JP2007118895A - エアバッグドア - Google Patents

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Shinji Yokoi
伸治 横井
Eiji Kuratani
英司 倉谷
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Abstract

【課題】ドアパネルの円滑な開放およびヒンジ部の破損防止等を図り得るようにする。
【解決手段】ドアパネル22を裏側から支持する可動支持部32の裏面において、該ドアパネル22の開放端縁22Aに隣接する位置に、エアバッグ装置50の側に向けて突出する第1突出部44を設ける。基材12を裏側から支持する固定支持部34の内面において、ヒンジ部36に隣接する位置に、エアバッグ通過領域Sに向けて突出する第2突出部46を設ける。第1突出部44の先端と第2突出部46の先端とを結ぶ仮想基準線OLに対し、湾曲形状をなすヒンジ部36の突端部36Aをドアパネル22の側へ位置させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアバッグドアに関し、更に詳細には、外周縁に沿って破断予定部を形成することで基材に設けたドアパネルを裏側から支持する可動支持部と、ドア周辺部位において前記基材を裏側から支持する固定支持部と、前記ドアパネルの外周縁に沿って所要長に延在して前記可動支持部および固定支持部を湾曲形状で連結するヒンジ部とからなるエアバッグドアに関するものである。
車両の乗員室前方には車両内装部材であるインストルメントパネルが設置され、このインストルメントパネルにおける助手席側の内部には、助手席乗員の保護を図るためのエアバッグ装置が格納されている。このため、図8に例示するように、インストルメントパネル10を構成する基材12には、エアバッグ装置50に対応した部位にエアバッグドア20が設けられ、当該エアバッグ装置50の作動時に膨張するエアバッグ52の押圧力が加わると、該エアバッグドア20が乗員室側へ開放するようになっている。なお図8では、2枚のドアパネル22,22からなる両開きタイプを例示している。
前述した単層構造のインストルメントパネル、すなわち基材12が乗員室内(外部)へ露出するインストルメントパネル10では、エアバッグドア20がこの基材12に一体的に形成され、開放前には該基材12の一部をなすよう構成されている。このため、両ドアパネル22,22の外周縁には、エアバッグ装置50の作動時に、各ドアパネル22,22を基材12から分離させるための破断予定部24が形成されている。この破断予定部24は、2枚の四角形状のドアパネル22,22からなる両開きタイプでは「日字形」に延設され、ドアパネル22の開放端縁となる外周縁に沿って延在する第1破断予定部24Aと、該ドアパネル22のヒンジ側端縁となる外周縁に沿って延在する第2破断予定部24Bと、該ドアパネル22の左右端縁となる外周縁に沿って延在する第3破断予定部24Cとから構成されている。
また前述した基材12は、インストルメントパネル10に要求される剛性および強度を確保するため、例えばPP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成されているため、エアバッグ52の衝撃的な押圧力が加わった場合、ドアパネル22および/またはドア周辺部位において基材12が破損する可能性も考えられる。従って、エアバッグドア20およびドア周辺部位の裏側には、図8および図9に例示するように、破損防止のためのドア支持部材30を装着する場合が多い。
このドア支持部材30は、両開きタイプの場合、四角形状を呈する各ドアパネル22,22の裏面に固定されて対応のドアパネル22,22を裏側から支持する可動支持部32,32と、エアバッグドア20のドア周辺部位において基材12の裏面に固定されて該基材12を裏側から支持する固定支持部34と、これら可動支持部32の端縁部および固定支持部34の内壁部を湾曲形状で連結するヒンジ部36,36とから構成されている。各可動支持部32は、対応のドアパネル22より一回り小さいサイズの四角形状に形成されて、該ドアパネル22の裏面に密着した状態で固定される。固定支持部34は、ドアパネル22,22を囲繞すると共にエアバッグ装置50に連結される筒体部34Aと、この筒体部34Aの上縁に形成されて基材12に固定される取付部34Bとからなっている。また夫々のヒンジ部36は、上方へ開口した略U字形の横断面形状とされてエアバッグ装置50の方向へ突出した湾曲形状を呈しており、ドアパネル22における外周縁の一辺、具体的には前述した破断予定部24の第2破断予定部24Bに沿って延在している。なお、これら可動支持部32および固定支持部34は、例えば振動溶着技術等を利用して、エアバッグドア20および基材12の裏面に溶着固定される。
従って、エアバッグ装置50の作動時には、図9に例示したように、前述した固定支持部34の内側におけるエアバッグ通過領域Sをエアバッグ52が膨張して、可動支持部32の裏面およびヒンジ部36の突端部36Aを押圧するようになるから、可動支持部32およびヒンジ部36を介して押圧力がドアパネル22に加わることにより、前述したように破断予定部24が破断するようになる。そして、破断予定部24が破断して各ドアパネル22,22が基材12から分離すると、両ドアパネル22,22は、対応のヒンジ部36,36を介して固定支持部34に連結された可動支持部32,32に支持されながらインストルメントパネル10の外方へ開放するようになる。このようなエアバッグドアは、例えば特許文献1に開示されている。
特開2003−137056号公報
ところで、ヒンジ部36を中心としたドアパネル22の円滑な開放変位を考慮した場合、エアバッグ52の押圧力による破断予定部24の破断態様は、図5に例示したプロセスに従って進行することが望ましいとされている。すなわち、先ずエアバッグ52が膨張を開始した押圧初期段階では、両ドアパネル22,22の境界部分近傍が該エアバッグ52により押圧されるようにし(図5(a))、これにより第1破断予定部24Aを破断させて両ドアパネル22を分離させる(図5(b))。次いで、エアバッグ52の膨張が進行した押圧中期段階では、第1破断予定部24Aから始まった破断が両側の第3破断予定部24C,24Cへ進行し、エアバッグ52の膨張が更に進行した押圧後期段階では、第3破断予定部24C,24Cの破断が完了すると共に第2破断予定部24Bを破断させるようにする(図5(c))。すなわち、破断予定部24の破断は、第1破断予定部24A→第3破断予定部24C,24C→第2破断予定部24Bへと進行するようになり、これにより各ドアパネル22,22は、ヒンジ部36を介して固定支持部34へ支持された可動支持部32と共に円滑に開放するようになる(図5(d))。
しかしながら、従来のエアバッグドア20の実際の開放態様は、図10に示したプロセスに従って進行する場合があった。すなわち、先ずエアバッグ52が膨張を開始した押圧初期段階では、両ドアパネル22,22のヒンジ側端縁22Bの側がエアバッグ52により押圧され(図10(a))、これにより第2破断予定部24B,24Bが破断するようになる(図10(b))。次いで、エアバッグ52の膨張が進行した押圧中期段階では、第2破断予定部24B,24Bから始まった破断が両側の第3破断予定部24C,24Cへ進行し、両ドアパネル22,22が一体のままで基材12から分離する(図10(c))。そして、エアバッグ52の膨張が更に進行した押圧後期段階では、この時点で第1破断予定部24Aが破断するようになり、該第1破断予定部24Aの破断が完了することで、分離した両ドアパネル22,22の開放が開始するようになる(図10(d))。これは、図11に例示したように、膨張するエアバッグ52が、可動支持部32の裏面へ接触する前にヒンジ部36の突端部36Aへ先に接触し、該ヒンジ部36に隣接した第2破断予定部24Bに応力が集中してしまうため、該第2破断予定部24Bの破断が最初に始まってしまうからである。
すなわち、図9に例示した従来のエアバッグドア20の場合、エアバッグ装置50の作動に際し、第2破断予定部24Bの破断が先行するようになるため、図10(c)に図示したように、両ドアパネル22,22が基材12から分離した時点においても、まだ両ドアパネル22,22の分離が完了していないから、これらドアパネル22,22の開放変位が開始されていない。すなわち、図5に例示した理想的な開放態様では、図10(c)と同一時点で例示した図5(c)において、既に分離した両ドアパネル22,22が所要角度まで開放変位しているのに対し、図10(c)の開放態様では開放変位が全く開始されていないのであるから、従来のエアバッグドア20ではドアパネル22,22の開放タイミングが遅延する問題を内在していた。また、図10(c)の状態において第1破断予定部24Aが破断するに際し、両ドアパネル22,22が基材12から完全に分離しているため、エアバッグ52の強烈な押圧力がヒンジ部36へ直接加わってしまうから、当該ヒンジ部36の破損の可能性も考えられた。
従って本発明では、エアバッグの押圧力により破断予定部が適切に破断するようにすることで、ドアパネルの円滑な開放およびヒンジ部の破損防止等を図り得るようにしたエアバッグドアを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
外周縁に沿って破断予定部を形成することで基材に設けたドアパネルを裏側から支持する可動支持部と、ドア周辺部位において前記基材を裏側から支持する固定支持部と、前記ドアパネルの外周縁に沿って所要長に延在して前記可動支持部および固定支持部を湾曲形状で連結するヒンジ部とからなるエアバッグドアにおいて、
前記可動支持部の裏面において前記ドアパネルの開放端縁に隣接するよう設けられ、エアバッグ装置の側に向けて突出する第1突出部と、
前記固定支持部の内面において前記ヒンジ部に隣接するよう設けられ、該固定支持部に設けたエアバッグ通過領域に向けて突出する第2突出部とからなり、
湾曲形状をなす前記ヒンジ部の突端部を、前記第1突出部の先端と第2突出部の先端とを結ぶ仮想基準線よりも、前記ドアパネルの側へ位置させたことを要旨とする。
従って、請求項1に記載のエアバッグドアによれば、可動支持部の裏面に設けた第1突出部および固定支持部の内面に設けた第2突出部により、ヒンジ部がエアバッグ装置の側へ突出した湾曲形状を呈していても、エアバッグの押圧力が該ヒンジ部へ加わるタイミングを意図的に遅延させることができる。これにより、ドアパネルに対するエアバッグの押圧力は、先ずヒンジ部から離間した開放端縁の側へ加わるようにし、次いで適宜時間差を以てヒンジ部に隣接したヒンジ側端縁の側へ加わるようにすることができる。すなわち破断予定部の破断は、先ずヒンジ部から離間する位置から始まり、次いで適宜時間差を以てヒンジ部に隣接する位置へ進行するようになるから、ドアパネルの開放変位が好適なタイミングで円滑に実行されるようになる。しかも、ヒンジ部に隣接した側が最後に破断するため、ドアパネルが基材から完全に分離するまでエアバッグの強烈な押圧力がヒンジ部へ直接的に加わることが殆どなく、よって当該ヒンジ部の破損を好適に防止できる。
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1突出部は、その長手方向における中央部分が最大に突出していることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、膨張するエアバッグの頂面部分が第1突出部の中央部分に最初に接触するようになるから、該第1突出部に隣接する破断予定部の破断は前述した中央部分に対応する中間部分から開始するよう設定し得るから、該破断予定部の破断が一段とスムーズとなってドアパネルの円滑な開放変位を実現し得る。
本発明に係るエアバッグドアによれば、エアバッグの押圧力により破断予定部が適切に破断するようになるので、ドアパネルの円滑な開放およびヒンジ部の破損防止等を図り得る有益な効果を奏する。
次に、本発明に係るエアバッグドアにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、本発明が対象とするエアバッグドアは、1枚のドアパネルからなる片開きタイプ、2枚のドアパネルからなる両開きタイプ、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプ等、多角形状のドアパネルを有するものである。そこで後述する実施例では、2枚のドアパネルからなる両開きタイプのエアバッグドアを例示することとし、よって図8〜図11を引用して説明した従来技術の項における既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施例に係るエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの要部断面図である。図示のインストルメントパネル10は、ポリプロピレン(PP)等から所要形状に成形された合成樹脂製の基材12からなる単層タイプとされている。そして、車両乗員室の前方へ設置した際には、車体構成部材に取付固定されたエアバッグ装置50を全体的に被覆すると共に、当該基材12に設けたエアバッグドア40が該エアバッグ装置50に整合する。
基材12に設けた本実施例のエアバッグドア40は、四角形状をなす2枚のドアパネル22,22からなる両開きタイプとされ、第1破断予定部24A、第2破断予定部24Bおよび第3破断予定部24Cからなる「日字形」の破断予定部24を該基材12の裏面に形成することで、開放前には該基材12の一部を構成している。そして、エアバッグ装置50の作動により膨張したエアバッグ52の押圧力が加わった際には、後述するように、破断予定部24の第1破断予定部24A、第2破断予定部24Bおよび第3破断予定部24Cが適宜タイミングで破断することで、基材12から分離して外方へ開放するようになる。なおドアパネル22は、前述した長方形の四角形状に限定されるものではなく、正方形、台形、平行四辺形等の四角形状や、三角形状および五角形状等、多角形状のものは全て対象とされる。
エアバッグドア40の裏側およびドア周辺部位の裏側へ固定されるドア支持部材42は、図1および図2に例示したように、2枚のドアパネル22,22からなる両開きタイプに対応するようTPO等の合成樹脂から一体成形されたものである。具体的には、両ドアパネル22,22の裏面に夫々固定されて対応のドアパネル22,22を裏側から支持する可動支持部32,32と、ドア周辺部位において基材12の裏面に固定されて該基材12を裏側から支持する筒体状の固定支持部34と、対応のドアパネル22の外周縁における一辺に沿って延在して可動支持部32および固定支持部34を湾曲形状で連結するヒンジ部36とから構成されており、基本構成は前述した従来のドア支持部材30と同じである。
そして本実施例のエアバッグドア40では、ドア支持部材42を次のように構成することで、エアバッグ52の押圧力を利用した破断予定部24の破断が、図5に例示した理想的な破断態様となるようにしたことを特徴としている。すなわち、ドア支持部材42の可動支持部32の裏面には、図1および図2に例示したように、ドアパネル22の開放端縁22Aに隣接し、エアバッグ装置50の側に向けて突出して、膨張途中の前記エアバッグ52が接触し得る第1突出部44を設けてある。また、固定支持部34における筒体部34Aの内面には、ヒンジ部36に隣接し、該固定支持部34に設けたエアバッグ通過領域Sに向けて突出して、膨張途中のエアバッグ52が接触し得る第2突出部46を設けてある。
第1突出部44は、可動支持部32に一体的に形成されて横断面形状が湾曲形状を呈し、対応のドアパネル22の幅方向における中央基準線CLよりも開放端縁22Aの側に位置し、可動支持部32の長手方向へ延在して該可動支持部32と同一長に形成されている。そして第1突出部44は、その長手方向の何れの部位においても略同一の突出高さH1でエアバッグ装置50の側に向けて突出している。これにより、エアバッグ52が第1突出部44へ接触して該第1突出部44を押圧した場合は、その押圧力がこの第1突出部44に隣接した破断予定部24の第1破断予定部24Aへ集中的に加わる構造となっている。なお第1突出部44は、可動支持部32が対応のドアパネル22の裏面に溶着固定されているため、エアバッグ52の押圧力を受けても座屈的または圧潰的に変形することがない。
第2突出部46は、ヒンジ部36の長さと同一長に延在しており、固定支持部34の内面からエアバッグ通過領域Sの方向へ突出高さH2で突出している。なお本実施例では、ドア支持部材42の成形上の都合から、固定支持部34とヒンジ部36との境界部分に位置して該ヒンジ部36と一体的に形成されている。但し、この第2突出部46は固定支持部34に連設されているため、この第2突出部46にエアバッグ52の押圧力が加わっても、その押圧力がヒンジ部36へ直接的に加わらない構造となっている。
ヒンジ部36は、基本的には図8に例示した従来のエアバッグドア20のヒンジ部36と同一形態で横断面形状が湾曲形状を呈し、対応のドアパネル22における幅方向の中央基準線CLよりもヒンジ側端縁22Bの側に位置して、破断予定部24の第2破断予定部24Bに沿って延在している。これにより、エアバッグ52がヒンジ部36の突端部36Aに接触して該ヒンジ部36を押圧した場合は、その押圧力がこれに隣接した第2破断予定部24Bへ集中的に加わる構造となっている。
そして本実施例のエアバッグドア40では、可動支持部32へ第1突出部44を設けると共に固定支持部34へ第2突出部46を設けたことにより、図1に例示したように、湾曲形状をなすヒンジ部36の突端部36Aを、第1突出部44の先端と第2突出部46の先端とを結ぶ仮想基準線OLよりも、ドアパネル22側へ位置させた構造となっている。これにより膨張途中のエアバッグ52は、ヒンジ部36に接触する前に、第1突出部44および第2突出部46へ先に接触するようになっている。
従って本実施例のエアバッグドア40では、エアバッグ52が膨張を開始して押圧初期段階では、図1に例示したように、第1突出部44および第2突出部46に接触するもののヒンジ部36には接触しないため、実質的にエアバッグ52の押圧力が第1突出部44,44を介して両ドアパネル22,22の境界部分近傍、すなわち各ドアパネル22の開放端縁22A側に押圧力が集中的に加わるようになる(図5(a))。これにより、これら第1突出部44,44に隣接した第1破断予定部24Aに応力が集中するようになり、該第1破断予定部24Aの破断が惹起される(図3,図5(b))。
次いで、エアバッグ52の膨張が進行した押圧中期段階では、エアバッグ52による第1突出部44への押圧が継続するため、第1破断予定部24Aの破断が完了すると、両ドアパネル22,22の開放端縁22A側が押し上げられるため、第3破断予定部24C,24Cが破断するようになる。また、これと略同時に、各可動支持部32,32に設けたヒンジ部36,36へエアバッグ52が接触するようになるから、両ドアパネル22,22のヒンジ側端縁22B側が該エアバッグ52により押圧され始める(図3)。
そして、エアバッグ52の膨張が更に進行した押圧後期段階では、ヒンジ部36,36に隣接した第2破断予定部24B,24Bに加わる応力が漸次増大するようになり、各第2破断予定部24B,24Bの破断が惹起される。そして、第2破断予定部24B,24Bの破断と第3破断予定部24C,24Cの破断が繋がると、両ドアパネル22,22が基材12から分離するようになる(図4,図5(c))。基材12から分離した両ドアパネル22,22は、対応のヒンジ部36を介して固定支持部34へ連結支持された可動支持部32に支持され、該可動支持部32と一緒に開放するようになる(図5(d))。
すなわち本実施例のエアバッグドア40では、可動支持部32の裏面に第1突出部44を設けると共に固定支持部34の内面に第2突出部46を設けたことにより、先ず開放端縁22Aの側に位置する第1突出部44に対してエアバッグ52の押圧力が加わるようにし、次いで適宜時間差を以てヒンジ側端縁22Bの側に位置するヒンジ部36に対して該エアバッグ52の押圧力が加わるようにしてある。これにより破断予定部24の破断態様は、先ず第1突出部44に隣接して位置する(ヒンジ部36から離間して位置する)第1破断予定部24Aの破断 → 第1破断予定部24Aの両端から延在する第3破断予定部24C,24Cの破断 → ヒンジ部36に隣接して位置する第2破断予定部24Bの破断、という順序で進行するようになるから、まさしく図5に例示した理想的な破断態様が実現される。
従って、本実施例に係るエアバッグドアによれば、次のような作用効果を得ることができる。先ず、可動支持部32の裏面に設けた第1突出部44および固定支持部34の内面に設けた第2突出部46により、ヒンジ部36がエアバッグ装置50の側へ突出した湾曲形状を呈していても、エアバッグ52の押圧力が該ヒンジ部36へ加わるタイミングを意図的に遅延させることができる。すなわち、ドアパネル22に対するエアバッグ52の押圧力は、先ずヒンジ部36から離間した開放端縁22Aの側へ加わるようにし、次いで適宜時間差を以てヒンジ部36に隣接したヒンジ側端縁22B側へ加わるようにすることができる。
これにより破断予定部24の破断は、先ずヒンジ部36から離間して位置する第1破断予定部24Aで始まり、次いで適宜時間差を以てヒンジ部36に隣接して位置する第2破断予定部24Bで破断が始まるようになるから、当該破断予定部24の破断が図5に例示した理想的な破断態様となり、よってドアパネル22,22の開放変位が好適なタイミングで円滑に実行されるようになる。しかも、ヒンジ部36に隣接した第2破断予定部24Bが最後に破断するため、ドアパネル22が基材12から完全に分離するまでエアバッグ52の強烈な押圧力がヒンジ部36へ直接的に加わることが殆どなく、よって当該ヒンジ部36の破損を好適に防止できる。
また、第1突出部44および第2突出部46は、ドア支持部材42に一体的に設けられているため、該ドア支持部材42の成形工程時に同時に成形されるようになり、これら第1突出部44および第2突出部46を設けることによる成形工数および作業工数等が増加しないため、エアバッグドアに関する成形コストがアップすることもない。
なお前述した実施例では、可動支持部32に設けた第1突出部44に関し、その長手方向における突出高さH1が略一定となる場合を例示したが、長手方向の部位毎に突出高さH1を変化させるようにしてもよい。例えば図6に例示するように、長手方向における中央部分44Aにおいて突出高さH1が最大となるようにし、この中央部分44Aから左右両端に向かうに従って漸次小さくなるようにしてもよい。このように中央部分44Aの突出高さH1を最大に設定した場合には、膨張するエアバッグ52の頂面部分がこの中央部分44Aに最初に接触するようになるから、第1破断予定部24Aの破断は前述した中央部分44Aに対応する中間部分から始まるように設定することができる。従って、エアバッグ52の押圧力を利用した破断予定部24の破断は、先ず第1破断予定部24Aの中央部分から開始された後に両方向へ進行し、次いで両側の第3破断予定部24C,24Cへ進行した後に第2破断予定部24Bへ進行するようになるから、該破断予定部24の破断が一段とスムーズとなり、ドアパネル22の円滑な開放変位を実現し得る。
また、第1突出部44および第2突出部46に関しては、前述した実施例に例示した形状のものに限定されるものではない。例えば図7に例示したように、リブ形状または突片形状等、エアバッグ52が適切に接触すると共に破損しない強度を有するものであれば、様々な形態のものが実施可能である。そして第2突出部46に関しては、ドア支持部材42の一体成形に支障がなければ、図7に例示したように、ヒンジ部36と分離させた構造として、固定支持部34から突出した形状に形成するようにしてもよい。更に、第1突出部44および第2突出部46は、ドア支持部材42と別体構造として別工程で成形したもとで、該ドア支持部材42へ後工程で装着固定するようにしてもよい。
また前述したドア支持部材42は、合成樹脂製のものに限らず、スチール等の金属製のものであってもよい。なお、スチール製の場合は、可動支持部32および固定支持部34は、エアバッグドア40および基材12の裏面にカシメ付けされる。
そして前述した実施例では、2枚のドアパネル22,22からなる両開きタイプのエアバッグドア40を例示したが、本願が対象とするエアバッグドア40は、1枚のドアパネルからなる片開きタイプ、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプ等も含まれる。
また前述した実施例では、ドアパネル22,22を設けた基材12がインストルメントパネル10の外面に露出した単層タイプのエアバッグドアを例示したが、本願が対象とするエアバッグドアは、基材12およびドアパネル22の外面へ表皮材を被着した2層タイプのインストルメントパネルや、ドアパネル22および基材12の外面に表皮および発泡体を積層状に被着させた3層タイプのインストルメントパネルに設けたものも含まれる。
更に、前述した実施例では、車両内装部材としてインストルメントパネルを例示したが、本願発明が対象とするエアバッグドアは、ドアパネル、ピラーガーニッシュ、ルーフサイドガーニッシュ等も対象とされる。
本発明に係るエアバッグドアは、外周縁に沿って破断予定部を形成することで基材に設けたドアパネルを裏側から支持する可動支持部と、ドア周辺部位において前記基材を裏側から支持する固定支持部と、前記ドアパネルの外周縁における一辺に沿って延在して前記可動支持部および固定支持部を湾曲形状で連結するヒンジ部とからなるエアバッグドアであって、エアバッグ装置を搭載した種々自動車の車両内装部材に設けられるエアバッグドアに好適に実施可能である。
膨張するエアバッグによる押圧初期段階の状態で示した本実施例に係るエアバッグドアの説明断面図。 ヒンジ部、第1突出部および第2突出部を設けたドア支持部材の一部破断斜視図。 膨張するエアバッグによる押圧中期段階の状態で示したエアバッグドアの部分断面図。 膨張するエアバッグによる押圧後期段階の状態で示したエアバッグドアの部分断面図。 エアバッグの押圧力を利用した破断予定部の理想的な破断態様を経時的に示した説明図。 別例に係る第1突出部を設けたドア支持部材の一部破断斜視図。 第1突出部および第2突出部の変更例を示した説明断面図。 インストルメントパネルに設けたエアバッグドアの構成を示した概略斜視図。 図8のIX−IX線断面図であって、膨張するエアバッグによる押圧初期段階の状態を示している。 エアバッグの押圧力を利用した破断予定部の実際の破断態様を経時的に示した説明図。 従来のエアバッグドアに内在する問題点を例示した説明断面図。
符号の説明
12 基材,22 ドアパネル,22A 開放端縁,24 破断予定部,32 可動支持部,
34 固定支持部,36 ヒンジ部,36A 突端部,44 第1突出部,
44A 中央部分,46 第2突出部,50 エアバッグ装置,OL 仮想基準線,
S エアバッグ通過領域

Claims (2)

  1. 外周縁に沿って破断予定部(24)を形成することで基材(12)に設けたドアパネル(22)を裏側から支持する可動支持部(32)と、ドア周辺部位において前記基材(12)を裏側から支持する固定支持部(34)と、前記ドアパネル(22)の外周縁に沿って所要長に延在して前記可動支持部(32)および固定支持部(34)を湾曲形状で連結するヒンジ部(36)とからなるエアバッグドアにおいて、
    前記可動支持部(32)の裏面において前記ドアパネル(22)の開放端縁(22A)に隣接するよう設けられ、エアバッグ装置(50)の側に向けて突出する第1突出部(44)と、
    前記固定支持部(34)の内面において前記ヒンジ部(36)に隣接するよう設けられ、該固定支持部(34)に設けたエアバッグ通過領域(S)に向けて突出する第2突出部(46)とからなり、
    湾曲形状をなす前記ヒンジ部(36)の突端部(36A)を、前記第1突出部(44)の先端と第2突出部(46)の先端とを結ぶ仮想基準線(OL)よりも、前記ドアパネル(22)の側へ位置させた
    ことを特徴とするエアバッグドア。
  2. 前記第1突出部(44)は、その長手方向における中央部分(44A)が最大に突出している請求項1記載のエアバッグドア。
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