップ36は、帯状金属板を図示のように予備成形されて弾性変形可能とされ、前記支持部52に対して上方から装着される。このとき、前記クリップ36に形成した係止爪37が支持部52に形成した係止孔54に係止し、これによりクリップ36は支持部52に固定される。なお実施例のピラーガーニッシュ30では、ピラー本体32の裏面に合計3個の支持台部34が形成されており、各支持台部34に設けたクリップ36によりフロントピラー16に固定される。
【0018】
このような実施例のピラーガーニッシュ30では、支持台部34を前述のような形態としたもとで、該支持台部34および前記ピラー本体32の境界部位Sに、前記エアバッグ支持部材14の押圧力が該ピラー本体32の前記押圧部位42に作用した際に破断する破断予定部56と、該エアバッグ支持部材14の押圧力が該押圧部位42に作用しても破断しない連設支持部58とが夫々形成されている。具体的には、前記押圧部位42に対して所要角度で交差する方向に延在する前記夫々の第1境界部S1(第1壁部46,46とピラー本体32裏面との接合部位)に破断予定部56,56が形成されていると共に、これら第1境界部S1を挟んで前記押圧部位42と反対側に位置して該第1境界部S1と交差する方向に延在する第2境界部S2(第2壁部48とピラー本体32裏面との接合部位)に連設支持部58が形成されている(図5)。
【0019】
このうち夫々の破断予定部56,56は、図4に示すように、横断面形状が略V字形を呈する凹溝60を、前記境界部位Sにおける第1境界部S1に沿って延設することで薄肉とされた部位であり、ピラー本体32の短手方向(押圧部位42の変形方向)へ延在している。ここで、前記第1壁部46の厚みHが約2mmとされることを前提とすると、前記凹溝60の最大深さh1が約1.2mmとされ、これにより破断予定部56の実質的な厚みh2は約0.8mm程度となっている。また、夫々の破断予定部56,56において押圧部位42の側に臨んだ端縁部にはV字形の切欠き64が形成されており、前記エアバッグ支持部材14の押圧力が押圧部位42に加わった際に、該押圧部位42の変形に伴う応力が前記切欠き64へ集中的に加わるよう考慮されている。
【0020】
従って、▲1▼切欠き64の形成部位に応力が集中すること、▲2▼破断予定部56,56を形成する前記凹溝60がV字溝態様で角部を有して応力が集中し易いこと、▲3▼破断予定部56,56の延在方向が押圧部位42の変形方向と沿っていること、等の諸条件に基き、ピラー本体32の押圧部位42にエアバッグ支持部材14の押圧力が加わった際には、夫々の破断予定部56,56の端縁部に設けた前記切欠き64に応力が集中する(図6)。これにより、夫々の破断予定部56,56における押圧部位42に臨む端縁部で破断が始まり、この端縁部で破断が始まると、押圧部位42の変形に従って破断予定部56,56全体が一気に破断するようになる(図7)。
【0021】
また連設支持部58は、図3に示すように、横断面形状が半径Rの半円形状を呈する凹溝62を、前記境界部位Sにおける第2境界部S2に沿って延設することで適宜薄肉とされた部位であり、ピラー本体32の長手方向(押圧部位42の変形方向と略直交する方向)へ延在している。ここで、前記第2壁部48の厚みWが約2mmとされることを前提とすると、前記凹溝62の最大深さW1が約0.8mmとされ、これにより連設支持部58の実質的な厚みW2は1.2mm程度となっている。そして、▲1▼連設支持部58を形成する前記凹溝62が半円形状で応力が集中し難いこと、▲2▼該連設支持部58の延在方向が押圧部位42の変形方向と交差していること、等の諸条件により、ピラー本体32の押圧部位42にエアバッグ支持部材14の押圧力が加わって前記破断予定部56,56が破断したとしても、当該連設支持部58は破断しないようになっている。
【0022】
しかも前記連設支持部58は、前記凹溝62の形成により肉厚が小さく設定されているので、前記破断予定部56,56での破断完了後には所謂インテグラルヒンジとして機能し、クリップ36によりフロントピラー16に強固に固定されている支持台部34に対するピラー本体32の容易な姿勢変形を許容するようになっている。但し、前記第2境界部S2に沿って凹溝62を設け、前記連設支持部58の厚みを小さくすることは必須ではない。すなわち、前記破断予定部56,56での破断が完了すれば、支持台部34に対する押圧部位42の変形自由度が大幅に高められており、前記連設支持部58の厚みを小さくしなくとも押圧部位42の容易な変形が可能となる。
【0023】
前述のように構成された実施例のピラーガーニッシュ30では、前記カーテンエアバッグ装置10が作動して前記エアバッグ支持部材14の押圧力がピラー本体32の押圧部位42に加わった際に、前記夫々の破断予定部56,56が適時に破断するから、該ピラー本体32と支持台部34とが前記連設支持部58だけで接合されるようになる。この結果としてピラー本体32(押圧部位42)は、連設支持部58をヒンジ中心として、比較的小さい押圧力を受けただけで前記支持台部34に対して全体的に姿勢変位するようになる(図7)。
【0024】
従って、エアバッグ支持部材14の押圧力を受けた前記押圧部位42だけが局部的に変形しないから、ピラー本体32と支持台部34との接合部位に応力が集中することがなくなり、この接合部位でピラー本体32が割れて破損が生じたり、破損により分離した押圧部位42が乗員席側へ飛翔することを好適に防止し得る。また前記破断予定部56,56が破断した後には、ピラー本体32が比較的小さい押圧力で全体的に姿勢変位するため、前記クリップ36に過大な負荷が掛かることもなくなり、ピラーガーニッシュ30全体がフロントピラー16から脱離して飛翔する畏れもない。更には、ピラー本体32の変形に大きな力を要しないから、前記エアバッグ支持部材14が乗員室へスムーズに延出するようになり、前記エアバッグ12の乗員保護機能を阻害することもない。
【0025】
また実施例のピラーガーニッシュ30は、エアバッグ支持部材14の押圧力が加わった際に、前述したように破断予定部56,56の破断によりピラー本体32が容易に姿勢変位して破損が防止されるため、材料費が低廉な前記ポリプロピレン(PP)で成形することが可能となる。従って、材料費が嵩むTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマ)から形成する場合と比較して、製造コストの低減を図ることが可能である。
【0026】
なお、ピラー本体32の裏面に一体成形された前記支持台部34は、前記実施例の形態に限定されるものではなく、前述したように、これらピラー本体32および支持台部34の境界部位Sが、前記押圧部位42に対して所要角度で交差する方向に延在する第1境界部S1と、この第1境界部S1を挟んで前記押圧部位42と反対側に位置して該第1境界部S1と交差する方向に延在する第2境界部S2とからなることを前提とすれば、これ以外の形態としてもよい。例えば、図8に示すような支持台部34とすることで、前記ピラー本体32および支持台部34の境界部位Sを、前記第1境界部S1および第2境界部S2が略L字形に延在するようにした形態や、図9に示すような支持台部34とすることで、前記ピラー本体32および支持台部34の境界部位Sを、前記第1境界部S1および第2境界部S2が略T字形に延在するようにした形態でもよい。何れの形態にあっても、前記第1境界部S1に破断予定部56が形成されると共に前記第2境界部S2に連設支持部58が形成されており、エアバッグ支持部材14の押圧力が加わった際には、前記破断予定部56が適時に破断して押圧部位42が容易に変形するようになる。
【0027】
なお本願が対象とする車両内装部材は、実施例に例示したピラーガーニッシュ30に限定されるものではなく、前述したように、車体のルーフ18に取付けられてエアバッグ12を収容するルーフサイドガーニッシュ28(図10)等も含まれる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る車両内装部材によれば、エアバッグ部品の押圧力が加わった際に部材本体が局部的に変形することがないから、該部材本体が割れて破損が生じたり、分離した部材本体の押圧部位が乗員席側へ飛翔する不都合を回避し得る有益な効果を奏する。そして、部材本体が比較的小さい押圧力で全体的に姿勢変位して変形するため、車体取付用部材に過大な負荷が掛かることもなくなり、車両内装部材全体が車体から外れて飛翔する畏れもない。また、部材本体の変形に大きな力を要しないから、エアバッグ部品が乗員室へスムーズに延出するようになり、エアバッグ装置の乗員保護機能を阻害することがない。更には、材料費が低廉なポリプロピレン等で成形することが可能となり、製造コストの低減を図り得る等の利点もある。なお車両内装部材は、例えば車体のピラーに取付けられるピラーガーニッシュや、車体のルーフに取付けられるルーフサイドガーニッシュ等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係る車両内装部材としてのピラーガーニッシュを、車体のフロントピラーに取付けた状態で示す概略断面図である。
【図2】実施例のピラーガーニッシュにおけるピラー本体裏面に形成された支持台部を示す概略斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】エアバッグ装置の作動によりエアバッグ部品がピラーガーニッシュのピラー本体を裏側から押圧することで、該ピラー本体が変形し始めた状態を示す説明断面図である。
【図7】エアバッグ部品の押圧力が更に強まることでピラー本体と支持台部との境界部位に設けた破断予定部が適時に破断し、これらピラー本体および支持台部が連結支持部だけで接合される結果として該ピラー本体が容易に姿勢変形し得るようになった状態を示す説明断面図である。
【図8】ピラー本体の裏面に形成された支持台部の別形態例を示す概略斜視図であって、これらピラー本体および支持台部の境界部位が略L字形に延在する形態を示している。
【図9】ピラー本体の裏面に形成された支持台部の別形態例を示す概略斜視図であって、これらピラー本体および支持台部の境界部位が略T字形に延在する形態を示している。
【図10】カーテンエアバッグ装置が作動してエアバッグが膨張展開した状態で示す乗員室内の部分断面図である。
【図11】図10のIX−IX線断面図である。
【図12】従来実施のピラーガーニッシュにおけるピラー本体裏面に形成された支持台部を示す概略斜視図である。
【図13】エアバッグ装置の作動によりエアバッグ部品がピラーガーニッシュのピラー本体を裏側から押圧することで、該ピラー本体が変形し始めた状態を示す説明断面図である。
【図14】エアバッグ部品の押圧力が更に強まることでピラー本体の押圧部位が局部的に変形するため、ピラー本体と支持台部との境界部位に応力が集中して該ピラー本体に破損が生じ、分離した押圧部位が飛翔する畏れがあることを示す説明断面図である。
【符号の説明】
12 エアバッグ(エアバッグ部品)
14 エアバッグ支持部材(エアバッグ部品)
16 フロントピラー(ピラー)
18 ルーフ
28 ルーフサイドガーニッシュ(車両内装部材)
30 ピラーガーニッシュ(車両内装部材)
32 ピラー本体(部材本体)
34 支持台部
36 クリップ(車体取付用部材)
42 押圧部位
56 破断予定部
58 連設支持部
S 境界部位
S1 第1境界部
S2 第2境界部

Claims (8)

  1. 所要形状に形成されて車両の乗員室内へ露出する部材本体(32)と、本体裏面の所要位置に一体成形され、該部材本体(32)の車体取付用部材(36)を固定的に支持する支持台部(34)とからなり、常には車体と前記部材本体(32)との間に収容されたエアバッグ部品(12,14)を被覆すると共に、エアバッグ装置の作動下に前記エアバッグ部品(12,14)の押圧力が加わった際に、前記部材本体(32)が変形して該エアバッグ部品(12,14)が乗員室内へ延出するのを許容する車両内装部材(28,30)において、
    前記部材本体(32)および支持台部(34)の境界部位(S)は、前記エアバッグ部品 (12,14) の押圧力が加わる該部材本体 (32) の押圧部位 (42) に対して所要角度で交差する方向に延在する第1境界部 (S1) と、この第1境界部 (S1) を挟んで前記押圧部位 (42) と反対側に位置して該第1境界部 (S1) と交差する方向に延在する第2境界部 (S2) とからなり、
    前記第1境界部 (S1) には、前記支持台部 (34) の厚みを前記押圧部位 (42) に作用するエアバッグ部品 (12,14) の押圧力により破断可能な薄肉とした破断予定部 (56) が形成され、
    前記第2境界部 (S2) には、前記支持台部 (34) の厚みを前記押圧部位 (42) に作用するエアバッグ部品 (12,14) の押圧力では破断不能とした連設支持部 (58) が形成されている
    ことを特徴とする車両内装部材。
  2. 前記連設支持部 (58) は、横断面形状が半円形状を呈する凹溝 (62) を前記第2境界部 (S2) に沿って延設して形成される請求項1記載の車両内装部材。
  3. 前記部材本体(32)および支持台部(34)の境界部位(S)は、前記第1境界部(S1)および第2境界部(S2)が略コ字形に延在している請求項1または2記載の車両内装部材。
  4. 前記部材本体(32)および支持台部(34)の境界部位(S)は、前記第1境界部(S1)および第2境界部(S2)が略L字形に延在している請求項1または2記載の車両内装部材。
  5. 前記部材本体(32)および支持台部(34)の境界部位(S)は、前記第1境界部(S1)および第2境界部(S2)が略T字形に延在している請求項1または2記載の車両内装部材。
  6. 前記部材本体(32)および支持台部(34)は、ポリプロピレン等の樹脂素材を材質とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両内装部材。
  7. 前記車両内装部材(28)は、車体のルーフ(18)に取付けられるルーフサイドガーニッシュである請求項1〜6の何れか一項に記載の車両内装部材。
  8. 前記車両内装部材(30)は、車体のピラー(16)に取付けられるピラーガーニッシュである請求項1〜6の何れか一項に記載の車両内装部材。
JP2002043932A 2002-02-20 2002-02-20 車両内装部材 Expired - Fee Related JP3937308B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043932A JP3937308B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 車両内装部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043932A JP3937308B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 車両内装部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003237512A JP2003237512A (ja) 2003-08-27
JP3937308B2 true JP3937308B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=27783526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002043932A Expired - Fee Related JP3937308B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 車両内装部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3937308B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4724582B2 (ja) * 2006-03-29 2011-07-13 マツダ株式会社 カーテンエアバッグ装置を備えた車両の後部構造
JP2008062827A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Mazda Motor Corp カーテンエアバッグ装置を備えた車両の後部構造
JP4623100B2 (ja) * 2008-02-04 2011-02-02 トヨタ自動車株式会社 カーテンシールドエアバッグ取付構造
JP5168090B2 (ja) * 2008-11-05 2013-03-21 豊田合成株式会社 ガーニッシュ
JP5404159B2 (ja) * 2009-04-24 2014-01-29 河西工業株式会社 内装部品
JP5582767B2 (ja) * 2009-11-25 2014-09-03 日本プラスト株式会社 車両用ピラーガーニッシュ部材
JP5668343B2 (ja) * 2010-07-09 2015-02-12 日産自動車株式会社 カーテンエアバック装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003237512A (ja) 2003-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0904992B1 (en) Placement structure for head-protecting air bag body
JP3497451B2 (ja) 自動車用乗員保護装置の配設構造
JP3777552B2 (ja) カーテンエアバック装着車両のピラートリム設置構造
JP3704844B2 (ja) 自動車用乗員保護装置の配設構造
JPH1191489A (ja) 頭部保護エアバッグ袋体を搭載した車両の内装品取付構造
JPH11115674A (ja) 頭部保護エアバッグ袋体の配設構造
JP3959673B2 (ja) エアバッグドアのインサート部材
EP2147834B1 (en) Air-bag device for walker and car with the same
US7896388B2 (en) Seat airbag
EP1332932B1 (en) Vehicle occupants protection system
US6220623B1 (en) Side airbag device for restraining occupant's head
JP3937308B2 (ja) 車両内装部材
JP3405246B2 (ja) 自動車用乗員保護装置の配設構造
JP3261048B2 (ja) 自動車用乗員保護装置の固定構造
JP2001018731A (ja) 頭部保護エアバッグ装置搭載車両におけるピラーガーニッシュ取付構造
JP3652212B2 (ja) エアバッグ装置
JP4206808B2 (ja) エアバッグドアのヒンジ構造
JP6996270B2 (ja) カーテンエアバッグ装置の搭載構造
JP4570729B2 (ja) 頭部保護エアバッグ装置の配設構造
JP3456453B2 (ja) バニティーミラー付きサンバイザー
KR20060092659A (ko) 자동차용 조수석 에어백 도어 구조
JP4478829B2 (ja) エアバッグドア
JP2003291768A (ja) 車両用乗員保護装置
KR100419735B1 (ko) 차량 센터필라 트림의 지지장치
JP2004291859A (ja) カーテンエアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees