JP3959673B2 - エアバッグドアのインサート部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エアバッグドアのインサート部材に関し、更に詳細には、車両内装部材の基材に一体的に形成されて常には該基材の一部を構成し、エアバッグ装置の作動時に開裂予定線が破断することで前記基材から分離して開放するエアバッグドアにおいて、該エアバッグドアの裏側に装着されるインサート部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年に至り、殆どの乗用車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席エアバッグ装置および助手席エアバッグ装置が標準的に装備されている。前記運転席エアバッグ装置は、一般的にステアリングのホーンパッド部に装備され、前記助手席エアバッグ装置は、図7に示す如く、乗員室前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネル10における助手席前方内部に格納されている。このため前記インストルメントパネル10には、前記助手席用の前記エアバッグ装置20に対応した部位に、当該エアバッグ装置20の作動時に膨張を開始したエアバッグ22の押圧力を受けると乗員室側へ開放するエアバッグドア15が設けられている。
【0003】
前記インストルメントパネル10は、所要形状にインジェクション成形した合成樹脂製のパネル基材11を主体としており、▲1▼前記パネル基材11のみから構成されたタイプ、▲2▼前記パネル基材11の外面に表皮材12を被着したタイプ(図7はこれに該当)、▲3▼前記パネル基材11の外面に表皮材およびクッション材を被着したタイプ、等に大別される。ここで前記パネル基材11は、各種車載機器を搭載するインストルメントパネル10の使用目的を前提として、例えばPP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成されている。このため、パネル基材11に一体的に形成して常には該基材11の一部を構成するようにした前記エアバッグドア15の場合は、殊に低温時にエアバッグ22の強大な押圧力が加わった際にその衝撃で破損するおそれがあり、強度上および安全上に問題が生ずる可能性を内在している。そこで、前記パネル基材11とエアバッグ装置20とを連結支持するインサート部材25を、前記エアバッグドア15の裏面に装着して、該エアバッグドア15およびその周辺部位の破損防止および飛散防止等を図る対策が施されている。
【0004】
従来のインサート部材25は、例えばスチール等の金属を材質とする金属製の成形部材であって、2枚のドアパネル15a,15bからなる両開き式のエアバッグドア15に対応するタイプでは、図8に示す如く、パネル基材11に形成されるドアパネル15a,15bの外縁ラインに沿って形成した開裂予定線16を囲繞するように固定される矩形枠体状の固定ブラケット26と、この固定ブラケット26の開口部内側に互いに対向的に装着される可動ブラケット27,27とから構成されている。前記固定ブラケット26は、前記エアバッグ装置20に係止される筒体部28と、この筒体部28に一体成形されてパネル基材11の裏側におけるエアバッグドア15の周辺部位にカシメ付けされる係着板部29とから構成され、エアバッグ装置20とパネル基材11とを連結支持している。また夫々の可動ブラケット27,27は、前記固定ブラケット26の筒体部28に溶接またはビス着される支持パネル30と、この支持パネル30にヒンジ接合されて対応のドアパネル15a,15bの裏面にカシメ付け接合される可動パネル31とから構成されている。このような金属製のインサート部材25を装着したパネル基材11では、エアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bおよび該エアバッグドア15の裏面周辺部位が補強され、膨張するエアバッグ22の押圧力が加わっても充分に耐え得る強度が付与される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで前記インサート部材25では、前記固定ブラケット26の筒体部28に可動ブラケット27の支持パネル30が強固に固定されており、かつ図9(a)に示す如く、該支持パネル30と前記可動パネル31とは折曲支点(ヒンジ部)32で単に折曲可能に形成したものとされ、エアバッグ22が可動パネル31を内側から押圧した際には、該可動パネル31が折曲支点32を中心として単に外方へ開放するようになっていた。しかしながら、このような形態のエアバッグドア15では、図9(b)に示す如く、前記可動パネル31をカシメ付けしたドアパネル15a(15b)における外縁ライン側の端部15cがパネル基材11に干渉してしまい、各ドアパネル15a(15b)の開放可能角度が小さくなってエアバッグ22のスムーズな膨張展開を阻害するおそれがあった。しかも、膨張展開するエアバッグ22が開放規制状態にある可動パネル31を強制的に押圧した際には、端部15cとパネル基材11との干渉によりドアパネル15a(15b)が図9(b)の矢印A方向へ押動され、ドアパネル15a(15b)と可動パネル31とのカシメ付けに供されたリブ33が破損して該ドアパネル15a(15b)が可動パネル31から分離・飛散する不都合が危惧される。
【0006】
また前記インサート部材25は、前述したように、固定ブラケット26および可動ブラケット27が何れも金属製であるから、インストルメントパネル10の重量増加を招来してしまうと共に、可動パネル31の開放慣性力が増大するので前述したドアパネル15a(15b)の分離・飛散を助長する不都合も指摘される。更に、パネル基材11に対するインサート部材25の取付けが、多くの作業工数を要するカシメ付け形態を採用せざるを得ないのでコストが嵩む問題や、合成樹脂製のパネル基材11と金属製のインサート部材25とが異材質であるからリサイクル性が良くない等の欠点も指摘される。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、車両内装部材に設けたエアバッグドア裏側とエアバッグ装置とを連結支持するインサート部材を、合成樹脂成形製とすると共に移動可能とすることで、エアバッグドアの適切な開放、軽量化およびコスト低減、リサイクル性の向上等を可能としたエアバッグドアのインサート部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材の基材に一体的に形成されて常には該基材の一部を構成し、エアバッグ装置の作動時に開裂予定線が破断することで前記基材から分離して開放するエアバッグドアに関して、該エアバッグドアの裏側に装着されるインサート部材であって、
前記エアバッグドアを囲繞し得る筒状体に形成され、前記基材の裏面における該エアバッグドアの周辺部位と前記エアバッグ装置とを連結支持する合成樹脂製の固定部材と、
前記固定部材の内側に移動可能に収容され、前記固定部材の内面に摺動可能に当接する支持パネルおよび該支持パネルにヒンジ接合されて前記エアバッグドアの裏面に固定される可動パネルを有し、前記可動パネルが前記固定部材と一致した第1位置から、該可動パネルと一体的に開放する前記エアバッグドアの端部が前記基材と干渉するのが回避される突出量で突出する第2位置へ移動可能な合成樹脂製の可動部材とからなり、
前記固定部材には、前記エアバッグ装置に設けた係止片が挿通される第1係止孔を開設し、
前記可動部材の前記支持パネルには、前記エアバッグドアの開放方向に沿う所要長の縦長状に形成されて、前記第1位置では前記第1係止孔より前記エアバッグドアから離間する側へ延すると共に、前記エアバッグ装置に設けた係止片が、該可動部材が第1位置から第2位置へ移動する側と反対側に前記突出量と同一寸法を以て遊嵌状態で挿通する第2係止孔を開設し、
前記可動部材が、常には前記可動パネルが前記固定部材と一致して前記支持パネルが前記エアバッグ装置に非係止状態とされる前記第1位置に保持され、該エアバッグ装置におけるエアバッグの押圧時には、前記第2係止孔が前記係止片へ係止する前記第2位置へ移動ることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエアバッグドアのインサート部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、車両内装部材であるインストルメントパネル10のパネル基材11に設けた2枚のドアパネル15a,15bからなる両開き式のエアバッグドア15を例示し、このエアバッグドア15に対応するよう構成されたインサート部材につき説明する。なお、従来技術の項において既出の部材と同一部材に関しては、同一の符号を付して説明する。
【0010】
図1は、本発明の好適実施例に係るインサート部材をエアバッグドアの裏側に設置した状態を示すインストルメントパネル10の要部断面図である。図示のインストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に形成された合成樹脂製のパネル基材11と、このパネル基材11の外面に被着された表皮材12とからなる2層タイプとされている。そして、車両乗員室の前方に設置した際に、リィンフォースバー等の車体構成部材13に強固に固定されたエアバッグ装置20を被覆する。このようなインストルメントパネル10においてエアバッグドア15は、前記パネル基材11の裏面における該エアバッグ装置20に対応した部位に中央開裂予定線16aおよび外縁開裂予定線16bからなる「日」字形の開裂予定線16を延設することで、パネル基材11に一体的に形成されて常には該基材11の一部を構成する2枚のドアパネル15a,15bからなっている(図6(a))。そして各ドアパネル15a,15bは、前記外縁開裂予定線16bでの破断によりパネル基材11から分離し、前記中央開裂予定線16aでの破断により相互に分離するようになる。ここで開裂予定線16は、パネル基材11の裏面に夫々のドアパネル15a,15bの外縁ラインに沿って凹設した凹溝であって、該ドアパネル15a,15bやパネル基材11の一般部位よりも厚みを小さくすることで破断し易く設定したものである。
【0011】
本実施例におけるインサート部材35は、前記開裂予定線16(16a,16b)での破断によりパネル基材11から分離する2枚のドアパネル15a,15bからなる両開き式のエアバッグドア15に適合するよう構成され、両ドアパネル15a,15bの適切な開放を補助するよう機能する。すなわちインサート部材35は、図1および図2に示す如く、エアバッグドア15(外縁開裂予定線16b)を囲繞し得る筒状体に形成され、前記パネル基材11の裏面における該エアバッグドア15の周辺部位と前記エアバッグ装置20とを連結支持する合成樹脂製の固定ブラケット(固定部材)36と、この固定ブラケット36の内側に移動可能に収容され、エアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bの裏面に接合される合成樹脂製の可動ブラケット(可動部材)37とから構成されている。
【0012】
前記固定ブラケット36は、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)等の合成樹脂からインジェクション成形され、前記エアバッグ装置20に整合して係止保持される角筒状の筒体部38と、この筒体部38に一体成形されてパネル基材11の裏側におけるエアバッグドア15の周辺部位へ接合される額縁状の接合板部39とから構成されている。前記筒体部38には、前記エアバッグ装置20のインフレータ21に整合するようになっており、インフレータ21の側面に設けた複数個の鉤状係止片23が対応して係止可能な第1係止孔40が、当該筒体部38の対向する壁部に開設されている。また前記接合板部39は、前記パネル基材11の裏面におけるエアバッグドア15の周辺部位に密着するように形成されており、後述する如く、振動溶着法等に基いて該パネル基材11に溶着接合される。
【0013】
前記可動ブラケット37は、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)等の合成樹脂からインジェクション成形され、前記固定ブラケット36における筒体部38の内側形状に合致する下開放の矩形箱体状に形成されており、縦壁部位に設けられて該筒体部38の内面に摺動可能に当接する支持パネル41と、上壁部位に設けられて該支持パネル41にヒンジ接合され、前記エアバッグドア15の裏面に固定される可動パネル42とからなる。なお実施例のエアバッグドア15が2枚のドアパネル15a,15bから構成されているので、夫々のドアパネル15a,15bに対応した2対の支持パネル41,41および可動パネル42,42が可動ブラケット37に対向的に設けられている。ここで、夫々の可動パネル42,42の外縁ラインに沿って凹溝状の開裂予定部43が延設されていると共に、該可動パネル42と支持パネル41との境界部分は薄肉状のヒンジ部44とされ、可動パネル42は前記開裂予定部43での破断後に前記ヒンジ部44を中心とした開放変位が許容される。
【0014】
そして前記支持パネル41,41は、前記エアバッグ装置20のインフレータ21と前記固定ブラケット36の筒体部38との間に位置するようになっており、インフレータ21に設けた前記鉤状係止片23の夫々に対応する複数個の第2係止孔45が開設されている。ここで前記第2係止孔45は、ドアパネル15a,15bの開放方向(図1の上下方向)へ所要長の縦長状に開設されており、前記鉤状係止片23は対応の第2係止孔45に対して遊嵌状態で挿通している。従って可動ブラケット37は、常には前記固定ブラケット36の接合板部39と可動パネル42とが一致して該支持パネル41が前記エアバッグ装置20に非係止状態とされる第1位置(図1)に保持されると共に、前記エアバッグ装置20におけるエアバッグ22の押圧時には、該固定ブラケット36から所要量突出して支持パネル41がエアバッグ装置20に係止する第2位置(図2,図3)へ移動可能となっている。
【0015】
ここで、可動ブラケットが第2位置へ移動した際の固定ブラケット36に対する突出量(第1位置→第2位置への上昇移動量)hは、後述する如く、可動パネル42,42と一体的に開放するドアパネル15a,15bの端部15cが、パネル基材11に干渉するのを回避し得ることを条件として設定される(図3および図5)。
【0016】
前述のように構成された実施例のインサート部材35は、固定ブラケット36および可動ブラケット37が同系統のオレフィン系の熱可塑性エラストマーから形成されているため、オレフィン系のPP材から形成された前記パネル基材11および該基材11の一部を構成するドアパネル15a,15bの裏面に対して、振動溶着法に基いて両ブラケット36,37を取付固定することが可能となっている。しかも、固定ブラケット36および可動ブラケット37が別体として構成されているとしても、該可動ブラケット37を固定ブラケット36の筒体部38内に収容したもとでパネル基材11およびエアバッグドア15の裏面に対して同時に溶着することが可能となっている。
【0017】
【実施例の作用】
次に、前述のように構成された本実施例のインサート部材35を裏面に装着したエアバッグドア15の作用につき説明する。
【0018】
実施例のインサート部材35は、前述した如く、固定ブラケット36および可動ブラケット37を個別にインジェクション成形した後、両ブラケット36,37をパネル基材11の裏面およびエアバッグドア15の裏面に対して、振動溶着法に基いて同時に溶着接合して装着される。これにより固定ブラケット36では、接合板部39がエアバッグドア15の裏面周辺部位に接合され、可動ブラケット37では、各可動パネル42,42が対応のドアパネル15a,15bの裏面に接合される。このように実施例のインサート部材35では、固定ブラケット36および可動ブラケット37が何れもオレフィン系の熱可塑性エラストマーから形成されているので、パネル基材11およびエアバッグドア15に対して同一条件での振動溶着が可能となり、同時に溶着接合して装着することが可能である。
【0019】
そして、この前記インサート部材35がパネル基材11の裏面に装着されたインストルメントパネル10を車両乗員室の前方に設置した際には、車体構成部材13に予め固定されたエアバッグ装置20のインフレータ21が、固定ブラケット36の筒体部38および可動ブラケット37の支持パネル41に整合し、両ブラケット36,37に設けられて相互に整合している前記第1係止孔40および第2係止孔45へ、該インフレータ21に設けた各鉤状係止片23が対応的に挿通するようになる(図1)。この時、エアバッグ装置20の各鉤状係止片23は、固定ブラケット36の第1係止孔40に対しては殆ど遊びのない状態で挿通しており、可動ブラケット37の第2係止孔45に対しては所要の遊嵌状態で挿通している(第2係止孔45が縦長形状に開設されているため)。従って可動ブラケット37は、エアバッグ装置20の作動前においては、固定ブラケット36の接合板部39と可動パネル42,42とが一致して前記支持パネル41が該エアバッグ装置20に非係止状態とされる第1位置に保持されている。
【0020】
前記インサート部材35を装着した前提のもとで前記エアバッグ装置20が作動した際には、膨張を開始したエアバッグ22の押圧力は可動ブラケット37における各可動パネル42,42に加わり、これによりエアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bにエアバッグ22の押圧力が付与されるようになる。
【0021】
ここで、可動ブラケット37にエアバッグ22の押圧力が加わった時点では、後述の▲1▼および▲2▼の条件となっている。すなわち、▲1▼固定ブラケット36はエアバッグ装置20に係止され、可動ブラケット37はエアバッグ装置20に対して未だ係止されていない。▲2▼可動ブラケット37の開裂予定部43では未だ破断が始まっておらず、各可動パネル42,42は1枚の板状に一体的に接合している。従って前記▲1▼および▲2▼の条件を総合すると、エアバッグ22の押圧による応力は、中央開裂予定線16aよりも外縁開裂予定線16bへ集中して作用するようになるから、先ず外縁開裂予定線16bにおいて破断が生ずるようになる。そして、外縁開裂予定線16bでの破断が進行・完了すると、エアバッグドア15はパネル基材11から分離してフリー状態となると共に、可動ブラケット37もエアバッグ装置20に係止されていないので、これらエアバッグドア15および可動ブラケット37は、該ブラケット37の支持パネル41,41がエアバッグ装置20に係止される第2位置まで一体的に上昇移動する(図3および図6(b))。なお、可動ブラケット37がエアバッグ装置20に係止されて停止した時点では、未だ中央開裂予定線16aでの破断は始まっていない。
【0022】
外縁開裂予定線16bでの破断が完了し、可動ブラケット37が上昇移動した後にエアバッグ装置20に係止されて第2位置で停止すると、エアバッグ22の押圧により中央開裂予定線16aで破断が生ずるようになる。ここで、前記エアバッグ22は上面中央が突出した状態で膨張するため、可動ブラケット37の開裂予定部43およびエアバッグドア15の中央開裂予定線16aでは、夫々の中間部位で先ず部分的な破断が惹起される(図6(c))。そして、開裂予定部43および中央開裂予定線16aの夫々において中間部位で部分的な破断が始まると、エアバッグ22の膨張による押圧力の増大に伴って全体的な破断が一気に進行するようになる。
【0023】
このようにして、開裂予定線16における外縁開裂予定線16bでの破断が完了し、パネル基材11から分離したエアバッグドア15がパネル基材11と共に上昇移動した後、開裂予定部43および中央開裂予定線16aでの破断が完了すると、エアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bおよび可動パネル42,42の開放変位が許容されるようになる。これにより両可動パネル42,42は、膨張するエアバッグ22に押圧されながらヒンジ部44を中心として回動し、対応のドアパネル15a,15bと共に乗員室側へ一気に開放するようになる(図4および図6(d))。
【0024】
このとき、エアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bをパネル基材11から浮上させた状態で前記可動パネル42,42が開放するようになるから、該可動パネル42,42と一体的に開放する該ドアパネル15a,15bの端部15cがパネル基材11に干渉するのが好適に回避され、両ドアパネル15a,15bの開放が円滑になされる(図5および図6(e))。
【0025】
このように本実施例のインサート部材35では、エアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bに接合される可動ブラケット37が上昇移動して所要量突出した状態で各可動パネル42,42がドアパネル15a,15bと一体的に開放するようになるので、両ドアパネル15a,15bとパネル基材11との干渉が好適に回避され、ドアパネル15a,15bの開放が何等規制されることがなく、該ドアパネル15a,15bが可動パネル42,42から分離して飛散する等の不都合の発生が好適に回避される。また、各ドアパネル15a,15bが適切な開放角度まで開放するため、エアバッグ22の膨張展開に支障を来すこともない。
【0026】
また本実施例のインサート部材35は、該部材35を構成する固定ブラケット36および可動ブラケット37が何れも同系統の合成樹脂製とされているので、パネル基材11の裏面およびエアバッグドア15の裏面に対して、振動溶着法等に基いて同時に接合固定することができ、装着作業の容易化および工数削減等が図られてコスト低減を図りえる。
【0027】
更に実施例のインサート部材35は、前述した如く合成樹脂製とされているので、図8に示した金属製の従来のインサート部材25に比べて軽量に形成されているので、これによりインストルメントパネル10の軽量化に寄与できる。更にまた、パネル基材11と同一系統の合成樹脂から形成されているので、当該インストルメントパネル10を設置した車両の廃車に際してはパネル基材11にインサート部材35を装着したままで廃棄処理が可能となり、リサイクル性の向上にも寄与できる。
【0028】
なお前記実施例では、固定ブラケット36および可動ブラケット37を完全な別部材として構成した場合を例示したが、エアバッグ22の押圧力が加わった際に容易に相互分離してエアバッグドア15の各ドアパネル15a,15bの開放に支障を来さないことを要件とすれば、適宜連結した単一部材として成形するようにしてもよい。
【0029】
そして実施例では、2枚のドアパネル15a,15bからなる両開き式のエアバッグドア15に対応したインサート部材35を例示したが、本願が対象とするインサート部材は、1枚のドアパネルからなる片開き式のエアバッグドア、4枚のドアパネルからなる4方開き式のエアバッグドア等に対応するものも対象とされる。
【0030】
また前記実施例では、2層タイプのインストルメントパネル10を例示したが、本実施例におけるインサート部材35は、前記パネル基材11のみから構成される単層タイプのインストルメントパネルに設けたエアバッグドアにも実施可能である。
【0031】
更に、本願のインサート部材35が採用可能なエアバッグドアは、前記インストルメントパネル10に設けたものの他に、ドアパネルやピラーガーニッシュ等に設けたもの等も含まれる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るエアバッグドアのインサート部材によれば、固定部材および可動部材を合成樹脂製とすると共に、エアバッグドアの裏面に装着される該可動部材を該固定部材より所要量突出し得るよう構成したことにより、▲1▼エアバッグドアの適切な開放、▲2▼軽量化およびコスト低減、▲3▼リサイクル性の向上等を可能とし得る等の極めて有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るインサート部材をエアバッグドアの裏側に設置した状態で示すインストルメントパネルの要部断面図である。
【図2】可動ブラケットが第2位置に上昇移動して固定ブラケットから突出した状態で示すインサート部材の一部破断斜視図である。
【図3】膨張を開始したエアバッグの押圧力が可動ブラケットに加わることにより外縁開裂予定線で破断が生じ、これによりパネル基材から分離したエアバッグドアと可動ブラケットが第2位置へ上昇移動してパネル基材から突出した状態を示す断面図である。
【図4】可動ブラケットが第2位置へ上昇移動した後に、中央開裂予定線および可動ブラケットの開裂予定部で破断が生ずることにより、可動パネルとドアパネルが一体的に開放し始めた状態を示す断面図である。
【図5】可動パネルとドアパネルの開放が完了した状態を示す断面図である。
【図6】エアバッグドアの開放変位を経時的に示す説明図であって、(a)はエアバッグの押圧力が付与される前の状態の斜視図、(b)は外縁開裂予定線で破断が生じた後にエアバッグドアと可動ブラケットとが一体的に上昇移動した状態の斜視図、(c)は中央開裂予定線および可動ブラケットの開裂予定部で破断が始まった直後の状態の斜視図、(d)は開裂予定線および開裂予定部での破断が完了した後に可動パネルとドアパネルとが一体的に開放し始めた状態の斜視図、(e)は可動パネルおよびドアパネルの開放が完了した状態の斜視図である。
【図7】エアバッグドアとエアバッグ装置とを連結支持するインサート部材を示すインストルメントパネルの側断面図である。
【図8】金属製の固定ブラケットおよび金属製の可動ブラケットから構成される従来のインサート部材の概略斜視図である。
【図9】図8に示したインサート部材を装着したエアバッグドアの開放態様を断面状態で示す説明図であって、(a)は、ドアパネルの開放前状態を示し、(b)は、可動パネルとドアパネルとが一体的に開放するに際し、該ドアパネルの端部と基材とが干渉する不都合を示している。
【符号の説明】
11 パネル基材(基材)
15 エアバッグドア
15a,15b ドアパネル
15c 端部
16 開裂予定線
16a 中央開裂予定線
16b 外縁開裂予定線
20 エアバッグ装置
22 エアバッグ
23 鉤状係止片(係止片)
36 固定ブラケット(固定部材)
37 可動ブラケット(可動部材)
41 支持パネル
42 可動パネル
40 第1係止孔
45 第2係止孔
h 突出量

Claims (3)

  1. 車両内装部材の基材(11)に一体的に形成されて常には該基材(11)の一部を構成し、エアバッグ装置(20)の作動時に開裂予定線(16/16a,16b)が破断することで前記基材(11)から分離して開放するエアバッグドア(15/15a,15b)に関して、該エアバッグドア(15/15a,15b)の裏側に装着されるインサート部材であって、
    前記エアバッグドア(15/15a,15b)を囲繞し得る筒状体に形成され、前記基材(11)の裏面における該エアバッグドア(15/15a,15b)の周辺部位と前記エアバッグ装置(20)とを連結支持する合成樹脂製の固定部材(36)と、
    前記固定部材(36)の内側に移動可能に収容され、前記固定部材(36)の内面に摺動可能に当接する支持パネル(41)および該支持パネル(41)にヒンジ接合されて前記エアバッグドア(15/15a,15b)の裏面に固定される可動パネル(42)を有し、前記可動パネル (42) が前記固定部材 (36) と一致した第1位置から、該可動パネル (42) と一体的に開放する前記エアバッグドア (15/15a,15b) の端部 (15c) が前記基材 (11) と干渉するのが回避される突出量 (h) で突出する第2位置へ移動可能な合成樹脂製の可動部材(37)とからなり、
    前記固定部材(36)には、前記エアバッグ装置(20)に設けた係止片(23)が挿通される第1係止孔(40)を開設し、
    前記可動部材(37)の前記支持パネル(41)には、前記エアバッグドア(15/15a,15b)の開放方向に沿う所要長の縦長状に形成されて、前記第1位置では前記第1係止孔(40)より前記エアバッグドア(15/15a,15b)から離間する側へ延すると共に、前記エアバッグ装置 (20) に設けた係止片 (23) が、該可動部材 (37) が第1位置から第2位置へ移動する側と反対側に前記突出量 (h) と同一寸法を以て遊嵌状態で挿通する第2係止孔(45)を開設し、
    前記可動部材(37)が、常には前記可動パネル (42) 前記固定部材(36)と一致して前記支持パネル(41)が前記エアバッグ装置(20)に非係止状態とされる前記第1位置に保持され、該エアバッグ装置(20)におけるエアバッグ(22)の押圧時には、前記第2係止孔(45)が前記係止片(23)へ係止する前記第2位置へ移動
    ことを特徴とするエアバッグドアのインサート部材。
  2. 前記固定部材(36)および可動部材(37)は、何れもオレフィン系の熱可塑性エラストマーから形成されている請求項1記載のエアバッグドアのインサート部材。
  3. 前記固定部材(36)および可動部材(37)は、合成樹脂製の前記基材(11)および該基材(11)の一部を構成する前記エアバッグドア(15/15a,15b)の裏面に対し、振動溶着法に基いて同時に装着される請求項2記載のエアバッグドアのインサート部材。
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